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技術 植物組織培養支持体及びそれを用いた培養方法

出願人 日清紡ホールディングス株式会社
発明者 大野洋次郎長谷川修
出願日 2000年6月12日 (20年6ヶ月経過) 出願番号 2000-176056
公開日 2001年12月25日 (19年0ヶ月経過) 公開番号 2001-352850
状態 未査定
技術分野 植物の育種及び培養による繁殖 植物の栽培
主要キーワード 繊維状組成物 光透過性容器 非晶化処理 植物性セルロース 給水速度 湿式成型法 滅菌処理条件 本支持体
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2001年12月25日)のものです。
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課題

本発明は、植物組織培養の増殖から順化を効率的に行い、成苗を得るために使用する支持体、およびこの支持体を用いることを特徴とする植物組織培養方法を提供することを課題とする。

解決手段

繊維状組成物粘土鉱物との混合物成型し、植物組織培養支持体とする。さらに、かかる植物組織培養支持体を用いて、解放端部が通気度1〜50sec/100mlのガス透過性を有する多孔膜閉止された光透過性容器内で植物組織を培養する。

概要

背景

高等植物細胞培養生長点培養においては、初代培養継代培養を行い、早生分枝法、プロトコーム様体法、苗条原基法などにより小植物や多芽体を形成させ、次に化培養を行う。この苗化培養段階では、早生分枝、プロトコーム様体、苗条原基などから茎葉体生長させ、次いで不定根分化させる。この苗化培養においては、支持体が植物の生長、発根にとって重要な要素である。

このような植物培養においては、培地材として寒天が最も一般的に使われている。しかし、寒天を用いた場合は支持体内に空気が入らない為発根が悪く、又、特殊な発根用寒天支持体で発根を良くしても、出てきた根が水中根状を示し有効に働かず、直接栽培用土移植すると地上部が枯れてしまう問題点がある。

このため、寒天から出した後パーライトバーミュキュライト等の支持体で順化させた後、露地あるいは温室内土壌に移植する方法がとられているが、順化過程には通常1〜3ケ月の長期間を要し、又、順化期間中に活着が悪く培養苗枯死したり苗質が水浸状のまま正常な形にならないこともあり、手間や歩留まりの点で問題点が多かった。

一方、寒天のかわりにロックウールを支持体として使用することもある。しかし、ロックウールの場合は、栽培用土に移植する際ロックウール自体が分解せず残ってしまい、又、ロックウールを根から分離しようとすると、根を傷めてしまい、活着率が低下し、更に、培地支持体としては固すぎるため、根が伸長せず問題が残る。

そこで上述した問題を解決できる支持体として、バーミキュライトセルロース繊維とを含む支持体が考案されている(国際公開番号:WO97/48271)。かかる支持体によれば、植物組織の増殖から順化、成苗まで連続して使用でき、従来の寒天やロックウール等を用いた場合に比べ生育が良く、順化時に良好な活着率を示し、歩留りを向上させることができる。

しかしながら、上記支持体は粒子状のバーミキュライトを主成分としているため、支持体の成型時にバーミキュライトの脱離がおこり易く、操作性の点において改良の余地が残されていた。また、植物体を更に良好に育成するため、支持体について改良の余地が残されていた。

概要

本発明は、植物組織培養の増殖から順化を効率的に行い、成苗を得るために使用する支持体、およびこの支持体を用いることを特徴とする植物組織培養方法を提供することを課題とする。

繊維状組成物粘土鉱物との混合物を成型し、植物組織培養支持体とする。さらに、かかる植物組織培養支持体を用いて、解放端部が通気度1〜50sec/100mlのガス透過性を有する多孔膜閉止された光透過性容器内で植物組織を培養する。

目的

本発明は、植物組織培養の増殖から、順化、成苗まで連続して使用でき、さらに操作性および植物の育成を向上させることができる、新規な植物培養支持体及びその製造方法、並びにこの支持体を使用して効率的に良好な植物体を得ることができる植物組織培養方法を提供することを課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

