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技術 薄板の溶接凝固割れ試験方法

出願人 新日鐵住金株式会社
発明者 井上裕滋
出願日 2000年6月26日 (20年5ヶ月経過) 出願番号 2000-191165
公開日 2002年1月8日 (18年11ヶ月経過) 公開番号 2002-001572
状態 未査定
技術分野 処理全般、補助装置、継手、開先形状
主要キーワード 薄板試験片 小型突起 組合せ方式 タイマー設定値 限界ひずみ 割れ発生位置 角変形 溶接ビード近傍
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (3)

課題

薄板溶接、特に、薄板の造管溶接において発生する凝固割れ感受性を評価する試験方法を提供するものである。

解決手段

当て板の上に試験体を固定し、試験体の突き合わせ部の上方に溶接電極を固定し、前記銅当て板の幅方向中央部に設けられた矩形溝の内部の長手方向の特定位置に小型突起部材を上下方向に移動可能なように固定し、前記銅当て板及び試験体を試験体の突き合わせ長手方向に移動させることにより前記溶接電極による試験体の突き合わせ部の溶接を開始し、その後、溶接電極が試験体の突き合わせ長手方向の所定位置に達した時点で、小型突起部材を上方向に移動させて、試験体裏面の溶接ビード衝突させることにより、溶接ビード長手方向と垂直な方向にひずみを付加することを特徴とする薄板の溶接凝固割れ試験方法。

概要

背景

材料の溶接高温割れ試験法としては、多くの方法が開発されている。W.F.Savageらによって開発されたVarestraint割れ試験法(Welding Journal, vol.44,p.433S)はその中でも広く適用されている試験方法であり、試験片片持ち梁方式に固定して溶接を行い、所定の位置にアークが達した時点で、試験片を溶接ビード長手方向と垂直な方向に曲率中心の軸を有する曲げブロックに沿って溶接ビードの長手方向に急速に曲げることにより、溶接方向に平行なひずみを付加する方法である。また、仙田らは、曲げ方向を溶接ビードの長手方向と垂直な方向としたTrans−Varestraint試験法(溶接学会誌,vol.41,p.709)を考案している。

これらの試験方法は、曲げブロックの曲率を変化させることにより、試験片の溶接部に任意のひずみ量を付加できるが、一方で、溶接部の裏面が曲げブロックと接触しているため、鋼板の裏面まで完全に溶融させる裏波ビード溶接時の割れ感受性評価はできず、板厚が6〜12mmの厚板を対象としたビードオン溶接時の割れ感受性評価に限定されるものである。

また、P.W.Jonesらは、2枚の試験片を所定の組合せ方式により保持して隅肉溶接を行い、互いの試験片の接触する線を軸として試験片を回転させて溶接部に変形を付与するMurex型割れ試験法(British Welding Journal,vol.2,p.282)を開発している。この方法は、厚板の隅肉溶接時の割れ感受性評価方法であり、薄板のビードオン溶接や裏波ビード溶接を対象とするものではない。

また、N.N.Prokhorovらは、1枚の薄板試験片をビードオン溶接中に、溶接ビードの長手方向と垂直な方向に、種々の引張速度で試験片の引張試験を行うLTP割れ試験法(IIW Document IX−479−1965)を開発した。この方法は、引張試験を行うために、薄板のビードオン溶接に限定され、鋼板突き合わせ部の裏面までを完全溶融させる裏波ビード溶接時の割れ感受性評価を行うことは難しい。

H.M.Scnadtらは、一対の突合せ試験片をC形ジグへ挿入してボルトで固定することで拘束し、溶接熱サイクルによる試験片の角変形及び熱膨張を利用した自拘束型溶接割れ試験方法であるFISCO割れ試験法(Oerlikon Schweissmitteilungen,No.29)を開発した。これは、厚板を拘束条件下で溶接する際の溶接割れ感受性を評価する試験方法であり、JIS Z3155に規定されている。

薄板用の自拘束型の溶接割れ試験としては、P.T.Houldcroftらは、溶接方向に垂直な方向にスリットを入れ、その長さを順次変化させた試験片を溶接し、溶接熱サイクルによる試験片の角変形を利用したHouldcroft割れ試験法(British welding Journal,vol.2,p.471)を開発した。この方法は、薄板の拘束条件下でのビードオン溶接時の溶接割れ感受性を評価する試験方法であり、鋼板の突き合わせ溶接を対象とするものではない。

