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技術 酸化物超電導線材及びその製造方法

出願人 中部電力株式会社昭和電線ケーブルシステム株式会社
発明者 長屋重夫平野直樹長谷川隆代青木裕治小泉勉
出願日 2000年5月29日 (20年7ヶ月経過) 出願番号 2000-158506
公開日 2001年12月7日 (19年0ヶ月経過) 公開番号 2001-338538
状態 特許登録済
技術分野 超電導導体及びその製造方法
主要キーワード キロアンペア 高純度銀 元素数比 丸線材 マルチ線 芯フィラメント 線材構造 シングル線
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この項目の情報は公開日時点(2001年12月7日)のものです。
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図面 (4)

課題

解決手段

純銀パイプ中に酸化物超電導体各構成元素を含む混合粉末を所定の元素数比充填し、これに縮径加工を施した後、さらにロール加工を施して平角形状シングル線を製造する。このシングル線の多数本を束ね銀合金パイプに挿入し、さらに縮径加工を施して断面円形に成形した後、次いで、酸素雰囲気中で焼成して外径φ0.8mm、フィラメント数600本の断面円形の酸化物超電導線材を製造する。

概要

背景

酸化物超電導線材は、一般的に銀又は銀合金からなるチューブ超電導体構成元素酸化物又は炭酸化物粉末充填し、これに縮径加工を施すか、更に圧延加工を施して丸線又はテープ状に加工した後、熱処理を施すことにより製造されている。

このような超電導線材臨界電流値を向上させるために、チューブ内の酸化物粉末充填密度を増加させて熱処理後の超電導体組織を緻密化することにより、線材内部の超電導電流電流経路寸断されないように加工条件を最適化することが行われている。、しかしながら、超電導線材一本当たりの断面積加工限界など種々の要因により限界が存在し、現状では、線材一本当たりの超電導電流は数十〜数百アンペア程度に限定されている上、線材の機械強度の低さが問題となる。大型電力機器や大型マグネットに使用する場合、これらの機器仕様に合わせた容量の通電を行うことが必要である。超電導エネルギー貯蔵装置加速器等の大型機器では、その必要とされる通電容量は数キロ〜数十キロアンペアに達する。このため、線材を撚り合わせることが必要となる。

これを解決するために線材を撚り合せ、導体化することが試みられている。撚線を行うためには、丸線材を使う必要があるが、超電導体の粒子の形状が鱗片状であるために超電導フィラメント形状を丸くすると超電導粒子の配向が得られず、高い臨界電流密度を達成することができない。

また、一般に製造されている酸化物超電導線材はテープ形状をしており、これまで金属系超電導線材で用いられていた撚線加工を施すことは困難である。これは、酸化物超電導体の粒子が鱗片状をしており、高い臨界電流密度(Jc)を達成するためには、これを高配向で積層させることが必要であることに原因がある。

以上の問題を解決するために、これまでさまざまな検討がなされてきた。一つは、予め多芯フィラメントテープ状線材を作製し、これを複数本重ねてブロックを形成し、隣り合ったブロックが60度あるいは90度になるように組み合わせ、銀あるいは銀合金チューブに挿入した後、縮径加工を施すという手法である。

概要

高い臨界電流密度の断面円形の酸化物超電導線材を提供する。

純銀パイプ中に酸化物超電導体の各構成元素を含む混合粉末を所定の元素数比で充填し、これに縮径加工を施した後、さらにロール加工を施して平角形状シングル線を製造する。このシングル線の多数本を束ねて銀合金パイプに挿入し、さらに縮径加工を施して断面円形に成形した後、次いで、酸素雰囲気中で焼成して外径φ0.8mm、フィラメント数600本の断面円形の酸化物超電導線材を製造する。

目的

本発明は、以上の問題点を解決するためになされたもので、マトリックス内にランダムに配置された多数本の扁平形状の超電導フィラメントを有することにより、撚線に必要な形状と高いJcを得ることができる断面円形の酸化物超電導線材及びその製造方法を提供することをその目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

銀又は銀合金マトリックス中に、扁平形状の超電導フィラメントの多数本を、前記マトリックスの断面内において、各フィラメントの扁平方向がランダムになるように配置したことを特徴とする断面円形酸化物超電導線材

請求項2

銀又は銀合金マトリックス中に、複数本の扁平形状の超電導フィラメントの扁平方向が規則的になるように配置したブロックの多数が、異なるブロック間においてランダムになるように配置したことを特徴とする断面円形の酸化物超電導線材。

