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技術 静電植毛用極細短繊維フロック及びその製造方法

出願人 京都パイル繊維工業株式会社
発明者 吉本誠玉村武夫
出願日 2000年5月24日 (20年8ヶ月経過) 出願番号 2000-152424
公開日 2001年12月7日 (19年2ヶ月経過) 公開番号 2001-336062
状態 特許登録済
技術分野 繊維材料の処理 切断装置の細部 繊維製品の化学的、物理的処理 繊維製品への有機化合物の付着処理
主要キーワード 放射状部分 内装関係 植毛表面 自動切断機 級品質 高品質製品 アルカリ処理剤 前処理加工
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (3)

課題

植毛前先分割型複合繊維の切断に際し冷却処理ゾ−ンで冷却手段を施し融着を防止した静電植毛極細短繊維フロック及びその製造方法を提供する。

解決手段

複合繊維の切断に際し、予め冷却処理ゾ−ンでの冷却手段若しくは滑剤を併用した冷却手段から選ばれた前処理を施し、カット長0.1〜1mmに切断した後、分割処理繊度0.01〜1dの極細短繊維とし、続いて電着処理を施し植毛用極細短繊維フロックの構成とする。

効果

複合繊維の先分割植毛型の切断工程での繊維の融着現象を防止し、工業的有利に実施でき、植毛製品生産ロス品質低下を防止する。

概要

背景

従来、極細繊維植毛する方法としては、2成分以上からなる複合繊維を用いてフロック原糸とし、これを植毛した後、少なくとも1成分を溶解除去して分割する手段が知られており、またフロックの帯電性分離性を良好とし、その飛翔力を高める為に切断された短繊維電着処理と呼ばれる処理が施されている。さらに、極細繊維の製法としては、例えば特公昭54−28490号公報にはA、B2成分からなる海−多島型複合繊維のトウを処理して海成分を除去する極細繊維トウの製造方法で電気植毛用立毛繊維などに用いる極細繊維、或いは特開昭56−43473号公報には複合繊維からなる糸の状態で海成分を溶解除去した後に繊維シ−ト状物を形成する複合繊維の前分割の技術的手段、すなわち植毛前分割の公知例が開示されている。

概要

植毛前先分割型の複合繊維の切断に際し冷却処理ゾ−ンで冷却手段を施し融着を防止した静電植毛極細短繊維フロック及びその製造方法を提供する。

複合繊維の切断に際し、予め冷却処理ゾ−ンでの冷却手段若しくは滑剤を併用した冷却手段から選ばれた前処理を施し、カット長0.1〜1mmに切断した後、分割処理繊度0.01〜1dの極細短繊維とし、続いて電着処理を施し植毛用極細短繊維フロックの構成とする。

複合繊維の先分割植毛型の切断工程での繊維の融着現象を防止し、工業的有利に実施でき、植毛製品生産ロス品質低下を防止する。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

複合繊維を所望の繊維長に切断した後、分割処理を施してなる極細短繊維静電植毛用フロックからなり、前記切断に際し冷却処理ゾ−ンでの少なくとも一種以上から選ばれた冷却手段による前処理加工が施されてなる静電植毛用極細短繊維フロック

請求項2

前記複合繊維のカット長が0.1mm〜1.0mm、かつ分割処理された繊度0.01〜1dの極細短繊維からなり、該極細短繊維に電着処理が施されてなる請求項1記載の静電植毛用極細短繊維フロック。

請求項3

複合繊維の切断に際し冷却処理ゾ−ンでの少なくとも一種以上から選ばれた冷却手段による前処理加工を施し、該複合繊維をカット長0.1mm〜1.0mmに切断し、続いて切断された前記複合繊維を分割処理により繊度0.01〜1dの極細短繊維とした後、電着処理を施すことを特徴とする静電植毛用極細短繊維フロックの製造方法。

