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技術 タンタルチタンダブルエトキシドとその製法およびそれを用いた酸化物膜の製法

出願人 株式会社高純度化学研究所
発明者 門倉秀公
出願日 2000年8月11日 (19年10ヶ月経過) 出願番号 2000-280950
公開日 2002年2月19日 (18年4ヶ月経過) 公開番号 2002-053504
状態 特許登録済
技術分野 有機低分子化合物及びその製造 第4族元素を含む化合物及びその製造 第5-8族元素を含む化合物及びその製造 CVD 絶縁膜の形成
主要キーワード ソース液 溶解加熱 金属アルコキシド原料 真空置換 液体マスフロー 低リーク電流特性 熱CVD 光CVD
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図面 (5)

課題

絶縁性のよいTiO2含有Ta2O5膜をCVD法で形成するための1液の金属アルコキシド原料化合物および組成物を提供する。さらにその製法およびそれを用いた成膜方法を提供する。

解決手段

新規化合物であるタンタルチタンダブルエトキシドTaTi(OEt)9あるいはTaTi(OEt)9を含有するTa(OEt)5は、室温で一液体であり、その気化特性熱分解特性は、一成分のようにふるまう。Ta(OEt)5とTi(OEt)4を混合加熱後、減圧蒸留することにより、パーティクルのないTaTi(OEt)9あるいはTaTi(OEt)9を含有するTa(OEt)5を製造する。これを液体マスフローコントローラーで供給し、気化させ、酸素を含んだ雰囲気、600℃でCVDすることにより、アモルファス状のTiO2含有Ta2O5膜を組成再現性よく形成できる。

概要

背景

LSIの高集積化に伴い、DRAMキャパシタとしてCVD法による酸化タンタル(Ta2O5)膜が実用化しつつある。その絶縁性を向上するためのひとつの方法として、特公平6−27328号、US4734340号は、Ta2O5にTiO2をTi/Ta=0.1〜4at%となるようにドーピングすることを開示している。低リーク電流特性を有する絶縁強度の高い膜を作るには、組成を最適に制御することが重要である。その原料供給の方法は、第一のバブラータンタルエトキシド(Ta(OEt)5)を入れ、第二のバブラーにチタンイソプロポキシド(Ti(OiPr)4)を入れ、各々を適当な温度に加熱し、キャリヤーガスバブリングし、それぞれの蒸気CVD室に供給する方法である。最近では、液体マスフローで制御する方法もある。しかし、2ソースからの供給では、量と比率の正確な制御が容易ではない。さらにTa(OEt)5とTi(OiPr)4とは液相または気相で混合されると、アルコキシ基交換反応が起き、より複雑な化合物に一部変化し、その蒸気圧やCVD特性がもとの原料と違ってしまい、膜組成の制御が難しくなるという問題がある。よって、あらかじめTa(OEt)5とTi(OiPr)4を混ぜた一液をソースとすることはできなかった。このことは、本発明の比較例でも明らかにされている。

2000年6月21日に見た英国Inorgtech社のインターネットホームページ(http://www.inorgtech.co.uk)オンラインニュースは、J−P Senateurらが1ソースのTa(OEt)4(dmae)/Ti(OEt)2(dmae)2ヘキサン溶液を用いて、液体インジェクション供給のCVDでTa2O5/TiO2膜を作ったことを開示している。この原料を250℃の気化器気化させ、500℃で成膜した結果、膜はアモルファスであり、そのTa/Ti比ソース液のTa/Tiに非常に近かったとのことである。ここでdmaeは、dimethylaminoethoxideジメチルアミノエトキシドである。彼らは、Ta(OEt)4(dmae)は単量体なので、二量体のTa(OEt)5より蒸気圧が高く、気化しやすいこと、Ta(OEt)4(dmae)/Ti(OEt)2(dmae)2は有害なアルコキシ基の交換反応を最小にできるとしている。しかし、Ta(OEt)4(dmae)やTi(OEt)2(dmae)2は、Ta(OEt)5やTi(OEt)4から特別に製造しなければならないという量産時の問題がある。

