図面 (/)

技術 有限回転電動機

出願人 三菱電機株式会社
発明者 山崎芳昭今城昭彦上田淳齊藤光伯森安雅治高田雅樹八木直樹鉾館俊之祝靖彦井上正夫
出願日 2000年6月8日 (20年0ヶ月経過) 出願番号 2000-171819
公開日 2001年12月21日 (18年6ヶ月経過) 公開番号 2001-352793
状態 未査定
技術分野 ステッピングモータの制御
主要キーワード 回転推力 軸回り角度 演算出力信号 結線状況 円錐台筒 電磁石吸引力 非線形性補償 デジタル補償
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2001年12月21日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (20)

課題

ロータ回転角度に対応してロータとステータ間ギャップが変化するような場合においても、良好な制御性能が得られ、ロータを高速かつ高精度に位置決めすることができる有限回転電動機を提供する。

解決手段

ロータ2の回転角度を検出する回転角度検出手段38と、ロータの回転角度指令値20と前記回転角度検出手段により検出された回転角度をもとに前記回転角度指令値に対応したトルク指令値を求め、回転角度に対応して変化して非線形となるロータを回転させるトルクステータ巻線電流値との関係を補正するために予め求めて記憶しておいた非線形補正係数を用いて、前記トルク指令値と前記回転角度検出手段より検出された回転角度とから前記トルク指令値に対して線形化した前記巻線電流指令値32,34を演算出力する非線形性補償制御装置42とを備えた。

概要

背景

図25は例えば特公昭57—56304号公報に示されている従来技術による有限回転電動機の構成を示す図であり、(a)は基本構成を示すブロック図、(b)は断面図である。図25において、200は制御増幅器、202は駆動信号、210はケーシング、212はロータシャフト、216は光学的走査器である鏡、218は駆動コイルケーブル、220は変換器位置検出器)のリード線、222はロータ、224はステータ、226は棒ばね、234、236はボールベアリング、238、240は円筒形ロータ磁極面、242はロータのスロット、252、254、256、258はステータ224に設けられ、ロータ222と対向するステータティース、260は円筒形ステータ磁極面238、240を規定する端面、266はエアギャップ、268,270は永久磁石、272はヨーク、274,276は巻線、290は位置検出器である。

永久磁石268、270によりバイアス磁束F1,F2が形成されている。巻線274,276に電流を流すとステータティース252,258の磁束は強められ、他方、ステータティース254,256の磁束は弱められる。その結果、磁性体のロータ222はステータティース252,258に吸引されて時計周りに回転する。なお、この従来技術では円筒形ロータ磁極面238、240およびロータ222が回転しても対向するステータティース252,254,256,258との間のギャップは変化しないように構成されている。

ロータ222の回転角容量性位置検出器組立体290からリード線220を通じて制御増幅器200に入力される。駆動信号が入力202により制御増幅器200に加えられ、制御増幅器200の出力は巻線274、276に加えられる。巻線274、276中の電流は永久磁石268,270によって与えられるバイアス磁束F1,F2と相互作用する駆動磁束を生じさせてロータ222に角度的トルクを生じさせるが、これは棒ばね226によって与えられる復帰力によって逆らわれる。従ってロータ222および鏡216はこのようにしてボールベアリング234、236によつて規定される軸212の回りに回転状に駆動される。位置検出器290からの帰還信号閉ループ回路内の制御増幅器200に線220通じて加えられてロータ222の位置の監視および自動補正を行う。

しかしながら、上記のように構成された従来技術による有限回転電動機は、回転子222の構成が複雑かつ大きいため回転慣性増し高速化の妨げになるという問題点があった。特に、磁路F1、F2が通る断面積を大きくするためには円筒形回転子磁極面238、240の断面積を大きくする必要があり、かつ、発生トルクを大きくするためにはこれらの円筒形回転子磁極面238、240を回転子の中心からなるべく離した方が有利である。このため回転子の回転慣性は必然的に増すが、回転子の剛性はそれほど高くすることができないため回転子の撓みと回転の固有振動数が低くなり高速化を困難にしていた。

そこで、このロータの回転慣性を下げ、かつ、剛性を向上して上記のような従来技術の問題点を改善した先行技術による有限回転電動機として図26に示す有限回転電動機が挙げられる。図26は本願と同一出願人によって先に出願された特願平11−010820号の明細書に記載されている先行技術による有限回転電動機の構成を示す図であり、(a)は軸に垂直な断面図、(b)は軸方向の構造説明図である。図において、1はシャフト、2はロータ、3,4,5,6はステータティース、7,8,9,10は巻線、11はコアバッグである。12、13はシャフト1をコアバッグ11に対して、回転自由に保持する軸受、14はシャフト1に保持されたミラー、15、16はシャフト1に固定された発光素子、17,18は発光素子15,16の光束を検出する光検出器である。

このように構成されたものにおいて、巻線8,10に電流を流す。このとき、ティース4とロータ2との対向面がN極、ティース6とロータ2との対向面がS極となるように巻線8,10の巻き方向を設定している。ティース4,6やロータ2やシャフト1やコアバッグ11は鉄などの磁性体であり、巻線8,10の起磁力によって図22(a)の破線のように磁束が流れる。ロータ2とテーィス4、6間の空隙の磁束密度Bgによりロータ2とティース4,6間には磁気吸引力を発生する。ロータ2とシャフト1は軸受12、13により回転自由に支持されており、磁気吸引力Pによりロータ2はティース4、6に引き寄せられて反時計方向に回転する。この回転によりシャフト1に取り付けたミラー14が回転して光ビーム走査できる。また、反対の巻線7,9に電流を流せば、ティース3→ロータ2→ティース5→コアバッグ11→ティース3に磁束が流れ、ロータ2はティース3,5に引き寄せられて時計方向に回転する。巻線8,10と巻線7,9の電流のバランスを制御することでロータ2を正逆回転できる。

概要

ロータの回転角度に対応してロータとステータ間のギャップが変化するような場合においても、良好な制御性能が得られ、ロータを高速かつ高精度に位置決めすることができる有限回転電動機を提供する。

ロータ2の回転角度を検出する回転角度検出手段38と、ロータの回転角度指令値20と前記回転角度検出手段により検出された回転角度をもとに前記回転角度指令値に対応したトルク指令値を求め、回転角度に対応して変化して非線形となるロータを回転させるトルクとステータ巻線電流値との関係を補正するために予め求めて記憶しておいた非線形補正係数を用いて、前記トルク指令値と前記回転角度検出手段より検出された回転角度とから前記トルク指令値に対して線形化した前記巻線の電流指令値32,34を演算出力する非線形性補償制御装置42とを備えた。

目的

本発明は、上記のような従来のものの問題点を解決するためになされたものであり、ロータの回転角度に対応してロータとステータ間のギャップが変化するような有限回転電動機においても、良好な制御性能が得られ、ロータを高速かつ高精度に位置決めすることができる有限回転電動機を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

ロータ磁性体の受動部を設けると共にステータ励磁用巻線巻回し前記受動部とギャップを介して対向する複数個ティースを設け、前記ステータの巻線による発生磁界で前記ギャップに磁束を生じさせて前記ティースと前記受動部間に磁気吸引力を生じさせることでトルクを発生し、所定の有限回転角度の範囲内で前記ロータを回転させるように構成し、前記ロータの回転角度に対応して前記ギャップが変化する有限回転電動機であって、前記ロータの回転角度を検出する回転角度検出手段と、ロータの回転角度指令値と前記回転角度検出手段により検出された回転角度をもとに前記回転角度指令値に対応したトルク指令値を求め、回転角度に対応して変化して非線形となる前記トルクと巻線の電流値との関係を補正するために予め求めて記憶しておいた非線形補正係数を用いて、前記トルク指令値と前記回転角度検出手段より検出された回転角度とから前記トルク指令値に対して線形化した前記巻線の電流指令値演算出力する非線形性補償制御装置とを備えたことを特徴とする有限回転電動機。

請求項2

非線形性補償制御装置は、ロータの回転角度指令値に基づいて軌道を生成する軌道演算手段と、この軌道とロータの回転角度との誤差を求める角度誤差演算手段と、前記角度誤差演算手段で求められた角度誤差を増幅する角度制御ゲイン演算手段と、前記角度制御ゲイン演算手段の出力とロータの回転角速度との誤差を求める角速度誤差演算手段と、前記角速度誤差演算手段で求められた角速度誤差を増幅して前記回転角度指令値に対応したトルク指令値を出力する角速度制御ゲイン演算手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の有限回転電動機。

請求項3

補正係数は2次元多項式である請求項1または2記載の有限回転電動機。

請求項4

ギャップの変化に応じて変化する巻線のインダクタンスを、予め求めて記憶しておいたロータの回転角度とインダクタンスとの関係を用いて補償するように構成したことを特徴とする請求項1または2記載の有限回転電動機。

請求項5

非線形性補償制御装置より出力された電流指令値に基づいて巻線に流す電流フィードバック制御する手段を備え、回転角度検出手段により検出されたロータの回転角度に応じて前記電流フィードバック制御のゲインを補償するようにしたことを特徴とする請求項4記載の有限回転電動機。

請求項6

回転角度検出手段により検出されたロータの回転角度に応じて、角度制御ゲイン演算手段の角度制御ゲインおよび角速度制御ゲイン演算手段の角速度制御ゲインを補償することを特徴とする請求項4記載の有限回転電動機。

請求項7

ロータはシャフト潤滑剤を用いた軸受とを介してコアバックに対して回転可能に支持されており、前記軸受近傍の温度を検出する温度検出手段を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の有限回転電動機。

請求項8

温度検出手段によって検出された軸受近傍の温度に応じて、角度制御ゲイン演算手段の角度制御ゲインおよび角速度制御ゲイン演算手段の角速度制御ゲインを補償するようにしたことを特徴とする請求項7記載の有限回転電動機。

請求項9

軸受近傍の温度を調節する温度調節手段を備え、温度検出手段によって軸受近傍の温度を検出し、前記軸受が所定の温度になるように前記温度調節手段を制御するようにしたことを特徴とする請求項7記載の有限回転電動機。

請求項10

ステータティースの磁束を検出する手段を備え、検出された磁束に応じて電流指令値をフィードバック制御する手段を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の有限回転電動機。

請求項11

ロータの回転軸に直交する方向への撓みを検出する撓み検出手段を備え、検出されたロータの撓みを元へ戻すように構成したことを特徴とする請求項1または2記載の有限回転電動機。

請求項12

複数個のティースに巻回された各巻線に流す電流を独立に制御することによりロータの撓みを元へ戻すように構成したことを特徴とする請求項11記載の有限回転電動機。

請求項13

励磁用の巻線を巻回し受動部とギャップを介して対向する4個のティースを、ロータの回転軸に沿って2組設け、8本の上記巻線に流す電流を独立に制御することによりロータの撓みを元へ戻すように構成したことを特徴とする請求項11記載の有限回転電動機。