請求項4

前記冷却処理ゾ−ンでの冷却手段として、冷却装置のいずれかにより−50℃〜−10℃の温度領域で複合繊維に冷却前処理を施した後、切断してなる請求項3記載の静電植毛用極細短繊維フロックの製造方法。

請求項5

前記冷却処理ゾ−ンでの冷却手段と併用し、少なくとも一種以上の滑剤から選ばれた冷媒を含有せしめてなる請求項3ないし4記載の静電植毛用極細短繊維フロックの製造方法。

請求項6

前記冷却処理ゾ−ンでの冷却手段と併用する滑剤の繊維に対る付着量が0.1%〜1.0%からなる請求項3ないし5記載の極細短繊維静電植毛用フロックの製造方法。

技術分野

0001

本発明は静電植毛極細短繊維フロック及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、複合繊維を所望のカット長に切断に際し溶融又は融着ロスを防止し、続いて切断した複合繊維に分割処理を施してなる静電植毛用極細短繊維フロック及びその製造方法に関する。

背景技術

0002

従来、極細繊維植毛する方法としては、2成分以上からなる複合繊維を用いてフロック原糸とし、これを植毛した後、少なくとも1成分を溶解除去して分割する手段が知られており、またフロックの帯電性分離性を良好とし、その飛翔力を高める為に切断された短繊維電着処理と呼ばれる処理が施されている。さらに、極細繊維の製法としては、例えば特公昭54−28490号公報にはA、B2成分からなる海−多島型複合繊維のトウを処理して海成分を除去する極細繊維トウの製造方法で電気植毛用立毛繊維などに用いる極細繊維、或いは特開昭56−43473号公報には複合繊維からなる糸の状態で海成分を溶解除去した後に繊維シ−ト状物を形成する複合繊維の前分割の技術的手段、すなわち植毛前分割の公知例が開示されている。

発明が解決しようとする課題

0003

しかしながら、たとえば特開昭61−3123239号公報には、植毛前のパイル加工時の段階で分割し、極細繊維とする高耐久性極細フロック加工品及びその製造方法では、極細繊維を所定長カットして植毛するよりも複合繊維パイルとして植毛後、極細化処理を行う方法がより高密度に植毛できるとの記載があり、植毛前分割型の極細繊維フロックに対し、植毛後に分割する長所を記載している。

0004

従来、静電植毛用極細繊維フロックでは、当業者においていわゆる植毛後分割型が一般的に知られており、また、いわゆる植毛前分割型についても上記公知例のごとく提案がなされているが、いずれにしても海−多島型に代表される複合繊維の海成分の除去により極細短繊維としたフロックの形態では、それが植毛後分割処理、或いは植毛前分割処理のいずれであれ極細短繊維フロックの取扱の技術的手段では共通点がみられる。そこで、植毛前分割処理のうち、複合繊維を分割し、続いて分割された極細短繊維を所望の長さに切断するか、または複合繊維を所望の長さに切断し続いて切断された複合繊維を分割する製造方法が挙げられるが、特に複合繊維を所望の長さにカットした後に分割する切断工程での融着現象は植毛後の品質に影響を及ぼし生産ロス発生の要因に繋がることが問題点であった。

0005

この為、例えば上記特開昭61−31239号公報では分割後植毛を公知例として開示しながらも、極細繊維を所定長にカットして植毛するよりも複合繊維パイルとして植毛後、分割処理を行う方法がより高密度植毛ができるとの記載がみられる。植毛前分割処理の場合での複合繊維を切断する工程での融着現象は従来の植毛技術での難点の一つでもあり、これらを含めていわゆる植毛前分割に対し植毛後分割での利点としても挙げられるものである。また、特開平10−305506号公報には、複合繊維より分割された繊度0.01〜1d、長さ0.1〜2.0mmの極細短繊維よりなり、その表面は、電着処理されている静電植毛用フロックおよびその製造方法が開示されている。しかしながら、上記公報では植毛前分割型のカテゴリ−ながらも例えば植毛前分割型に共通するとみられる短所ないし難点についての解決手段については具体的にも記載がなく、例えば海−多島型複合短繊維の切断時でフロックの融着現象が発生し易く、ひいてはフロック製品植毛表面品位に影響を与える融着や膠着等に伴うロス発生等の欠点について解決されておらず、特に極細短繊維フロックの取扱においては、かかる問題点の解決の為の少なくとも必要条件充足することが品質保持及び生産ロス発生の抑制につながる。