請求項3

扁平形状の超電導フィラメントは、Bi(2212)相又はBi(2223)相からなることを特徴とする請求項1又は2記載の断面円形の酸化物超電導線材。

請求項4

扁平形状の超電導フィラメントは、その断面における短辺が5〜20μmであることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載の断面円形の酸化物超電導線材。

請求項5

銀又は銀合金マトリックス中に、超電導体を構成する元素を所定の比率で含む混合粉末又は超電導前駆体粉末充填し、これに断面減少加工を施して平角形状成形した後、この多数本を銀又は銀合金パイプ中に収容し、さらに縮径加工を施した後、熱処理を施すことにより、銀マトリックス中において、扁平形状の各超電導フィラメントの扁平方向がランダムになるように配置されたことを特徴とする断面円形の酸化物超電導線材の製造方法。

請求項6

銀又は銀合金マトリックス中に、超電導体を構成する元素を所定の比率で含む混合粉末又は超電導前駆体粉末を充填し、これに断面減少加工を施した素線の複数本を銀又は銀合金パイプ中に収容して平角形状に成形した後、この多数本を銀又は銀合金パイプ中に収容し、さらに縮径加工を施した後、熱処理を施すことにより、超電導フィラメントの扁平方向がほぼ規則的になるように配置したブロックの多数が、銀又は銀合金マトリックス中において、異なるブロック間において扁平形状の各超電導フィラメントの扁平方向がランダムになるように配置されたことを特徴とする断面円形の酸化物超電導線材の製造方法。

請求項7

扁平形状の超電導フィラメントは、Bi(2212)相又はBi(2223)相からなることを特徴とする請求項5又は6記載の断面円形の酸化物超電導線材の製造方法。

請求項8

平角形状の成形は、その断面における長辺と短辺の比率が、(4〜1.5):1であることを特徴とする請求項5乃至7いずれか1項記載の断面円形の酸化物超電導線材の製造方法。

請求項9

平角形状の成形は、その断面における長辺と短辺の比率が、(3〜2):1であることを特徴とする請求項8記載の断面円形の酸化物超電導線材の製造方法。

請求項10

扁平形状の超電導フィラメントは、その断面における短辺が5〜20μmであることを特徴とする請求項7乃至9いずれか1項記載の断面円形の酸化物超電導線材の製造方法。

技術分野

0001

本発明は超電導線材及びその製造方法に係り、特に超電導マグネット電力機器等に使用するBi系酸化物超電導線材及びその製造方法に関する。

背景技術

0002

酸化物超電導線材は、一般的に銀又は銀合金からなるチューブ超電導体構成元素酸化物又は炭酸化物粉末充填し、これに縮径加工を施すか、更に圧延加工を施して丸線又はテープ状に加工した後、熱処理を施すことにより製造されている。

0003

このような超電導線材の臨界電流値を向上させるために、チューブ内の酸化物粉末充填密度を増加させて熱処理後の超電導体組織を緻密化することにより、線材内部の超電導電流電流経路寸断されないように加工条件を最適化することが行われている。、しかしながら、超電導線材一本当たりの断面積加工限界など種々の要因により限界が存在し、現状では、線材一本当たりの超電導電流は数十〜数百アンペア程度に限定されている上、線材の機械強度の低さが問題となる。大型電力機器や大型マグネットに使用する場合、これらの機器仕様に合わせた容量の通電を行うことが必要である。超電導エネルギー貯蔵装置加速器等の大型機器では、その必要とされる通電容量は数キロ〜数十キロアンペアに達する。このため、線材を撚り合わせることが必要となる。

0004

これを解決するために線材を撚り合せ、導体化することが試みられている。撚線を行うためには、丸線材を使う必要があるが、超電導体の粒子の形状が鱗片状であるために超電導フィラメント形状を丸くすると超電導粒子の配向が得られず、高い臨界電流密度を達成することができない。

0005

また、一般に製造されている酸化物超電導線材はテープ形状をしており、これまで金属系超電導線材で用いられていた撚線加工を施すことは困難である。これは、酸化物超電導体の粒子が鱗片状をしており、高い臨界電流密度(Jc)を達成するためには、これを高配向で積層させることが必要であることに原因がある。

0006

以上の問題を解決するために、これまでさまざまな検討がなされてきた。一つは、予め多芯フィラメントテープ状線材を作製し、これを複数本重ねてブロックを形成し、隣り合ったブロックが60度あるいは90度になるように組み合わせ、銀あるいは銀合金チューブに挿入した後、縮径加工を施すという手法である。

