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技術 歯の漂白剤、この漂白剤の製造方法、歯の漂白方法及び漂白装置

出願人 山本敦彦株式会社モリタ製作所
発明者 山本敦彦大石純子
出願日 2000年5月25日 (19年3ヶ月経過) 出願番号 2000-154795
公開日 2001年12月4日 (17年9ヶ月経過) 公開番号 2001-335450
状態 特許登録済
技術分野 化粧料 レーザー手術装置
主要キーワード ワンパルス 光吸収波長帯 レーザ光発生源 ヤグレーザ 漂白対象 エネルギ制御 漂白装置 レーザ光発生装置
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2001年12月4日)のものです。
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図面 (4)

課題

ケミカルバーンを生じることなく、より人体への安全性が高く、かつ、漂白時間のより短い歯の漂白剤、この漂白剤の製造方法、歯の漂白方法及び漂白装置を提供する。

解決手段

予め用意された不活性ゲル化剤2と水酸基化合物3の混合物を、歯Sの表面に塗布する直前過酸化水素水1と混合し、こうして生成されたゲル状となった漂白剤1+2+3を歯Sの表面に塗布した後に、この塗布された漂白剤1+2+3に漂白装置4によって波長2〜4μmのレーザ光照射する。

概要

背景

近年、歯科の分野においても、単に治療をするだけでなく、美的な観点からの処置が望まれる傾向にある。その一例が、歯を白く見せたいという要望であり、このような要望は、本来の歯科治療に関するものではないが、放置すべきものではなく、種々の歯を白くすることに関する技術、歯の漂白剤、この漂白剤の製造方法、歯の漂白方法、更には、漂白装置が提案されている。

漂白剤の主要成分としては、人体への安全性なども考慮して、過酸化水素溶液が用いられるが、これは、直接、歯のエナメル質以外の部分、例えば、歯肉などに触れると、いわゆるケミカルバーンというやけどを生じ、強い疼痛を与えるとともに、組織腐食される可能性がある。

このため、漂白を施す歯の表面以外をラバーダムと呼ばれる隔離手段で隔離して、過酸化水素溶液を塗布し、また、漂白を促進させるために、加熱ランプ塗布部分を加熱する方法が提案されているが、隔離などに時間を要する上、漂白時間も数10分要するもので、改善が望まれていた。

この解決手段として、近年は、過酸化水素溶液をゲル化剤混和させゲル状にして歯の表面に塗布することで、塗布された過酸化水素溶液の流れを防止し、更に、歯の表面の過酸化水素溶液を塗布した部分を加熱するのに、炭酸ガスレーザアルゴンガスレーザなどを用いるレーザーブリーチングが行われているが、ゲル化剤の安定性や人体への安全性の向上や、漂白に必要な時間の更なる短縮などが望まれていた。

また、従来法で用いられていたNdYAGレーザや、アルゴンレーザでは、液体、つまり水に対する透過性が高く、歯の表面で薬剤に吸収されることなくほとんどのエネルギが透過するため、歯にクラック等が発生し損傷を与える可能性があり、加えて、発熱による活性化促進は期待できない。したがって、この場合には、これらのレーザ光を吸収させる色素などを漂白剤に添加する必要があり、余分な成分と時間を必要としていた。一方、炭酸ガスレーザは、液体に対する吸収性は高いが、歯の構成物質であるリン酸カルシウム炭酸カルシウムに対しての吸収性も高く、歯の表面に直接照射された場合に歯の炭化を生じるという問題もあった。

概要

ケミカルバーンを生じることなく、より人体への安全性が高く、かつ、漂白時間のより短い歯の漂白剤、この漂白剤の製造方法、歯の漂白方法及び漂白装置を提供する。

予め用意された不活性ゲル化剤2と水酸基化合物3の混合物を、歯Sの表面に塗布する直前過酸化水素水1と混合し、こうして生成されたゲル状となった漂白剤1+2+3を歯Sの表面に塗布した後に、この塗布された漂白剤1+2+3に漂白装置4によって波長2〜4μmのレーザ光を照射する。

