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技術 平版印刷版包装構造、平版印刷版包装方法及び平版印刷版用包装材

出願人 富士フイルムホールディングス株式会社
発明者 碓井孝之
出願日 2000年6月6日 (20年6ヶ月経過) 出願番号 2000-168973
公開日 2001年12月18日 (19年0ヶ月経過) 公開番号 2001-348071
状態 未査定
技術分野 フイルムパッケージ 緩衝包装 包装体 被包材
主要キーワード ハニカム構造材 先端近傍部分 クラフト粘着テープ 積層束 耳部分 感光タイプ 可視光波長帯域 内装紙
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2001年12月18日)のものです。
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図面 (15)

課題

低コスト平版印刷版を確実に遮光断熱及び防湿して包装できる平版印刷版包装構造及び平版印刷版包装方法を得る。

解決手段

平版印刷版の積層束12の周囲に配置された包装材20には、重合部26が構成され、積層束12の外側全体に渡って接着剤封止されるので、平版印刷版は確実に遮光、断熱及び防湿される。包装材20としては一般的な段ボール等を使用できるので、低コストとなる。

概要

背景

近年の製版法(電子写真製版法を含む)では、製版工程の自動化を容易にすべく、感光性印刷版感熱性印刷版等の平版印刷版が広く用いられている。平版印刷版は、一般にシート状或いはコイル状のアルミニウム板等の支持体に、例えば、砂目立て陽極酸化シリケート処理、その他化成処理等の表面処理を単独又は適宜組み合わせて行い、次いで、感光層又は感熱層(これらをまとめて「塗布膜」という)の塗布、乾燥処理を行った後に所望のサイズに切断されることで製造される。この平版印刷版は、露光現像処理ガム引き等の製版処理が行われ、印刷機にセットされ、インクが塗布されることで、紙面文字、画像等が印刷される。

これらの感光性印刷版及び感熱性印刷版は、いずれも一枚の薄い板状とされているため、角や辺、内部等に傷や変形があると、感光感熱によって現像した際に像がぼけたり、印刷した際にインクが不均一になる等の問題が生じやすい。

そこで、このような傷や変形を防止するために、平版印刷版を外力から保護して包装する段ボール箱が提案されている(特開平10−16946号参照)。

図14に示すように、この段ボール箱50は、底面板52の対向する2辺を折り曲げ三角管状体54を形成することで、側面板56や面板58に対する底面板52の直角度を強力に維持し、内容物の重量で形状を崩さないようになっている。

ところで、感光性印刷版は感光性が高く、僅かな可視光波長帯域の光によって露光されても感光層に変化が生じるため、遮光する必要がある。また、感熱性印刷版も、当たる光の熱エネルギーによって感熱層が変質したり、反応進行によって感度変化が起こったりする場合があるため、適度な遮光を行うことが好ましい。

しかし、図14に示した段ボール箱50では、三角管状体54の近傍や段ボールの貼り合わせ部分等から内部に光が入ってしまうため、内部に入れた平版印刷版にいわゆる光被りが生じてしまうおそれがある。

このような光被りを防止するために、従来から、平版印刷版を製造してから自動製版機等に装填するまでの間、遮光性を有する内装紙によって平版印刷版を包装している。内装紙としては、例えば、クラフト紙に13μm程度の低密度ポリエチレン溶融塗布して、6μm程度のアルミニウム箔を貼着したアルミクラフト紙を使用し、このアルミクラフト紙で製品束(平版印刷版の束)を包装した後、アルミクラフト紙の一部(いわゆる耳部分や上面部分)をクラフト粘着テープホットメルト等で接着している。また、内装紙として、このアルミクラフト紙のアルミニウム箔上に10μm〜70μm程度の低密度ポリエチレンを貼り合わせたものや、さらに、この低密度ポリエチレンに70μm程度の黒ポリエチレンフィルムを貼り合わせて遮光性を高めたものも使用されている。

しかし、このアルミクラフト紙は、廃却時に故紙回収ができず、産業廃棄物として埋め立て、焼却等の処分が必要となるため、廃却に高いコストを要している。

これに対し、アルミニウム箔を貼着することなく、必要な遮光性を満たした遮光紙が提案されているが(特開平9−111697号参照)、この遮光紙では、紙表面に遮光層を設けなければならないため高価になる。

概要

低コストで平版印刷版を確実に遮光、断熱及び防湿して包装できる平版印刷版包装構造及び平版印刷版包装方法を得る。

平版印刷版の積層束12の周囲に配置された包装材20には、重合部26が構成され、積層束12の外側全体に渡って接着剤封止されるので、平版印刷版は確実に遮光、断熱及び防湿される。包装材20としては一般的な段ボール等を使用できるので、低コストとなる。

目的

本発明は、上記事実を考慮し、低コストで平版印刷版を確実に遮光して包装できる平版印刷版包装構造及び平版印刷版包装方法と、これらの平版印刷版包装構造及び平版印刷版包装方法に使用される平版印刷版用包装材を得ることを課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

平版印刷版包装する平版印刷版包装構造であって、平版印刷版の周囲に配置される平版印刷版用包装材と、前記平版印刷版用包装材に、この平版印刷版用包装材どうしが部分的に重なり合うように設けられた重合部と、を有し、前記重合部が前記平版印刷版の外側全体に渡って封止されていることを特徴とする平版印刷版包装構造。

請求項2

前記重合部に、外部から前記平版印刷版までの直線的な経路を遮る折り曲げ部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の平版印刷版包装構造。

請求項3

前記重合部が接着手段によって接着され封止されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の平版印刷版包装構造。

請求項4

前記平版印刷版用包装材に、厚み方向の水分移動を制限する防湿層が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の平版印刷版包装構造。

請求項5

前記防湿層の透湿度が50(g/m2・24h)以下とされていることを特徴とする請求項4に記載の平版印刷版包装構造。

請求項6

平版印刷版を包装する包装方法であって、平版印刷版用包装材を平版印刷版の周囲に配置すると共に、平版印刷版用包装材どうしを部分的に重なり合せて重合部を構成する配置工程と、前記配置工程によって構成された前記重合部を平版印刷版の外側全体に渡って封止する封止工程と、を有することを特徴とする平版印刷版包装方法。

