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技術 送信出力制御方法及び基地局装置並びに送信出力調整方法及び装置

出願人 パナソニック株式会社
発明者 有井信二高田琢越田さおり
出願日 2000年5月24日 (20年7ヶ月経過) 出願番号 2000-152943
公開日 2001年11月30日 (19年1ヶ月経過) 公開番号 2001-332986
状態 未査定
技術分野 送受信機 送信機
主要キーワード 調整値α 制御初期値 検波出力値 規定出力 出力測定値 補正値設定処理 初期調整値 PHS基地局装置
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題

複数のアンテナ出力端各出力値を、それぞれ一定に保つことができる送信出力制御方法を提供するものである。

解決手段

電力増幅部で増幅した送信信号検波する検波処理と、検波処理によって得た検波出力値と予め設定した検波出力目標値とを比較する比較処理と、検波出力値が検波出力目標値と一致するように送信信号を増幅する可変利得アンプ増幅度を決める可変利得アンプ制御値を比較結果に基づいて調整する調整処理とからなり、検波出力目標値および可変利得アンプ制御値は複数のアンテナ間の出力偏差補正するためにそれぞれの初期値に各アンテナ別に設定したそれぞれの補正値を加味した値である。

概要

背景

従来、携帯電話やPHS(Personal Handyphone System)などの移動通信システムにおいては、基地局装置または移動体通信装置送信出力部から出力する送信出力値が、常に一定になるように最終段に設けた電力増幅部の増幅度を自動的に制御するALC(Automatic Level Control )回路が設けられていた。

この回路は、電力増幅部の出力の一部を検波し、その検波出力値と予め定めた検波出力目標値とを比較し、検波出力値が検波出力目標値と一致するように電力増幅部の増幅度を制御することで送信出力を安定に保っていた。

図5は、このようなALC回路を有するPHS基地局装置の構成を示すブロック図である。この基地局装置は、音声信号を出力するベースバンド信号処理回路1、このベースバンド信号処理回路1から出力される音声信号を変調する変調器2、この変調器2から出力される高周波信号増幅する可変利得アンプ3およびパワーアンプ(電力増幅部)4、一方向性素子であるアイソレータ5、ダイバーシチ制御によって多ブランチアンテナを構成する4本のアンテナAT1、AT2、AT3、AT4のいずれかを選択するアンテナ切替回路6を有している。

また、この基地局装置はパワーアンプ4から出力される高周波信号の電力値を測定する検波器7、この検波器7の出力をA/D(アナログディジタル)変換するA/Dコンバータ8、A/Dコンバータ8から出力される検波出力値を取得する制御部9、制御部9からの可変利得アンプ制御値ラッチするラッチ回路10、ラッチ回路10にラッチした可変利得アンプ制御値をD/A(ディジタル/アナログ)変換して可変利得制御信号として出力するD/Aコンバータ11を有し、この可変利得制御信号に基づいて可変利得アンプ3の増幅度を制御し、パワーアンプ4から出力する高周波信号の電力値を一定に保つようにする。

また、この基地局装置は制御部9の制御のもとにアンテナ切替回路6を切り替えて多ブランチアンテナを構成するアンテナAT1〜AT4のいずれかを選択する送信アンテナ選択回路12、制御部9に接続され可変利得アンプ制御値の初期調整値や検波出力目標値などをディジタルデータとして記憶する調整データ格納部13を有している。

また、アンテナ切替回路6は4本のアンテナAT1〜AT4のいずれを送信アンテナとして選択するかを決める送信アンテナ切替スイッチ61、アンテナAT1〜AT4にそれぞれ対応して設けた送受信切替スイッチSW1〜SW4を備えている。このスイッチSW1〜SW4でアンテナAT1〜AT4を受信アンテナとして切り替えた場合は、受信信号は図示せぬ受信アンテナ切替スイッチを経て受信部に送られる。

次に、図6に示す処理フロー図を参照しながら、この基地局装置の送信出力部における従来の送信出力制御方法について説明する。

この処理は送信開始によって起動する。初めに調整データ格納部13から可変利得アンプ3の増幅度を制御するための可変利得アンプ制御初期値および検波出力目標値を読み出す(ステップS51)。

次いで、読み出した可変利得アンプ制御初期値をラッチ回路10にラッチし、D/Aコンバータ11でアナログ信号に変換した後、可変利得アンプ3の増幅度を制御する可変利得アンプ制御信号として出力する(ステップS52)。

