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技術 自動分離抽出装置及びその抽出方法

出願人 工機ホールディングス株式会社
発明者 佐藤孝二高橋かほる
出願日 2000年5月30日 (20年5ヶ月経過) 出願番号 2000-159292
公開日 2001年12月4日 (18年11ヶ月経過) 公開番号 2001-333763
状態 拒絶査定
技術分野 突然変異または遺伝子工学 微生物・酵素関連装置 遠心分離機
主要キーワード ダミープレート プレート組 フィルタ組 移送操作 シート状フィルタ スピード化 自動分離 吸引型
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2001年12月4日)のものです。
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図面 (8)

課題

本発明は、濃度の揃ったプラスミドDNAを低コストで且つ効率良く回収することのできる新たな自動分離抽出装置及びその抽出方法を提供することである。

解決手段

ターンテーブル15上のディーププレート16に隣接する位置にフィルタ17aを有するフィルタ組体27を設ける。また、集菌工程において培養液大腸菌との遠心分離を行った後、溶菌工程にて大腸菌の殻と内包物であるプラスミドDNAとの遠心分離を行い、その後の精製工程ではフィルタ17aを用いてプラスミドDNAと他の不要物とを遠心分離する。

概要

背景

従来から遺伝子物質であるプラスミドDNAの抽出作業には、遠心機または吸引機を有する抽出装置が使用されている。プラスミドDNAを抽出する工程は、大腸菌培養液から大腸菌を遠心分離する集菌工程(a)と、集菌した大腸菌を溶かし内包物を取り出す溶菌工程(b)と、取り出した内包物からプラスミドDNAを取り出す精製工程(c)とに大別することができ、これら工程(a)〜(c)には分離作業が存在している。例えば集菌工程(a)では培養液と大腸菌とを分離し、溶菌工程(b)では大腸菌の殻と内包物であるプラスミドDNA等とを分離し、精製工程(c)ではプラスミドDNAと他の不要物とを分離している。

上記分離作業には、図4に示すよう遠心機による遠心分離法(1)と、図5に示すよう吸引機によるフィルタ分離法(2)とがある。遠心分離法(1)とは、サンプルを収容する96穴ディープウェルを有するマイクロプレートから成るサンプルプレート16(以下ディーププレートと称す)を遠心機にかけた後、当該遠心機による遠心力を利用して上記サンプルを上清沈殿物とに分離するものである。これに対して、フィルタ分離法(2)とは、96穴のディープウェルを有する廃液用マイクロプレート18(以下廃液用プレートと称す)と、この廃液用プレート18上に着脱可能に配され且つサンプルの注入されるフィルタ付プレート17を有するプレート組体27を吸引機にかけた後、当該吸引機の吸引力を利用して上記サンプルをフィルタ17aでトラップされる物質とフィルタ17aを透過し廃液用プレート18で保持される物質とに分離するものである。なお、上記プレート組体27の形状は、図4に示すディーププレート16の形状と同形状を成している。

次に上述した2つの分離法(1),(2)によるプラスミドDNA抽出のプロトコールを図6及び図7を用いて説明する。図6及び図7に示すよう遺伝子物質の分離抽出として例えばプラスミドDNAの場合には一般的に「アルカリSDS法」が用いられている。このアルカリSDS法とは、プラスミドDNAの入った大腸菌を界面活性剤であるSDS(ソディウムドデシルサルフェイト)により破壊し、同時に行なうアルカリ処理によって大腸菌の染色体変性させ、プラスミドDNAのみを抽出するものである。