請求項14

ロータに撓み力を発生するアクチュエータを設けることによりロータの撓みを元へ戻すように構成したことを特徴とする請求項11記載の有限回転電動機。

請求項15

ロータはシャフトと軸受とを介してコアバックに対して回転可能に支持されており、前記軸受はシャフトと非接触でこれを回転可能に支持するものであることを特徴とする請求項1または2記載の有限回転電動機。

技術分野

0001

本発明は、ステータに設けた複数の電磁石を用いて磁性体のロータ吸引することで有限回転角回転力を生ずる有限回転電動機に関し、特に、ロータに取り付けた光学的走査器などの負荷高速度かつ高精度な位置決めに関するものである。

背景技術

0002

図25は例えば特公昭57—56304号公報に示されている従来技術による有限回転電動機の構成を示す図であり、(a)は基本構成を示すブロック図、(b)は断面図である。図25において、200は制御増幅器、202は駆動信号、210はケーシング、212はロータのシャフト、216は光学的走査器である鏡、218は駆動コイルケーブル、220は変換器位置検出器)のリード線、222はロータ、224はステータ、226は棒ばね、234、236はボールベアリング、238、240は円筒形ロータ磁極面、242はロータのスロット、252、254、256、258はステータ224に設けられ、ロータ222と対向するステータティース、260は円筒形ステータ磁極面238、240を規定する端面、266はエアギャップ、268,270は永久磁石、272はヨーク、274,276は巻線、290は位置検出器である。

0003

永久磁石268、270によりバイアス磁束F1,F2が形成されている。巻線274,276に電流を流すとステータティース252,258の磁束は強められ、他方、ステータティース254,256の磁束は弱められる。その結果、磁性体のロータ222はステータティース252,258に吸引されて時計周りに回転する。なお、この従来技術では円筒形ロータ磁極面238、240およびロータ222が回転しても対向するステータティース252,254,256,258との間のギャップは変化しないように構成されている。

0004

ロータ222の回転角は容量性位置検出器組立体290からリード線220を通じて制御増幅器200に入力される。駆動信号が入力202により制御増幅器200に加えられ、制御増幅器200の出力は巻線274、276に加えられる。巻線274、276中の電流は永久磁石268,270によって与えられるバイアス磁束F1,F2と相互作用する駆動磁束を生じさせてロータ222に角度的トルクを生じさせるが、これは棒ばね226によって与えられる復帰力によって逆らわれる。従ってロータ222および鏡216はこのようにしてボールベアリング234、236によつて規定される軸212の回りに回転状に駆動される。位置検出器290からの帰還信号閉ループ回路内の制御増幅器200に線220通じて加えられてロータ222の位置の監視および自動補正を行う。

0005

しかしながら、上記のように構成された従来技術による有限回転電動機は、回転子222の構成が複雑かつ大きいため回転慣性増し高速化の妨げになるという問題点があった。特に、磁路F1、F2が通る断面積を大きくするためには円筒形回転子磁極面238、240の断面積を大きくする必要があり、かつ、発生トルクを大きくするためにはこれらの円筒形回転子磁極面238、240を回転子の中心からなるべく離した方が有利である。このため回転子の回転慣性は必然的に増すが、回転子の剛性はそれほど高くすることができないため回転子の撓みと回転の固有振動数が低くなり高速化を困難にしていた。

0006

そこで、このロータの回転慣性を下げ、かつ、剛性を向上して上記のような従来技術の問題点を改善した先行技術による有限回転電動機として図26に示す有限回転電動機が挙げられる。図26は本願と同一出願人によって先に出願された特願平11−010820号の明細書に記載されている先行技術による有限回転電動機の構成を示す図であり、(a)は軸に垂直な断面図、(b)は軸方向の構造説明図である。図において、1はシャフト、2はロータ、3,4,5,6はステータティース、7,8,9,10は巻線、11はコアバッグである。12、13はシャフト1をコアバッグ11に対して、回転自由に保持する軸受、14はシャフト1に保持されたミラー、15、16はシャフト1に固定された発光素子、17,18は発光素子15,16の光束を検出する光検出器である。

0007

このように構成されたものにおいて、巻線8,10に電流を流す。このとき、ティース4とロータ2との対向面がN極、ティース6とロータ2との対向面がS極となるように巻線8,10の巻き方向を設定している。ティース4,6やロータ2やシャフト1やコアバッグ11は鉄などの磁性体であり、巻線8,10の起磁力によって図22(a)の破線のように磁束が流れる。ロータ2とテーィス4、6間の空隙の磁束密度Bgによりロータ2とティース4,6間には磁気吸引力を発生する。ロータ2とシャフト1は軸受12、13により回転自由に支持されており、磁気吸引力Pによりロータ2はティース4、6に引き寄せられて反時計方向に回転する。この回転によりシャフト1に取り付けたミラー14が回転して光ビーム走査できる。また、反対の巻線7,9に電流を流せば、ティース3→ロータ2→ティース5→コアバッグ11→ティース3に磁束が流れ、ロータ2はティース3,5に引き寄せられて時計方向に回転する。巻線8,10と巻線7,9の電流のバランスを制御することでロータ2を正逆回転できる。

発明が解決しようとする課題

0008

上記のような先行技術による有限回転電動機は以上のように構成されており、ロータの回転角度に対応してロータとステータ間のギャップが変化するため、電流−回転角度−トルクの間に強い非線形の関係があり、良好な制御性能を得るのが困難であるという問題点があった。

0009

本発明は、上記のような従来のものの問題点を解決するためになされたものであり、ロータの回転角度に対応してロータとステータ間のギャップが変化するような有限回転電動機においても、良好な制御性能が得られ、ロータを高速かつ高精度に位置決めすることができる有限回転電動機を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明の第1の構成に係る有限回転電動機は、ロータに磁性体の受動部を設けると共にステータに励磁用の巻線を巻回し前記受動部とギャップを介して対向する複数個のティースを設け、前記ステータの巻線による発生磁界で前記ギャップに磁束を生じさせて前記ティースと前記受動部間に磁気吸引力を生じさせることでトルクを発生し、所定の有限回転角度の範囲内で前記ロータを回転させるように構成し、前記ロータの回転角度に対応して前記ギャップが変化する有限回転電動機であって、前記ロータの回転角度を検出する回転角度検出手段と、ロータの回転角度指令値と前記回転角度検出手段により検出された回転角度をもとに前記回転角度指令値に対応したトルク指令値を求め、回転角度に対応して変化して非線形となる前記トルクと巻線の電流値との関係を補正するために予め求めて記憶しておいた非線形補正係数を用いて、前記トルク指令値と前記回転角度検出手段より検出された回転角度とから前記トルク指令値に対して線形化した前記巻線の電流指令値演算出力する非線形性補償制御装置とを備えたものである。

0011

本発明の第2の構成に係る有限回転電動機は、非線形性補償制御装置は、ロータの回転角度指令値に基づいて軌道を生成する軌道演算手段と、この軌道とロータの回転角度との誤差を求める角度誤差演算手段と、前記角度誤差演算手段で求められた角度誤差を増幅する角度制御ゲイン演算手段と、前記角度制御ゲイン演算手段の出力とロータの回転角速度との誤差を求める角速度誤差演算手段と、前記角速度誤差演算手段で求められた角速度誤差を増幅して前記回転角度指令値に対応したトルク指令値を出力する角速度制御ゲイン演算手段とを備えたものである。

0012

本発明の第3の構成に係る有限回転電動機は、補正係数は2次元多項式であるものである。

0013

本発明の第4の構成に係る有限回転電動機は、ギャップの変化に応じて変化する巻線のインダクタンスを、予め求めて記憶しておいたロータの回転角度とインダクタンスとの関係を用いて補償するように構成したものである。

0014

本発明の第5の構成に係る有限回転電動機は、非線形性補償制御装置より出力された電流指令値に基づいて巻線に流す電流をフィードバック制御する手段を備え、回転角度検出手段により検出されたロータの回転角度に応じて前記電流フィードバック制御のゲインを補償するようにしたものである。

0015

本発明の第6の構成に係る有限回転電動機は、回転角度検出手段により検出されたロータの回転角度に応じて、角度制御ゲイン演算手段の角度制御ゲインおよび角速度制御ゲイン演算手段の角速度制御ゲインを補償するものである。

0016

本発明の第7の構成に係る有限回転電動機は、ロータはシャフトと潤滑剤を用いた軸受とを介してコアバックに対して回転可能に支持されており、前記軸受近傍の温度を検出する温度検出手段を備えたものである。

0017

本発明の第8の構成に係る有限回転電動機は、温度検出手段によって検出された軸受近傍の温度に応じて、角度制御ゲイン演算手段の角度制御ゲインおよび角速度制御ゲイン演算手段の角速度制御ゲインを補償するようにしたものである。

0018

本発明の第9の構成に係る有限回転電動機は、軸受近傍の温度を調節する温度調節手段を備え、温度検出手段によって軸受近傍の温度を検出し、前記軸受が所定の温度になるように前記温度調節手段を制御するようにしたものである。

0019

本発明の第10の構成に係る有限回転電動機は、ステータティースの磁束を検出する手段を備え、検出された磁束に応じて電流指令値をフィードバック制御する手段を備えたものである。

0020

本発明の第11の構成に係る有限回転電動機は、ロータの回転軸に直交する方向への撓みを検出する撓み検出手段を備え、検出されたロータの撓みを元へ戻すように構成したものである。

0021

本発明の第12の構成に係る有限回転電動機は、複数個のティースに巻回された各巻線に流す電流を独立に制御することによりロータの撓みを元へ戻すように構成したものである。

0022

本発明の第13の構成に係る有限回転電動機は、励磁用の巻線を巻回し受動部とギャップを介して対向する4個のティースを、ロータの回転軸に沿って2組設け、8本の上記巻線に流す電流を独立に制御することによりロータの撓みを元へ戻すように構成したものである。

0023

本発明の第14の構成に係る有限回転電動機は、ロータに撓み力を発生するアクチュエータを設けることによりロータの撓みを元へ戻すように構成したものである。

0024

本発明の第15の構成に係る有限回転電動機は、ロータはシャフトと軸受とを介してコアバックに対して回転可能に支持されており、前記軸受はシャフトと非接触でこれを回転可能に支持するものである。

