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技術 エチル−α−グルコシドの製造方法

出願人 池田食研株式会社
発明者 日高祐樹伊藤和恵松川直美古谷祐治
出願日 2000年7月7日 (20年5ヶ月経過) 出願番号 2000-206693
公開日 2002年1月22日 (18年11ヶ月経過) 公開番号 2002-017395
状態 未査定
技術分野 酵素・酵素の調製 微生物による化合物の製造
主要キーワード 分析ピーク エチルアルコール濃度 同定分析 ガスクロ分析 注入温度 清酒中 無水エチルアルコール 原料基質
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この項目の情報は公開日時点(2002年1月22日)のものです。
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図面 (8)

課題

α−グルコシダーゼ触媒する縮合反応を利用することにより、高収率かつ低コストエチル−α−グルコシドを製造することのできるエチル−α−グルコシドの製造方法を提供する。

解決手段

グルコースエチルアルコールとの混合溶液にα−グルコシダーゼを作用せしめ、縮合反応により直接エチル−α−グルコシドを得る。また、上記α−グルコシダーゼとして市販酵素Aspergillus niger由来のものまたは好熱性糸状菌Thermoascus aurantiacus由来のものを使用する。

概要

背景

エチル−α−グルコシドは、元来清酒中に存在する非発酵性糖質で、清酒においては独特風味構成に関わっており、また、調理に用いると味質の改善など有用な効果を示す物質である。

ここで、従来のエチル−α−グルコシドの酵素的な製造方法としては、特公平6—30608号に清酒醸造中に進行する反応であるα−グルコシダーゼ糖転移活性を利用して製造するものが記載されている。

これは、例えば原料マルトオリゴ糖エチルアルコールを加え、α−グルコシダーゼの糖転移活性を利用してエチル−α−グルコシド(α-EG)を製造するというものである。

概要

α−グルコシダーゼが触媒する縮合反応を利用することにより、高収率かつ低コストにエチル−α−グルコシドを製造することのできるエチル−α−グルコシドの製造方法を提供する。

グルコースとエチルアルコールとの混合溶液にα−グルコシダーゼを作用せしめ、縮合反応により直接エチル−α−グルコシドを得る。また、上記α−グルコシダーゼとして市販酵素Aspergillus niger由来のものまたは好熱性糸状菌Thermoascus aurantiacus由来のものを使用する。

目的

そこで、本発明は、α−グルコシダーゼが触媒する縮合反応を利用することにより、高収率かつ低コストにエチル−α−グルコシドを製造することのできるエチル−α−グルコシドの製造方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

グルコースエチルアルコールよりなる原料α−グルコシダーゼを作用させ、α−グルコシダーゼの触媒する縮合反応によりエチル−α−グルコシドを生成することを特徴とするエチル−α−グルコシドの製造方法。

請求項2

上記α−グルコシダーゼが微生物由来であることを特徴とする請求項1に記載のエチル−α−グルコシドの製造方法。

請求項3

上記α−グルコシダーゼがAspergillus niger由来であることを特徴とする請求項1に記載のエチル−α−グルコシドの製造方法。

請求項4

上記α−グルコシダーゼが好熱性糸状菌Thermoascus aurantiacus由来であることを特徴とする請求項1に記載のエチル−α−グルコシドの製造方法。

請求項5

マルトースまたはマルトオリゴ糖類とエチルアルコールよりなる原料にα−グルコシダーゼを作用させ、α−グルコシダーゼの触媒する糖転移反応によりエチル−α−グルコシドを生成することを特徴とするエチル−α−グルコシドの製造方法において、上記α−グルコシダーゼが好熱性糸状菌Thermoascus aurantiacus由来であることを特徴とするエチル−α−グルコシドの製造方法。