請求項2

前記繊維状組成物はセルロース性繊維である、請求項1記載の植物組織培養支持体。

請求項3

繊維状組成物と粘土鉱物との重量組成比は、100:0.5〜100:50である、請求項1または2記載の植物組織培養支持体。

請求項4

前記セルロース性繊維は椰子殻繊維パルプ繊維とを含む、請求項2または3記載の植物組織培養支持体。

請求項5

前記椰子殻繊維とパルプ繊維の重量組成比は、50:50〜95:5である、請求項4記載の植物組織培養支持体。

請求項6

前記椰子殻繊維の平均繊維長は0.01〜20mmである、請求項4または5記載の植物組織培養支持体。

請求項7

前記パルプ繊維の平均繊維長は0.01〜5mmである、請求項4〜6のいずれか一項記載の植物組織培養支持体。

請求項8

前記粘土鉱物は複鎖状構造型粘土鉱物である、請求項1〜7のいずれか一項記載の植物組織培養支持体。

請求項9

前記複鎖状構造型粘土鉱物はセピオライトである、請求項8記載の植物組織培養支持体。

請求項10

前記粘土鉱物の粒子サイズは100μm以下である、請求項1〜9のいずれか一項記載の植物組織培養支持体。

請求項11

植物組織培養支持体の製造方法であって、繊維状組成物と粘土鉱物とを、液体中で分散混合成型、乾燥することを特徴とする植物組織培養支持体の製造方法。

請求項12

解放端部が通気度1〜50sec/100mlのガス透過性を有する多孔膜閉止された光透過性容器内で請求項1〜10のいずれか一項記載の植物組織培養支持体を用いることを特徴とする植物組織培養方法。

請求項13

培養環境下の二酸化炭素ガス濃度を300〜2000ppmの範囲内に維持し、光合成有効光量子束密度50〜500μmol/m2/secの範囲内の光環境下にて培養を行う、請求項12に記載の植物組織培養方法。

技術分野

0001

本発明は、植物組織培養の増殖から順化成苗まで連続して使用できる植物組織培養支持体およびその製造方法、並びにこの支持体を使用する植物組織培養方法に関するものである。

背景技術

0002

高等植物細胞培養生長点培養においては、初代培養継代培養を行い、早生分枝法、プロトコーム様体法、苗条原基法などにより小植物や多芽体を形成させ、次に化培養を行う。この苗化培養段階では、早生分枝、プロトコーム様体、苗条原基などから茎葉体生長させ、次いで不定根分化させる。この苗化培養においては、支持体が植物の生長、発根にとって重要な要素である。

0003

このような植物培養においては、培地材として寒天が最も一般的に使われている。しかし、寒天を用いた場合は支持体内に空気が入らない為発根が悪く、又、特殊な発根用寒天支持体で発根を良くしても、出てきた根が水中根状を示し有効に働かず、直接栽培用土移植すると地上部が枯れてしまう問題点がある。

0004

このため、寒天から出した後パーライトバーミュキュライト等の支持体で順化させた後、露地あるいは温室内土壌に移植する方法がとられているが、順化過程には通常1〜3ケ月の長期間を要し、又、順化期間中に活着が悪く培養苗枯死したり苗質が水浸状のまま正常な形にならないこともあり、手間や歩留まりの点で問題点が多かった。

0005

一方、寒天のかわりにロックウールを支持体として使用することもある。しかし、ロックウールの場合は、栽培用土に移植する際ロックウール自体が分解せず残ってしまい、又、ロックウールを根から分離しようとすると、根を傷めてしまい、活着率が低下し、更に、培地支持体としては固すぎるため、根が伸長せず問題が残る。

0006

そこで上述した問題を解決できる支持体として、バーミキュライトセルロース繊維とを含む支持体が考案されている(国際公開番号:WO97/48271)。かかる支持体によれば、植物組織の増殖から順化、成苗まで連続して使用でき、従来の寒天やロックウール等を用いた場合に比べ生育が良く、順化時に良好な活着率を示し、歩留りを向上させることができる。

0007

しかしながら、上記支持体は粒子状のバーミキュライトを主成分としているため、支持体の成型時にバーミキュライトの脱離がおこり易く、操作性の点において改良の余地が残されていた。また、植物体を更に良好に育成するため、支持体について改良の余地が残されていた。

発明が解決しようとする課題

0008

本発明は、植物組織培養の増殖から、順化、成苗まで連続して使用でき、さらに操作性および植物の育成を向上させることができる、新規な植物培養支持体及びその製造方法、並びにこの支持体を使用して効率的に良好な植物体を得ることができる植物組織培養方法を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、繊維状組成物および粘土鉱物、好ましくはセルロース性繊維および粘土鉱物、さらに好ましくは椰子殻繊維パルプ繊維、および粘土鉱物の混合成型物を支持体として用い、植物培養を行うことにより、植物組織培養の増殖から成苗まで連続して使用でき、さらに操作性や植物の育成を向上させることができることを見いだした。

