図面 (/)

技術 ハイブリッド手法を用いた移動電話位置測定のためのシステムと方法

出願人 エリクソンインコーポレイテッド
発明者 ヨスト、ジョージ、ピーパンチャパケサン、シャンカリ
出願日 1998年7月30日 (22年4ヶ月経過) 出願番号 2000-505527
公開日 2001年8月21日 (19年4ヶ月経過) 公開番号 2001-512240
状態 特許登録済
技術分野 無線による位置決定 移動無線通信システム
主要キーワード 所定誤差範囲 総合誤差 近似ステップ 位置推定機 中央領 中央処理センタ 最適推定値 更新位置情報
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2001年8月21日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (10)

課題・解決手段

電気通信システムにおける位置測定の精度を改良するためのシステムおよび方法を開示する。到来時間差(TDOA)およびタイミングアドバンス(TA)による位置測定法の組み合わせは、電気通信システムにわずかな変更を加えることで自動位置確認「Automatic Location Identification」(ALI)を可能にし、この組み合わせにより、測定誤差が軽減し、組み合せによらずいずれか一方の方法による場合のあいまいさが解消される。

概要

背景

概要

電気通信システムにおける位置測定の精度を改良するためのシステムおよび方法を開示する。到来時間差(TDOA)およびタイミングアドバンス(TA)による位置測定法の組み合わせは、電気通信システムにわずかな変更を加えることで自動位置確認「Automatic Location Identification」(ALI)を可能にし、この組み合わせにより、測定誤差が軽減し、組み合せによらずいずれか一方の方法による場合のあいまいさが解消される。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
7件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

無線通信システム内で通信する移動端末の位置を特定するための方法であって、前記移動端末から送信される信号を複数の基地局で受信するステップと、前記受信信号およびタイミング情報を前記複数の基地局のそれぞれから中央処理センタ転送するステップと、前記中央処理センタで前記タイミング情報に基づいて前記移動端末の到来時間差(TDOA)位置推定を計算するステップと、前記中央処理センタで前記タイミング情報に基づいて前記移動端末のタイミングアドバンス(TA)位置推定を計算するステップと、前記TDOAおよびTA位置推定を用いて前記移動端末の前記位置を特定するステップとを含む前記方法。

請求項2

請求項1記載の方法であって、更に、前記移動端末の前記位置を表示するステップを含む前記方法。

請求項3

請求項1記載の方法であって、前記中央処理センタによる前記TDOA位置推定の計算ステップに、前記複数の基地局の第1、第2基地局間の双曲線を計算するステップが含まれる前記方法。

請求項4

請求項3記載の方法であって、nを3〜7の範囲としたとき、前記中央処理センタによる前記TDOA位置推定の計算ステップに、前記基地局のうちn+1個の間でn本の双曲線を計算するステップが含まれる前記方法。

請求項5

請求項1記載の方法であって、前記中央処理センタによる前記TA位置推定の計算ステップに、前記複数の基地局の第1、第2基地局を中心とする各タイミングアドバンス円を計算するステップが含まれる前記方法。

請求項6

請求項5記載の方法であって、nを3〜7の範囲としたとき、前記中央処理センタによる前記TA位置推定の計算ステップに更に、前記基地局のうちn個を中心とするn個のタイミングアドバンス円を計算するステップが含まれる前記方法。

請求項7

請求項1記載の方法であって、前記位置を特定する前記ステップに、前記TDOAとTA位置推定を用いる前記位置の最小2乗近似ステップが含まれる前記方法。

請求項8

複数の基地局と、前記基地局のうち少なくとも2つの基地局との間で無線通信を行う少なくとも1つの移動端末と、前記少なくとも1つの移動端末を位置特定するために前記電気通信システムの中央処理センタに設けられた回路とを使用する前記電気通信システムにおいて、前記回路が、到達時間差アルゴリズムを利用して前記少なくとも1つの移動端末を位置特定するための第1位置特定手段と、タイミングアドバンスアルゴリズムを利用して前記少なくとも1つの移動端末を位置特定するための第2位置特定手段と、前記第1位置特定手段および前記第2位置特定手段を組み合わせて、前記第1および第2位置特定手段の双方に基づいて前記少なくとも1つの移動端末の位置を推定するための組み合わせ手段とを有する前記電気通信システム。

