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課題
解決手段
概要
背景
概要
耐熱性に優れた徐放性4-メチル-1-ペンテン共重合体組成物およびその用途を提供すること。
徐放性4-メチル-1-ペンテン共重合体組成物は、(A)4-メチル-1-ペンテンと、炭素原子数8〜20のα-オレフィンから選ばれる少なくとも1種のα-オレフィンとの共重合体であって、4-メチル-1-ペンテンから導かれる繰り返し単位を85重量%以上含有する4-メチル-1-ペンテン共重合体と、(B)茶ポリフェノールとを含み、前記4-メチル-1-ペンテン共重合体(A)100重量部に対し、前記茶ポリフェノール(B)を1〜30重量部の割合で含有する。徐放性4-メチル-1-ペンテン共重合体組成物成形体は、上記4-メチル-1-ペンテン共重合体組成物からなる。
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請求項1
(A)4-メチル-1-ペンテンと、炭素原子数8〜20のα-オレフィンから選ばれる少なくとも1種のα-オレフィンとの共重合体であって、4-メチル-1-ペンテンから導かれる繰り返し単位を85モル%以上含有する4-メチル-1-ペンテン共重合体と、(B)茶ポリフェノールとを含み、前記4-メチル-1-ペンテン共重合体(A)100重量部に対し、前記茶ポリフェノール(B)を1〜30重量部の割合で含有することを特徴とする徐放性4-メチル-1-ペンテン共重合体組成物。
請求項2
請求項1に記載の4-メチル-1-ペンテン共重合体組成物からなることを特徴とする徐放性4-メチル-1-ペンテン共重合体組成物成形体。
請求項3
請求項4
小板状成形体である請求項2に記載の徐放性4-メチル-1-ペンテン共重合体組成物成形体。
請求項5
繊維または繊維製品である請求項2に記載の徐放性4-メチル-1-ペンテン共重合体組成物成形体。
請求項6
請求項7
加熱温度を20〜180℃の範囲内で調整することにより徐放性4-メチル-1-ペンテン共重合体組成物成形体からの茶ポリフェノールの放散量を調節することを特徴とする請求項6に記載の茶ポリフェノールの放散方法。
請求項8
(I)茶ポリフェノールを含む内層と(II)4-メチル-1-ペンテンと、炭素原子数8〜20のα-オレフィンから選ばれる少なくとも1種のα-オレフィンとの共重合体であって、4-メチル-1-ペンテンから導かれる繰り返し単位を85重量%以上含有する4-メチル-1-ペンテン共重合体からなり、前記内層の両面に形成された外層とからなる積層体であって、前記茶ポリフェノール以外の積層体を形成する成分100重量部に対し、前記茶ポリフェノールを1〜30重量部の割合で含有することを特徴とする徐放性4-メチル-1-ペンテン共重合体積層体。
請求項9
前記内層(I)の全表面が前記外層(II)で被覆されている請求項8に記載の徐放性4-メチル-1-ペンテン共重合体積層体。
請求項10
フィルムまたはシートである請求項8または9に記載の徐放性4-メチル-1-ペンテン共重合体組成物積層体。
請求項11
小板状成形体である請求項8または9に記載の徐放性4-メチル-1-ペンテン共重合体組成物積層体。
請求項12
請求項8ないし11のいずれかに記載の徐放性4-メチル-1-ペンテン共重合体積層体を加熱して該積層体から茶ポリフェノールを放散させることを特徴とする茶ポリフェノールの放散方法。
請求項13
加熱温度を20〜180℃の範囲内で調整することにより徐放性4-メチル-1-ペンテン共重合体積層体からの茶ポリフェノールの放散量を調節することを特徴とする請求項12に記載の茶ポリフェノールの放散方法。
技術分野
0002
インフルエンザは、空気感染または飛沫感染によって不特定多数の人々が感染し、毎年のように流行が繰り返されている。そしてこれまでにインフルエンザ感染を予防する薬剤が種々提案されているが、その効果はかならずしも十分なものではなかった。またインフルエンザウイルスを不活性化する方法としては、紫外線照射によるウイルスの不活性化があるが、紫外線は人体に対しても有害であるため、通常居住空間で使用することはできなかった。
0003
近年、茶ポリフェノールがインフルエンザウイルスの活動や増殖を押さえる効果があることが知られ、茶ポリフェノールを用いたインフルエンザウイルスの不活性化法が種々検討されている。
0004