概要

絶縁性のよいTiO2含有Ta2O5膜をCVD法で形成するための1液の金属アルコキシド原料化合物および組成物を提供する。さらにその製法およびそれを用いた成膜方法を提供する。

新規化合物であるタンタルチタンダブルエトキシドTaTi(OEt)9あるいはTaTi(OEt)9を含有するTa(OEt)5は、室温で一液体であり、その気化特性熱分解特性は、一成分のようにふるまう。Ta(OEt)5とTi(OEt)4を混合加熱後、減圧蒸留することにより、パーティクルのないTaTi(OEt)9あるいはTaTi(OEt)9を含有するTa(OEt)5を製造する。これを液体マスフローコントローラーで供給し、気化させ、酸素を含んだ雰囲気、600℃でCVDすることにより、アモルファス状のTiO2含有Ta2O5膜を組成の再現性よく形成できる。

目的

TiO2含有Ta2O5膜をCVD法で形成するための1ソースの液体化合物ないし組成物を提供することである。室温において液体で、液体マスフローコントローラーにより制御でき、アルコキシ基の交換反応をおこすことなく、Ta/Tiの気化特性やTa/TiのCVD特性が似ている化合物を提供する。さらにその化合物ないし組成物の製法およびそれを用いたTiO2含有Ta2O5膜の製法を提供することである。

効果

実績

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請求項1

TaTi(OC2H5)9で表されるタンタルチタンダブルエトキシド

請求項2

請求項1の化合物を含有するタンタルエトキシド

請求項3

タンタルエトキシドとチタンエトキシドとを混合加熱し、ついで蒸留することを特徴とする請求項1および請求項2記載の化合物の製法

請求項4

請求項1および請求項2記載の化合物を用いることを特徴とするCVD法による酸化チタン含有酸化タンタル膜の製法。

請求項5

請求項1および請求項2記載の化合物を液体マスフロー装置で供給することを特徴とするCVD法による酸化チタン含有酸化タンタル膜の製法。

技術分野

0001

本発明は、LSIのコンデンサーなどの誘電体膜を、化学気相成長法CVD法)にて形成するための原料として好適な金属アルコキシド化合物とその製法およびそれを用いた酸化物薄膜の製法に関する。

背景技術

0002

LSIの高集積化に伴い、DRAMキャパシタとしてCVD法による酸化タンタル(Ta2O5)膜が実用化しつつある。その絶縁性を向上するためのひとつの方法として、特公平6−27328号、US4734340号は、Ta2O5にTiO2をTi/Ta=0.1〜4at%となるようにドーピングすることを開示している。低リーク電流特性を有する絶縁強度の高い膜を作るには、組成を最適に制御することが重要である。その原料供給の方法は、第一のバブラータンタルエトキシド(Ta(OEt)5)を入れ、第二のバブラーにチタンイソプロポキシド(Ti(OiPr)4)を入れ、各々を適当な温度に加熱し、キャリヤーガスバブリングし、それぞれの蒸気CVD室に供給する方法である。最近では、液体マスフローで制御する方法もある。しかし、2ソースからの供給では、量と比率の正確な制御が容易ではない。さらにTa(OEt)5とTi(OiPr)4とは液相または気相で混合されると、アルコキシ基交換反応が起き、より複雑な化合物に一部変化し、その蒸気圧やCVD特性がもとの原料と違ってしまい、膜組成の制御が難しくなるという問題がある。よって、あらかじめTa(OEt)5とTi(OiPr)4を混ぜた一液をソースとすることはできなかった。このことは、本発明の比較例でも明らかにされている。

0003

2000年6月21日に見た英国Inorgtech社のインターネットホームページ(http://www.inorgtech.co.uk)オンラインニュースは、J−P Senateurらが1ソースのTa(OEt)4(dmae)/Ti(OEt)2(dmae)2ヘキサン溶液を用いて、液体インジェクション供給のCVDでTa2O5/TiO2膜を作ったことを開示している。この原料を250℃の気化器気化させ、500℃で成膜した結果、膜はアモルファスであり、そのTa/Ti比ソース液のTa/Tiに非常に近かったとのことである。ここでdmaeは、dimethylaminoethoxideジメチルアミノエトキシドである。彼らは、Ta(OEt)4(dmae)は単量体なので、二量体のTa(OEt)5より蒸気圧が高く、気化しやすいこと、Ta(OEt)4(dmae)/Ti(OEt)2(dmae)2は有害なアルコキシ基の交換反応を最小にできるとしている。しかし、Ta(OEt)4(dmae)やTi(OEt)2(dmae)2は、Ta(OEt)5やTi(OEt)4から特別に製造しなければならないという量産時の問題がある。