請求項6

マルトースまたはマルトオリゴ糖類とエチルアルコールよりなる原料に微生物由来のα−グルコシダーゼを作用させ、α−グルコシダーゼの触媒する糖転移反応によりエチル−α−グルコシドとグルコースを生成する第1の工程と、上記第1の工程で生成されたグルコースとエチルアルコールよりなる原料にさらに微生物由来のα−グルコシダーゼを作用させ、α−グルコシダーゼの触媒する縮合反応によりエチル−α−グルコシドを生成する第2の工程と、を有することを特徴とするエチル−α−グルコシドの製造方法。

請求項7

マルトースまたはマルトオリゴ糖類とエチルアルコールよりなる原料に好熱性糸状菌Thermoascus aurantiacus由来のα−グルコシダーゼを作用させ、α−グルコシダーゼの触媒する糖転移反応によりエチル−α−グルコシドとグルコースを生成する第1の工程と、上記第1の工程で生成されたグルコースとエチルアルコールよりなる原料にさらに好熱性糸状菌Thermoascus aurantiacus由来のα−グルコシダーゼを作用させ、α−グルコシダーゼの触媒する縮合反応によりエチル−α−グルコシドを生成する第2の工程と、を有することを特徴とするエチル−α−グルコシドの製造方法。

請求項8

マルトースまたはマルトオリゴ糖類とエチルアルコールよりなる原料に市販酵素Aspergillus niger由来のα−グルコシダーゼを作用させ、α−グルコシダーゼの触媒する糖転移反応によりエチル−α−グルコシドとグルコースを生成する第1の工程と、上記第1の工程で生成されたグルコースとエチルアルコールよりなる原料に好熱性糸状菌Thermoascus aurantiacus由来のα−グルコシダーゼを作用させ、α−グルコシダーゼの触媒する縮合反応によりエチル−α−グルコシドを生成する第2の工程と、を有することを特徴とするエチル−α−グルコシドの製造方法。

請求項9

マルトースまたはマルトオリゴ糖類とエチルアルコールよりなる原料に好熱性糸状菌Thermoascus aurantiacus由来のα−グルコシダーゼを作用させ、α−グルコシダーゼの触媒する糖転移反応によりエチル−α−グルコシドとグルコースを生成する第1の工程と、上記第1の工程で生成されたグルコースとエチルアルコールよりなる原料に市販酵素Aspergillus niger由来のα−グルコシダーゼを作用させ、α−グルコシダーゼの触媒する縮合反応によりエチル−α−グルコシドを生成する第2の工程と、を有することを特徴とするエチル−α−グルコシドの製造方法。

請求項10

マルトースまたはマルトオリゴ糖類とエチルアルコールよりなる原料に市販酵素Aspergillus niger由来のα−グルコシダーゼを作用させ、α−グルコシダーゼの触媒する糖転移反応によりエチル−α−グルコシドとグルコースを生成する第1の工程と、上記第1の工程で生成されたグルコースとエチルアルコールよりなる原料にさらに市販酵素Aspergillus niger由来のα−グルコシダーゼを作用させ、α−グルコシダーゼの触媒する縮合反応によりエチル−α−グルコシドを生成する第2の工程と、を有することを特徴とするエチル−α−グルコシドの製造方法。

技術分野

0001

本発明はエチル−α−グルコシドの製造方法に関し、詳しくは、加水分解酵素が有する縮合活性加水分解反応逆反応触媒する能力)を利用し、加水分解酵素α−グルコシダーゼを用いてグルコースエチルアルコール原料として直接エチル−α−グルコシドを製造する方法に関する。

背景技術

0002

エチル−α−グルコシドは、元来清酒中に存在する非発酵性糖質で、清酒においては独特風味構成に関わっており、また、調理に用いると味質の改善など有用な効果を示す物質である。

0003

ここで、従来のエチル−α−グルコシドの酵素的な製造方法としては、特公平6—30608号に清酒醸造中に進行する反応であるα−グルコシダーゼの糖転移活性を利用して製造するものが記載されている。

0004

これは、例えば原料のマルトオリゴ糖にエチルアルコールを加え、α−グルコシダーゼの糖転移活性を利用してエチル−α−グルコシド(α-EG)を製造するというものである。