0006

一般的に、複合繊維のいわゆる後分割植毛ではパイルの太さが細くてカット長が長いパイルが植毛可能で、後分割の方が高密集植毛加工ができる利点があるが、植毛後の極細化処理で、植毛加工での樹脂劣化により植毛強さが低下すること、また極細繊維を用いた人工皮革のようなフィンガ−マ−クを得ることができない難点がある。この点では、先分割植毛の場合の利点としては、後分割植毛では解繊糸基材に対し植毛表面のイラツキ現象が発生し易いが、先分割ではパイルが1本1本の基材に対し垂直に立毛して植毛でき、均一な植毛表面が得られる。また後分割に比べると先分割は植毛感が損なわれない。植毛後の解繊処理では、接着剤の劣化が伴い、また、解繊処理方法によっては基材の素材選定をしなければならない。たとえばアルカリ処理による解繊の場合は、耐アルカリ性の基材を選ばなければならない。したがって、先分割の植毛の場合は、基材の素材を問わずに通常の植毛と変わらずいかなる基材にも植毛可能である。さらに通常のパイルより先分割パイルの比重の方が小さく軽い為にパイル目付量が格段に減少する。この為に例えば後分割を含め従来の植毛では重量感が妨げとなる場合があったが植毛布の軽量化につながる等の長所がある。

0007

植毛前分割処理のうち、複合繊維を所望の長さに切断し続いて切断された複合繊維を分割するか、または複合繊維を分割し続いて分割された極細繊維を所望の長さに切断する方法が挙げられるが、このような繊維の切断では、植毛後分割処理に対し、複合繊維を切断し分割後植毛または複合繊維を分割し続いて切断する工程での、特に複合繊維を所望の長さにカットし分割する工程での繊維の融着現象は植毛後の品質に影響を及ぼし生産ロス発生の要因である難点があった。

0008

本発明の構成において、フロック短繊維の融着或いは溶融、膠着は主として繊維の切断に用いられるカット刃応力摩擦等に起因して切断された短繊維同士が部分的にくっつく現象であり、特に融着現象とは短繊維同士が1本1本独立しておらず、切断された短繊維の切断面が部分的に、或いはカット断面の両側がくっつく現象である。すなわち、一般的に、切断される繊維径が極細繊維になればなるほど融着する現象は発生し易い傾向があり、また、切断される短繊維の繊維長が短くなればなるほど発生し易い。植毛用短繊維フロックの切断の問題点として、製造上におけるフロックロスはコストに大きな影響を及ぼすが、刃で切断する以上、刃物切れ味が良質のフロックを作る条件になる。また合成繊維の切断は、Wetカッティング法によって行い、濡らした状態の繊維原料を切断し、摩擦熱による繊維フロックの溶融或いは融着を防止するが、水の代わりに油剤を付着させ、切断刃抵抗を小さくし、摩擦熱の発生を押さえる方式もあるが、切断後の染色などに悪影響を及ぼすことがあるので、その使用は極く限られている。

課題を解決するための手段

0009

本発明では上記の問題点を解消するため、極細短繊維の切断において、切断前にいずれかの冷却装置により繊維に冷却処理を施すか、また、該冷却処理を施す前に、切断される繊維に少なくともシリコ−ン水溶液等の一種以上の滑剤から選ばれた冷媒を含有せしめた構成とするか、或いは水等を溶媒として使用することができるが、滑剤を併用する方法が繊維相互の間隔に溶媒が存在する為、溶媒が緩衝材役割を果たし、短繊維の融着現象を防止もしくは抑制するように働く。