発明を実施するための最良の形態

0025

実施の形態1.図1は本発明の実施形態1による有限回転電動機の構成の概要を示すブロック図、図2図1の内部の構成をさらに詳細に示すブロック図である。図1において、1はシャフト、2はロータ、3,4,5,6はステータティース、7,8,9,10は各ティース3,4,5,6に巻かれた巻線である。11はステータのコアバッグであり、各ステータティース3,4,5,6を外側から連結している。20は回転角度指令値(離散値)θ*(k)、32は非線形性補償制御装置42の出力である電流指令値i1*、33は電流指令値i1*に基づいて巻線7,9に電流を流す電流アンプ、34は非線形性補償制御装置42のもう一つの出力である電流指令値i2*、35は電流指令値i2*に基づいて巻線8,10に電流を流す電流アンプ、36は巻線7,9に流れる電流i1、37は巻線8,10に流れる電流i2である。38はシャフト1とコアバック11との相対的角度を検出する角度検出器であり、例えばポテンショメータ光学式エンコーダが用いられ、コアバッグ11のミラー側あるいはミラーの反対側に設けられる。39はシャフト1とコアバック11との相対的角速度を検出する角速度検出器であり、例えばタコジェネレータが用いられ、角度検出器と同様にコアバッグ11のミラー側あるいはミラーの反対側にに設けられる。なお、角速度検出器の代わりにポテンショメータの角度信号オペアンプなどにより電気的に微分して用いることもできる。同様に、光学式エンコーダの角度信号をデジタルコントローラ内で数値微分して用いることもできる。40は角度検出器38の出力である角度信号θ、41は角速度検出器39の出力である角速度信号(dθ/dt)である。42は非線形性補償制御装置であり、ロータの回転角度指令値20(θ*(k))と回転角度検出手段38により検出された回転角度40(θ)をもとに回転角度指令値20(θ*(k))に対応したトルク指令値を求め、回転角度40(θ)に対応して変化して非線形となるトルクと巻線の電流値との関係を補正するために予め求めて記憶しておいた非線形補正係数を用いて、トルク指令値と回転角度検出手段38より検出された回転角度40(θ)とからトルク指令値に対して線形化した巻線の電流指令値i1*,i2*を演算出力する。

0026

図2において、21は離散的指令角度20(θ*(k))に基づいて連続した軌道を生成する軌道演算手段、22は軌道演算手段から出力される軌道角度指令信号θ*、23は軌道角度信号22(θ*)とステータ回転角度検出器38からの検出角度信号40(θ)との差分を演算する角度誤差演算手段、24は角度誤差信号、25は角度誤差信号24を増幅する角度制御ゲイン演算手段、26は角度制御ゲイン演算手段25からの角度制御ゲイン演算出力信号、27は角度制御ゲイン演算出力信号26と角速度検出器39からの角速度信号41(dθ/dt)との差分を演算する角速度誤差演算手段、28は角速度誤差信号、29は角速度誤差信号28を増幅する角速度制御ゲイン演算手段、30は角速度制御ゲイン演算手段29の出力となるトルク指令値Tm*、31は回転角度40(θ)に対応して変化して非線形となるトルクと巻線の電流値との関係を補正するために予め求めて記憶しておいた非線形補正係数を用いて、トルク指令値Tm*30と角度信号40に基づきトルク指令値Tm*30に対して線形化した電流指令値i1*,i2*を出力する非線形性補償演算手段である。非線形性補償制御装置42は、軌道演算手段21、角度制御ゲイン演算手段25、角速度制御ゲイン演算手段29、非線形性補償演算手段31などから構成され、例えばコンピュータで実現されている。ここで、有限回転電動機の軸方向の構造説明図は従来例の図26(b)と同一であるので説明を省いている。

0027

次に、この有限回転電動機の動作について説明する。はじめに、非線形性補償制御装置42の主要な構成要素である非線形性補償演算手段31の演算処理内容について説明する。有限回転電動機のロータ2に発生するトルクTmは用いるティース3,4,5,6やコアバッグ11の材料の透磁率μ無限大で、磁気飽和磁束漏れ磁気ヒステリシスが生じていない理想的な場合、次の式(1)で示される。

0028

0029

ここで、Tm1は巻線7,9に通電することでロータ2に時計回りの方向に発生するトルク、Tm2は巻線8,10に通電することでロータロータ2に反時計回りの方向に発生するトルク、rはロータ2の有効腕長さ、μ0は真空透磁率でありμ0=4π×10-7[H/m]、Nは巻線7,9のターン数を等しくN1とすると、これらを直列に接続したときN=N1×2、並列に接続した場合はN=N1となるコイル巻数であり、ここでは、何れも並列に接続した場合として巻線8,10のコイル巻数も等しくN=N1とする。Sは各ティースの有効断面積、z0はティースとロータのエアギャップが全て等しくなるロータ2の回転角度を0degとした時のティース3,4,5,6,とロータ2の間にできる有効エアギャップ、zはロータ2を回転することで変動するエアギャップである。なお、kは一般に電磁石吸引力係数と呼ばれる係数である。また、エアギャップzとロータ2の回転角度θの関係は式(2)で近似できる。

0030

0031

ここで、b、cはティースとロータ形状によって決まる定数である。

0032

図3(a)は本実施の形態による有限回転電動機の動作を説明する図であり、具体的には、式(1)に基づいて巻線7,9のみに電流i1をそれぞれi1=5,10,15,20A流した時にロータ2に発生する理想的トルクTmを横軸をロータ2の回転角度θ、縦軸を発生トルクTmとしてプロットした図である。図3(a)よりギャップの狭まる回転角度θのマイナス側で発生トルクTmは急激に増加すること、および電流値の二乗でトルクが増加することがわかる。図3(b)は本実施の形態による有限回転電動機の動作を説明する図であり、具体的には、実際の有限回転電動機の巻線7,9に電流i1をそれぞれi1=5,10,15,20A通電し、ロータ2に発生したトルクTmを実測した一例である。i1=5Aの実測ポイントを○印で、i1=10Aの実測ポイントを*印で、i1=15Aの実測ポイントを×印で、i1=20Aの実測ポイントを+印で、それぞれプロットしている。図3(b)より実際の有限回転電動機では磁束飽和磁気漏れの影響が大きく現れるため図3(a)の理想的な発生トルクTmに比べてトルク値が大きい箇所で極端にトルク値が減少していることが分かる。図4(a)は本実施の形態による有限回転電動機の動作を説明する図であり、具体的には、図3(a)の理想的発生トルクを横軸を巻線7,9電流i1、縦軸を発生トルクTmとしてロータ2の回転角度θごとにプロットした図である。同じく、図4(b)は実際の有限回転電動機の発生トルクをまとめたものである。図4(a)と図4(b)を比較すると発生トルクTmの大きい領域で実際の有限回転電動機の発生トルクTmが著しく制限され式(1)の関数記述できないことが分かる。

0033

有限回転電動機を高速で高精度に位置決めするには、図2の電流値36(i1)、37(i2)や角度信号40(θ)に関わらず、トルク指令値30(Tm*)に一致したトルクTmをロータ2に発生させる必要がある。しかし既に式(1)と式(2)に示したように、トルクTmと、電流iと、ロータ角度θ(ギャップzに比例)との3つの変数の間には強い非線形性があり、図3および図4に示したように実際の有限回転電動機では磁束飽和や磁気漏れにより非線形性がさらに強まる。そこで、これら全てを考慮して指令通りのトルクTmをロータ2に発生するために図2に示した非線形性補償演算手段31を用いる。非線形性補償演算手段31の内部には前述の理論式(1)および式(2)と実験値に基づいた2次元多項式の補正係数を予めメモり上に記憶してあり、入力としてトルク指令値30(Tm*)と、ロータ2の角度信号40(θ)とを入力することで必要な電流指令値32(i1*),34(i1*)を演算出力する。

0034

次に、具体的な非線形性補償演算手段31の内部に設定する2次元多項式の補正係数の導出方法の一例を説明する。まず、電流iはトルクTmと角度θの関数f(Tm、θ)であるので、これを式(3)に示すように2次元の線形多項式で近似する。

0035

0036

各係数b00〜bnmの導出図5に示す具体例にを基に説明すると次のようになる。図5(a)は本実施の形態による有限回転電動機の動作を説明する図であり、具体的には、巻線7,9に電流i1=5、10,15、20A流したときのロータ2の発生トルクTmを縦軸に、ロータ2の回転角度θを横軸にして実験データを丸印で記述したデータの一例である。実験データは離散値的であるので、この実験データをカーブフィットして連続的データとして、これを実線で示している。図4の例では、7次の多項式近似を行っている。

0037

図5(b)は本実施の形態による有限回転電動機の動作を説明する図であり、具体的には、図5(a)よりロータ2の回転角度θを−9degから9degまで1deg刻みで読みとり、ロータ2の発生トルクTmを横軸に、電流値i1を縦軸に描いた特性図である。図5(a)より読みとった点を丸印でプロットしており、各ロータ2の回転角度θごとに4点の丸印があり、さらに、これをなるべく低次の多項式で誤差が少なくなるように近似する。図5においては3次関数で多項式近似した結果を19本の実線で記述している。このとき、−9deg〜9degの18個のトルクTmと電流iの3次関数の各係数は式(4)で示される。

0038

0039

式(4)より、具体的な形で図5(b)の結果より得られた係数cをマトリクスで書き示すと式(5)のような値になる。

0040

0041

図6(a)は本実施の形態による有限回転電動機の動作を説明する図であり、具体的には、図5(b)の多項式近似より得られた係数マトリクスcをトルクTmの0次の係数、1次の係数、2次の係数、3次の係数の4つに分け横軸をロータ2の角度θとしてプロットした結果である。次に、この係数を多項式近似してその係数を求める。図6(a)の例では5次の多項式近似により係数マトリクスcをほぼ良好に近似でき、近似した結果を実線で記述している。0次から3次までの係数an(θ)(n=1,...,3)とロータ回転角θおよび5次多項式近似の係数の関係は式(6)で示される。

0042

0043

具体的な形で式(6)の結果より得られた係数an(θ)マトリクスを書き示すと式(7)のような値になっている。

0044

0045

式(7)をよく見るとマトリクスの第1行の値は何れもに近い小さい値であることが分かる。式(3)でトルクTm=0とした場合、i=a0(θ)となる。トルクTm=0であれば必ず電流i=0であるので、a0(θ)はロータ2の回転角度θに関わらず零になる必要があることが分かる。このことから式(7)のマトリクスの第一行は全て零であり、ここに示される値は多項式近似演算における誤差である。このことから、式(3)と式(7)は次式(8),(9)のように書き改められる。

0046

0047

なお、式(8),(9)は巻線7,9に通電した場合の電流値i1の演算方法の一例である。有限回転電動機の各ティース3,4,5,6はロータ2に対して対称位置関係にあるので、巻線8,10についても式(2),(8),(9)においてロータ2の角度θをマイナスとして演算することで電流値i2が求まり、係数マトリクスbは同一である。