請求項9

請求項8記載の電気通信システムであって、更に、前記第1および第2位置特定手段が重なり合う状態で前記第1および第2位置特定手段の組み合わせを表示するための表示手段を有する前記電気通信システム。

請求項10

請求項9記載の電気通信システムであって、前記電気通信システムの前記中央処理センタと通信接続された表示端末に前記表示手段を設けた前記電気通信システム。

請求項11

請求項9記載の電気通信システムであって、実質的に平坦な表面に沿って前記少なくとも1つの移動端末の位置を前記表示手段に表示する前記電気通信システム。

請求項12

請求項11記載の電気通信システムであって、前記少なくとも1つの移動端末の位置を実質的に3次元で前記表示手段に表示する前記電気通信システム。

請求項13

請求項8記載の電気通信システムであって、前記第1位置特定手段の前記到来時間差アルゴリズムによって、前記基地局のうち第1、第2基地局間で双曲線を形成し、前記双曲線に基づいて前記組み合わせ手段によって前記少なくとも1つの移動端末の位置を推定する前記電気通信システム。

請求項14

請求項13記載の電気通信システムであって、2つの前記双曲線に基づいて前記組み合わせ手段によって前記少なくとも1つの移動端末の位置を推定する前記電気通信システム。

請求項15

請求項13記載の電気通信システムであって、nを3〜7の範囲としたとき、前記到来時間差アルゴリズムによって、前記基地局のうちn個の間でn−1本の双曲線を形成し、前記n本の双曲線に基づいて前記組み合わせ手段によって前記少なくとも1つの移動端末の位置を推定する前記電気通信システム。

請求項16

請求項8記載の電気通信システムであって、前記第2位置特定手段の前記タイミングアドバンスアルゴリズムによって、前記基地局のうち第1、第2基地局を中心とする各タイミングアドバンス円を形成し、前記タイミングアドバンス円に基づいて前記組み合わせ手段によって前記少なくとも1つの移動端末の位置を推定する前記電気通信システム。

請求項17

請求項15記載の電気通信システムであって、nを3〜7の範囲としたとき、前記タイミングアドバンスアルゴリズムによって、前記基地局のうちn個を中心とするn個のタイミングアドバンス円を形成し、前記各n個のタイミングアドバンス円に基づいて前記組み合わせ手段によって前記少なくとも1つの移動端末の位置を推定する前記電気通信システム。

請求項18

請求項8記載の電気通信システムであって、前記電気通信システムの前記中央処理センタが移動通信サービスセンタを含み、前記少なくとも2つの基地局が前記少なくとも1つの移動端末と前記移動通信サービスセンタとに通信接続され、前記組み合わせ手段が前記移動通信サービスセンタに位置する前記電気通信システム。

請求項19

複数の基地局と、前記基地局のうち少なくとも2つの基地局との間で無線通信を行う少なくとも1つの移動端末と、前記少なくとも1つの移動端末を位置特定するために前記電気通信システムの中央処理センタに設けられた回路とを使用する前記電気通信システムにおいて、前記回路が、到達時間差アルゴリズムを利用して前記少なくとも1つの移動端末を位置特定するための第1位置特定手段と、タイミングアドバンスアルゴリズムを利用して前記少なくとも1つの移動端末を位置特定するための第2位置特定手段と、前記第1位置特定手段および前記第2位置特定手段を組み合わせて、前記第1および第2位置特定手段の双方に基づいて前記少なくとも1つの移動端末の位置を推定するための組み合わせ手段とを有する前記電気通信システム。

請求項20

請求項19記載の電気通信システムであって、更に、前記第1および第2位置特定手段が重なり合う状態で前記第1および第2位置特定手段の組み合わせを表示するための表示手段を有する前記電気通信システム。

0001

(本発明の背景
(発明の分野)
本発明は改良された移動電話位置測定のためのシステムおよび方法、特にハイブリッド位置測定技術を用いて、通信システムにおける移動電話の位置を特定するためのシステムおよび方法に関するものである。
(本発明の背景および目的)

0002

1897年にマルコニ(Guglieimo Marconi)が英仏海峡航行中と連続交信する無線通信能力デモンストレーションを行って以来、一世紀間の無線通信発展は顕著である。マルコニの発見以来、新しい有線無線通信方式や、サービス規格は世界中の人々によって利用されている。この発展は特にここ10年の間に加速され、無線機器の小型化、低価格化信頼性向上をもたらした長足の技術進歩によって移動無線通信業界は数桁の成長を成し遂げた。この無線ネットワークは既存の有線ネットワークと相互に作用しながら、やがては追い越し、移動電話の指数関数的成長は次の10年間も続くだろう。

