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技術 調質圧延における鋼帯の表面粗さの制御方法

出願人 JFEスチール株式会社
発明者 石渡亮伸進修喜安哲也阿保谷和洋内田康信
出願日 2000年6月19日 (20年6ヶ月経過) 出願番号 2000-182935
公開日 2002年1月8日 (18年11ヶ月経過) 公開番号 2002-001410
状態 未査定
技術分野 金属圧延一般 圧延の制御
主要キーワード 不規則面 プロセス演算 粗度変化 目標板 偏差演算器 パルス発信器 調質圧延設備 板面粗度
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この項目の情報は公開日時点(2002年1月8日)のものです。
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図面 (10)

課題

ダル加工した圧延ロール調質圧延を行う際に、圧延長さの増大に伴うロール粗度変化により鋼帯圧延後の表面粗さが目標粗度範囲を逸脱した場合であっても、迅速かつ的確に鋼帯の表面粗さを目標の粗度範囲内に収めることのできる調質圧延における鋼帯の表面粗さの制御方法を提供する。

解決手段

鋼帯の圧延後の表面粗さを実測し、得られる実測板面粗度が予め定めた目標板面粗度の範囲を逸脱した場合に、実測板面粗度と目標板面粗度の範囲の上限値もしくは下限値との粗度偏差が0となるように伸び率を変更する。

概要

背景

一般に、各種金属材料の表面粗さは、表面の美観のみならず金属材料機械的性質にも大きな影響を与えている。自動車外板家電製品に用いられているダル仕上げ鋼帯の表面粗さは、プレス成形性塗装後の鮮映性等の点からブライト仕上げ鋼板より大きく、その値は、鋼板の用途によって異なるが、概ね中心線平均粗さRaで0.5 〜3μm 程度である。

ダル仕上げ鋼帯の表面粗さは、普通、焼鈍後の調質圧延においてダル加工した圧延ロールで付与されている。従来の調質圧延においては、図8に示すように、ダル加工した圧延ロール1Aで鋼帯10に表面粗さを付与する際に、鋼帯10の伸び率を一定にする伸び率一定制御を行っていた。

すなわち、調質圧延における伸び率一定制御は、圧延時に入側テンションロール4Aに連結されたパルス発信器4Bの検出値に基づく鋼帯速度と出側テンションロール3Aに連結されたパルス発信器3Bの検出値に基づく鋼帯速度とを伸び率計7に入力し、伸び率計7で鋼板10の伸び率を求め、得られる伸び率γ目標伸び率γ0 との伸び率偏差Δγを伸び率偏差演算器7Aで算出し、この伸び率偏差Δγが0になるように伸び率制御装置80で油圧シリンダー1Dを介して圧延荷重を制御して鋼帯10の伸び率を一定にするものである。

しかしながら、調質圧延において伸び率一定制御を行なった場合には、図9に示すように、圧延ロールの表面粗さが粗い圧延初期の領域Dでは鋼帯の板面粗度目標板面粗度の範囲を超え、また、圧延ロール表面の粗さの凸部が摩耗し、圧延ロールの表面粗さが減少した圧延後期の領域Fでは鋼帯の板面粗度が目標板面粗度の範囲を下回るようになり、鋼帯の表面粗さが目標の粗度範囲を逸脱する圧延長が長いという問題があった。

冷間圧延中の板面粗度を目標の範囲内に維持する制御方法として、特公平6-36925 号公報には、調整手段として圧延ロールの周速圧延油の流量および圧延油の濃度を採用し、圧延機の出側にて圧延板表面粗度を、非接触式の粗度計を用いて常時測定しておき、この実測板面粗度が予め設定しておいた目標の板面粗度を逸脱した場合に、その逸脱量に応じて上記調整手段の1つまたは2つ以上を選択して調整し、板面粗度を目標範囲内に収めることを特徴とする冷間圧延における圧延板表面粗度の制御方法が開示されている。

