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図面 (8)

課題

システムフェイル時における入力軸回転数の上昇を抑える。

解決手段

S13において、入力軸回転数NINが所定の高回転数INFAIL以上であった場合、ダウンシフト禁止する(S14)。これによって、さらなる入力軸回転数の上昇を防止することができる。

概要

背景

従来より、アクセル開度車速に基づいて変速比を自動的に制御する自動変速機が知られている。この自動変速機によれば、ドライバシフトレバーなどを操作して変速段を選択する必要がない。

また、自動変速機の中には、変速比を連続的に変化できる無段変速機(以下CVT(Continuously Variable ratio Transmission)という)も知られている。この無段変速機を利用することで、常に最適な変速比を自動的に選択することができる。

ここで、変速機の入力側に接続されるエンジンなどの回転数と変速機の出力側の回転数は基本的に1対1の関係がある。そこで、無段変速機などにおいて、不正な変速比の設定が行われると、そのときの車速に応じてエンジンなどの回転数が予期しない回転数になってしまう事態が生じる。

例えば、特開平6−42627号公報では、ドライバの操作により変速段を設定できるマニュアルモードを有する無段変速機において、高速走行時においてマニュアル操作によるダウンシフトがなされたときに、CVTへの入力軸回転数がエンジンの最大許容回転数を超えたときに、ダウンシフトを禁止することが示されている。これによって、ドライバの誤った操作に基づき、変速機の入力側に接続されているエンジンが過回転状態オーバーラン)となるのを防止することができる。

概要

システムフェイル時における入力軸回転数の上昇を抑える。

S13において、入力軸回転数NINが所定の高回転数INFAIL以上であった場合、ダウンシフトを禁止する(S14)。これによって、さらなる入力軸回転数の上昇を防止することができる。

目的

本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、自動変速機の制御システムの異常時などにおいても適切な対策をとることができる自動変速機の制御装置を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

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請求項1

アクセル開度車速に基づいて変速比を自動的に制御する自動変速機制御装置において、車載機器の異常により、自動変速機の入力軸回転数が所定以上となった場合には、ダウンシフト禁止する高回転時制御を実施する自動変速機の制御装置。

請求項2

アクセル開度と車速に基づいて変速比を自動的に制御する自動変速機の制御装置において、自動変速機の入力軸回転数が所定以上となった場合には、強制的にアップシフトさせる高回転時制御を実施する自動変速機の制御装置。

請求項3

請求項1または2に記載の装置において、前記高回転時制御において、自動変速機の入力軸に接続された駆動源出力トルクを絞る自動変速機の制御装置。

請求項4

請求項1〜3のいずれか1つに記載の装置において、前記高回転時制御を実施した結果、入力軸回転数が所定未満となった場合に、前記高回転時制御を中止する自動変速機の制御装置。

請求項5

請求項1〜4のいずれか1つに記載の装置において、前記自動変速機は、変速機を連続的に変化させることができる無段変速機である自動変速機の制御装置。

技術分野

0001

本発明は、アクセル開度車速に基づいて変速比を自動的に制御する自動変速機制御装置、特に自動変速機の入力回転数についての制御に関する。

背景技術

0002

従来より、アクセル開度と車速に基づいて変速比を自動的に制御する自動変速機が知られている。この自動変速機によれば、ドライバシフトレバーなどを操作して変速段を選択する必要がない。

0003

また、自動変速機の中には、変速比を連続的に変化できる無段変速機(以下CVT(Continuously Variable ratio Transmission)という)も知られている。この無段変速機を利用することで、常に最適な変速比を自動的に選択することができる。

0004

ここで、変速機の入力側に接続されるエンジンなどの回転数と変速機の出力側の回転数は基本的に1対1の関係がある。そこで、無段変速機などにおいて、不正な変速比の設定が行われると、そのときの車速に応じてエンジンなどの回転数が予期しない回転数になってしまう事態が生じる。