ところで茶ポリフェノールを居住空間、オフィス内等に放散させるとその室内におけるインフルエンザウイルスの不活性化が可能であると考えられる。そこで本発明者らは茶ポリフェノールを放散方法について検討した結果、特定の4-メチル-1-ペンテン共重合体と茶ポリフェノールとからなる組成物は、茶ポリフェノールの徐放性に優れ、しかも耐熱性に優れているため加熱により茶ポリフェノールの放散量を制御可能であることを見出して本発明を完成するに至った。
0005
すなわち本発明、長期間に渡り茶ポリフェノールを放散し続けることができ、しかも耐熱性に優れた徐放性4-メチル-1-ペンテン共重合体組成物およびその用途を提供することを目的としている。
発明の概要
0006
本発明に係る徐放性4-メチル-1-ペンテン共重合体組成物は、(A)4-メチル-1-ペンテンと、炭素原子数8〜20のα-オレフィンから選ばれる少なくとも1種のα-オレフィンとの共重合体であって、4-メチル-1-ペンテンから導かれる繰り返し単位を85モル%以上含有する4-メチル-1-ペンテン共重合体と、(B)茶ポリフェノールとを含み、前記4-メチル-1-ペンテン共重合体(A)100重量部に対し、前記茶ポリフェノール(B)を1〜30重量部の割合で含有することを特徴としている。
0007
本発明に係る徐放性4-メチル-1-ペンテン共重合体組成物成形体は、上記4-メチル-1-ペンテン共重合体組成物からなることを特徴としている。徐放性4-メチル-1-ペンテン共重合体組成物成形体としては、フィルム、シート、小板状成形体、繊維、繊維製品などが挙げられる。
0008
本発明に係る徐放性4-メチル-1-ペンテン共重合体積層体は、(I)茶ポリフェノールを含む内層と(II)4-メチル-1-ペンテンと、炭素原子数8〜20のα-オレフィンから選ばれる少なくとも1種のα-オレフィンとの共重合体であって、4-メチル-1-ペンテンから導かれる繰り返し単位を85重量%以上含有する4-メチル-1-ペンテン共重合体からなり、前記内層の両面に形成された外層とからなる積層体であって、前記茶ポリフェノール以外の積層体を形成する成分100重量部に対し、前記茶ポリフェノールを1〜30重量部の割合で含有することを特徴としている。
0009
徐放性4-メチル-1-ペンテン共重合体組成物積層体としては、フィルム、シート、板状成形体などが挙げられる。本発明に係る茶ポリフェノールの放散方法は、上記徐放性4-メチル-1-ペンテン共重合体組成物成形体または上記徐放性4-メチル-1-ペンテン共重合体積層体を加熱して該成形体または積層体から茶ポリフェノールを放散させることを特徴としている。本発明では、加熱温度を20〜180℃の範囲内で調整することにより上記徐放性4-メチル-1-ペンテン共重合体組成物成形体または上記徐放性4-メチル-1-ペンテン共重合体積層体からの茶ポリフェノールの放散量を調節することができる。
0010
以下本発明に係る徐放性4-メチル-1-ペンテン共重合体組成物およびその用途について具体的に説明する。
0011
本発明に係る徐放性4-メチル-1-ペンテン共重合体組成物は、(A)4-メチル-1-ペンテン共重合体と、(B)茶ポリフェノールとからなる。
(A)4-メチル-1-ペンテン共重合体
本発明で用いられる4-メチル-1-ペンテン共重合体(A)は、4-メチル-1-ペンテンと、炭素原子数8〜20のα-オレフィンとのランダム共重合体であって、4-メチル-1-ペンテンから導かれる繰返し単位を通常85重量%以上、好ましくは85〜98重量%、より好ましくは90〜98重量%、さらに好ましくは95〜98重量%の割合で含有し、α-オレフィンから導かれる繰返し単位を通常15重量%以下、好ましくは2〜15重量%、より好ましくは2〜10重量%、さらに好ましくは2〜5重量%の割合で含有している。α-オレフィンから導かれる繰返し単位の含有量が上記の範囲内にあると、4-メチル-1-ペンテン共重合体(A)は、耐熱性および茶ポリフェノールの徐放性に優れる。
0012
炭素原子数8〜20のα-オレフィンとしては、例えば1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどが挙げられ、炭素原子数10〜20のものが好ましく、炭素原子数10〜18のものがより好ましい。これらのα-オレフィンは、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。コモノマーが炭素原子数8〜20のα-オレフィンであると、4-メチル-1-ペンテン共重合体(A)は、茶ポリフェノールの徐放性に優れる。