しかしながら、調質圧延においては、圧延ロールの表面粗さが粗いので、圧延時にロールバイト内に導入される油量が非常に少なく、圧延ロールの周速、圧延油の流量および圧延油の濃度を調整手段としたとしても、鋼板の表面粗さを目標の粗度範囲内にすることが困難であるという問題があった。

概要

ダル加工した圧延ロールで調質圧延を行う際に、圧延長さの増大に伴うロール粗度変化により鋼帯の圧延後の表面粗さが目標の粗度範囲を逸脱した場合であっても、迅速かつ的確に鋼帯の表面粗さを目標の粗度範囲内に収めることのできる調質圧延における鋼帯の表面粗さの制御方法を提供する。

鋼帯の圧延後の表面粗さを実測し、得られる実測板面粗度が予め定めた目標板面粗度の範囲を逸脱した場合に、実測板面粗度と目標板面粗度の範囲の上限値もしくは下限値との粗度偏差が0となるように伸び率を変更する。

目的

そこで、本発明の目的は、従来技術の上記問題点を解消することにあり、ダル加工した圧延ロールで調質圧延を行う際に、圧延長さの増大に伴うロール粗度変化により鋼帯の圧延後の表面粗さが目標の粗度範囲を逸脱した場合であっても、迅速かつ的確に鋼帯の表面粗さを目標の粗度範囲内に収めることのできる調質圧延における鋼帯の表面粗さの制御方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

ダル加工された圧延ロールを用いて鋼帯調質圧延する際の鋼帯の表面粗さの制御方法であって、前記鋼帯の調質圧延後の表面粗さを実測し、得られる実測板面粗度が予め定めた目標板面粗度の範囲を逸脱した場合に、前記実測板面粗度と前記目標板面粗度の範囲の上限値もしくは下限値との粗度偏差が0となるように調質圧延の伸び率を変更することを特徴とする調質圧延における鋼帯の表面粗さの制御方法。

請求項2

前記伸び率の変更を前記圧延ロールで鋼帯を調質圧延する際の圧延荷重の制御により行うことを特徴とする請求項1に記載の調質圧延における鋼帯の表面粗さの制御方法。

請求項3

前記伸び率の変更量を予め測定して得た前記圧延ロールの表面における凸数密度と前記粗度偏差とに応じて求めることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の調質圧延における鋼帯の表面粗さの制御方法。

請求項4

前記目標板面粗度を前記圧延ロールでの圧延長さが所定値となるまでは前記目標板面粗度の範囲の上限値とし、前記圧延ロールでの圧延長さが前記所定値を超えてからは前記目標板面粗度の範囲の下限値とすることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の調質圧延における鋼帯の表面粗さの制御方法。

技術分野

0001

本発明は、調質圧延における鋼帯の表面粗さの制御方法に関する。

背景技術

0002

一般に、各種金属材料の表面粗さは、表面の美観のみならず金属材料機械的性質にも大きな影響を与えている。自動車外板家電製品に用いられているダル仕上げ鋼帯の表面粗さは、プレス成形性塗装後の鮮映性等の点からブライト仕上げ鋼板より大きく、その値は、鋼板の用途によって異なるが、概ね中心線平均粗さRaで0.5 〜3μm 程度である。

0003

ダル仕上げ鋼帯の表面粗さは、普通、焼鈍後の調質圧延においてダル加工した圧延ロールで付与されている。従来の調質圧延においては、図8に示すように、ダル加工した圧延ロール1Aで鋼帯10に表面粗さを付与する際に、鋼帯10の伸び率を一定にする伸び率一定制御を行っていた。

0004

すなわち、調質圧延における伸び率一定制御は、圧延時に入側テンションロール4Aに連結されたパルス発信器4Bの検出値に基づく鋼帯速度と出側テンションロール3Aに連結されたパルス発信器3Bの検出値に基づく鋼帯速度とを伸び率計7に入力し、伸び率計7で鋼板10の伸び率を求め、得られる伸び率γ目標伸び率γ0 との伸び率偏差Δγを伸び率偏差演算器7Aで算出し、この伸び率偏差Δγが0になるように伸び率制御装置80で油圧シリンダー1Dを介して圧延荷重を制御して鋼帯10の伸び率を一定にするものである。