0005

例えば、特開平6−42627号公報では、ドライバの操作により変速段を設定できるマニュアルモードを有する無段変速機において、高速走行時においてマニュアル操作によるダウンシフトがなされたときに、CVTへの入力軸回転数がエンジンの最大許容回転数を超えたときに、ダウンシフトを禁止することが示されている。これによって、ドライバの誤った操作に基づき、変速機の入力側に接続されているエンジンが過回転状態オーバーラン)となるのを防止することができる。

発明が解決しようとする課題

0006

しかし、上記従来例では、ドライバのマニュアル操作に起因するエンジンオーバーランのみを対象としており、その他の不具合について考慮していない。

0007

本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、自動変速機の制御システムの異常時などにおいても適切な対策をとることができる自動変速機の制御装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明は、アクセル開度と車速に基づいて変速比を自動的に制御する自動変速機の制御装置において、車載機器の異常により、自動変速機の入力軸回転数が所定以上となった場合には、ダウンシフトを禁止することを特徴とする。このように、エンジン、自動変速機またはこれらの制御系などの異常により自動変速機の入力軸回転数が所定以上になった場合にダウンシフトを禁止することで、さらなる入力軸回転数の上昇を抑えることができ、エンジンのオーバーランなどを効果的に防止することができる。特に、制御システムのフェイル時などにおいても、この処理により正常状態復帰することができる。

0009

また、本発明は、アクセル開度と車速に基づいて変速比を自動的に制御する自動変速機の制御装置において、自動変速機の入力軸回転数が所定以上となった場合には、強制的にアップシフトさせる高回転時制御を実施することを特徴とする。このようにアップシフトすることで、入力軸回転数を速やかに低下させることができる。例えば、CVTにおいて、最大速度でアップシフトさせることが好適である。

0010

また、前記高回転時制御において、自動変速機の入力軸に接続された駆動源出力トルクを絞ることが好適である。駆動源、例えばエンジンの出力トルクを絞ることで、より速やかに入力軸の回転数を低下させることができる。例えば、エンジンへの燃料カットすることが好適である。

0011

また、前記高回転時制御を実施した結果、入力軸回転数が所定未満となった場合に、前記高回転時制御を中止することが好適である。システムの瞬間的なフェイル等により、制御が乱れた場合にはその後の制御は通常に行える場合も多い。その場合に、通常制御に戻ることで、その後の運転などに支障をきたすことがなくなる。

0012

また、前記自動変速機は、変速機を連続的に変化させることができる無段変速機(CVT)であることが好適である。通常のオートマチックトランスミッションでは、通常ワンウェイクラッチを有しており、アクセルを戻した場合に、ニュートラル状態になる。ところが、CVTでは、ワンウェイクラッチはなく、アクセルを戻した場合に変速機の入力軸にエンジンがそのまま接続され、エンジンブレーキが作動してしまう。従って、エンジンのオーバーランや大きなエンジンブレーキが発生しやすいが、本発明によればこれらを防止することができる。

発明を実施するための最良の形態

0013

以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)について、図面に基づいて説明する。

0014

「CVTの全体構成」図1は、本実施形態の車両駆動装置1の概略構成を示す図である。原動機としてのエンジン2の出力は、動力伝達装置3を介して駆動輪4に伝達され、車両を駆動する。車両駆動装置1を制御する制御部5は、エンジン2の運転状態や動力伝達装置3の動作状態などの車両の走行状態を示す所定のパラメータから、エンジン2および動力伝達装置3の所定の制御パラメータを算出する。制御パラメータは、例えば、スロットル弁開度燃料噴射量、変速比などであり、これらを制御することにより、エンジン2、動力伝達装置3が所定の状態に制御される。

0015

図2は、CVT(無段変速機)を含む動力伝達装置3の概略構成図である。エンジン2の出力は、流体伝達機構としてのトルクコンバータ10、前後進換機構12、CVT14、減速機構16、差動装置18を介してドライブシャフト20に伝達され、車両を駆動する。