0010

すなわち、本発明は、以下のとおりである。
(1)繊維状組成物と粘土鉱物とを含む、植物組織培養支持体。
(2)前記繊維状組成物はセルロース性繊維である、(1)記載の植物組織培養支持体。
(3)繊維状組成物と粘土鉱物との重量組成比は、100:0.5〜100:50である、(1)または(2)記載の植物組織培養支持体。
(4)前記セルロース性繊維は椰子殻繊維とパルプ繊維とを含む、(2)または(3)記載の植物組織培養支持体。
(5)前記椰子殻繊維とパルプ繊維の重量組成比は、50:50〜95:5である、(4)記載の植物組織培養支持体。
(6)前記椰子殻繊維の平均繊維長は0.01〜20mmである、(4)または(5)記載の植物組織培養支持体。
(7)前記パルプ繊維の平均繊維長は0.01〜5mmである、(4)〜(6)のいずれかに記載の植物組織培養支持体。

0011

(8)前記粘土鉱物は複鎖状構造型粘土鉱物である、(1)〜(7)のいずれかに記載の植物組織培養支持体。
(9)前記複鎖状構造型粘土鉱物はセピオライトである、(8)記載の植物組織培養支持体。
(10)前記粘土鉱物の粒子サイズは100μm以下である、(1)〜(9)のいずれかに記載の植物組織培養支持体。
(11)植物組織培養支持体の製造方法であって、繊維状組成物と粘土鉱物とを、液体中で分散混合し成型、乾燥することを特徴とする植物組織培養支持体の製造方法。
(12)解放端部が通気度1〜50sec/100mlのガス透過性を有する多孔膜閉止された光透過性容器内で(1)〜(10)のいずれかに記載の植物組織培養支持体を用いることを特徴とする植物組織培養方法。
(13)培養環境下の二酸化炭素ガス濃度を300〜2000ppmの範囲内に維持し、光合成有効光量子束密度50〜500μmol/m2/secの範囲内の光環境下にて培養を行う、(12)に記載の植物組織培養方法。

発明を実施するための最良の形態

0012

本発明の植物組織培養支持体は、繊維状組成物と粘土鉱物とを含む混合物を成型したものである。素材となる繊維状組成物としては、根の発根、伸長を妨げず、植物体が良好に生育するものであれば、特に限定されない。ここで作業の削減や、環境の観点から育成した成苗を支持体とともに移植することが可能であり、移植した土壌中で崩壊し、土壌成分の一部となる繊維状組成物であることが好ましい。

0013

繊維状組成物としては、具体的にはセルロース性繊維を挙げることができる。ここでセルロース性繊維の種類に特に限定は無く、植物性セルロース、例えばコットンリントコットンリンター針葉樹セルロース広葉樹セルロース、靱皮セルロース、セルロースや、再生セルロースバクテリアセルロース、そしてこれらの混合物が用いられる。また、好ましいセルロース繊維としては、椰子殻繊維およびパルプ繊維を含む混合物が挙げられる。椰子殻繊維およびパルプ繊維は天然由来の繊維であることから土壌中で分解され、また、パルプ繊維は支持体を成型する際に、成型物バインダーとして機能することができる。

0014

これら繊維状組成物の平均繊維長は、支持体の成型時、使用時等における操作性や、植物の育成を良好にできるものであれば、特に限定されるものではなく、各繊維状組成物の性質に応じた平均繊維長であることが望ましい。具体的には、椰子殻繊維の平均繊維長としては、0.01〜20mmであることが好ましく、0.1〜15mmであることがさらに好ましい。また、パルプ繊維としては、0.01〜5mmであることが好ましく、0.02〜4mmであることがさらに好ましい。

0015

さらに、これらのセルロース性繊維をあらかじめ各種処理したものを用いても構わない。ここでいう各種処理とは、加熱処理冷却処理精製処理非晶化処理膨潤化処理、重合度低下処理、誘導体化処理、架橋処理結晶型転換処理、溶解再生処理粉砕処理造粒処理含浸処理コーティング処理等の化学的物理的処理を意味する。

0016

また、素材となる粘土鉱物としても特に限定されるものではないが、支持体中に混合させることにより、給水速度を向上させて使用性を向上させたり、使用時の保水性(保肥性)を向上させ、植物体が良好に成長できることが好ましい。この様な粘土鉱物としては、好ましくは複鎖状構造型粘土鉱物が挙げられ、さらに好ましくはセピオライトが挙げられる。

