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技術 ミシン

出願人 株式会社バルダン
発明者 青木馨一
出願日 2000年8月25日 (20年3ヶ月経過) 出願番号 2000-254850
公開日 2002年3月5日 (18年8ヶ月経過) 公開番号 2002-066183
状態 特許登録済
技術分野 ミシン・縫製 自動刺繍;刺繍製品;タフト製品
主要キーワード 小片物 取り付け用ブラケット スライダクランク機構 ロックレバ 押下部材 天秤装置 色換え 垂直軸周り
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2002年3月5日)のものです。
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図面 (11)

課題

ミシンにおいて、針棒上昇時におけるオイル飛散を防止する。上死点にきた駆動する針棒の係合具の上面と休止中の針棒の係合具の上面との間の段差を減少させることで、色換えを円滑に行う。

解決手段

複数本の針棒23から駆動する針棒23Xが選択されることで色換え作業が行われ、上死点にきた駆動する針棒23Xの上面が押さえローラ14に当接したとき、該上死点にきた駆動する針棒23Xの上面がフリー状態にある休止中の針棒23の上面より低い位置になるように設定されるミシンにおいて、前記設定により生じる休止中の針棒23の上面と上死点にきた駆動する針棒23Xの上面との間の段差が、色換え作業時に押さえローラ14が乗り越えられる程度に減少するように休止中の針棒23を前記フリー状態から押し下げる休止針棒押下部材50を設けた。

概要

背景

図7〜図9は、ミシンヘッド80の固定ブロック81に対して四角枠状の可動ブロック90が左右方向にスライド可能に支持され、該可動ブロック90の下部91のガイド穴92に複数本針棒93がそれぞれ上下摺動可能に挿入・支持されることにより左右方向に並設された、従来の多針ミシンを示している。各針棒93の下端には針64が交換可能に取り付けられている。また、各針棒93の上端には係合具95が取り付けられ、該係合具95の後面には係合凹所96が凹設されている。係合凹所96の内側下端には針棒93の針棒上端面93aが現れている。

固定ブロック81には、案内棒82に昇降可能に外挿された昇降体83と、上軸84の回転動を昇降体83の上下動に変換するスライダクランク機構85とが設けられ、昇降体83には叩き取付台86が上下位置調節可能にネジ87で取り付けられている。叩き取付台86には叩き88が前側へ繰り出して係合凹所96に係合する位置と係合凹所96から外れて横側へ退避する位置との間で首振り可能に取り付けられている。

固定ブロック81に対し可動ブロック90を左右方向にスライドさせることにより、複数本の針棒93のうちから一本の針棒93Xが固定ブロック81の駆動位置割り出されて選択されると、該針棒93Xの係合凹所96に前側へ繰り出した叩き88が係合する。係合凹所96の内法上下幅は、叩き88の上下幅よりも大きく設定されている。昇降体83の下降時には、叩き88が係合凹所96の針棒上端面93aを叩いて針棒93Xを押し下げるので、針棒93X及び針94は下死点まで下降する。昇降体83の上降時には、針棒93Xに外挿されたスプリング97と布押さえ104の布押さえ棒105に外挿されたスプリング106とにより、針棒93X及び針94は上死点まで上昇する。

ところで、針棒93Xの「下死点」は、針94に通された上糸ベッド109内の110から繰り出される下糸との円滑な絡みを左右する重要なものであるが、実際のミシンでは各部の誤差が積み重なるために無調整で下死点を決めることはできないので、次のようにして下死点を調整する必要があった。

すなわち、図9(a)に示すように、予めネジ87を弛めて昇降体83に対し叩き取付台86を上下位置調節できるようにしておくとともに、釜110に下死点調整用筒体111をセットしておく。そして、昇降体83を下限まで下降させて叩き88で針棒63Xを押し下げたときに、針94の先端を下死点調整用筒体111に当接させ、その状態でネジ87を締めて叩き取付台86の上下位置を決めて固定する。こうして針棒93Xの下死点が調整される。

一方、針棒93Xの「上死点」は、糸の絡みとは無関係であるが、次のような針棒93Xの上昇時の衝撃によるオイル飛散という問題があるため、その次に述べるようにして上死点を調整する必要があった。

すなわち、図9(b)に示すように、昇降体83が上昇するときには、針棒93Xがスプリング97,106により上昇し、該針棒93Xと連動して上昇する布押さえ104の上面(該上面にOリング107が介装されているときはそのOリング107)が可動ブロック90の下部91の下面に当接したところで、針棒93Xの上昇が止まる。なお、この当接後も昇降体83は上限まで上昇するので、叩き88は針棒上端面93aからやや離れて隙間Aを作る。このときの針棒93Xの係合具95の上面は、隣りの休止中の針棒93(図9(b)では2点差線で示すともに、図示の便宜上、針棒93Xの前側に並べた。)の係合具95の上面と高さレベルが揃う。休止中の針棒93の布押さえ104又はOリング107は、下部91の下面に当接したままだからである。

仮に上記図9(b)のように、布押さえ104の上面又はOリング107が下部91の下面に当接したときを針棒93Xを上死点とすると、該下部91の下面にはガイド穴92と針棒93Xとの間を潤滑するためのオイルの一部がにじみ出ているため、前記当接時の衝撃によりそのオイルが飛散して縫製中の加工布を汚してしまうという問題がある。