発明が解決しようとする課題

0004

TiO2含有Ta2O5膜をCVD法で形成するための1ソースの液体化合物ないし組成物を提供することである。室温において液体で、液体マスフローコントローラーにより制御でき、アルコキシ基の交換反応をおこすことなく、Ta/Tiの気化特性やTa/TiのCVD特性が似ている化合物を提供する。さらにその化合物ないし組成物の製法およびそれを用いたTiO2含有Ta2O5膜の製法を提供することである。

課題を解決するための手段

0005

本発明は、TiO2含有Ta2O5膜をCVD法で成膜するために好適な1ソースの液体材料であるTaTi(OC2H5)9(以下TaTi(OEt)9と表す)で表されるタンタルチタンダブルエトキシドである。さらに本発明は、TaTi(OEt)9を含有するTa(OEt)5である。本発明は、Ti(OEt)4とTa(OEt)5とを混合加熱し、ついで蒸留することを特徴とするTaTi(OEt)9の製法である。また本発明は、Ti(OEt)4と当モル以上のTa(OEt)5とを混合加熱し、ついで蒸留することを特徴とするTaTi(OEt)9を含有するTa(OEt)5の製法である。本発明は、TaTi(OEt)9あるいはTaTi(OEt)9を含有するTa(OEt)5を用いることを特徴とするCVD法によるTiO2含有Ta2O5膜の製法である。本発明は、TaTi(OEt)9あるいはTaTi(OEt)9を含有するTa(OEt)5を液体マスフロー装置で供給することを特徴とするCVD法による酸化チタン含有酸化タンタル膜の製法である。

0006

アルコキシ基の交換反応を防ぐにはTiとTaが同一のアルコキシ基を持つことが必要である。Ta2O5膜形成の原料として、通常はTa(OEt)5が使われている。それと同じアルコキシ基をもつTi(OEt)4は熱履歴により会合度融点が影響を受ける。その融点、蒸気圧、液、固体気体の会合度をTa(OEt)5とあわせて、表1に示した。表中*会合度はD.C.Bradley,R.C.Mehrotra andD.P.Gaur“Metal Alkoxides”P63−68(1978Academic Press)による。その他の値は本発明者の測定値である。

0007

0008

Ti(OEt)4の気体の会合度は、図2からもわかるように単量体である。EIMS分析で、二量体から生成するはずのフラグメントTi2(OEt)7+、Ti2(OEt)8+などが検出されていないからである。これに対しTa(OEt)5の気体は二量体である。すなわち、図1で、Ta2(OEt)9+やTa2(OEt)8+が検出されている。

0009

今までに、チタンアルコキシドと他の金属アルコキシドとの複合アルコキシド報告例は、アルカリ金属を除けば、ほとんどなかった。溶液中では生成していると推定される例はあったが、蒸留や昇華でそのものを単離できたことはなかった。本発明者は、Ta(OEt)5−Ti(OEt)4系を詳細に検討した結果、タンタルチタンダブルアルコキシドTaTi(OEt)9が生成していることを見出し、この化合物をCVDの原料として使うとTiO2含有のTa2O5膜が容易に製造できることを見出した。

発明を実施するための最良の形態

0010

(1)ダブルエトキシドの合成と蒸留回収
実施例1で得られた各留分の組成は表2のとおりである。この結果、第2留分の組成はTaTi(OEt)9の組成に近い。蒸留のデータから得たTaTi(OEt)9の蒸気圧は126〜129℃/0.4〜0.5Torrであった。

0011

0012

(2)融点測定
各留分の融点を目視で測定した結果を表3に示す。いずれも0℃以上では、Ta(OEt)5と同程度の粘性の液体であった。すなわちTaTi(OEt)9に相当する組成物付近では0℃以上で液体であることがわかった。CVD原料として好ましい性質である。