請求項7

前記配置工程によって構成された前記重合部に、外部から平版印刷版までの直線的な経路を遮る折り曲げ部を形成する折り曲げ工程、を有することを特徴とする請求項6に記載の平版印刷版包装方法。

請求項8

前記配置工程によって構成された前記重合部を、平版印刷版用包装材の厚み方向に圧縮する圧縮工程、を有することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の平版印刷版包装方法。

請求項9

請求項1〜請求項5のいずれかに記載の平版印刷版包装構造又は請求項6〜請求項8のいずれかに記載の平版印刷版包装方法に使用される平版印刷版用包装材であって、前記平版印刷版を包装した状態で前記重合部となる部分が、これ以外の部分よりもあらかじめ薄くされていることを特徴とする平版印刷版包装材

技術分野

0001

本発明は、平版印刷版包装構造平版印刷版包装方法及び平版印刷版用包装材に関し、さらに詳しくは、平版印刷版を確実に遮光して包装可能な平版印刷版包装構造及び平版印刷版包装方法と、これらの平版印刷版包装構造及び平版印刷版包装方法に使用される平版印刷版用包装材に関する。

背景技術

0002

近年の製版法(電子写真製版法を含む)では、製版工程の自動化を容易にすべく、感光性印刷版感熱性印刷版等の平版印刷版が広く用いられている。平版印刷版は、一般にシート状或いはコイル状のアルミニウム板等の支持体に、例えば、砂目立て陽極酸化シリケート処理、その他化成処理等の表面処理を単独又は適宜組み合わせて行い、次いで、感光層又は感熱層(これらをまとめて「塗布膜」という)の塗布、乾燥処理を行った後に所望のサイズに切断されることで製造される。この平版印刷版は、露光現像処理ガム引き等の製版処理が行われ、印刷機にセットされ、インクが塗布されることで、紙面文字、画像等が印刷される。

0003

これらの感光性印刷版及び感熱性印刷版は、いずれも一枚の薄い板状とされているため、角や辺、内部等に傷や変形があると、感光感熱によって現像した際に像がぼけたり、印刷した際にインクが不均一になる等の問題が生じやすい。

0004

そこで、このような傷や変形を防止するために、平版印刷版を外力から保護して包装する段ボール箱が提案されている(特開平10−16946号参照)。

0005

図14に示すように、この段ボール箱50は、底面板52の対向する2辺を折り曲げ三角管状体54を形成することで、側面板56や面板58に対する底面板52の直角度を強力に維持し、内容物の重量で形状を崩さないようになっている。

0006

ところで、感光性印刷版は感光性が高く、僅かな可視光波長帯域の光によって露光されても感光層に変化が生じるため、遮光する必要がある。また、感熱性印刷版も、当たる光の熱エネルギーによって感熱層が変質したり、反応進行によって感度変化が起こったりする場合があるため、適度な遮光を行うことが好ましい。

0007

しかし、図14に示した段ボール箱50では、三角管状体54の近傍や段ボールの貼り合わせ部分等から内部に光が入ってしまうため、内部に入れた平版印刷版にいわゆる光被りが生じてしまうおそれがある。

0008

このような光被りを防止するために、従来から、平版印刷版を製造してから自動製版機等に装填するまでの間、遮光性を有する内装紙によって平版印刷版を包装している。内装紙としては、例えば、クラフト紙に13μm程度の低密度ポリエチレン溶融塗布して、6μm程度のアルミニウム箔を貼着したアルミクラフト紙を使用し、このアルミクラフト紙で製品束(平版印刷版の束)を包装した後、アルミクラフト紙の一部(いわゆる耳部分や上面部分)をクラフト粘着テープホットメルト等で接着している。また、内装紙として、このアルミクラフト紙のアルミニウム箔上に10μm〜70μm程度の低密度ポリエチレンを貼り合わせたものや、さらに、この低密度ポリエチレンに70μm程度の黒ポリエチレンフィルムを貼り合わせて遮光性を高めたものも使用されている。

0009

しかし、このアルミクラフト紙は、廃却時に故紙回収ができず、産業廃棄物として埋め立て、焼却等の処分が必要となるため、廃却に高いコストを要している。

0010

これに対し、アルミニウム箔を貼着することなく、必要な遮光性を満たした遮光紙が提案されているが(特開平9−111697号参照)、この遮光紙では、紙表面に遮光層を設けなければならないため高価になる。

発明が解決しようとする課題

0011

本発明は、上記事実を考慮し、低コストで平版印刷版を確実に遮光して包装できる平版印刷版包装構造及び平版印刷版包装方法と、これらの平版印刷版包装構造及び平版印刷版包装方法に使用される平版印刷版用包装材を得ることを課題とする。

課題を解決するための手段

0012

請求項1に記載の発明では、平版印刷版を包装する平版印刷版包装構造であって、平版印刷版の周囲に配置される平版印刷版用包装材と、前記平版印刷版用包装材に、この平版印刷版用包装材どうしが部分的に重なり合うように設けられた重合部と、を有し、前記重合部が前記平版印刷版の外側全体に渡って封止されていることを特徴とする。

0013

すなわち、平版印刷版の周囲に配置された平版印刷版用包装材の重合部を封止することで、本発明の平版印刷版包装構造が構成され、平版印刷版が包装される。この状態で、重合部は平版印刷版の外側全体に渡って封止されているので、平版印刷版は包装材によって外部から完全に隔離され、外部の光が平版印刷版に当たらなくなる。

0014

このように、本発明の平版印刷版包装構造では、平版印刷版用包装材に設けた重合部を封止することで、平版印刷版包装構造自体が一定の遮光性を有するようになり、平版印刷版は確実に遮光されるので、平版印刷版の感光層又は感熱層が変質することはない。