0010

本発明において、フロックの帯電性、分離性を良好とし、その飛翔力を高めるために切断された短繊維に電着処理と呼ばれる処理を施された構成とする。電着処理剤としては無機塩類界面活性剤などから選ばれた1種又は2種以上の混合物を使用する。しかし通常1d以下の繊度となると繊維径が極端に細いため通常の電着処理では繊維径に対して電着処理剤化合物の径が大きすぎて、繊維表面に均一に被覆することが困難であった。このため、本発明においては、電着処理剤は超微粒子、例えば平均粒子径,6ナノメ−トルのごとき無機化合物を使用することができる。また、結晶水を多く含む化合物を使用することによって、繊維表面に超微粒子の電着処理剤を均一に付着させることができ、飛翔性がよく、かつ分散性がすぐれた極細短繊維フロックを作ることができる。

0011

本発明でカット面に関しては、複合糸により分割される繊維の太さが細くなればなるほど、またカット長が短くなればなるほど、カット刃の応力の応力や摩擦により短繊維同士がくっつく現象、いわゆる融着、またはカット断面が変形する現象が起こり、植毛した後、融着部分が手に当たり、植毛表面の風合いを損ねる原因となっていた。これらの現象を改善するため、滑剤を原糸に付着させ、糸同士の滑り効果を付与することにより、また、冷却剤により原糸を冷凍状態にすることにより、融着を防ぎながらカットする方法を採択することができる。

0012

複合繊維を分割する方法において、例えばアルカリ処理法では、アルカリ処理剤により溶解させた成分が繊維表面にオリゴマ−として付着する場合があり、フロックの分散性を損ねる原因の一つとなる。この為、本発明では、耐アルカリ性の乳化剤を併用することにより、オリゴマ−付着防止効果が得られ、生産性の向上、さらにはフロックの最終収率の向上に作用するように働く。また、一部の植毛用途によっては、完全に複合繊維から分割された繊維が1本1本独立しなければならないものもあり、複合繊維において、融着現象を解繊させる方法として、水または溶剤等とボ−ルミルを併用する湿式粉砕機を使用することにより独立解繊糸とすることもできる。

0013

複合繊維から分割された繊維を使用した場合、シルキ−調、ピ−チ調などの風合いが得られ、皮革調肌触りを得ることができ、独特の風合いを持つ植毛製品を廉価に生産供給することができる。染色工程では、複合繊維により分割される繊維が、たとえばポリエステル素材の場合、マイクロファイバ−用分散染料を、また、ポリアミド素材の場合は含金属染料を使用することにより、場合によっては、色止め剤を使用することにより高堅牢高品質製品簡易に製造することができ、高付加価値差別商品の生産が可能となる。

0014

さらに、乾燥工程について、通常、繊維を電着処理したのち、繊維と処理液を分離するために遠心脱水を行うが、複合糸により分割された繊維は、絡まりと塊が強固なものになり、乾燥前にほぐすのがかなり面倒な作業になる。また、バッチ式または棚式乾燥機の場合では、凝集した繊維が塊のまま乾燥してしまい分散性が悪くなる。しかし、連続式乾燥機で乾燥前にミキサ−により、脱水繊維を細かく粉砕してから、マイクロファイバ−専用の気流乾燥機を使用することにより、良好な分散性をもつ繊維が作成でき、かつ乾燥時間の短縮にもつながり生産コストを低減できるように働く。

0015

本発明において冷却装置による冷却は、冷却装置内冷却温度は、−50℃〜−10℃の範囲で、好ましくは−40℃〜−30℃の温度範囲で、複合繊維のトウ或いはフィラメントの形態で冷却装置内を通過せしめて冷却処理を施すことができる。冷却温度が高すぎる場合は、特に集束された複合繊維、例えばトウ状態のように太さが太い場合、内部の冷却が困難である。逆に冷却温度が低すぎる場合には、集束繊維中の水分が凍ってしまい、所定長に切断しにくくカット長に乱れが生じる等の悪影響を及ぼす原因になる。従って、冷却装置内の冷却温度は、−50℃〜10℃の間で、好ましくは−40℃〜30℃の温度範囲内で繊維を冷却する。