そこで、ブラケット101とそれに回動可能に軸支された押さえローラ102とからなる針棒ストッパ100を設け、図9(b)から(c)への変化で示すように、該押さえローラ102を係合具95の上面に当接させてさらに針棒93Xを例えば0.5mmだけ押し下げ、その状態でブラケット101を固定ブロック81に止め(その詳細は省略)、この押し下げた位置を針棒93Xの上死点としている。すなわち、針棒93Xは係合具95の上面が押さえローラ102に当接したところで上死点となり、布押さえ104の上面又はOリング107は下部91の下面より例えば0.5mmの隙間Bをおいた下方で止まるので、衝撃によるオイルの飛散は起こらない。

なお、針棒ストッパ100は、上記の通り針棒93Xを押し下げて上死点を決める役割だけでなく、縫製時のいわゆるジャンプ動作時に叩き88が係合凹所96から外れて横側へ待避したときに、針棒ストッパ100が係合具95の上面に当接して、布押さえ104の上面又はOリング107が下部91の下面に当接しないようにする役割がある。

また、図9(c)における針棒93Xの係合具95の上面は、隣りの休止中の針棒93の係合具95(図9(c)に2点差線で示す。)の上面よりも例えば0.5mmだけ低くなり、同値段差Cができる。前記針棒ストッパを回動可能な押さえローラ102としたのは、色換え時すなわち、可動ブロック90をスライドさせて駆動すべき針棒93Xを隣り(幾つか離れた隣りも含む)の針棒93に切り換えるときに、この段差Cを押さえローラ102の回動によってうまく乗り越えて、隣りの針棒93の係合具95の上面に乗り上がるようにするためである。但し、この段差Cが例えば0.7mm以上になると、たとえ回動可能な押さえローラ102であっても、乗り越えるのは困難になることが分かっている。

概要

ミシンにおいて、針棒上昇時におけるオイルの飛散を防止する。上死点にきた駆動する針棒の係合具の上面と休止中の針棒の係合具の上面との間の段差を減少させることで、色換えを円滑に行う。

複数本の針棒23から駆動する針棒23Xが選択されることで色換え作業が行われ、上死点にきた駆動する針棒23Xの上面が押さえローラ14に当接したとき、該上死点にきた駆動する針棒23Xの上面がフリー状態にある休止中の針棒23の上面より低い位置になるように設定されるミシンにおいて、前記設定により生じる休止中の針棒23の上面と上死点にきた駆動する針棒23Xの上面との間の段差が、色換え作業時に押さえローラ14が乗り越えられる程度に減少するように休止中の針棒23を前記フリー状態から押し下げる休止針棒押下部材50を設けた。

目的

そこで、本発明の目的は、針棒上昇時におけるオイルの飛散を防止するとともに、該防止のために従来であれば上死点にきた駆動する針棒の係合具の上面と休止中の針棒の係合具の上面との間に段差ができていたところ、その段差を減少させることができ、もって色換えを円滑に行うことができるミシンを提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

複数本針棒(23)から駆動する針棒(23X)が選択されることで色換え作業が行われるようになっており、上死点にきた駆動する針棒(23X)の上面が押さえローラ(14)に当接したときに、該上死点にきた駆動する針棒(23X)の上面がフリー状態にある休止中の針棒(23)の上面より低い位置になるように設定されるミシンにおいて、前記設定により生じる休止中の針棒(23)の上面と上死点にきた駆動する針棒(23X)の上面との間の段差(C)が、色換え作業時に前記押さえローラ(14)が乗り越えられる程度に減少するように、休止中の針棒(23)を前記フリー状態から押し下げる休止針棒押下部材(50)が設けられたことを特徴とするミシン。

請求項2

可動ブロック(20)に複数本の針棒(23)が上下動可能に支持され、可動ブロック(20)の移動により複数本の針棒(23)から駆動する針棒(23X)が選択されることで色換え作業が行われるようになっており、各針棒(23)の上端には係合凹所(26)を備えた係合具(25)が設けられ、駆動する針棒(23X)の係合具の係合凹所(26)に係合する叩き(12)と、上死点にきた駆動する針棒(23X)の係合具(25)の上面に当接する押さえローラ(14)とが、固定ブロック(2)側に設けられ、上死点にきた駆動する針棒(23X)の係合具(25)の上面が押さえローラ(14)に当接したときに、該上死点にきた駆動する針棒(23X)の係合具(25)の上面がフリー状態にある休止中の針棒(23)の係合具(25)の上面より低い位置になるように設定されることにより、駆動する針棒(23X)に対応して設けられた布押さえ(32)と可動ブロック(20)の下部との間に隙間(B)が生じるように構成されたミシンにおいて、前記設定により生じる休止中の針棒(23)の係合具(25)の上面と上死点にきた駆動する針棒(23X)の係合具(25)の上面との間の段差(C)が、色換え作業時に前記押さえローラ(14)が乗り越えられる程度に減少するように、休止中の針棒(23)を前記フリー状態から押し下げる休止針棒押下部材(50)が設けられたことを特徴とするミシン。

請求項3

可動ブロック(20)に複数本の針棒(23)が円弧状に間隔をおいて配列され、かつ上下動可能に支持され、該可動ブロック(20)を垂直軸周り回動させて複数本の針棒(23)から駆動する針棒(23X)が選択されることで色換え作業が行われるようになっている請求項2記載のミシン。

