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技術 酸化亜鉛微粒子の製造法

出願人 ハクスイテック株式会社
発明者 田中隆夫三浦一清高木健永井貴
出願日 2000年5月31日 (20年8ヶ月経過) 出願番号 2000-161645
公開日 2001年12月11日 (19年2ヶ月経過) 公開番号 2001-342021
状態 未査定
技術分野 重金属無機化合物(I) 顔料、カーボンブラック、木材ステイン
主要キーワード 下方排出口 保温機構 加熱分解温度 分散性評価試験 多段槽 要求純度 円筒内壁 衝撃作用
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課題

可視光に対する透明性が高く、かつ紫外線遮蔽性に優れた酸化亜鉛微粒子の製造方法を提供する。

解決手段

酸化亜鉛を含む水スラリー中に二酸化炭素ガスを導入して塩基性炭酸亜鉛を生成せしめ、これを乾燥した後、当該乾燥された塩基性炭酸亜鉛を、ロータリーキルン等において、鋼球等で粉砕しながら加熱分解し酸化亜鉛を得る。

概要

背景

近年、オゾン層破壊という環境問題が大きくとりあげられる様になるとともに、最近の皮膚科学の研究結果から、紫外線に曝されると、シミソバカスの発生や皮膚の老化の原因になる等紫外線が予想以上の悪影響を肌に及ぼすことが明らかになり、人体を有害な紫外線から守るということに大きな関心が持たれる様になってきた。

酸化亜鉛は、従来からかかる有害な紫外線を遮蔽する材料として知られており、紫外線遮蔽剤として好適なものである。

しかしながら、紫外線遮蔽剤としては、同時に、化粧品サンスクリーン塗料ワニス等に配合された場合、可視光線に対して透明な被膜塗膜を形成し、白濁感等が無い自然な色合いを有することが強く求められる。

理論的には、酸化亜鉛を微細粒子化し、その粒径を可視光線の波長未満に減少させると可視光線が酸化亜鉛を透過し、実質的に透明にすることができる。

かかる酸化亜鉛微粒子を製造する方法としては、幾つかの方法が知られているが、もっとも実際的なものの一つは、蓚酸亜鉛塩基性炭酸亜鉛を空気等の酸化性雰囲気下で加熱分解して酸化物とする方法である(以下、加熱分解法と称することがある。)。

例えば特公昭60−33766号公報には、塩化亜鉛硝酸亜鉛等の水溶性亜鉛塩水溶液を、蓚酸水溶液中に滴下して不溶性の蓚酸亜鉛の微細結晶沈殿を生じせしめ、これを濾別乾燥した後、加熱分解して酸化亜鉛となす方法が開示されているが、この方法で得られる酸化亜鉛の粒径は、比表面積(47m2 /g)(BET法による。以下同じ。)から計算すると、0.02μm程度であると推定される。

加熱分解法の他の例としては、塩化亜鉛水溶液等に炭酸ナトリウム水溶液等を加えて塩基性炭酸亜鉛を沈殿させ、これを濾過分離して、加熱分解する方法が公知である。なお、不純物混入を避けるために、特開昭60−255620号に記載されているように密閉容器内において酸化亜鉛の水スラリー撹拌しながら二酸化炭素ガスと接触せしめて反応させこれを塩基性炭酸亜鉛として沈殿させ、濾過分離後、加熱分解して酸化亜鉛を製造する方法が提案されており、得られる酸化亜鉛は、比表面積が15m2 /gでありこれから換算された平均粒径は、0.07μmとされている。

また、これを改良する方法として、特公平7−5308号においては、酸化亜鉛を含む水スラリー中に二酸化炭素ガスを吹き込み反応させて塩基性炭酸亜鉛を生成せしめ、この塩基性炭酸亜鉛を機械的に粉砕して微細化した後、加熱分解する酸化亜鉛微粒子の製造方法が提案されており、顕微鏡観察から、その粒径は、0.02〜0.1μm程度の酸化亜鉛であるとされている。

概要

可視光に対する透明性が高く、かつ紫外線遮蔽性に優れた酸化亜鉛微粒子の製造方法を提供する。

酸化亜鉛を含む水スラリー中に二酸化炭素ガスを導入して塩基性炭酸亜鉛を生成せしめ、これを乾燥した後、当該乾燥された塩基性炭酸亜鉛を、ロータリーキルン等において、鋼球等で粉砕しながら加熱分解し酸化亜鉛を得る。