0015

しかも、本発明の平版印刷版用包装材としては、一般的な包装に使用されている材料(例えば、断ボ−ル、ハニカム構造材、クラフト紙、厚紙等)を使用することができる。従来のアルミクラフト紙等、廃却が困難な材料を使用する必要はなく、廃却が容易な一般紙等を使用することが可能なので、低コストで平版印刷版を包装できる。平版印刷版用包装材をリユース又はリサイクル(例えば故紙として)することもできるため、廃材の量を従来より減らすことも可能になる。

0016

請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記重合部に、外部から前記平版印刷版までの直線的な経路を遮る折り曲げ部が設けられていることを特徴とする。

0017

光は直進性を有するので、折り曲げ部によって外部から平版印刷版までの直線的な経路が遮されることで、外部の光が平版印刷版にさらに達しにくくなり、平版印刷版はさらに確実に遮光される。

0018

請求項1又は請求項2に記載の発明において、重合部を封止する手段は特に限定されないが、例えば、請求項3に記載のように、接着手段によって接着し封止してもよい。これにより、簡単な構造で重合部を封止できる。接着手段としては、例えば接着剤粘着テープ等を挙げることができる。

0019

請求項4に記載の発明では、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の発明において、前記平版印刷版用包装材に、厚み方向の水分移動を制限する防湿層が設けられていることを特徴とする。

0020

このように、防湿層が設けられた平版印刷版用包装材を使用して平版印刷版を包装することで、外部の湿度変化に対して平版印刷版包装材が緩衝作用を奏し、湿度変化の影響を平版印刷版は受けにくくなる。すなわち、平版印刷版は外部から遮光されるだけでなく、防湿もされるため、例えば感光層又は感熱層が周囲の湿度変化やこれに起因する結露等によって変質しやすい平版印刷版であっても、感光層又は感熱層の変質がより確実に防止される。

0021

この防湿層の具体的構成は、包装された平版印刷版を確実に防湿できれば限定されず、例えば、平版印刷版包装材に樹脂ラミネートしたものや、防湿剤を塗布したもの等を挙げることができる。防湿剤として故紙回収可能なものを使用すると、平版印刷版用包装材のリサイクルが容易になるので、好ましい。

0022

ラミネートされる樹脂の例としては、低密度ポリエチレン(LDPE)を挙げることができる。また、低密度ポリエチレンの厚みは5μm以上100μm以下とすると、十分な防湿性を確保できると共に、過剰に多くの樹脂を使用しないので低コストとなる。

0023

防湿層の透湿度としては、例えば請求項5に記載のように50(g/m2・24h)以下とすると、確実に平版印刷版を防湿できる。なお、ここでいう透湿度は、JIS Z 0208に規定される。

0024

請求項6に記載の発明では、平版印刷版を包装する包装方法であって、平版印刷版用包装材を平版印刷版の周囲に配置すると共に、平版印刷版用包装材どうしを部分的に重なり合せて重合部を構成する配置工程と、前記配置工程によって構成された前記重合部を平版印刷版の外側全体に渡って封止する封止工程と、を有することを特徴とする。

0025

すなわち、配置工程によって平版印刷版の周囲に配置された平版印刷版用包装材に対し、封止工程によってこの平版印刷版用包装材の重合部を封止することで、平版印刷版包装構造が構成され、平版印刷版が包装される。重合部は平版印刷版の外側全体に渡って封止されているので、平版印刷版は平版印刷版用包装材によって外部から完全に隔離され、外部の光が平版印刷版に当たらなくなる。

0026

このように、本発明の平版印刷版包装方法では、包装工程によって平版印刷版用包装材に設けられた重合部を、封止工程によって平版印刷版の外側全体にわたって封止することで、平版印刷版用包装材自体が一定の遮光性を有するようになり、平版印刷版は確実に遮光されるので、平版印刷版の感光層又は感熱層の変質が防止され、平版印刷版は一定の品質に維持される。

0027

しかも、本発明では、平版印刷版用包装材として一般的な包装に使用されている材料(例えば、段ボール、ハニカム構造の紙、クラフト紙、厚紙等)を使用することができる。すなわち、従来のアルミクラフト紙等、廃却が困難な材料を使用する必要はなく、廃却が容易な一般紙等を使用することが可能なので、低コストで平版印刷版を包装できる。平版印刷版用包装材をリユース又はリサイクル(例えば故紙として)することもできるため、廃材の量を従来より減らすことも可能になる。

0028

なお、請求項6に記載の平版印刷版包装方法において使用される平版印刷版用包装材として、請求項4に記載したような、厚み方向の水分移動を制限する防湿層が設けられているものを使用してもよい。これにより、外部の湿度変化に対して平版印刷版用包装材が緩衝作用を奏し、湿度変化の影響を平版印刷版は受けにくくなる。このため、平版印刷版に結露等の湿度変化に起因する問題が生じて感光層又は感熱層が変質することを防止できる。

0029

請求項7に記載の発明では、請求項6に記載の発明において、前記配置工程によって構成された前記重合部に、外部から平版印刷版までの直線的な経路を遮る折り曲げ部を形成する折り曲げ工程、を有することを特徴とする。

0030

光は直進性を有するので、折り曲げ工程によって形成された折り曲げ部により、外部から平版印刷版までの直線的な経路が遮される。これにより、外部の光が平版印刷版にさらに達しにくくなり、平版印刷版はさらに確実に遮光される。

0031

請求項8に記載の発明では、請求項6又は請求項7に記載の発明において、前記配置工程によって構成された前記重合部を、平版印刷版用包装材の厚み方向に圧縮する圧縮工程、を有することを特徴とする。

0032

従って、重合部の厚みが薄くなり、平版印刷版を包装した状態で重合部が外側に出っ張らなくなるので、荷扱いが容易になる。なお、かかる観点からは、重合部の厚みが平版印刷版用包装材自体の厚み以下となるように圧縮することが好ましい。

0033

請求項9に記載の発明では、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の平版印刷版包装構造又は請求項6〜請求項8のいずれかに記載の平版印刷版包装方法に使用される平版印刷版用包装材であって、前記平版印刷版を包装した状態で前記重合部となる部分が、これ以外の部分よりもあらかじめ薄くされていることを特徴とする。