0048

図6(b)は本実施の形態による有限回転電動機の動作を説明する図であり、具体的には、式(7)の係数を用いて式(3)よりロータ2の回転角度θとトルクTmを与えて、電流値iを再び計算した結果であり、横軸を巻線7,9の電流値i1、縦軸をトルクTmとしている。ロータ2の回転角度θは−9degから+9degまで1deg刻みで与え、図6(b)には合計19本の曲線が描かれている。図6(b)に示す丸印は電流値i1=5、10、15、20Aに対応する点を図5(a)の実験値を基に読みとりプロットした点である。図6(b)より丸印と曲線はよく一致しており、式(3)に基づいて求めた2次元多項式近似による近似が有効であることが確認できる。これより、図2に示すトルク指令値30(Tm*)とロータ2の回転角度40(θ)が予め与えられれば、ロータ2にトルク指令値Tm*と同じトルクTmを発生するのに必要な電流指令値32(i1*),34(i2*)を演算して出力できる。

0049

図2の非線形性補償演算手段31は前述の式(7)の係数マトリクスaを用いる有限回転電動機の特性に併せて予め実験的、解析的に求め、これを式(3)でリアルタイムで演算出力するものである。係数マトリクスbの次数は有限回転電動機の特性に応じて変わるが、たいていの場合n×m=6×4程度でほぼ満足できる近似が得られる。具体的な例として示した図5および図6の例において、必要な乗算は24回、加算が18回であり、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)などの高速演算素子を用いれば十分リアルタイムで補償できる演算量に納まる。また、演算素子処理能力余裕があれば、マトリクスの次数を上げることで精度を向上できる。

0050

次に、非線形性補償制御装置42の内部における非線形性補償演算器31以外の動作について説明する。離散値的な角度指令値20(θ*(k))がNC数値制御装置)などの外部のコントローラから与えられると、軌道生成手段21により連続的な軌道角度指令信号23が生成される。軌道角度指令信号23(θ*)と角度検出器38による角度信号40(θ)との差分である角度誤差信号25が角度誤差演算手段23により演算される。角度誤差信号25を比例要素積分要素微分要素などの補償器を有する角度制御ゲイン演算手段25により増幅して角度制御ゲイン演算出力信号26が生成される。さらに、角速度検出器39による角速度信号41(dθ/dt)との差分である角速度誤差信号28が角速度誤差演算手段27により演算される。角速度誤差信号28を補償要素を有する角速度制御ゲイン演算手段29により増幅することでトルク指令値30(Tm*)が生成される。非線形性補償演算器31にはトルク指令値30(Tm*)と角度信号40(θ)が入力され、例えば、前述の式(2)と式(8),(9)により必要な電流指令値32(i1*)、34(i2*)が求まる。ロータ2を時計方向に回転するには、電流指令値32(i1*)を電流アンプ33に入力して巻線7,9に電流36(i1)を流し、ロータ2を反時計方向に回転するには、電流指令値34(i2*)を電流アンプ35に入力して巻線8,10に電流37(i2)を流すことで、ロータ2はトルク指令値31(Tm*)と線形な関係で等しいトルクTmを、ロータ2の角度θに関わらず発生することができる。

0051

図7は本実施の形態による有限回転電動機の動作を説明する図であり、具体的には、前述のようにトルク指令値30(Tm*)とロータ2の角度θより式(8)、式(9)を演算して得られる巻線電流値36(i1),37(i2)との関係を時刻歴波形で図示したものである。ここに用いた電磁石は吸引力を発生することはできるが反発力は発生できないため、正逆回転をロータ2に発生するには、巻線7,9に電流を正(+)側のみとして零になる時点で巻線8,10に瞬時に切り変えて通電する。図7(a)にティース3,5とティース4,6のエアギャップが等しいロータ2の角度θ=0degの場合の指令トルク30(Tm*)と、巻線7,9の電流36(i1)と、巻線8,10の電流37(i2)との関係を横軸を時間としてその波形を図示している。トルク指令Tm*として正弦波を与えた場合、トルクが正(+)側で巻線7,9に正弦波状に電流(i1)を通電し、その間巻線8,10の電流i2は零である。トルク指令値Tm*が負(−)になる時点で電流i1は零となり、電流i2は正(+)側に正弦波状に通電される。ロータ2の角度θ=0degの場合、理想的には正弦波状の電流値はi1とi2で等しくなる。図7(b)には、ティース3,5のエアギャップが広くティース4,6のエアギャップが狭いロータ角度θ=−8degの例を示している。巻線7,9の電流i1が巻線8,10の電流i2に比べ大きくなることが示されている。図7(c)には、ティース3,5のエアギャップが狭くティース4,6のエアギャップが広いロータ角度θ=8degの例を示している。図8(b)の場合とは逆に、巻線7,9の電流i1が巻線8,10の電流i2に比べ小さくなることが示されている。なお、式(8),(9)から分かるように電流iとトルク値Tmは非線形な関係にあるので、トルク指令値30(Tm*)が正弦波でも電流値i1、i2は必ずしも正弦波とはならない。

0052

以上のように構成した非線形性補償制御手段42を用いることでトルクと電流とロータ2の回転角度に非線形性を有する有限回転電動機においても、線形性が良好で高速かつ高精度な位置決め制御が実現できる。

0053

実施の形態2.図8は本発明の実施の形態2による有限回転電動機の動作を説明するための図であり、具体的には有限回転電動機の制御装置の電流アンプの内部構成を示すブロック図である。図において、45は電流指令値32,34(i1*,i2*)と電流値36,37(i1,i2)の差分を増幅する電流制御ゲイン演算手段、46は巻線に加える巻線電圧(v)、47はラプラス演算子sを用いて表した電磁石モデル、48は回転推力定数、49はロータ発生トルクである。

0054

図9は本発明の実施の形態2による有限回転電動機の動作を説明するための図であり、具体的には有限回転電動機の巻線7,9と巻線8,10のインダクタンスとロータ回転角の関係(図9(a))、および電流アンプの制御帯域の変化を示す特性図(図9(b))である。

0055

図10は本発明の実施の形態2による有限回転電動機の構成の概要を示すブロック図である。図において、43はロータ2の角度θによって各ティース3,4,5,6とロータ2のエアギャップが変わることで変化する巻線7,9と巻線8,10のインダクタンスを推定するインダクタンス演算手段、44はインダクタンス推定値L1、L2である。33,35はインダクタンス推定値44により制御帯域を可変する電流アンプである。それ以外の構成要素は前述の実施の形態1と同一である。

0056

図11図10の内部の構成をさらに詳細に示すブロック図である。図において、50はロータ角度40(θ)に応じて制御ゲインを可変できる角度可変電流制御ゲイン演算手段、51は電磁石の電圧入力電流出力の関係をラプラス演算子sを用いて記述した伝達特性においてインダクタンスLが角度θの関数とした角度可変電磁石モデル、52はラプラス演算子sを用いて記述したロータ慣性モデル、53は積分演算子である。

0057

次に動作について説明する。前述の実施の形態1では、電流アンプ33,35は電流指令値32(i1*),34(i2*)に比例した電流36(i1),37(i2)が流せる理想的な場合を示しているが、実際の電磁石には図8に示すような電流帰還制御系を用いて電流アンプ33,35を構成している。電流指令値32(i1*),34(i2*)と電流36(i1),37(i2)の誤差を電流制御ゲイン演算手段45で増幅する。なお、電流制御ゲイン演算手段45内部には比例要素、積分要素、微分要素などの補償器が含まれている。電流36(i1),37(i2)が巻線7,8,9、10に通電されるとロータ角度と電流値の関数である回転推力定数48(Kt(θ))に対応したトルク49(Tm)がロータ2に発生する。しかし、有限回転電動機に用いられる電磁石の入力電圧出力電流の関係はインダクタンスLと巻線抵抗Rの関数であり、さらに、インダクタンスLは次の式(10)に示すようにエアギャップzに反比例している。

0058

0059

ロータ2回転角度θとエアギャップzは式(2)の関係にあり、このθとインダクタンスLの関係を図示した一例が図9(a)である。ロータ2の回転角度θを横軸にコイルインダクタンスLを縦軸に、巻線7,9の特性を実線で巻線8,10の特性を破線で示している。ロータ2の回転角度θ=0のとき実線と破線は交わりインダクタンスL0となる、エアギャップzが式(2)に基づき狭まることでインダクタンスLは式(10)に従い反比例的に増加し、エアギャップzが広がることで反比例的に減少する。図9(a)に示すようにコイルインダクタンスの最大値LH最小値LLは2倍近く異なるため、図8に示した電流制御系周波数帯域図9(b)に示すようにエアギャップzにより大きく変化する。さらに、磁気飽和や磁束漏れなどの非線形的特性も加わる。図9(b)の実線はエアギャップzが狭いとき、破線はzが広いときの特性を示し、横軸を対数スケール周波数、縦軸を電流指令値i*と電流値iの比(i/i*)のゲインをデシベル(dB)スケールで表示している。ゲインが0dBならば、指令値i*に一致した電流iが出力されるが、例えば、図9(b)に示すように電流制御周波数fiで折れ曲がり、これ以上の周波数では電流出力iは−20dB/decの傾きで減少する。電流制御周波数fiは巻線抵抗R、インダクタンスLおよび電流制御ゲイン演算手段45で決まり、電流制御ゲイン演算手段45の補償要素が比例要素Kiの場合、fiは次の式(11)で示される。

0060

0061

式(11)からインダクタンスLが大きくなるほど電流制御の帯域が狭くなることが分かる。ロータ2をより高速かつ高精度に位置決めするには前述の図2の角度制御ゲイン演算手段25および角速度制御ゲイン演算手段29などにより決まる角度制御の帯域fpを大幅に高くする必要がある。この位置制御帰還ループよりも内側に帰還ループのある電流制御帯域fiは位置制御帯域fpより数倍の高い制御帯域を持つ必要があり、fiがfpに近づいてくるとロータの位置制御の速度と精度に悪影響を及ぼす。図9(b)のfiが2倍も異なれば、角度θに応じてロータの位置決め精度劣化してしまう。そこでこのインダクタンスLの変化を予め、実験的、解析的に求めた図9(a)の関係からロータ2の回転角度θよりインダクタンス演算手段43によりインダクタンスLを演算し、この値に基づき非線形性補償制御装置の電流出力指令値32(i1*)、34(i2*)を補償することで、電流制御帯域fiの変化を補償し、インダクタンスの変化によらず電流制御帯域fiを一定に保ち、高速で高精度なロータ2の位置決め制御が可能である。

0062

次に、図10および図11で示した本発明の実施の形態2による有限回転電動機の動作について説明する。前述の図8および図9を用いた説明において示したように、電流制御帯域fiとインダクタンスLの関係は式(11)で示される。fiを一定に保つには角度θによるLの変化を電流制御ゲインKiを調整することで補償すれば、電流制御帯域fiを一定に保つことができる。式(11)をKiについての式に書き改めると次の式(12)を得る。