目的

本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的は、紫外線を遮断するとともに、可視光線に対しては透明な、すなわち粒子径が小さく且つ分散性が良い実質的に充分な微細粒径の酸化亜鉛微粒子を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

原料酸化亜鉛を含む水スラリー中に二酸化炭素ガスを導入し、塩基性炭酸亜鉛を生成する工程、得られた塩基性炭酸亜鉛を乾燥する工程、及び当該乾燥された塩基性炭酸亜鉛を粉砕しながら加熱分解し酸化亜鉛とする工程からなることを特徴とする酸化亜鉛微粒子の製造方法。

請求項2

塩基性炭酸亜鉛を粉砕媒体により粉砕しながら加熱分解する請求項1に記載の酸化亜鉛微粒子の製造方法。

請求項3

粉砕媒体がボール又はロッドである請求項2に記載の酸化亜鉛微粒子の製造方法。

請求項4

原料酸化亜鉛を含む水スラリーの濃度を10質量%以下として二酸化炭素ガスを導入し反応させる請求項1〜3のいずれかに記載の酸化亜鉛微粒子の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、可視光に対する透明性が高く、かつ紫外線遮蔽性に優れた酸化亜鉛微粒子の製造方法に関する。

背景技術

0002

近年、オゾン層破壊という環境問題が大きくとりあげられる様になるとともに、最近の皮膚科学の研究結果から、紫外線に曝されると、シミソバカスの発生や皮膚の老化の原因になる等紫外線が予想以上の悪影響を肌に及ぼすことが明らかになり、人体を有害な紫外線から守るということに大きな関心が持たれる様になってきた。

0003

酸化亜鉛は、従来からかかる有害な紫外線を遮蔽する材料として知られており、紫外線遮蔽剤として好適なものである。

0004

しかしながら、紫外線遮蔽剤としては、同時に、化粧品サンスクリーン塗料ワニス等に配合された場合、可視光線に対して透明な被膜塗膜を形成し、白濁感等が無い自然な色合いを有することが強く求められる。

0005

理論的には、酸化亜鉛を微細粒子化し、その粒径を可視光線の波長未満に減少させると可視光線が酸化亜鉛を透過し、実質的に透明にすることができる。

0006

かかる酸化亜鉛微粒子を製造する方法としては、幾つかの方法が知られているが、もっとも実際的なものの一つは、蓚酸亜鉛塩基性炭酸亜鉛を空気等の酸化性雰囲気下で加熱分解して酸化物とする方法である(以下、加熱分解法と称することがある。)。

0007

例えば特公昭60−33766号公報には、塩化亜鉛硝酸亜鉛等の水溶性亜鉛塩水溶液を、蓚酸水溶液中に滴下して不溶性の蓚酸亜鉛の微細結晶沈殿を生じせしめ、これを濾別乾燥した後、加熱分解して酸化亜鉛となす方法が開示されているが、この方法で得られる酸化亜鉛の粒径は、比表面積(47m2 /g)(BET法による。以下同じ。)から計算すると、0.02μm程度であると推定される。

0008

加熱分解法の他の例としては、塩化亜鉛水溶液等に炭酸ナトリウム水溶液等を加えて塩基性炭酸亜鉛を沈殿させ、これを濾過分離して、加熱分解する方法が公知である。なお、不純物混入を避けるために、特開昭60−255620号に記載されているように密閉容器内において酸化亜鉛の水スラリー撹拌しながら二酸化炭素ガスと接触せしめて反応させこれを塩基性炭酸亜鉛として沈殿させ、濾過分離後、加熱分解して酸化亜鉛を製造する方法が提案されており、得られる酸化亜鉛は、比表面積が15m2 /gでありこれから換算された平均粒径は、0.07μmとされている。

0009

また、これを改良する方法として、特公平7−5308号においては、酸化亜鉛を含む水スラリー中に二酸化炭素ガスを吹き込み反応させて塩基性炭酸亜鉛を生成せしめ、この塩基性炭酸亜鉛を機械的に粉砕して微細化した後、加熱分解する酸化亜鉛微粒子の製造方法が提案されており、顕微鏡観察から、その粒径は、0.02〜0.1μm程度の酸化亜鉛であるとされている。