0017

これら粘土鉱物の粒子サイズとしても、支持体の成型時、使用時等における操作性や、植物の育成を良好にできるものであれば、特に限定されるものではなく、各粘土鉱物の性質に応じた粒子サイズであることが望ましい。具体的には、粘土鉱物、特にセピオライトの粒子サイズとしては、100μ以下であることが好ましく、80μ以下であることがさらに好ましい。

0018

また、繊維状組成物と粘土鉱物の重量組成比としては、支持体の成型方法や使用する素材の性質にもよるが、繊維状組成物:粘土鉱物、特にセルロース性繊維:粘土鉱物として、100:0.5〜100:50であることが好ましく、100:0.5〜100:40であることがさらに好ましい。また、セルロース性繊維の混合物である、椰子殻繊維とパルプ繊維の重量組成比としても、支持体の成型方法等にもよるが、椰子殻繊維:パルプ繊維として、50:50〜95:5であることが好ましく、60:40〜95:5であることがさらに好ましい。

0019

これらの混合物を成型する方法は任意だが、例えば繊維状組成物と粘土鉱物を液体中で、好ましくは水中で混合し、その懸濁液を型枠等に入れた後に、液体を除去し乾燥する湿式成型法と、乾燥状態で混合物を圧縮成型する乾式圧縮成型法が挙げられ、なかでも、湿式成型法が好ましい。湿式成型法においては、まず上述した繊維状組成物と粘土鉱物を液体中で分散混合し、それぞれが均一になるようにした後、その懸濁液を型枠等に入れて液体を除去する。ここで液体としては、水、アルコールケトン炭化水素ハロゲン化炭化水素等特に制限はないが、植物体への影響がない水が好適である。

0020

液体の除去法は、どの手法を用いてもよく、例えば自然落下法、遠心脱水法、吸引脱水法、圧搾脱水法などが用いられる。また、乾燥法も特に限定されるものではなく、例えば送風乾燥機による方法や、恒温乾燥機による方法、電磁波による方法、遠赤外線による方法、凍結乾燥天日乾燥などが用いられる。この湿式成型体に培養液等の液体を加えることにより、繊維状組成物、粘土鉱物、そしてこれらが形作る構造部分に液体が保持され、本成型体は柔らかくなり、植物体を挿すのに適した培地となる。

0021

以上、湿式による支持体の成型法を示したが、これらの成型法に関わらず、本支持体に培養液等の液体を加えることで植物体を挿すのに適した柔らかさの支持体となる。成型体密度としては、0.05〜2g/cm3とするのがよいが、湿式成型の場合には0.05〜1g/cm3となるように成型するが好ましく、0.07〜0.3g/cm3になるようにすることがさらに好ましい。これより密度を高くすると、培養液等の液体を入れた場合にも成型体は固く、植物体が挿しづらくまた発根も悪くなり、培地として好ましくなく、これより密度を低くすると、保型性が保てず操作性の面で好ましくない。

0022

また、本発明の繊維状組成物と粘土鉱物の混合成型による支持体の効果を阻害しない程度に他成分を混合しても構わない。ここで言う他成分とは、有機物有機塩有機酸有機アルカリ有機高分子無機物無機塩無機酸、無機アルカリ無機高分子、あるいはそれらの混合物などを指し、中でもロックウール、パーライト、ピートモス木粉おがくず腐葉土キチンキトサン、寒天、ゲランガムなどが挙げられる。また、植物組織の褐変を防ぐために、活性炭などの吸着剤を添加してもよく、コンタミネーションを低減させるために殺菌、抗菌剤を添加してもよい。

0023

これらの支持体に、培養液を入れオートクレーブ等で滅菌処理してから培養体植え込み培養する。ここで培養体とは、高等植物の細胞培養や生長点培養においては、初代培養、継代培養を行い、早生分枝法、プロトコーム様体法、苗条原基法などにより形成せられた小植物や多芽体を指している。