0013

0014

(3)EI−MS
TaTi(OEt)9のダブルアルコキシドが生成していることを確認するために第2留分とTa(OEt)5とTi(OEt)4のEI−MS分析を行った。
測定条件
測定装置:JEOL AX505W
イオン化法:EI
イオン源温度:230℃
イオン化エネルギー:70eV
測定結果は、Ta(OEt)5のを図1に、Ti(OEt)4のを図2に、第2留分のを図3に示した。主なm/zと強度(%)とそのイオン種を以下に列挙した。

0015

Ta(OEt)5 (図1
二量体の分子イオンTa2(OEt)10+(m/z=812)はなかった。
m/z=767(28%)Ta2(OEt)9+722(21%)Ta2(OEt)8+693(25%)Ta2O(OEt)7+361(100%)Ta(OEt)4+
この結果からTa(OEt)5は気体で二量体として存在する。このことは、他の分析手段の結果解析を加味したいくつかの文献でTa(OEt)5は二量体であるという結論と一致する。Ta(OEt)4+は二量体からのフラグメントである。

0016

Ti(OEt)4 (図2
単量体の分子イオンTi(OEt)4+(228)や二量体の分子イオンTi2(OEt)8+(456)はなかった。
m/z=227(4%)Ti(OEt)3(OCH2CH2)+213(100%)Ti(OEt)3(OCH2)+183(77%)Ti(OEt)3+169(26%)Ti(OEt)2(OCH3)+
この結果からTi(OEt)4は気体で単量体として存在する。このことは文献と一致する。

0017

第2留分 (図3
ダブルアルコキシドの分子イオンTaTi(OEt)9+(634)はなかった。
m/z=757(5%)Ta2(OEt)9+589(8%)TaTi(OEt)8+544(35%)TaTi(OEt)7+515(12%)TaTiO(OEt)6+361(100%)Ta(OEt)4+213(78%)Ti(OEt)3(OCH2)+183(63%)Ti(OEt)3+
この結果、Ta2(OEt)10のフラグメントであるTa2(OEt)9+に比べて、TaTi(OEt)9のフラグメントであるTaTi(OEt)8+、TaTi(OEt)7+、TaTiO(OEt)6+の強度がかなり大きいことから、第2留分のTa(OEt)5は、多くはTaTi(OEt)9で存在している。このことは、会合相手のTi(OEt)4も多くはTaTi(OEt)9で存在していることを意味している。すなわち第2留分の気体は、多量のTaTi(OEt)9と少量のTa2(OEt)10と少量のTi(OEt)4との混合物である。またTa(OEt)4+、Ti(OEt)3(OCH2)+、Ti(OEt)3+は、主にTaTi(OEt)9のフラグメントである。よって、この留分は、TaTi(OEt)9なるダブルアルコキシドの性質を多く発現すると考えられる。

0018

(4)TG−DTA
第2留分のTG−DTA測定した。
測定条件
試料重量:50.0mg
雰囲気:Ar 1気圧
昇温速度:10.0deg/min
結果を図4に示した。ほぼ1成分として気化していることがわかる。

0019

以上記したように、TaTi(OEt)9に相当する組成物は、主にダブルエトキシドTaTi(OEt)9であり、液体マスフローコントローラーで室温供給ができる粘性の液体であり、完全に蒸発するという、CVD原料として非常に好ましい物性を持つことがわかる。

0020

本発明のダブルエトキシドTaTi(OEt)9の製法は、Ta(OEt)5とTi(OEt)4とを混合溶解し、加熱処理後、蒸留することである。50〜200℃で1〜10時間加熱処理を行うことにより、ダブルアルコキシドの形成が起きる。この際、母アルコールであるエタノール溶媒中で行ってもよい。不活性有機溶媒中で行ってもよい。混合溶解加熱処理しただけの液には、多数の微粒子パーティクル)がある。これはTa(OEt)5やTi(OEt)4の量混合工程で、微量の大気混入し、その湿気によりTa(OEt)5やTi(OEt)4が僅かに加水分解して生成した水酸化物である。そこで蒸留することにより、微粒子をなくせる。蒸留前の液体に赤色レーザーポインター光線をあてると、多くの微粒子が認められたが、蒸留後留出物には、全く微粒子は認められなかった。

