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課題

選択的透過性を有するガス分離膜を用いてガス混合物から特定のガス成分を分離回収するときに、能力的に余裕があるガス分離膜に対応して加圧装置などの付帯設備も過剰な能力のものが必要になり運転コストも高くなるという問題、および、ガス分離膜の透過性能が低下したときにも継続的に目的とする純度や流量の製品ガスを得たいという問題を解決し、設備費用や運転コストを抑制できる簡便で経済的なガス分離膜の運転方法を提供することが本発明の課題である。

解決手段

選択的透過性を有するガス分離膜の供給側にガス混合物を加圧して供給する工程と、膜の透過側の圧力(ゲージ圧)を供給側の圧力(ゲージ圧)に対して0.1〜50%の範囲内で調整する工程とを含み、前記膜の透過側の圧力調整によって、膜の供給側に供給するガス混合物の供給流量や膜の未透過側で得られる製品ガスの純度および/あるいは流量が調整される方法によって、ガスを分離回収するためのガス分離膜を運転する。

概要

背景

選択的透過性を有するガス分離膜を用いて、ガス混合物から特定のガス成分を分離回収する方法が広く実施されている。例えば、空気から富化窒素ガスを得る場合、空気から水分を分離除去して除湿空気を得る場合、油田から採取された天然ガスランドフィルガスから二酸化炭素を分離してメタンガスなどを回収する場合、有機物蒸気を含むガス混合物から有機物蒸気を分離回収する場合などにおいて、ガス分離膜を用いた方法が好適に実施されている。ガス分離膜を用いた分離回収方法は、装置が小型で簡便であるので設備費が少なくて済み、運転方法が容易であり、また、運転コストが安価であるという利点がある。

ガス分離膜を用いて分離回収された製品ガスは何らかの目的に使用される。目的とする純度や流量が得られるだけの膜面積を持ったガス分離膜やコンプレッサーなどの付帯設備を整えれば、分離回収によって目的の製品ガスを得ることは可能になる。ところが、通常、ガス分離膜はサイズや膜面積の大きさ等によって数種類グレードガス分離膜モジュールとしてラインアップされて供給されるので、使用時にはラインアップされたガス分離膜モジュールの中から目的とする要求能力を満たすようにグレードや個数を選んで用いられる。このために実際のガス分離膜モジュールを用いた分離回収工程では、要求能力と設備能力完全一致させることができず少なからず過剰な能力を持ったガス分離膜モジュールを用いることになる。そしてこの場合、該ガス分離膜モジュールに対応してコンプレッサーなどの付帯設備も過剰な能力のものが必要になるために設備費や運転コストが嵩み経済性において改良する余地があった。

また、ガス分離膜は常に一定のガス分離性能を保持できるわけではなく、例えば膜表面にオイルミスト吸着すると膜の透過性は低下する。もちろんその様な膜性能の低下を防止するために例えば供給ガスミストセパレータで処理してオイルミストを除去するといった前処理がなされるが、環境や運転条件によってはある程度の膜への悪影響を考慮せざるを得ない場合があるので、万一性能が低下しても直ちにガス分離膜モジュールが使えなくならないように安全率を加味し過剰な能力を持つガス分離膜モジュールが採用される。この場合も該ガス分離膜モジュールに対応したコンプレッサーなどの付帯設備は過剰な能力のものが必要になるために設備費や運転コストが嵩み経済性において改良する余地があった。