上記方法によるプラスミドDNAの抽出工程には、「培養した大腸菌を遠心により沈殿させ、沈殿以外の溶液である培養液を除き、そして沈殿にグルコースの入ったトリス等の緩衝液を加え、沈殿がなくなるまで攪拌し、この溶液にSDSの入ったアルカリ溶液を加え温和に攪拌後、5分間程度放置し、その後、酸性溶液を加えて液を中性にし、懸濁する」作業があるが、この作業は図6及び図7の第1工程〜第5工程に示すよう双方の分離法(1),(2)にて共通して行われているものである。そして、共通の作業工程を経た後、上述した分離法(1)または分離法(2)のどちらか一方の処理法に従ってプラスミドDNAを抽出している。

以下に上述した分離法(1)または分離法(2)の第6工程以降を説明する。
[遠心分離法(1)]図6の第6工程〜第11工程に示すよう、懸濁した溶液を遠心することで、染色体、RNA、タンパク質等の不要物を沈殿させ、上清中にプラスミドDNAを存在させることができるため、この上清を別の容器に移し、エタノールイソプロパノールを加えて遠心により沈殿させる。遠心後、沈殿以外の溶液を除去し、沈殿に洗浄液を入れて洗浄し、遠心により再沈殿させ、沈殿物以外の溶液を除去する。この洗浄工程を2回以上繰り返した後、沈殿しているプラスミドDNAに滅菌蒸留水又はTE等の適当な緩衝液を分注した後、攪拌を行いプラスミドDNA溶液を得る。
[フィルタ分離法(2)]図7の第6工程〜第9工程に示すよう、懸濁した溶液をプラスミドDNAとそれ以外の不要物とを分けるためのフィルタ(以下フィルタAと称す)に分注し、そのフィルタAを吸引装置内に置いたプラスミドDNAを吸着させ易くするための溶液が入ったプラスミドDNAを吸着させるフィルタ(以下フィルタBと称す)上にのせ吸引を行なうことにより、フィルタA内の懸濁溶液からプラスミドDNA溶液のみをフィルタBに移す。その後、フィルタAを吸引装置から取り除き、フィルタBの下に空の容器を置いて再び吸引装置内に置き、吸引を行なうことによりプラスミドDNAをフィルタに吸着させ、溶液をフィルタBの下の容器に通過させる。フィルタBに洗浄液を分注し、吸引を行なうことによりフィルタB内のプラスミドDNAを洗浄する。この洗浄工程を2回以上繰り返した後、フィルタBの下の容器を別の空の容器に変え、フィルタに滅菌蒸留水又はTE等の適当な緩衝液を入れて吸引を行い、フィルタB内のプラスミドDNAをフィルタBの下の容器に溶出させプラスミドDNAを得る。なお、上述したように第6工程〜第9工程における機器として吸引機を用いて説明したが、この吸引機の代わりに遠心機を用いても可能である。

概要

本発明は、濃度の揃ったプラスミドDNAを低コストで且つ効率良く回収することのできる新たな自動分離抽出装置及びその抽出方法を提供することである。

ターンテーブル15上のディーププレート16に隣接する位置にフィルタ17aを有するフィルタ組体27を設ける。また、集菌工程において培養液と大腸菌との遠心分離を行った後、溶菌工程にて大腸菌の殻と内包物であるプラスミドDNAとの遠心分離を行い、その後の精製工程ではフィルタ17aを用いてプラスミドDNAと他の不要物とを遠心分離する。

目的

本発明の目的は、上記問題を解消し、濃度の揃ったプラスミドDNAを低コストで且つ効率良く回収することのできる新たな自動分離抽出装置及びその抽出方法を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
0件

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請求項1

試料容器内収容物を分離するための遠心機と、該遠心機に該試料容器搬入搬出するための移送手段と、該移送手段により搬入/搬出される前記試料容器を載置するためのターンテーブルと、該ターンテーブル上に載置された前記試料容器内の分離液を排除/抽出するための液処理部と、前記試料容器に試薬注入するための分注部と、前記試料容器の収容物を攪拌するための攪拌部とを備えた自動分離抽出装置において、前記試料容器と隣合う位置にフィルタ容器を設けることを特徴とした自動分離抽出装置。

