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技術 セラミックス誘電体材料

出願人 一般財団法人ファインセラミックスセンター
発明者 安藤汀東田豊
出願日 2000年6月30日 (20年5ヶ月経過) 出願番号 2000-198979
公開日 2002年1月23日 (18年10ヶ月経過) 公開番号 2002-020168
状態 特許登録済
技術分野 酸化物セラミックスの組成2 無機絶縁材料
主要キーワード プレート状体 X線回折法 磁気双極子モーメント 加熱装置用 酸化物換算値 電気双極子モーメント 誘電体部品 吸収周波数
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (4)

課題

ミリ波域で大きい誘電正接(tanδ)を備える新規誘電体材料を提供する。

解決手段

主体結晶組成としてタイタナイトを有するセラミックス誘電体材料を提供する。かかるセラミックス材料は、ミリ波周波数帯で大きな誘電正接を有している。

概要

背景

電波吸収材料としては、導電損失材料磁性損失材料誘電損失材料の3種類がある。導電損失材料は、電波により誘起される電流によるジュール損失により電波を吸収する材料であり、磁性損失材料は、電波の磁界磁気双極子モーメントとの相互作用による磁性損失により電波を吸収する。誘電損失材料は、電波と材料の電気双極子モーメントとの相互作用による誘電損失により電波を吸収する。

電波の周波数マイクロ波からミリ波の領域に高まるに伴い、それぞれの電波吸収材料について以下のような問題が起こってきている。まず、第1に、いずれの吸収体材料にも共通する課題は、吸収体の僅かな厚みの変化により吸収周波数のずれをもたらすために、吸収体の厚みを極めて正確にかつ精度よくコントロールしなければならないということである。また、導電損失材料においては、広帯域吸収特性が得られるが、特定の周波数で大きな吸収量を得るのが困難である。磁性損失材料では、磁性体の磁気双極子が電波の振動速度に追随できなくなり、磁性損失による電波吸収効果が低下してしまう。さらに、誘電損失材料では、カーボン粒子混入したゴムシート炭化ケイ素粒子エポキシ樹脂とを混合したもの、あるいは炭化ケイ素繊維にエポキシ樹脂を含浸したものが誘電損失材料として使用されているが、これらのものは、複合化のためのコストアップや安定した特性が得られないという問題がある。

概要

ミリ波域で大きい誘電正接(tanδ)を備える新規誘電体材料を提供する。

主体結晶組成としてタイタナイトを有するセラミックス誘電体材料を提供する。かかるセラミックス材料は、ミリ波周波数帯で大きな誘電正接を有している。

目的

そこで、本発明では、ミリ波域で大きい誘電正接(tanδ)を備える新規な誘電体材料を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

請求項2

酸化カルシウム(CaO)、酸化チタン(TiO2)、酸化ケイ素(SiO2)の3成分組成図内に表される主体結晶組成を有し、30GHz〜3000GHzの範囲内の少なくとも一つの周波数で、0.06以上の誘電正接を有する、セラミックス誘電体材料。

請求項3

酸化カルシウム(CaO)、酸化チタン(TiO2)、及び酸化ケイ素(SiO2)の3成分組成図内において、CaOが22.0〜46.0モル%、TiO2が17.0〜43.0モル%、及びSiO2が21.0〜47.0モル%の領域内の組成を有する、セラミックス誘電体材料。

請求項4

請求項1〜3のいずれかに記載の誘電体材料を含むセラミックス成形体である、誘電体

請求項5

請求項1〜3のいずれかに記載の誘電体材料と、セラミックス以外の材料とを含む、誘電体。

請求項6

請求項1〜3のいずれかに記載の誘電体材料を有する、電波吸収体

技術分野

0001

本発明は、ミリ波周波数帯域で大きな誘電正接(tanδ)を有する誘電体材料に関する。

背景技術

0002

電波吸収材料としては、導電損失材料磁性損失材料誘電損失材料の3種類がある。導電損失材料は、電波により誘起される電流によるジュール損失により電波を吸収する材料であり、磁性損失材料は、電波の磁界磁気双極子モーメントとの相互作用による磁性損失により電波を吸収する。誘電損失材料は、電波と材料の電気双極子モーメントとの相互作用による誘電損失により電波を吸収する。