0016

上記冷却装置による冷却の他、冷媒による冷却方式を併用することができる。例えば滑剤を併用する場合、切断される繊維と切断刃との接触抵抗を小さくし、摩擦熱の発生を押さえる効果があり、上記冷却装置との併用により、さらなる融着防止効果が得られる。しかし染料吸着性等に悪影響を及ぼすことがあるので影響の少ないものを選択することが必要であり、また、使用濃度をできるだけ抑制することが適当である。繊維に対して、付着量は、使用薬剤にもよるが、0.1%〜1.0%の範囲、より好ましくは0.2%〜0.4%である。使用する薬剤としては、たとえば、マ−ポ−ル A−110(本油脂製薬株式会社製)、テキスポ−トD−900(日華化学株式会社製)、サイジングシリコン#20(松本油脂製薬株式会社製)などか挙げられる。滑剤を冷媒浴中に所定量添加し、切断される繊維を冷媒浴中に通し、マングル絞りにより絞り率50〜150%として、繊維に対しての付着量を、0.1%〜1.0%、より好ましくは0.2%〜0.4%となるように調整する。このようにして得られた滑剤を含有する繊維は、上記のいずれかの冷却装置内を通過せしめて冷却された後に所定長に切断する。

発明を実施するための最良の形態

0017

本発明において、繊維の切断時におけるパイルの融着現象は、切断に用いるカット刃の応力や摩擦等の諸要因により切断された短繊維相互間で部分的にくっつく現象であり、この融着現象は短繊維同士が1本1本独立しておらず、図1は繊維の切断時におけるパイルの融着形態の一例を示すもので、切断された短繊維1の切断面2の両端などで部分的に、また、切断面2の両側がくっつく現象であり、融着部3が存在している。そして、一般的に切断される繊維径が極細繊維となればなるほど融着現象が発生し易い。また、切断される短繊維同士の繊維長が短くなればなるほど発生し易い。したがって、本発明では複合繊維を分繊してなる極細短繊維において、特に先分割加工で、最終植毛布製品に影響を及ぼすパイルの融着現象の改善、防止を図る為の構成である。本発明において、極細繊維(直接紡糸された極細短繊維も含む)の切断で切断面の融着現象が発生する可能性があり、特に極細繊維での融着現象を防止ないし抑制するために、切断時における冷却処理ゾ−ンを設けた構成、或いは該冷却処理ゾ−ンの冷却手段において冷媒を併用する構成を実施の態様とする。

0018

切断時に冷却処理ゾ−ンを設けた構成では、冷却装置内の冷却温度は−50℃〜−10℃の間で、より好ましくは−40℃〜−30℃の温度範囲内で繊維に冷却処理を施す。冷却温度が高すぎると、特に集束された繊維、たとえばTOW状のように全デニ−ルが太い場合、内部の冷却が困難になる。また逆に冷却温度が低すぎる場合には、集束繊維中の水分が凍ってしまい、所定長に切断しにくくカット長に乱れが生ずる等の悪影響を及ぼす原因になる。したがって、冷却装置内の冷却温度は−50℃〜−10℃の間で、より好ましくは−40℃〜−30℃の温度範囲内で繊維に冷却処理を施す。また、上記のごとく切断時に冷却処理ゾ−ンを設けた構成で、冷媒による冷却手段については、該冷媒として滑剤単独か或いは前記冷却装置内での冷却手段と滑剤を併用する方法である。

0019

図2は本発明の切断前処理工程の要部模式図であり、切断前処理工程で、4は冷却処理ゾ−ン、5はカッタ−、6は冷媒処理槽、7は滑剤、8はトウ状複合繊維、9は切断極細短繊維である。