発明が解決しようとする課題

0010

以上述べたように、従来の加熱分解法を用いた場合、可視光線の波長未満、より正確には、可視光線の波長の1/4(約0.1μm)より小さい0.02〜0.1μm程度の微細な酸化亜鉛粒子は、得ることができるとされている。

0011

しかしながら、本発明者らが検討したところによれば、これらの酸化亜鉛微粒子を実際に化粧品や塗料等の媒体に分散させた場合には、所望の紫外線遮蔽能は奏されるものの、可視光透過率は、十分なものではなかった。これは、比表面積や顕微鏡観察から算出された粒子径は、数値上は、確かに可視光線の1/4波長(0.1μm)より小さくはなっているが、これら酸化亜鉛微粒子は、微細粒子のため一般的に二次凝集しており、実際の使用条件下では、実質的には0.1μm以下までは分散されておらず、可視光線を、充分透過させることができなかったものと推定される。このように、従来の方法により得られた酸化亜鉛微粒子は、見かけの粒子径は小さいものの、化粧品等の媒体に分散させる際には、凝集を避けることができないため、媒体中の微細粒子径としては、透明性を得るためには、実質的に充分な微細粒子ではなかったと思われる。

0012

本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的は、紫外線を遮断するとともに、可視光線に対しては透明な、すなわち粒子径が小さく且つ分散性が良い実質的に充分な微細粒径の酸化亜鉛微粒子を提供することである。

課題を解決するための手段

0013

本発明者らは、可視光線に対しての透明性を改善する方法について鋭意検討した結果、従来の方法においては、水スラリーとして生成した塩基性炭酸亜鉛等の沈殿を濾別等の固液分離操作を行い、その後に乾燥させているため、この過程で生成した塩基性炭酸亜鉛微細粒子の凝集化が促進されることを見出した。従って、加熱分解するに際し、この凝集化したケーキを機械的に粉砕し、再度微粒子化する作業が必要となるが、一旦凝集させて乾燥させたものは、強固に凝集して固まりとなっているため、通常の粉砕手段によっては、これを十分には微細化させることは実質的に出来ないのである。

0014

このように、凝集を伴っている塩基性炭酸亜鉛を加熱分解して酸化亜鉛を生成した場合、加熱分解過程においてもこの凝集状態がそのまま実質的に支承されるため、微細に分散出来る酸化亜鉛を得ることは、かなり困難である。

0015

本発明者らは、従来の方法では得られていなかった微細且つ分散性の良い酸化亜鉛粒子を生成するための方法を鋭意検討した結果、酸化亜鉛を含む希薄な水スラリーに二酸化炭素ガスを吹込み、微細な塩基性炭酸亜鉛を合成し、得られた塩基性炭酸亜鉛スラリー濾過等により固液分離し、固結を伴う絶乾状態にまで完全に乾燥することなく、適度に乾燥(半乾燥程度)させた後、粉砕しながら加熱分解することにより、分散性に優れ、可視光線に対しての透明性に優れている酸化亜鉛微粒子が得られることを見出し、本発明を完成するに到った。

0016

すなわち本発明に従えば、以下の発明が提供される。
(1)原料酸化亜鉛を含む水スラリー中に二酸化炭素ガスを導入し、塩基性炭酸亜鉛を生成する工程、得られた塩基性炭酸亜鉛を乾燥する工程、及び当該乾燥された塩基性炭酸亜鉛を粉砕しながら加熱分解し酸化亜鉛とする工程からなることを特徴とする酸化亜鉛微粒子の製造方法(以下、本発明の方法と称することがある。)。

0017

(2) (1) において塩基性炭酸亜鉛を粉砕媒体により粉砕しながら加熱分解する酸化亜鉛微粒子の製造方法。

0018

(3) (2) において粉砕媒体がボール又はロッドである酸化亜鉛微粒子の製造方法。

0019

(4) 上記において原料酸化亜鉛を含む水スラリーの濃度を10質量%以下として二酸化炭素ガスを導入し反応させる酸化亜鉛微粒子の製造方法。

発明を実施するための最良の形態

0020

以下、本発明について詳細に説明する。

0021

本発明においては、まず、原料酸化亜鉛を含む水スラリー中に二酸化炭素ガスを導入して塩基性炭酸亜鉛を生成する工程(以下、塩基性炭酸亜鉛生成工程と称することがある。)を行う。