0013
4-メチル-1-ペンテン共重合体(A)は、ASTMD1505に準じて測定した密度が通常0.830〜0.835g/cm3 の範囲にあり、0.831〜0.834g/cm3 の範囲にあることが好ましい。密度が上記の範囲内にあると、4-メチル-1-ペンテン共重合体(A)は、茶ポリフェノールの徐放性に優れる。
0015
上記のような4-メチル-1-ペンテン共重合体(A)は、耐熱性、耐溶剤性および茶ポリフェノールの徐放性に優れている。また4-メチル-1-ペンテン共重合体(A)は、透明性にも優れている。
0017
(B)茶ポリフェノール
本発明で用いられる茶ポリフェノール(B)としては、茶カテキン類、茶テアフラビン類などが挙げられ、具体的には、茶カテキン類としては(−)-エピカテキン、(−)-エピカテキンガレート、(−)-エピガロカテキン、(−)-エピガロカテキンガレート、(+)-カテキンなどが挙げられ、茶テアフラビン類としては、遊離テアフラビン、テアフラビンモノガレートA、テアフラビンモノガレートB、テアフラビンジガレートなどが挙げられる。茶ポリフェノール(B)は、1種単独または2種以上組み合わせて用いることができる。
0018
組成物
本発明に係る徐放性4-メチル-1-ペンテン共重合体組成物は、上記4-メチル-1-ペンテン共重合体(A)と、上記茶ポリフェノール(B)とを含み、上記4-メチル-1-ペンテン共重合体(A)100重量部に対し、上記茶ポリフェノール(B)を通常1〜30重量部、好ましくは2〜20重量部の割合で含有する。茶ポリフェノール(B)の含有量が上記範囲内にあると、徐放性4-メチル-1-ペンテン共重合体組成物は、茶ポリフェノールを長期間に渡り放散することができ、かつ機械的強度、成形性および耐熱性に優れる。また茶ポリフェノール(B)のブリードアウトが少ない。
0019
本発明に係る徐放性4-メチル-1-ペンテン共重合体組成物には、安定剤、紫外線吸収剤、増核剤、可塑剤、滑剤、耐電防止剤、顔料、染料、粉末状充填剤(カオリン、タルク等)、繊維状充填剤(ティスモ、ガラス繊維、炭素繊維等)などの配合剤を本願発明の目的を損なわない範囲で配合してもよい。
0020
本発明に係る徐放性4-メチル-1-ペンテン重合体組成物を調製する方法としては、公知の任意の方法が採用できる。例えば、タンブラーブレンダー、ヘンシルミキサー、リボンブレンダー等の混合機で上記4-メチル-1-ペンテン共重合(A)と、上記茶ポリフェノール(B)と、必要に応じて各種配合剤などとを混合した後、押出機、ニーダー、二本ロールなどで混練して調製する方法が採用できる。また、茶ポリフェノール(B)を溶媒に溶解させた溶液に4-メチル-1-ペンテン共重合(A)を浸漬して徐放性4-メチル-1-ペンテン重合体組成物を調製することもできる。
0021
成形体
本発明に係る徐放性4-メチル-1-ペンテン共重合体組成物成形体の形状は特に限定されないが、例えばフィルム、シート、小板状成形体、粒状成形体、繊維(モノフィラメント、糸)、繊維製品(織物、ニット、不織布、フエルト、紙、ロープなど。)などが挙げられる。また、これらの成形体をさらに加工したもの、2種以上を組み合わせたものであってもよく、人形、瓶、花瓶、置物、壁掛け、壁紙などに成形したものであってもよい。
0022
フィルムの厚さは特に限定されないが、好ましくは10〜300μmの範囲である。シートの厚さは特に限定されないが、好ましくは0.3〜5mmの範囲である。
0023
小板状成形体は、縦および横がそれぞれ好ましくは1〜10cmの範囲であり、厚さが好ましくは0.3〜5mmの範囲である。これらの成形体は、従来公知の方法で成形することができる。
0024
フィルム、シートは例えば押出成形により成形することができ、具体的には単軸スクリュー押出機、混練押出機、ラム押出機、ギヤ押出機などを用いて、溶融した4-メチル-1-ペンテン共重合体組成物をTダイなどから押出すことによりシートまたはフィルムなどに成形することができる。得られたフィルムまたはシートは延伸してもよい。
0025
繊維は、例えば溶融した4-メチル-1-ペンテン共重合体組成物を、紡糸口金を通して押出すことにより製造することができる。このようにして得られたフィラメントを、さらに延伸してもよい。またメルトブローン法、スパンボンド法などにより不織布を製造することができる。
0026