発明が解決しようとする課題

0007

以上の方法によれば、丸形状の中にテープ線材が形成されることになり、上記の問題点が解決されることになる。しかしながら、この線材構造は、通常のテープ状線材や丸線材以上に加工工程が複雑になるため、コストの上昇に繋がるという問題がある。また、このような複雑な構造を取ることによって、銀比が増大し、これも線材価格の上昇に繋がる。

0008

本発明は、以上の問題点を解決するためになされたもので、マトリックス内にランダムに配置された多数本の扁平形状の超電導フィラメントを有することにより、撚線に必要な形状と高いJcを得ることができる断面円形の酸化物超電導線材及びその製造方法を提供することをその目的とする。

課題を解決するための手段

0009

以上の目的を達成するために、本発明の酸化物超電導線材は、断面円形の銀又は銀合金マトリックス中に、扁平形状の超電導フィラメントの多数本を、マトリックスの断面内において、各フィラメントの扁平方向がランダムになるように配置したものである。

0010

この酸化物超電導線材は、銀又は銀合金マトリックス中に、超電導体を構成する元素を所定の比率で含む混合粉末又は超電導前駆体粉末を充填し、これに断面減少加工を施して平角形状成形した後、この多数本を銀又は銀合金パイプ中に収容し、さらに断面円形に縮径加工を施した後、熱処理を施すことにより製造することができる。

0011

また、本発明の酸化物超電導線材は、断面円形の銀又は銀合金マトリックス中に、複数本の扁平形状の超電導フィラメントの扁平方向が規則的になるように配置したブロックの多数が、異なるブロック間においてランダムになるように配置することもできる。

0012

この酸化物超電導線材は、銀又は銀合金マトリックス中に、超電導体を構成する元素を所定の比率で含む混合粉末又は超電導前駆体粉末を充填し、これに断面減少加工を施した素線の複数本を銀又は銀合金パイプ中に収容して平角形状に成形した後、この多数本を銀又は銀合金パイプ中に収容し、さらに断面円形に縮径加工を施した後、熱処理を施すことにより製造することができる。

0013

以上の酸化物超電導線材の製造方法において、平角形状の成形は、その断面における長辺と短辺の比率が、(4〜1.5):1であることが好ましく、特に長辺と短辺の比率が、(3〜2):1であることが好適である。

0014

長辺と短辺の比率が大きくなると以後の縮径加工の際にフィラメント切れが生じ、またこの比率が小さくなると、高配向が得られないため、偏平形状の超電導フィラメントによる高Jc化の効果は得られない。

0015

以上の酸化物超電導線材及びその製造方法において、その加工性及び特性の観点から、マトリックスは純銀で形成することが好ましい。即ち、超電導フィラメントに接触する部分に用いるマトリックス材には、純銀を用い、最外層シース材料には、純銀あるいは銀合金を用いる。機械強度が必要な場合は、最外層に銀合金を用いることが望ましい。この場合の銀合金は、高純度銀にAl、Mg、Mn、Sb、Ni、Zrの中から1種類あるいは複数の元素を選択して添加したものを用いる。添加量添加元素の総量で0.02wt%〜1wt%であることが好ましい。添加量が1wt%を越えると、銀合金の伸び極端に減少し、割れ断線が生じる。また、添加量が0.02wt%未満では、添加による強度の上昇が期待できない。

0016

また、扁平形状の超電導フィラメントは、Bi(2212)相(Bi:Sr:Ca:Cu=2:2:1:2の元素数比)又はBi(2223)相(Bi:Sr:Ca:Cu=2:2:2:3の元素数比)により形成される。

0017

さらに、扁平形状の超電導フィラメントの本数は、加工のできる限り任意に選定することが可能であるが、このフィラメントは、その断面における短辺が5〜20μmであることが好ましい。フィラメントの厚さは、超電導粒子の配向に影響を与え、5μm未満では熱処理時の反応が激しく不純物が生成しやすくなり、また、20μを越えると超電導粒子の配向が起こらない。最終線材径は撚線加工ができる限り、任意に選択することが可能である。