0022

原料として用いられる酸化亜鉛としては、所謂酸化亜鉛であればどのようなものであってもよく、例えば、亜鉛を溶融蒸発させ気相酸化するフランス法、亜鉛鉱石仮焼コークス還元・酸化するアメリカ法、亜鉛塩溶液ソーダ灰を加えて塩基性炭酸亜鉛を沈殿させ、乾燥・焼成する湿式法(加熱分解法)等のいずれで製造したものでもよいが、高純度の酸化亜鉛微粒子を得るためには、純度の高い酸化亜鉛を用いることが好ましい。

0023

この原料酸化亜鉛を懸濁させてスラリーとする水としては、特に限定するものではなく、製品である酸化亜鉛の要求純度に応じて鉄錆等の不純物粒子を除いた上水道水イオン交換した純水、又は蒸留水の何れを用いてもかまわない。またこのスラリー中に導入する二酸化炭素ガスとしては、特に制限はなく、一般的に市販されている液化二酸化炭素ガス清浄燃焼排ガス石灰石を仮焼して得られる二酸化炭素ガス等が好適に用いられる。二酸化炭素ガスは、純粋なガスとしてそのまま使用してもよいが、場合によっては、空気や窒素等の希釈ガスにより適当な濃度に希釈して使用することも可能である。

0024

塩基性炭酸亜鉛生成工程を行うための装置としては、特に限定するものではないが、例えば撹拌手段、加熱手段、及びガス導入・分散手段を備え、酸化亜鉛粒子を沈殿させることなく浮遊させてスラリー状態に保持し、この中へ二酸化炭素ガスを導入して、酸化亜鉛粒子と二酸化炭素ガスとを充分接触せしめて反応を遂行しうる形式撹拌槽型の反応装置が好ましい。

0025

原料酸化亜鉛のスラリー濃度としては、少なくとも0.1〜20質量%、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは1〜5質量%の比較的薄い濃度とすることが望ましい。スラリー濃度がこの範囲を超える場合は、大粒径の塩基性炭酸亜鉛が生成したり、凝集粒子が生成しやすくなり、本発明で目的とする分散性の良い微粒子とすることが困難になる。一方、スラリー濃度がこれよりあまり薄い場合は、以後の乾燥工程等において除去すべき水の量が過大となり、製造効率が低下しエネルギ的にも好ましくない。

0026

本発明において、酸化亜鉛粒子が二酸化炭素ガスと反応して塩基性炭酸亜鉛を生成する反応(以下、塩基性炭酸亜鉛生成反応と称することがある。)は、次のようにして起こると推定される。すなわち、酸化亜鉛自体は、水に難溶性であるが、粒子表面近傍境膜中には、僅かに水に溶解した酸化亜鉛が飽和しており(例えば、0.5質量%程度、18℃)、ここに、水に対して比較的よく溶解する二酸化炭素ガス(例えば、ヘンリー定数E:0.14×104 )が液本体中を当該粒子表面近傍まで拡散して行き、この固−液界面における境膜内で、
5ZnO+2CO2 +3H2 O→2ZnCO3 ・3Zn(OH)2 (1)
なる式 (1) に従い、液相反応が行われる。

0027

生成した塩基性炭酸亜鉛は、水に難溶性の塩であるため実質的に過飽和溶解度は存在せず直ちに微細粒子として析出すると考えられる。以上のごとく総括的には、この反応は、気−液−固反応である。

0028

二酸化炭素ガスの導入方法としては、スラリーとガスが効果的に接触しうるものであればいかなる方法も用いられ、特に限定するものではないが、例えば反応槽底部に多孔板散気管のごときガス分散器スパージャ)を設置し、このスパージャを通じて二酸化炭素ガスを液中に吹き込み、さらに好ましくは撹拌羽根によりこれを細分化し、二酸化炭素ガスを微小気泡群としてスラリー中全体に、分散化して導入する方法;反応槽として密閉容器を使用し、加圧した二酸化炭素ガスを導入し、スラリー上部の自由表面からガスを吸収させる方法等の手段が採用できる。後者の場合は、撹拌によりボルテックスを形成し、当該スラリー液面の表面更新強制的に行い、ガス吸収を促進することがより好ましい。