0016

トルクコンバータ10のフロントカバー22は、エンジン2の動力により回転し、この回転をポンプインペラ24、オイルポンプ26に伝達する。オイルポンプ26は、動力伝達装置3の各部の油圧制御機構に対し作動流体を供給する。また、この作動流体は潤滑油としても機能する。ポンプインペラ24は、トルクコンバータ10内に満たされた作動流体をタービンライナ28に対して送り出し、これを受けてタービンライナ28が回転する。タービンライナ28はトルクコンバータ出力軸30と共に回転するように結合され、これによりタービンライナ28の回転がトルクコンバータ10の出力となる。タービンライナ28を通過した作動流体は、ステータライナ32を通過し、ポンプインペラ24に送られる。ステータライナ32は、一方向クラッチ34を介して支持されている。トルクコンバータ10の入出力速度比が比較的低い領域(クラッチ点以下)では、一方向クラッチ34が係止状態となり、ステータライナ32が固定される。このとき、ステータライナ32はタービンライナ28から送出された作動流体の向きを変え、ポンプインペラ24の回転後方よりこれに向けて作動流体を送り込む。これによってトルク増幅される。トルクコンバータ10の速度比がクラッチ点を超えると、タービンライナ28から送出される作動流体は、ステータライナ32の背面に当たるように流れ、これにより一方向クラッチ34が解放状態となり、ステータライナ32が空転する。このとき、トルク増幅は行われず、トルクコンバータ10は、流体継手として機能する。

0017

トルクコンバータ10は、直結機能を有する。直結クラッチプレート36は、フロントカバー22に対向するように配置され、またトルクコンバータ出力軸30に対し、一体となって回転し、また軸方向に摺動可能に支持されている。また、フロントカバー22と接触する外周部と、出力軸30に支持される中央部の間には、ねじり方向の衝撃、振動を吸収するねじりダンパ38が配置されている。直結時には、制御部5により制御される流体圧制御回路40からの作動流体が直結クラッチプレート36の背面側42に供給され、この圧力によって当該プレート36が図中右方向に摺動し、フロントカバー22に係合する。これによって、作動流体を介さずに動力伝達がなされる。直結状態解除する場合には、直結クラッチプレート36の前面側44に作動流体が供給され、この圧力によって当該プレート36が図中左方向に摺動し、フロントカバー22より離される。

0018

前後進切換機構12は、2列のプラネタリギアを有する、いわゆるダブルプラネタリ式遊星歯車機構として構成される。サンギア46は、トルクコンバータ出力軸30に結合されている。また、2列のプラネタリギア48は共通のキャリア50に回動可能に支持されている。キャリア50は、前進用クラッチ52を介してトルクコンバータ出力軸30に結合されている。キャリア50はまた、CVT14の入力軸54とも結合されている。リングギア56には、後進用ブレーキ58が係合可能となっている。

0019

前進時には、流体圧制御回路40からの作動流体の供給によって前進用クラッチ52が係合状態となり、トルクコンバータ出力軸30とCVT入力軸54が直結状態となる。後進時には、前進用クラッチ52が解放状態に制御される一方、流体圧制御回路40からの作動流体の供給により後進用ブレーキ58が係合状態に制御される。これにより、トルクコンバータ出力軸30とキャリア50が互いに逆方向に回転する。すなわち、前後進切換装置12の前後において回転方向逆転する。

0020

なお、前進用クラッチ52および後進用ブレーキ58を共に解放することによって、動力伝達装置3が中立状態となる。

0021

CVT14は、CVT入力軸54と一体に回転する入力側プーリ60と、出力側プーリ62と、これらのプーリ60,62に巻掛けられたベルト64を有する。出力側プーリ62は、CVT出力軸66を回転させ、動力を減速機構16に送り出す。

0022

入力側プーリ60は、さらに固定シーブ68と可動シーブ70を備えている。これらのシーブ68,70は、CVT入力軸54の方向に並列配置され、その対向する面が円錐または円錐台の側面に形成されている。可動シーブ70は、CVT入力軸54と一体に回転する一方、それ自身が流体圧アクチュエータとして機能し、流体圧制御回路40による作動流体の供給量制御により軸方向に移動する。可動シーブ70の移動によって、前記円錐等の側面形状に形成された二つのシーブ68,70の対向する面の間隔が変更される。出力側プーリ62も、入力側と同様に、略円錐側面形状の対向面を有する固定シーブ72と可動シーブ74を備えている。可動シーブ74も、作動流体の供給量の制御によって軸方向に移動し、これにより二つのシーブ72,74の間隔が変更される。