請求項2

前記フィルタ付容器は、フィルタを透過する液を保持してなるプレート上に設けることを特徴とした請求項1記載の自動分離抽出装置。

請求項3

前記フィルタ付容器は、前記試料容器と他の試料容器との間に設けることを特徴とした請求項1記載の自動分離抽出装置。

請求項4

前記フィルタ付容器のフィルタは、ガラスファイバ製であることを特徴とした請求項1,2記載の自動分離抽出装置。

請求項5

前記フィルタ付容器のフィルタは、シリカレジンを用いたものであることを特徴とした請求項1,2記載の自動分離抽出装置。

請求項6

前記試料容器及び他の試料容器は、複数個の穴を有するマイクロプレート或いはマイクロチューブ集合体であることを特徴とした請求項1記載の自動分離抽出装置。

請求項7

遺伝子物質抽出作業には、前記フィルタを1つだけ使用することを特徴とした請求項1記載の自動分離抽出装置。

請求項8

試料容器の大腸菌培養液から大腸菌を遠心分離する集菌工程と、集菌した大腸菌を溶かし内包物を取り出す溶菌工程と、取り出した内包物からプラスミドDNAを取り出す精製工程とを有するプラスミドDNAの抽出工程において、前記集菌工程にて培養液と大腸菌との遠心分離を行った後、前記溶菌工程にて大腸菌の殻と内包物であるプラスミドDNAとの遠心分離を行い、その後、前記精製工程にてフィルタ付容器を用いてプラスミドDNAを回収するための遠心分離を行うことを特徴とした自動分離抽出装置の抽出方法

請求項9

前記精製工程では、プラスミドDNAの吸着している前記フィルタ付容器を取り外した後、そのフィルタ付容器を他の試料容器上に配すステップを有することを特徴とした請求項8記載の自動分離抽出装置の抽出方法。

請求項10

前記集菌工程、前記溶菌工程、前記精製工程における分離作業には、何れも遠心機による遠心力が用いられており、更に全工程の処理は自動化されていることを特徴とした請求項8記載の自動分離抽出装置の抽出方法。

技術分野

0001

本発明は、医学農学、理学、薬学における遺伝子工学分野または分子生物学分野において、遺伝子物質染色体ゲノムDNA、プラスミドDNA,RNA)の分離,抽出,回収作業を行う自動分離抽出装置及びその抽出方法に関するものである。

背景技術

0002

従来から遺伝子物質であるプラスミドDNAの抽出作業には、遠心機または吸引機を有する抽出装置が使用されている。プラスミドDNAを抽出する工程は、大腸菌培養液から大腸菌を遠心分離する集菌工程(a)と、集菌した大腸菌を溶かし内包物を取り出す溶菌工程(b)と、取り出した内包物からプラスミドDNAを取り出す精製工程(c)とに大別することができ、これら工程(a)〜(c)には分離作業が存在している。例えば集菌工程(a)では培養液と大腸菌とを分離し、溶菌工程(b)では大腸菌の殻と内包物であるプラスミドDNA等とを分離し、精製工程(c)ではプラスミドDNAと他の不要物とを分離している。

0003

上記分離作業には、図4に示すよう遠心機による遠心分離法(1)と、図5に示すよう吸引機によるフィルタ分離法(2)とがある。遠心分離法(1)とは、サンプルを収容する96穴ディープウェルを有するマイクロプレートから成るサンプルプレート16(以下ディーププレートと称す)を遠心機にかけた後、当該遠心機による遠心力を利用して上記サンプルを上清沈殿物とに分離するものである。これに対して、フィルタ分離法(2)とは、96穴のディープウェルを有する廃液用マイクロプレート18(以下廃液用プレートと称す)と、この廃液用プレート18上に着脱可能に配され且つサンプルの注入されるフィルタ付プレート17を有するプレート組体27を吸引機にかけた後、当該吸引機の吸引力を利用して上記サンプルをフィルタ17aでトラップされる物質とフィルタ17aを透過し廃液用プレート18で保持される物質とに分離するものである。なお、上記プレート組体27の形状は、図4に示すディーププレート16の形状と同形状を成している。