一方、変調器2から出力した高周波信号は、可変利得アンプ制御信号で増幅度の制御された可変利得アンプ3およびパワーアンプ4で増幅され、アイソレータ5を経てアンテナ切替回路6に出力され、選択されたアンテナから電波として送信される。

また、パワーアンプ4の出力の一部が検波器7で検波され、A/Dコンバータ8でディジタル信号に変換された後、制御部9に検波出力値として取得される(ステップS53)。

制御部9は、取得した検波出力値と検波出力目標値とを比較し(ステップS54)、検波出力値が検波出力目標値より大きいときは可変利得アンプ制御値を調整値αだけ低減し(ステップS55)、検波出力値が検波出力目標値と等しいときは可変利得アンプ制御値をそのままとし(ステップS56)、検波出力値が検波出力目標値より小さいときは可変利得アンプ制御値を調整値αだけ増加する(ステップS57)。

こうして得た可変利得アンプ制御値を再びラッチ回路10にラッチし、D/Aコンバータ11でアナログ信号に変換した後、可変利得アンプ3に増幅度を制御する可変利得アンプ制御信号として再び供給する(ステップS52)。この一連の処理(ステップS52〜S57)を通話終了まで繰り返し(ステップS58)、送信出力を常に安定に保つように制御する。

次に、図7に示すブロック図は、前述した基地局装置の調整データ格納部13に、検波出力目標値および可変利得アンプ制御初期値を、予め記憶するときに実施する送信出力調整装置を示すものである。

この送信出力調整装置は、前述した基地局装置のアンテナAT1〜AT4のアンテナ端子TM1〜TM4のいずれかに電力計14を接続し、この電力計14で測定したアンテナ端出力測定値が所定の規定出力値となるように制御部9および調整装置15で可変利得アンプ制御値および検波出力目標値を調整し、この調整で得た可変利得アンプ制御値および検波出力目標値を調整データ格納部13に可変利得アンプ制御初期値および検波出力目標値として記憶するものである。

調整装置15は電力計14で測定したアンテナ端出力測定値を入力する送信出力データ入力部15aと、所定の規定出力値を記憶する規定出力データ格納部15bと、送信出力データ入力部15aおよび規定出力データ格納部15bの各出力を比較する比較部15cと、比較部15cの比較結果に基づいて検波出力目標値を調整し、制御部9に出力する調整情報出力部15dとを備えている。

次に、図8に示す処理フロー図を参照しながら、この送信出力調整装置における従来の送信出力調整方法について説明する。

まず、可変利得アンプ制御値および検波出力目標値を所定の固定値に設定する(ステップS61)。次いで、この可変利得アンプ制御値および検波出力目標値を初期値として、検波出力値が検波出力目標値と一致するように、可変利得アンプ制御値を調整する送信出力制御処理を行う(ステップS62)。この送信出力制御処理は前述したステップS52〜S57の処理と同一である。この処理により検波出力値が検波出力目標値と一致する可変利得アンプ制御値を得ると(ステップS56)、次の処理(ステップS63)に移行する。

次いで、電力計14で測定したアンテナ端出力測定値と規定出力値とを調整装置15の比較部15cで比較する(ステップS63)。その結果、測定値が規定出力値より大きいときは検波出力目標値を調整値βだけ低減し(ステップS64)、測定値が規定出力値より小さいときは検波出力目標値を調整値βだけ増加する(ステップS65)。

こうして得た検波出力目標値によって再び送信出力制御処理を行い(ステップS62)、新たな可変利得アンプ制御値を得る。この一連の処理(ステップS62〜S65)を測定値が規定出力値に一致するまで繰り返し、両値が一致すると(ステップS63)、そのときの可変利得アンプ制御値および検波出力目標値を可変利得アンプ制御初期値および検波出力目標値として調整データ格納部13に記憶する(ステップS66)。こうして送信出力調整を終了する。

概要

複数のアンテナ出力端各出力値を、それぞれ一定に保つことができる送信出力制御方法を提供するものである。

電力増幅部で増幅した送信信号を検波する検波処理と、検波処理によって得た検波出力値と予め設定した検波出力目標値とを比較する比較処理と、検波出力値が検波出力目標値と一致するように送信信号を増幅する可変利得アンプの増幅度を決める可変利得アンプ制御値を比較結果に基づいて調整する調整処理とからなり、検波出力目標値および可変利得アンプ制御値は複数のアンテナ間の出力偏差補正するためにそれぞれの初期値に各アンテナ別に設定したそれぞれの補正値を加味した値である。