さらに、膜の透過性能が低下した場合にその都度膜を取り替えることは経済的ではないから、目的に適合する純度や流量の製品ガスが得られるように運転条件などを調節して運転を継続することが好ましい。供給ガスの圧力を高めて調節する場合には予め過剰な能力のコンプレッサーなどを準備しておく必要が生じる。圧力を上げないで同じ純度を保持しようとすると供給ガスの供給量を減らすことになるので得られる製品ガス量が減少してしまう。また、透過側の圧力を減圧して調節する場合にはエジェクターなどの減圧装置を備える必要が生じ、運転が複雑になるし運転コストも高くなるので簡便で経済的な方法とはならない。目的の純度の製品ガスを一旦バッファタンクに貯えて必要量だけタンクから使用することも考えられるがそのためにはバッファタンクなどの設備が必要になるしタンクを備えるスペースも必要になる。更にガス分離の工程とタンクから取り出す工程を調節する制御システムあるいは複雑な操作が必要になり好ましいものではない。このため、膜の透過性能が低下した場合でも目的に適合する純度や流量の製品ガスが継続して得ることができ、設備費用や運転コストの増大を抑制できる簡便で経済的な運転方法が求められていた。

概要

選択的透過性を有するガス分離膜を用いてガス混合物から特定のガス成分を分離回収するときに、能力的に余裕があるガス分離膜に対応して加圧装置などの付帯設備も過剰な能力のものが必要になり運転コストも高くなるという問題、および、ガス分離膜の透過性能が低下したときにも継続的に目的とする純度や流量の製品ガスを得たいという問題を解決し、設備費用や運転コストを抑制できる簡便で経済的なガス分離膜の運転方法を提供することが本発明の課題である。

選択的透過性を有するガス分離膜の供給側にガス混合物を加圧して供給する工程と、膜の透過側の圧力(ゲージ圧)を供給側の圧力(ゲージ圧)に対して0.1〜50%の範囲内で調整する工程とを含み、前記膜の透過側の圧力調整によって、膜の供給側に供給するガス混合物の供給流量や膜の未透過側で得られる製品ガスの純度および/あるいは流量が調整される方法によって、ガスを分離回収するためのガス分離膜を運転する。

目的

選択的透過性を有するガス分離膜を用いてガス混合物から特定のガス成分を分離回収するときに、能力的に過剰なガス分離膜に対応して加圧装置などの付帯設備も過剰な能力のものが必要になり運転コストも高くなるという問題、および、ガス分離膜の透過性能が低下したときにも継続的に目的とする純度や流量の製品ガスを得たいという問題を解決し、設備費用や運転コストを抑制できる簡便で経済的なガス分離膜の運転方法を提供することが本発明の課題である。

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
3件

この技術が所属する分野

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請求項1

選択的透過性を有するガス分離膜の供給側にガス混合物加圧して供給する工程と、膜の透過側の圧力(ゲージ圧)を供給側の圧力(ゲージ圧)に対して0.1〜50%の範囲内で調節する工程とを含み、前記膜の透過側の圧力調節によって膜の供給側に供給するガス混合物の供給流量が調節されることを特徴とする、ガス分離回収するためのガス分離膜の運転方法

請求項2

選択的透過性を有するガス分離膜の供給側にガス混合物を加圧して供給する工程と、膜の透過側の圧力(ゲージ圧)を供給側の圧力(ゲージ圧)に対して0.1〜50%の範囲内で調節する工程とを含み、前記膜の透過側の圧力調節によって膜の未透過側で得られる製品ガス純度および/あるいは流量が調節されることを特徴とする、ガスを分離回収するためのガス分離膜の運転方法。

請求項3

膜の透過側の圧力調節が、膜の透過側からの透過ガス排出流の流量を絞ることによっておこなわれることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載のガスを分離回収するためのガス分離膜の運転方法。

請求項4

ガス分離膜が非対称ポリイミド中空糸分離膜であり、供給するガス混合物が空気であり、膜の未透過側で得られる製品ガスが富化窒素であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガスを分離回収するためのガス分離膜の運転方法。

技術分野

0001

本発明は、選択的透過性を有するガス分離膜を用いてガス混合物から特定のガス成分を分離回収するためのガス分離膜の運転方法に関する。特に、前記膜の透過側の圧力(ゲージ圧)を供給側の圧力(ゲージ圧)に対して0.1〜50%の範囲内で調節することによって、設備費用運転コストを抑制できる簡便で経済的なガス分離膜の運転方法に関する。