概要

薄板の溶接、特に、薄板の造管溶接において発生する凝固割れ感受性を評価する試験方法を提供するものである。

当て板の上に試験体を固定し、試験体の突き合わせ部の上方に溶接電極を固定し、前記銅当て板の幅方向中央部に設けられた矩形溝の内部の長手方向の特定位置に小型突起部材を上下方向に移動可能なように固定し、前記銅当て板及び試験体を試験体の突き合わせ長手方向に移動させることにより前記溶接電極による試験体の突き合わせ部の溶接を開始し、その後、溶接電極が試験体の突き合わせ長手方向の所定位置に達した時点で、小型突起部材を上方向に移動させて、試験体裏面の溶接ビードに衝突させることにより、溶接ビード長手方向と垂直な方向にひずみを付加することを特徴とする薄板の溶接凝固温割れ試験方法。

目的

本発明は、上記従来技術の問題点を鑑みて、薄板の突合せ溶接、特に薄板の造管溶接において、最終凝固点近傍の局所的な集中ひずみによって発生する溶接凝固割れ現象再現でき、その溶接凝固割れ感受性を評価できる試験方法を提供することを目的とするものである。

効果

実績

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請求項1

当て板の上に試験体を固定し、試験体の突き合わせ部の上方に溶接電極を固定し、前記銅当て板の幅方向中央部に設けられた矩形溝の内部の長手方向の特定位置に小型突起部材を上下方向に移動可能なように固定し、前記銅当て板及び試験体を試験体の突き合わせ長手方向に移動させながら前記溶接電極による試験体の突き合わせ部の溶接を開始し、その後、溶接電極が試験体の突き合わせ長手方向の所定位置に達した時点で、小型突起部材を上方向に移動させて、試験体裏面の溶接ビード衝突させることにより、溶接ビード長手方向と垂直な方向にひずみを付加することを特徴とする薄板溶接凝固割れ試験方法

請求項2

前記溶接電極による試験体の突き合わせ部の溶接を開始後、溶接電極と小型突起部材との突き合わせ長手方向の距離が予め設定された設定距離に達した時点で小型突起部材を上方向に移動させて、試験体裏面の溶接ビードに衝突させることを特徴とする請求項1に記載の薄板の溶接凝固割れ試験方法。

請求項3

前記小型突起部材を上方向に移動させて、試験体裏面の溶接ビードに衝突させる際に、予め実験で求めた衝突力とひずみ量との関係を基に、予め設定された設定ひずみ付加量となるように衝突力を調整して、溶接ビード長手方向と垂直な方向にひずみを付加することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の薄板の溶接凝固割れ試験方法。

請求項4

前記小型突起物の先端中央部に、溶接ビード幅よりも広い幅を有する溝を設けることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の薄板の溶接凝固割れ試験方法。

技術分野

0001

本発明は、薄板溶接凝固割れ試験方法に関わるものである。さらに詳しくは、薄板の突合せ溶接及び薄板の造管溶接において発生する凝固割れ感受性を評価する試験方法に関わるものである。

背景技術

0002

材料の溶接高温割れ試験法としては、多くの方法が開発されている。W.F.Savageらによって開発されたVarestraint割れ試験法(Welding Journal, vol.44,p.433S)はその中でも広く適用されている試験方法であり、試験片片持ち梁方式に固定して溶接を行い、所定の位置にアークが達した時点で、試験片を溶接ビード長手方向と垂直な方向に曲率中心の軸を有する曲げブロックに沿って溶接ビードの長手方向に急速に曲げることにより、溶接方向に平行なひずみを付加する方法である。また、仙田らは、曲げ方向を溶接ビードの長手方向と垂直な方向としたTrans−Varestraint試験法(溶接学会誌,vol.41,p.709)を考案している。

0003

これらの試験方法は、曲げブロックの曲率を変化させることにより、試験片の溶接部に任意のひずみ量を付加できるが、一方で、溶接部の裏面が曲げブロックと接触しているため、鋼板の裏面まで完全に溶融させる裏波ビード溶接時の割れ感受性評価はできず、板厚が6〜12mmの厚板を対象としたビードオン溶接時の割れ感受性評価に限定されるものである。