0004

次に上述した2つの分離法(1),(2)によるプラスミドDNA抽出のプロトコール図6及び図7を用いて説明する。図6及び図7に示すよう遺伝子物質の分離抽出として例えばプラスミドDNAの場合には一般的に「アルカリSDS法」が用いられている。このアルカリSDS法とは、プラスミドDNAの入った大腸菌を界面活性剤であるSDS(ソディウムドデシルサルフェイト)により破壊し、同時に行なうアルカリ処理によって大腸菌の染色体を変性させ、プラスミドDNAのみを抽出するものである。

0005

上記方法によるプラスミドDNAの抽出工程には、「培養した大腸菌を遠心により沈殿させ、沈殿以外の溶液である培養液を除き、そして沈殿にグルコースの入ったトリス等の緩衝液を加え、沈殿がなくなるまで攪拌し、この溶液にSDSの入ったアルカリ溶液を加え温和に攪拌後、5分間程度放置し、その後、酸性溶液を加えて液を中性にし、懸濁する」作業があるが、この作業は図6及び図7の第1工程〜第5工程に示すよう双方の分離法(1),(2)にて共通して行われているものである。そして、共通の作業工程を経た後、上述した分離法(1)または分離法(2)のどちらか一方の処理法に従ってプラスミドDNAを抽出している。

0006

以下に上述した分離法(1)または分離法(2)の第6工程以降を説明する。
[遠心分離法(1)]図6の第6工程〜第11工程に示すよう、懸濁した溶液を遠心することで、染色体、RNA、タンパク質等の不要物を沈殿させ、上清中にプラスミドDNAを存在させることができるため、この上清を別の容器に移し、エタノールイソプロパノールを加えて遠心により沈殿させる。遠心後、沈殿以外の溶液を除去し、沈殿に洗浄液を入れて洗浄し、遠心により再沈殿させ、沈殿物以外の溶液を除去する。この洗浄工程を2回以上繰り返した後、沈殿しているプラスミドDNAに滅菌蒸留水又はTE等の適当な緩衝液を分注した後、攪拌を行いプラスミドDNA溶液を得る。
[フィルタ分離法(2)]図7の第6工程〜第9工程に示すよう、懸濁した溶液をプラスミドDNAとそれ以外の不要物とを分けるためのフィルタ(以下フィルタAと称す)に分注し、そのフィルタAを吸引装置内に置いたプラスミドDNAを吸着させ易くするための溶液が入ったプラスミドDNAを吸着させるフィルタ(以下フィルタBと称す)上にのせ吸引を行なうことにより、フィルタA内の懸濁溶液からプラスミドDNA溶液のみをフィルタBに移す。その後、フィルタAを吸引装置から取り除き、フィルタBの下に空の容器を置いて再び吸引装置内に置き、吸引を行なうことによりプラスミドDNAをフィルタに吸着させ、溶液をフィルタBの下の容器に通過させる。フィルタBに洗浄液を分注し、吸引を行なうことによりフィルタB内のプラスミドDNAを洗浄する。この洗浄工程を2回以上繰り返した後、フィルタBの下の容器を別の空の容器に変え、フィルタに滅菌蒸留水又はTE等の適当な緩衝液を入れて吸引を行い、フィルタB内のプラスミドDNAをフィルタBの下の容器に溶出させプラスミドDNAを得る。なお、上述したように第6工程〜第9工程における機器として吸引機を用いて説明したが、この吸引機の代わりに遠心機を用いても可能である。