0063

0064

ここで、L(θ)はインダクタンスLが角度θの関数であること、Ki(θ)は電流制御ゲインKiが角度θの関数であることを示す。あらかじめ、角度θに関するインダクタンスLの変化が前述の図9(a)ように与えられていれば、電流制御帯域fiを一定とする電流制御ゲインKi(θ)を与えることができる。図10に示すようにロータ2の角度40(θ)をセンサで検出し前述の図9(a)の関係に基づきインダクタンス演算算手段43によりインダクタンスLの推定値を求め、これに基づき電流アンプ33、35の制御ゲインを可変すればよい。図11に示すようにロータ2の角度40(θ)に応じて電流制御ゲイン演算手段50により(Ki(L)、なお、ここでKi(L)は電流制御ゲインKiが角度Lの関数であることを示し、式(12)のθの関数ではなく、図9(a)の関係からインダクタンスLの関数として図示している。)を可変して角度θに応じて特性の変わる角度可変電磁石モデル51に加える電圧46(v)を与えることで電流制御帯域fiは一定とできる。電流制御ゲインKiの調整を行うにはオペアンプ等のアナログ演算子で例えば式(12)を演算する。あるいは、角度信号θをAD変換器デジタル信号に変換しデジタル計算機で演算しDA変換器アナログ出力することでも実現できる。以上のように電流制御ゲイン演算器50を構成することでロータ2の角度θに関わらず高速で高精度に位置決め制御することができる。

0065

実施の形態3.図12は本発明の実施の形態3による有限回転電動機の構成の概要を示すブロック図である。図において、42はロータ2の角度40、ロータ角速度41、および、インダクタンス推定値44に基づき、電流指令値32,34を補正する非線形性補償制御装置である。それ以外の構成要素は前述の実施の形態2と同一である。

0066

図13図12の内部の構成をさらに詳細に示すブロック図である。図において、54はロータ2の角度40(θ)に応じて変化するインダクタンスLにより角度ゲインを調整する角度可変角度制御ゲイン演算手段、55は角度40(θ)に応じて変化するインダクタンスLにより角速度ゲインを調整する角度可変角速度制御ゲイン演算手段である。

0067

次に動作について説明する。前述の実施の形態2では電流制御ゲインKiを角度θの関数とすることで調整して電流制御帯域fiを一定に保っていたが、位置決め制御を高速にするためには電流制御帯域fiは非常に高い帯域にすることが必要である。そのためには電流制御ゲインKi(θ)をアナログ演算子であるオペアンプなどにより補償すればよいが、前述の図9(a)に示すようにロータ回転角度θとコイルインダクタンスLの関係は反比例的な高次関数になる。このような関係をオペアンプ等の回路素子で実現するのは難しく、近似する関数を2次関数程度に下げて補償する必要がある。一方、AD変換器等で角度θをデジタル変換デジタル補償すれば高次関数でも容易に補償できるが、AD変換などによる変換時間やCPUにおける演算時間による遅れが大きくなり電流制御帯域fiが十分に高くすることが困難であり何れも長所と短所がある。そこで、前述の実施の形態2に変わる手段として、図12に示すように電流アンプ33,35内部の電流制御ゲインKiを補償する変わりに非線形性補償制御装置42内部の角度制御ゲインKpと角速度制御ゲインKvを角度θの関数として補償することで、角度θによりコイルインダクタンスLが変化する影響を補償する。

0068

角度θによりLが変化すると前述の図9(b)に示すように電流制御帯域fiが変化し、これによりロータ2の位置決め制御における位置誤差が増加する。インダクタンスLの変化によりロータ角度信号40(θ)の振動減衰が大きくなる(減衰不足状態)場合は、図13ブロック線図に示す角度可変角速度制御ゲイン演算手段55の制御ゲインKv(L)を大きくすることで減衰量を増して振動減衰を大きくすることで素早く角度を静定できる。逆に、インダクタンスLの変化によりロータ角度信号40(θ)の振動減衰が小さいくなり(過減衰状態)速やかに目標角度に到達できない場合は、角度可変角速度制御ゲイン演算手段55の制御ゲインKv(L)を小さくすることで減衰量を減らして振動減衰を小さくし、素早く目標角度に静定することができる。同様に、インダクタンスLの変化によりロータ角度信号40(θ)の角度誤差信号24が大きくなる場合は、角度可変角度制御ゲイン演算手段54の制御ゲインKp(L)を大きくすることで制御による剛性を増して位置誤差を小さくすることで素早く角度を静定できる。逆に、インダクタンスLの変化によりロータ角度信号40(θ)の発振気味になり速やかに目標角度に到達できない場合は、角度可変角度制御ゲイン演算手段54の制御ゲインKp(L)を小さくすることで制御による剛性を減らして安定性を増し、素早く目標角度に静定することができる。以上のように角度θに応じた角度制御ゲインKp(L)と角速度制御ゲインKv(L)を用いることでインダクタンスLの変化があっても安定で速やかに静定する角度制御系を実現できる。これらKp(L)とKv(L)の演算は図13のブロック図に示すように、電流制御ゲイン演算手段45による電流制御系の外側に位置するので、電流制御帯域fiに比べ数分の一の制御帯域で演算すれば良く、デジタル系の演算器で十分演算できるので実現が容易である。これにより、高速で高精度なロータ2の角度制御が可能である。

0069

実施の形態4.図14は本発明の実施の形態4による有限回転電動機の構成の概要を示すブロック図である。図において、14はシャフト1に固定されたミラー、57は有限回転電動機のミーラー14側に位置する軸受12の近傍の温度を計測する前側軸受温度検出器、59は前側軸受用温度検出器57の検出信号電気信号に変換し増幅する温度検出器用アンプ、62は温度検出器用アンプ59の出力信号である。

0070

次に動作について説明する。有限回転電動機のロータ2を位置決め制御するには巻線7,8,9,10に通電してロータ2にトルクTmを発生する必要がある。これに伴い電流値に比例して巻線7,8,9,10に発生する銅損、コアバッグ11とステータティース3,4,5,6に渦電流が発生することによる鉄損ベアリング部の摺動摩擦による機械損などの損失が発生する。これらの損失は発熱量となり有限回転電動機の温度を上昇させる。温度が上昇することでロータ2を支持する軸受12,13の温度も上昇する。軸受12,13としては例えば玉軸受滑り軸受などの潤滑剤を用いた軸受が用いられるのが一般的であり、軸受12,13の温度上昇によって潤滑剤の温度も上昇する。一般に潤滑剤の粘性は温度上昇に伴って減少するため、温度が上昇すると、ロータ2の回転に対する粘性抵抗が低下する。その逆に、温度が低下すると粘性抵抗は増加する。これらの軸受12、13における粘性抵抗の変化は、ロータ2の位置決め精度に影響する。そこで、非常に高精度な位置決め制御を行うにはこれらの粘性抵抗の変化が無視できない。そこで、本実施の形態では、有限回転電動機の軸受12または13近傍の温度を温度検出器57により検出し、これを温度検出用アンプ59で増幅し、この出力信号62を基に非線形性補償制御装置42を用いて粘性抵抗の影響を補正することにより、温度による位置決め精度の低下を改善し、高速で高精度な角度制御が実現できる。

0071

次に、図15を用いてさらに詳細に説明する。図15図14の要部の構成をさらに詳細に示すブロック図である。図において、56はシャフト1に設けたシャフト用温度検出器、57はコアバッグ11に設けた前側軸受用温度検出器、58はコアバッグ11に設けた後側軸受用温度検出器であり、これらの温度検出器としては例えば熱電対などが用いられ、何れも軸受12,13近傍の温度を検出するが、実質的には軸受12,13の温度を検出している。59はこれらの温度検出器56,57,58の検出信号を電気信号に変換し増幅する温度検出器用アンプ、60は温度検出器用アンプ59の出力信号62に基づいて角度制御ゲインを調整する温度可変角度制御ゲイン演算手段、61は温度可変角速度制御ゲイン演算手段、62は温度検出器用アンプ59の出力である平均温度信号tである。

0072

次に動作について説明する。軸受12,13近傍の温度を測定して軸受12,13の粘性抵抗の影響を補正する手法としては様々な形態が考えられるが、ここでは角度制御ゲインKpと角速度制御ゲインKvに着目し、これらを温度tの関数として補正することで位置決め制御の精度を向上することを考える。一般に、シャフト1に設けたシャフト用温度検出器56、コアバッグ11に設けた前側軸受用温度検出器57および後側軸受用温度検出器58により得られる温度tが上昇すると軸受12,13の温度も上昇し、これに用いる潤滑剤の粘性が低下する。粘性が低下することはロータ2に加わる減衰量が低下することにほぼ等しい作用があり、ロータ2の振動が増す(減衰不足)状態になる。これを防ぐには、温度可変角速度制御ゲイン演算手段61により温度tの上昇に応じて角速度ゲインKv(t)を増やすことで適正な減衰力をロータ2に与えることができる。ここでKv(t)は、Kvが温度tの関数であることを示す。一方、角速度制御ゲインKv(t)を温度tに応じて増やすことで適切な減衰力は与えられるが、実際には電流アンプ33、35の制御帯域fiの制約により、無限に角速度制御ゲインを大きくすることはできない。そこで、温度上昇により摺動抵抗が減るとこれに伴いロータ2への外乱トルクTdも減るので角度制御ゲインKpを大きくしなくても、温度上昇前と同じ静定時間で位置決め制御が可能である。Kpを減らすことができれば、それに伴い角速度制御ゲインKv(t)も減らすことができる。そこで、温度可変角度制御ゲイン演算手段60により温度tに応じて角度制御ゲインKp(t)を調整して制御系が不安定にならないようにすることができる。

0073

以上のように、有限回転電動機の軸受12,13近傍の温度tに応じて角度制御ゲインKp(t)と角速度制御ゲインKv(t)を適切に調整することで、軸受12,13の温度変化に影響されず高速で高精度なロータ2の角度制御が可能である。

0074

なお、軸受12,13近傍の温度は、シャフト用温度検出器56、前側軸受用温度検出器57、および後側軸受用温度検出器58の全てを用いずに、少なくとも1つを用いて検出してもよい。

0075

実施の形態5.図16は本発明の実施の形態5による有限回転電動機の要部の構成を示すブロック図である。図において、64は軸受12,13近傍の温度を調節する温度調節手段であり、例えばコアバック11に接して冷却水循環させるように構成された水冷式温度制御器が用いられる。軸受12,13が所定の温度になるように温度調節手段64を制御する温度制御装置であり、例えばコンピュータにより実現されている。その他の構成は前述の実施の形態4と同じである。