請求項4

可動ブロック(20)に複数本の針棒(23)が左右一列に間隔をおいて配列され、かつ上下動可能に支持され、該可動ブロック(20)を左右方向にスライドさせて複数本の針棒(23)から駆動する針棒(23X)が選択されることで色換え作業が行われるようになっている請求項2記載のミシン。

請求項5

休止針棒押下部材(50)は、直接可動ブロック(20)に対して上下位置調整可能に取り付けられた請求項2、3又は4記載のミシン。

請求項6

休止針棒押下部材(50)は、可動ブロック(20)とともに垂直軸周りに回動する支持軸(47)に対して上下位置調整可能に取り付けられた請求項3記載のミシン。

請求項7

押さえローラ(14)が乗り越えられる程度の段差が0.1〜0.7mmである請求項1〜6のいずれか一項に記載のミシン。

請求項8

係合具の係合凹所(26)に叩きが実質的に隙間無く係合するようにした請求項2〜7のいずれか一項に記載のミシン。

請求項9

布押さえ(32)と可動ブロック(20)の下部との間の隙間(B)が0.7〜5mmである請求項2〜8のいずれか一項に記載のミシン。

技術分野

0001

本発明は、複数本針棒から一本の針棒を選択して駆動するミシンに関するものである。

背景技術

0002

図7図9は、ミシンヘッド80の固定ブロック81に対して四角枠状の可動ブロック90が左右方向にスライド可能に支持され、該可動ブロック90の下部91のガイド穴92に複数本の針棒93がそれぞれ上下摺動可能に挿入・支持されることにより左右方向に並設された、従来の多針ミシンを示している。各針棒93の下端には針64が交換可能に取り付けられている。また、各針棒93の上端には係合具95が取り付けられ、該係合具95の後面には係合凹所96が凹設されている。係合凹所96の内側下端には針棒93の針棒上端面93aが現れている。

0003

固定ブロック81には、案内棒82に昇降可能に外挿された昇降体83と、上軸84の回転動を昇降体83の上下動に変換するスライダクランク機構85とが設けられ、昇降体83には叩き取付台86が上下位置調節可能にネジ87で取り付けられている。叩き取付台86には叩き88が前側へ繰り出して係合凹所96に係合する位置と係合凹所96から外れて横側へ退避する位置との間で首振り可能に取り付けられている。

0004

固定ブロック81に対し可動ブロック90を左右方向にスライドさせることにより、複数本の針棒93のうちから一本の針棒93Xが固定ブロック81の駆動位置割り出されて選択されると、該針棒93Xの係合凹所96に前側へ繰り出した叩き88が係合する。係合凹所96の内法上下幅は、叩き88の上下幅よりも大きく設定されている。昇降体83の下降時には、叩き88が係合凹所96の針棒上端面93aを叩いて針棒93Xを押し下げるので、針棒93X及び針94は下死点まで下降する。昇降体83の上降時には、針棒93Xに外挿されたスプリング97と布押さえ104の布押さえ棒105に外挿されたスプリング106とにより、針棒93X及び針94は上死点まで上昇する。

0005

ところで、針棒93Xの「下死点」は、針94に通された上糸ベッド109内の110から繰り出される下糸との円滑な絡みを左右する重要なものであるが、実際のミシンでは各部の誤差が積み重なるために無調整で下死点を決めることはできないので、次のようにして下死点を調整する必要があった。

0006

すなわち、図9(a)に示すように、予めネジ87を弛めて昇降体83に対し叩き取付台86を上下位置調節できるようにしておくとともに、釜110に下死点調整用筒体111をセットしておく。そして、昇降体83を下限まで下降させて叩き88で針棒63Xを押し下げたときに、針94の先端を下死点調整用筒体111に当接させ、その状態でネジ87を締めて叩き取付台86の上下位置を決めて固定する。こうして針棒93Xの下死点が調整される。

0007

一方、針棒93Xの「上死点」は、糸の絡みとは無関係であるが、次のような針棒93Xの上昇時の衝撃によるオイル飛散という問題があるため、その次に述べるようにして上死点を調整する必要があった。

0008

すなわち、図9(b)に示すように、昇降体83が上昇するときには、針棒93Xがスプリング97,106により上昇し、該針棒93Xと連動して上昇する布押さえ104の上面(該上面にOリング107が介装されているときはそのOリング107)が可動ブロック90の下部91の下面に当接したところで、針棒93Xの上昇が止まる。なお、この当接後も昇降体83は上限まで上昇するので、叩き88は針棒上端面93aからやや離れて隙間Aを作る。このときの針棒93Xの係合具95の上面は、隣りの休止中の針棒93(図9(b)では2点差線で示すともに、図示の便宜上、針棒93Xの前側に並べた。)の係合具95の上面と高さレベルが揃う。休止中の針棒93の布押さえ104又はOリング107は、下部91の下面に当接したままだからである。

0009

仮に上記図9(b)のように、布押さえ104の上面又はOリング107が下部91の下面に当接したときを針棒93Xを上死点とすると、該下部91の下面にはガイド穴92と針棒93Xとの間を潤滑するためのオイルの一部がにじみ出ているため、前記当接時の衝撃によりそのオイルが飛散して縫製中の加工布を汚してしまうという問題がある。