0024

培養される植物体に制限はなく、例を挙げると、トレニアカトレヤファレノプシスデンドロビウムシンビジウムパフィオペディルム、バンダアスセンダエピデンドラムミルニアオンシジウム、オドントグロッサム、エピフロニチス、エビネネフロレピス、ディーフェンキアサギソウ、シュンランカンランシンゴニウム、ストレプトカーパスクレマチスゼラニウムポインセチア、ロードデンドロングロキシニア、アルストロメリア、ヘメロカリス、フリージアアイリスカーネーションカスミソウ、スターチスキクガーベラプリムラセントポーリアシクラメンユリグラジオラス、ダリア、バラ、ブバルジア、アザレアリンドウスイセン、アマリリス、ヒヤシンス、ベコニア、ミヤコワスレ、ミルトニア、アスプレニウム、ベンジャミン、スパティフラム、ポトス、アロカシア、モンステラフィロデンドロン、シンダプシス、カラディウム、アナナスネオゲリア、ドラセナ、ヘゴアジアンタム、シマオオタニワタリシダ類アンスリウム、シバイチゴニンニクワサビキュウリトマトナスジャガイモサツマイモサトイモヤマイモナガイモニンジンメロンコンニャクフキアスパラガスアブラナ科類、イネ、ムギ、ワタバナナパイナップルオイルパームリンゴナシカキブドウモモウメカンキツ類チャ、ラプスベリー、ブルーベリーアーモンドチェリーセンキュウカラスビシャクアカヤジオウオケラベラドンナトリカブトハシリドコロトコンセンブリダイオウサクラコウゾシダカンバ、ユーカリゴムキリポプラヤマナラシビャクダンチークニレシラカバクワ、クヌギ、ヒバスギヒノキトウヒモミマツイチイセコイヤラワンフタバガキ、グメリナ、マホガニーなどのあらゆる草本類花卉類木本類等の植物に適用することができる。

0025

ランにおいては、余分なPLB生成が抑制されたり、根どうしの癒着が無くなり、植物どうしを分けるときに根を切ることなくほぐせる等の利点がある。木本類においては無糖でも生育し、直接支持体ごと土に植えることができ、また活着も良い等の特長がある。野菜類や花卉類においては毛状根を持つ健苗が育成できる等の特長がある。薬用植物においては、薬用成分含有量が高くなる等の特長がある。

0026

培養液としては、特に制限はなく通常のMS培養液、ホワイト培養液、ヘラー培養液、ヴィシン&ヴェント培養液、ハイポネックス培養液、ウッディプラント培養液等のあらゆる培養液が用いられる。さらに、植物の種類に合わせ培養液濃度をうすめたり、燐酸や鉄等のある種の成分を添加したり、無糖あるいは糖濃度を変化させたり、バナナジュースを添加したり、各種植物ホルモンを加えたり、抗生物質や抗菌剤を加えたり、pHを調節したり等、必要に応じ修正を行っても構わない。

0027

また、本発明における植物組織培養において、炭素源を含まない培養液中で培養を行うことができる。この様にして培養することによれば、炭素源が存在することによる雑菌の発生を防ぐだけでなく、植物が生育するための炭素源を培養環境中の二酸化炭素から得ることにより、光独立栄養成長を行わせることができる。これにより、植物体の発根は優れ、葉の面積も大きな健全な植物体が得られ、順化工程の簡略化や省略が可能となる。ここで炭素源とは、植物が資化できる炭素源であり、スクロースグルコースフルクトース等の糖などが挙げられる。

0028

培養液の使用量に関しては、適用する植物の種類や培養容器等に応じて異なっており、一義的に決定することは困難であるが、培養液量が多すぎると空気相が少なく過湿になり、発根が悪く植物体が水浸状となり生育にとって不適である。また、培養液量が少なすぎると十分に栄養分が植物体に吸収されず、生育不良となる。

0029

培養する容器に関しては特に制限されるものではないが、少なくとも一部がガス透過性を有する多孔膜で閉止された光透過容器内で培養すると特に有効となる容器本体の形も特に制限はなく、容器本体と蓋からなる形が一般的である。材質としても特に制限はなく例えば、ガラスポリスチレンポリエステルポリ塩化ビニルポリカーボネートポリエチレンポリプロピレンあるいはそれらの組み合わせなどがあげられるが、好ましくは耐久性耐熱性光透過性等に優れたポリカーボネートが良い。

0030

大きさとしても特に制限はないが、手に持ちやすい程度がよい。この容器本体または蓋の一部に通気口を設け、ガス透過性を有する多孔膜を密着させ使用すると良い。密着のさせ方としても特に制限はなく、多孔膜に粘着剤を付け貼り付ける方法、多孔膜の上からキャップをはめ保持する方法等あるが、キャップをはめ保持する方が多孔膜の取り替え簡易で好ましい。通気口の面積としては特に制限はないが0.2〜4cm2が使用上好ましい。