0003

最近の連邦通信委員会FCC)の決定と指示「Ruling and Order」によれば、合衆国内の携帯電話サービスプロバイダーは2001年10月までに、プロバイダのシステム内で緊急電話(911)を発信している携帯電話の位置を125メータ誤差範囲で約67%の確率、すなわち標準偏差内で測定する能力を備えるように義務付けられる。さまざまな技術が現在研究されている。これらはすべて、既知の位置にある地点確立するために基準によって携帯電話の位置を測定する。電話の位置は、詳細に後述するような特定の方法を利用して形状および位置が定められる曲線最良(すべての測定にはランダム誤差があるので、最少2乗あるいは最大尤度の意味で最良)の交点にあると推定される。

0004

グローバルポジショニングシステム(GPS)は、いくつかの衛星を基準点として使用し、概して位置測定に必要な高精度を示し、FCCの規制を十分に満足するものである。しかし、GPSシステムは、好ましい条件下では正確な測定結果を出すが、ビル内や、軌道衛星への見通しが利かない他の地域、例えば大都市で見られるような林立する高層ビル狭間にある「都会の谷間」では十分に機能しない。また、GPSは既存の携帯電話とは互換性がなく、携帯電話や他の移動端末へのGPS技術の導入には大規模ハードウェアの追加と変更が必要になる。

0005

別の技術としての信号強度測定は、移動端末にサービスを提供する基地局を中心とする円弧を形成する。しかし、この技術はパス損失を十分に把握できないため、誤差が大きくなる。到来角「Angle of Arrival」(AOA)の測定値が基地局からの半径と交差した所で正確な位置が指示される。基地局間を結ぶ直線に移動端末が近接していない場合は、わずか2つの基地局で十分に交差を求めることができる。しかし、これは基地局アンテナへの高価な変更を必要とし、大げさなアンテナに対する近隣の反対を考慮して更に複雑になる。

0006

到来時間差「Time Difference of Arrival」(TDOA)として知られる技術は、基地局間の同期を必要とする。これは基地局に安価なGPS受信機を設置すること、あるいはその他の方法で実現可能である。TDOAでは、所定の信号が移動端末から3つ以上基地局に到来するときの時間差を測定する。これには移動電話自体からのタイミング情報を全く必要としない。詳細は後述するが、2つの基地局が共同双曲線を決定し、移動端末が双曲線のブランチの1つに位置する。TDOAの誤差がゼロでない限り、TDOAの符号で特定の双曲線ブランチが定まる。3つの基地局によって3つの双曲線が定まり、そのうち2つは独立した情報を含んでいて、移動端末はそれら双曲線の各ブランチの交点に位置する。

0007

別の方法では、移動端末ブロードキャストバーストが適切なタイムスロットに収まるように進めなければならないタイミング量を決定するために、あらゆる時分割多重接続(TDMA)システムで使用されているタイミングアドバンス(TA)を利用する。アドバンスは、移動端末が基地局からかなり離れていて基地局までの伝播時間のため著しいバースト遅延が生じる場合に必要である。TAはサービス基地局から距離に依存し、その基地局からの距離の尺度となる。様々な技術を使用することによって、いくつかの基地局からのTAを測定することができ、各基地局を中心とする円が基地局の数だけ形成され、その円の交点に移動端末が位置する。この発明では、一般的な見出し「タイミングアドバンス」を付けた方法は、測定が実際にタイミングアドバンスの計算で使用されるか否かに関係なく、信号が移動端末から基地局に到達するまでの時間を測定するものと理解される。

0008

上記方法のうち、到来時間差(TDOA)およびタイミングアドバンス(TA)では、基地局のハードウェアとソフトウェアに比較的安価な変更を施すことで現在利用可能な移動端末を用いて自動位置確認「Automatic Location Identification」(ALI)が可能になる。しかし、TDOAは実用的で、多方面で検討中であるが、幾分精度面で限度があり、目標に沿って一つ以上の双曲線輪郭を求めるためには最低3つの基地局を必要とする。TAの場合、それ自体は精度面で更に制限があるが、この問題を誤差範囲内で水平面における2重のあいまいさ(two−fold ambignity)まで軽減するために2つの基地局だけで十分である。これについては、詳しく後述する。