0076

次に動作について説明する。前述の実施の形態4では、軸受12,13近傍の温度を検出して角度制御ゲインKp(t)と角速度制御ゲインKv(t)を調整することで、位置決め精度に対する軸受12,13の温度変化の影響を排除したが、軸受12、13の潤滑剤の温度を一定に保つことでも高精度な位置決めが可能となる。そこで、各温度検出器56、57、58と温度検出用アンプ59から得られた温度62(t)を温度制御装置63に入力し、軸受12,13が所定の温度になるようにコアバッグ11に設けた温度制御器64を制御してコアバッグ11の温度を制御する。具体的には、例えば、軸受12,13の測定温度tが所定温度より高かった場合に、水冷式の温度制御器64に冷却水を循環させて所定温度まで冷却する。これによりコアバッグ11の温度は一定に保たれ、その結果、軸受12,13の潤滑剤の粘性も一定に保たれるので、高速で高精度なロータ2の角度制御が可能である。

0077

なお、温度制御器64は冷却制御に限らず、例えば所定温度の水を循環させる等によりコアバック11を加熱して所定温度に維持することも可能である。

0078

実施の形態6.図17は本発明の実施の形態6による有限回転電動機の要部の構成を示すブロック図である。図において、65は前述の実施形態1で示した非線形性補償演算手段42に代わる磁束指令値出力非線形性補償演算手段であり、非線形性補償演算手段42が電流指令値i1*,i2*を出力した代わりに磁束指令値φ1*,φ2*を出力する。66,67は磁束指令値、68、69は磁束誤差演算手段、70,71は磁束誤差、72、73は磁束制御ゲイン演算手段であり、これら磁束指令値出力非線形性補償演算手段65、磁束誤差演算手段68,69および磁束制御ゲイン演算手段72、73は例えばコンピュータで実現されている。74a、74b、75a、75bはそれぞれティース3,4,5,6に設けられた磁束検出器であり、例えばホール素子が用いられる。76,77は磁束検出器信号、78、79は磁束検出器アンプ、80,81は磁束信号φ1,φ2である。

0079

次に動作について説明する。巻線7,8,9,10に電流iを通電すると前述の式(1)に示すように各ティース3,4,5,6に磁気吸引力が発生し、ロータ2にトルクTmが発生する。しかし、現実には電流iを流すことで、磁性体のティース3,4,5,6とロータ2とコアバッグ11に式(13)に示す磁束Bが発生し、これに伴い式(14)に示す磁気吸引力fmが発生する。

0080

0081

ここで、μ0は真空の透磁率、Sは各ティース3,4,5,6の有効断面積である。電流iを通電するとただちに磁束Bが発生するが、非常に短い時間の遅れは生じる。この遅れはトルク指令値Tm*から実際にロータ2に発生するトルクTmの間の遅れとなる。この遅れを改善するために、ティース3,4,5,6に磁束検出器74a,74b,74c,74dを直接埋め込み、この信号76,77を磁束検出器アンプ78,79で増幅して各ティース3,4,5,6に発生する磁束信号80(φ1),81(φ2)を検出する。この検出した磁束信号と磁束指令値出力非線形補償演算手段65からの磁束指令値66(φ1*),67(φ2*)との差分を磁束誤差演算手段68、69でとり、これらの磁束誤差70、71を磁束制御ゲイン演算手段72、73で増幅し電流指令値32(i1*),34(i2*)を出力し電流アンプ33,34で巻線7,8,9,10に通電し、磁束を一定に保つ磁束制御系を構成する。

0082

以上のような磁束制御系を電流制御系の変わりに構成することにより、トルク指令値を与えてからロータ2のトルクが発生するまでの時間遅れの少ない制御系が実現でき、ロータをより高速で高精度に角度制御することが可能である。

0083

実施の形態7.図18は本発明の実施の形態7による有限回転電動機を説明する図であり、(a)は全体構成を示すブロック図、(b)は動作を説明するためにロータの1次撓み振動モードと電磁石の配置を示す側面図である。図において、82は非線形性補償制御装置(4出力)であり、各巻線7,8,9,10に流す4つの電流指令値を出力する。83、84、85、86は電流指令値i1*,i2*,i3*,i4*、87、88,89、90は電流アンプ、91は例えばコアバッグ11に設けられてロータ2の回転軸に直交する方向への撓みを検出するロータ並進並進速度検出器であり、例えば渦電流式変位センサ静電容量式変位センサレーザ式変位センサおよび一定磁界コイルを設けたサーチコイル速度センサなどが用いられる。なお、速度センサとしては上記各種変位センサの出力を電気的に微分して用いることもできる。92は検出器92から出力されるロータ並進、並進速度信号x、dx/dtである。

0084

次に動作について説明する。前述の実施の形態1では、ロータの回転角度を制御してシャフト1の先端に取り付けたミラー14を角度制御する。しかし、図18(b)に破線で示すように、シャフト1が回転軸(y軸)と直行する方向(x軸方向)に撓むことで、ミラー14に当たる光線は角度制御した方向と直行した方向に曲がってしまう。このようにシャフト1に撓み振動が発生すると目的とする光を精度良く位置決めできなくなる。そこで、図18(a)のように有限回転電動機の巻線7,8,9,10にそれぞれ独立な電流i1,i2,i3,i4を通電することでシャフト1に発生する撓み振動を抑制する。例えば、図18(a)において下側に位置する巻線8,9に通電してロータ2を下側に押し下げる力を発生することで図18(b)の破線に示すようなシャフト1の一次の撓み振動を制御できる。回転制御は前述の実施の形態1と同様に行い、これに加えてロータ2の並進方向状態量を検出器91で検出し、この信号92基づいて非線形性補償制御装置82により撓み振動を抑制する電流指令値83,84,85,85を出力し、電流アンプ83、84、85,86で巻線7,8,9,10に通電する。

0085

このように構成することで、シャフト1に発生する撓み振動によるミラー14の位置ずれを抑制し、より高精度な位置決め制御が可能となる。

0086

実施の形態8.図19は本発明の実施の形態8による有限回転電動機を説明する図であり、(a)は全体構成を示すブロック図、(b)は動作を説明するためにロータの1次撓み振動モードと電磁石の配置を示す側面図である。図において、93は4個のティースに励磁用の巻線を巻回した前側電磁石(4極)、94は同じく4個のティースに励磁用の巻線を巻回した後側電磁石(4極)であり、ロータ2の回転軸に沿って設けられており、8本の励磁用の巻線に流す電流i1,i2,i3,i4,i5,i6,i7,i8をそれぞれ独立に制御するように構成されている。

0087

次に動作について説明する。前述の実施の形態7では、4つの電磁石を独立に制御することでシャフトの1次撓み振動を抑制していたが、ロータ2にミラー14を付けた状態の回転方向の固有振動数に比べ撓み振動の固有振動数が低いことが多く、撓みの1次、2次振動の方が回転振動より固有振動数が低くなることが多い。このため、シャフト1の1次の撓み振動を抑制しただけでは十分でなく、より高精度なミラー14の位置決め制御を実現するには2次の撓み振動も抑制することが望ましい。そこで、図19(a)に示すように、4つ電磁石をロータ2の回転軸に沿って2組設け、8本の巻線に流す電流を独立に制御する。なお、図19ではロータ並進、並進速度検出器は図示していないが、電磁石が配置された位置のロータ並進、並進速度を検出できるようにロータ2の回転軸に沿って2個設けられている。

0088

以上のように構成することで図19(b)に破線で示す2次のシャフト撓み振動も抑制することが可能となり、より高精度なミラー14の位置決め制御が可能である。

0089

実施の形態9.図20は本発明の実施の形態9による有限回転電動機を説明する図であり、(a)は要部の構成を示す斜視図、(b)は動作を説明するためにロータの1次撓み振動モードを示す側面図、(c)は要部の構成を示すブロック図である。図において、95、96はピエゾアクチュエータアンプ、97、98はロータ2に設けたフィルム型ピエゾアクチュエータ、99、100はロータ2に設けた撓み変位検出器であり、例えば、フィルム型ピエゾ素子を撓みセンサとして用いることができる。101は撓み変位検出器アンプである。102は撓み振動制御装置であり、例えばコンピュータにより実現されている。

0090

次に動作について説明する。前述の実施の形態7および8では、4個あるいは8個の電磁石を独立に制御することでシャフトの撓みによる撓み振動を抑制したが、本実施の形態では、ロータ2を所定の方向へ撓ませるアクチュエータ97,98とロータ2の撓みを検出するセンサ99,100をロータ2に直接設け、センサ99,100からの検出信号に応じて撓み振動制御装置102でこれを抑制するための制御信号を発生し、アクチュエータ97,98を動作させることによっても同様の効果が実現できる。図20(a)には本実施の形態におけるロータの構成を示しており、主な構成機器はミラー14、シャフト1およびロータ2である。図20(b)ではこのように構成されたロータの1次撓み振動の振動モードを点線で示している。軸受12,13を支点としてロータ2の中央部が太鼓状に振れることでミラー14とセンサ38も大きく振れている。この1次撓み振動を抑制するには、図20(c)に示すように、1次振動でよく撓むロータ2の上下に撓み振動を励起できるようにフィルム型のピエゾアクチュエータ97、98を貼り付け、同様にこの撓み変位を検出する撓み検出器99,100を設ける。検出器99,100の信号を撓み変位検出アンプ101で増幅し、これを撓み振動制御装置102に入力する。撓み振動制御装置はピエゾアクチュエータアンプ95、96に撓み振動を抑制するように電圧を与え、これによりフィルム型ピエゾアクチュエータ97、98が駆動されシャフト1の撓み振動を抑制する。ピエゾ式のアクチュエータ97、98は電磁石などの強磁界の中でもこれに影響されることなく指令値通りに駆動することが可能である。

0091

以上のように構成することにより、シャフト1の撓み振動を抑制したより高精度なミラー14の位置決め制御が可能である。

0092

なお、上記実施の形態9ではロータの1次撓み振動を抑制する場合について示したが、フィルム型ピエゾアクチュエータ97、98および撓み検出器99,100をロータ2の回転軸に沿って2組設け、各組の撓み検出器99,100からの検出信号に応じて各組のアクチュエータ97、98をそれぞれ独立に制御することにより2次撓み振動を抑制することも可能である。

0093

実施の形態10.図21は本発明の実施の形態10による有限回転電動機の構成を示すブロック図である。図において、106、107はシャフト2をコアバック11と非接触に支持する磁気軸受であり、103は磁気軸受制御装置、104、105は磁気軸受の制御ケーブルである。

