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課題
解決手段
概要
背景
概要
コンデンサを用いたバックアップ電源において、記憶素子の消費電流のばらつき等によるバックアップ電源の保持時間のばらつきを吸収し、所望の通電時間を設定する。
電気二重層コンデンサ230の静電容量を大きくし、前記RAM142に必要充分な電流値よりも極めて大きい電流値とし、かつ前記電気二重層コンデンサ230に対して並列に放電抵抗232を接続し、全電流の大部分を放電することで、安定した電流を確保すると共に、RAM142には必要充分な電流を流すことができる。また、電流ARES/電流ARAMを大きくすることで、RAM142に流れる電流値ARAMをほとんど無視することができ、RAM142による消費電力に左右されず、放電抵抗2321の抵抗値の設定のみでRAM142へ通電する時間を計算することが可能となる。
目的
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 1件
- 牽制数
- 2件
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(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
技術分野
0002
遊技機、例えばパチンコ機において、遊技者の遊技している途中で停電があった場合、パチンコ機に搭載される電子制御機器がダウンするため、遊技の継続ができなくなる。この場合、パーラー等の設備において、予備電源等を備えていれば比較的短い時間で復旧することができるが、商用電源をそのまま用いている場合には、復旧は電力会社等の復旧作業に頼るしかない。
0003
一般に、パチンコ機には、電源モジュールが備えられ、各電子制御機器に対応した電圧(5V、12V等)を電源電圧として供給している。具体的には、電源モジュールから、中継基板を介して、主基板、払出制御基板、図柄表示基板、音声制御基板、ランプ制御基板等に必要な電源を供給している。
0004
上記主基板は、遊技プログラムの実行経過に対応する状態をRAM(揮発性メモリ)に記憶しながら、遊技機全体のゲーム進行制御を行うものである(遊技機能)。なお、上記遊技プログラムの他、入賞した場合のパチンコ球の払い出し数(賞球)の制御(賞球機能)についても主基板によって管理している。
0005
払出制御基板は、パチンコ球の賞球払出プログラムの実行経過に対応する状態をRAMに記憶しながら、主制御基板からのパチンコ球の払出しに関するコマンドに基づく払出制御を行うと共に、パチンコ機の貸出プログラムの実行経過に対応する状態をRAMに記憶しながら、プリペイドカードユニットとの間での通信により、パチンコ球の貸出制御を行うものである。
0006
なお、払出制御基板、図柄表示基板、音声制御基板、ランプ制御基板は、基本的には、主基板から送られるコマンド信号に基づいて動作するようになっている。
0007
このようなパチンコ機において、停電があると、パチンコ球が入賞し、その入賞に応じたパチンコ球の払出残数記憶データが消去されてしまい、現実に停電前に入賞した分の払出ができなくなってしまう。このために遊技者は、不利益をこうむることになる。
0008
これを解消するために、停電が発生した後に、パチンコ機の停電直前の遊技状態を記憶するRAM(揮発性メモリ)へ通電するためのバックアップ電源として、コンデンサを用いることが提案されている(一例として、特開平8ー229192号公報参照)。
0009
このコンデンサは、通電中に電荷を蓄え、停電時に放電させることで、前記RAMへ電流を流すようにしている。これにより、RAMに記憶された遊技情報を保持することができ、電源復帰時に停電直前状態で復帰させることができる。
0010
しかしながら、バックアップ電源を単純にコンデンサのみで構成したのでは、コンデンサの静電容量のばらつきやバックアップ電源電圧のばらつき、RAMの消費電流のばらつき等によるバックアップ電源の保持時間のばらつきが大きい。
0011
また、RAMの消費電流値により放電時間を設計値で算出した場合、ワーストケースは算出できるが、ベストケースは仕様に載っていないため、算出が困難となる。さらに、実際はベストケースに近いため、ワーストケースと現物との差も非常に大きい。
0012
但し、保持(動作保証)電圧を確保する、という観点からは、ワーストケース値を基準にする必要がある。ところが、ワーストケース値で設計すると、上述のとおり現実の消費電流が少ないため、なかなか放電が進まず、翌日まで意に反してバックアップしてしまうという問題が生じる。
0013
このように、パチンコ店では、停電が生じたときに、必要な時間RAMへの通電ができなかったり、逆に店の閉店時刻が過ぎ、通常は電源を落とす時期になっても継続して通電され、不要な情報が消去されないといった不具合が生じている。
0014
本発明は上記事実を考慮し、コンデンサを用いたバックアップ電源において、電源電圧のばらつきや、電子部品への通電時間のばらつきを抑制し、所望の通電時間を設定することができるバックアップ電源装置を得ることが目的である。。