0023

ベルト64は、入力側、出力側プーリ60,62のそれぞれの固定シーブ68,72と可動シーブ70,74の対向面の形状と係合する概略台形の断面形状を有し、固定シーブ68,72と可動シーブ70,74に挟まれるように保持されている。固定シーブ68,72と可動シーブ70,74の間隔が変化することにより、ベルト64の巻きかかっている位置の回転半径が変化する。また、ベルト64が巻きかかっている位置の回転半径が入出力側で変化することにより、CVTの入出力軸54,66の速度比が変化する。可動シーブ70,74の位置は、連続的に任意の位置に決定可能であるので、CVTの変速比は所定の範囲において連続的な値を採ることができる。

0024

流体圧制御回路40は、オイルポンプ26から送出される作動流体を、車両走行状況に応じた適切な部位に供給する。車両走行状況は、車両の速度を検出する車速センサ76、エンジン2の回転速度を検出するNEセンサ78、レバーにより選択されたシフト位置を検出するシフトセンサ80、アクセルペダル操作量を検出するペダルセンサ82、入力側プーリ60の入力軸の回転数を検出する入力軸回転数センサ84などにより判断される。なお、図2において作動流体の戻り回路については省略されている。

0025

「流体圧制御回路40の構成」次に、流体圧制御回路40について、図3に基づいて説明する。アップシフト用流量制御弁92は、4つのポート92a、92b、92c、92dと、図の上下方向に移動するスプール92sと、スプール92sを図の下方に付勢するばね92fと、ばね92fが設置されているばね室92gと、制御圧が導入される制御圧室92hを有している。アップシフト用電磁弁96は、3つのポート96a、96b、96cを有している。アップシフト用電磁弁96がオンのとき(図の右側)、ポート96aと96bとが連通する。そして、アップシフト用電磁弁96は、オン時において、制御部5からのパルス幅制御された制御信号により一定周期でオンとオフを繰り返す。このため、制御信号のデューティ比を制御することにより、一定圧制御弁により一定に調圧された流体圧大気圧から一定圧の間で所定の圧力に制御し、これを制御圧(アップシフト信号)としてアップシフト用流量制御弁92のポート92aから制御圧室92hに供給する。

0026

アップシフト用電磁弁96からの制御圧が制御圧室92hに導入されると、この制御圧によってスプール92sは上方に押圧される。一方、ばね室92gのばね92fによってスプール92sは下方に押圧されており、これらの力のバランスにより、作動流体路R4を通じてポート92cから導入されたライン圧が制御され、ポート92dから作動流体路R5を介して入力側プーリ60へ供給され、可動シーブ70に所定の圧力が供給される。

0027

また、アップシフト用電磁弁96がオフのとき(図の左側)、ポート96bと96cとが連通し、制御圧室92hの流体圧がポート96cよりドレンされ大気圧まで減圧される。従って、アップシフト用流量制御弁92のスプール92sが下方に移動し、ポート92dが閉じられる。

0028

ダウンシフト用流量制御弁94は、4つのポート94a、94b、94c、94dと、図の上下方向に移動するスプール94sと、スプール94sを図の下方に付勢するばね94fと、ばね94fが設置されているばね室94gと、制御圧が導入される制御圧室94hを有している。ダウンシフト用電磁弁98は、3つのポート98a、98b、98cを有している。ダウンシフト用電磁弁98がオンのとき(図の右側)、ポート98aと98bとが連通する。そして、ダウンシフト用電磁弁98は、オン時において、制御部5からのパルス幅制御された制御信号により一定周期でオンとオフを繰り返す。このため、制御信号のデューティ比を制御することにより、一定圧制御弁により一定に調圧された流体圧を大気圧から一定圧の間で所定の圧力に制御し、これを制御圧(ダウンシフト信号)としてダウンシフト用流量制御弁94のポート94aから制御圧室94hに供給する。