0004

また、P.W.Jonesらは、2枚の試験片を所定の組合せ方式により保持して隅肉溶接を行い、互いの試験片の接触する線を軸として試験片を回転させて溶接部に変形を付与するMurex型割れ試験法(British Welding Journal,vol.2,p.282)を開発している。この方法は、厚板の隅肉溶接時の割れ感受性評価方法であり、薄板のビードオン溶接や裏波ビード溶接を対象とするものではない。

0005

また、N.N.Prokhorovらは、1枚の薄板試験片をビードオン溶接中に、溶接ビードの長手方向と垂直な方向に、種々の引張速度で試験片の引張試験を行うLTP割れ試験法(IIW Document IX−479−1965)を開発した。この方法は、引張試験を行うために、薄板のビードオン溶接に限定され、鋼板突き合わせ部の裏面までを完全溶融させる裏波ビード溶接時の割れ感受性評価を行うことは難しい。

0006

H.M.Scnadtらは、一対の突合せ試験片をC形ジグへ挿入してボルトで固定することで拘束し、溶接熱サイクルによる試験片の角変形及び熱膨張を利用した自拘束型溶接割れ試験方法であるFISCO割れ試験法(Oerlikon Schweissmitteilungen,No.29)を開発した。これは、厚板を拘束条件下で溶接する際の溶接割れ感受性を評価する試験方法であり、JIS Z3155に規定されている。

0007

薄板用の自拘束型の溶接割れ試験としては、P.T.Houldcroftらは、溶接方向に垂直な方向にスリットを入れ、その長さを順次変化させた試験片を溶接し、溶接熱サイクルによる試験片の角変形を利用したHouldcroft割れ試験法(British welding Journal,vol.2,p.471)を開発した。この方法は、薄板の拘束条件下でのビードオン溶接時の溶接割れ感受性を評価する試験方法であり、鋼板の突き合わせ溶接を対象とするものではない。

発明が解決しようとする課題

0008

従来の溶接高温割れ試験法は、厚板や薄板のビードオン溶接時の溶接割れを対象とするものであり、薄板の突合せ溶接部を完全溶融させる裏波溶接の溶接割れを評価する方法ではなかった。

0009

また、従来の薄板の溶接割れ評価試験方法は、溶接ビードの全体に平均的なひずみを付加し、溶接ビード部の溶接割れを評価する方法であり、溶接ビードの局所的且つ集中的なひずみ付加時に発生する溶接割れを評価する方法ではなかった。

0010

従来から、薄板の突合せ溶接、特に造管溶接時の突き合わせ溶接時においては、スクイズロール出側において、その圧下のスプリングバックによって溶接ビードの長手方向と垂直な円周方向に引っ張り応力が働き、特に溶融プール終端最終凝固点凝固割れが多く発生するという問題があった。また、凝固割れの発生は、溶接条件の内で特に溶接速度に影響を受け、溶接速度が大きくなるに従い溶接金属の溶融プールは、溶接ビードの長手方向に長くなり、それにともなって溶接部の凝固割れが多発する傾向は大きくなる。

0011

このような薄板の突き合わせ溶接時の溶接ビードの局所的なひずみ集中による溶接割れの現象は、従来の厚板や薄板の溶接ビードの全体に平均的なひずみ付加を与えながら溶接割れを測定するような溶接割れ評価試験方法では、うまく再現できず、正しい溶接割れ評価が困難であった。

0012

本発明は、上記従来技術の問題点を鑑みて、薄板の突合せ溶接、特に薄板の造管溶接において、最終凝固点近傍の局所的な集中ひずみによって発生する溶接凝固割れ現象を再現でき、その溶接凝固割れ感受性を評価できる試験方法を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0013