0034

従って、平版印刷版包装構造を構成した状態では、重合部の厚みが薄くなり(好ましくは、平版印刷版用包装材の厚み以下となり)、平版印刷版を包装した状態で重合部が外側に出っ張らなくなるので、荷扱いが容易になる。

0035

なお、請求項9に記載の平版印刷版用包装材を使用した場合であっても、請求項8に記載ように圧縮工程によって重合部を圧縮してもよい。これにより、重合部の厚みをさらに薄くすることができる。特に、圧縮前の重合部の厚みが平版印刷版用包装材の厚みの半分より厚い場合は、平版印刷版を包装した状態で重合部が外側(平版印刷版用包装材の厚み方向)に出っ張る。このような場合であっても、圧縮工程によって重合部を圧縮することで、重合部の厚みをより薄くする(好ましくは平版印刷版用包装材の厚み以下とする)ことができる。

発明を実施するための最良の形態

0036

図1には、本発明の第1実施形態の平版印刷版包装構造(以下、単に「包装構造」という)30によって平版印刷版10(感光性印刷版又は感熱性印刷版)の積層束12を包装する初期状態が示されている。また、図2図4には、本発明の平版印刷版包装方法によって平版印刷版を包装する工程(包装構造30を構成する工程)が順に示されている。

0037

平版印刷版10は、長方形の板状に形成された薄いアルミニウム製の支持体上に、塗布膜(感光性印刷版の場合には感光層、感熱性印刷版の場合には感熱層)を塗布して形成されている。この塗布膜に、露光、現像処理、ガム引き等の製版処理が行われ、印刷機にセットされ、インクが塗布されることで、紙面に文字、画像等が印刷される。なお、本実施形態の平版印刷版10は、印刷に必要な処理(露光や現像等)が施される前段階のものであり、場合によっては平版印刷版原版あるいは平版印刷版材と称されることもある。

0038

なお、このような構成とされていれば、平版印刷版10の具体的構成は特に限定されないが、例えば、ヒートモード方式およびフォトン方式のレーザ刷版用の平版印刷版とすることによって、デジタルデータから直接製版可能な平版印刷版とすることができる。

0039

また、平版印刷版10は、感光層又は感熱層中の成分を種々選択することによって、種々の製版方法に対応した平版印刷版とすることができる。本発明の平版印刷版の具体的態様の例としては、下記(1)〜(11)の態様が挙げられる。
(1) 感光層が赤外線吸収剤、熱によって酸を発生する化合物、および酸によって架橋する化合物を含有する態様。
(2) 感光層が赤外線吸収剤、および熱によってアルカリ溶解性となる化合物を含有する態様。
(3) 感光層が、レーザ光照射によってラジカルを発生する化合物、アルカリに可溶のバインダー、および多官能性モノマーあるいはプレポリマーを含有する層と、酸素遮断層との2層を含む態様。
(4) 感光層が、物理現像核層ハロゲン化銀乳剤層との2層からなる態様。
(5) 感光層が、多官能性モノマーおよび多官能性バインダーとを含有する重合層と、ハロゲン化銀還元剤を含有する層と、酸素遮断層との3層を含む態様。
(6) 感光層が、ノボラック樹脂およびナフトキノンジアジドを含有する層と、ハロゲン化銀を含有する層との2層を含む態様。
(7) 感光層が、有機光導電体を含む態様。
(8) 感光層が、レーザー光照射によって除去されるレーザー光吸収層と、親油性層および/または親水性層とからなる2〜3層を含む態様。
(9) 感光層が、エネルギーを吸収して酸を発生する化合物、酸によってスルホン酸またはカルボン酸を発生する官能基を側鎖に有する高分子化合物、および可視光を吸収することで酸発生剤にエネルギーを与える化合物を含有する態様。
(10) 感光層が、キノンジアジド化合物と、ノボラック樹脂とを含有する態様。
(11) 感光層が、光又は紫外線により分解して自己もしくは層内の他の分子との架橋構造を形成する化合物とアルカリに可溶のバインダーとを含有する態様。

0040

特に、近年では、レーザーで露光する高感度感光タイプの塗布膜を塗布した平版印刷版や、感熱タイプの平版印刷版が使用されることもあるが(例えば上記した(1)〜(3)の態様等)、このような高感度タイプの平版印刷版の場合には、本発明の平版印刷版用包装構造30を適用して包装することで、画像形成面(塗布膜が形成された面)の品質低下を確実に防止できる。

0041

平版印刷版10の形状等は特に限定されず、例えば、厚み0.12〜0.5mm、長辺(幅)300〜2050mm、短辺(長さ)200〜1500mmのアルミニウム板の片面又は両面に感光層又は感熱層が塗布されたもの等とすることができる。

0042

そして、図1からも分かるように、塗布膜を保護する合紙14と、平版印刷版10と、を交互に厚み方向に重ね合わせ、さらに重ね合わせ方向の両端面(天面及び底面)に平版印刷版10と略同サイズの保護用厚紙22を配置して、平版印刷版10の積層束12が構成されている。1つの積層束12を構成する平版印刷版10の数は特に限定されないが、運搬保管の効率化の観点等から、例えば10枚〜100枚とすることができる。また、このように10枚〜100枚の平版印刷版10によって積層束12を構成した場合には、平版印刷版10と保護用厚紙22とがずれないように、粘着テープ等の固定手段でこれらを固定することが好ましい。また、さらに多くの平版印刷版10によって積層束12を構成し、より効率的に(少ない荷扱いの回数で)運搬や保管をできるようにすることも可能である。例えば、平版印刷版10の枚数を最大で4000枚程度とし、平版印刷版10の20〜100枚ごとに保護用厚紙22を入れるようにしてもよい。さらに、平版印刷版10の枚数を最大で4000枚程度とし、その上下にのみ保護用厚紙22を配置してもよい。加えて、平版印刷版10の種類によっては、保護用厚紙22を省略してもよい。