0005

しかしながら、調質圧延において伸び率一定制御を行なった場合には、図9に示すように、圧延ロールの表面粗さが粗い圧延初期の領域Dでは鋼帯の板面粗度目標板面粗度の範囲を超え、また、圧延ロール表面の粗さの凸部が摩耗し、圧延ロールの表面粗さが減少した圧延後期の領域Fでは鋼帯の板面粗度が目標板面粗度の範囲を下回るようになり、鋼帯の表面粗さが目標の粗度範囲を逸脱する圧延長が長いという問題があった。

0006

冷間圧延中の板面粗度を目標の範囲内に維持する制御方法として、特公平6-36925 号公報には、調整手段として圧延ロールの周速圧延油の流量および圧延油の濃度を採用し、圧延機の出側にて圧延板表面粗度を、非接触式の粗度計を用いて常時測定しておき、この実測板面粗度が予め設定しておいた目標の板面粗度を逸脱した場合に、その逸脱量に応じて上記調整手段の1つまたは2つ以上を選択して調整し、板面粗度を目標範囲内に収めることを特徴とする冷間圧延における圧延板表面粗度の制御方法が開示されている。

0007

しかしながら、調質圧延においては、圧延ロールの表面粗さが粗いので、圧延時にロールバイト内に導入される油量が非常に少なく、圧延ロールの周速、圧延油の流量および圧延油の濃度を調整手段としたとしても、鋼板の表面粗さを目標の粗度範囲内にすることが困難であるという問題があった。

発明が解決しようとする課題

0008

そこで、本発明の目的は、従来技術の上記問題点を解消することにあり、ダル加工した圧延ロールで調質圧延を行う際に、圧延長さの増大に伴うロール粗度変化により鋼帯の圧延後の表面粗さが目標の粗度範囲を逸脱した場合であっても、迅速かつ的確に鋼帯の表面粗さを目標の粗度範囲内に収めることのできる調質圧延における鋼帯の表面粗さの制御方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

本発明者らは、ダル加工した圧延ロールで調質圧延を行う際に、伸び率を変更することによって鋼帯の圧延後の表面粗さを目標の粗度範囲内に収めることができるという知見を得て、本発明を完成させた。本発明は、ダル加工された圧延ロールを用いて鋼帯を調質圧延する際の鋼帯の表面粗さの制御方法であって、前記鋼帯の圧延後の表面粗さを実測し、得られる実測板面粗度が予め定めた目標板面粗度の範囲を逸脱した場合に、前記実測板面粗度と前記目標板面粗度の範囲の上限値もしくは下限値との粗度偏差が0となるように調質圧延の伸び率を変更することを特徴とする調質圧延における鋼帯の表面粗さの制御方法である。

0010

また、前記伸び率の変更を前記圧延ロールで鋼帯を調質圧延する際の圧延荷重の制御により行うことが好ましい調質圧延における鋼帯の表面粗さの制御方法である。また、前記伸び率の変更量を予め測定して得た前記圧延ロールの表面における凸数密度と前記粗度偏差とに応じて求めることが好ましい調質圧延における鋼帯の表面粗さの制御方法である。

0011

また、前記目標板面粗度を前記圧延ロールでの圧延長さが所定値となるまでは前記目標板面粗度の範囲の上限値とし、前記圧延ロールでの圧延長さが前記所定値を超えてからは前記目標板面粗度の範囲の下限値とすることが好ましい調質圧延における鋼帯の表面粗さの制御方法である。

発明を実施するための最良の形態

0012

以下、本発明の調質圧延における鋼帯の表面粗さの制御方法について、図を用いて詳細に説明する。先ず、本発明の鋼帯の表面粗さの制御方法を適用した調質圧延設備について図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る調質圧延設備の表面粗さ制御のブロック図である。