背景技術

0002

選択的透過性を有するガス分離膜を用いて、ガス混合物から特定のガス成分を分離回収する方法が広く実施されている。例えば、空気から富化窒素ガスを得る場合、空気から水分を分離除去して除湿空気を得る場合、油田から採取された天然ガスランドフィルガスから二酸化炭素を分離してメタンガスなどを回収する場合、有機物蒸気を含むガス混合物から有機物蒸気を分離回収する場合などにおいて、ガス分離膜を用いた方法が好適に実施されている。ガス分離膜を用いた分離回収方法は、装置が小型で簡便であるので設備費が少なくて済み、運転方法が容易であり、また、運転コストが安価であるという利点がある。

0003

ガス分離膜を用いて分離回収された製品ガスは何らかの目的に使用される。目的とする純度や流量が得られるだけの膜面積を持ったガス分離膜やコンプレッサーなどの付帯設備を整えれば、分離回収によって目的の製品ガスを得ることは可能になる。ところが、通常、ガス分離膜はサイズや膜面積の大きさ等によって数種類グレードガス分離膜モジュールとしてラインアップされて供給されるので、使用時にはラインアップされたガス分離膜モジュールの中から目的とする要求能力を満たすようにグレードや個数を選んで用いられる。このために実際のガス分離膜モジュールを用いた分離回収工程では、要求能力と設備能力完全一致させることができず少なからず過剰な能力を持ったガス分離膜モジュールを用いることになる。そしてこの場合、該ガス分離膜モジュールに対応してコンプレッサーなどの付帯設備も過剰な能力のものが必要になるために設備費や運転コストが嵩み経済性において改良する余地があった。

0004

また、ガス分離膜は常に一定のガス分離性能を保持できるわけではなく、例えば膜表面にオイルミスト吸着すると膜の透過性は低下する。もちろんその様な膜性能の低下を防止するために例えば供給ガスミストセパレータで処理してオイルミストを除去するといった前処理がなされるが、環境や運転条件によってはある程度の膜への悪影響を考慮せざるを得ない場合があるので、万一性能が低下しても直ちにガス分離膜モジュールが使えなくならないように安全率を加味し過剰な能力を持つガス分離膜モジュールが採用される。この場合も該ガス分離膜モジュールに対応したコンプレッサーなどの付帯設備は過剰な能力のものが必要になるために設備費や運転コストが嵩み経済性において改良する余地があった。

0005

さらに、膜の透過性能が低下した場合にその都度膜を取り替えることは経済的ではないから、目的に適合する純度や流量の製品ガスが得られるように運転条件などを調節して運転を継続することが好ましい。供給ガスの圧力を高めて調節する場合には予め過剰な能力のコンプレッサーなどを準備しておく必要が生じる。圧力を上げないで同じ純度を保持しようとすると供給ガスの供給量を減らすことになるので得られる製品ガス量が減少してしまう。また、透過側の圧力を減圧して調節する場合にはエジェクターなどの減圧装置を備える必要が生じ、運転が複雑になるし運転コストも高くなるので簡便で経済的な方法とはならない。目的の純度の製品ガスを一旦バッファタンクに貯えて必要量だけタンクから使用することも考えられるがそのためにはバッファタンクなどの設備が必要になるしタンクを備えるスペースも必要になる。更にガス分離の工程とタンクから取り出す工程を調節する制御システムあるいは複雑な操作が必要になり好ましいものではない。このため、膜の透過性能が低下した場合でも目的に適合する純度や流量の製品ガスが継続して得ることができ、設備費用や運転コストの増大を抑制できる簡便で経済的な運転方法が求められていた。