0029

ダウンシフト用電磁弁98からの制御圧が制御圧室94hに導入されると、この制御圧によってスプール94sは上方に押圧される。一方、ばね室94gのばね94fによってスプール94sは下方に押圧されており、これらの力のバランスにより、作動流体路R6を通じてポート94cから導入されたライン圧が制御され、ポート94dからドレンされる。従って、作動流体路R6を介して入力側プーリ60の可動シーブ70から所定流量の作動流体がドレンされる。

0030

また、ダウンシフト用電磁弁98がオフのとき(図の左側)、ポート98bと98cとが連通し、制御圧室94hの流体圧がポート98cよりドレンされ大気圧まで減圧される。従って、ダウンシフト用流量制御弁94のスプール94sが下方へ移動し、ポート94dが閉じられる。

0031

このような流体圧制御回路40において、制御部5からのアップシフトの指令が発生されると、アップシフト用電磁弁96が所定のデューティー比でオンされ、このデューティー比に応じた制御圧がアップシフト用流量制御弁92のポート92aから、その制御圧室92hに導入される。その結果、スプール92sが図の上方に押し上げられ、ポート92cとポート92dが連通され、流体圧が入力側プーリ60の可動シーブ70に供給される。このとき、ダウンシフト用電磁弁94には、オフ指令が供給されているため、ダウンシフト用流量制御弁94のポート94dは閉じており、入力側プーリ60への流体圧が維持され、入力側プーリ60の径が大きくなる。また、出力側プーリ62は、入力側プーリ60のプーリ径が大きくなった分だけ、出力側プーリ62のプーリ径が小さくなる。これによって、CVTのアップシフトが行われる。

0032

一方、制御部5からのダウンシフトの指令が発生されると、ダウンシフト用電磁弁98が所定のデューティー比でオンされ、制御圧がダウンシフト用流量制御弁94のポート94aから、その制御圧室94hに導入される。その結果、スプール94sが図の上方に押し上げられ、ポート94cとポート94dが連通され、入力側プーリ60の可動シーブ70の流体圧が減少される。このとき、アップシフト用電磁弁96には、オフ指令が供給されているため、アップシフト用流量制御弁92のポート92dは閉じられており、入力側プーリ60の流体圧が減少され、入力側プーリ60の径が小さくなる。また、出力側プーリ62は、入力側プーリ60のプーリ径が小さくなった分だけ、出力側プーリ62のプーリ径が大きくなる。これによって、CVTのダウンシフトが行われる。

0033

また、ポート92bには、ダウンシフト用電磁弁98からの制御圧がばね室92gに作動流路R17を介し供給されるようになっており、ダウンシフト用電磁弁98をオンすることによって、アップシフト用流量制御弁92のポート92dが閉じられる。そこで、アップシフト用電磁弁96がオンのまま故障してしまっても、ダウンシフト用電磁弁98をオンすることによって、アップシフトを中止できる。

0034

また、ポート94bには、アップシフト用電磁弁96からの制御圧がばね室94gに作動流路R16を介し供給されるようになっており、アップシフト用電磁弁96をオンすることによって、ダウンシフト用流量制御弁94のポート94dが閉じられる。そこで、ダウンシフト用電磁弁98がオンのまま故障してしまっても、アップシフト用電磁弁96をオンすることによって、ダウンシフトを中止できる。

0035

「制御部5による高回転時の動作」制御システムにおける異常発生などの原因により、CVTにおいて適切な変速比が選択されない場合も考えられる。このようなフェイル時において、入力軸回転数が所定以上になると、エンジンのオーバーランを発生してしまう危険がある。そこで、これを防止するための対策が必要である。