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、上記の如き従来の製造方法では、原料にマルトースやマルトオリゴ糖を用いる。このため、エチル−α−グルコシドの他に副産物としてグルコース等の生成を伴い、原料基質に対する収率はせいぜい4割程度しかないという問題点があった。

0006

また、純度を上げるためにはさらに分離操作が必要になり、コスト高になるという問題点があった。

0007

そこで、本発明は、α−グルコシダーゼが触媒する縮合反応を利用することにより、高収率かつ低コストにエチル−α−グルコシドを製造することのできるエチル−α−グルコシドの製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らは、上記目的を達成するにあたり、従来報告されていたα−グルコシダーゼの糖転移活性ではなく、α−グルコシダーゼの縮合反応を触媒する活性に着目し、グルコースとエチルアルコールから直接エチル−α−グルコシドを製造しうることを見出し、本発明を完成するに至った。

0009

すなわち、本発明の特徴は、グルコースとエチルアルコールとの混合溶液にα−グルコシダーゼを作用せしめ、縮合反応によりエチル−α−グルコシドを得ることを特徴とするエチル−α−グルコシドの製造方法に関する。

0010

図1はこの場合の反応式であるが、グルコースとエチルアルコールとの混合溶液にα−グルコシダーゼを作用せしめ、縮合反応により直接エチル−α−グルコシドを得ている。

0011

ところで、エチル−α−グルコシドの製造に際しては糖質を含有するエチルアルコール溶液の調整が不可欠である。しかし、一般にエチルアルコールに対する糖質の溶解度は低く、エチルアルコール濃度が高くなればなるほどその収率は高くなるが、酵素失活していくという問題点を有していた。

0012

そこで、本発明では上記α−グルコシダーゼとして好熱性糸状菌Thermoascus aurantiacus(サーモアスカス・アウラティアカス由来のものを使用する。このThermoascus aurantiacus由来のものはエチルアルコール濃度が高くても使用できる。従って、収率よくエチル−α−グルコシドを製造できる。

0013

なお、従来、糖転移活性を利用してエチル−α−グルコシド(α-EG)を製造するとき利用していた市販酵素Aspergillus niger由来のα−グルコシダーゼ(商品名:トランスグルコシダーゼアマノ」、天野製薬株式会社製)も縮合反応に利用できる。

0014

また、本発明では、上記Thermoascus aurantiacusを利用してまず糖転移活性を利用してエチル−α−グルコシド(α-EG)を製造し、さらに、副産物として残るグルコースからも縮合反応によりエチル−α−グルコシドを製造し、さらに収率よくエチル−α−グルコシドを製造できる。

0015

なお、この場合、他の微生物由来のα−グルコシダーゼも利用できる。

0016

例えば、上記Thermoascus aurantiacusに代えて上記市販酵素Aspergillus nigerを利用することもでき、両者を併用することもできる。

0017

両者を併用する場合は、糖転移反応にThermoascus aurantiacusを使用し、縮合反応に市販酵素Aspergillus nigerを使用する場合やその逆の場合等がある。

0018

なお、上記Thermoascus aurantiacusは「Thermoascus aurantiacus OM−13」として工業技術院生命工学工業技術研究所受託番号「FERM P−17928」として寄託してある。

発明を実施するための最良の形態

0019

本発明で用いるα−グルコシダーゼには、微生物由来のものを用いることが出来る。

0020

上記微生物としては、アスペルギルス属ペニシリウム属ムコール属リゾプス属、サーモアスカス属のカビサッカロマイセス属キャンディダ属の酵母バチルス属の細菌が使用できるが、好ましくはサーモアスカス属由来のものである。

0021

また、α−グルコシダーゼとは、α−グルコシダーゼ活性を有する上記の微生物菌体そのものの他、菌体破砕物、または菌体抽出物培養上清、粗酵素および精製酵素など、何れの形態のものも含む。