0013

本発明の実施の形態に係る調質圧延設備は、1つの圧延スタンド1を備えている。圧延スタンド1には、鋼帯10に伸び率および表面粗さを付与可能なダル加工した圧延ロール1Aと、圧延ロール1Aを支持するバックアップロール1Bと、圧延スタンド1の圧延荷重を測定するロードセル1Cと、プロセス演算制御装置8からの指令により圧延スタンド1の圧延荷重を制御する油圧シリンダー1Dとが設けてある。

0014

また、圧延スタンド1の入側には、鋼帯10を払い出すペイオフリール5が配置され、圧延スタンド1とペイオフリール5間には鋼帯10に入側張力を付与する2つの入側テンションロール4Aが上下に配置されている。上側の入側テンションロール4Aには鋼帯10の入側速度を検出するパルス発信器4Bが連結されている。また、圧延スタンド1の出側には、鋼帯10を巻き取るテンションリール6が配置され、圧延スタンド1とテンションリール6間には鋼帯10に出側張力を付与する2つの出側テンションロール3Aが上下に配置されている。上側の出側テンションロール3Aには鋼帯10の出側速度を検出するパルス発信器3Bが連結されている。

0015

さらに、圧延スタンド1と上側の出側テンションロール3A間のパスライン上部には、鋼帯10の表面粗さを検出可能な板面粗度計2が配置してある。そして、プロセス演算制御装置8には、ロードセル1Cの検出した圧延スタンド1の圧延荷重と、伸び率計7で求めた鋼帯10の伸び率とが入力可能に接続されているとともに、板面粗度計2で得られる実測板面粗度Ra,mが予め定めた目標板面粗度Ra,0 の範囲を逸脱した場合、上限値もしくは下限値からの粗度偏差ΔRaが粗度偏差演算器9を介して入力可能に接続されている。

0016

このプロセス演算制御装置8においては、粗度偏差ΔRaと、予め入力される圧延ロール1A表面の凸数密度PPIとから粗度偏差ΔRaを0とする伸び率変更量が演算され、この伸び率変更量に基づくプロセス演算制御装置からの指令により、圧延荷重の制御が油圧シリンダー1Dを介して行われる。板面粗度計2としては、特開昭60-201204 号公報に示されているような光学的な手法により不規則面の表面粗度情報に関する統計的な性質を測定し、鋼帯10の表面粗さを測定する非接触式粗度計を用いることができる。

0017

次に、図1に示した調質圧延設備を用いた場合の鋼帯の表面粗さの制御方法について説明する。ペイオフリール5から払い出され、テンションロール6で巻き取られる間の走行する鋼帯10にダル加工された圧延ロール1Aで鋼帯10に調質圧延を施し、伸び率および表面粗さを鋼帯に付与している。

0018

その際、プロセス演算制御装置8からの出力により、圧延スタンド1とテンションロール3A、4A間における鋼帯10の張力制御を行い、かつ圧延ロール1Aで鋼帯10に圧延を施す際の圧延荷重の制御を油圧シリンダー1Dを介して行なっている。また、圧延ロール1Aで付与した鋼帯10の伸び率を伸び率計7で検出し、圧延ロール1Aで付与した鋼帯10の圧延後の表面粗さを板面粗度計10で検出している。

0019

そして、板面粗度計10で得られた実測板面粗度Ra,mが予め定めた目標板面粗度Ra,0 の範囲を逸脱している場合、式(1)で示される粗度偏差ΔRaが粗度偏差演算器9からプロセス演算制御装置8に入力される。
ΔRa=Ra,0 −Ra,m ・・・・・・・(1)
ただし、Ra,0 はRa,min もしくはRa,max,Ra,min;目標板面粗度の範囲の下限値、Ra,max;目標板面粗度の範囲の上限値、プロセス演算制御装置8内には、たとえば、図2に示す伸び率γと鋼帯10の圧延後の板面粗度Raとの関係が予め記憶されており、図2中に示すように入力された粗度偏差ΔRaに応じて伸び率変更量Δγが求まるようにプロセス演算制御装置8が構成してあるので、粗度偏差ΔRaが生じた場合には、図2に示す関係に基づいて、粗度偏差ΔRaを0とする伸び率変更量Δγを算出できる。