課題を解決するための手段
0015
請求項1に記載の発明は、停電等の電源遮断時に、通電中に蓄積した電力によって少なくとも電源遮断時にも電力を必要とする記憶素子への通電を継続するバックアップ電源装置であって、前記通電中の電力を蓄積するためのコンデンサと、このコンデンサにより蓄積した電力を電源遮断時に前記記憶素子に供給するバックアップ手段と、前記コンデンサの静電容量に基づく記憶素子へのバックアップ可能時間が、予め定められた所定時間以下となるように、前記コンデンサによる蓄積された電力を消費させる電力消費手段と、を有している。
0016
請求項1に記載の発明によれば、停電等の電源遮断時には、バックアップ手段によって、コンデンサに蓄積された電力によって放電が開始され、記憶素子等、停電中等も電力を必要とする電子部品への通電を継続することができる。
0017
ここで、請求項1の発明では、コンデンサによる蓄積された電力を消費させる電力消費手段を設けた。このため、コンデンサに静電容量に基づく記憶素子への通電時間を所望の時間(予め定められた所定期間)とすることが容易となる。
0018
請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記電力消費手段が、前記コンデンサに蓄積されている電力を抵抗を介して放電するように構成されていることを特徴としている。
0019
請求項2に記載の発明によれば、電力消費手段としての抵抗を介して放電する構成とした。この抵抗を記憶素子に流れる電流値よりも大きい電流が流れる抵抗値としておくことで、コンデンサの静電容量のばらつき、記憶素子の消費電流の設計値と実際の差等によるバックアップ電源の保持時間のばらつきを電圧変動を電流放出手段によって吸収することができる。
発明を実施するための最良の形態
0021
ゲージ部114には、全面に渡って複数の釘116が打ち込まれ(図1では、主要部のみ図示)、レール112を通って打ち出されたパチンコ球がこの釘116に当たって跳ねたり、釘116によって形成される案内路に案内されながら、落下していくようになっている。また、この釘116の他、ゲージ部114に向かって左右対称の位置には、風車118が取り付けられており、パチンコ球を予期しない方向へ方向転換させるようになっている。
0022
さらに、ゲージ部114には複数の位置に入賞口120が設けられ、この入賞口120にパチンコ球が入ることにより、所定数のパチンコ球が遊技者に払い出されるようになっている。
0023
このようなゲージ部114は、ほぼ左右対称系とされており、この中央部には電動役物ユニット122が配置され、その図柄表示器124が露出されている。この表示部124の下方には電動役物ユニットを始動するための特別図柄始動入賞口126が設けられている。
0024
特別図柄始動入賞口126のさらに下方には、大入賞口128が配置され、前記電動役物ユニット122での所謂当たりの表示状態で所定時間開放され、大量のパチンコ球を入賞させることができる構成となっている。
0025
また、ゲージ部114には、普通図柄始動入賞口130と、0〜9までの一桁の数字を表示可能な普通図柄表示部132とが設けられており、普通図柄始動入賞口130にパチンコ球が入賞すると、普通図柄表示部132の表示が変動し、所定当たり数字になると、前記特別図柄始動入賞口126に設けられた電動チューリップ134が所定時間開放するようになっている。この電動チューリップ134の開放により、特別図柄始動入賞口126への入賞の確率が物理的に高まることになる。
0026
上記ゲージ部114の下部には、発射装置としてのハンドル136と、パチンコ球を受ける受け皿138とが前面側に設けられたパネル140が設けられている。ハンドル136は、前記パネル140の内部から突出された回転軸に取付けられており、この回転軸を中心に回転可能とされている。すなわち、遊技者がこのハンドル136を把持して回転することで、発射装置が稼動すると共に、前記回転角度に基づいて発射強度が設定されるようになっている。なお、この回転には、復帰付勢力が付与されており、遊技者が手を離すと自動的に元の回転位置に戻る構造となっている。
0028
パチンコ機の制御装置は、パチンコ店の島側に設けられた電源(24V,50/60Hz)が供給される電源基板12と、パチンコ機の各機能の全般を制御するための主制御基板14と、パチンコ機に使用されるパチンコ球の入賞時の払い出し、並びに金銭等に代えてパチンコ球を貸与するための貸し出しを制御するための払出制御基板16と、主制御基板14のもとで機能する図柄制御基板18、音声制御基板20、ランプ制御基板22と、払出制御基板16のもとで機能する発射制御基板24と、で構成されている。なお、主制御基板14のもとで機能する制御基板は、前記の如く3つに分割されていることに限定されるものではなく、遊技機の構成に応じて統廃合されてもよい。
0029
電源基板12の出力線は、中継基板26を介して、前記主制御基板14、払出制御基板16、図柄表示制御基板18、音声制御基板20、ランプ制御基板22、発射制御基板24にそれぞれ所定の電源電圧が供給されている。