0094

次に動作について説明する。前述の実施の形態1では、玉軸受12,13でシャフト1を支持していた。しかし、上記各実施の形態に示したような有限回転電動機においては、シャフト1は高速に駆動され、かつ狭い範囲を繰り返し高精度に位置決めするため、玉軸受のような接触型の軸受を用いた場合には軸受寿命が著しく短くなる。玉軸受12,13が寿命時間に達し摺動面が摩耗すると、摺動抵抗は急激に増大し、また、滑らかな回転ができなくなる。このため、高速で高精度なミラー14の位置決め制御ができなくなる。本実施の形態では、このような軸受の摩耗による寿命を改善するために、図21に示すように磁気軸受106、107を用いている。磁気軸受106、107はロータ2とステータ(コアバック11)を非接触に支持することが可能であり、摺動による摩耗で軸受の寿命が著しく低下することがない。同様な効果は、摺動面が非接触となる空気軸受、油面を用いた動圧軸受などでも実現可能である。以上のように構成することで、高速で高精度なミラー14の位置決め制御を長期間に渡って維持することが可能である。

0095

実施の形態11.なお、上記各実施の形態では本発明を例えば同一出願人によって先に出願された特願平11−010820号の明細書に記載されているロータが1軸回りに有限角度回転するように構成された有限回転電動機に適用した場合に説明したが、これに限るものではなく、例えば同一出願人によって先に出願された特願平12−107906号の明細書に記載されているロータが直交する2軸回りに有限角度回転するように構成された有限回転電動機の一種である2次元のミラースキャナに適用することも可能であり、この場合にも回転角度に関係なくトルクと巻線電流との線形性が良好で高速かつ高精度な位置決めが可能となる。

0096

先ず、図22および図23を用いて2次元のミラースキャナの構成およびその動作について説明する。図22は2次元のミラースキャナの主要部の構成を説明する図であり、(a)は平面構造、(b)は側面構造をそれぞれ示す。図において、110はミラー、113はこのミラー110を固定したロータ、180はこのロータ113に固定され、磁性体よりなる可動片すなわち受動部、150a、150bはロータ113のX軸回りの回転を許容するベアリング式軸受、151a、151bはロータ113のY軸回りの回転を許容するベアリング式軸受、152はこれらの軸受150a、150b、151a、151bを仲介する継手、125はベーススキャナ固定構造部分)、115は軸受151a、151bをベース125に対して支持する支柱(スキャナ固定構造部分)であり、軸受150a〜151b及び継手152は1枚のミラー110をX軸およびY軸の2軸の回りに回転可能に支持する自在継手支持手段)を構成している。

0097

また、120a、120bは両者で馬蹄形電磁石を構成するマグネットコアすなわちステータティース、120c、120dは両者で馬蹄形電磁石を構成するマグネットコアすなわちステータティース、120e、120fは両者で馬蹄形電磁石を構成するマグネットコアすなわちステータティース、120g、120hは両者で馬蹄形電磁石を構成するマグネットコアすなわちステータティース、130a、130b、130c、130d、130e、130f、130g、130hは各々マグネットコア120a、120b、120c、120d、120e、120f、120g、120hに巻かれた巻線であり、可動片180とマグネットコア120a〜120hおよび巻線120a〜120hとは1枚のミラー110をX軸およびY軸の2軸の回りに回転させるモーメント発生手段を構成している。なお、可動片180の外側面は円錐台形状に形成されており、マグネットコア120a〜120hの端面と対向している。

0098

さらに、140はロータ113の裏面側に固定され、電流の供給を受けて光線を発するLEDなどの発光素子、141は支柱115に支持された固定片である。

0099

ロータ113は軸受150a、150b、151a、151bによってベース125に対して図1の(a)におけるX軸およびY軸の2つの軸回りの微小回転が可能である。このロータ113にはレーザビーム等の光線を反射するミラー110が固定されているので、ミラー110もまたベース125に対して2軸回りの回転が可能である。

0100

図23図22に示された2次元のミラースキャナにおける回転部の構造を模式的に示す分解斜視図である。図23において、113はミラーが固定されるロータ、114a、114bはロータ113の下方に延びて固定されたフランジであり、それぞれ軸受150a、150bが設けられている。同様に、115a、115bはベース125に固定されたフランジであり(なお、図22では支柱15として説明されている)、それぞれ軸受151a、151bが設けられている。これらの軸受150aおよび150bと151aおよび151bとは十文字状の継手152を介して結合されているので、ロータ113は継手152に対しては軸受150a、150bによってX軸回りに回転可能であり、同様に、継手152はベース125に対しては軸受151a、151bによってY軸回りに回転可能であり、こうしてロータ113はベース125に対してはX軸およびY軸の2軸の回りに回転可能である。

0101

次に、このミラースキャナの動作について説明する。ロータ113には円錐台筒状の磁性体である可動片180が固定されており、この可動片180はこれと対向して配置されたマグネットコア120a〜120hによって吸引力を受ける。たとえば、巻線130aと130bに電流i1を流し、マグネットコア120aと120bの組が巻線130aと130bの組によって励磁されたとき、マグネットコア120aと120bは図の(b)における矢印A方向の吸引力をロータ113に対して作用させることになる。従って、この吸引力はロータ113を図1の(b)においてY軸回りに反時計回り方向に回転させる。この時、ロータ可動片180とマグネットコア220e,220f間のギャップは小さく、ロータ可動片180とマグネットコア220a,220b間のギャップは大きくなる。

0102

同様にして、巻線130eと130fに電流i2を流し、マグネットコア120eと120fの組が巻線130eと130fの組によって励磁されたとき、マグネットコア120eと120fは図1の(b)の矢印B方向の吸引力をロータ13に対して作用させることになる。従って、この吸引力はロータ13を図1の(b)においてY軸回りに時計回り方向に回転させる。この時には逆に、ロータ可動片180とマグネットコア220e,220f間のギャップは大きく、ロータ可動片180とマグネットコア220a,220b間のギャップは小さくなる。全く同様にして、巻線130eと130fに電流i3を流し、マグネットコア120cと120dの組が発生する吸引力はロータ113をX軸回りに反時計回り方向に回転させ、マグネットコア120g、120hの組が発生する吸引力はロータ113をX軸回りに時計回り方向に回転させる。この場合にも、ロータ113の回転角度に対応してロータ可動片180とマグネットコア220c,220d間のギャップと、ロータ可動片180とマグネットコア220g,220h間のギャップとは変化する。

0103

次に、図24を用いて本発明の実施の形態11による有限回転電動機について説明する。図において、300はx軸回りの回転角度指令値(離散値)θx*(k)、301はy軸回りの回転角度指令値(離散値)θy*(k)である。303は非線形性補償制御装置302の出力である巻線130aと130bに対する電流指令値i1*、304は電流指令値i1*に基づいて巻線130aと130bに電流を流す電流アンプ、305は巻線130aと130bに流れる電流である。306は非線形性補償制御装置302のもう一つの出力である巻線130gと130hに対する電流指令値i2*、307は電流指令値i2*に基づいて巻線130gと130hに電流を流す電流アンプ、308は巻線130gと130hに流れる電流である。309は非線形性補償制御装置302のもう一つの出力である巻線130eと130fに対する電流指令値i3*、310は電流指令値i3*に基づいて巻線130eと130fに電流を流す電流アンプ、311は巻線130eと130fに流れる電流である。312は非線形性補償制御装置302のもう一つの出力である巻線130cと130dに対する電流指令値i4*、313は電流指令値i4*に基づいて巻線130cと130dに電流を流す電流アンプ、314は巻線130cと130dに流れる電流である。315はロータ113とベース125とのx軸回りの相対的角度および角速度を検出する角度検出器および角速度検出器(共に図示せず)の出力であるx軸回り角度信号θxおよびx軸回り角速度信号(dxθ/dt)、316はロータ113とベース125とのy軸回りの相対的角度および角速度を検出する角度検出器および角速度検出器(共に図示せず)の出力であるy軸回り角度信号θyおよびy軸回り角速度信号(dyθ/dt)である。302は非線形性補償制御装置であり、ロータの回転角度指令値300(θx*(k))および301(θy*(k))と回転角度検出手段により検出された回転角度315(θx)および316(θy)をもとに回転角度指令値300(θx*(k))および301(θy*(k))に対応したトルク指令値を求め、回転角度315(θx)および316(θy)に対応して変化して非線形となるトルクと巻線の電流値との関係を補正するために予め求めて記憶しておいた非線形補正係数を用いて、トルク指令値と回転角度検出手段より検出された回転角度315(θx)および316(θy)とからトルク指令値に対して線形化した巻線の電流指令値i1*,i2*,i3*,i4*を演算出力する。なお、非線形性補償制御装置302の詳細な構成の一例は実施の形態1と同様であり、実施の形態1の場合と同様にコンピュータで実現されている。

0104

以上のように、ロータ113の回転角度に対応してロータ(可動片180)とステータ(マグネットコア20a〜20e)間のギャップが変化するように構成された、トルクと電流とロータ113の回転角度に非線形性を有する2軸回りに回転する有限回転電動機においても、非線形性補償制御手段302を用いることで線形性が良好で高速かつ高精度な位置決め制御が実現できる。

0105

なお、上記実施の形態11では実施の形態1を図22図23で示したような2軸回りに回転する有限回転電動機に適用した場合について説明したが、実施の形態2〜10を適用することも可能である。

0106

なお、上記各実施の形態では本発明を特願平11−010820号や特願平12−107906号の明細書に記載されている有限回転電動機に適用した場合について説明したが、これに限るものではなく、本発明は、ロータに磁性体の受動部を設けると共にステータに励磁用の巻線を巻回し受動部とギャップを介して対向する複数個のティースを設け、ステータの巻線による発生磁界でギャップに磁束を生じさせてティースと受動部間に磁気吸引力を生じさせることでトルクを発生し、所定の有限回転角度の範囲内でロータを回転させ、ロータの回転角度に対応してギャップが変化するように構成した全ての有限回転電動機に適用することが可能である。

発明の効果

0107

以上のように、本発明の第1の構成によれば、ロータに磁性体の受動部を設けると共にステータに励磁用の巻線を巻回し前記受動部とギャップを介して対向する複数個のティースを設け、前記ステータの巻線による発生磁界で前記ギャップに磁束を生じさせて前記ティースと前記受動部間に磁気吸引力を生じさせることでトルクを発生し、所定の有限回転角度の範囲内で前記ロータを回転させるように構成し、前記ロータの回転角度に対応して前記ギャップが変化する有限回転電動機であって、前記ロータの回転角度を検出する回転角度検出手段と、ロータの回転角度指令値と前記回転角度検出手段により検出された回転角度をもとに前記回転角度指令値に対応したトルク指令値を求め、回転角度に対応して変化して非線形となる前記トルクと巻線の電流値との関係を補正するために予め求めて記憶しておいた非線形補正係数を用いて、前記トルク指令値と前記回転角度検出手段より検出された回転角度とから前記トルク指令値に対して線形化した前記巻線の電流指令値を演算出力する非線形性補償制御装置とを備えたので、ロータの回転角度に係わらず良好な制御性能が得られ、ロータを高速かつ高精度に位置決めすることができる。