目的

本発明は、以上のような問題を解決するためになされたものであって、ケミカルバーンを生じることなく、より人体への安全性が高く、かつ、漂白時間のより短い歯の漂白剤、この漂白剤の製造方法、歯の漂白方法及び漂白装置を提供することを目的としている。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
1件

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請求項1

歯の表面に塗布して用いる漂白剤であって、少なくとも過酸化水素水と不活性ゲル化剤からなることを特徴とする歯の漂白剤。

請求項2

請求項1に記載の歯の漂白剤において、更に、水酸基化合物を含むことを特徴とする歯の漂白剤。

請求項3

請求項1または2のいずれかに記載の歯の漂白剤において、前記不活性ゲル化剤が、カルメロースナトリウムカルボキシメチルセルロースナトリウム)であることを特徴とする歯の漂白剤。

請求項4

請求項2または3のいずれかに記載の歯の漂白剤において、前記水酸基化合物が、水酸化カルシウムであることを特徴とする歯の漂白剤。

請求項5

請求項4に記載の歯の漂白剤において、前記過酸化水素水の濃度35%の溶液1000に対して、前記水酸化カルシウムの粉末の割合が重量比で0.5〜10となっていることを特徴とする歯の漂白剤。

請求項6

請求項1から5のいずれかに記載の歯の漂白剤の製造方法であって、予め用意された前記不活性ゲル化剤あるいは前記不活性ゲル化剤と前記水酸基化合物の混合物を、歯の表面に塗布する直前に前記過酸化水素水と混合することを特徴とする歯の漂白剤の製造方法。

請求項7

請求項1から5のいずれかに記載の歯の漂白剤を用いて、歯を漂白する方法であって、予め用意された前記不活性ゲル化剤あるいは前記不活性ゲル化剤と前記水酸基化合物の混合物を、歯の表面に塗布する直前に前記過酸化水素水と混合し、こうして生成されたゲル状となった漂白剤を歯の表面に塗布した後に、この塗布された漂白剤に波長2〜4μmのレーザ光照射することを特徴とする歯の漂白方法

請求項8

請求項1から5のいずれかに記載の歯の漂白剤を用いて歯の漂白を行う際に用いられる波長2〜4μm、エネルギ密度0.1〜50mJ/平方mm、パルス1〜30pps、照射ビーム径φ2mm〜φ20mmのレーザ光を照射できるようにしたことを特徴とする歯の漂白装置

発明の効果

0001

本発明は、歯の漂白剤、この漂白剤の製造方法、歯の漂白方法及び漂白装置に関する。

背景技術

0001

請求項1に記載の歯の漂白剤によれば、過酸化水素水、不活性ゲル化剤混和することで、歯の漂白に適しており、特に、後述するように、レーザ光照射して、過酸化水素水の漂白作用を高めて用いる場合に適している。。

0002

0002

近年、歯科の分野においても、単に治療をするだけでなく、美的な観点からの処置が望まれる傾向にある。その一例が、歯を白く見せたいという要望であり、このような要望は、本来の歯科治療に関するものではないが、放置すべきものではなく、種々の歯を白くすることに関する技術、歯の漂白剤、この漂白剤の製造方法、歯の漂白方法、更には、漂白装置が提案されている。

0003

0003

漂白剤の主要成分としては、人体への安全性なども考慮して、過酸化水素溶液が用いられるが、これは、直接、歯のエナメル質以外の部分、例えば、歯肉などに触れると、いわゆるケミカルバーンというやけどを生じ、強い疼痛を与えるとともに、組織腐食される可能性がある。

発明が解決しようとする課題

0004

課題を解決するための手段

0004

このため、漂白を施す歯の表面以外をラバーダムと呼ばれる隔離手段で隔離して、過酸化水素溶液を塗布し、また、漂白を促進させるために、加熱ランプ塗布部分を加熱する方法が提案されているが、隔離などに時間を要する上、漂白時間も数10分要するもので、改善が望まれていた。