発明が解決しようとする課題

0006

選択的透過性を有するガス分離膜を用いてガス混合物から特定のガス成分を分離回収するときに、能力的に過剰なガス分離膜に対応して加圧装置などの付帯設備も過剰な能力のものが必要になり運転コストも高くなるという問題、および、ガス分離膜の透過性能が低下したときにも継続的に目的とする純度や流量の製品ガスを得たいという問題を解決し、設備費用や運転コストを抑制できる簡便で経済的なガス分離膜の運転方法を提供することが本発明の課題である。

課題を解決するための手段

0007

本発明は、選択的透過性を有するガス分離膜の供給側にガス混合物を加圧して供給する工程と、膜の透過側の圧力(ゲージ圧)を供給側の圧力(ゲージ圧)に対して0.1〜50%の範囲内で調節する工程とを含み、前記膜の透過側の圧力調節によって膜の供給側に供給するガス混合物の供給流量が調節されることを特徴とする、ガスを分離回収するためのガス分離膜の運転方法に関する。また、本発明は、選択的透過性を有するガス分離膜の供給側にガス混合物を加圧して供給する工程と、膜の透過側の圧力(ゲージ圧)を供給側の圧力(ゲージ圧)に対して0.1〜50%の範囲内で調節する工程とを含み、前記膜の透過側の圧力調節によって膜の未透過側で得られる製品ガスの純度および/あるいは流量が調節されることを特徴とする、ガスを分離回収するためのガス分離膜の運転方法に関する。更に、本発明は、前記膜の透過側の圧力調節が、膜の透過側からの透過ガス排出流の流量を絞ることによっておこなわれること、ガス分離膜が非対称ポリイミド中空糸分離膜であり、供給するガス混合物が空気であり、膜の未透過側で得られる製品ガスが富化窒素であることを特徴とするガスを分離回収するためのガス分離膜の運転方法に関する。

発明を実施するための最良の形態

0008

本発明で用いられるガス分離膜はガス選択的透過性を有すれば特に限定はないが、高分子膜炭素膜高分子を部分炭素化した部分炭素化膜、ゼオライトなどのセラミック膜が使用できる。また、膜は平膜でも中空糸膜でもよいが有効膜面積を大きくして分離効率を高めることが容易な中空糸膜が好適である。中空糸膜の形態は、均質膜でもよく、複合膜非対称膜などの不均一性のものでもよいが、透過速度が大きい非対称性膜が好ましい。また、中空糸膜の膜厚は10〜500μmで外径は50〜2000μmのものを好適に挙げることができる。

0009

中空糸膜は分離膜モジュールの形態で好適に用いることができる。中空糸分離膜モジュールは、数百本〜数十万本の中空糸集束させて中空糸束とし、前記中空糸束と前記中空糸束の少なくとも一方の端部を中空糸が開口状態を保持するようにして樹脂などで固着した管板とを備えて構成した中空糸分離膜エレメントとし、前記中空糸分離膜エレメントの一つあるいは二つ以上を少なくとも混合ガス導入口透過ガス排出口未透過ガス排出口を備える容器内に膜の透過側の空間と供給側(未透過側)の空間が隔絶するように収納して構成されたものである。

0010

前記中空糸分離膜モジュールの混合ガス導入口から混合ガスが供給され、中空糸膜の供給側の空間(中空糸の内側あるいは外側)へ導入されてガス分離膜表面と接しながら流れる間に、混合ガス中の膜透過成分が膜の透過側の空間へ透過して流れ透過ガス排出口から回収または透過ガス排出流として排出され、膜透過成分が膜の透過側の空間へ透過したあとの混合ガスは膜透過成分が減少した未透過ガスとなって未透過ガス排出口から回収または未透過ガス排出流として排出される。

0011

分離膜によってガスを分離回収する場合、通常は前記の透過ガスおよび/あるいは未透過ガスが製品ガスとして回収されるが、本発明のガス分離膜の運転方法は、未透過ガスを製品ガスとして回収する場合に好適に用いることができる。