発明が解決しようとする課題

0007

最近、生物設計図であるゲノムの解析が盛んになるにつれ、数万サンプル/日以上の遺伝子を処理する自動分離抽出機が求められており、更に遺伝子の抽出は少量、多サンプル移行しつつある。また、ゲノム解析は、第一段階である塩基配列解析から第二段階である遺伝子の機能解析へと移行しつつあることから、これに伴い解析試料として高純度な遺伝子が求められている。このような状況下、プラスミドDNA等の抽出に際しては、濃度の揃ったDNAを低コストで且つ効率良く回収する必要(目的)があった。現在、プラスミドDNAの抽出には、上述したよう遠心分離法(1)またはフィルタ分離法(2)が広く用いられているが、双方の分離法(1),(2)のうちどちらか一方の処理法を行っていたのでは、決して「濃度の揃ったDNAを低コストで且つ効率良く回収する」という目的を達成することはできなかった。その理由を以下に纏めて詳述する。
[遠心分離法(1)]図6に示すプロトコールでは、第1工程,第6工程,第9工程,第10工程で分離作業を伴うが、これら行程は全て遠心機にて行えるため、プラスミドDNAの全自動抽出化が図れる。しかも本分離法であれば消耗品は、試薬及びプレート(2個)のみであることから「抽出作業にかかるコストを低減することができる」という特徴が得られると共に、ディーププレート(マイクロプレート)を用いているため「プラスミドDNAを5〜10μg程度回収することができる」という特徴が得られる。

0008

しかし、本分離法では、96穴ディーププレートの各穴にそれぞれ異なるサンプルを入れて分離しているのが通常であることから、サンプル毎に回収量のバラツキが生じてしまうと共に、大腸菌の種類や培養状況などによって抽出したプラスミドDNA中にゲノムDNA,RNA,タンパク質等の不要物が入り混じってしまいプラスミドDNAの純度が低下してしまうことから「濃度の揃ったDNAを効率良く回収する」ことができないという問題があった。なお、プラスミドDNA抽出後の処理として、シーケンサを用いてDNA配列を決定する作業があるが、この作業を行う場合にはシーケンサにかける全サンプル濃度を揃える工程を要していたため手間を有していた。

0009

以上のことから、本分離法は「低コスト化を図ることができるが、濃度の揃ったDNAを効率良く回収することができない」という特徴がある。
[フィルタ分離法(2)]図7に示すプロトコールでは、第1工程,第6工程,第7工程,第8工程,第9工程で分離作業を伴うが、第1工程の分離だけは信頼重視の面から通常、遠心機で分離されている。よって、第1工程の分離を遠心機で行った後、別装置である吸引機型抽出装置を使用してプラスミドDNAを抽出しているため、全工程を上記抽出装置だけでは行えなかった。つまり全自動抽出装置とは呼べなかった。

0010

上記抽出装置による本分離法では、フィルタの効果により抽出したプラスミドDNA中にゲノムDNA,RNA,タンパク質等の不要物が入り混じることを抑えられることから、上記分離法(1)に較べてプラスミドDNAの純度が向上すると共に、フィルタを用いているためサンプルの種類に関係なく回収量(5μg程度)を一定にすることができることから「濃度の揃ったDNAを効率良く回収することができる」という特徴が得られる。勿論これによりシーケンス処理前に行われる濃度を揃えるための行程を不要とすることができ作業にかかる手間をなくすことができる。なお、回収量は使用するフィルタの大きさによって異なる。

0011

しかし、本分離法では、消耗品としてプレート(3個)及びフィルタ(2個)を使用することから「抽出作業に関しコスト高になってしまう」という問題があった。

0012

また、本分離法における第6工程〜第9工程は、上述したように吸引機を用いてフィルタ処理する方法以外に、遠心機を用いる方法がある。一般にフィルタ法の場合には、小スペース化スピード化に適する吸引型抽出装置が多く使用されているが、例えば分離する溶液中にゲノムDNA、RNA、タンパク質等の不要物が少量でも混入しているとフィルタが目詰まりしてしまい分離が不確実なものとなってしまったり、また一つの穴のフィルタが破損し貫通してしまうと、そこだけを空気が通過してしまい他の穴に収容されているサンプルが処理されないという問題があった。ところが遠心機を用いる方法の場合には、全てのサンプルに一様の遠心力を与えられるため、確実にフィルタ処理を行うことができるという利点がある。