0005

0005

この解決手段として、近年は、過酸化水素溶液をゲル化剤と混和させゲル状にして歯の表面に塗布することで、塗布された過酸化水素溶液の流れを防止し、更に、歯の表面の過酸化水素溶液を塗布した部分を加熱するのに、炭酸ガスレーザアルゴンガスレーザなどを用いるレーザーブリーチングが行われているが、ゲル化剤の安定性や人体への安全性の向上や、漂白に必要な時間の更なる短縮などが望まれていた。

0006

0006

また、従来法で用いられていたNdYAGレーザや、アルゴンレーザでは、液体、つまり水に対する透過性が高く、歯の表面で薬剤に吸収されることなくほとんどのエネルギが透過するため、歯にクラック等が発生し損傷を与える可能性があり、加えて、発熱による活性化促進は期待できない。したがって、この場合には、これらのレーザ光を吸収させる色素などを漂白剤に添加する必要があり、余分な成分と時間を必要としていた。一方、炭酸ガスレーザは、液体に対する吸収性は高いが、歯の構成物質であるリン酸カルシウム炭酸カルシウムに対しての吸収性も高く、歯の表面に直接照射された場合に歯の炭化を生じるという問題もあった。

0007

本発明は、以上のような問題を解決するためになされたものであって、ケミカルバーンを生じることなく、より人体への安全性が高く、かつ、漂白時間のより短い歯の漂白剤、この漂白剤の製造方法、歯の漂白方法及び漂白装置を提供することを目的としている。

0007

0008

請求項1に記載の歯の漂白剤は、歯の表面に塗布して用いる漂白剤であって、少なくとも過酸化水素水と不活性ゲル化剤からなることを特徴とする。

0008

0009

ここで、過酸化水素水は、主として歯の漂白をする役割を果たす。不活性ゲル化剤は、過酸化水素水と混和されてゲル状の混和物となり、歯の表面に塗布した際に流れを防止すると共に、過酸化水素水、同時に混和する水酸基化合物や人体に対して不活性であり、反応せず、過酸化水素水がその漂白作用を発揮するのを妨げず、また、人体に対しても悪影響を与える可能性が少ないものである。

0009

0010

不活性ゲル化剤は、また、これだけでなく、後述するように、ゲル状の混和物となって、歯の表面に塗布され、レーザ光を照射されたときに、この照射によって影響されることなく、更に、この照射によって活性化した過酸化水素水などにも影響されることなく、歯の漂白が効果的に行われるのを補助するものである。

0011

このような特性を有する過酸化水素水、不活性ゲル化剤を混和することで、この漂白剤は、歯の漂白に適しており、特に、後述するように、レーザ光を照射して、過酸化水素水の漂白作用を高めて用いる場合に適している。

0012

また、この漂白剤は、従来の漂白剤のように、漂白作用を促進するための触媒や、漂白作用が完了したことを示すような呈色剤を含まない点も特徴とする。後述のレーザ光を併せもちいることで、触媒がなくとも十分に短時間で漂白が可能で、色の変化により漂白の完了を確認する必要もないからである。

0013

請求項2に記載の歯の漂白剤は、請求項1に記載の歯の漂白剤において、更に、水酸基化合物を含むことを特徴とする。

0014

水酸基化合物は、混和された混合物アルカリ度を増すために用いられる。というのも、過酸化水素水は、自身は酸性でありながら、酸性の雰囲気においてよりも、アルカリ性の雰囲気おいて、より活発に漂白作用を発揮するからである。

0015

したがって、このような水酸基化合物を更に混和することで、過酸化水素水の漂白効果が維持され、または、更によく発揮される。

0016

請求項3に記載の歯の漂白剤は、請求項1または2記載の歯の漂白剤において、前記不活性ゲル化剤が、カルメロースナトリウムカルボキシメチルセルロースナトリウム)であることを特徴とする。

0017

このカルメロースナトリウムは、本来、便秘薬として服用されるもので、人体に対する安全性も確認されている薬剤で、水と混和させるとゲル状になり、その粘度を適度に調整すると、歯のエナメル質のような曲面を有する面上に塗布しても流れたり、垂れたりするようなことがなく、過酸化水素水を歯の表面に保持することができるものである。