0009

「Systems and Methodsfor Locating Remote Terminals in Radio communication Systems」と題する譲受人による同時係属米国特許出願シリアル番号No. において、移動端末の位置を特定するためにTDOAかTAのいずれかを使用する選択的方法が開示されている。しかし、この同時継続米国特許出願では、本願記載のように相乗的システムおよび方法にTDOAとTAの両方を組み合わせるハイブリッド法は開示もしくは提案されていない。

0010

いずれにしても、GPSを除いて、前述の位置測定アプローチ特有の誤差は今のところFCCの基準を満たしていない。

0011

したがって、本発明の目的は、様々な方法による測定に伴う前記特有の誤差を軽減することである。

0012

本発明の目的はまた、通信システム内の移動端末の位置を特定するための更に正確なシステムと方法を提供することによってFCC基準を満たすことである。

0013

本発明の目的はまた、緊急信号を発信する移動端末ユーザをより正確に推定するためのシステムと方法を提供することであって、それにより、応急対策チームはユーザをより正確に誘導救援することが可能になる。
(発明の概要

0014

本発明は電気通信システムにおける位置測定の精度を向上させるためのシステムと方法に関するものである。到来時間差(TDOA)とタイミングアドバンス(TA)の位置測定法の組み合わせにより、電気通信システムへの最小限の変更で自動位置確認「Automatic Location Identification」(ALI)が可能になり、測定誤差が減少する。簡潔にまとめられた付図、以下の詳細な説明、好ましい実施例、請求の範囲から、本発明の記述および発明の範囲を十分に理解することができる。
現時点での好ましい実施例の詳細な説明)

0015

発明の好ましい実施例を示した付図にしたがって、以下に本発明を更に詳しく記述する。しかし、本発明は多くの異なる形で実施可能であり、ここに記載される実施例に制限されるものではなく、これらの実施例は、説明を明確かつ完全にするとともに、当業者に発明の範囲を十分に伝達するものである。

0016

図1は、本発明のハイブリッド移動端末位置測定法が利用可能な地上移動通信網「Public Land Mobile Network」(PLMN)、例えばセルラネットワーク10を示している。ネットワーク10は複数の領域12で構成され、各領域には移動通信交換センタ「Mobile Switching Center」(MSC)14および統合在圏ロケーションセンタ「Visitor Location Register」(VLR)16が設けられる。MSC/VLR領域12は複数のロケーションエリア「Location Areas」(LA)18を含み、あるMSC/VLR領域12における一部分としてLA18が定義され、その中で移動局(MS)20はそのLA18を制御するMSC/VLR領域12に更新位置情報を送ることなく自由に移動することができる。各ロケーションエリア12は多くのセル22に分割される。移動局(MS)20は物理的な機器であって、例えば移動通信加入者がネットワーク10と通信する時、あるいはセルラネットワーク10以外の有線、無線ユーザと通信する時に使用する自動車電話、その他の携帯用電話である。基地局(BS)24は単純に無線塔として図示された物理的な機器であって、MS20への無線トラフィックおよびMS20からの無線トラフィックを扱うセル22の地理的領域無線カバレージを提供する。

0017

図1で示すように、PLMNサービスエリアあるいはセルラネットワーク10はまた、MSC/VLR14/16と共にホームロケーションレジスタ「Home Location Register」(HLR)26を含む。HLRは、例えばユーザプロフィール、現在のサービスセル位置およびルーティング情報国際移動通信加入者識別IMSI)番号、その他の管理情報など、すべての加入者情報を保持するデータベースである。HLR26は任意のMSC14、またはそのMSC14の整数部分、またはサービス多重MSC14と共存可能であり、後者は図1で示される。VLR16は現在MSC/VLR領域12内に位置するすべての移動局20に関する情報を含むデータベースである。

0018

図2は、本発明の第1実施例、すなわちPLMN10における端末の20など、任意の移動端末の位置を測定するためのハイブリッド法を示している。上述のように、到来時間差(TDOA)とタイミングアドバンス(TA)は機器変更に伴う最少の費用最高の精度を提供する。また、TDOAおよびTAは互いに独立した移動端末20の位置測定が可能である。したがって、これら方法の組み合わせにより、位置推定機能の相乗作用が得られるが、詳細は後述する。