0031

多孔膜はガス透過性(通気度:JIS-P8117)が1〜50sec/100ml、好ましくは 1〜10sec/100mlであり、更には1〜5sec/100mlのものが好ましい。通気度が低すぎるとガス透過不足し生育、発根が比較的悪くガス透過の効果が出なく、通気度が高いと水蒸気散逸が大きく乾燥し培養が難しくなる。更に通気量を上げるため通気度の低い多孔膜でその面積を増やすことも考えられるが、その場合、容器内への光の透過性が悪くなり植物体の生育に悪影響が出たり、膜の部分が破れやすくなるなどの強度的な面での問題も生じやすくなるため好ましくない。従って上記ガス透過性を有する多孔膜の使用が実用上好適である。

0032

また、ガス透過膜平均孔径については、0.1〜10μmであることが好ましく、さらには0.2〜1μmが好適である。平均孔径が10μmを越えると、雑菌等の混入が懸念され好ましくない。また、厚みは取り扱い上50〜500μmの範囲が好ましい。この多孔膜の素材としては滅菌処理条件に耐えうるものであれば良く、例えば、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン、ナイロン、セルロース、フッ素樹脂ポリ−4−メチル−1−ペンテン、などがあげられる。さらにこれらを例えばガラス繊維等と複合化したものも可能である。

0033

本発明の支持体を用いた場合は、一般に培養液は、寒天で用いる培養液濃度よりうすめた方が生育にとって良好となる。これは、液体培地であるため寒天に比べてより有効に培養液が利用され、最適な濃度が低くてすむ為である。なお、培養液を加える手間を省くため、成型の際に培養液の成分をあらかじめ支持体に加えておき成型しても構わない。

0034

また、培養条件としても培養する植物の種類等により、特に限定されるものではないが、培養環境下の二酸化炭素ガス濃度が300〜2000ppmの範囲内に維持されることが好ましい。二酸化炭素濃度が低すぎると、二酸化炭素濃度が光合成における生育の限定要因となることがあり、二酸化炭素濃度が高すぎると、二酸化炭素の利用効率が低下するだけでなく、生育に阻害的に働いてしまう可能性があるからである。

0035

さらに、光環境としては、光合成有効光量子束密度(PPF)50〜500μmol/m2/secの範囲内であることが好ましい。PPFが低すぎる場合、光合成が十分に行われず、PPFが高すぎると、生育障害を引き起こすことがあるためである。その他の培養条件、例えば、温度、光の種類、波長光照射方向明期暗期周期、培養液量、培養液濃度、培養液のpH等の培養に適する最適条件は、適宜、各々の条件を変えて培養を行うことによって、設定することができる。

0036

以下実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<実施例1>椰子殻繊維、木材パルプLBKP、およびセピオライトからなる支持体を、以下の方法によって作製した。木材パルプLBKP(平均繊維長1.2mm)1重量部を50重量部の水で解繊し、椰子殻繊維(平均繊維長10mm)9重量部とセピオライト(粒子サイズ80μm以下、化成製)3重量部を加えて混合した。この混合懸濁液を目開き355μmのふるい上に移して、自然に脱水させながら高さを揃えるように成型し、ケーキ状の成型体を得た。この成型体を十分脱水した後に90℃で乾燥し、50mm×50mm×20mmの大きさにカットし、植物組織培養の支持体とした。また、この支持体の乾燥後の密度は0.10g/cm3であった。

0037

<実施例2〜7>実施例2〜7における、椰子殻繊維、木材パルプLBKP、およびセピオライトからなる支持体を、各素材の重量組成比を表1に示すように変えて、実施例1と同様の方法に従って製造した。また、各支持体の乾燥後の密度はそれぞれ、実施例2では0.10g/cm3 、実施例3では0.11g/cm3、実施例4では0.11g/cm3、実施例5では0.10g/cm3 、実施例6では0.12g/cm3、実施例7では0.13g/cm3、であった。

0038

表1
────────────────────────────
重量組成比(重量部)
────────────────────────────
椰子殻パルプセピオライト
────────────────────────────
実施例1 9 1 3
実施例2 9 1 0.5
実施例3 9 1 1
実施例4 9 1 2
実施例5 9.5 0.5 1
実施例6 8 2 1
実施例7 7 3 1
────────────────────────────