0108

本発明の第2の構成によれば、非線形性補償制御装置は、ロータの回転角度指令値に基づいて軌道を生成する軌道演算手段と、この軌道とロータの回転角度との誤差を求める角度誤差演算手段と、前記角度誤差演算手段で求められた角度誤差を増幅する角度制御ゲイン演算手段と、前記角度制御ゲイン演算手段の出力とロータの回転角速度との誤差を求める角速度誤差演算手段と、前記角速度誤差演算手段で求められた角速度誤差を増幅して前記回転角度指令値に対応したトルク指令値を出力する角速度制御ゲイン演算手段とを備えたので、ロータを高速かつ高精度に位置決めすることができる。

0109

本発明の第3の構成によれば、補正係数は2次元多項式であるので、ロータを高速かつ高精度に位置決めすることができる。

0110

本発明の第4の構成によれば、ギャップの変化に応じて変化する巻線のインダクタンスを、予め求めて記憶しておいたロータの回転角度とインダクタンスとの関係を用いて補償するように構成したので、制御性能がより向上する。

0111

本発明の第5の構成によれば、非線形性補償制御装置より出力された電流指令値に基づいて巻線に流す電流をフィードバック制御する手段を備え、回転角度検出手段により検出されたロータの回転角度に応じて前記電流フィードバック制御のゲインを補償するようにしたので、ギャップ変化によるインダクタンスの変化による影響を抑制して良好な制御性能が得られ、ロータを高速かつ高精度に位置決めすることができる。

0112

本発明の第6の構成によれば、回転角度検出手段により検出されたロータの回転角度に応じて、角度制御ゲイン演算手段の角度制御ゲインおよび角速度制御ゲイン演算手段の角速度制御ゲインを補償するので、ギャップ変化によるインダクタンスの変化による影響を抑制して良好な制御性能が得られ、ロータを高速かつ高精度に位置決めすることができる。

0113

本発明の第7の構成によれば、ロータはシャフトと潤滑剤を用いた軸受とを介してコアバックに対して回転可能に支持されており、前記軸受近傍の温度を検出する温度検出手段を備えたので、温度に応じて変化する潤滑剤の粘性の影響を抑制することができ、制御性能がより向上する。

0114

本発明の第8の構成によれば、温度検出手段によって検出された軸受近傍の温度に応じて、角度制御ゲイン演算手段の角度制御ゲインおよび角速度制御ゲイン演算手段の角速度制御ゲインを補償するようにしたので、温度変化による潤滑剤の粘性の変化を補償することにより温度変化に係わらず良好な制御性能が得られ、ロータを高速かつ高精度に位置決めすることができる。

0115

本発明の第9の構成によれば、軸受近傍の温度を調節する温度調節手段を備え、温度検出手段によって軸受近傍の温度を検出し、前記軸受が所定の温度になるように前記温度調節手段を制御するようにしたので、温度変化による潤滑剤の粘性の変化を抑制して良好な制御性能が得られ、ロータを高速かつ高精度に位置決めすることができる。

0116

本発明の第10の構成によれば、ステータティースの磁束を検出する手段を備え、検出された磁束に応じて電流指令値をフィードバック制御する手段を備えたので、制御性能がより向上する。

0117

本発明の第11の構成によれば、ロータの回転軸に直交する方向への撓みを検出する撓み検出手段を備え、検出されたロータの撓みを元へ戻すように構成したので、ロータに発生する撓み振動を抑制し、より高精度な位置決め制御が可能となる。

0118

本発明の第12の構成によれば、複数個のティースに巻回された各巻線に流す電流を独立に制御することによりロータの撓みを元へ戻すように構成したので、1次の撓み振動を抑制することができる。

0119

本発明の第13の構成によれば、励磁用の巻線を巻回し受動部とギャップを介して対向する4個のティースを、ロータの回転軸に沿って2組設け、8本の上記巻線に流す電流を独立に制御することによりロータの撓みを元へ戻すように構成したので、2次の撓み振動を抑制することができる。

0120

本発明の第14の構成によれば、ロータに撓み力を発生するアクチュエータを設けることによりロータの撓みを元へ戻すように構成したので、ロータに発生する撓み振動を抑制し、より高精度な位置決め制御が可能となる。

0121

本発明の第15の構成によれば、ロータはシャフトと軸受とを介してコアバックに対して回転可能に支持されており、前記軸受はシャフトと非接触でこれを回転可能に支持するものであるので、軸受の摩耗による寿命の低下が無く、高速で高精度な位置決め制御を長期間に渡って維持することができる。

図面の簡単な説明

0122

図1本発明の実施の形態1による有限回転電動機の構成の概要を示すブロック図である。
図2図1における非線形性補償制御装置の内部および結線状況をさらに詳細に示すブロック図である。
図3本発明の実施の形態1による有限回転電動機の動作を説明する図である。
図4本発明の実施の形態1による有限回転電動機の動作を説明する図である。
図5本発明の実施の形態1による有限回転電動機の動作を説明する図である。
図6本発明の実施の形態1による有限回転電動機の動作を説明する図である。
図7本発明の実施の形態1による有限回転電動機の動作を説明する図である。
図8本発明の実施の形態2による有限回転電動機の動作を説明する図である。
図9本発明の実施の形態2による有限回転電動機の動作を説明する図である。
図10本発明の実施の形態2による有限回転電動機の構成の概要を示すブロック図である。
図11図10内部の構成をさらに詳細に示すブロック図である。
図12本発明の実施の形態3による有限回転電動機の構成の概要を示すブロック図である。
図13図12内部の構成をさらに詳細に示すブロック図である。
図14本発明の実施の形態4による有限回転電動機の構成の概要を示すブロック図である。
図15図14の要部の構成をさらに詳細に示すブロック図である。
図16本発明の実施の形態5による有限回転電動機の要部の構成を示すブロック図である。
図17本発明の実施の形態6による有限回転電動機の要部の構成を示すブロック図である。
図18本発明の実施の形態7による有限回転電動機を説明する図である。
図19本発明の実施の形態8による有限回転電動機を説明する図である。
図20本発明の実施の形態9による有限回転電動機を説明する図である。
図21本発明の実施の形態10による有限回転電動機の構成を示すブロック図である。
図22本発明の実施の形態11に係る2次元のミラースキャナの主要部の構成を説明する図である。
図23図22の要部の構成を模式的に示す分解斜視図である。
図24本発明の実施の形態11による有限回転電動機の構成を示すブロック図である。
図25従来技術による有限回転電動機の構成を示す図である。
図26先行技術による有限回転電動機の構成を示す図である。

--

0123

1シャフト、2ロータ、3,4,5,6ステータティース、7,8,9,10巻線、11コアバッグ、12,13軸受、14ミラー、15、16発光素子、17,18 光束を検出する光検出器、20角度指令値、21軌道演算手段、22軌道角度指令信号、23角度誤差演算手段、24 角度誤差信号、25角度制御ゲイン演算手段、26 角度制御ゲイン演算出力信号、27角速度誤差演算手段、28 角速度誤差信号、29 角速度制御ゲイン演算手段、30トルク指令値Tm*、31非線形性補償演算手段、32電流指令値i1*、33電流アンプ、34 電流指令値i2*、35 電流アンプ、36電流i1、37 電流i2、38角度検出器、39角速度検出器、40角度信号、41角速度信号、42 非線形性補償制御装置、43インダクタンス演算手段、44 インダクタンス推定信号、45電流制御ゲイン演算手段、46巻線電圧、47電磁石モデル、48回転推力定数、49 ロータ発生トルク、50角度可変電流制御ゲイン演算手段、51 角度可変電磁石モデル、52 ロータ慣性モデル、53積分演算子、54 角度可変角度制御ゲイン演算手段、55 角度可変角速度制御ゲイン演算手段、56 シャフト用温度検出器、57前側軸受用温度検出器、58後側軸受用温度検出器、59温度検出器用アンプ、60温度可変角度制御ゲイン演算手段、61 温度可変角速度制御ゲイン演算手段、62平均温度信号、63温度制御装置、64温度制御器、65磁束指令値出力非線形性補償演算手段、66,67 磁束指令値、68、69磁束誤差演算手段、70,71 磁束誤差、72、73磁束制御ゲイン演算手段、74a、74b、75a、75b磁束検出器、76,77 磁束検出器信号、78、79 磁束検出器アンプ、80,81磁束信号、82 非線形性補償演算手段(4出力)、83、84、85、86 電流指令値、87、88,89、90 電流アンプ、91 ロータ並進、並進速度検出器、92 ロータ並進、並進速度信号、93 前側電磁石(4極)、94 後側電磁石(4極)、95、96ピエゾアクチュエータアンプ、97、98フィルム型ピエゾアクチュエータ、99、100 撓み変位検出器、101 撓み変位検出器アンプ、102 撓み振動制御装置、103磁気軸受制御装置、104、105制御ケーブル、106、107磁気軸受、110 ミラー、113 ロータ、115支柱、120a〜120hマグネットコア、125ベース、130a〜130h 巻線、140 発光素子、141固定片、150a、150b、151a、151b 軸受、152継手、180可動片、300、301 角度指令値、302 非線形性補償制御装置、303、306、309、312 電流指令値、304、307、310、313 電流アンプ、305、308、311、314 電流、315x軸回り角度信号およびx軸回り角速度信号、316 y軸回り角度信号およびy軸回り角速度信号。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 株式会社東芝の「 モータ駆動装置」が 公開されました。( 2020/03/26)

    【課題】スイッチングの際に発生するモータに対するノイズの影響を抑制可能なモータ駆動装置を提供する。【解決手段】本実施形態によれば、モータ駆動装置は、駆動回路部と、制御部と、マスク処理部とを備える。駆動... 詳細

  • キヤノン株式会社の「 アクチュエータ駆動装置、その制御方法、および制御プログラム」が 公開されました。( 2020/03/26)

    【課題】簡易な構成でモータなどのアクチュエータの脱調を回避する。【解決手段】モータ駆動装置において、CPU101はモータDr106を制御信号に応じて制御してモータ1を駆動する。磁気センサ8はロータ3の... 詳細

  • キヤノン株式会社の「 モータ」が 公開されました。( 2020/03/05)

    【課題】ロータの回転位相を検出する素子を1つのパッケージ内に収納したICを構成した場合、ロータの直径や極数の異なるモータにも転用しても、ICの組み付け角度を調節することで使用できるモータを提供すること... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