0003

電波の周波数マイクロ波からミリ波の領域に高まるに伴い、それぞれの電波吸収材料について以下のような問題が起こってきている。まず、第1に、いずれの吸収体材料にも共通する課題は、吸収体の僅かな厚みの変化により吸収周波数のずれをもたらすために、吸収体の厚みを極めて正確にかつ精度よくコントロールしなければならないということである。また、導電損失材料においては、広帯域吸収特性が得られるが、特定の周波数で大きな吸収量を得るのが困難である。磁性損失材料では、磁性体の磁気双極子が電波の振動速度に追随できなくなり、磁性損失による電波吸収効果が低下してしまう。さらに、誘電損失材料では、カーボン粒子混入したゴムシート炭化ケイ素粒子エポキシ樹脂とを混合したもの、あるいは炭化ケイ素繊維にエポキシ樹脂を含浸したものが誘電損失材料として使用されているが、これらのものは、複合化のためのコストアップや安定した特性が得られないという問題がある。

発明が解決しようとする課題

0004

そこで、本発明では、ミリ波域で大きい誘電正接(tanδ)を備える新規な誘電体材料を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0005

本発明者らは、酸化カルシウム(CaO)、酸化チタン(TiO2)、酸化ケイ素(SiO2)の3成分系のセラミックスについて、その組成電気的性質、特に、誘電正接について検討したところ、当該3成分組成図における特定領域の組成からなるセラミックス材料が、ミリ波周波数帯で大きな誘電正接を有していることを見いだし、本発明を完成した。すなわち、本発明は、主体結晶組成としてタイタナイトを有するセラミックス誘電体材料を提供する。また、本発明は、酸化カルシウム(CaO)、酸化チタン(TiO2)、酸化ケイ素(SiO2)の3成分系組成図内に表される主体結晶組成を有し、30GHz〜3000GHzの範囲内の少なくとも一つの周波数で、0.06以上の誘電正接を有する、セラミックス誘電体材料を提供する。

0006

また、本発明は、酸化カルシウム(CaO)、酸化チタン(Ti02)、及び酸化ケイ素(SiO2)の3成分組成図内において、CaOが22.0〜46.0モル%、TiO2が17.0〜43.0モル%、及びSiO2が21.0〜47.0モル%の領域内の組成を有する、セラミックス誘電体材料を提供する。さらに、本発明は、上記いずれかのセラミックス誘電体材料を備える、誘電体及び電波吸収体を提供する。

0007

タイタナイト(CaTiSiO5)が、ミリ波(30GHz〜3000GHz)の周波数帯において、高い誘電正接を備えることは従来知られておらず、本発明者らによって初めて見いだされた。したがって、タイタナイトを主体結晶組成とする誘電体セラミックスによると、ミリ波の周波数帯で大きな誘電正接を備える誘電体を提供することができる。また、これらの誘電体セラミックスを含有する誘電体や誘電性組成物を提供することができる。

発明を実施するための最良の形態

0008

以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。本発明のセラミックス誘電体材料(以下、本誘電体材料ともいう。)は、タイタナイト(CaTiSiO5)を主体結晶組成として有するセラミックスである。このセラミックス誘電体材料は、新規な誘電体材料を提供するものであり、特に、ミリ波周波数帯において大きな誘電正接を有する誘電体材料を提供する。