0010

そこで、ブラケット101とそれに回動可能に軸支された押さえローラ102とからなる針棒ストッパ100を設け、図9(b)から(c)への変化で示すように、該押さえローラ102を係合具95の上面に当接させてさらに針棒93Xを例えば0.5mmだけ押し下げ、その状態でブラケット101を固定ブロック81に止め(その詳細は省略)、この押し下げた位置を針棒93Xの上死点としている。すなわち、針棒93Xは係合具95の上面が押さえローラ102に当接したところで上死点となり、布押さえ104の上面又はOリング107は下部91の下面より例えば0.5mmの隙間Bをおいた下方で止まるので、衝撃によるオイルの飛散は起こらない。

0011

なお、針棒ストッパ100は、上記の通り針棒93Xを押し下げて上死点を決める役割だけでなく、縫製時のいわゆるジャンプ動作時に叩き88が係合凹所96から外れて横側へ待避したときに、針棒ストッパ100が係合具95の上面に当接して、布押さえ104の上面又はOリング107が下部91の下面に当接しないようにする役割がある。

0012

また、図9(c)における針棒93Xの係合具95の上面は、隣りの休止中の針棒93の係合具95(図9(c)に2点差線で示す。)の上面よりも例えば0.5mmだけ低くなり、同値段差Cができる。前記針棒ストッパを回動可能な押さえローラ102としたのは、色換え時すなわち、可動ブロック90をスライドさせて駆動すべき針棒93Xを隣り(幾つか離れた隣りも含む)の針棒93に切り換えるときに、この段差Cを押さえローラ102の回動によってうまく乗り越えて、隣りの針棒93の係合具95の上面に乗り上がるようにするためである。但し、この段差Cが例えば0.7mm以上になると、たとえ回動可能な押さえローラ102であっても、乗り越えるのは困難になることが分かっている。

発明が解決しようとする課題

0013

上記の通り、図9(c)において針棒93Xを0.5mmだけ押し下げると、叩き88と針棒上端面93aとの間の隙間Aは、図9(b)のときよりもさらに0.5mm分だけ大きくなる。このように、大きな隙間Aがある状態から、叩き88が昇降体83とともに下降して針棒上端面93aを叩くため、大きな打音が発生して障りであるという問題があった。

0014

この打音を低減するには、図10に示すように、係合具95の係合凹所96の内法上下幅と叩き88の上下幅とをほぼ同一にして、係合凹所96に叩き88が実質的に隙間無く係合するようにすればよい。ところが、このように構成すると、今度は隙間Cが大きくなってそれを押さえローラ102が乗り越えられなくなるという問題が生じる。その理由を以下に述べる。

0015

図10(a)は針棒93Xの「下死点」の調整方法を示し、その方法は図9(a)に示した従来例の方法と同じなので、前記説明を援用する。

0016

一方、針棒93Xの「上死点」は、図10(b)に示すように、昇降体83が上限まで上昇したときに必然的に決まる。係合凹所96に叩き88が実質的に隙間無く係合しているからである。従って、前記オイルの飛散を防止するためには、このときに布押さえ104の上面又はOリング107と下部91の下面との間に隙間Bが生じるように、昇降体83や叩き88を設定するなどして、駆動する針棒93Xが上死点にきたときの位置を休止中の針棒93の位置よりも隙間B分だけ低くなるように構成する必要がある。しかも、この隙間Bは、針棒93の長さ又は下部91の下面の高さレベルを設定するなどして、前記従来例における例えば0.5mmよりも大きい値、例えば0.7〜5mm程度に設定する必要がある。なぜなら、この隙間Bを0.5mmに設定したとすると、図10(a)で針棒93Xの下死点を調整するときに、各部の誤差により針棒93が設計位置よりも高く上がった状態で叩き取付台86が固定された場合に、図10(b)で隙間Bが無くなってしまうからである。つまり、「針棒63Xの下死点」の上方向への調整幅を確保するために、隙間Bを大きく設定する必要があるのである(従来例では、係合具95の係合凹所96の内法上下幅と叩き88の上下幅との差によって、該調整幅を確保していた。)。

0017

従って、図10(b)の上死点にきた針棒93Xの係合具95の上面は、隣りの休止中の針棒93の係合具95(図10(b)に2点差線で示す。)の上面よりも0.7〜5mmだけ低くなり、同値の段差Cができる。この針棒93Xの係合具95の上面に、図10(c)に示すように、針棒ストッパ100の押さえローラ102を当接させると、押さえローラ102は色換え時にこのような大きい段差Cを乗り越えることができなくなる。つまり、図7において可動ブロック90を左右方向にスライドさせて色換えする時に、押さえローラ102が隣りの針棒93の側面に当たって止まってしまい、色換えができなくなるという問題があった。

0018

そこで、本発明の目的は、針棒上昇時におけるオイルの飛散を防止するとともに、該防止のために従来であれば上死点にきた駆動する針棒の係合具の上面と休止中の針棒の係合具の上面との間に段差ができていたところ、その段差を減少させることができ、もって色換えを円滑に行うことができるミシンを提供することにある。

課題を解決するための手段

0019

上記目的を達成するために、本発明のミシンは、複数本の針棒から駆動する針棒が選択されることで色換え作業が行われるようになっており、上死点にきた駆動する針棒の上面が押さえローラに当接したときに、該上死点にきた駆動する針棒の上面がフリー状態にある休止中の針棒の上面より低い位置になるように設定されるミシンにおいて、前記設定により生じる休止中の針棒の上面と上死点にきた駆動する針棒の上面との間の段差が、色換え作業時に前記押さえローラが乗り越えられる程度に減少するように、休止中の針棒を前記フリー状態から押し下げる休止針棒押下部材が設けられたことを特徴とする。