本発明は、上記の課題を解決するものであって、その要旨は以下の通りである。

0014

(1) 銅当て板の上に試験体を固定し、試験体の突き合わせ部の上方に溶接電極を固定し、前記銅当て板の幅方向中央部に設けられた矩形溝の内部の長手方向の特定位置に小型突起部材を上下方向に移動可能なように固定し、前記銅当て板及び試験体を試験体の突き合わせ長手方向に移動させながら前記溶接電極による試験体の突き合わせ部の溶接を開始し、その後、溶接電極が試験体の突き合わせ長手方向の所定位置に達した時点で、小型突起部材を上方向に移動させて、試験体裏面の溶接ビードに衝突させることにより、溶接ビード長手方向と垂直な方向にひずみを付加することを特徴とする薄板の溶接凝固割れ試験方法。

0015

(2) 前記溶接電極による試験体の突き合わせ部の溶接を開始後、溶接電極と小型突起部材との突き合わせ長手方向の距離が予め設定された設定距離に達した時点で小型突起部材を上方向に移動させて、試験体裏面の溶接ビードに衝突させることを特徴とする上記(1)に記載の薄板の溶接凝固温割れ試験方法。

0016

(3) 前記小型突起部材を上方向に移動させて、試験体裏面の溶接ビードに衝突させる際に、予め実験で求めた衝突力とひずみ量との関係を基に、予め設定された設定ひずみ付加量となるように衝突力を調整して、溶接ビード長手方向と垂直な方向にひずみを付加することを特徴とする上記(1)または(2)に記載の薄板の溶接凝固割れ試験方法。

0017

(4) 前記小型突起物の先端中央部に、溶接ビード幅よりも広い幅を有する溝を設けることを特徴とする上記(1)から(3)のいずれか1項に記載の薄板の溶接凝固割れ試験方法。

発明を実施するための最良の形態

0018

図1の模式図を用いて本発明の溶接凝固割れ試験方法を説明する。

0019

本発明の溶接凝固割れ試験方法で使用する装置及び器具は、台車(図示せず)上に固定され、幅方向の中央部に試験体1の溶接方向と平行に矩形の溝9が設けられた銅当て板4と、その矩形の溝の長手方向の所定位置に設けられ、小型突起部材2を上下方向に可動可能である小型突起部材用固定台3と、その固定台3に脱着または可動可能なように固定され、試験体1の溶接ビード下面の所定位置に所定の衝撃力を加えることにより、溶接ビードの局所に集中的ひずみを付加させるための小型突起部材2と、試験体1を銅当て板4上に拘束するための押さえジグ6と、試験体1を突き合わせ溶接するための溶接電極5からなる。

0020

図1の(a)、(b)に小型突起部材が設置された状態での試験体1の溶接開始後の試験体1と試験装置及び器具の位置関係を示す。なお、図1(a)は溶接方向から見た図で、図1(b)は横方向から見た図である。

0021

ここでは、薄板の突き合せ部の裏面までを完全溶融して溶接する裏波溶接時における溶接凝固割れを評価するために、2枚の薄板を試験体1として用意し、それらを突き合わせて溶接する場合を示したが、薄板の一部を溶融するビードオン溶接時の溶接割れを評価するために、1枚の薄板を試験体1として試験銅当て板4上にセットし溶接しても良い。溶接開始前に、2つの試験体1を突き合わせ部の直下に小型突起部材2の先端中央部が位置するように、銅当て板4の上に配置し、押さえジグ6により拘束する。また、溶接電極5を2つの試験体1の突き合わせ部の長手方向(溶接線上)の所定位置(溶接開始位置)の直上に配置する。

0022

試験体1の突き合わせ部の溶接は、溶接電極5を固定したまま、台車(図示せず)を試験体1の突き合わせ部の長手方向に駆動することにより、それに固定された銅当て板4及びその上に拘束された試験体1を移動して行われる。溶接が開始されると、図1の(b)に示されるように溶接電極5の直下の試験体1の突き合わせ部は、溶接アークの熱により溶融され溶融プール7を形成し、その後、試験体1の移動により溶接電極5のアークから遠ざかるとともに冷却、凝固された溶接金属8が形成される。ここで、裏波溶接の場合では、図1の(b)に示すように溶融プール7は、試験体の裏面まで溶融した状態となるが、ビードオン溶接の場合では、試験体上面から特定溶込み深さで溶融プール7が形成され裏面まで溶かさない。

0023

図1の(c)、(d)には、小型突起部材が試験体と衝突した状態における溶接ビードにひずみを付与する際の試験体1と試験装置及び器具の位置関係を示す。なお、図1(c)は溶接方向から見た図で、図1(d)は横方向から見た図である。