0009

本発明において、タイタナイトを主体結晶組成として有するとは、理論量組成、すなわち、組成式CaTiSiO5で表されるタイタナイトを主体結晶組成とする他、この組成式に含まれる金属原子酸化物固溶体を主体結晶組成として有することを意味する。したがって、タイタナイトを主体結晶組成として有する場合、CaO(0.50〜1.77)SiO2(0.40〜1.77)TiO2の式で表される固溶範囲の結晶を主体結晶組成として有することが好ましく、より好ましくは、CaO(0.63〜1.42)SiO2(0.49〜1.42)TiO2の式で表される固溶範囲の結晶を主体結晶組成として有する。最も好ましくは、理論量組成であるCaTiSiO5の主体結晶組成を有する。また、タイタナイトを主体結晶組成として有する場合、そのX線回折スペクトルにおいてタイタナイトあるいはその固溶体に相当するピークを有する。かかる各回折ピークは、単一ピークであることが好ましい。さらに、当該主体結晶に相当する回折ピークは、そのX線回折スペクトルにおいて最大のピーク強度を備えていることが好ましい。

0010

また、本発明において好ましいセラミックス誘電体材料は、その組成をCaO、TiO2、及びSiO2の酸化物の組成に換算した場合、図1に示す、CaO、TiO2、SiO2の3成分系組成図中、CaOが22.0〜46.0モル%、TiO2が17.0〜43.0モル%、及びSiO2が21.0〜47.0モル%の領域内の組成を有する。すなわち、かかる組成範囲を有する材料を焼成して得られるセラミックス材料であることが好ましい。この範囲であると、タイタナイトを主体結晶組成として有し、ミリ波周波数帯において、大きい誘電正接が得られやすいからである。具体的には、50GHz以上、さらに好ましくは50GHz〜110GHzの範囲における少なくとも一つの周波数において、0.06以上のtanδを容易に得ることができるからである。さらに、表1に示す、組成8〜12によって規定され、図1においてこれらの組成(点)を直線で結ぶことによって包囲される領域内(組成の点および領域を規定する線上の組成を含む)の組成を有することが好ましい。この領域内においても、タイタナイトを主体結晶組成として有し、ミリ波帯域、好ましくは50GHz以上(より好ましくは、50GHz〜110GHz)の周波数において、0.06以上のtanδを容易に得ることができる。

0011

0012

また、本発明において好ましいセラミックス誘電体は、その組成をCaO、TiO2、及びSiO2の酸化物の組成に換算した場合、CaO、TiO2、SiO2の3成分系組成図において、CaOが26.0〜42.0モル%、TiO2が20.0〜38.0モル%、及びSiO2が25.0〜42.0モル%の領域内の組成を有することが好ましい。すなわち、かかる組成範囲を有する材料を焼成して得られるセラミックス材料であることが好ましい。この範囲であると、タイタナイトを主体結晶組成として有し、ミリ波帯、特に50GHz以上(好ましくは、50GHz〜110GHz)の周波数において、容易に、0.07以上のtanδを得ることができる。また、3成分系組成図において、表1に示す組成2〜7によって規定されこれらの組成(点)を直線で結ぶことによって包囲される領域内(組成の点および領域を規定する線上の組成を含む)の組成を有することが好ましい。この領域内においても、タイタナイトを主体結晶組成として有し、容易に、ミリ波帯、特に、50GHz以上(好ましくは50GHz〜110GHz)の周波数において、0.07以上のtanδを得ることができる。

0013

本発明のセラミックス誘電体材料は、タイタナイトを主体結晶組成とする。タイタナイト及びその固溶体の割合がセラミックス全体の70wt%以上であることが好ましく、より好ましくは80wt%以上であり、さらに好ましくは90wt%以上である。また、本発明の誘電体材料は、結晶としてタイタナイト及びその固溶体のみを有する場合の他、結晶としてタイタナイト及びその固溶体を有するとともに、他の酸化物や窒化物等のセラミックス成分を含んでいてもよい。すなわち、タイタナイト及びその固溶体の他、タイタナイト中に含まれる金属(Si、Ti、Ca)の単酸化物であるSiO2、TiO2、CaO等が含まれていてもよい。さらに、SiO2、TiO2、及びCaOのうち1種以上を含む複酸化物あるいは、これらと他の金属との複酸化物を含んでいてもよい。また、これらの金属(Si、Ti、Ca)の単窒化物や複窒化物、あるいは、これらの金属と他の金属との複窒化物を含んでいてもよい。さらに、Si、Ti、Ca以外の金属の単あるいは複窒化物を含んでいてもよい。ただし、タイタナイト及びその固溶体以外の非タイタナイト成分は、得ようとする誘電特性(誘電正接)を妨げない範囲で含まれていることが好ましい。