目的

本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたもので、複数のアンテナの各出力端出力値を、それぞれ一定に保つことができる送信出力制御方法及び基地局装置並びに送信出力調整方法及び装置を提供するものである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

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請求項1

電力増幅部で増幅した送信信号検波する検波処理と、前記検波処理によって得た検波出力値と予め設定した検波出力目標値とを比較する比較処理と、前記検波出力値が前記検波出力目標値と一致するように前記送信信号を増幅する可変利得アンプ増幅度を決める可変利得アンプ制御値を前記比較結果に基づいて調整する調整処理とからなり、前記検波出力目標値および前記可変利得アンプ制御値は複数のアンテナ間の出力偏差補正するためにそれぞれの初期値に前記各アンテナ別に設定したそれぞれの補正値を加味した値であることを特徴とする送信出力制御方法

請求項2

電力増幅部で増幅した送信信号を検波する検波手段と、前記検波手段によって得た検波出力値と予め設定した検波出力目標値とを比較する比較手段と、前記検波出力値が前記検波出力目標値と一致するように前記送信信号を増幅する可変利得アンプの増幅度を決める可変利得アンプ制御値を前記比較結果に基づいて調整する調整手段とを備え、前記検波出力目標値および前記可変利得アンプ制御値は複数のアンテナ間の出力偏差を補正するためにそれぞれの初期値に前記各アンテナ別に設定したそれぞれの補正値を加味した値であることを特徴とする基地局装置

請求項3

電力増幅部で増幅した送信信号の検波出力値が予め設定した検波出力目標値と一致するように前記送信信号を増幅する可変利得アンプの増幅度を決める可変利得アンプ制御値を調整する送信出力制御処理と、前記送信信号を送出するアンテナ端出力測定値が予め設定した規定出力値と一致するように前記検波出力目標値を調整する調整処理と、複数のアンテナの中の基準アンテナ系の前記可変利得アンプ制御値および前記検波出力目標値を初期値とする初期値設定処理と、前記基準アンテナ系以外のアンテナ系の前記可変利得アンプ制御値および前記検波出力目標値と前記各初期値との差分をそれぞれ前記基準アンテナ系以外のアンテナ系の補正値とする補正値設定処理と、からなることを特徴とする送信出力調整方法

請求項4

電力増幅部で増幅した送信信号の検波出力値が予め設定した検波出力目標値と一致するように前記送信信号を増幅する可変利得アンプの増幅度を決める可変利得アンプ制御値を調整する送信出力制御手段と、前記送信信号を送出するアンテナ端出力測定値が予め設定した規定出力値と一致するように前記検波出力目標値を調整する調整手段と、複数のアンテナの中の基準アンテナ系の前記可変利得アンプ制御値および前記検波出力目標値を初期値とする初期値設定手段と、前記基準アンテナ系以外のアンテナ系の前記可変利得アンプ制御値および前記検波出力目標値と前記各初期値との差分をそれぞれ前記基準アンテナ系以外のアンテナ系の補正値とする補正値設定手段と、からなることを特徴とする送信出力調整装置

技術分野

0001

本発明は、複数のアンテナを有する無線送信装置において、いずれのアンテナを用いて送信しても送信出力を一定の保つことができる送信出力制御方法及び基地局装置並びに送信出力調整方法及び装置に関するものである。

背景技術

0002

従来、携帯電話やPHS(Personal Handyphone System)などの移動通信システムにおいては、基地局装置または移動体通信装置の送信出力部から出力する送信出力値が、常に一定になるように最終段に設けた電力増幅部の増幅度を自動的に制御するALC(Automatic Level Control )回路が設けられていた。

0003

この回路は、電力増幅部の出力の一部を検波し、その検波出力値と予め定めた検波出力目標値とを比較し、検波出力値が検波出力目標値と一致するように電力増幅部の増幅度を制御することで送信出力を安定に保っていた。

0004

図5は、このようなALC回路を有するPHS基地局装置の構成を示すブロック図である。この基地局装置は、音声信号を出力するベースバンド信号処理回路1、このベースバンド信号処理回路1から出力される音声信号を変調する変調器2、この変調器2から出力される高周波信号増幅する可変利得アンプ3およびパワーアンプ(電力増幅部)4、一方向性素子であるアイソレータ5、ダイバーシチ制御によって多ブランチアンテナを構成する4本のアンテナAT1、AT2、AT3、AT4のいずれかを選択するアンテナ切替回路6を有している。