0012

本発明のガス分離膜の運転方法は、目的の純度と流量の製品ガスに対して余分な分離能力を持つ単数又は複数の分離膜モジュールを備えたガス分離システムにおいて、ガス分離膜の供給側にガス混合物を加圧して供給し、前記膜の透過側の圧力(ゲージ圧)を供給側の圧力(ゲージ圧)に対して0.1〜50%の範囲内で調節して、前記膜の供給側に供給するガス混合物の供給流量を調節するガス分離膜の運転方法である。余分な分離能力を持つ分離膜モジュールを用いて通常の運転方法で目的の純度の製品ガスを得ようとすると、余分な分離能力を持つ分離膜モジュールに必要なだけの供給ガスを供給することになるから、当然加圧装置(例えばコンプレッサー)などの付帯装置は過大な能力のものが要求され運転コストも過大になる。本発明は、膜の透過側を加圧状態にして供給圧と透過圧との差圧を調節することによって膜の選択透過成分の透過量を制御し、それによって過剰な製品ガスを生成せず目的の純度の製品ガスを目的流量だけ生成するように調節し、過剰な加圧装置などの付帯設備を必要としないガス分離膜を運転する方法である。

0013

しかも、本発明の膜の透過側の圧力(ゲージ圧)を供給側の圧力(ゲージ圧)に対して0.1〜50%の範囲内で調節することは、膜の透過側からの透過ガス排出流の流量を絞ることによって簡便且つ容易におこなうことができる。安価な流量絞り装置流量調節弁)を追加するだけで膜の透過側の圧力を加圧状態に調節できるので、設備費用や運転コストを抑制できる。また操作も簡便である。この方法によれば、目的の純度と流量の製品ガスに対して過剰な分離能力を持つ分離膜モジュールを備えたガス分離システムにおいて、安価な流量絞り装置(流量調節弁)を追加するだけでコンプレッサーやフィルターなどの前処理装置は大型のものを備える必要はなく、比較的小さいコンプレッサーと付帯設備さえ備えれば目的とする製品ガスを得ることが可能になる。

0014

また、本発明のガス分離方法は、目的の純度と流量の製品ガスに対して過剰な分離能力を持つ単数又は複数の分離膜モジュールを備えたガス分離システムにおいて、ガス分離膜の供給側にガス混合物を加圧して供給し、前記膜の透過側の圧力(ゲージ圧)を供給側の圧力(ゲージ圧)に対して0.1〜50%の範囲内で調節して、前記膜の未透過側で得られる製品ガスの純度および/あるいは流量を調節することを特徴とするガス分離膜の運転方法である。

0015

本発明のガス分離膜の運転方法は、分離膜の透過性能が経時的に低下する場合などにおいて、未透過側で得られる製品ガスの純度および/あるいは流量を調節することができるので極めて有効である。すなわち、初期段階で膜の透過側の圧力(ゲージ圧)を供給側の圧力(ゲージ圧)の0.1〜50%の範囲内で調節しておき、分離膜の透過性能が経時的に低下するに従って透過側の圧力を下げる。こうすれば、供給量や供給圧力はほぼ一定のままで目的の純度と流量の製品ガスを得ることができる。分離膜の透過性能の経時的低下に対応して供給圧力を高くして目的の純度と流量の製品ガスを得るように調節することも可能であるが、その場合にはコンプレッサー能力をより大きくする必要が生じまた運転コストも高いものになる。

0016

本発明において、膜の供給側の圧力は0.5〜30kgf/cm2(ゲージ圧)が好ましく、特に、2〜20kgf/cm2(ゲージ圧)が好ましい。圧力が0.5kgf/cm2(ゲージ圧)未満では膜を透過させるドライビングフォースが少ないし、30kgf/cm2(ゲージ圧)を越えると膜の耐圧性を越えてしまう可能性があり、また極めて大きな加圧装置やその他の付帯装置が必要になるので好ましくない。また、温度は特に限定されないが熱交換器などで−50〜200℃の温度に調温されることが好ましい。また、ガス混合物がガス分離膜へ供給される前に、膜にとって有害となり得る成分を除去することが好ましい。例えば、ダストフィルター浮遊粒子を除去したり、冷凍除湿機で水分を除去したり、オイルセパレーターミストセパレーターで油分を除去したり、スクラバー特定化学成分を除去するなどの前処理がなされる。