0014

本発明のセラミックス誘電体材料中のタイタナイト及びその固溶体は、X線回折法等により、その存在を確認することができる。また、化学分析法蛍光X線法等により、本セラミックス誘電体材料中の各原子組成を得ることができる。この原子組成に基づいて、酸化物としての組成比を求めることができる。また、セラミックス誘電体における原子組成及び酸化物組成は、使用した原料組成から求めることもできる。

0015

本発明のセラミックス誘電体材料は、常誘電性を示し、好ましくは、ミリ波帯域(30〜3000GHz)、より好ましくは、50GHz以上、さらに好ましくは50GHz〜110GHzの範囲の少なくとも一つの周波数で、誘電正接(tanδ)が0.06以上、より好ましくは、0.07以上である。誘電体材料の誘電正接は、インピーダンスアナライザLCRメータ空洞共振器法摂動法)等の各種公知の方法で測定することができるが、本発明においては、好ましくは、自由空間法により測定する。自由空間法は、橋本修著「電波吸収体入門」(森出版(株)(1997))に記載される方法であり、具体的には、板状試験片平面波集束させたビーム入射してその反射透過特性を求めることにより誘電正接、誘電率、電波吸収特性等を測定することができる。

0016

本発明のセラミックス誘電体材料の形態としては、粉末成形体薄膜等の形態を採用することができる。また、粉末の懸濁液やペースト等の形態を採用することができる。好ましくは、粉末及び成形体である。セラミックス粉末としては、球状粒子ウイスカーフレークチップ等を含む不定形粒子のいかなる粒子形態の粉末であってもよい。好ましくは、球状粒子、ウイスカー、及びフレークのうちのいずれかの粒子形態の粉末である。セラミックス成形体としては、各種公知のセラミックスの成形法によって得られるいずれかの成形体とすることができ、好ましくは、プレス成形による成形体である。また、含浸法ペースト法によって基板表面に形成される層状体あるいはプレート状体とすることもできる。懸濁液やペーストは、主として、成形等の前駆材料用の形態である。

0017

本発明の誘電体材料はセラミックスであるため、耐熱耐蝕性にすぐれ、屋外暴露使用(紫外線を含む太陽光線暴露使用及び/又は雨水等の水分暴露使用及び/又は温度変化暴露使用を包含する)や高温及び/又は高湿雰囲気条件での使用に好適に用いられる。また、電気特性を含む各種特性経時変化も小さく、劣化も抑制されるため、長期信頼性に優れる誘電体材料となっている。また、特に、成形体に、所望の形状や寸法を付与することが容易である。すなわち、吸収周波数帯は、その固体の厚みによって異なり、厚みの制御が、周波数について高い選択性を付与するのに、ひいては大きな誘電正接を確保するのに非常に重要である。セラミックスは、各種精密成形も可能であるとともに、切削加工等の後加工によって、精度良く厚みを制御することができる。したがって、周波数に対して高い選択性を精度よく付与できる誘電体の材料となっている。また、形状安定性や寸法安定性にも優れた誘電体材料である。さらに、成形や焼成に際して、孔構造の制御、密度の制御も可能であるので、誘電体に所望の特性を付与することが容易である。