0018

さらに、カルメロースナトリウムは、薬品、熱、光に対して安定であり、不活性を呈し、食用的に無害であるという特徴をもつので、過酸化水素水や水酸基化合物と混和させても反応せず、また、それらの働きを阻害せず、更に、レーザ光の照射を受けても安全なので、これを用いることで、理想的な漂白剤を提供することができる。

0019

なお、不活性ゲル化剤としては、これに限らず、非晶質ヒュームドシリカポリメチルビニルエーテルマレイン酸カリウム塩ポリマー化合物セルロース系材料、好ましくはヒドロキシエチルセルロースおよびセルロース硫酸ナトリウムなどを単体で、あるいは混合させて、用いることもできる。

0020

請求項4に記載の歯の漂白剤は、請求項2または3のいずれかに記載の歯の漂白剤において、前記水酸基化合物が、水酸化カルシウムであることを特徴とする。

0021

水酸化カルシウムは、代表的な水酸基化合物であり、この漂白剤を用いる歯科医院において、歯に窩洞を形成したのち、歯髄に近い窩洞の奥底部分に歯髄への熱伝導などを和らげるための充填剤として常時備えられている歯科材料でもあるので、入手し利用しやすく、本発明の歯の漂白剤を容易に形成することができる。しかしながら、水酸基化合物は、ごく少量もちいるもので、塩基性もののであれば、なんでも良い。

0022

請求項5に記載の歯の漂白剤は、請求項4に記載の歯の漂白剤において、前記過酸化水素水の濃度35%の溶液1000に対して、前記水酸化カルシウムの粉末の割合が重量比で0.5〜10となっていることを特徴とする。

発明を実施するための最良の形態

0023

この漂白剤は、過酸化水素水の漂白作用を持続させるために混和される水酸化カルシウムの混合比を、実験的に決めたものであり、このような混合比で、過酸化水素水の漂白作用を理想的に持続させ、発揮させる。一方、不活性ゲル化剤と過酸化水素水との混合比は、混合の際に、そのゲル状となった混合物の粘度が歯の表面に塗布して垂れない程度になるように調整すればよい。

0024

請求項6に記載の歯の漂白剤の製造方法は、請求項1から5のいずれかに記載の歯の漂白剤の製造方法であって、予め用意された前記不活性ゲル化剤あるいは前記不活性ゲル化剤と前記水酸基化合物の混合物を、歯の表面に塗布する直前に前記過酸化水素水と混合することを特徴とする。

0025

本発明で用いる歯の漂白剤は、漂白作用の源となる酸素が室内に放置された状態や、混合されて空気などと触れ合う面積が多い状態では発散して行く過酸化水素水を用いているので、過酸化水素水と他のものとを混合させたままで長時間保存して置くのは好ましくない。そこで、この製造方法では、かかる時間変化のない不活性ゲル化剤を単体で用意し、あるいは水酸基化合物と所定割合で予め混合しておき、この混合物などと過酸化水素水とを、使用の直前に混合させるようにしたものである。したがって、過酸化水素水の漂白力が低下することがない。

0026

請求項7に記載の歯の漂白方法は、請求項1から5のいずれかに記載の歯の漂白剤を用いて、歯を漂白する方法であって、予め用意された前記不活性ゲル化剤あるいは前記不活性ゲル化剤と前記水酸基化合物の混合物を、歯の表面に塗布する直前に前記過酸化水素水と混合し、こうして生成されたゲル状となった漂白剤を歯の表面に塗布した後に、この塗布された漂白剤に波長2〜4μmのレーザ光を照射することを特徴とする。

0027

この漂白方法は、上述の特徴を有する漂白剤を歯に塗布する直前に混合し、更に、歯に塗布された漂白剤に波長2〜4μmのレーザ光を照射するものである。したがって、過酸化水素水の漂白力が低下することがない。