0017

本発明において、ガス混合物は加圧して分離膜の供給側へ供給される。ガス混合物を加圧して供給するための加圧装置としてブロワー、コンプレッサーが用いられる。特に、オイルフリーコンプレッサーは膜に対して悪影響を有するオイル、オイルミストを供給するガス混合物に混入させることがほとんどないので好適である。

0018

本発明において、膜の透過側からの排出ガスの流量を絞るためには、透過ガスを系外へ排出する排出流配管の途中に流量を絞る装置例えばニードル弁グローブ弁などの流量調節弁を配置すればよい。絞りの程度を大きくすれば透過側の圧力が高くなる。この様な装置は極めて簡便なものであり安価かつ操作が容易なものである。本発明において、膜の透過側の圧力(ゲージ圧)は供給側の圧力(ゲージ圧)に対して0.1〜50%の範囲内で調節される。好ましくは0.1〜20%の範囲内であり、特に好ましくは0.1〜7%の範囲内である。0.1%未満では本発明の調節機能を発揮できない。また、50%を越えると膜の供給側と透過側の差圧が小さくなり透過流量が小さくなり過ぎて効率的なガス分離ができなくなる。

0019

本発明のガス分離膜の運転方法は、ガス混合物をガス分離膜へ供給し膜透過成分を膜を透過させることによって除き、膜透過成分が減少した未透過のガスを未透過ガス排出口から分離回収し製品ガスとして目的の純度と流量で得る場合に有用である。例えば、空気から富化窒素ガスを得る場合、空気から水分を分離除去して除湿空気を得る場合、油田から採取された天然ガスやランドフィルガスから二酸化炭素を分離してメタンガスなどを回収する場合、有機物蒸気を含むガス混合物から有機物蒸気を分離回収する場合などにおいて有用である。特に、空気中の酸素膜透過によって分離して未透過ガスとして分離回収される富化窒素ガスは、パージガスとして例えばクリーニング装置洗浄装置半導体装置印刷装置などの他の装置と組み合わせて使われることが多く、ガス分離膜システムコンパクトで過剰な設備を必要としないことや簡便な運転であること、またガス分離システムが継続的に運転できないために組み合わされている装置を停止する必要がないことなどが望まれている。このような場合には、本発明のガス分離膜の運転方法が極めて好適である。

0020

本発明のガス分離膜の運転方法において、空気を分離して富化窒素ガスを製品ガスとして生成させる場合には、ガス分離膜は非対称ポリイミド中空糸分離膜を用いることが好ましい。非対称ポリイミド中空糸分離膜は酸素の透過速度、酸素と窒素の分離度耐久性耐熱性、耐圧性や機械的強度が優れた膜であるので、空気分離によって富化窒素ガスを生成するのに好適である。