0036

この処理について、図4に基づいて説明する。まず、制御部5は、車速センサ76からの車速SPD、ペダルセンサ82からのアクセルペダル操作量スロットル開度)PA、入力軸速度センサからの入力軸回転数NINを読み込む(S11)。次に、CVTがニュートラルか否かを判定する(S12)。ニュートラルであれば、CVTは動力を伝達しておらず本制御は不要であり、処理を終了する。

0037

このS12の判定で、ニュートラルでなければ、現在の入力軸回転数NINが所定の入力軸回転数NINFAIL以上であるかを判定する(S13)。ここで、このNINFAILは、図5に示すようにして決定される値である。

0038

すなわち、CVTでは、検出した車速と、アクセル操作量(アクセル開度)に応じて、目標入力軸回転数が決定される。そして、この目標入力軸回転数と検出した現在の入力軸回転数の差に応じて、CVTの変速比を制御することで、入力軸回転数が目標入力軸回転数に一致するように制御が行われる。また、目標入力軸回転数は、図に示す制御領域内に限定され、入力軸回転数がこの制御領域内にあるように制御が行われる。

0039

そして、入力軸回転数NINFAILは、この制御領域の少し上の回転数にセットされている。これは、通常の制御が行われていれば、あり得ない高い入力軸回転数を意味している。

0040

S13において、YESであれば入力軸回転数を減少させるべきである。そこで、ダウンシフトを禁止する(S14)。これは、ダウンシフトを行うと、入力軸回転数は上昇するからである。この処理によって、入力軸回転数が変速比の変更によりさらに上昇することを防止することができる。なお、ダウンシフトを禁止すれば、そのときの入力軸回転数は制御領域内の目標入力軸回転数を上回っているはずであり、CVTはアップシフトされ入力軸回転数は下がるはずである。

0041

次に、エンジン出力トルクを減少させる(S15)。CVTの入力軸には、エンジンが接続されている。そこで、スロットルを全閉としてエンジンへの燃料供給のカット等を行うことによって、エンジンがブレーキとして作用し、入力軸回転数を減少させることができる。なお、必ずしも燃料を完全にカットしなくても、減筒運転等、エンジン出力トルクを減少させることのできる制御を行えばよい。

0042

このように、S14,S15における入力軸回転数を減少させるための処理を行った場合には、この処理を終了する。

0043

ここで、S13において、NOであった場合、ダウンシフト禁止中かを判定する(S16)。すなわち、S14におけるダウンシフト禁止の処理を経て、これが解除されているか否かを判定する。この判定で、NOであれば、通常の状態であり、禁止解除の処理は不要であるため、処理を終了する。一方、ダウンシフト禁止の処理中であれば、次に制御領域内かを判定する(S17)。上述のように、制御が正常であれば、現在の入力回転数が高すぎるためアップシフトされ、入力軸回転数は下がるはずであり、異常状態から復帰したか否かがこれによって判定できる。そして、この判定で、制御領域内でなければ、ダウンシフト禁止の処理は継続するべきであり、処理を終了する。

0044

S17において、制御領域内であった場合には、次にアクセル開度が50%以上かを判定する(S18)。このS18においてNOである場合には、処理を終了する。一方、S18において、YESであった場合には、ダウンシフト禁止を解除する(S19)。これは、単に領域内に復帰したことだけでなく、ドライバの加速意思を確認することで、入力軸回転数を上昇してよいことが確実となるからである。なお、アクセルが踏み込まれたことにより、S15における出力トルク減少は、解除される。これは、ドライバがその意思としてエンジンの出力を上昇としており、これに応えるべきだからである。

0045

このようにして、本実施形態によれば、入力軸回転数NINが所定の異常値以上の場合に、ダウンシフトを禁止する。これによって、変速比を減少して入力軸回転数NINを下げることができる。また、その際にエンジン出力トルクを減少することで、入力軸回転数の低下をより効率的に行える。

0046

さらに、制御領域内に戻ったときに、ダウンシフトの禁止を解除することで、制御システムが正常状態に戻った場合に、通常制御に戻ることができる。特に、アクセルが所定以上踏み込まれ、ドライバが加速意思を示していることを確認して、ダウンシフト禁止を解除することで、運転状態に合わせたダウンシフト禁止の解除が行える。