0028

また、波長2〜4μmのレーザ光というのは、水や水酸基光吸収波長帯吸収率が大きい部分の波長であり、レーザ光が過酸化水素水により良く吸収されて熱エネルギーとなり、過酸化水素水を活性化して、その漂白作用を高めるので、より効率よく、短時間に歯の漂白をすることができる。

0029

なお、特に、波長2.94μmのエルビウムヤグレーザが、水や水酸基への吸収率が最もよく、本発明の漂白方法に用いるレーザとして最も適している。

0030

請求項8に記載の歯の漂白装置は、請求項1から5のいずれかに記載の歯の漂白剤を用いて歯の漂白を行う際に用いられる波長2〜4μm、エネルギ密度0.1〜50mJ/平方mm、パルス1〜30pps、照射ビーム径φ2mm〜φ20mmのレーザ光を照射できるようにしたことを特徴とする。

0031

この漂白装置は、本発明の漂白方法で用いる最適のレーザ光を照射できるようにしたもので、この漂白方法をより効果的に実施するのに適している.特に、このエネルギ密度0.1〜50mJ/平方mmでは、歯のエナメル質や、周りに歯肉などの軟組織に対しても、損傷を与えることがなく、一方、過酸化水素水の漂白作用を高めるには十分である。また、パルス1〜30ppsとして、パルス状に照射するので、ワンパルス当たりのエネルギーを低くできることから、照射対象物に吸収されるエネルギー量が少なく、混合物を塗布した状態の歯の温度が患者に不愉快な感触を抱かせる程度には上昇せず、歯髄などへの熱影響を極めて低い。更に、照射ビームφ2mm〜φ20mmとすると、最大の場合には、一回の照射で、ほぼ漂白対象とする歯1本の表面を覆うことができ、一照射で一本の歯が漂白でき便利がよい。

0032

以下、図面を参照しながら、本発明の歯の漂白剤、この漂白剤の製造方法、歯の漂白方法及び漂白装置について詳しく説明する。

0033

図1(a)〜(f)は、本発明の歯の漂白方法を説明する図である。

0034

これらの図のうち、図1(a)、(d),(e),(f)では、漂白対象となる複数の歯Sを示しているが、これらの歯Sは、患者の口腔部を前面から見た所の歯Sだけを抽出したもので、図1(a)示すように、これら複数の歯Sの内、斜線を施した歯Sが黄変しているとし、この内、ここでは、隣り合った歯S(11)、S(21)だけを漂白する場合を示している。なお、この( )内の数字は、ISOによる国際規格歯式を用いたものである。

0035

黄変した歯S(11)、S(21)(図1(a))に対して、まず、漂白剤の混合成分として、過酸化水素水1と、不活性ゲル化剤2、水酸基化合物3とを準備する(図1(b))。なお、水酸基化合物3は、必須のものでなく、用いない場合もある。

0036

過酸化水素水1は、過酸化水素水の濃度35%の溶液が好ましいが、これに限らない。

0037

不活性ゲル化剤2としては、カルメロースナトリウムが好ましいが、これに限らず、非晶質ヒュームドシリカ、ポリメチルビニルエーテルマレイン酸カリウム塩ポリマー化合物、セルロース系材料、好ましくはヒドロキシエチルセルロースおよびセルロース硫酸ナトリウムなどを単体で、あるいは混合させて、用いることもできる。

0038

カルメロースナトリウムは、カルボキシメチルセルロースナトリウムとも呼ばれ、便秘薬として服用されるもので、安全性が高く、水と混和させるとゲル状になり、その粘度を適度に調整すると、歯のエナメル質のような曲面を有する面上に塗布しても流れたり、垂れたりするようなことがなく、過酸化水素水を歯の表面に保持することができる。

0039

さらに、カルメロースナトリウムは、薬品、熱、光に対して安定であり、不活性を呈し、食用的に無害であるという特徴をもつので、過酸化水素水や水酸基化合物と混和させても反応せず、また、それらの働きを阻害せず、更に、レーザ光の照射を受けても安全なので、これを用いることで、理想的な漂白剤となる。