小板状成形体は、例えばシートを所定の形状に切断することにより成形することができ、また射出成形により製造することもできる。また4-メチル-1-ペンテン共重合(A)のペレットを茶ポリフェノール(B)を溶媒に溶解させた溶液に浸漬し、このペレットを用いて所定の形状に成形することにより徐放性4-メチル-1-ペンテン重合体組成物成形体を調製することもでき、4-メチル-1-ペンテン共重合(A)を所定の形状に成形した後、得られた成形体を茶ポリフェノール(B)を溶媒に溶解させた溶液に浸漬することにより、成形体に茶ポリフェノール(B)を含浸させて徐放性4-メチル-1-ペンテン重合体組成物成形体を調製することもできる。
0027
このような本発明に係る徐放性4-メチル-1-ペンテン共重合体組成物成形体は、茶ポリフェノールの徐放性に優れており、長期間茶ポリフェノールの放散が持続する。また耐熱性に優れているので、180℃程度の高温下であっても徐放性が低下することが少ない。さらに本発明に係る徐放性4-メチル-1-ペンテン共重合体組成物成形体は、透明性に優れる場合がある。
0028
本発明に係る徐放性4-メチル-1-ペンテン共重合体組成物成形体から茶ポリフェノールを放散させる方法として、該成形体を加熱してもよく、不織布をフィルター状に成形し、該フィルターに空気を通過させてもよい。成形体を加熱する場合には、上記小板状成形体を用いることが好ましい。またフィルタとしては、エアコンのフィルタ、空気清浄機のフィルタ等に使用することができる。
0029
この徐放性4-メチル-1-ペンテン共重合体組成物成形体は、20〜180℃の温度に加熱することにより茶ポリフェノールの放散量を調整することができる。この場合、通常加熱温度が高いほど茶ポリフェノールの放散量が多くなる。
0030
上記のように徐放性4-メチル-1-ペンテン共重合体組成物成形体から茶ポリフェノールを放散させると、インフルエンザウイルスを不活性化することができ、インフルエンザ感染を予防することができる。
0031
積層体
本発明に係る徐放性4-メチル-1-ペンテン共重合体積層体は、上記茶ポリフェノール(B)を含む内層(I)と、上記4-メチル-1-ペンテン共重合体(A)からなり、前記内層の両面に形成された外層(II)とからなる積層体であって、前記茶ポリフェノール以外の積層体を形成する成分100重量部に対して、前記茶ポリフェノールを1〜30重量部、好ましくは2〜20重量部の割合で含有している。
0032
内層(I)は、固体状の茶ポリフェノールから形成されていてもよく、茶ポリフェノール(B)を含む組成物、例えば茶ポリフェノール(B)と4-メチル-1-ペンテン共重合体(A)とからなる組成物から形成されていてもよい。この茶ポリフェノール(B)と4-メチル-1-ペンテン共重合体(A)とからなる内層(I)の茶ポリフェノール(B)の含有量は、通常1〜50重量%、好ましくは2〜25重量%である。
0033
外層(II)は、上述した4-メチル-1-ペンテン共重合体(A)からなる。外層(II)には、茶ポリフェノール(B)が含まれていてもよく、茶ポリフェノール(B)の含有量は、通常1〜30重量%、好ましくは2〜20重量%である。
0034
本発明に係る徐放性4-メチル-1-ペンテン共重合体積層体は、内層(I)の対向する2面に外層(II)が設けられていてもよく、内層(I)の対向する2面および側面に外層(II)が設けられていてもよい。
0035
上記内層(I)および外層(II)には、上述したような配合剤を本願発明の目的を損なわない範囲で配合してもよい。本発明に係る徐放性4-メチル-1-ペンテン共重合体組成物積層体の形状は特に限定されないが、フィルム、シート、小板状成形体などが挙げられる。また、これらの成形体をさらに加工したもの、2種以上を組み合わせたものであってもよい。
0036
積層体からなるフィルムの厚さは特に限定されないが、例えば1〜300μmの範囲である。内層の厚さは通常50〜150μm、好ましくは70〜130μmであり、外層の厚さは通常150〜250μm、好ましくは170〜230μmである。
0037
積層体からなるシートの厚さは特に限定されないが、例えば0.3〜5mmの範囲である。内層の厚さは通常0.5〜2.5mm、好ましくは0.7〜2.3mmであり、外層の厚さは通常2.5〜4.5mm、好ましくは2.7〜4.3mmである。
0038
小板状成形体は、縦および横がそれぞれ通常1〜10cmの範囲にあり、厚さが0.3〜5mmの範囲にある。内層の厚さは通常0.5〜2.5mm、好ましくは0.7〜2.3mmであり、外層の厚さは通常2.5〜4.5mm、好ましくは2.7〜4.3mmである。