0022

さらに、酵素の安定化や繰り返し使用を目的として、上記微生物菌体、その破砕物もしくは抽出物、または、粗酵素や精製酵素を担体固定化したものもα−グルコシダーゼとして使用することが出来る。

0023

また、上記のような微生物より、α−グルコシダーゼ遺伝子を単離し、適当な宿主微生物へ導入した遺伝子組換え微生物も同様に使用できる。

0024

以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。

0025

〔実施例1〕 Thermoascus aurantiacus OM−13由来α−グルコシダーゼの精製
(1)Thermoascus aurantiacus OM−13の培養
培地組成:2%デンプン、0.5%ポリペプトン、0.1%K2HPO4、0.05%MgSO4・7H2O 4Lを含む5L容の通気撹拌培養装置中にα−グルコシダーゼ生産菌Thermoascus aurantiacus OM−13を植菌し、50℃、400rpm、通気量4L/minで93時間振盪培養した。
(2)α−グルコシダーゼの抽出および精製
上記培養により得られた培養液より菌体濾別し、得られた培養上清を以降の酵素精製に供した。

0026

なお、各精製過程におけるα−グルコシダーゼ画分の検出は、α−グルコシダーゼ活性を測定することにより行った。

0027

加水分解活性の測定は、発色基質p−ニトロフェニル−α−グルコシド(PNPG)の加水分解遊離するp−ニトロフェノール量の比色定量(400nm)により実施し、酵素1ユニット(U)は、37℃、pH5で1分間に1μmolのp−ニトロフェノールを生成する酵素量とした。

0028

上記で得られた菌体抽出液につき常法により硫安沈殿を行った。

0029

培養上清に1mMジチオスレイトール(DTT)、0.2mMふっ化4-(2-アミノエチルベンゼンスルホニル塩酸塩AEBSF)を添加し、これに硫酸アンモニウムを80%飽和になるように添加し、一夜放置後、遠心分離(6℃、8000rpm、30分)により沈殿を回収した。この沈殿を0.2mM AEBSFおよび0.1mM DTTを含む10mMリン酸カリウム緩衝液(pH8.0)に溶解し、透析膜を用いて脱塩した。

0030

脱塩後の酵素液を、予め同組成の緩衝液で平衡化したDEAEセルロファインA−500カラム陰イオン交換樹脂生化学工業、φ4cm×9.5cm)に通して吸着させた。これを平衡化緩衝液洗浄後、0.5M NaClを含む平衡化緩衝液と同緩衝液との直線グラジエントにより溶出し、酵素の活性画分分取した。この活性画分に硫酸アンモニウムを80%飽和になるように添加し、一夜放置後、遠心分離(6℃,15000rpm,20分)により沈殿を回収した。この沈殿を0.2mMAEBSFおよび0.1mM DTTを含む10mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.0)を用い、透析膜を用いて脱塩した。

0031

脱塩後の酵素液を、予め0.2M NaCl、0.2mMAEBSF、0.1mM DTTを含む50mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.0)で平衡化したSephacryl S−200HRカラム(ゲル濾過樹脂アマシャムファルマシアバイオテク、φ2cm×106cm)に酵素液を重層し、0.85ml/minの流速にて同緩衝液により溶出し、酵素の活性画分を分取した。

0032

以上の操作により精製α−グルコシダーゼを得た。

0033

〔実施例2〕α−グルコシダーゼの縮合反応によるエチル-α-グルコシドの生成
基質として、10%(w/v)グルコース、30%(v/v)エチルアルコールの条件下で、基質グルコース1gあたり10Uのα-グルコシダーゼを添加し、pH4.0、40℃で反応させた。酵素は市販酵素トランスグルコシダーゼ「アマノ」(天野製薬株式会社製)、および、上記実施例1で調製したThermoascus aurantiacus由来精製α−グルコシダーゼをそれぞれ用いた。酵素1ユニットは、p-ニトロフェニル-α-グルコシドを基質とし、37℃で1分間に1μmolのp-ニトロフェノールを生成する酵素量とした。