0013

以上のことから、本分離法は「濃度の揃ったDNAを効率良く回収することができるが、抽出装置の全自動化が図り難くく、更に使用するプレート及びフィルタの数が多いためコスト高になってしまう」という特徴がある。

0014

本発明の目的は、上記問題を解消し、濃度の揃ったプラスミドDNAを低コストで且つ効率良く回収することのできる新たな自動分離抽出装置及びその抽出方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0015

上記目的は、試料容器内収容物を分離するための遠心機と、遠心機に試料容器搬入搬出するための移送手段と、移送手段により搬入/搬出される試料容器を載置するためのターンテーブルと、ターンテーブル上に載置された試料容器内の分離液を排除/抽出するための液処理部と、試料容器に試薬を注入するための分注部と、試料容器の収容物を攪拌するための攪拌部とを備えた自動分離抽出装置において、試料容器と隣合う位置にフィルタ付容器を設けることにより達成される。

0016

また、試料容器の大腸菌培養液から大腸菌を遠心分離する集菌工程と、集菌した大腸菌を溶かし内包物を取り出す溶菌工程と、取り出した内包物からプラスミドDNAを取り出す精製工程とを有するプラスミドDNAの抽出工程において、集菌工程において培養液と大腸菌との遠心分離を行った後、溶菌工程にて大腸菌の殻と内包物であるプラスミドDNAとの遠心分離を行い、その後の精製工程ではフィルタを用いてプラスミドDNAと他の不要物とを遠心分離することにより達成される。

発明を実施するための最良の形態

0017

本実施例になる自動分離抽出装置10を図1乃至図3を用いて説明する。図1は本実施例になるターンテーブル15などを有する自動分離抽出装置10を示す外観図図2はフィルタ17の移動を示す模式図、図3は本実施例になる自動分離抽出装置10の分離工程を示すプロトコールである。図1に示す自動分離抽出装置10は、抽出等処理装置11と、分離装置としての遠心分離装置12と、容器移送手段としてのロボットハンド13と、操作/制御部14とを有している。抽出等処理装置11は、回転駆動自在な円環状に形成されたターンテーブル15を有しており、このターンテーブル15は、ディープウェルをもつマイクロプレート16からなる試料容器(以下「ディーププレート」と称す)と、ディーププレート16の左隣にフィルタ17a又はシート状フィルタからなるガラスファイバフィルタを有するフィルタ付容器17と、このフィルタ付容器17が載置される他の試料容器である廃液用マイクロプレート18(以下、「廃液用プレート」と称す)と、その左隣にフィルタ17の載っていないプラスミドDNA用マイクロプレート19(以下「プラスミドDNA用プレート」と称す)を載置するための載置部20が複数個(本例では16個)設けられている。なお、抽出等処理装置11内のディーププレート16、フィルタ付容器17及び廃液用プレートから構成されるプレート組体27の移動は、ターンテーブル15の回転により行われる。

0018

上記抽出等処理装置11には、ターンテーブル15に載置したディーププレート16に試薬を分注する分注部21と、ターンテーブル15に載置したディーププレート16内の沈殿物以外の液体を抽出するための液抽出部23と、ターンテーブル15に載置したディーププレート16内の沈殿物以外の液体を排除するための液排除部22とを有する。ここで、液抽出部23及び液排除部22は上記液処理部に相当する。分注部21には、ディーププレート16の収容物を攪拌するための攪拌部24が設けられている。