0040

水酸基化合物3としては、水酸化カルシウムが好ましいが、ごく少量もちいるもので、塩基性もののであれば、なんでも良い。

0041

水酸化カルシウムは、代表的な水酸基化合物であり、この漂白剤を用いる歯科医院において、歯に窩洞を形成したのち、歯髄に近い窩洞の奥底部分に歯髄への熱伝導などを和らげるための充填剤として常時備えられている歯科材料でもあるので、人体に安全であるだけでなく、入手し利用しやすく、本発明の歯の漂白剤を容易に形成することができる。

0042

また、この場合、図示するように、不活性ゲル化剤2と水酸基化合物3とは予め所定の混合比で混合しておいた混合物2、3として用いると、漂白を行う毎に双方の混合量を計量する必要がなく、便利である。

0043

一方、過酸化水素水1とこの混合物2、3は、使用しない場合には、別々に保存しておくと、過酸化水素水1の劣化、つまり、漂白力の低下を防ぐことができる。

0044

こうして、この漂白剤は、使用する直前に、過酸化水素水1と、不活性ゲル化剤2と水酸基化合物3の混合物2、3を混合して、歯Sの表面に塗布しても垂れない程度の粘度に調整して、漂白剤1+2+3として生成されるものである(図1(c))。

0045

なお、この混合物2、3における水酸基化合物3の混合比は、こうして適度の粘度に過酸化水素水1と混合物2、3を混和させたときに、過酸化水素水1の濃度35%の溶液1000に対して、水酸化カルシウムの粉末の割合が重量比で0.5〜10となるようにしてあり、そのようにしておくと、水酸化カルシウムのアルカリ性により、過酸化水素水1の漂白作用が低下しないで、持続するようになる。

0046

こうして生成された漂白剤1+2+3は、適正粘度のゲル状となっており、図示しない塗布手段により、歯SS(11)、S(21)に塗布される(図1(d))。このとき、漂白剤1+2+3は適正粘度のゲル状であるので、流れたり、垂れたりするようなことがなく、過酸化水素水1を歯の表面に保持することができる。

0047

したがって、流れた漂白剤が歯肉などを侵すようなケミカルバーンを生じる可能性が極めて少ない。

0048

この状態で、本発明の歯の漂白装置4を用意し、その先端のレーザプローブ4aによって、波長2〜4μm、エネルギ密度0.1〜50mJ/平方mm、パルス1〜30pps、照射ビーム径φ2mm〜φ20mmのレーザ光を、図1(e)に示すように、だいたい、漂白対象とする歯一本を一度に覆うするように照射する。

0049

この照射時間、つまり、漂白時間は、歯一本あたり、10秒の照射を3回繰り返せば十分である。この照射時間は、従来の例えば、アルゴンレーザを用いた場合には、一回30秒の照射を3回繰り返す必要があったのに比べると、大幅に短くなっている。

0050

波長2〜4μmのレーザ光というのは、水や水酸基の光吸収波長帯の吸収率が大きい部分の波長であり、レーザ光が過酸化水素水により良く吸収されて熱エネルギーとなり、過酸化水素水を活性化して、その漂白作用を高めるので、より効率よく、短時間に歯の漂白をすることができる。

0051

特に、波長2.94μmのエルビウムヤグレーザが、水や水酸基への吸収率が最もよく、本発明の漂白方法に用いるレーザとして最も適している。

0052

エネルギ密度を0.1〜50mJ/平方mmとすると、歯のエナメル質や、周りに歯肉などの軟組織に対しても、損傷を与えることがなく、一方、過酸化水素水の漂白作用を高めるには十分である。また、パルスを1〜30ppsとして、パルス状に照射するので、ワンパルス当たりのエネルギーを低くできることから、照射対象物に吸収されるエネルギー量が少なく、混合物を塗布した状態の歯の温度が患者に不愉快な感触を抱かせる程度には上昇せず、歯髄などへの熱影響が極めて低い。更に、照射ビームφ2mm〜φ20mmとすると、一回の照射で、ほぼ漂白対象とする歯1本の表面を覆うことができ、一照射で一本の歯が漂白でき、また、必要に応じて、点状の黄変部分だけの漂白にも用いることができ、便利が良い。