0019

図2はまた、3つの基地局24(図で、A、B、Cで表される)を示しており、その3つの基地局A、B、Cの範囲内に移動端末20(Mで表される)が位置している。移動端末Mからの信号について、2つの基地局、例えばAとBの間の前記TDOAを測定する際に、数学的に理解し得るような双曲線が形成される。例えば、双曲線ABが基地局AとBの両方に対する移動端末Mの可能な位置のラインを表すので、双曲線AB上の各点で2つの基地局間の距離(時間)の差は一定である。同様に、双曲線ACとBCも基地局24の周辺に形成される。

0020

測定誤差のない理想条件では、図2に示すように3つの双曲線、すなわち双曲線AB、AC、BCは移動端末Mの位置で交差する。しかし、測定誤差を含む実際の条件では、交点の決定に誤差が生じる。

0021

図において破線で表されている円A‘,B‘,C‘はそれぞれの基地局からのTA距離を表す。この3つの円も、前述の双曲線のように移動端末Mの軌跡で交差し、この場合における2つの方法の合致を図示している。それでも、TA円は双曲線の場合と同様に測定誤差を含むことを理解しておく必要がある。しかし、互いに独立した相補的なTAとTDOAのデータを組み合わせると、移動端末の位置測定のための更に正確な方法が得られる。なお、移動端末Mの位置に関する最適推定値は最少2乗法や他の統計的手法によって求められるはずである。最終的な誤差はTDOAかTA、いずれか一方の場合より小さくなる。

0022

図3は、本発明による位置測定のための最少2乗最適化の実施例を示す。数学的に理解されるように、最小2乗近似は任意の点Pから各曲線まで距離の2乗和を測定して、2乗和の最少を示すその位置を選択する。図3における前述の各曲線の標準偏差は、統計的手法で理解されるように約67%の確率で真の位置を包含する曲線の片側の距離として定義されるものとする。一般に、標準偏差は曲線によって異なり、同じ曲線でも位置によって異なり、TDOAとTAの測定における既知の誤差から計算することができる。当該分野で周知のように、距離は測定間の相関関係を適切に考慮しながら標準偏差を1単位として測定される。しかし、標準的な仮説、例えば測定誤差がガウス分布にしたがい、不遍であるとすれば、最適な点Pは2乗距離の総和が最小になる点で与えられる。

0023

図3は、図2に示すような3つの基地局24を使用するTDOAおよびTAの方法で曲線間が最も収斂する前記領域を大幅に拡大した図である。特に、双曲線ABとACが図3の上から下へ伸びている様子を示している。双曲線BCは冗長であるので(他の2双曲線が組み合わせられる場合)、2つの双曲線ABとACが最小2乗測定に利用される。

0024

図3にはまた、3つのTAの円A’、B’、C’が示されており、これらは双曲線ABとACの共通点の近傍に収斂する。このような不完全な収斂は前述の測定誤差が原因であり、図に示される各曲線間で交点を最もよく近似する点が最小2乗法で決定される。図示される直交あるいは垂直な点線(そのうち1本がP’で図示される)は点Pと各曲線の間の最短距離を表す。例えば、図3における点Pは、曲線AB、ACと円弧A’、B’、C’との間で、2乗距離の和が最小になる点を表す。

0025

図2の移動局Mは基地局A、B、Cのカバレージ領域の比較的近くにあるが、図4は、移動局Mが基地局カバレージ中央領域から遠ざかっている場合を示している。例えば、ある都市が3つの基地局A、B、Cでカバーされ、移動端末Mは郊外に出ているがまだ前述の基地局24のカバレッジ範囲内に属している場合である。前述のように、TDOAは複数対の基地局からのデータを必要とし、3つの基地局24で異なる3対(3つの異なる双曲線)が得られる。しかし、このうち、2つの双曲線からは利用可能なデータが得られるが、前述のように3つ目は前記2つから得られるデータの一次結合であって、追加情報は得られない。したがって、図2に関連して記述したようにTDOAは双曲線の交点で移動端末Mの位置を特定する。