0020

また、本発明のミシンは可動ブロックに複数本の針棒が上下動可能に支持され、可動ブロックの移動により複数本の針棒から駆動する針棒が選択されることで色換え作業が行われるようになっており、各針棒の上端には係合凹所を備えた係合具が設けられ、駆動する針棒の係合具の係合凹所に係合する叩きと、上死点にきた駆動する針棒の係合具の上面に当接する押さえローラとが、固定ブロック側に設けられ、上死点にきた駆動する針棒の係合具の上面が押さえローラに当接したときに、該上死点にきた駆動する針棒の係合具の上面がフリー状態にある休止中の針棒の上面より低い位置になるように設定されることにより、駆動する針棒に対応して設けられた布押さえ可動ブロックの下部との間に隙間が生じるように構成されたミシンにおいて、前記設定により生じる休止中の針棒の係合具の上面と上死点にきた駆動する針棒の係合具の上面との間の段差が、色換え作業時に前記押さえローラが乗り越えられる程度に減少するように休止中の針棒を前記フリー状態から押し下げる休止針棒押下部材が設けられたことを特徴とする。

0021

可動ブロックの形状とこれを用いた色換え作業の方法は特に限定されないが、可動ブロックに複数本の針棒が円弧状に間隔をおいて配列され、かつ上下動可能に支持されており、該可動ブロックを垂直軸周りに回動させて複数本の針棒から駆動する針棒が選択される色換え作業の方法と、可動ブロックに複数の針棒が左右一列に間隔をおいて配列され、かつ上下動可能に支持されており、該可動ブロックを左右方向にスライドさせて複数本の針棒から駆動する針棒が選択される色換え作業の方法とを例示できる。

0022

休止針棒押下部材の取り付け方は特に限定されないが、直接可動ブロックに対して上下位置調整可能に取り付ける態様と、上述した可動ブロックとともに垂直軸周りに回動する支持軸に対して上下位置調整可能に取り付ける態様とを例示できる。

0023

休止中の針棒の上面と上死点にきた駆動する針棒の上面との間の段差が、色換え作業時に押さえローラが乗り越えられる程度である0.1〜0.7mmとすることが好ましい。

0024

本発明においては、係合具の係合凹所に叩きが実質的に隙間無く係合するようにして、打音を防止・低減することが好ましい。

0025

また、駆動する針棒に対応して設けられた布押さえと可動ブロックの下部との間に隙間が生じる隙間は、針棒の下死点の調整幅を確保するために、0.7〜5mmとすることが好ましく、さらに好ましくは1〜4mmである。

発明を実施するための最良の形態

0026

以下、本発明を具体化したミシンの第一実施形態について、図1図4を参照して説明する。このミシンは、ミシンヘッド1の固定ブロック2に設けられ垂直方向に延びる駆動軸6の下方に、複数本の針棒23を備えた可動ブロック20が回動可能に支持された、いわゆる多針ミシンである。さらに、駆動軸の上方には天秤装置40が回動可能に支持されており、駆動軸6を中心にして可動ブロック20と天秤装置40とが共に回動するようになっている。また、駆動軸6は後述する針棒駆動機構案内軸としての働きも有する。

0027

可動ブロック20の略円形円盤部21の外周付近には複数のガイド穴22が一定の間隔をおいて円弧状に形成され、ガイド穴22には複数本の針棒23がそれぞれ上下摺動可能に挿入され支持されている。各針棒23の下端には針24が交換可能に取り付けられている。また、各針棒23の上端には係合具25が取り付けられ、該係合具25の後面には係合凹所26が凹設されている。係合凹所26の内側下端には針棒23の針棒上端面23aが現れている。

0028

可動ブロック20の円盤部21のガイド穴22に対応してその手前側には複数の案内孔30が形成され、案内孔30には複数本の布押さえ棒31がそれぞれ上下動可能に挿入されて支持されている。布押さえ棒31の下端には布押さえ32が取り付けられ、布押さえ32の上面に設けられた貫通孔を前記針棒23が遊貫通している。

0029

また、布押さえ棒31の中間部には連動具33が上下位置調節可能に取り付けられ、連動具33の後部に設けられた貫通孔を前記針棒23が遊貫通している。連動具33と円盤部21の上面との間であって布押さえ棒31の外周にはスプリング34が外挿されている。また、連動具33と係合具25の下面との間であって針棒23の外周にはスプリング27が外挿されている。布押さえ棒31の上端部は、係合具25の前部に設けられた貫通孔を遊貫通してガイドされている。

0030

天秤装置40は、円弧状の取り付け用ブラケット42の上部に設けられた支軸43に各針棒23に対応して天秤41が揺動可能に軸支されている。そして、天秤装置40は、駆動軸6の上方に取り付けられ、そこから水平に手前側に延びて取り付け用ブラケット42の下部に取り付けられた可動枠44を介して駆動軸6と回動可能に設けられている。