0018

本発明のセラミックス誘電体は、他の誘電体材料、あるいはそれ以外の材料と組み合わされて新規な誘電体材料組成物を提供することもできる。他の誘電体材料としては、酸化チタン、アルミナシリカ等を挙げることができる。また、誘電体材料以外の材料としては、カーボン炭化ケイ素等を挙げることができる。このような組合せによって得られる誘電体材料組成物も、粉末、成形体、懸濁液、ペースト等の形態を採ることができる。

0019

本発明のセラミックス誘電体材料の成形体、あるいはこれに他のセラミックスを組み合わせたセラミックス組成物の成形体から誘電体(部品)として製造する場合には、所望の形状や特性を付与できるため、誘電体(部品)の構造を簡素化することができる。

0020

本発明のセラミックス誘電体及びこの誘電体を含む誘電体材料は、電波吸収体あるいは発熱体等の誘電体部品として使用することができる。電波吸収体としては、特に、ミリ波帯域の電波吸収体として使用することができる。電波吸収体は、具体的には、電波遮断材として使用される。電波遮断材は、電気機器からの電波の漏洩防止用、あるいは、外部から電波の浸入を遮断する遮断材として使用することができる。特に、外部からの電波浸入防止材としては、建物等の構築物や、航空・宇宙用の構築物、精密電子機器ケーシング等に使用することができる。また、発熱体としては、各種加熱装置用高周波(特にミリ波)加熱体等として使用できる。

0021

次に、本発明のセラミックス誘電体を製造する方法について説明する。本発明のセラミックス誘電体は、当業者に公知のセラミックスの製造方法によって得ることができる。また、セラミックス誘電体の形態に応じて、各種製造方法を選択することができる。粉末状のセラミックス誘電体を得るには、滴下溶融分解法や、アトマイズ法等を採用することができる。成形体のセラミックス誘電体を得るには、プレス成形法押出成形法流し込み成形法等を採用できる。本誘電体材料の製造方法としては、原料を成形し、焼成することにより、成形体としてセラミックスを得る方法が好ましい。誘電体部品としての所望の形状や特性を容易に付与できるからである。また、薄膜状としてセラミックス誘電体を得るには、スパッタリング法溶射法等を採用することができる。

0022

以下、本発明のセラミックス誘電体の製造方法の一例について説明する。本形態では、本発明の誘電体セラミックスを成形体として得る方法について説明する。図2に、本形態の製造手順を示す。まず、得ようとするセラミックスにおけるCaO成分の原料として炭酸カルシウム(CaCO3)粉末、TiO2成分の原料としてTiO2粉末、SiO2成分の原料としてSiO2粉末を用い、さらに、脱イオン水を混合して、各原料粉末が均一に粉砕され混合されるようにボールミル混合粉砕する。次いで、ポリビニルアルコール等のバインダ成分を添加し、混合してバインダ成分を溶解させてセラミックススラリーを形成する。このセラミックススラリーを、例えば100メッシュ程度のいを通過させた後、乾燥し、この原料粉末を所定の形状の成形型注入し、成形する。成形は、例えば、金型プレス成形、あるいは静水圧成形等を用いることができる。金型プレス成形と静水圧成形とを順次行ってもよい。その後、成形型から成形体(焼成前)を取り出して、脱脂、焼成して、セラミックス成形体を得る。必要に応じて、得られた焼成成形体を切削加工等を行うことができる。また、粉砕して粉末を得ることもできる。

0023

なお、本セラミックス誘電体材料の製造工程においては、原料粉末の純度を初めとして、製造工程から、最終のセラミックス組成物に混入する可能性のある不純物量を高度に制御することが好ましい。

0024

本発明の誘電体セラミックスに、他のセラミックスを組み合わせて誘電体材料を提供しようとする場合、セラミックスの製造工程において複合化することもできる。また、本発明の誘電体セラミックスに、セラミックス以外の他の材料を含めて誘電体材料を提供する場合には、当該他の材料の種類に応じて、各種方法を採用することができる。例えば、カーボン粒子や繊維、炭化珪素粒子や繊維、エラストマー、及び樹脂等のいずれか1種以上を複合化する場合には、デイップコート法スプレー塗布法積層法等の方法を採用することができる。