0039

<比較例1>バーミキュライトとセルロース繊維を主成分とした植物組織培養培地(支持体)を、以下の方法に従って作製した。木材パルプLBKP(平均繊維長1.2mm)1重量部を50重量部の水で解繊し、中国産焼成バーミキュライト平均粒径2mm)5重量部を加えて混合した。この混合懸濁液を目開き355μmのふるい上に移して、自然に脱水させながら高さを揃えるように成型し、ケーキ状の成型体を得た。この成型体を十分脱水した後に90℃で乾燥し、50mm×50mm×20mmの大きさにカットし、植物組織培養の支持体とした。また、この支持体の乾燥後の密度は0.13g/cm3であった。
<比較例2>0.8重量%の寒天等を含む寒天培地を、植物組織培養の支持体とした。

0040

<実施例8>有糖培地培養における各支持体を使用した場合の植えやすさの評価、及び生育状況調査を行った。実施例1〜7の支持体、および比較例1の支持体をそれぞれ、ガス透過性を有さないポリカーボネート製密封容器(縦6×横6×高さ10cm)に入れ、これらにMS培養液(MS基本培養液、3%スクロース)45mlを入れ密封オートクレーブし培養培地とした。比較例2の支持体は、寒天を含むMS培養液(MS基本培養液 、3%スクロース、0.8%寒天)45mlを、ガス透過性を有さないポリカーボネート製密封容器(縦6×横6×高さ10cm)に入れ、密封オートクレーブしてかかる容器内に寒天培地として支持体を作製し、また、これを培養培地とした。

0041

これらに、トレニア無菌培養苗4節(約1cm)を挿した後、密封し3週間培養した。ここで培養条件は、温度:25度、湿度:70%、光量:6000lux、日照時間:16時間(暗期:8時間)、二酸化炭素濃度:外気(300ppm)である。苗の植えやすさ(操作性)の評価と3週間後の生育状況の調査(生体重乾物重茎長葉数発根率)の結果を表2に示す。

0042

なお、表に記載の生育状況は以下の様にして調査した。
生体重:根の部分を取り除いた生育後の植物体の重量。
乾物重:生体重を測定した植物体を乾燥した重量。(70度、24時間)
茎長:生育後の植物体の最も長いの部分。
葉数:生育後の植物体の葉の枚数
発根率:1cm以上の発根の有無。
また、オートクレーブ後の植えやすさ(操作性)の評価は ◎:非常によい、○:良好、△:やや難あり、×:使用不可で示してある。

0043

表2
───────────────────────────────
支持体操作性生育状況
生体重乾物重茎長葉数発根率
────────────────────
(mg) (mg) (mm) (枚) (%)
───────────────────────────────
実施例1 ◎ 120 14.4 15 3.1 85
実施例2 ○ 109 13.8 13.6 2.8 77
実施例3 ○ 101 12.1 13.5 2.7 67
実施例4 ○ 106 12.7 12.1 3.5 81
実施例5 ◎ 98 11.8 12.8 2.7 78
実施例6 ○ 120 13.5 11.8 2.8 73
実施例7 △ 138 14.1 12.6 2.9 89
比較例1 ◎ 97 13.3 13 2.9 86
比較例2 ◎ 88 10.8 9 2.2 21
───────────────────────────────
植物体数:N=40個体、測定値は1植物体当たりの値

0044

その結果、実施例1〜7における支持体を使用することで、従来から主に行われている寒天培養培地(比較例2)と比較し、発根率が向上し、生育が良好であることを確認した。

0045

<実施例9>無糖培地培養、気体透過性を有する培養容器における、実施例1〜7および比較例1の支持体を使用した場合の植えやすさの評価、及び生育状況の調査を行った。実施例1〜7の支持体、比較例1の支持体をそれぞれ、ガス通気性を有する蓋のポリカーボネート製密封容器(縦6×横6×高さ10cm)に入れ、これらにMS培養液(MS基本培養液のみ)45mlを入れオートクレーブし培養培地とした。

0046

ここでガス通気性を有する蓋は、直径10mmの通気口を有し容器本体と密着できるもので、また、多孔膜を保持するキャップはポリプロピレン樹脂を用い、蓋の通気口に多孔膜を隙間無く保持でき且つキャップの上部には通気口を設け、蓋の通気口部に密着できるようにしてある。また、ここで使用した多孔膜は、日本ポール社製、厚み:150μm、平均孔径:150μm、通気度:30sec/100ml、素材構成:フロロカーボン製、である。