0031

可動枠44はさらに天秤装置40の前方まで延びて突出部45を形成する。突出部45に間隔をおいて設けられた2箇所の貫通孔に上下方向に延びる支持軸46が取り付けられ、該支持軸46の下端に該支持軸46より前方に向かって円弧状に形成された糸掛部材47が下方からボルト締めされて取り付けられている。糸掛部材47は、一端に糸掛部材47との取付穴が設けられ他端が前方に円弧状に水平に延びる水平部48aと、水平部48aの外周部分を一定の間隔で上方に垂直に折曲して設けられた垂直部48bとからなり、該垂直部48bには糸掛孔49が複数の針棒23に対応して設けられている。本実施形態において糸掛部材47の設けられる高さ位置は後述する針棒ストッパ13の押さえローラ14付近となる。

0032

固定ブロック2には、可動ブロック20を回動させて複数本の針棒23のうちから駆動する一本の針棒23Xを固定ブロック2の駆動位置に割り出して選択する針棒選択機構と、駆動する針棒23Xを上下駆動する針棒駆動機構と、駆動する針棒23Xに対応する天秤41を揺動させる天秤駆動機構とが設けられている。針棒選択機構は、可動ブロック20の円盤部21の端部に設けられた連結部28aに連結され移動することで可動ブロック20を回動させるロッド28、円盤部21の周囲に所定の間隔で設けられた凹部21aに嵌合して可動ブロック20の回動を規制するロックレバー29等よりなるが、公知の機構なのでその詳細は省略する。また、天秤駆動機構は、天秤41の係合溝に係合するアーム4等よりなるが、やはり公知の機構なのでその詳細は省略する。

0033

針棒駆動機構は、ミシンの駆動力を伝達する上軸5と、固定ブロック2に支持された上下方向に延びる駆動軸6と、該駆動軸6に昇降可能に外挿された昇降体7と、上軸5の回転動を昇降体7の上下動に変換するスライダクランク機構8と、昇降体7にネジ9で上下位置調節可能に取り付けられたは叩き取付台10と、叩き取付台10に対し軸11の周りに首振り可能に取り付けられた叩き12とからなる。叩き12は駆動機構(図示略)連結されて、前側へ繰り出して係合具25の係合凹所26に係合する位置と、該係合凹所26から外れて横側へ退避する位置との間で首振り動作する。

0034

また、本実施形態では、係合具25の係合凹所26の内法上下幅と叩き12の上下幅とがほぼ同一であり、係合凹所26に叩き12が実質的に隙間無く係合するようになっている。「実質的に隙間無く係合」とは、叩き12が係合凹所26内に現れる針棒上端面23aを叩くときに作業者が聞き取れるような打音が発生しないように、叩き12の下面と針棒上端面23aとが常に近接している状態をいう。

0035

このミシンによる縫製時には、可動ブロック20のスライドにより選択された駆動する針棒23Xの係合凹所26に、前側へ繰り出した叩き12が係合する。そして、昇降体7の下降時には、叩き12が係合凹所26の針棒上端面23aを叩いて針棒23Xを押し下げるので、針棒23X及び針24は下死点まで下降する。昇降体7の上降時には、針棒23Xに外挿されたスプリング27と布押さえ棒31に外挿されたスプリング34とにより、針棒23X及び針24は上死点まで上昇する。

0036

次に、以上のように構成されたミシンを用いた針棒の上死点と下死点の調整方法について述べる。針棒23Xの「下死点」は次のようにして調整する。すなわち、図3(a)に示すように、予めネジ9を弛めて昇降体7に対し叩き取付台10を上下位置調節できるようにしておくとともに、ベッド55内の釜56に下死点調整用筒体57をセットしておく。そして、昇降体7を下限まで下降させて叩き12で針棒23Xを押し下げたときに、針24の先端を下死点調整用筒体57に当接させ、その状態でネジ9を締めて叩き取付台10の上下位置を決めて固定する。こうして針棒23Xの下死点が調整される。

0037

一方、針棒23Xの「上死点」は、図3(b)に示すように、昇降体7が上限まで上昇したときに必然的に決まる。係合凹所26に叩き12が実質的に隙間無く係合しているからである。従って、前記オイルの飛散を防止するためには、このときに布押さえ32の上面35と円盤部21の下面との間に隙間Bが生じるように、昇降体7や叩き12を設定するなどして、駆動する針棒23Xが上死点にきたときの位置を休止中の針棒23の位置よりも隙間B分だけ低くなるように構成する必要がある。しかも、この隙間Bは、前記[従来の技術]で説明した理由により、針棒23の長さ又は円盤部21の下面の高さレベルを設定するなどして、例えば0.7〜5mm程度に大きく設定しておく必要がある。本実施形態では、この隙間Bが2.4mmとなるように、針棒23の長さを設定した。

0038

従って、図3(b)及び図4(a)の上死点にきた針棒23Xの係合具25の上面は、駆動位置に選択されていない隣りのフリー状態にある休止中の針棒23(図3(b)では2点差線で示すとともに、図示の便宜上、針棒23Xの前側に並べた。)の係合具25の上面よりも2.4mmだけ低くなり、同値の段差Cができる。また、この針棒23Xの係合具25の上面に針棒ストッパ13を当接させたとしても、前記[発明が解決しようとする課題]で説明したように、色換え時に針棒ストッパ13の押さえローラ14が段差Cを乗り越えられない。