0040
また本発明に係る徐放性4-メチル-1-ペンテン共重合体積層体は、例えば多層共押出インフレーション法により、内層(I)となる組成物(1)と、外層(II)となる4-メチル-1-ペンテン共重合体(A)とをインフレーション用ダイから押出し、このとき形成された袋状の多層インフレーションフィルムの内層の組成物(1)が固化しないように保持しながら、該多層インフレーションフィルムを例えばピンチロールに送り出し、該ピンチロールにより多層インフレーションフィルムを加圧し、互いに向き合う組成物(1)同士を一体化させることにより製造することもできる。
0041
このような本発明に係る徐放性4-メチル-1-ペンテン共重合体組成物積層体は、茶ポリフェノールの徐放性に優れており、長期間茶ポリフェノールの放散が持続する。また耐熱性に優れているので、180℃程度の高温下であっても徐放性が低下することが少ない。
0042
本発明に係る徐放性4-メチル-1-ペンテン共重合体組成物成形体から茶ポリフェノールを放散させる方法として、該成形体を加熱してもよい。成形体を加熱する場合には、上記小板状成形体を用いることが好ましい。
0043
この徐放性4-メチル-1-ペンテン共重合体組成物積層体は、20〜180℃の温度に加熱することにより茶ポリフェノールの放散量を調整することができる。この場合、通常加熱温度が高いほど放散量が多くなる。
0044
上記のように徐放性4-メチル-1-ペンテン共重合体組成物積層体から茶ポリフェノールを放散させると、インフルエンザウイルスを不活性化することができ、インフルエンザ感染を予防することができる。
発明の効果
0045
本発明に係る徐放性4-メチル-1-ペンテン共重合体組成物およびそれからなる成形体は、長期間に渡り茶ポリフェノールを放散し続けることができ、しかも耐熱性および耐溶剤性に優れている。また、加熱温度を調整することにより茶ポリフェノールの放散量を調節することができる。さらに本発明に係る徐放性4-メチル-1-ペンテン共重合体組成物およびそれからなる成形体は、180℃程度の高温でも徐放性を有する。
0046
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
0047
なお本実施例において組成物の調製、シートの調製および物性評価は以下のようにして行った。
組成物の調製
4-メチル-1-ペンテン共重合体、茶ポリフェノールおよび安定剤の所定量をヘンシェルミキサーでドライブレンドした後、45mmの押出機(設定温度:280℃)で溶融混練して組成物を調製した。
0048
シートの調製
調製した組成物を用いプレス成形機で下記条件にて成形した。
プレス温度:280℃
余熱温度:6時間
圧力:50kg/cm2
加圧時間:2分
シートの厚み:1mm
物性評価
調製したシートを所定の温度に保持した。これを約10m3の容積の室内に入れ、シートの重量変化を6時間毎に24時間調べた(初期重量を100とする)。ここで減少した重量はポリフェノール成分に起因する。
0049
4-メチル-1-ペンテン共重合体(1-オクタデセン含量:6重量%)100重量部、カテキン15重量部、安定剤としてテトラキス{メチレン-3(3,5,-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート}メタン(商品名:イルガノックス1010、チバ・スペシャルティーケミカルズ社製)0.15重量部、ステアリン酸カルシウム(三共有機合成(株)製)0.03重量部の比率でドライブレンドした。得られたブレンド物を溶融混練し組成物を調製した。次いで、この組成物のシートをプレス法により調製し、各温度におけるカテキンの徐放性を調べた。結果を表1に示す。
0050
4-メチル-1-ペンテン共重合体として1-ヘキセン含量が50重量%である4-メチル-1-ペンテン共重合体を使用したこと以外は実施例1と同様にしてシートを調製し、得られたシートについてカテキンの徐放性を調べた。結果を表1に示す。
0051
4-メチル-1-ペンテン共重合体に代えてポリプロピレン(商品名:F327、(株)グランドポリマー製)を使用したこと以外は実施例1と同様にしてシートを調製し、得られたシートについてカテキンの徐放性を調べた。結果を表1に示す。
0052
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