0021

次に、本発明で使用されるガス分離膜システムの実施形態の一つの概要図である図1によって更に本発明を説明する。図1のシステムは空気から富化窒素ガスを分離回収するものである。尚、本発明で使用されるガス分離膜システムは図1に示された実施形態に限定されるものではない。空気取入口1から採取された空気はダストフィルター2で空気中の浮遊粒子などを除去されコンプレッサー3へ供給される。加圧された空気はタンク4で加圧状態で保持され、冷凍除湿機5で比較的低湿度まで除湿されて圧力調節弁6で圧力調節されてオイルセパレーター7、ミストセパレーター8で空気中のオイル分を除去したあと熱交換器10で必要に応じて加熱または冷却されて、中空糸ガス分離膜モジュール12、13のガス供給口から膜の供給側へ流される。9は圧力計、11は温度計である。ガス混合物が膜に接して流れる間に膜を選択的に透過する酸素ガス成分が膜を透過する。透過した透過ガスは膜の透過側を流れてモジュールの透過ガス排出口を経由して透過ガス排出流となり配管の途中で流量調節弁16、17で流量を絞られたのち系外へ排出される。14、15は圧力計である。流量調節弁16、17で流量を絞られて中空糸分離膜モジュール内の膜の透過側の空間の圧力は膜の供給側の圧力(ゲージ圧)の0.1〜50%に調節される。膜透過成分の酸素ガスが除去された富化窒素ガスは膜の未透過側を流れて中空糸膜分離膜モジュールの未透過ガス排出口を経て製品ガス出口24へ導かれる。18、19は酸素濃度計、20、21は流量調節弁、22、23は流量計である。図1では2本の中空糸分離膜モジュールが並列で用いられており、供給ガスは前処理を終わったあと分岐してそれぞれのモジュールへ供給され、それぞれの中空糸分離膜モジュールで得られた富化窒素ガスは合流して製品ガス出口24へ導かれている。

0022

以下に実施例によって本発明を更に詳しく説明する。尚、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。

0023

(比較例1)空気を供給量132Nm3/h、圧力7kgf/cm2(ゲージ圧)で供給し透過側を常圧(ゲージ圧が0kgf/cm2)にすると純度95体積%の富化窒素ガスが62Nm3/h得られる非対称ポリイミド中空糸ガス分離膜モジュールを用いて、純度95体積%の富化窒素ガスを200Nm3/h得ることを検討した。目的とする純度95体積%の富化窒素ガスを200Nm3/h得るためには(200Nm3/h÷62Nm3/h>3.2本であるので)前記非対称ポリイミド中空糸ガス分離膜モジュールが4本必要であり、供給する空気量は合計で(132Nm3/h×4本)528Nm3/hであるので、コンプレッサーの能力は528Nm3/h以上の能力を持つコンプレッサーが必要となった。

0024

(実施例1)比較例1と同様の非対称ポリイミド中空糸ガス分離膜モジュールを用い、膜の透過側の圧力を0.3kgf/cm2(ゲージ圧)になるように透過流量を絞る方法で運転すると、モジュール1本当たり供給空気量が120Nm3/hで純度95体積%の富化窒素ガスが54Nm3/h得られた。従って、この運転方法では、目的とする純度95体積%の富化窒素ガスを200Nm3/h得るためには(200Nm3/h÷54Nm3/h>3.7本であるので)前記非対称ポリイミド中空糸ガス分離膜モジュールが4本必要であり、供給する空気量は合計で(120Nm3/h×4本)480Nm3/hであるので、コンプレッサーの能力は480Nm3/h以上の能力を持つコンプレッサーであれば問題がなかった。

0025

すなわち比較例1では例えば能力が500Nm3/hのコンプレッサーでは要求性能を満たすことができないために、これよりも大型のコンプレッサーを購入する必要があったが、実施例1では能力が500Nm3/hのコンプレッサーで充分であり設備費が少なくてすむことが判る。更に、比較例1で大型のコンプレッサーを導入すると当然運転コストが高くなるが、実施例1では小型のコンプレッサーで済むので運転コストは比較的少なくなる。

0026

(比較例2)比較例1と同様の非対称ポリイミド中空糸ガス分離膜モジュールを用いて、膜の透過性能の低下が予想される環境下で、純度95体積%の富化窒素ガスを200Nm3/h得ることを検討した。膜の透過性能が15%低下しても継続して使うことができるように運転開始時には安全率を加味して過剰な能力を持つガス分離膜モジュールが配置された。すなわち前記非対称ポリイミド中空糸ガス分離膜モジュールの性能が15%低下した場合、ガス分離膜モジュール1本当たり目的とする純度95体積%の富化窒素ガスの発生量が53Nm3/hに低下することを考慮すると、目的とする純度95体積%の富化窒素200Nm3/hを得るためには(200Nm3/h÷53Nm3/h>3.7本であるので)前記非対称ポリイミド中空糸ガス分離膜モジュールが4本必要であった。