0039

そこで、本実施形態では、上死点にきた針棒23Xの係合具25の上面に、固定ブロック2に固着されたブラケット18とそれに回動可能に軸支された押さえローラ14とからなる針棒ストッパ13を当接させた状態で、休止中の針棒23を上方から押し下げて、段差Cを色換え時に針棒ストッパ13の押さえローラ14が乗り越えられる程度まで減少させる円弧状の休止針棒押下部材50が、支持軸46に上下位置調整可能に取り付けられている。

0040

休止針棒押下部材50は、可動ブロック20の円盤部21と対応した円弧状の一枚板で、金属、硬質樹脂等の剛性材料で形成されている。そして、次のようにして支持軸46に上下位置調整可能に取り付けられる。2本の支持軸46の下端からさらに下方に延びて形成されている雄ねじ部51にボルト52aを螺合し、雄ねじ部51の径より大きくかつボルト52aの外径より小さい2つの取付穴16が設けられた休止針棒押下部材50を支持軸46に通す。そして、休止針棒押下部材50の下方からさらにボルト52bを螺合させることで休止針棒押下部材50をボルト52a、52bで上下から挟み込んで固定することで取り付けられる。

0041

休止針棒押下部材50は、上記上下位置調整を利用して、次のようにして取り付け位置を決める。すなわち、図3(b)及び図4(a)に示すように、上死点にきた駆動する針棒23Xの係合具25の上面は、休止中の針棒23の係合具25の上面よりも2.4mmだけ低くなり、同値の段差Cができている。そこで、図4(b)に示すように、まず針棒ストッパ13を上死点にきた駆動する針棒23Xの係合具25の上面に当接させるとともに休止針棒押下部材50をフリー状態にある休止中の針棒23の係合具25の上面に当接させる。ここで休止針棒押下部材50を前記係合具25に当接させる場所は、図1に示すように、針棒ストッパ13に接触しないように休止中の針棒23の係合具25の上面の前面側としている。続いて、図3(c)及び図4(c)に示すように、休止針棒押下部材50で休止中の針棒23を押し下げ、休止中の針棒23が駆動する針棒23Xの上死点における係合具25の上面より0.1〜0.7mmだけ高い位置で水平に揃うように2つのボルト52bを上下動させ休止針棒押下部材50の上下位置調整を行う。そして、位置が決定したら休止針棒押下部材50を上方向からボルト52aを締めて糸掛部材47に固定する。休止針棒押下部材50は休止中の針棒23を前記の通り押し下げた状態に保ち、上死点にきた駆動する針棒23Xの係合具25の上面と、休止中の針棒23の係合具25の上面との間には0.1〜0.7mmの段差Cが生じている。

0042

本実施形態のミシンによれば、まず、上記の通り駆動する針棒23Xの布押さえ32の上面と円盤部21の下面との間に隙間B(本実施形態では2.4mm)を生じさせるので、従来使用していたOリングが不要となり、下部21の下面ににじみ出ているオイルが、布押さえ32の当接によって飛散するという問題が起こらない。休止中の針棒23の布押さえ32の上面と円盤部21の下面との間にも隙間B(2.4mm)より段差C分だけ値の小さい隙間B’(図5参照)が生じているためOリングは設けられておらず、駆動されるときは隙間Bと同値になり前記問題は起こらない。

0043

なお、縫製時のいわゆるジャンプ動作時に叩き12が駆動する針棒23Xの係合凹所26から外れて横側へ待避したときには、針棒ストッパ13の押さえローラ14が、該針棒23Xの係合具25の上面に当接して、該針棒23Xの布押さえ32の上面が円盤部21の下面に当接しないようにする。

0044

さらに、休止針棒押下部材50によって、上死点にきた駆動する針棒23Xの係合具25の上面と、休止中の針棒23の係合具25の上面との間にできる段差Cを、色換えするときに針棒ストッパ13の押さえローラ14が隣の針棒を乗り越えられる程度の段差C(0.1〜0.7mm)に減らすことができるため、色換え作業がスムーズにできるようになる。

0045

ここで、上述した押さえローラ14が隣の針棒を乗り越えられる程度の段差Cは0にしてもよいが、以下に述べる理由により0.1〜0.7mmとすることが好ましい。例えば、段差Cが0で休止針棒押下部材が水平方向よりわずかに傾いて取り付けられた場合(実際、正確に水平に取り付けることは難しい)、複数の休止針棒23の中には駆動する針棒23より低い位置にあるものが存在することになり、そのような低い位置にある休止針棒23が駆動位置に移動された場合、その新しく駆動される針棒23Xは休止針棒押下部材50に押さえ込まれたままで針棒ストッパ13の押さえローラ14に当接してない状態になる。このような状態になると、位置が固定されている叩き12は駆動する針棒23Xの係合凹所26に係合しにくくなる。すなわち図3図4に示す一連の調整が正確に行われるには、色換え時に次に駆動される針棒23Xになる休止針棒23は押さえローラ14に押さえ込まれながら移動される必要がある。よって針棒ストッパ13の押さえローラ14による針棒乗り越えができる程度の段差C(0.1〜0.7mm)を設けておけば、休止針棒押下部材50の水平状態から多少傾いていても、押さえローラ14は針棒23を導くことができ、色換え動作も円滑に行われる。

0046

また、前記の通り、係合具25の係合凹所26に叩き12が実質的に隙間無く係合するようになっているので、作業者が聞き取れるような打音が発生せず、ミシンの静音化に寄与する。