0019

遠心装置12は、遠心装置12に関する駆動制御を行なう駆動制御部26と、高速回転することによって設置されたディーププレート16に遠心力を及ぼし、比重差によって遠心分離を行なうロータ25とを有する。ロータ25には、遠心分離の対象ディーププレート16が設置される。

0020

ロボットハンド13は、該ターンテーブル15及び遠心装置12に対し、ディーププレート16を搬入し及び搬出するものである。ロボットハンド13は、ディーププレート16を側面ゴム板のハンドリングアームに挟持する。ロボットハンドは、上下、スライド機構を有する。なお、ディーププレート16、プレート組27の大きさ、特に高さが異なっているものでも問題なく移送操作が行えるよう制御されている。

0021

該自動分離抽出装置10によるプラスミドDNAの抽出を図3を用いて説明する。第1工程として、1.5ml/穴の大腸菌培養液の入った96穴ディープウェルプレート16と、その左隣に8Mグアニジン塩酸溶液の入った96サンプル用ガラスファイバフィルタ17を載せた廃液用プレート18と、フィルタ17を載せた廃液用プレート18(プラスミドDNA用)の左隣にプラスミドDNA用プレート18を該ターンテーブル15に載置し、該ディーププレート16をロボットハンド13により遠心装置12内のロータ25に搬入し、遠心を行なうことにより大腸菌を沈殿させる。なお、一般に遠心分離を行う場合には偶数個のプレートを用いて行うが、ダミープレートを使用することによって奇数個のプレートを処理可能であることからプレートの枚数にこだわる必要はなくスムースに遠心分離を行うことができる。遠心後、遠心装置12内のロータ25からロボットハンド13により該ディーププレート16を搬出し、ターンテーブル15に搬入する。そして第2工程であるターンテーブル15上にある該ディーププレート16内の大腸菌の沈殿物以外の培養液を液排出部22により除去する。この培養液の除去は液を吸引するアスピーションを用いても良い。次に第3工程である該ディーププレート16内の大腸菌の沈殿物に50mMグルコース、25mM Tris-HCl(pH8.0)、10mMEDTA(pH8.0) という組成である溶液を分注部21に分注し、攪拌部24により攪拌を行い、該ディーププレート16内の大腸菌を懸濁する。この懸濁は、攪拌部24ではなく、分注部21によるピペッティングでも可能である。そして第4工程としてこの菌体懸濁溶液に0.2N NaOH、1% SDSという組成である溶液を分注部21により分注し、数分間放置する。その後、第5工程として5M酢酸カリウム60ml、酢酸11.5mlを蒸留水を加えて100mlに調製した溶液を分注部21により分注し、攪拌部24により攪拌する。この攪拌は、攪拌部24ではなく、分注部21によるピペッティングでも可能である。この処理溶液の入った該ディーププレート16をロボットハンド13により遠心装置12内のロータ25に搬入し、第6工程として遠心を行なうことにより粗プラスミドDNA画分を上清に、それ以外の不要物を沈殿物として回収する。遠心後、遠心装置12内のロータ25からロボットハンド13により該ディーププレート16を搬出し、ターンテーブル15に搬入する。そして第7工程としてディーププレート16内の粗プラスミドDNA画分である上清を、液抽出部23により8M グアニジン塩酸溶液の入ったフィルタ付容器上に移し、該フィルタ付容器17の載った廃液用プレート18をロボットハンド13により遠心装置12内のロータ25に搬入し、第8工程として遠心によりプラスミドDNAをフィルタ17aに吸着させる。遠心後、遠心装置12内のロータ25からロボットハンド13によりフィルタ付容器17の載った廃液用プレート18を搬出し、ターンテーブル15に搬入する。フィルタ17に移す粗プラスミドDNA画分である上清と8M グアニジン塩酸溶液は等量であれば良い。またプラスミドDNAをフィルタ17aへ吸着させ易くするための吸着緩衝液はグアニジン塩酸溶液の変わりにヨウ化カリウム溶液を用いても良い。そして第9工程としてプラスミドDNAが吸着したフィルタ17aに80%エチルアルコール溶液を分注部21により分注し、該フィルタ17aの載った廃液用プレート18をロボットハンド13により遠心装置12内のロータ25に搬入し、遠心を行なう。遠心後、遠心装置12内のロータ25からロボットハンド13によりフィルタ付容器17の載った廃液用プレート19を搬出し、ターンテーブル15に搬入する。この操作はプラスミドDNAの洗浄であり、適当回数繰り返す。その後フィルタ付容器17を2時間程度放置し乾燥させる。そして第10工程として乾燥させたフィルタ付容器17のみを該フィルタ付容器17の載った廃液用プレート18からロボットハンド13によりの掴み上げ、そのままその左隣にあるプラスミドDNA用プレート19に移動し、該プラスミドDNA用プレート19の上に載せる。プラスミドDNA用プレート19の上のフィルタ付容器17に分注部21を用いて滅菌蒸留水又はTE緩衝液を分注し、フィルタ付容器17の載ったプラスミドDNA用プレート19をロボットハンド13により遠心装置12内のロータ25に搬入し、遠心を行ない、プラスミドDNAをフィルタ17aから該フィルタ17aの下のプラスミドDNA用プレート19に溶出させる。遠心後、遠心装置12内のロータ25からロボットハンド13によりフィルタ付容器17aの載ったプラスミドDNA用プレート19を搬出し、ターンテーブル15に搬入する。なお、本実施例では全工程を自動化しているが、乾燥後の工程を別作業として行っても良い。