0024

台車の移動により試験体1の溶接が進行し、溶接電極5のアーク直下と小型突起部材2との溶接ビード長手方向の相対距離が予め設定された設定値電極先端位置−ひずみ付加位置(A点)間距離:L)に達した時点で、試験体1の溶接ビード直下に配置されている小型突起部材2は、小型突起部材用固定台3の駆動手段により上方に飛び出して、試験体1裏面の溶接ビード近傍部(ひずみ付加位置(A点))に予め設定された衝撃力で衝突し、溶接ビード長手方向と垂直な方向(試験体1の板幅方向)に所定量のひずみが付加される。

0025

以上のように本発明により、薄板の突き合わせ裏波溶接やビードオン溶接時に、溶接ビードの長手方向の任意な位置に局所的且つ集中的に所定量のひずみを付加した際の溶接割れ状況を試験で再現でき、それによって薄板の溶接凝固割れ感受性を評価できる。

0026

なお、電極先端位置−ひずみ付加位置(A点)間距離:Lは、例えば、台車の移動速度(溶接速度)と、溶接開始後の溶接電極5のアーク直下位置が小型突起部材2位置に到達した時点から時間(タイマー設定値)に基づいて、精度良く制御できる。また、タイマーの変わりに直接変位計で台車の移動距離を測定して制御しても良い。

0027

また、試験体1裏面のひずみ付加位置(A点)におけるひずみ付加量は、予め実験により決定される小型突起物2の衝撃力とひずみ付加量との関係を基に、小型突起部材用固定台3の駆動手段によりひずみ付加量の設定値に対応した衝撃力を調整することにより、精度良く制御できる。

0028

なお、小型突起部材用固定台3の駆動手段としては、高張力バネエアーシリンダー油圧シリンダー等が用いることができる。

0029

以上の溶接凝固割れ試験により、上記のL値(電極先端位置−ひずみ付加位置(A点)の間隔)とひずみ付加位置(A点)におけるひずみ付加量、その時の溶接凝固割れの有無の状況を計測することにより、薄板の溶接凝固割れ、特に、薄板の造管溶接における最終凝固点近傍領域の溶接凝固割れ感受性を評価することができる。

0030

以下に本発明の限定理由を述べる。

0031

本発明の薄板の溶接凝固割れ試験方法を以下の詳細に説明する。

0032

薄板の溶接凝固割れ、特に、薄板の造管溶接における凝固割れは、スクイズロール出側において、その圧下のスプリングバックに起因して、特に溶融プール終端の最終凝固点近傍に、溶接ビードの長手方法と垂直な鋼管円周方向に引っ張り応力が働き、局所的且つ集中的にひずみが付加されることによって発生する。本発明では、上記の溶接金属の最終凝固点近傍での局所的且つ集中的なひずみ付加に起因して発生する薄板の溶接凝固割れ、特に、薄板の造管溶接における凝固割れを再現させるために、試験体の溶接ビード上の長手方向の所定の位置(ひずみ付加位置(A点))に、所定の衝撃力で小型突起部材を瞬間的に衝突させることにより、歪み付加位置(A点)に溶接ビード長手方向と垂直な方向に局所的且つ集中的なひずみを付加させることが必要である。

0033

また、薄板の溶接凝固割れ、特に、薄板の造管溶接における凝固割れの発生は、溶接条件により影響され、特に溶接速度が速くなるに従って溶接金属の溶融プールは長手方向に長くなるとともに、最終凝固点位置が溶接電極から遠くなり、スクイズロールより離れるため、溶接凝固割れが多発する傾向が大きくなる。

0034

本発明では、薄板の溶接凝固割れ、特に、薄板の造管溶接における上記の溶接速度による凝固割れ発性の影響を再現させるために、溶接ビード長手方向における溶接電極5のアーク直下位置から歪み付加位置(A点)までの距離(電極先端位置−ひずみ付加位置(A点)間距離:L)を任意に変更できようにし、任意の歪み付加位置(A点)における溶接凝固割れ評価ができるようにする必要がある。