0005

また、この基地局装置はパワーアンプ4から出力される高周波信号の電力値を測定する検波器7、この検波器7の出力をA/D(アナログディジタル)変換するA/Dコンバータ8、A/Dコンバータ8から出力される検波出力値を取得する制御部9、制御部9からの可変利得アンプ制御値ラッチするラッチ回路10、ラッチ回路10にラッチした可変利得アンプ制御値をD/A(ディジタル/アナログ)変換して可変利得制御信号として出力するD/Aコンバータ11を有し、この可変利得制御信号に基づいて可変利得アンプ3の増幅度を制御し、パワーアンプ4から出力する高周波信号の電力値を一定に保つようにする。

0006

また、この基地局装置は制御部9の制御のもとにアンテナ切替回路6を切り替えて多ブランチアンテナを構成するアンテナAT1〜AT4のいずれかを選択する送信アンテナ選択回路12、制御部9に接続され可変利得アンプ制御値の初期調整値や検波出力目標値などをディジタルデータとして記憶する調整データ格納部13を有している。

0007

また、アンテナ切替回路6は4本のアンテナAT1〜AT4のいずれを送信アンテナとして選択するかを決める送信アンテナ切替スイッチ61、アンテナAT1〜AT4にそれぞれ対応して設けた送受信切替スイッチSW1〜SW4を備えている。このスイッチSW1〜SW4でアンテナAT1〜AT4を受信アンテナとして切り替えた場合は、受信信号は図示せぬ受信アンテナ切替スイッチを経て受信部に送られる。

0008

次に、図6に示す処理フロー図を参照しながら、この基地局装置の送信出力部における従来の送信出力制御方法について説明する。

0009

この処理は送信開始によって起動する。初めに調整データ格納部13から可変利得アンプ3の増幅度を制御するための可変利得アンプ制御初期値および検波出力目標値を読み出す(ステップS51)。

0010

次いで、読み出した可変利得アンプ制御初期値をラッチ回路10にラッチし、D/Aコンバータ11でアナログ信号に変換した後、可変利得アンプ3の増幅度を制御する可変利得アンプ制御信号として出力する(ステップS52)。

0011

一方、変調器2から出力した高周波信号は、可変利得アンプ制御信号で増幅度の制御された可変利得アンプ3およびパワーアンプ4で増幅され、アイソレータ5を経てアンテナ切替回路6に出力され、選択されたアンテナから電波として送信される。

0012

また、パワーアンプ4の出力の一部が検波器7で検波され、A/Dコンバータ8でディジタル信号に変換された後、制御部9に検波出力値として取得される(ステップS53)。

0013

制御部9は、取得した検波出力値と検波出力目標値とを比較し(ステップS54)、検波出力値が検波出力目標値より大きいときは可変利得アンプ制御値を調整値αだけ低減し(ステップS55)、検波出力値が検波出力目標値と等しいときは可変利得アンプ制御値をそのままとし(ステップS56)、検波出力値が検波出力目標値より小さいときは可変利得アンプ制御値を調整値αだけ増加する(ステップS57)。

0014

こうして得た可変利得アンプ制御値を再びラッチ回路10にラッチし、D/Aコンバータ11でアナログ信号に変換した後、可変利得アンプ3に増幅度を制御する可変利得アンプ制御信号として再び供給する(ステップS52)。この一連の処理(ステップS52〜S57)を通話終了まで繰り返し(ステップS58)、送信出力を常に安定に保つように制御する。

0015

次に、図7に示すブロック図は、前述した基地局装置の調整データ格納部13に、検波出力目標値および可変利得アンプ制御初期値を、予め記憶するときに実施する送信出力調整装置を示すものである。

0016

この送信出力調整装置は、前述した基地局装置のアンテナAT1〜AT4のアンテナ端子TM1〜TM4のいずれかに電力計14を接続し、この電力計14で測定したアンテナ端出力測定値が所定の規定出力値となるように制御部9および調整装置15で可変利得アンプ制御値および検波出力目標値を調整し、この調整で得た可変利得アンプ制御値および検波出力目標値を調整データ格納部13に可変利得アンプ制御初期値および検波出力目標値として記憶するものである。