0043

合紙14としては、例えば、漂白クラフトパルプから抄造した坪量20〜60g/m2、密度0.7〜0.85g/cm3、水分4〜6%、ベック平滑度10〜800秒、PH4〜6の紙を使用し、このような構成の合紙14を平版印刷版10の感光層(又は感熱層)に密着させて使用することができる。なお、平版印刷版10の種類によっては、合紙14を省略してもよい。

0044

保護用厚紙22としては、例えば、故紙から抄造した坪量200〜1500g/m2、密度0.7〜0.85g/cm3、水分4〜6%、ベック平滑度3〜20秒、PH4〜6の紙を使用することができる。

0045

本実施形態の包装構造30では、段ボール製の包装材20を使用して平版印刷版10の積層束12を包装している。

0046

この包装材20は、図1からも分かるように、包装材20上に置かれた積層束12の底面から前面12F及び天面12Uに接触するように巻き付け、さらに後面12Bに、包装材20の長手方向両端部を重ね合わせることが可能となるように、十分な長さL1を有している。また、このように積層束12に巻きつけた状態で、幅方向の端部が積層束12の外側において重ね合わさるように、十分な幅W1を有している。

0047

従って、図1に矢印Aで示すように包装材20を積層束12に巻き付けると、図2(A)に示すように、包装材20の長手方向端部が、積層束12の後面12Bに折り重なって重合部24が構成される。この重合部24を接着剤により接着する。なお、図2(A)では、包装材20のうち、上側のはみ出し部分を先に折りこみ、ついで下側のはみ出し部分を折りこんで重合部22を構成しているが、この上下関係は全く逆になっていてもよい。

0048

また、図2(B)に示すように、包装材20の幅方向両端は、積層束12の側面12Sよりも外側にはみ出しているので、図3に示すように、このはみ出し部分を上下方向に押しつぶすようにして重合させ、接着剤で接着して重合部26を構成する。これにより、平版印刷版10の積層束12の外側全体に包装材20が配置されると共に、重合部24、26の全てが封止される(なお、図3及び図4では、図2(B)と同一の箇所の断面図としている)。

0049

最後に、図4に示すように、接着された重合部26を、積層束12の側面12Sに沿うように折り曲げて接着し、折り曲げ部28を形成する。以上により、本実施形態の平版印刷版包装構造30が構成される。なお、包装材20を接着して重合部24、26を構成するための接着手段としては、上記した接着剤に限られる、例えば粘着テープ等を使用してもよい。これらの接着剤や粘着テープを使用すると、重合部24、26を容易に封止でき、好ましい。

0050

なお、図3及び図4では、積層束12の側面12Sからはみ出した包装材20のうち、上側のはみ出し部分を下側のはみ出し部分に向かって折りこんで重合部26を構成し、この重合部を上方へ折り上げて折り曲げ部28を構成しているが、この上下関係は全く逆になっていてもよい。

0051

このように、本実施形態の平版印刷版包装構造30では、平版印刷版10の積層束12の周囲に包装材20が配置されると共に、重合部24、26の全てが積層束12(平版印刷版10)の外側全体に渡って封止されることで、積層束12が外部から完全に隔離される。このため、外部の光が包装された平版印刷版10の積層束12に達しなくなり、平版印刷版10は確実に遮光されるので、いわゆる光被りが生じない。特に、本実施形態の平版印刷版包装構造30では、折り曲げ部28を形成することで、外部から平版印刷版10のまでの直線的な経路を遮っている。光は直進性を有するので、このように直線的な経路を遮ることで、外部の光が平版印刷版10にさらに達しにくくなり、平版印刷版10はさらに確実に遮光される。

0052

しかも、本実施形態の平版印刷版包装構造30自体が一定の遮光性を有しているので、従来のアルミクラフト紙等のような、廃却が困難な包装材料を使用する必要がない。すなわち、包装材20として、上述の段ボール等、廃却が容易な材料(後述するハニカム構造の紙や厚紙、クラフト紙等)を使用することができ、低コストで平版印刷版包装構造30を構成して平版印刷版10の積層束12を包装できる。また、段ボールやハニカム構造の紙(ハニカム構造材)、厚紙、クラフト紙等は、使用後においても必要な強度や剛性等の条件を満たしている場合にはリユースでき、リユース不能の場合であっても故紙としてリサイクルすることができるため、廃材の量を従来より減らすことが可能になる。

0053

また、本実施形態の平版印刷版包装構造30では、平版印刷版10の積層束12の周囲の全ての部分に包装材20が配置されていることになる。このため、運搬時や保管時などに外部から物が当たったりしても、このエネルギーが段ボールによって吸収される。平版印刷版10には外力が作用しないか、作用しても、実質的に変形や傷を生じさせない程度に外力が弱められて(エネルギーが吸収されて)作用するので、平版印刷版10は、角や辺、内部等いずれの部位も変形したり傷ついたりしない。このため、この包装構造30によって包装された平版印刷版10を搬送後あるいは保管後に使用し感光や感熱によって現像した際に、像がぼけたり、印刷した際にインクが不均一になる等の問題が生じることがなく、常に鮮明な画像を得ることが可能となる。

0054

なお、上記説明では、折り曲げ部28を形成することでさらに遮光性が高められた平版印刷版包装構造30を例に挙げて説明したが、重合部24、26を封止することで十分な遮光性、断熱性及び防湿性を確保できる場合には、折り曲げ部28は形成されていなくてもよい。

0055

また、折り曲げ部28の具体的形状としても、上記したものに限られない。例えば図5(A)に示すように、重合部24の幅方向中央で折り返してさらに重合させてもよい。また、図5(B)に示すように、重合部24の幅が十分長くなるように包装材20の幅W1(図1参照)を設定し、重合部24を積層束12の天面12Uに向かってさらに折り曲げてもよい。加えて、折り曲げ部28は、重合部24が屈曲されることで形成されている必要はなく、例えば図5(C)に示すようにロール状に丸めた折り曲げ部28であってもよい。すなわち、図5に示したいずれの折り曲げ部においても、重合部24の間で外部から平版印刷版10に達する直線的な経路が遮られており、平版印刷版10の光被りがさらに効果的に防止される。