0020

以下、本発明の実施例を具体的に説明する。

0021

(実施例1)複合繊維として、市販のTOW状の海島型複合繊維,繊度4.9d、海成分としてはポリエステル素材、島本数は、37本存在しており、島成分として6−ナイロンの繊度0.06d(以下複合繊維Aと称する)、市販のフラメント状の分割型複合繊維,繊度110d/50F,単糸デニ−ル2.2d、ポリエステル素材9分割,解繊後の繊度約0.1d(以下複合繊維Bと称する)、および市販のTOW状の分割型複合繊維,繊度1.5d、クサビ状部分は6−ナイロンの繊度約0.19d、中心の放射状部分は溶解型ポリエステルのナイロン/ポリエステル分割型複合繊維(複合繊維Cと称する)を使用し、上記の複合繊維A、B、Cのそれぞれを繊維自動切断機(株式会社小野打製作所製)を使用して、回転数250回転/分の速度で切断し、繊維長0.2mmの極細短繊維を作った。

0022

上記の複合繊維A、B、Cを、次の切断例1〜3に示す方法により切断した。
(1)切断例1
滑剤使用カットの手段で、切断工程において予め滑剤を使用する場合である。滑剤として、マ−ポ−ルA101(松本油脂製)を使用し、繊維に対し付着量を0.3%となるように調整し、上掲繊維自動切断機(刃長さ400mm,有効切340mm)で切断した。
(2)切断例2
切断工程において冷却処理ゾ−ンで冷却手段を施し切断を行う方法であり、冷却手段として、冷却装置内の温度を−40度近傍に設定し、繊維に冷却処理を施しながら、切断した。
(3)切断例3
切断工程において繊維に滑剤処理ならびに冷却処理ゾ−ンで冷却手段を併用しながら切断する方法であり、滑剤は繊維に対しての付着量は0.3%となるように調整し、上記切断例2と同様に冷却手段としては冷却装置内の温度を−40度近傍に設定し、上掲繊維自動切断機(刃長さ400mm,有効切巾340mm)を使用し、繊維に冷却処理を施しながら切断した。
(4)比較例
比較例として、2枚刃押切式のギロチン型自動切断機を使用して切断した。

0023

以上の切断例1〜3の切断条件及び比較例の方法にて、上掲複合繊維A、複合繊維B、複合繊維Cをそれぞれ切断した。

0024

上記切断例1〜3及び比較例の通り切断した後、複合繊維A、B、Cを水酸化ナトリウム高温高濃度水溶液にて処理することにより解繊処理し、解繊させた極細短繊維フロックを取り出す。このようにして得られた極細短繊維フロックの任意の箇所を拡大鏡で観察し、拡大鏡によって映し出された極細短繊維の総本数を測定した。また、融着した短繊維の本数を測定した後、切断条件1〜3及び比較例におけるそれぞれの融着発生率を算出した。表1には、複合繊維A、B、Cの切断例1〜3および比較例につき、融着総本数/パイル総本数(本)を対比した結果を示す。

0025

0026

また、表2には、複合繊維A、B、Cの切断例1〜3および比較例につき、融着発生率(%)を対比した結果を示す。

0027

0028

上記表1および表2に示された結果から明らかなように、比較例での切断方法と対比し、滑剤を使用した切断方法では融着の発生を少許軽減できるものの十分な融着発生の防止効果を得ることはできない。しかし切断例2での切断方法として冷却処理ゾ−ンで冷却手段を施すことにより、切断される繊維と切断刃との摩擦熱の発生を防止できるため、繊維の溶融が抑制され、短繊維間の融着現象が軽減された。さらに、切断例3での結果の示すとおり、冷却処理ゾ−ンでの冷却手段と同時に滑剤を併用することにより、繊維と切断刃間の接触抵抗を少なくする効果を奏し、切断例2での冷却手段のみを施す方法に比し、短繊維間の融着防止が可能となった。