0047

また、比較例2の支持体については、実施例8と同様に作製して支持体とし、またこれを培養培地とした。これらに、トレニア無菌培養苗4節(約1cm)を挿した後、密封し3週間培養した。

0048

ここで培養条件は、温度:25度、湿度:70%、光量:6000lux、日照時間:16時間(暗期:8時間)、二酸化炭素濃度:外気(300ppm)である。苗の植えやすさ(操作性)の評価と3週間後の生育状況の調査(生体重、乾物重、茎長、葉数、発根率)の結果を表3に示す。

0049

表3
───────────────────────────────
支持体操作性成育状況
生体重乾物重茎長葉数発根率
────────────────────
(mg) (mg) (mm) (枚) (%)
───────────────────────────────
実施例1 ◎ 109 14.0 18 5.6 90
実施例2 ○ 97 13.5 17 4.5 60
実施例3 ○ 89 11.3 15.7 3.1 65
実施例4 ○ 88 13.6 19.3 5.2 78
実施例5 ◎ 83 10.3 15.3 2.4 82
実施例6 ○ 98 11.1 17.8 3.4 93
実施例7 △ 105 12.1 19.3 2.5 73
比較例1 ◎ 97 12.1 17 2.4 79
比較例2 ◎ 88 10.8 9 2.2 21
───────────────────────────────
植物体数:N=40個体、測定値は1植物体当たりの値

0050

その結果、糖分(スクロース)を加えない培地であり、また、気体透過性を有する培養器中で実施例1〜7における支持体を使用することで、従来から主に行われている有糖寒天培養培地(比較例2)と比較し、発根率が向上し、ほぼ同等の生育を行うことができることを確認した。

0051

<実施例10>培養環境の外気の二酸化炭素濃度を、通常培養状態の約6倍(二酸化炭素濃度:2000ppm)に上げて試験を行った以外は、実施例9と同様の方法によって行い、それぞれの支持体を使用した場合の植えやすさの評価および生育状況の調査を行った。苗の植えやすさ(操作性)の評価と3週間後の生育状況の調査(生体重、乾物重、茎長、葉数、発根率)の結果を表4に示す。

0052

表4
─────────────────────────────────
支持体操作性成育状況
生体重乾物重茎長葉数発根率
────────────────────
(mg) (mg) (mm) (枚) (%)
─────────────────────────────────
実施例1 ◎ 304 22.5 21.3 8.2 100
実施例2 ○ 116 12.5 17 4.8 67
実施例3 ○ 101 10.8 15.7 3.8 57
実施例4 ○ 238 19.2 19.3 9 100
実施例5 ◎ 83 9.2 15.3 4.8 92
実施例6 ○ 139 16.7 17.8 5.7 100
実施例7 △ 172 15.8 19.3 7.2 100
比較例1 ◎ 97 13.3 13 2.9 58
比較例2 ◎ 88 10.8 9 2.2 21
─────────────────────────────────
植物体数:N=40個体、測定値は1植物体当たりの値

0053

その結果、気体透過性を有する培養器中で実施例1〜7における支持体を使用し、二酸化炭素濃度を向上させることにより、比較例1,2の支持体を使用した場合と比較して、植物体の成長を促進することを確認した。

発明の効果

0054

本発明の支持体を用いることで根の生長が良く植物体として極めて良好な状態となる。従って、この支持体を用いることで順化の工程が省け、歩留まりも向上することとなる。更に、使用後も土壌中で崩壊し、土壌成分の一部となる支持体を使用することにより、直接栽培用土に移植することが可能となり、手間の削減を図ることができ、環境的な面からも本支持体はロックウール等の支持体より優れている。また、本発明の支持体の主成分が繊維状組成物であるため、バーミキュライトを主成分とする支持体と比較して成型時等の操作性が向上し、また、支持体に粘土鉱物が添加されていることより給水速度が向上し、使用性を向上させ、さらに使用時の保水性(保肥性)が向上し、より良好な植物体を得ることができる。

0055

さらに、本発明の支持体を上記の培養容器と組み合わせて培養することで、容器内水蒸気も適度に透過していくので過湿が防止され、また、外部とのガス交換も生じることから、植物の健全な生育に必要な二酸化炭素の濃度が極端に低下するようなこともなく、上記効果がさらに顕著となる。

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