0030
この中継基板26を設けて電源基板12からの出力を必要な数に振り分けることにより、電源基板12を機種を越えて共通使用すること、電源基板12に設ける出力端子の数を減らすことが可能となり、電源基板を値咲くすることができる。
0031
なお、図柄表示制御基板18は図柄表示器124の表示を制御し、音声制御基板20は、スピーカ30の出力を制御し、ランプ制御基板22は各種ランプ32の点灯を制御し、発射制御基板24はパチンコ球を発射するための発射ソレノイド34の駆動を制御する。
0032
払出制御基板16には、通信回線120を介してプリペイドカードユニット36が接続されており、このプリペイドカードユニット36には、電源基板12から直接必要な電源電圧が供給されている。
0034
図2に示される如く、主制御基板14には、コントローラとしてのIC(ワンチップCPU)38が設けられている。IC38では、演算及び制御処理を行い、プログラムの手順を記憶し、プログラムの制御状態(賞球残数、タイマ値等)を記憶する機能を有している。
0035
また、払出制御基板16には、コントローラとしてのIC(ワンチップCPU)138が設けられ、パチンコ機に使用されるパチンコ球の入賞時の払出し、及び金銭等に代えてパチンコ球を貸与するための貸出を制御しており、前記IC38と同等の機能を有する。これらIC38、138には、揮発性メモリであるRAM42、142を含んで構成されており、現在の遊技状態を更新記憶することができるようになっている。
0037
パチンコ球の貸出しは、パチンコ機と接続されたプリペイドカードユニット36との通信に基づいて、貸出払出装置178を制御することで行う。
0038
図3に示される如く、電源基板12の筐体(図示省略)には、商用電源AC24V(50/60Hz)が入力される電源プラグ200から電源線202A、202Bが接続される端子204A、204Bと、電源基板12の筐体をアースするための端子204Cが設けられている。なお、商用電源は、通常100V/50Hz或いは100V/60Hzであるが、図示しない島側に設けられたトランス等によりにより24Vに降圧されている。また、端子204Cには、サージアブソーバ205が接続されている。サージアブソーバ205は、電源基板12のグランドレベルがフレームグランドに対してある程度大きくなった場合、グランドの電荷をフレームグランドに放電するためのものである。これにより、グランドレベルの頻繁な変動を抑えることができ、静電気等に対するノイズ耐性を向上することができる。
0039
端子204A、204Bは連絡線206、207によって端子204D、204Eに接続されており、この端子204D、204Eには、前記プリペイドカードユニット36が接続されている。なお、連絡線206側には、ヒューズ208が介在されている。
0041
過電流保護回路209は、電源基板12を過電流から保護する目的で設けられいる。
0043
電源線212は分割され、一方は過電流保護回路218を介して端子204F(DC24VRMS)に接続されている。この過電流保護回路218は、ランプ制御基板22や発射制御基板24、或いは電子部品等を過電流から保護することが目的である。
0044
また、電源線212の他方は、ダイオードと電解コンデンサで構成される平滑回路220を介してDC12V−Aレギュレータ222と、DC12V−Bレギュレータ223と、DC5Vレギュレータ224と、第1電源断検出回路226と、第2電源断検出回路227にそれぞれ入力されている。なお、DC12V−Aレギュレータ222とDC12V−Bレギュレータ223とDC5Vレギュレータ224には、それぞれ過電流保護回路が内蔵されている。
0045
このDC12V−Aレギュレータ222の出力端は端子204G(DC12V−A)に接続され、DC12V−Bレギュレータ223の出力端は端子204H(DC12V−B)に接続され、DC5Vレギュレータ224の出力端は端子204I(DC5V)に接続されている。
0047
第2電源断検出回路227は、入力電圧が所定値V2(V2<V1)まで下がった時点でローレベル信号を出力する回路であり、端子204J(PDWN)に接続されている。また、この第2電源断検出回路227の出力線は分岐されて、遅延回路229の入力側に接続されている。この遅延回路229の出力側は、前記DC5Vレギュレータ224に出力停止信号として入力されるようになっている。
0048
また、DC5Vレギュレータ224は出力端において分岐されており、ショットキーダイオード228を介してバックアップ電源として適用される電気二重層コンデンサ230の一端に接続されている。なお、蓄電用コンデンサとして機能するものであれば、電気二重層コンデンサ230の代わりに電解コンデンサであってもよい。
0049
ショットキーダイオード228は、5V電源が復帰するときにDC5V電源からの電流を電気二重層コンデンサ230に供給し、5V電源断時に電気二重層コンデンサ230からDC5V端子に電流を逆流させないために設けたものである。
0050