0047

次に、本発明を具体化したミシンの第二実施形態について、図5図6を参照して説明する。本実施形態は、休止針棒押下部材65を、ミシンヘッド1の固定ブロック2に対し、複数本の針棒23を備えた四角枠状の可動ブロック60が左右方向にスライド可能に支持されるように構成されたミシンに取り付けた点において第一実施形態と相違するものである。なお、可動ブロック60が左右スライドしても、ミシン全体を構成する主要な機構は、可動ブロック20が回動するように構成された第一実施形態のミシンとほぼ同じなので、ここでは休止針棒押下部材65の構造と取り付け方法について説明する。

0048

可動ブロック60の下部61には複数のガイド穴62が左右方向に一定間隔をおいて形成され、該ガイド穴62には複数本の針棒23がそれぞれ上下摺動可能に挿入されて支持されている。また、下部61には各ガイド穴62に対応してその手前側に複数の案内穴63が形成され、該案内穴63には複数本の布押さえ棒31がそれぞれ上下摺動可能に挿入されて支持されている。

0049

以上のように構成されている可動ブロック60に、休止中の針棒23を上方から押し下げて、段差Cを色換え時に針棒ストッパ13の押さえローラ14が乗り越えられる程度まで減少させる休止針棒押下部材65が上下位置調整可能に取り付けられている。

0050

休止針棒押下部材65は、図5に示すように、可動ブロック60を左右にまたぐように伸びる金属、硬質樹脂の剛性材料で形成されており、水平壁66aと縦壁66bとを含む断面L字状の本体部66と、その縦壁66bを延長してなる左右両端取付部67とからなり、取付部17には上下に長い調整孔68が設けられている。水平壁66aは全ての針棒23の係合具25の上面にかかる長さに形成されている。

0051

この休止針棒押下部材65は、次のようにして可動ブロック60に上下位置調節可能に取り付けられる。可動ブロック60の前面の中間高さには左右一対凹所64(この凹所は省略可)が形成され、該凹所64には調整孔68に対応した雌ネジ孔69が螺設されている。そして、休止針棒押下部材65の両取付部67を凹所64にあてがうとともに、調整孔68に通した雄ネジ70を雌ネジ孔69に緩く止め、調整孔68の上下長の範囲で休止針棒押下部材65の上下位置を調整してから雄ネジ70を締めればよい。

0052

休止針棒押下部材65は、上記上下位置調整を利用して、図3図4に示す第一実施形態の休止針棒押下部材50と同じ要領で取り付け位置を決める。そうすれば図5に示すように、休止針棒押下部材65は休止中の針棒23を押し下げた状態に保ち、上死点にきた駆動する針棒23Xの係合具25の上面と、休止中の針棒23の係合具25の上面との間には0.1〜0.7mmの段差Cが生じることになる。

0053

以上のように本実施形態によっても、第一実施形態と同様の効果が得られる

0054

なお、本発明は前記実施形態の構成に限定されず、例えば以下のように、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
(1)休止針棒押下部材の休止針棒の係合具上面と当接する面にゴム樹脂等よりなる緩衝部材を取り付ける。対応する休止針棒の係合具上面に当接できればよいため緩衝部材の形状は特に限定されず、例えば一枚板、分割形成した小片物を並べて接合してもよい。
(2)上下位置調節のガイド手段として、可動ブロック60の凹所64に雌ネジ孔69から上下に延びる案内溝を設け、休止針棒押下部材65の調整孔68の周囲に前記案内溝と摺動可能に上下移動できるような係合凸部を設ける。

発明の効果

0055

以上詳述したように、本発明に係るミシンによれば、針棒上昇時におけるオイルの飛散を防止するとともに、該防止のために従来であれば上死点にきた駆動する針棒の係合具の上面と休止中の針棒の係合具の上面との間に段差ができていたところ、その段差を減少させることができ、もって色換えを円滑に行うことができるという優れた効果を奏する。

図面の簡単な説明

0056

図1本発明を具体化した第一実施形態のミシンのミシンヘッドを示す断面図である。
図2図1のII−II線断面図である。
図3(a)は同ミシンの駆動する針棒の下死点調整を示す断面図、(b)は同針棒が上死点にきたときの断面図、(c)は休止針棒押下部材により休止中の針棒を押し下げて、駆動する針棒との間の段差を押さえローラが乗り越えられる程度に減少させたときの断面図である。
図4同ミシンの休止針棒押下部材の上下位置調整の手順を示す正面図である。
図5第二実施形態のミシンのミシンヘッドを示す正面図である。
図6図5のVI−VI線断面図である。
図7従来のミシンのミシンヘッドを示す正面図である
図8図7のVIII−VIII線断面図である。
図9(a)は同ミシンの駆動する針棒の下死点調整を示す断面図、(b)は同針棒が上死点にきたときの断面図、(c)は針棒ストッパにより同針棒を押し下げて上死点を調整したときの断面図である。
図10本発明の開発中に検討したミシンを示し、(a)は同ミシンの駆動する針棒の下死点調整を示す断面図、(b)は同針棒が上死点にきたときの断面図、(c)は針棒ストッパを同針棒の係合具に当接させたときの断面図である。

--

0057

2固定ブロック
12 叩き
13針棒ストッパ
14押さえローラ
20可動ブロック
23 針棒
23X 駆動する針棒
25係合具
26係合凹所
32布押さえ
47糸掛部材
50休止針棒押下部材

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