0056

重合部26を封止する構成としても、上記した接着剤に限られない。すなわち、重合部26を確実に封止できるものであればよく、例えばクリップで重合部26を留めたり、ベルトを包装構造30の全体に巻きつけて外側から押さえつけて封止してもよいが、接着剤を使用すれば部品点数が増加したり、包装構造30が嵩張ったりすることなく、簡単な構成で重合部26を確実に封止でき、好ましい。

0057

図6には、本発明の第2実施形態の平版印刷版包装構造40を構成する工程が(A)〜(C)へと順に示されている。以下、第1実施形態と同一の構成要素、部材等については同一符号を付して説明を省略する。

0058

第2実施形態の包装材42は、この包装材42の略中央に積層束12を置いて、包装材42の長手方向両側を天面12Uに接触するように巻き付けると、長手方向両端部(先端近傍部分)が重ね合わさるように、十分な長さL2を有している。また、このように積層束12に巻きつけた状態で、図6(C)に示すように幅方向の端部が積層束12の外側において重ね合わさるように、十分な幅W2を有している。

0059

図6(A)から分かるように、包装材42の長手方向両端部(天面12U上で重なる部分)は、予めその厚みT2が包装材42自体の厚みT1の約半分に形成された薄肉部44とされている。従って、図6(B)及び(C)に示すようにこの薄肉部44を重ね合わせて接着し、重合部46を構成すると、重合部46の厚みが包装材42自体の厚みとほぼ等しくなる。

0060

また、第1実施形態の包装材20と同様、包装材42の幅方向両端部分、すなわち積層束12の側面12Sよりも外側にはみ出した部分を上下方向に押しつぶすようにして重合させ、接着剤で接着して重合部48を構成する。これにより、平版印刷版10の積層束12の外側全体に包装材42が配置されると共に、重合部46、48の全てが封止される。

0061

なお、第2実施形態においても第1実施形態と同様、重合部48を積層束12の側面12Sに沿うように折り曲げて接着し、図4あるいは図5(A)〜(C)に示す形状の折り曲げ部28を形成してもよい。

0062

このように、第2実施形態の包装材42では、平版印刷版包装構造40を構成した状態で重合部46となる部分が、あらかじめ包装材42自体よりも薄い薄肉部44とされている。従って、平版印刷版包装構造40において、重合部46が外側に出っ張ることがない。このため、例えば平版印刷版包装構造40を厚み方向に積層した場合に、平版印刷版包装構造40どうしの接触面積が広くなり、安定して荷扱いできる。

0063

薄肉部44の厚みT2としては、必ずしも包装材42自体の厚みT1の半分程度とされている必要はなく、例えば半分以上であっても、重合部46の出っ張りを少なくすることは可能であるが、出っ張りを完全になくすためには包装材42自体の厚みT1の半分以下とされていることが好ましい。また、薄肉部44の厚みT2をあまりに薄くすると平版印刷版包装構造40を構成した状態で重合部46の強度が低下するので、このような強度低下を防止する観点からは、厚いほうがよい。従って、これらの条件をすべて案すると、薄肉部44の厚みT2は包装材42自体の厚みT1の半分程度とされていることが好ましい。

0064

また、重合部46の出っ張りを少なくする(好ましくは完全に無くす)ための構成としては、必ずしも予め包装材42に薄肉部44を形成しておく構成に限られない。すなわち、包装材42としては薄肉部44が形成されておらず、一様な厚みを有するものを使用し、図6(B)に示すように重合部46を構成した状態で厚み方向に圧縮して、重合部46の厚みを薄くしてもよい。さらに、薄肉部44が形成された包装材42を使用した場合であっても、重合部46を構成した状態で厚み方向に圧縮して、重合部46の厚みをさらに薄くしてもよい。

0065

薄肉部44を形成する方法や、薄肉部44の具体的構成は特に限定されないが、包装材42が段ボール製であることを考慮すると、例えば、コルゲータ等の段ボール製造装置によって段ボールを製造する工程の最後で段ボールを部分的に圧縮し、薄肉部44を形成することもできる。また、包装材42を、複数枚(例えば2枚)の段ボールを貼り合わせて形成し、薄肉部44については段ボールの枚数を減らす(例えば1枚)ような構成や、包装材42を複両面段ボールで形成し、薄肉部44については両面段ボールとする(中しん及びライナーの一部を省略する)ような構成でもよい。

0066

また、包装材20、42は必ずしも1枚で平版印刷版10の積層束12を包装可能とされている必要はなく、複数枚の包装材によって積層束12を包装できるような構造でもよい。例えば、図7に示すように、積層束12の天面12Fよりも大きく形成された2枚の包装材32を使用してもよい。この場合には、例えば、積層束12を上下から挟むようにしてそれぞれの包装材32を積層束の天面12F及び底面に接触させ、天面12U及び底面からはみ出した部分の包装材32を重合させて、接着剤等により封止すればよい。これにより、平版印刷版10は包装材32によって遮光、断熱及び防湿された状態で包装される。なお、必要に応じ、例えば図4図5(A)〜(C)に示すように重合部を折り曲げて折り曲げ部を構成し、さらに遮光性を高めてもよい。

0067

図8には、本発明の第3実施形態の平版印刷版包装構造60が示されている。また、図9には、この平版印刷版包装構造60を構成する段ボール製の包装箱62が展開図にて示されている。

0068

この包装箱62は、図9に示す展開図からも分かるように、底面板72の短辺側及び上面板74の短辺側に、底面積層板76及び上面積層板78が隣接して設けられている。底面積層板76及び上面積層板78には複数の折り曲げ線80が形成されており、この折り曲げ線80で折り曲げることで、図8に示すように、組立状態では渦巻き状の積層部82、84が構成される。そして、包装箱70に外部から大きな力が作用しても、積層束12を構成する平版印刷版10には、少なくとも品質上問題となるような傷や変形が生じない程度に確実に保護される。