0021

本発明のダブルエトキシドTaTi(OEt)9を含有するTa(OEt)5の製法は、ダブルエトキシドTaTi(OEt)9の製法と同様である。すなわち目標液組成と同じ割合でTa(OEt)5とTi(OEt)4とを混合溶解し、加熱処理後、蒸留することである。Ti(OEt)4がモル比0〜1/2では、Ta(OEt)5が過剰であり、少量側のTi(OEt)4はほとんどがダブルエトキシドTaTi(OEt)9を形成しているはずで、残りはTa2(OEt)10である。

0022

本発明の、TaTi(OEt)9あるいはTaTi(OEt)9を含有するTa(OEt)5をCVD装置に供給する方法は、液体マスフローコントローラーで行うのが最も簡単で精確な制御ができる。この方法は純Ta2O5膜形成用に純Ta(OEt)5の供給に量産で用いられているので、実施は容易である。バブリング方式に比べ、量産ではるかに有利である。

0023

本発明の、TaTi(OEt)9あるいはTaTi(OEt)9を含有するTa(OEt)5を用いたCVDは、減圧下400〜700℃の酸化雰囲気中で行われ、TiO2含有Ta2O5膜が生成する。酸化剤として、酸素、オゾンなどが用いられる。CVDは、通常の熱CVDの他、プラズマCVD、オゾンCVD、光CVDなどが使える。

0024

膜のTi/(Ti+Ta)原子割合は、0.01〜0.2程度のことが多い。このためには本発明のTaTi(OEt)9を含有するTa(OEt)5を用いるが、そのCVDでは液組成と膜組成がほぼ同じになるので、組成の制御は容易である。成膜温度、圧力によって組成が若干ずれた場合には、液組成にフィードバックすることにより、調節すればよい。

0025

タンタルチタンダブルエトキシドTaTi(OEt)9の製造
リフラックスコンデンサー温度計攪拌子を備えた100ml三つ口フラスコ真空置換アルゴン雰囲気とし、Ta(OEt)524.9g(61.3mmol)を仕込み、次いで塊状のTi(OEt)413.7g(60.1mmol)を仕込んだ。仕込みTa/Tiモル比は0.505/0.495であった。次いで昇温すると、70℃付近で透明な均一液になり、攪拌しつつ100℃で2時間加熱後、コンデンサーを枝付き分留頭に代え、蒸留圧力0.5〜0.4Torrで蒸留した。留出温度110〜140℃で、3留分に分けて回収した。各留分は無色透明で、全量が留出した。各留分に赤色レーザーポインターをあてた目視観察では、パーティクルはなかった。各留分のTa、Tiを分析しその組成を求めた結果を表4に示す。なお第2留分の不純物元素分析の結果、Ta、Ti以外はすべて1ppm以下であった。

0026

0027

組成*はTa、Tiの分析値から計算した。(Ta+Ti)の当量が(OEt)の当量と完全には一致しない理由は、分析精度がやや悪いためと思われる。この結果、第2留分の組成はTaTi(OEt)9の組成に近い。主に第2留分を分析解析した結果は前述した。

0028

リフラックスコンデンサー、温度計、攪拌子を備えた100ml三つ口フラスコを真空置換しアルゴン雰囲気とし、Ta(OEt)520.3g(50.0mmol)を仕込み、次いでTi(OiPr)413.0g(45.7mmol)を仕込んだ。仕込みTa/Tiモル比は0.522/0.478であった。次いで攪拌しつつ100℃で2時間加熱後、コンデンサーを枝付き分留頭に代え、蒸留圧力0.6Torrで蒸留した。留出温度80〜140℃で、2留分に分けて回収した。各留分は無色透明で、全量が留出した。各留分のTa、Tiを分析した。さらに各留分を加水分解し回収したiPrOH/EtOHの質量比率ガスクロマトグラフィーにより定量した。