0029

撹拌手段としては、通常の撹拌機、例えば型撹拌機、プロペラ型撹拌機タービン型撹拌機等のいずれもが好適に使用される。

0030

本発明の塩基性炭酸亜鉛生成反応は、実際には種々の方式によって実施することができるが、例えば、反応槽にまず酸化亜鉛スラリー仕込んでおき、これに二酸化炭素ガスを連続的に供給して塩基性炭酸亜鉛スラリーを生成させる半連続法(半回分法);酸化亜鉛スラリーと二酸化炭素ガスの両者を連続的に反応槽に供給して塩基性炭酸亜鉛スラリーを生成させ、当該生成した塩基性炭酸亜鉛スラリーを連続的に反応槽から溢流させる等して抜き出す連続法等の方法が好ましく採用される。

0031

連続法の場合は、反応槽は一槽でもよいが、常法に従い二槽以上の反応槽を直列に結合して多段槽方式とすることにより、その槽内の滞留時間分布を全体として押出し流れに近づけて、塩基性炭酸亜鉛の生成収率を向上させることができる。

0032

塩基性炭酸亜鉛生成反応の反応温度としては、特に限定するものではないが、10〜80℃、好ましくは20〜60℃である。 (1) 式の反応速度自体は、温度が高い程高速で進行するが、二酸化炭素ガスの水に対する溶解度は、温度が高くなると減少し、液中のガス濃度は低下する。従って、反応温度は、上記した温度範囲より低くても、高くても、総括的な反応速度が遅くなり好ましくない。また、反応時間(連続法の場合は、反応槽における平均滞留時間)は、反応温度、導入される二酸化炭素濃度等により変わりうるが、通常10分〜10時間、好ましくは30分〜5時間程度である。なお、温度保持のため、反応器は、加熱手段や保温手段及び温度制御手段を備えることも好ましい。

0033

反応終了後、得られた塩基性炭酸亜鉛スラリーを水分が5〜40質量%、より好ましくは5〜10質量%程度になるように濾過・乾燥して粉末とする。この場合、例えば絶乾状態にまで乾燥する必要はなく、水分をある程度含んだ半乾燥状態の粉末であってよい。

0034

この乾燥を行うための乾燥装置としては、特に限定するものではなく、例えば気流乾燥機噴霧乾燥機流動層乾燥機撹拌型乾燥機円筒乾燥機、箱型乾燥機、バンド乾燥機熱風乾燥機真空乾燥機振動乾燥機、噴霧乾燥機等のいずれであってもよい。

0035

本発明においては、かくして得られた乾燥(半乾燥)された塩基性炭酸亜鉛を粉砕しながら加熱分解(焼成)し、酸化亜鉛とする工程を行う。

0036

加熱分解温度は、塩基性炭酸亜鉛を分散性の良い微粒子状の酸化亜鉛に分解する温度で、200〜1000℃、好ましくは200〜500℃、さらに好ましくは250〜350℃の温度が望ましい。これよりあまり温度が低いと、分解が不十分になり、またこれよりあまり温度が高すぎると、凝集や焼結により粒子成長しすぎることなり、何れも分散性が悪くなるため好ましくない。加熱分解時間は、塩基性炭酸亜鉛の処理量加熱温度加熱炉の型等によっても異なりうるが通常30分〜20時間、好ましくは1〜10時間程度である。

0037

加熱分解は、空気等の酸化性雰囲気下で、塩基性炭酸亜鉛粒子を上記温度に加熱しうる加熱炉により行われるが、本発明においては、粉砕と加熱を同時に行える型の加熱炉であることが必要であり、特に円筒形横型回転加熱炉ロータリーキルン)が好ましいものとして挙げられる。加熱方式としては、内熱式又は外熱式のいずれであってもかまわない。

0038

ロータリーキルンは、炉室を形成する回転しうる円筒を多少傾斜させて設置し、それを回転させながら上方の供給口から原料を装入し、当該装入された原料は、加熱・分解を受けながら当該回転によりキルン(円筒)内を下方に移動し、下方排出口から排出される形式の加熱炉である。

0039

本発明においては、ロータリーキルンに塩基性炭酸亜鉛粒子を供給するに際し、粉砕媒体を加えることが好ましい。粉砕媒体( Grinding Medium )は、通常球状の鋼球(ボール)又は棒状の鋼棒(ロッド)であって、ロータリーキルンの回転円筒内において、円筒の回転運動とともに当該円筒内壁に沿って持ち上げられて、重力による落下転落を繰り返す。当該鋼球は、落下転落の際に、塩基性炭酸亜鉛粒子に強い衝撃作用及び摩砕作用を及ぼすことにより、粉砕が効果的に行われるのである。粉砕媒体であるボール等は、不純物の混入がなく粉砕効果のあるものであれば、特に限定するものではなく、鋼製の他、セラミックス製(所謂玉石)であってもよい。