0034

反応開始後、経時的に生成物HPLCにより定量分析した。結果は図2図3に示すとおり、市販酵素、および、Thermoascus aurantiacus OM−13由来α−グルコシダーゼの何れを用いても縮合反応によりエチル−α−グルコシドを生成しうる。生成したエチル−α−グルコシドの基質に対する収率は、反応時間168時間では、市販酵素ではグルコースの約34%、Thermoascus aurantiacus OM−13由来α−グルコシダーゼで約24%程度を示した。

0035

〔実施例3〕高濃度エチルアルコール条件下でのα−グルコシダーゼの縮合反応によるエチル−α−グルコシドの生成(酵素は上記市販酵素を使用)
基質として、20%(w/v)グルコース、70%(v/v)エチルアルコールの条件下で、基質グルコース1gあたり15Uのα−グルコシダーゼを添加し、pH4.0、40℃で反応させた。

0036

酵素は市販酵素トランスグルコシダーゼ「アマノ」を用いた。

0037

反応開始後、経時的に生成物をHPLCにより定量分析した。結果は図4に示すとおり、酵素の触媒する縮合反応によりエチル−α−グルコシドを生成し、反応時間168時間では、生成したエチル−α−グルコシドの基質グルコースに対する収率は、約62%程度に達し、744時間では約72%程度に達した。

0038

〔実施例4〕高濃度エチルアルコール条件下でのα-グルコシダーゼの縮合反応によるエチル-α-グルコシドの生成(酵素はThermoascus aurantiacus OM−13由来α−グルコシダーゼを使用)
基質として、20%(w/v)グルコース、70%(v/v)エチルアルコールの条件下で、基質グルコース1gあたり15Uのα−グルコシダーゼを添加し、pH4.0、45℃で反応させた。酵素はThermoascus aurantiacus OM−13由来α−グルコシダーゼを用いた。

0039

反応開始後、経時的に生成物をHPLCにより定量分析した。結果は図5に示すとおり、Thermoascus aurantiacus OM−13由来α−グルコシダーゼの触媒する縮合反応によりエチル−α−グルコシドを生成し、反応時間168時間では、生成したエチル−α−グルコシドの基質グルコースに対する収率は、約28%程度に達し、744時間では71%に達した。

0040

〔実施例5〕α−グルコシダーゼの糖転移反応と縮合反応との組み合わせによるエチル−α−グルコシドの生成
基質として、10%(w/v)マルトース、60%(v/v)エチルアルコールの条件下で、基質マルトース1gあたり3UのThermoascus aurantiacus OM−13由来α−グルコシダーゼを添加し、pH4.0、40℃で24時間糖転移反応させた。反応後、この酵素反応液のエチルアルコール濃度を70%に調整、あるいは、エチルアルコール濃度を70%に調整し、さらに酵素量を投入基質1gあたり15Uにそれぞれ調整後、pH4.0、40℃で縮合反応させた。

0041

反応開始後、経時的に生成物をHPLCにより定量分析した。結果は図6に示すとおり、糖転移反応のみでは、投入基質あたりのエチル−α−グルコシド収率は反応時間336時間で約37%であったのに対し、糖転移反応と縮合反応との組み合わせでは、反応時間336時間でエチルアルコール濃度の調整のみで約43%、エチルアルコール濃度と酵素量との調整で約66%のエチル−α−グルコシド収率が得られた。

0042

〔実施例6〕エチル−α−グルコシドの同定分析
実施例2から5で製造したエチル−α−グルコシドについては、すべてHPLCおよびガスクロマトグラフィーによる同定分析を行った。特に、HPLCにおいては、エチルグルコシドのうち、α体、β体の両方とも同じ保持時間に分析ピークが現れるため、厳密な分離定量分析は不可能である。そこで、この点については事前にα体、β体の分離分析が可能なガスクロ分析を行うことで酵素反応生成物がすべてエチル−α−グルコシドであることを確認した。なお、ガスクロ分析におけるエチルグルコシドのα体、β体それぞれの保持時間は、α体15.8分前後、β体20分前後である。これらはエチルグルコシドの化学合成品を用いて標品分析することにより確認した。