0017

調整装置15は電力計14で測定したアンテナ端出力測定値を入力する送信出力データ入力部15aと、所定の規定出力値を記憶する規定出力データ格納部15bと、送信出力データ入力部15aおよび規定出力データ格納部15bの各出力を比較する比較部15cと、比較部15cの比較結果に基づいて検波出力目標値を調整し、制御部9に出力する調整情報出力部15dとを備えている。

0018

次に、図8に示す処理フロー図を参照しながら、この送信出力調整装置における従来の送信出力調整方法について説明する。

0019

まず、可変利得アンプ制御値および検波出力目標値を所定の固定値に設定する(ステップS61)。次いで、この可変利得アンプ制御値および検波出力目標値を初期値として、検波出力値が検波出力目標値と一致するように、可変利得アンプ制御値を調整する送信出力制御処理を行う(ステップS62)。この送信出力制御処理は前述したステップS52〜S57の処理と同一である。この処理により検波出力値が検波出力目標値と一致する可変利得アンプ制御値を得ると(ステップS56)、次の処理(ステップS63)に移行する。

0020

次いで、電力計14で測定したアンテナ端出力測定値と規定出力値とを調整装置15の比較部15cで比較する(ステップS63)。その結果、測定値が規定出力値より大きいときは検波出力目標値を調整値βだけ低減し(ステップS64)、測定値が規定出力値より小さいときは検波出力目標値を調整値βだけ増加する(ステップS65)。

0021

こうして得た検波出力目標値によって再び送信出力制御処理を行い(ステップS62)、新たな可変利得アンプ制御値を得る。この一連の処理(ステップS62〜S65)を測定値が規定出力値に一致するまで繰り返し、両値が一致すると(ステップS63)、そのときの可変利得アンプ制御値および検波出力目標値を可変利得アンプ制御初期値および検波出力目標値として調整データ格納部13に記憶する(ステップS66)。こうして送信出力調整を終了する。

発明が解決しようとする課題

0022

ところで、前述した従来の送信出力制御方法および送信出力調整方法においては、ALCループによってパワーアンプ4の出力の一部を検波し、その検波出力値に基づいて可変利得アンプ3の増幅度を調整するため、パワーアンプ4から各アンテナAT1〜AT4までの損失、例えば切替スイッチを構成するダイオードスイッチのばらつき、基板パターンの影響、ケーブルの影響などにより、アンテナAT1〜AT4間で生じる出力偏差については考慮していなかった。

0023

このため、図9に示すように、パワーアンプ4から送信アンテナ切替スイッチ61に至るレベルは同一だが、そこからアンテナAT1〜AT4に至るレベルは送信アンテナ切替スイッチ61でアンテナ別に偏差が生じ、さらに送受信切替スイッチSW1〜SW4で偏差が生じていた。このため、ダイバーシチ制御によって選択したアンテナによっては、送信する電波の電力値を最適値に保てないという課題があった。

0024

本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたもので、複数のアンテナの各出力端出力値を、それぞれ一定に保つことができる送信出力制御方法及び基地局装置並びに送信出力調整方法及び装置を提供するものである。

課題を解決するための手段

0025

本発明の送信出力制御方法は、電力増幅部で増幅した送信信号を検波する検波処理と、検波処理によって得た検波出力値と予め設定した検波出力目標値とを比較する比較処理と、検波出力値が検波出力目標値と一致するように送信信号を増幅する可変利得アンプの増幅度を決める可変利得アンプ制御値を比較結果に基づいて調整する調整処理とからなり、検波出力目標値および可変利得アンプ制御値は複数のアンテナ間の出力偏差を補正するためにそれぞれの初期値に各アンテナ別に設定したそれぞれの補正値を加味した値である。

0026

この方法により、検波出力目標値および可変利得アンプ制御値の各初期値に、各アンテナ別に設定した各補正値を加味することで、アンテナ間に生じる出力偏差を補正し、複数のアンテナのいずれが送信アンテナとして選択されても、送信出力を一定に保つことができることとなるものである。

0027

本発明の基地局装置は、電力増幅部で増幅した送信信号を検波する検波手段と、検波手段によって得た検波出力値と予め設定した検波出力目標値とを比較する比較手段と、検波出力値が検波出力目標値と一致するように送信信号を増幅する可変利得アンプの増幅度を決める可変利得アンプ制御値を比較結果に基づいて調整する調整手段とを備え、検波出力目標値および可変利得アンプ制御値は複数のアンテナ間の出力偏差を補正するためにそれぞれの初期値に各アンテナ別に設定したそれぞれの補正値を加味した値である。