0040

以上のごとくして、本発明においては、ロータリーキルンの上方供給口から装入された塩基性炭酸亜鉛粒子は、キルン内を粉砕媒体と共に移動しながら粉砕操作を受けるとともに、強熱されて加熱・分解され、粒子のよく分散した酸化亜鉛となり、下方排出口から排出される。

0041

加熱分解後の酸化亜鉛粒微粒子は、分散性に優れており、そのまま種々の用途に使用することができる。なお、所望により、ボールミルロッドミルハンマーミルエッジランナーミルコロイドミル、ハンマーミル、コニカルミルアトリションミルジェットミルジェットマイザーマイクロナイザー、ミクロンミル等の微粉砕機により、更に粉砕処理してから使用することもできる。これらの微粉砕機は、配合する化粧品や塗料などに応じて適宜選択される。

0042

以上本発明の方法で得られた酸化亜鉛微粒子は、微粒子であると同時に分散性に優れ、化粧品や塗料などの紫外線遮蔽と同時に透明性が必要な各種用途に好適に用いられる。

0043

本発明に方法においては、従来の酸化亜鉛の製造方法とは異なり、濾過分離した塩基性炭酸亜鉛を固化するまで完全に乾燥することなく、これを半乾燥等の状態でロータリーキルン中で、粉砕媒体により粉砕しながら加熱・分解することにより、凝集の抑えられた酸化亜鉛微粒子が得られるものと推定される。

0044

以下、実施例により本発明を説明する。ただし、これらは単なる実施の態様の一例であり、本発明の技術的範囲は、これらによりなんら限定的に解釈されるものではない。

0045

なお、酸化亜鉛粒子に関する分散性の評価については、次の分散性評価試験によった。すなわち、

0046

ポリビニルアルコールの10体積%の水溶液に酸化亜鉛粒子を濃度が質量3%となるように加え、ホモジナイザーで分散して塗料とする。この塗料を、PETフィルム塗工厚み50μmのアプリケーターを用いて塗布し、乾燥させる。得られたフィルムの各波長での光透過率分光器(日本分光社製)を用いて測定し、波長350nmにおいて紫外線の透過率を、550nmで可視光線の透過率をそれぞれ測定し、紫外線遮蔽能と可視光線透過能の比較を行う。

0047

〔実施例1〕フランス法によって得たJIS K1410 1種の酸化亜鉛及びイオン交換水を用いて1質量%の酸化亜鉛スラリーを調製した。このスラリー30Lを、内容積50Lの撹拌機及び底部に散気管を装備し、保温機構のついた反応容器仕込み、温度を30℃に保ち撹拌下10L/分で二酸化炭素ガスを吹込んだ。2 時間後に吹き込みを終了し生成物XRD分析して塩基性炭酸亜鉛が生成していることを確認した。

0048

このスラリーを濾過し、撹拌型乾燥機により80℃、1時間乾燥し、水分含量12質量%の塩基性炭酸亜鉛の半乾燥粉体を得た。当該粒子の粒子径は、約110μmであった。

0049

粉砕媒体として10mmφのクローム鋼球を使用した。この塩基性炭酸亜鉛の半乾燥粉体を、バッチ式ロータリーキルン(350mmφ×400mmL、15rpm)に、鋼球とともに装入し、300℃で5時間加熱・分解させた。装入された塩基性炭酸亜鉛粒子は、キルン内を鋼球と共に回転しながら粉砕操作を受けつつ、加熱・分解され、粒子のよく分散した酸化亜鉛微粒子が得られた。

0050

得られた酸化亜鉛の比表面積をBET法によって測定したところ49m2 /gであった。この比表面積から計算される粒子径は、約0.02μmである。

0051

この得られた酸化亜鉛微細粒子の分散性を評価するために、上記した分散性評価試験を行ない、紫外線領域及び可視光線領域における光透過率を測定した。結果を表1に示した。表から明らかなように、本発明の方法により製造した酸化亜鉛微粒子は、可視光線透過率及び紫外線遮蔽能が高く分散性に優れていることが認められる。