0020

そして、鋼帯10の伸び率がΔγだけ変化するように、プロセス演算制御装置8から荷重変更指令を油圧シリンダー1Dに出力し、圧延ロール1Aで鋼帯10に圧延を施す際の圧延荷重の制御を行う。この結果、伸び率をΔγだけ変更できるため、鋼帯10の圧延後の板面粗度Raを予め定めた目標板面粗度Ra,0 の範囲内にすることができるのである。

0021

なお、図2は、図1に示した調質圧延設備において圧延荷重を調整することによって得た伸び率γと鋼帯10の圧延後の板面粗度Raの関係を示すグラフであり、圧延ロール1Aの表面における凸数密度PPIごとに、伸び率γをΔγだけ変更することによって、鋼帯10の圧延後の板面粗度RaをΔRaだけ変化できることを示している。

0022

本発明における鋼帯の表面粗さの制御方法において、伸び率の変更を、圧延ロール1Aで鋼帯10に圧延を施す際の圧延荷重制御により行うことが好ましい理由は、鋼帯10の張力を制御して伸び率の変更を行うよりも安定した制御が行えるからである。また、本発明における鋼帯の表面粗さの制御方法においては、図2に示す伸び率γと鋼帯10の圧延後の板面粗度Raとの関係を予め記憶する代わりに、プロセス演算制御装置8内において、式(2)に示す関係から粗度偏差ΔRaに応じて伸び率変更量Δγを求めてもよい。
Δγ=ΔRa×a0 ・・・・・・・(2)
ただし、a0 は正の定数
ここで、ダル加工した圧延ロールを用いる調質圧延においては、図3に示すように、圧延ロールの表面における凸数密度PPIと、板面粗度変化量ΔRa/伸び率変更量Δγとの間には強い関係がある。

0023

そこで、予め測定して得た図3に示す圧延ロールの表面における凸数密度PPIに対するΔRa/Δγの関係をプロセス演算制御装置8内に記憶するか、または、式(3)に示す関係から圧延ロールの表面における凸数密度PPI および粗度偏差ΔRaとに応じて伸び率変更量Δγを求めるようにするのが、迅速かつ的確に圧延荷重を制御することができ、鋼帯の表面粗さが目標板面粗度の範囲を外れる長さを短くできるため、さらに好ましい。

0024

Δγ=ΔRa×PPI×a1 ・・・・・・(3)
ただし、a1 は正の定数
また、本発明における鋼帯の表面粗さの制御方法においては、目標板面粗度を圧延ロールでの圧延長さが所定値となるまでは目標板面粗度の範囲の上限値とし、圧延ロールでの圧延長さが所定値を超えてからは目標板面粗度の範囲の下限値とするのが好ましい。

0025

この理由は、圧延長さの増大に伴うロール粗度変化が大きい場合においても、伸び率変更量Δγを小さくすることができ、伸び率の好適な範囲から外れることを防止できるためである。以上説明した本発明の実施の形態においては、圧延ロールの表面における凸数密度をPPIとし図3に示す関係、もしくは上記式(3)により伸び率変更量Δγを求めるているが、本発明の調質圧延における鋼帯の表面粗さの制御方法では、これに限定されることはなく、1センチ当たりのピーク数Pcとしてもよい。

0026

(実施例1)図1に示した調質圧延設備において、直径が490mm で初期ロール粗度がRa3.0μm であるダル加工した圧延ロールを圧延スタンドに組み込んで厚み0.7mm の溶融亜鉛メッキ用鋼帯に圧延を施すことにより、伸び率および表面粗さを付与した。

0027

その際、図4(a)に示すフローチャートに従って、予め目標板面粗度の範囲を0.9 〜1.2 μm とし、鋼帯の圧延後の板面粗度を測定し、得られる実測板面粗度が目標板面粗度の範囲を外れた場合、図4(b)に示す目標板面粗度と実測板面粗度との偏差ΔRaが0となるように、伸び率変更量Δγを式(2)で求め、伸び率を変更する鋼帯の表面粗さの制御を行った。