0028

この構成により、検波出力目標値および可変利得アンプ制御値の各初期値に、各アンテナ別に設定した各補正値を加味することで、アンテナ間に生じる出力偏差を補正し、複数のアンテナのいずれが送信アンテナとして選択されても、送信出力を一定に保つことができることとなるものである。

0029

本発明の送信出力調整方法は、電力増幅部で増幅した送信信号の検波出力値が予め設定した検波出力目標値と一致するように送信信号を増幅する可変利得アンプの増幅度を決める可変利得アンプ制御値を調整する送信出力制御処理と、送信信号を送出するアンテナ端出力測定値が予め設定した規定出力値と一致するように検波出力目標値を調整する調整処理と、複数のアンテナの中の基準アンテナ系の可変利得アンプ制御値および検波出力目標値を初期値とする初期値設定処理と、基準アンテナ系以外のアンテナ系の可変利得アンプ制御値および検波出力目標値と各初期値との差分をそれぞれ基準アンテナ系以外のアンテナ系の補正値とする補正値設定処理とからなるものである。

0030

この方法により、基準アンテナ系の可変利得アンプ制御値および検波出力目標値を初期値としてメモリに格納し、基準アンテナ系以外のアンテナ系の可変利得アンプ制御値および検波出力目標値は初期値に対する補正値として、その差分をメモリに格納することで、メモリ使用量を少なくすることとなるものである。

0031

本発明による送信出力調整装置は、電力増幅部で増幅した送信信号の検波出力値が予め設定した検波出力目標値と一致するように送信信号を増幅する可変利得アンプの増幅度を決める可変利得アンプ制御値を調整する送信出力制御手段と、送信信号を送出するアンテナ端出力測定値が予め設定した規定出力値と一致するように検波出力目標値を調整する調整手段と、複数のアンテナの中の基準アンテナ系の可変利得アンプ制御値および検波出力目標値を初期値とする初期値設定手段と、基準アンテナ系以外のアンテナ系の可変利得アンプ制御値および検波出力目標値と各初期値との差分をそれぞれ基準アンテナ系以外のアンテナ系の補正値とする補正値設定手段とからなるものである。

0032

この構成により、基準アンテナ系の可変利得アンプ制御値および検波出力目標値を初期値としてメモリに格納し、基準アンテナ系以外のアンテナ系の可変利得アンプ制御値および検波出力目標値は初期値に対する補正値として、その差分をメモリに格納することで、メモリ使用量を少なくすることとなるものである。

発明を実施するための最良の形態

0033

以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。

0034

まず、図1および図2に示す処理フロー図を参照しながら、本発明による送信出力調整方法の一実施の形態について説明する。なお、本実施の形態が適用される送信出力調整装置の構成は、図7に示す構成と同一である。

0035

初めに調整データ格納部13に記憶されている可変利得アンプ制御値、検波出力目標値、複数のアンテナATn(n=1、2、3、4)にそれぞれ対応する可変利得アンプ制御補正値、検波出力補正値をクリアする(ステップS11)。

0036

次いで、可変利得アンプ制御値および検波出力目標値をそれぞれ所定の固定値に設定し、変数nを1にして基準となるアンテナAT1系を選択する(ステップS12)。そして、電力計14をアンテナ端子TM1に接続する。

0037

次いで、固定値に設定した可変利得アンプ制御値および検波出力目標値を初期値として、検波出力値が検波出力目標値と一致するように、可変利得アンプ制御値を調整する送信出力制御処理を行う(ステップS13)。

0038

この送信出力制御処理は、前述したステップS52〜S57の処理と同一である。検波出力値が検波出力目標値と一致すると(ステップS54)、そのときの可変利得アンプ制御値を選択し(ステップS56)、次の処理(ステップS14)に移行する。

0039

次いで、電力計14で測定したアンテナ端出力測定値と規定出力値とを調整装置15の比較部15cで比較する(ステップS14)。その結果、測定値が規定出力値より大きければ検波出力目標値を調整値βだけ低減し(ステップS15)、測定値が規定出力値より小さければ検波出力目標値を調整値βだけ増加する処理(ステップS16)を、それぞれ行う。