0027

運転開始時、膜の透過側圧力を調節することなしに常圧(ゲージ圧が0kgf/cm2)で運転すると、分離膜モジュール4本での純度95体積%の富化窒素ガスは合計(62Nm3/h×4本)248Nm3/h得られる。これは目的とする200Nm3/hよりも24%過剰であり、過剰分を処理するための配管、バルブ、タンク、制御装置などの付帯設備が必要になった。一方、同じ分離膜モジュールで目的とする200Nm3/h(1本当たり50Nm3/h)の富化窒素ガスを得ようとすると、得られる富化窒素ガスの純度は96.2体積%となってしまい、純度を95体積%とするためにはこれを希釈するための付帯設備が必要となった。

0028

(実施例2)比較例2と同様の非対称ポリイミド中空糸ガス分離膜モジュールを用い、同じ環境下同様の富化窒素ガスを得ることを本発明の運転方法によって検討した。運転開始時、膜の透過側の圧力を0.47kgf/cm2(ゲージ圧)になるように透過流量を絞る方法で運転すると、分離膜モジュール1本当たり純度95体積%の富化窒素ガスが50Nm3/h、すなわち分離膜モジュール4本で純度95体積%の富化窒素ガスを200Nm3/h得ることができ、目的の純度とガス量を満たすことができた。すなわち、比較例2で必要とされた付帯設備は必要なかった。

0029

また、分離膜の透過性能が10%低下した時点では、膜の透過側の圧力を0.24kgf/cm2(ゲージ圧)になるように透過流量を絞る方法で運転すると、分離膜モジュール4本で純度95体積%の富化窒素ガスを200Nm3/h得ることができ、目的の純度とガス量を満たすことができた。すなわち、比較例2で必要とされた付帯設備は必要なかった。

0030

更に、分離膜の透過性能が15%低下した時点では、膜の透過側の圧力を0.12kgf/cm2(ゲージ圧)になるように透過流量を絞る方法で運転すると、分離膜モジュール4本で純度95体積%の富化窒素ガスを200Nm3/h得ることができ、目的の純度とガス量を満たすことができた。すなわち、比較例2で必要とされた付帯設備は必要なかった。

発明の効果

0031

本発明は、以上説明したようなものであるから、以下に記載されるような効果を奏する。本発明のガス分離膜の運転方法を用いることによって、過剰な加圧装置などの付帯設備を必要とすることなく、目的とする純度と流量の製品ガスを得ることができる。また、分離膜モジュールの透過性能が劣化するような場合でも、本発明のガス分離膜の運転方法を用いることによって、過剰な付帯設備を必要とせずまた分離膜モジュールの取り替えなどの特別な処置なしに目的とする純度と流量の製品ガスを継続的に得ることができる。すなわち、本発明のガス分離膜の運転方法を用いることによって、設備費用や運転コストを抑制して簡便かつ経済的に目的とする純度と流量の製品ガスを得ることができる。

図面の簡単な説明

0032

図1本発明で使用されるガス分離膜システムの実施形態の一つの概要図である

--

0033

1:空気取入口
2:ダストフィルター
3:コンプレッサー
4:高圧タンク
5:冷凍除湿機
6:圧力調節弁
7:オイルセパレーター
8:ミストセパレーター
9:圧力計
10:熱交換器
11:温度計
12、13:中空糸ガス分離膜モジュール
14、15:圧力計
16、17:流量調節弁
18、19:酸素濃度計
20、21:流量調節弁
22、23:流量計
24:製品ガス出口

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