0035

また、薄板の溶接凝固割れ、特に、薄板の造管溶接における凝固割れは、スクイズロールによる圧下のスプリングバックに起因して、最終凝固点近傍に溶接ビードの長手方法と垂直な鋼管円周方向に引っ張り応力、ひずみ付加に起因して発生するが、溶接凝固割れが発生するための限界ひずみ付加量は、造管素材鋼種や板厚、造管、溶接条件によって変わる。

0036

したがって、本発明では、上記の溶接凝固割れが発生するための限界ひずみ付加量を測定できるように、試験体の溶接ビード上の歪み付加位置(A点)に付加するひずみ付加量を任意に変更できるようにし、任意の歪み付加量を付加した場合の溶接凝固割れ評価ができるようにする必要がある。

0037

また、本発明で、試験体の溶接ビード上の歪み付加位置(A点)にひずみ付加量を付加する場合、特に、試験体の裏面まで完全に溶解する裏波溶接の場合には、小型突起部材が試験体の溶接ビードの溶融プールに接触すると、凝固形態が変化し、実際の溶接凝固割れの現象を再現できなくなるため、本発明で小型突起部材の先端部の形状は、図1の(a)に示すように、突起先端部の中央部に溶接ビードの幅よりも広い幅を有する溝を設けた形状とする必要がある。

0038

以下に本発明の実施例を示す。

0039

2枚の純チタン(板厚0.5mm、幅100mm、長さ300mm)を試験体として図1に示す方法で突き合わせ裏波溶接時の溶接凝固割れ試験を実施した。溶接条件は、電流180A、電圧10V、溶接速度5m/分と電流230A、電圧11V、溶接速度7m/分の2条件とした。

0040

電極先端位置−ひずみ付加位置(A点)間距離(L)とひずみ付加位置(A点)でのひずみ付加量をそれぞれ種々変化させて試験を実施した結果を図2に示す。

0041

なお、図2の(a)は、溶接速度が5m/分の場合、図2の(b)は、溶接速度が7m/分の結果として、電極先端位置−ひずみ付加位置(A点)間距離(L)と溶接凝固割れが発生する限界付加ひずみ量との関係を示す。図2から溶接電極のアーク直下位置に近すぎる場合や長すぎる場合は、溶接凝固割れは発生せず、溶接電極のアーク直下位置から特定範囲内にある位置において溶接凝固割れが発生し、図2の(a)よりも溶接速度が速い図2の(b)(溶接速度が7m/分の場合)の方が、最も溶接凝固割れが発生しやすい(溶接凝固割れ発生限界ひずみ量が最小)位置が溶接電極のアーク直下位置から遠くなっていることがわかる。これは、高速カメラ撮影による薄板突き合わせ溶接時の溶接ビードの溶融プールの観察による最終凝固点近傍での溶接割れ発生現象を良く再現している。

0042

このように、本発明を適用することにより、溶接割れ発生限界ひずみ量と溶接割れ発生位置との関係を把握でき、これに基づいて薄板の突き合わせ溶接時の溶接凝固割れ感受性の評価が可能となる。

発明の効果

0043

以上述べたように、本発明により、薄板の溶接凝固割れ、特に、薄板の造管溶接における凝固割れ現象を把握できるとともにその溶接割れ感受性を評価することができる。本発明を用いることにより、薄板の溶接凝固割れ感受性に及ぼす溶接条件の影響調査または素材間の割れ感受性の比較などに有効となり、これらの知見を溶接継ぎ手または鋼管製造に反映させることにより産業上の効果は極めて大といえる。

図面の簡単な説明

0044

図1溶接凝固割れ試験方法を示す図で、(a)は溶接方向から見た図(小型突起物が設置された状態)、(b)は横方向から見た図(小型突起物が設置された状態)、(c)は溶接方向から見た図(小型突起物が試験体と衝突した状態)、(d)は横方向から見た図(小型突起物が試験体と衝突した状態)である。
図2溶接凝固割れに及ぼすひずみ量の影響と割れ発生位置を示す図で、(a)は溶接速度が5m/分の場合、(b)は溶接速度が7m/分の場合である。

--

0045

1試験体
2小型突起部材
3 小型突起部材用固定台
4 銅当て板
5溶接電極
6押さえジグ
7溶融プール
8溶接金属
9 溝
A ひずみ付加位置
L電極先端位置−ひずみ付加位置間距離

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