0028

なお、伸び率の変更は、図4(a)に示すフローチャートのように圧延荷重を制御して行い、また伸び率の範囲は、上限値をプレス成形性の観点から2.2 %、下限値を塗装性の観点から0.5 %にし、目標伸び率を1.2 %にした。伸び率変更量Δγを式(2)で求め、伸び率を変更する鋼帯の表面粗さの制御を行った場合の、圧延長さと鋼帯の圧延後の実測板面粗度との関係を図5図6に示す。なお、図6は、圧延直後における圧延長さと実測板面粗度の関係を示すグラフであって、圧延長さが短い範囲における図6横軸を拡大したグラフである。

0029

図5図6に示した圧延長さと実測板面粗度の関係から、板面粗度が目標板面粗度の範囲外となっている圧延長さは、実施例1では図6に示す領域A1だけであり、従来の調質圧延設備で伸び率一定制御を行った場合の図9に示した領域Dと領域Fの和よりはるかに短いことがわかる。ただし図9は、図8に示す従来の調質圧延設備で伸び率一定制御を行った以外は実施例1と同じ条件で調質圧延を行ったものである。
(実施例2)図1に示した調質圧延設備において、伸び率の変更量Δγを予め測定して得た圧延ロールの表面における凸数密度PPIおよび粗度偏差ΔRaに応じて式(3)により求め、伸び率を変更する鋼帯の表面粗さの制御を行った以外は、実施例1と同じ条件で調質圧延を行った。

0030

図7に実施例2における圧延直後の圧延長さと実測板面粗度の関係を示す。図6に示した実施例1の場合と、図7に示した実施例2の場合の圧延長さと実測板面粗度の結果を比較することにより、伸び率変更量Δγを式(3)により求めた実施例2の場合の方が伸び率変更量Δγを式(2)で求めた実施例1の場合よりも板面粗度が目標板面粗度の範囲外となる圧延長さを短くでき、板面粗度の制御が迅速であることがわかる。

発明の効果

0031

本発明によれば、ダル加工した圧延ロールで調質圧延を行う際に、圧延長さの増大に伴うロール粗度変化により鋼帯の圧延後の表面粗さが目標の粗度範囲を逸脱した場合であっても、迅速かつ的確に板面粗度を制御できるので、板面粗度が目標の粗度範囲外となっている鋼帯の長さをきわめて短くできるという効果を奏する。

図面の簡単な説明

0032

図1図1は本発明の実施の形態に係る表面粗さ制御のブロック図である。
図2図2は本発明に用いる伸び率と板面粗度の関係の一例を示すグラフである。
図3図3は本発明に用いる凸数密度PPIとΔRa/Δγの関係の一例を示すグラフである。
図4図4(a)は実施例における鋼帯の表面粗さの制御方法のフローチャート図であり、図4(b)は実施例における板面粗度偏差を示す数直線である。
図5図5は実施例1における圧延長さと、板面粗度および伸び率との関係を示すグラフである。
図6図6は、図5の横軸を拡大した場合における圧延開始直後の圧延長さと、板面粗度および伸び率との関係を示すグラフである。
図7図7は実施例2における圧延開始直後の圧延長さと、板面粗度および伸び率との関係を示すグラフである。
図8図8は従来の調質圧延設備における伸び率一定制御のブロック図である。
図9図9は従来の伸び率一定制御で調質圧延を行った場合の圧延長さと、板面粗度および伸び率との関係を示すグラフである。

--

0033

1圧延スタンド
1A圧延ロール
1Bバックアップロール
1Cロードセル
1D油圧シリンダー
3A、4Aテンションロール
3B、4Bパルス発信器
5ペイオフリール
6テンションリール
7伸び率計
7A 伸び率偏差演算器
8プロセス演算制御装置
9粗度偏差演算器
80 伸び率制御装置

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