0052

〔比較例1〕フランス法によって得たJIS K1410 1種の酸化亜鉛及びイオン交換水を用いて20質量%の酸化亜鉛スラリーを準備した。このスラリー7Lを、内容積10Lの撹拌機及び底部に散気管を装備した反応容器に仕込み、撹拌下10L/分で二酸化炭素ガスを吹込んだ。4時間後に吹き込みを止め、生成物をXRD分析して塩基性炭酸亜鉛が生成していることを確認した。このスラリーをヌッチェを用いて濾過し、濾過ケーキを箱型乾燥機を用いて乾燥した。乾燥ケーキホソカワミクロン社製パルベライザーを用いて微粉砕し、塩基性炭酸亜鉛粒子を得た。この粒子の粒子径は約2μmであった。

0053

この粒子を250℃に加熱した箱型電気炉に装入し、5時間加熱分解し、酸化亜鉛微細粒子を得た。得られた酸化亜鉛の比表面積をBET法によって測定したところ47m2 /gであった。この比表面積から計算される粒子径は、0.02μmである。

0054

この得られた酸化亜鉛微細粒子の分散性を測定するために、上記した分散性評価試験を行ない光透過率を測定した。結果を表1に示す。表から明らかなように、従来の方法による比較例の酸化亜鉛は、加熱分解前の塩基性炭酸亜鉛の粒子径としては、小さいにも拘わらず、実施例1に比べ可視光透過率も、紫外線遮蔽能も低く、分散性に劣ることが認められる。

0055

〔実施例2〕フランス法によって得たJIS K1410 3種の酸化亜鉛及びイオン交換水を用いて3質量%の酸化亜鉛スラリーを調製した。このスラリー30Lを、内容積50Lの撹拌機及び底部に散気管を装備し、保温機構のついた反応容器に仕込み、温度を40℃に保ち撹拌下10L/分で二酸化炭素ガスを吹込んだ。4時間後に吹き込みを終了し生成物をXRD分析して塩基性炭酸亜鉛が生成していることを確認した。

0056

このスラリーを濾過し、撹拌型乾燥機により80℃、1時間乾燥し、水分含量10質量%の塩基性炭酸亜鉛の半乾燥粉体を得た。当該粒子の粒子径は、約420μmであった。

0057

この粒子を、実施例1で使用したものと同一のロータリーキルンにより同一の条件で粉砕しながら加熱分解し酸化亜鉛微細粒子を得た。得られた酸化亜鉛の比表面積をBET法によって測定したところ34m2 /gであった。この比表面積から計算される粒子径は約0.03μmである。

0058

この得られた酸化亜鉛微細粒子の分散性を評価するために、上記した分散性評価試験を行ない紫外線領域及び可視光線領域における光透過率を測定した。結果を表1に示した。表から明らかなように、本発明の方法により製造した酸化亜鉛は、可視光線透過率及び紫外線遮蔽能が高く分散性に優れていることが認められる。

0059

〔実施例3〕フランス法によって得たJIS K1410 1種の酸化亜鉛及びイオン交換水を用いて1質量%の酸化亜鉛スラリーを調製した。このスラリーを、内容積10Lの撹拌機及び底部に散気管を装備し、保温機構のついた反応容器に41mL/分の速度で供給した。この時反応容器は40℃に保ち、二酸化炭素ガスを15L/分で連続して流した。反応器から溢流してくるスラリー中の生成物をXRD分析して塩基性炭酸亜鉛に変化していることを確認した。

0060

このスラリーを濾過し、撹拌型乾燥機により80℃、1時間乾燥し、水分含量14質量%の塩基性炭酸亜鉛の半乾燥粉体を得た。当該粒子の粒子径は、約280μmであった。

0061

この粒子を、実施例1で使用したものと同一のロータリーキルンにより同一の条件で粉砕しながら加熱分解し酸化亜鉛微細粒子を得た。得られた酸化亜鉛の比表面積をBET法によって測定したところ48m2 /gであった。この比表面積から計算される粒子径は約0.02μmである。

0062

この得られた酸化亜鉛微細粒子の分散性を評価するために、上記した分散性評価試験を行ない紫外線領域及び可視光線領域における光透過率を測定した結果を表1に示した。表から明らかなように、本発明の方法によって製造した酸化亜鉛微粒子は、可視光透過率及び紫外線遮蔽能が高く分散性に優れていることが認められる。

0063

発明の効果

0064

本発明の方法により製造された酸化亜鉛微粒子は、紫外線遮蔽を行うと同時に可視光線に対しては透明性の良い、分散性に優れ有用なものである。

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