0026

しかしながら、図4に示すように移動端末Mの近くでは、双曲線は3つ共、基地局A、B、Cのクラスタから半径方向で比較的長い距離にわたってほとんど一致している。したがって、TDOAは、第1の場合は移動端末の位置を妥当な程度に特定したが、図4のように基地局24のクラスタ外側の半径方向については満足できない。位置特定に伴う潜在誤差が大きいと、交点(すなわち、移動端末Mの位置)は広い地域に属することになるので、救援活動の遅れにつながる。したがって、この場合、TAの方法を統合すると、所要の精度が得られる。

0027

図4に示すように、TAはTDOAと互いに補い合って半径の方向に非常に良好に機能する。特に移動端末Mの近くでは、TA円A’、B’、C’は半径方向を横切る向きにはあまり急速に発散しないので、その方向の精度は比較的低いが、半径方向の3つの独立した距離測定値が得られる。従って、2つの方法を併用することによって、すべての方向に良好な精度が得られる。これは重要である。理由は、ある都市の中でA、B、Cなどの基地局の配置点(constellation)を囲むドーナツ形カバレージ領域のサービスアリアが都市自体のカバレージ領域と比べてかなり大きい場合があるからである。

0028

さらに、TAとTDOAの組み合わせによって、いずれか片方の方法に伴う共通のあいまいさが解消される。例えば、図5には、3つの基地局24(A、B、Cのうち、後者は図示されている)を含む状況が、結果として得られる移動端末MのTDOA位置特定用の2双曲線AB、AC(そして、冗長双曲線BC)と共に示されている。図5は移動端末Mの位置の拡大図であって、近傍基地局と曲線の近傍部分を示す。この場合、TDOAを単独で使用して、双曲線が互いに交差しているところで2つの可能な解があることが分かる。TA円(破線曲線)を追加すれば、3つのすべての基地局とは異なるTA上のあいまいな解は、追加基地局24の測定を必要とせずにきれいに解消される。

0029

図6は、3つの基地局とTA位置特定だけの場合を示している。完璧な測定(図示されるような)が行われれば、3つの円A‘、B‘、C‘がすべて交差する唯一の解が得られるが、それ以外に、2つの円が交差して、残りが近傍に位置するような場合、近傍に他の点が現れることがある。測定誤差があると、このような状況が常に満足に解決し得るとは限らない。しかし、ほとんどの場合、新たに基地局24を加えることなくTDOA双曲線(破線)によって、上記のようなあいまいさを解消するための別の情報が得られる。

0030

本発明の組み合わせ方法は基地局24が2つのみの場合にも、精度は低下するが、適応可能である。例えば、郊外で基地局24が高速道路に沿って、図7で示される基地局AとBのように配置される場合がある。この場合、移動端末Mは軸、すなわち高速道路に沿った基地局A、Bを結ぶ直線(R)からずれている。この場合の双曲線ABと円A’とB’は単一の位置を指示せずに、曲線が交差する所で移動端末Mの2つの可能な位置を表示する。したがって、この場合、TDOAとTAの方法を組み合わせても、幾分かのあいまいさが存在する。この場合、本発明のシステムと方法が正確さに欠けると云っても、残りの部分は解決可能である。例えば、高速道路に関わる位置のあいまいさは移動端末Mのユーザとの会話によって解決されるかもしれない。したがって、情報に制限がある状況でも、本発明によるTDOAとTAのハイブリッド法は解析少数地域に絞って、例えば郊外あるいは過疎地域で高精度の測定を行う。

0031

上記の変形として、2つの基地局AとBの間の高速道路(半径方向の線R)上にある移動端末Mが図8に示されている。しかし、この場合は、組み合わせ法によって得られる2つの解が縮退、すなわち、それらが同じ位置を特定するので、位置のあいまいさが解消される。従って、この限られた2基地局24の場合では、高速道路を横切る方向よりも高速道路に平行な方向で精度が高くなる(図8)。ユーザは高速道路上あるいはその周辺にいる可能性が高いので、高速道路を横切る方向の位置特定はそれ自体、その方向での必要な精度を示すので、この解決策は評価できる。

0032

本発明の内容では2基地局の場合における何らかの位置的あいまいさを伴うが、TAまたはTDOAを単独で使用する場合の誤差と比べて、2つの方法の相乗的な組み合わせを使用する場合は総合誤差の大きさが抑えられる。