0025

以下、本発明の具体例につき詳細に説明する。
(実施例1)本実施例では、焼成して得られるセラミックス誘電体材料中の成分元素酸化物換算値が、表1に示す1〜14の組成となるように各酸化物、CaO、SiO2、及びTiO2の各原料の配合量を決定した。具体的には、CaOの原料としては、炭酸カルシウム(CaCO3)を用い、SiO2の原料としては、SiO2を用い、TiO2の原料としては、TiO2を用いた。これらの原料粉末を、それぞれ、表1の各組成に示すような酸化物比となるように、全体の重量が100gになるように採取し、さらに、脱イオン水200mlを加えて、ジルコニア磁器球石(直径10ミリ、全重量1040g)を用いてボールミル(32rpm)で24時間混合粉砕した。

0026

次いで、バインダーとしてポリビニルアルコール1gをこの混合物に添加し、1時間混合し溶解させた。このスラリーを、乾燥し、粉末とした後、100メッシュの篩いを通過させ、得られた粉末を成形型(70mm×70mm×6mm)にて、まず30MPで金型プレス成形し、さらに、300MPで静水圧成形した。得られた成形体を、それぞれ表1に示す焼成温度で、十分な時間焼成した。焼成後、成形体の両面を研削加工して、52mm×52mm×4mmのセラミックス焼成体1〜24を得た。

0027

これらの焼成体1〜14について、密度と、ミリ波帯域の特定の周波数で誘電特性を測定した。密度は、寸法と重量とにより測定し、誘電特性は自由空間法により測定した。すなわち、図2(a)に示すように、自由空間に置かれた測定試料ホーンアンテナから誘電体レンズを用いて直径20mm以内に集束させたビームを試料照射しその時の誘電特性(tanδ、誘電率)を測定した。密度及び誘電特性を表1に示す。

0028

表1に示すように、これらの成形体1〜14は、いずれも、50GHz以上のミリ波帯域、特に、110GHz以下の範囲において、0.06以上の誘電正接を備えていた。いずれの成形体1〜14においても、50GHzから110GHzに周波数が高くなるに応じて、誘電正接も大きくなっていた。特に、成形体1〜7については、50GHzにおいて誘電正接が0.07以上であり、110GHzにおける誘電正接は0.10以上であった。

0029

(実施例2)成形サイズを100mm×100mm×3mmの焼成前成形体を得る以外は、実施例1で作製したのと同じ手順に従い、組成1の成形体を焼成し、その後、この焼成成形体を平面研削加工して、厚さを1.85mmとした。さらに、この板体の片面に、厚さ20μmのアルミニウム箔接着剤で貼り付けた。この試料につき、図2(b)に示すようにセットして、自由空間法にて電波吸収特性を評価した。その結果を図3に示す。この測定周波数範囲では、60GHzと77GHz付近に電波吸収作用が認められる。60GHzは、試料の厚さが電波の波長の7/4倍に相当するところであり、77GHzは、試料の厚さが電波の波長の9/4倍に相当するところである。図3に示す結果によれば、本試料は、実用レベルとされる−20dB〜−30dBの水準を満たすことができた。

発明の効果

0030

本発明によれば、ミリ波域で大きい誘電正接(tanδ)を備える新規な誘電体材料を提供できる。

図面の簡単な説明

0031

図1CaO、TiO2、SiO2の三成分系組成図を示し、表1における各種組成の点を示す図である。
図2自由空間法により、実施例1において誘電特性を測定する際のセット状態を示す図(a)と、実施例2の試料の電波吸収特性を測定する際のセット状態を示す図(a)である。
図3実施例2において評価した成形体のミリ波周波数帯域での、反射減衰量を示す図である。

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