0053

なお、図では、漂白装置4のレーザプローブ4aから照射されているレーザ光の照射範囲を斜線で示し、このレーザ光自身が可視であるとの印象を与えるが、そうではない。本発明で用いる波長2〜4μmのレーザ光は不可視であり、この漂白装置4には、別に不図示の可視光照射手段をこのレーザプローブ4aに設けているので、そのガイド光見えているのである。

0054

こうして、レーザ光照射を済ませ、塗布した漂白剤1+2+3を除去すると、図1(f)に示すように、漂白された歯S(11)、S(21)が現れる。

0055

図2は、本発明の歯の漂白装置の一例の外観斜視図である。

図面の簡単な説明

0056

この漂白装置4は、上述のレーザプローブ4a、このレーザプローブ4aを取り付けたハンドピース4b、このハンドピース4bにレーザ光を導くレーザ光導光路4c、このレーザ光導光路4cにレーザ光を送るレーザ光発生源4d、空気を送る給気源4e、必要に応じて水を送る給水源4f,これらを収容している装置本体4g,この装置本体4gを移動可能としているキャスター4hを備えている。

--

0057

このようなレーザ光を発生する漂白装置4は、レーザ光発生装置として周知の構成のものであり、また、同様に周知の構成として、パルス制御手段、エネルギ制御手段を備え、レーザ光のパルスを1〜30pps、エネルギ密度を0.1〜50mJ/平方mmとすることができる。レーザ光発生源4dとしては、エルビウムヤグを備えており、波長2.94μmのレーザ光を発生させることができる。更に、レーザプローブ4aは、照射ビームφ2mm〜φ20mmのものが照射できるものである。

0058

このような漂白装置4は本発明の漂白方法を実施するのに好適である。

0059

図3(a)は図2の漂白装置のレーザプローブの拡大縦断面図、(b)は従来のレーザプローブの拡大縦断面図である。

0060

図3(a)において、4aaは、レーザプローブ4aのレーザ光の入射端面、4abは出射端面であり、4caはレーザ光導光路4cの出射端面、4cbは、出射端面4caから出射されるレーザ光を集光する凸レンズである。

0061

一方、図3(b)に示す従来のレーザプローブ14aは、同様に入射端面14aa、出射端面14abを備え、同様に、出射端面14caを備えたレーザ光導光路14cからのレーザ光を集光の凸レンズ14cbを介して受けて、出射端面14abから出射している。

0062

この両者を比較すると、従来例のレーザプローブ14aは、入射端面14aaがプローブ14aに対して直角θ10であり、また、プローブ14a自身も真っ直ぐになっている。これに対して、本発明のレーザプローブ4aでは、入射端面4aaは、プローブ4aに対して所定角度θ1だけ傾いており、また、プローブ4a自身も所定の曲率Rで湾曲している。

0063

このようなレーザプローブ4aは、従来のプローブ14aの照射エネルギー曲線Caが中央集中的になっているのに比べ、その照射エネルギー曲線CAがより扁平で、レーザ光の照射エネルギーがより平均的に分布している。

0064

本発明者は、研究の結果、このような入射端面の傾斜、プローブ自体の湾曲を設けたプローブ4aが図示するような照射エネルギー曲線CAを持つことを見いだしたものであり、このようなプローブ4aによると、照射エネルギがより平均して照射面に分布するため、塗布された漂白剤全体により均一にレーザのエネルギが照射されることになり、本発明のような漂白方法に用いる場合に好適である。

0065

図1(a)〜(f)は、本発明の歯の漂白方法を説明する図
図2本発明の歯の漂白装置の一例の外観斜視図
図3(a)は図2の漂白装置のレーザプローブの拡大縦断面図、(b)は従来のレーザプローブの拡大縦断面図

0066

1過酸化水素水
2 不活性ゲル化剤
3水酸基化合物
1+2+3 歯の漂白剤
4 漂白装置

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