0029

ID=000007HE=020 WI=104 LX=0530 LY=1700
留分組成**
第1留分 Ta0.48Ti1.52(OiPr)4.6(OEt)4.2
第2留分 Ta1.66Ti0.34(OiPr)3.0(OEt)6.8

0030

液と固体*は、約半分は留出中に固化し、融点50〜100℃の白色固体となった。組成**は、Ta、Ti、iPrOH/EtOHの分析値から計算した。(Ta+Ti)の当量が(OiPr+OEt)の当量と完全には一致しない理由は、分析精度がやや悪いためと思われる。

0031

0.6Torrでの純Ti(OiPr)4の留出温度は約60℃、純Ta(OEt)5の留出温度は約145℃である。第1留分は純Ti(OiPr)4より留出温度が高く、Ta化合物が0.49/2あり、しかもOEtが、4.2/8.8と多い。このことは、Tiにかなり多くのOEtが結合していることになる。例えば、Ti(OiPr)3(OEt)やTi(OiPr)2(OEt)2が生成している。第2留分は純Ta(OEt)5より留出温度が低く、Ti化合物が0.34/2あり、しかもOiPrが3.0/9.8と多い。このことは、Taにかなり多くのOiPrが結合していることになる。例えば、Ta(OiPr)(OEt)4やTa(OiPr)2(OEt)3が生成している。これらのなかには、融点が50〜100℃のものがあるはずである。

0032

この結果から、熱処理によりTaとTiのアルコキシ基の交換反応が起きていることが証明された。よってTa(OiPr)4とTa(OEt)5を1液にして供給加熱蒸発させると、その間に化合物の変化がおこり、CVDの制御に問題を生じることがわかる。1液での室温での長期間保存でも変化はおこると予想され、ポットライフが問題となる。また別々に供給しても、気相で混合されるので、その時に化合物の変化が起こる。いずれにしても、量産装置では好ましくない。

0033

TaTi(OEt)9を含有するTa(OEt)5の製造
実施例1において、Ta(OEt)5とTi(OEt)4の仕込み比を代えた他は実施例1と同様な操作をおこなった。仕込みはTa(OEt)550.6g(125mmol)とTi(OEt)40.88g(3.9mmol)で、Ta/Tiモル比は0.97/0.03であった。100℃で2時間加熱後、蒸留圧力0.5〜0.4Torr、留出温度135〜140℃で全量を蒸留回収した。液は無色透明で、その融点は18℃であった。

0034

CVDによるTiO2含有Ta2O5膜の成膜
実施例2で製造した液体を液体マスフローコントローラーにより0.2ml/minを送り、180℃の気化器で送り気化させ、予熱したArガス800sccmとO2ガス200sccmと混ぜ、CVD室に導入した。反応圧力2Torr、600℃の加熱されたPt/siO2基板上に導き、熱分解堆積させ、膜厚100nmの膜を作った。XRD分析の結果、この膜はアモルファス状であった。この膜を溶解しICP発光分光分析した結果、原子比Ti/Ta=0.03/0.97で原料液の比率と同じであった。成膜操作を繰り返して得られる膜の組成は一定であった。

0035

CVDによるTiO2/Ta2O5膜の成膜
実施例3において原料を実施例1で得られた第3留分に代えた他は、実施例3と同様な操作を行った。XRD分析の結果、この膜はアモルファス状であった。この膜を溶解しICP発光分光分析した結果、原子比Ti/Ta=0.48/0.52で原料液の比率とほぼ同じであった。成膜操作を繰り返して得られる膜の組成は一定であった。

発明の効果

0036

新規化合物のTaTi(OEt)9は液体であり、一成分として蒸発し、これを液体マスフローコントローラーで供給してCVDを行うと、TiO2含有のTa2O5膜が組成変動することなく再現性よく、容易に形成できる。一液なので量産に好適である。

図面の簡単な説明

0037

図1Ta(OEt)5のEI−MSによる測定結果を示す図である。
図2Ti(OEt)4のEI−MSによる測定結果を示す図である。
図3第2留分(本発明のTaTi(OEt)9が主成分である)のEI−MSによる測定結果を示す図である。
図4第2留分(本発明のTaTi(OEt)9が主成分である)のTG−DTAによる測定結果を示す図である。

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