0029

続いて、分繊させた複合繊維を、金属錯鉛染料Kayakalan(日本化薬株式会社製)を主体とした染料組成で染色し、色止め用としてFIX処理を施した。その後、コロイダルシリカケイ酸ソ−ダ、界面活性剤からなる電着処理液に浸漬処理し、脱水、乾燥して植毛用フロックとした。

0030

(実施例2)複合繊維として、実施例1で使用した複合繊維B、市販のフィラメント状の分割型複合繊維,繊度110d/50F,単糸デニ−ル2.2d、ポリエステル素材9分割,解繊後の繊度約0.1dを使用し、上掲実施例1中の切断例2(冷却処理ゾ−ンで冷却手段を施し切断を行う方法)で2枚刃押切式のギロチン型自動切断機で回転数160回転/分の速度で繊維長0.2mmに切断した。次いで、この切断された複合繊維を、実施例1と同様の方法で解繊させ、繊度0.1d、繊維長0.2mmのポリエステル極細短繊維を作った。続いて、この分繊させた極細短繊維を分散染料Sumikaron UL(住友化学工業株式会社製)を主体とした3原色にてブラウン色に染色し、十分に水洗した後、還元ソ−ピング処理を施した。その後、実施例1と同様に、コロイダルシリカ、ケイ酸ソ−ダ、界面活性剤からなる電着処理液に浸漬処理し、脱水、乾燥して植毛用フロックとした。この極細フロックの表面電気抵抗値を測定したところ、1.0×108 Ω・cmであった。このようにして得られた極細フロックの任意の箇所をマイクロスコ−プにて観察したところ、融着発生率は0.8%であった。このフロックをアップ方式で乾式ウレタンフィルムラミネ−ト基布に、電圧3万V、電極間距離11cmで静電植毛したところ、均一な植毛表面を持つ高級品質植毛布が得られた。この植毛布の表面は独特のチョクマ−クを有するすぐれた触感を有するものであり、格調高いファインスェ−ドタッチを生かした、資材関係や婦人・紳士アウタ衣料関係などの用途に適した素材であった。

0031

(実施例3)複合繊維として、実施例1で使用した複合繊維C、市販のTOW状の分割型複合繊維,繊度1.5d、クサビ状部分は6−ナイロンの繊度約0.19d、中心の放射状部分は溶解型ポリエステルのナイロン/ポリエステル分割型複合繊維を使用し、実施例1中の切断例3、切断工程において繊維に滑剤処理並びに冷却処理ゾ−ンで冷却手段を併用する方法で複合繊維を切断した。滑剤としてはテキスポ−ト D−900(日華化学株式会社製)を使用し、繊維に対しての付着量を0.2〜0.3%になるように調整した。また、冷却ゾ−ン処理工程での冷却手段は、冷却装置内の温度を、−45度に設定し、滑剤を含有し、かつ冷却処理ゾ−ンで冷却手段とを併用し、加工処理された複合繊維Cを、繊維自動切断機(株式会社小野打製作所製)にて、回転数150回転/分の速度で、繊維長0.3mmに切断した。この切断された複合繊維Cを実施例1と同様の方法にて解繊させ、繊度0.19d、繊維長0.3mmのナイロン極細短繊維を作った。続いて、この極細短繊維を酸性染料Kayanol Milling(日本化薬株式会社製)タイプの3原色(Yellow 5GW、Red、BW、Blue BW)にて、チャコ−ル色に染色し、十分に水洗した後、実施例1と同様にコロイダルシリカ、ケイ酸ソ−ダ、界面活性剤からなる電着処理液に浸漬処理し、脱水、乾燥して植毛用フロックとした。この極細フロックの表面電気漏洩抵抗値は4.1×107 Ω・cmであった。このようにして得られた極細フロックの任意の箇所を、マイクロスコ−プにて観察したところ、融着発生率は、0.2%であった。この極細フロックをダウン方式でナイロンタフタ基布に、電圧3万V、電極間距離11cmで静電植毛したところ、フロックの飛翔性が十分にあり、均一性のとれた高品位の植毛布が得られた。さらに、この植毛布に非イオン柔軟剤を付与し、乾燥後表面仕上げを行った。このようにして得られた植毛布は、独特のライティング効果を持ち、極細繊維の特徴をさらに拡張する高触感なもので、繊細でやさしくしっとりとしたソフトピ−チ感を有するものであった。この植毛布は独特の風合いおよび光沢感を有することから、家具椅子張り等のインテリア内装関係スポ−ツシュ−ズ、婦人紳士靴・鞄・袋物雑貨資材関係、アウタ−ウェア−・カジアルウェア−・フォマルウェア−等アパレル関係等幅広い用途に展開できるものであった。