0069

上面板74のそれぞれからは、さらに図9における幅方向に延長された延長部86が形成されている。図8から分かるように、包装箱62が組み立てられた状態で、この延長部86が積層束12の天面12U上で重合する重合部88となる。また、積層部82、84も積層束12の側面12Sの外側で重合する重合部90となっている。

0070

従って、図8から分かるように、この包装箱62によって構成された第3実施形態の平版印刷版包装構造60においても、第1実施形態の平版印刷版包装構造30や第2実施形態の平版印刷版包装構造40と同様、平版印刷版10の積層束12の周囲に包装材(包装箱62を構成する段ボール)が配置される.そして、重合部88、90の全てが積層束12(平版印刷版10)の外側全体に渡って封止されることで、積層束12が外部から完全に隔離される。このため、外部の光が包装された平版印刷版10の積層束12に達しなくなり、平版印刷版10は確実に遮光されるので、いわゆる光被りが生じない。なお、重合部88、90の封止には、第1実施形態及び第2実施形態と同様、接着手段を使用することができる。接着手段としては、接着剤や粘着テープを使用することが好ましい。

0071

なお、図8では、重合部88全体の厚みが包装箱62を構成する段ボールの厚みと等しくされることで、重合部88が外側に出っ張らないように構成されたものを示している。これにより、第2実施形態と同様に、平版印刷版包装構造60を厚み方向に積層した場合に、平版印刷版包装構造60どうしの接触面積が広くなり、安定して荷扱いできる。このように、重合部88が外側に出っ張らないようにするための構成としては、第2実施形態と同様に、予め延長部86の厚みがこれ以外部分の厚みよりも薄くされた(好ましくは半分程度とされた)段ボールを使用することができる。あるいは、段ボールとしては一様な厚さのものを使用し、重合部88を構成した後に厚み方向に圧縮して重合部88の厚みを薄くしてもよい。

0072

また、重合部88、90の構成としても図8及び図9に示したものに限られない。例えば、図10及び図11に示す包装箱92では、一方の上面板74のみから、延長部86が形成されている。すなわち、このような構成でも、図10から分かるように、上面板74の一部と延長部86とで重合部88が構成される。なお、重合部88を外側に出っ張らないようにするためには、上面板74の一部(重合部88となる部分)と延長部86との厚みを予め薄くした段ボールを使用してもよいし、重合部88を構成した後に厚み方向に圧縮してもよい。

0073

図12及び図13に示す包装箱102では、上面板74だけでなく、上面積層板78からも延長部104が形成されている。従って、図13から分かるように、上側の積層部84は2枚の段ボールが重なった状態でさらに渦巻状に構成される。なお、この構成では、積層部84の中央部分(延長部104に対応する部分)の高さが高くなり、上面板74よりも上方に出っ張る可能性がある。従って、延長部104の板厚を予め薄くしたり、積層部82を構成した後に圧縮する等によって高さを低くし、上方に出っ張らないようにすることが特に好ましい。

0074

もちろん、図12及び図13に示す包装箱102だけでなく、図8及び図9に示す包装箱62や、図10及び図11に示す包装箱92においても、重合部90(すなわち、積層部82、84を上下方向に圧縮してもよい。

0075

本実施形態の包装構造30、40、60を構成する包装材は、上記した段ボール製の包装材20、42及び包装箱62、92、102に限られず、それ自体として十分な遮光性を有するものであれば使用できる。例えば、段ボールに代えて、ハニカム構造の紙(ハニカム構造材)や一般的なクラフト紙、厚紙等を使用することが可能である。また、これらの材料はリサイクルも可能であるため、省資源という観点からも好ましい。

0076

包装材(又は包装箱)として段ボールを使用する場合には、強度及び剛性の観点から、以下の構成とすることが好ましい。

0077

まず、段ボールの段(フルート)を好ましい順に挙げると、Aフルート、Cフルート、Bフルート、Eフルートである。段ボールの層構成を好ましい順に挙げると、複々両面段ボール(AAA等)、複両面段ボール(AA等)、両面段ボール(A等)である。

0078

段ボールの表ライナー及び裏ライナーの級を好ましい順に挙げると、AA級、A級、B級、C級であり、表ライナー及び裏ライナーの坪量としては、160(g/m2)以上440(g/m2)以下である。段ボールの中しんの種類を好ましい順に挙げると、強化中しん、A級、B級、C級であり、中しんの坪量としては、100(g/m2)以上280(g/m2)以下である。

0079

また、段ボールに代えて紙製のハニカム構造材を使用する場合には、上記した段ボールと同様の表ライナー、裏ライナー及び中しんであることが好ましい。

0080

さらに、段ボールに代えて厚紙を使用する場合には、坪量が200(g/m2)以上2000(g/m2)以下であることが好ましい(なお、段ボール及びハニカム構造材の表ライナー、裏ライナー及び中しんの坪量や、厚紙の坪量は、数値が大きい程強度が高くなる)。。

0081

特に、段ボールや紙製のハニカム構造材は、一般に強度の高いものほど高価であるため、必要な強度が得られ、且つ比較的安価とするために、段がAフルート又はABフルート、層構成がA又はAB、表ライナー及び裏ライナーの種類及び坪量がそれぞれA級またはB級で280〜180(g/m2)程度、中しんの種類及び坪量が強化中しん、B級又はC級で220〜120(g/m2)程度のものを使用することがより好ましい。

0082

また、これらの材料に、包装材の厚み方向の水分透過を制限する防湿層が設けられたものを使用してもよい。特に、平版印刷版の種類によっては、塗布膜(感光層又は感熱層)が周囲の湿度変化やこれに起因する結露等によって変質しやすい場合がある。このような平版印刷版を包装する場合には、防湿層が設けられた包装材を使用して本発明の平版印刷版包装構造を構成すると、外部の湿度変化に対して平版印刷版包装材が緩衝作用を奏し、湿度変化の影響を平版印刷版は受けにくくなって、感光層又は感熱層の変質がより確実に防止される。