0040

こうして得た新たな検波出力目標値によって再び送信出力制御処理を行い(ステップS13)、新たな可変利得アンプ制御値を得る。この一連の処理(ステップS13〜S16)を測定値が規定出力値と一致するまで繰り返し、両値が一致すると(ステップS14)、そのときのアンテナAT1系の可変利得アンプ制御値および検波出力目標値を、可変利得アンプ制御初期値値および検波出力目標値として調整データ格納部13に記憶する(ステップS17)。

0041

そして、調整データ格納部13のアンテナAT1系の可変利得補正値および検波出力補正値をゼロとする(ステップS18)。これはアンテナAT1系の可変利得アンプ制御値および検波出力目標値を基準とし、これに対する他のアンテナ系の補正値を定めるためである。

0042

次に、変数nをインクリメントして2とし(ステップS19)、電力計14をアンテナ端子TM2に接続してアンテナAT2系の調整を行う。まず、アンテナAT1系の調整と同様に、検波出力値が検波出力目標値と一致するように可変利得アンプ制御値を調整する送信出力制御処理を行う(ステップS20)。この送信出力制御処理は前述したステップS52〜S57の処理と同一であり、検波出力値が検波出力目標値と一致する可変利得アンプ制御値を得ると(ステップS54)、次の処理(ステップS21)に移行する。

0043

次いで、電力計14で測定したアンテナ端出力測定値と規定出力値とを調整装置15の比較部15cで比較する(ステップS21)。その結果、測定値が規定出力値より大きければ検波出力目標値を調整値βだけ低減し(ステップS22)、測定値が規定出力値より小さければ検波出力目標値を調整値βだけ増加する(ステップS23)。

0044

こうして得た新たな検波出力目標値によって再び送信出力制御処理を行い(ステップS20)、新たな可変利得アンプ制御値を得る。この一連の処理(ステップS20〜S23)を測定値が規定出力値に一致するまで繰り返し、両値が一致すると(ステップS21)、そのときの可変利得アンプ制御値と先に求めたアンテナAT1系の可変利得アンプ制御初期値との差分をアンテナAT2系の可変利得アンプ制御補正値とし、また検波出力目標値と先に求めたアンテナAT1系の検波出力目標値との差分をアンテナAT2の検波出力補正値とし、それぞれ調整データ格納部13に記憶する(ステップS24)。

0045

この一連の処理(ステップS19〜S24)を変数nが4になるまで繰り返す(ステップS25)。その結果、調整データ格納部13には、アンテナAT2、AT3、AT4の各可変利得アンプ制御補正値および検波出力補正値がそれぞれ記憶されることになる。

0046

この結果、調整データ格納部13には、図3(a)に示すように、アンテナAT1の可変利得アンプ制御値および検波出力目標値をそれぞれ初期値Ac、Fcとして、アンテナAT1の可変利得補正値A1(補正量0)、検波出力補正値F1(補正量0)、アンテナAT2の可変利得補正値A2、検波出力補正値F2、アンテナAT3の可変利得補正値A3、検波出力補正値F3、アンテナAT4の可変利得補正値A4、検波出力補正値F4がそれぞれ格納される。

0047

また、図3(b)に示すように、例えばアンテナAT1の可変利得アンプ制御補正値A1の補正量は「0」であり、アンテナAT2の可変利得アンプ制御補正値A2の補正量は「−3」であり、アンテナAT3の可変利得アンプ制御補正値A3の補正量は「+1」であり、アンテナAT4の可変利得アンプ制御補正値A4の補正量は「+2」である。

0048

以上のように、本発明の実施の形態による送信出力調整方法は、基準アンテナAT1系の可変利得アンプ制御値および検波出力目標値を初期値として調整データ格納部13に格納し、他のアンテナAT2〜AT4系の各可変利得アンプ制御値および検波出力目標値はこの初期値に対する補正値として、その差分を調整データ格納部13に格納することになる。

0049

次に、図4に示す処理フロー図を参照しながら、本発明による送信出力制御方法の一実施の形態について説明する。なお、本実施の形態が適用される基地局装置の送信出力部の構成は、図5に示す構成と同一である。

0050

この処理は送信開始によって起動する。初めに前述した送信出力調整方法(図1)によって調整データ格納部13に記憶した可変利得アンプ制御初期値および検波出力目標値を可変利得アンプ制御値および検波出力目標値として読み出す(ステップS31)。