0032

(比較例)上記のごとく複合繊維Aとして、市販のTOW状の海島型複合繊維(繊度4.9d、海成分としてはポリエステル素材、島本数37本存在しており、島成分としては6−ナイロンの繊度約0.06d)を使用し、2枚刃押切式のギロチン型自動切断機を使用し、回転数200回転/分の速度で繊維長0.2mmで切断した。この切断された複合繊維Aを実施例1と同様の方法で分繊させた極細短繊維を、金属錯鉛染料Kayakalan(日本化薬株式会社製)を主体とした染料組成で染色し、色止め用としてFIX処理を施した。その後、コロイダルシリカ、ケイ酸ソ−ダ、界面活性剤からなる電着処理液に浸漬処理し、脱水、乾燥して植毛用フロックとした。得られた極細フロックの表面電気抵抗値は、1.2×108 Ω・cmであった。このようにして得られた極細フロックをマイクロスコ−プで解繊度を確認したところ、繊維と切断刃との接触摩擦熱により部分的に融着したフロックが確認され、融着発生率は24.6%であった。このフロックを用いてダウン式により電圧3万V、電極間距離11cmで静電植毛したところ、均一に植毛されてはいるものの、融着フロックが部分的に手に当たる触感を持つ表面品位の劣る植毛品であった。

0033

ここで上記実施例2および実施例3と比較例につき、(1)融着発生率、(2)飛翔性、(3)植毛布の表面品位ならびに総合評価を対比すると、表3に示すとおりである。表3の結果からも、比較例(ブランク)に対し、上掲切断例2の冷却処理ゾ−ンで冷却手段を施す実施例2では、融着発生率で比較例24.6%に対し、0.8%と格段に改善されており、また植毛布の表面品位でも良好な結果が得られている。さらに、実施例3での、滑剤付与と冷却処理ゾ−ンでの冷却手段とを併用する方法では、融着発生率が格段に向上のみならず、飛翔性のほか特に植毛布の表面品位においては顕著な改善が認められた。

0034

0035

以上のとおり本発明に係る一実施例を説明したが、本発明は上述の構成に限定されるものではなく、複合繊維の先分割切断後植毛のみならず、植毛用複合繊維の切断を含め、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。

発明の効果

0036

本発明によれば、複合繊維の先分割植毛型の切断工程で植毛後の品質に影響し生産ロスの要因である繊維相互の融着現象を防止し、植毛布の品質低下商品価値が損なわれることを回避できる。また、繊維トウ等の形態での搬送工程に設けた冷却ゾ−ンで連続して処理を施すことができ、構成が簡潔で、安価に実施できると共に、均一な植毛布の表面品位、植毛感等の品質保持等、先分割植毛型極細短繊維フロックとしてすぐれた効果を奏する。

図面の簡単な説明

0037

図1繊維の切断時におけるパイルの融着形態の一例を示す要部拡大説明図である。
図2本発明の切断前冷却処理ゾ−ンの工程を示す要部模式図である。

--

0038

1短繊維
2 切断面
3融着部
4冷却処理ゾ−ン
5カッタ−
6冷媒処理槽
7滑剤
8トウ状複合繊維
9 切断極細短繊維

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