0083

防湿層の具体的構成も、包装される平版印刷版の種類に応じて、平版印刷版を防湿できるものであれば特に限定されないが、例えば、上記した包装材20、42を構成する段ボール等の表面に樹脂をラミネートしたものを挙げることができる。この樹脂の材料としては、低密度ポリエチレン(LDPE)を挙げることができる。また、低密度ポリエチレンの厚みは5μm以上100μm以下とすると、十分な防湿性を確保できると共に、過剰に多くの樹脂を使用しないので低コストとなる。

0084

防湿剤の他の例として、段ボール等の表面に防湿剤を塗布したものでもよい。防湿剤として故紙回収可能なものを使用すると、包装材のリサイクルが容易になるので、好ましい。

0085

防湿層の透湿度も、包装される平版印刷版の種類に応じて必要な防湿性を確保できれば限定されないが、例えば,JIS Z 0208に規定される透湿度を50(g/m2・24h)以下とすると、確実に平版印刷版を防湿できる。

0086

このような防湿層が設けられた包装材を使用して平版印刷版を包装する場合、防湿層が内側になるように包装すると、包装材自体に含まれている水分の影響も平版印刷版は受けることがなくなるので、より好ましい。

発明の効果

0087

請求項1に記載の発明では、平版印刷版を包装する平版印刷版包装構造であって、平版印刷版の周囲に配置される平版印刷版用包装材と、前記平版印刷版用包装材に、この平版印刷版用包装材どうしが部分的に重なり合うように設けられた重合部と、を有し、前記重合部が前記平版印刷版の外側全体に渡って封止されているので、平版印刷版を確実に遮光でき、しかも、低コストで平版印刷版を包装できる。

0088

請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記重合部に、外部から前記平版印刷版までの直線的な経路を遮る折り曲げ部が設けられているので、平版印刷版をさらに確実に遮光できる。

0089

請求項3に記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記重合部が接着手段によって接着され封止されている、簡単な構造で重合部を封止できる。

0090

請求項4に記載の発明では、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の発明において、前記平版印刷版用包装材に、厚み方向の水分移動を制限する防湿層が設けられているので、、平版印刷版は外部から遮光されるだけでなく、防湿され、感光層又は感熱層の変質がより確実に防止される。

0091

請求項5に記載の発明では、請求項4に記載の発明において、前記防湿層の透湿度が50(g/m2・24h)以下とされているので、確実に平版印刷版を防湿できる。

0092

請求項6に記載の発明では、平版印刷版を包装する包装方法であって、平版印刷版用包装材を平版印刷版の周囲に配置すると共に、平版印刷版用包装材どうしを部分的に重なり合せて重合部を構成する配置工程と、前記配置工程によって構成された前記重合部を平版印刷版の外側全体に渡って封止する封止工程と、を有するので、平版印刷版を確実に遮光でき、しかも、低コストで平版印刷版を包装できる。

0093

請求項7に記載の発明では、請求項6に記載の発明において、前記配置工程によって構成された前記重合部に、外部から平版印刷版までの直線的な経路を遮る折り曲げ部を形成する折り曲げ工程、を有するので、平版印刷版をさらに確実に遮光できる。

0094

請求項8に記載の発明では、請求項6又は請求項7に記載の発明において、前記配置工程によって構成された前記重合部を、平版印刷版用包装材の厚み方向に圧縮する圧縮工程、を有するので、重合部の厚みが薄くなり、平版印刷版を包装した状態で重合部が外側に出っ張らなくなるので、荷扱いが容易になる。

0095

請求項9に記載の発明では、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の平版印刷版包装構造又は請求項6〜請求項8のいずれかに記載の平版印刷版包装方法に使用される平版印刷版用包装材であって、前記平版印刷版を包装した状態で前記重合部となる部分が、これ以外の部分よりもあらかじめ薄くされているので、重合部の厚みが薄くなり、平版印刷版を包装した状態で重合部が外側に出っ張らなくなるので、荷扱いが容易になる。

図面の簡単な説明

0096

図1本発明の第1実施形態に係る平版印刷版包装構造において平版印刷版を包装する初期状態を示す斜視図である。
図2本発明の第1実施形態に係る平版印刷版包装構造において平版印刷版を包装する工程を示し、(A)は平版印刷版用包装材の長さ方向に破断した断面図、(B)は幅方向に破断した断面図である。
図3本発明の第1実施形態に係る平版印刷版包装構造において平版印刷版を包装する工程を平版印刷版用包装材の長さ方向に破断して示す断面図である。
図4本発明の第1実施形態に係る平版印刷版包装構造によって平版印刷版を包装した状態を平版印刷版用包装材の長さ方向に破断して示す断面図である。
図5(A)〜(C)は、本発明の第1実施形態に係る平版印刷版包装構造の折り曲げ部の別の例を示す断面図である。
図6本発明の第2実施形態に係る平版印刷版包装構造を構成する工程を(A)〜(C)へと順に示す斜視図である。
図7図1図6に示すものとは異なる本発明の平版印刷版包装構造において平版印刷版を包装する初期状態を示す斜視図である。
図8本発明の第3実施形態の平版印刷版包装構造を一部破断して示す斜視図である。
図9本発明の第3実施形態の平版印刷版包装構造を構成する包装箱を示す展開図である。
図10本発明の第3実施形態の変形例の平版印刷版包装構造を一部破断して示す斜視図である。
図11本発明の第3実施形態の変形例の平版印刷版包装構造を構成する包装箱を示す展開図である。
図12本発明の第3実施形態のさらに別の変形例の平版印刷版包装構造を一部破断して示す斜視図である。
図13本発明の第3実施形態のさらに別の変形例の平版印刷版包装構造を構成する包装箱を示す展開図である。
図14従来の平版印刷版包装構造を示す断面図である。

--

0097

10平版印刷版
12積載
20 平版印刷版包装材
24重合部
26 重合部
28 折り曲げ部
30平版印刷版包装構造
40 平版印刷版包装構造
42 包装材
44薄肉部
46 重合部
48 重合部
60 平版印刷版包装構造
62包装箱(平版印刷版包装材)
88 重合部
90 重合部
92 包装箱(平版印刷版包装材)
102 包装箱(平版印刷版包装材)

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