0022

よって、本実施例になる自動分離抽出装置は、人手を必要としないように自動化することで、煩雑な処理を人手から開放し、且つ人因的ミスがなくなり、収量、純度共に均一な遺伝子の抽出が可能になる。また、複数個の穴が設けられた一般にマイクロプレートと呼ばれているプレート又はマイクロチューブ集合体であり、大量又は多数の標本について一括処理を行なうことができるので、迅速且つ効率的に処理を行なうことができ、ゲノム解析で必要不可欠である大規模塩基配列決定等に多大な威力を発揮することができる。更にフィルタ又はシート状フィルタを使用すると共に遠心機による遠心力を用いて行うため、フィルタの目詰まりが起きないので高純度の標本を確実に得ることができ且つフィルタ又はシート状フィルタの使用枚数を精製工程時の1枚のみとすることができるので、ランニングコストを半分以下にすることができる。

0023

なお、これらの実施の形態は、本発明をより良く理解させるために具体的に説明したものであって、別形態を制限するものではない。従って、発明の主旨を変向しない範囲で変向可能である。

発明の効果

0024

本発明によれば、濃度の揃ったプラスミドDNAを低コストで且つ効率良く回収することのできる新たな自動分離抽出装置及びその抽出方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0025

図1本発明になるターンテーブルを有する自動分離抽出装置を示す外観図である。
図2本発明になるフィルタの移動を示す模式図である。
図3本発明になる自動分離抽出装置の分離工程を示すプロトコールである。
図4従来における遠心力を用いる分離法を示す模式図である。
図5従来におけるあフィルタを用いる分離法を示す模式図である。
図6従来における遠心力を用いる分離法を示すプロトコールである。
図7従来におけるフィルタを用いる分離法を示すプロトコールである。

--

0026

10は自動分離抽出装置、11は抽出等処理装置、12は遠心分離装置、13はロボットハンド、14は操作/制御部、15はターンテーブル、16はディーププレート、17はガラスファイバフィルタ、18は廃液用マイクロプレート、19はプラスミドDNA用マイクロプレート、20は載置部、21は分注部、22は液排除部、23は液抽出部、24は攪拌部、25はロータ、26は駆動制御部、27はプレート組体である。

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