前記電気二重層コンデンサ230の他端はアースされている。電気二重層コンデンサ230の一端側、すなわちプラス側は端子204K(VBACKUP)に接続されている。なお、端子204L(GND)はアースされている。
0051
また、端子204Kには、放電抵抗232が接続され、かつアースされている。これは、電気二重層コンデンサ230で蓄えられた電荷を放電するために設けられている。すなわち、一般的にRAM42、142の消費電流が少なくバラツキが大きいので、バックアップ時間の算出が難しい。そこで、RAM42、142の消費電流を無視できる程度の大きな放電電流値になるようにこの放電抵抗232を設定することで、バックアップ時間の算出を容易にしている。
0052
DC12V−Aレギュレータ222は、平滑回路220から入力される直流電源から安定化したDC12Vを生成するものである。この出力電源は、賞球ソレノイドなどスイッチやセンサ以外の一般的に消費電力が大きい大電力電子部品の電源として使用される。
0053
また、このDC12V−Aレギュレータ222は、第1電源断検出回路226からの出力停止信号により、強制的に出力が停止されるようになっている。
0056
このDC5Vレギュレータ224には、前述のように遅延回路229から出力停止信号を受けるようになっており、第2電源断検出回路227が電源断を検出した時点で、所定時間遅延させた後強制的に出力が停止される構成となっている。なお、所定時間は、主制御基板14及び払出制御基板16における払出残数の記憶等のバックアップ処理に必要な時間である。
0057
以下に本実施の形態の作用を説明する。
0058
上記構成の電源制御回路では、停電になると、まず、第2の電源断検出回路226によって電圧低下を検出し、主制御基板14及び払出制御基板16へ報知する。このときの電源電圧は各制御基板が動作可能な状態であるため、各制御基板は予め定められた電源断処理を実行する。
0059
本実施の形態では、上記電源断処理は、停電復帰後に停電直前の状態になるための処理が実行される。このとき、必ず記憶しておかなければならない情報があるため、これらの情報は、記憶素子であるIC138のRAM142に格納しておく。このRAM142は、停電中に電気二重層コンデンサ230から供給される電源電圧(約4.5V)によって、記憶状態を維持することができるため、前記情報を停電復帰後まで保持しておくことができる。
0060
ところで、このRAM142における、情報を記憶しておくための電源としては、極めて小電力でよく、前記電気二重層コンデンサ230の静電容量に基づく電力の一部に過ぎない。しかし、コンデンサの静電容量を小さくし、前記RAM142に必要充分な電力で電流を流すと、保持時間に対するマージンが少なくなり、情報の記憶保持性の信頼性が低下する。
0061
そこで、この電気二重層コンデンサ230の静電容量を大きくし、前記RAM142に必要充分な電流値よりも極めて大きい電流値とし、かつ前記電気二重層コンデンサ230に対して並列に放電抵抗232を接続し、全電流の大部分を放電することで、安定した電流を確保すると共に、RAM142には必要充分な電流を流すことができる。
0062
また、放電抵抗232に流れる電流を大きくし、その比(放電抵抗232に流れる電流ARES/RAM142に流れる電流ARAM)を大きくする(ARES>>ARAM)ことで、RAM142に流れる電流値ARAMをほとんど無視することができ、RAM142による消費電流に左右されず、放電抵抗232の抵抗値の設定のみでRAM142へ通電する時間を計算することが可能となる。
0063
このように、ワーストケースの状態を強制的に作り出すことにより、そのワーストケースにより翌日まで繰り越さないように構成することが可能となる。
0064
なお、本実施の形態では、停電時に通電する記憶素子を遊技者に不利になり得るパチンコ球の払出制御に関わるRAM142としたが、RAM42等他の記憶素子や複数の記憶素子であってもよく、さらにはRAM142、RAM42の両者であっても、別のものを含む複数の電子部品であってもよい。また、これらの記憶素子はCPUに内蔵されていてもよい。
発明の効果
0065
以上説明した如く本発明に係る遊技機のバックアップ電源装置は、コンデンサを用いたバックアップ電源において、記憶素子の消費電流のばらつき等によるバックアップ電源の保持時間のばらつきを吸収し、所望の通電時間を設定することができるという優れた効果を有する。
図面の簡単な説明
0066
図1本実施の形態に係る遊技機(パチンコ機)制御装置の概略構成図である。
図2本実施の形態に係る遊技機(パチンコ機)制御装置の概略構成図である。
図3本実施の形態に係る電源基板の概略構成図である。
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0067
10制御装置
12電源基板
14主制御基板
16払出制御基板
26中継基板
220平滑回路
222 DC12V−Aレギュレータ
223 DC12V−Bレギュレータ
224 DC5Vレギュレータ
226 第1電源断検出回路
227 第2電源断回路検出回路
229遅延回路
230電気二重層コンデンサ
232 放電抵抗