0018

以上の断面円形の酸化物超電導線材は、撚線によって大容量導体とすることが容易である。撚線の形状は、ラザフォード圧縮成型導体、ロープ型撚線導体のいずれでも可能である。ラザフォード型圧縮成型導体を形成する場合、機械強度が必要な場合は、中心に銀合金あるいは拡散防止層付のNiCr系補強材を配置することができる。また、ロープ型撚線導体では、撚線の任意の本数を銀合金あるいはNiCr系の補強材に置換することで機械強度を上げることが可能である。この場合、NiCr系の補強材の周囲に拡散防止層を設けることが好ましい。

発明を実施するための最良の形態

0019

以下、本発明の実施の形態について説明する。

0020

純銀パイプ中に酸化物超電導体の各構成元素を含む混合粉末を所定の元素数比で充填し、これに縮径加工を施した後、さらにロール加工を施して平角形状のシングル線を製造する。このシングル線の多数本を束ねて銀合金パイプに挿入し、さらに縮径加工を施して断面円形に成形した後、次いで、酸素雰囲気中で焼成して酸化物超電導線材を製造する。

0021

あるいは、純銀パイプ中に酸化物超電導体の各構成元素を含む混合粉末を所定の元素数比で充填し、これに縮径加工を施してシングル線を製造する。このシングル線の多数本を束ねて銀パイプに挿入し、さらに縮径加工を施した後、ロール加工を施して平角形状の一次マルチ線を製造する。この一次マルチ線の多数本を束ねて銀合金パイプに挿入し、さらに縮径加工を施して断面円形に成形した後、次いで、酸素雰囲気中で焼成して酸化物超電導線材を製造する。

0022

図2は、本発明の断面円形の酸化物超電導線材の一実施例の断面図を示したもので、この線材は以下の方法により製造した。

0023

まず、外径φ20mm、内径φ18mmの純銀パイプ中にBi2 O3 、SrCO3 、CaCO3 及びCuOの各粉末を、Bi:Sr:Ca:Cu=2:2:1:2の元素数比で配合した混合粉末を充填し、これに縮径加工を施して外径φ1mmまで成形した後、これにロール加工を施し長辺:短辺の比が2:1となるように成形して断面平角形状のシングル線を製造した。この600本を束ねてAg−0.2wt%Mg合金パイプに挿入し、外径φ0.8mmまで縮径加工を施した。

0024

次いで、酸素雰囲気中で最高温度850℃で120時間焼成して断面円形の酸化物超電導線材を製造した。

0025

このようにして製造した図2に示す構造の超電導フィラメント数600本の酸化物超電導線材の液体He中での臨界電流密度(Jc)〜磁界(B)特性を図1に示す。

0026

図3は、本発明の断面円形の酸化物超電導線材の他の実施例の断面図を示したもので、この線材は以下の方法により製造した。

0027

まず、外径φ20mm、内径φ18mmの純銀パイプ中にBi2 O3 、SrCO3 、CaCO3 及びCuOの各粉末を、Bi:Sr:Ca:Cu=2:2:1:2の元素数比で配合した混合粉末を充填し、これに縮径加工を施した後、この61本を束ねて銀パイプ中に収容し、再度外径φ1mmまで縮径加工を施した後、これにロール加工を施し、長辺:短辺の比が2:1となるように成形して断面平角形状の一次マルチ線を製造した。この多数本を超電導フィラメント数が610本となるように束ねてAg−0.2wt%Mg合金パイプに挿入し、外径φ0.8mmφまで縮径加工を施した。

0028

次いで、酸素雰囲気中で最高温度850℃で120時間焼成して断面円形の酸化物超電導線材を製造した。

0029

このようにして製造した図3に示す構造の超電導フィラメント数610本の酸化物超電導線材の液体He中での臨界電流密度(Jc)〜磁界(B)特性を測定した結果、図1とほぼ同様の結果が得られた。

0030

図1に合わせて示した比較例は、上記の図3に示す構造の超電導線材における一次マルチ線として、ロール加工を施す前の外径φ1mmまで縮径加工を施した断面円形の一次マルチ線を用い、他は図3に示す実施例と同様の方法により製造したものである。

発明の効果

0031

本発明による酸化物超電導線材は、以上の実施例で明らかなように、銀又は銀合金マトリックス中に、扁平形状の超電導フィラメントの多数本を全体としてランダムに配置したことにより、撚線に必要な形状と高いJcを得ることができる。

図面の簡単な説明

0032

図1本発明による酸化物超電導線材(図2に示す構造)の臨界電流密度(Jc)〜磁界(B)特性を示すグラフである。
図2本発明による酸化物超電導線材の一実施例の断面図である。
図3本発明による酸化物超電導線材の他の実施例の断面図である。

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