0051

次に、送信出力アンテナとして選択しているアンテナATnの可変利得アンプ制御補正値を調整データ格納部13から読み出して可変利得アンプ制御値に加算し、ラッチ回路10にラッチする。そして、D/Aコンバータ11でアナログ信号に変換し、可変利得アンプ3に増幅度を制御する可変利得アンプ制御信号として出力する(ステップS32)。ここで、可変利得アンプ制御補正値は、前述したように、アンテナAT1は「0」、アンテナAT2は「−3」、アンテナAT3は「+1」、アンテナAT4は「+2」である。

0052

一方、変調器2から出力された高周波信号は、可変利得アンプ制御信号で増幅度の制御された可変利得アンプ3およびパワーアンプ4で増幅され、アイソレータ5を経てアンテナ切替回路6に出力され、選択したアンテナATnから電波として送信される。

0053

また、パワーアンプ4の出力の一部が検波器7で検波され、A/Dコンバータ8でディジタル信号に変換された後、制御部9に検波出力値として取得される(ステップS33)。

0054

次いで、制御部9は、選択しているアンテナATnの検波出力補正値を調整データ格納部13から読み出して検波出力目標値と加算し、取得した検波出力値と比較する(ステップS34)。

0055

その結果、検波出力値が補正後の検波出力目標値より大きいときは可変利得アンプ制御値を調整値αだけ低減し(ステップS35)、検波出力値が補正後の検波出力目標値と等しいときは可変利得アンプ制御値をそのままとし(ステップS36)、検波出力値が補正後の検波出力目標値より小さいときは可変利得アンプ制御値を調整値αだけ増加する(ステップS37)。

0056

こうして得た可変利得アンプ制御値を再びラッチ回路10にラッチし、D/Aコンバータ11でアナログ信号に変換した後、可変利得アンプ3に増幅度を制御する可変利得アンプ制御信号として再び供給する(ステップS32)。この一連の処理(ステップS32〜S37)を通話終了まで繰り返し(ステップS38)、どのアンテナを選択しても送信出力を常に安定に保つように制御する。

0057

以上のように、本発明の実施の形態による送信出力制御方法は、検波出力目標値および可変利得アンプ制御値の各初期値に、各アンテナ別に設定した各補正値を加味することで複数のアンテナのいずれが送信アンテナとして選択されても、送信出力を一定に保つこととなるものである。

0058

なお、前述の実施の形態では、PHSの基地局装置について説明したが、これに限らず複数の送信アンテナを有する無線装置であれば、携帯電話の基地局装置や移動体通信装置などに適用しても同様の効果が得られるものである。

発明の効果

0059

以上説明したように、本発明は基準アンテナ系で調整して得た可変利得アンプ制御値および検波出力目標値を初期値(基準値)として記憶し、他のアンテナ系で調整して得た可変利得アンプ制御値および検波出力目標値を補正値として記憶し、アンテナ間に生じる出力偏差をこの補正値で補正するようにしたので、複数のアンテナのいずれが送信アンテナとして選択されても、送信出力を一定に保つことができる送信出力制御方法を提供することができるものである。

図面の簡単な説明

0060

図1本発明による送信出力調整方法の一実施の形態を示す処理フロー図(1)
図2本発明による送信出力調整方法の一実施の形態を示す処理フロー図(2)
図3(a)は各アンテナ系の可変利得アンプ制御値および検波出力目標値の初期値および補正値を表として示す図
(b)は各アンテナ系の可変利得アンプ制御補正値の一例を示す図
図4本発明による送信出力制御方法の一実施の形態を示す処理フロー図
図5基地局装置の送信出力部を示すブロック図
図6従来の送信出力制御方法を示す処理フロー図
図7送信出力調整装置を示すブロック図
図8従来の送信出力調整方法を示す処理フロー図
図9パワーアンプからアンテナに至るレベル説明図

--

0061

1ベースバンド信号処理回路
2変調器
3可変利得アンプ
4パワーアンプ
5アイソレータ
6アンテナ切替回路
7検波器
8 A/Dコンバータ
9 制御部
10ラッチ回路
11 D/Aコンバータ
12送信アンテナ選択回路
13調整データ格納部
61 送信アンテナ切替スイッチ
AT1〜AT4アンテナ
SW1〜SW4送受信切替スイッチ
TM1〜TM4 アンテナ端子

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