0033

本発明のシステムおよび方法に用いられる上記の場合は二次元あるいは平坦表面の正確な位置特定について述べているが、本発明の原理縦方向、例えば高層建築内での移動端末20の位置特定にも適用できる。そのような立体的な位置特定が可能であるが、一般に基地局24は実質的に水平面上に位置することが多いので、垂直位置特定の場合は、水平の場合より位置の誤差が大きくなる傾向があると理解しなければならない。いずれにしても、本発明のハイブリッドのアプローチは、その組み合わせから得られる追加情報によって、別々に実行されるどちらの方法と比較して改善が見られる。

0034

前述のTDOAおよびTA法のためのアルゴリズムは、当該分野では周知のようにMSC14の中、あるいはシステム10内の他の中央処理センタまたはノードの中に格納することが可能であって、2つの方法は前述の改良されたハイブリッド方法に結合または融合される。特に、MS20のTDOAおよびTA測定に関する情報は、処理のために少なくとも2つの基地局24から有線リンク(図示せず)経由でMSC14に転送される。

0035

また、本発明の原理は多く様々な状況や環境において利用可能であると理解すべきである。前述のように、この位置特定方法は公共緊急連絡拠点「Pubic Service Answering Points」(PSAP)が救援隊の緊急派遣を必要とする場合における現場の位置特定を可能にするために拡張911番サービス(enhanced 911 service)に採用され得る可能性がある。その他の用途として、詐欺の犯人犯罪の進行中またはその犯罪後犯人がかけたセルラ電話の位置特定、場所に依存する課金、車両および船舶の管理、在庫梱包モニタのほかに、より高精度の位置特定によって利益がもたらされる種々の用途がある。

0036

位置情報を利用するPSAPやその他の機関は、図9に示すように地域の詳細な地図を含むモニタ上で推定位置とその誤差を表示することができる。中心位置とその推定誤差は共に、前記のように最小2乗法によって求められる。一般に、誤差は楕円形になるが、単純な構成では、図9に示すように円形で表示されることもある。例えば、PSAPで使用される場合、指令者は、まず応急隊を派遣する。そして推定誤差のために発呼者の姿が見えないとき、隊員は円内または楕円内の全地域を捜索しなれればならない。したがって、予算の制限内でこの捜索地域のサイズを可能な限り狭めることは、場合によっては人命に関わる問題である。

0037

楕円捜索限定法「elliptical search restriction technique」に関する詳細は、1997年7月30日付でファイルされ、ここに引用によって包含される「System and Method Using Elliptical search Area Coverage in Determining the Location of A Mobile Terminal」と題する出願人による同時係属米国特許出願シリアル番号No. に記述されている。

0038

現在の技術水準では、移動端末20は約7つまでの異なる基地局24(そのうち1つがその移動端末20に対するサービス基地局24)をモニタすることができるが、将来は、任意の移動端末20が更に多数(n)の基地局24をモニタして、その結果、現在より多数(n−1)の双曲線を考察することが可能になる。

0039

また、本発明の範囲は前述のハイブリッド位置特定法、特にTDOAおよびTA測定の双方を利用して移動端末の送信位置を正確に指示、検証するためのハイブリッド法を包含するものと理解すべきである。そして、得られた結果は、移動端末位置を求めている救助隊等のために所定誤差範囲で表示される。

0040

以上の説明は発明を実行するための好ましい実施例であり、この説明によって発明の範囲が必ずしも制限されるものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲で規定される。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 日本電気株式会社の「 通信装置、データフロー制御方法およびプログラム」が 公開されました。( 2020/10/08)

    【課題・解決手段】通信装置は、複数の無線デバイス間で通信に使用する周波数を共有するMACレイヤのいずれの上位のレイヤとして動作する通信装置であり、該MACレイヤに送出される前段階の通信データを一時的に... 詳細

  • 日立建機株式会社の「 作業機械」が 公開されました。( 2020/10/08)

    【課題・解決手段】油圧ショベルに設けられた磁界発生装置が発生する磁界信号を受信した場合に、磁界IDとタグIDとGNSS受信部で得られた位置情報とを含む電波信号を送信する作業員タグを油圧ショベルのオペレ... 詳細

  • 株式会社日立国際電気の「 通信装置」が 公開されました。( 2020/10/08)

    【課題・解決手段】複数の通信装置から構成され、1つ以上の通信装置を経由して通信を行う無線システムに用いられる通信装置は、前記複数の通信装置間での近隣探索メッセージとその応答、またはアドホックルーティン... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