0043

酵素反応液に内部標準物質メチル−β−キシロシドを添加し、テトラヒドロほう酸ナトリウムをpH9以上となるまで加え、室温で1時間以上放置した。イオン交換樹脂(H+型;ダウエックス製)を用いてpH4以下とし、過剰なテトラヒドロほう酸を分解した。この上清エバポレーター減圧乾固し、さらに無水エチルアルコールで洗浄を繰り返し、ほう酸をメチルエステルとして留去した。ほう酸を留去後、トリメチルシリルエーテル化剤(島津製作所製)を添加し、60℃で30分加温しながら糖を完全に溶解し、トリメチルシリルエーテル化を行い、上清をガスクロマトグラフィーに供し分析を行った。分析条件は、ガスクロ分析装置:GC−14B(島津製作所製)、カラム:キャピラリーカラムCBP10(25m×0.22mmi.d.;島津製作所製)、キャリアーガス:N250ml/min、検出器:FID、カラム温度:170℃、検出器温度:300℃、注入温度:300℃で行った。エチル−α−グルコシド同定分析の一例として、実施例2における分析結果を図7に示す。

発明の効果

0044

以上説明したように、本発明では、グルコースとエチルアルコールよりなる原料にα−グルコシダーゼを作用させ、α−グルコシダーゼの触媒する縮合反応によりエチル−α−グルコシドを生成するようにしたので、効率的にエチル−α−グルコシドを製造することができる。

0045

また、上記α−グルコシダーゼとして好熱性糸状菌Thermoascusaurantiacus由来のものの場合、高濃度エチルアルコールを使用したときのエチル−α−グルコシドの収率を顕著に向上させることができる。

0046

また、マルトースまたはマルトオリゴ糖類とエチルアルコールよりなる原料に好熱性糸状菌Thermoascus aurantiacus由来のα−グルコシダーゼを作用させ、α−グルコシダーゼの触媒する糖転移反応によりエチル−α−グルコシドとグルコースを生成する第1の工程と、上記第1の工程で生成されたグルコースとエチルアルコールよりなる原料に好熱性糸状菌Thermoascus aurantiacus由来のα−グルコシダーゼを作用させ、α−グルコシダーゼの触媒する縮合反応によりエチル−α−グルコシドを生成する第2の工程と、を有するようにしたので、より効率的なエチル−α−グルコシド製造を行うことが期待できる。

図面の簡単な説明

0047

図1グルコースとエチルアルコールとの混合溶液にα−グルコシダーゼを作用せしめ、縮合反応により直接エチル−α−グルコシドを得ている場合の説明図。
図2実施例2における市販酵素の縮合反応を利用したエチル−α−グルコシド生産反応におけるエチル−α−グルコシドとグルコースの経時的変化を示す図。
図3実施例2におけるThermoascus aurantiacus OM−13由来α−グルコシダーゼの縮合反応を利用したエチル−α−グルコシド生産反応におけるエチル−α−グルコシドとグルコースの経時的変化を示す図。
図4実施例3における高濃度エチルアルコール条件下での市販酵素の縮合反応を利用したエチル−α−グルコシド生産反応におけるエチル−α−グルコシドとグルコースの経時的変化を示す図。
図5実施例4における高濃度エチルアルコール条件下でのThermoascusaurantiacus OM−13由来α−グルコシダーゼの縮合反応を利用したエチル−α−グルコシド生産反応におけるエチル−α−グルコシドとグルコースの経時的変化を示す図。
図6実施例5におけるThermoascus aurantiacus OM−13由来α−グルコシダーゼの糖転移反応と縮合反応とを組み合わせて実施したエチル−α−グルコシド生産反応におけるエチル−α−グルコシドの経時的変化を示す図。
図7実施例6におけるエチル−α−グルコシドの同定分析結果を示す図。

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