0047

また、他の実施形態を図6に示す。この図6の処理においては、図4のS14のダウンシフト禁止の処理に代え、強制アップシフトを行う(S20)。上述のように、ダウンシフト禁止であっても、入力回転数が異常に高い場合、正常状態に戻すために、アップシフトが行われる。しかし、この実施例では、最大の速度で、アップシフトを行う。すなわち、図2における入力側プーリ60の可動シーブ70に作動流体制御弁から最大流量の作動流体を導入する。これによって、最大速度のアップシフトが行われ、入力軸回転数の速やかな減少を図ることができる。なお、強制アップシフトは最大速度でなくてもよく、適宜選択できるものとする。

0048

「制御部5の構成」図7に、制御部5の構成を示す。各種センサからの入力信号は、制御部5の各種入力信号処理部502に入力される。この各種入力信号処理部502はこれら信号を所定のタイミングで繰り返し読み込み、これを目標入力軸回転数算出部504に供給する。この目標入力軸回転数算出部504は、読み込んだ各種センサからのデータに基づき、目標入力軸回転数NINTを算出する。この目標入力軸回転数は、制御部5がマップとして記憶している。なお、この目標入力軸回転数の算出は、作動流体の温度などによっても変化させるとよい。

0049

また、CVTの入力軸には、入力軸速度センサ84が取り付けられており、その検出値実入力軸回転数算出部506を介し、検出した実入力軸回転数NINが差演算部508に入力される。この差演算部508は、目標入力軸回転数算出部504からの目標回転数NINTと実入力軸回転数NINの差を演算する。算出された差はフィードバック操作量演算部510に入力され、実際にプライマリプーリを駆動するためのフィードバック量を演算する。具体的には、アップシフト流量制御弁92またはダウンシフト流量制御弁94におけるシフト弁開度についての制御量QSCを演算算出する。そして、この制御量QSCがアップシフトデューティ比演算部514に供給され、ここでアップシフト用電磁弁96におけるオン時のデューティー比が演算算出される。また、制御量QSCがダウンシフト側の場合には、ダウンシフトデューティー比演算部514に制御量QSCが供給され、ここで、ダウンシフト電磁弁94におけるオン時におけるデューティー比が演算算出される。

0050

そして、アップシフトデューティー比演算部512またはダウンシフトデューティー比演算部514からのデューティー比に応じてアップシフト電磁弁96またはダウンシフト電磁弁98の出力制御圧が制御される。そこで、この制御圧によりアップシフト用流量制御弁92またはダウンシフト用流量制御弁94に弁開度が制御され、入力側プーリ60の可動シーブ70の位置が制御され、変速比が決定される。

0051

また、入力軸回転数センサ84からの回転数に応じたパルスは、実入力軸回転数パルス間隔計測部520にも入力され、ここで回転数に対応するパルス間隔が計測される。一方、入力軸上限回転数(NINFAIL)パルス間隔値設定部522では、予め記憶されているマップから、現在の車速に応じた入力軸上限回転数NINFAILに対応したパルス間隔を設定する。そして、実入力軸回転数パルス間隔計測部520からの実入力軸回転数のパルス間隔と、入力軸上限回転数パルス間隔設定部522からの入力軸上限回転数パルス間隔が、入力軸回転数過回転操作量演算部524に入力され、ここで両者が比較され、実入力軸回転数のパルス間隔が入力軸上限回転数パルス間隔値を下回ったかを判定する。そして、この判定結果によって、ダウンシフトの禁止などの処理を行う。

0052

なお、出力側プーリ62について説明は省略したが、可動シーブ74の移動方向が可動シーブ70とは反対方向になるだけで、入力側プーリ60と同様の流体圧の供給制御が行われる。また、上述の記載における流体は通常油であり、油圧制御系が本実施形態の流体圧制御系として採用される。

発明の効果

0053

以上説明したように、本発明によれば、自動変速機の入力軸回転数が所定以上になった場合にダウンシフトを禁止することで、さらなる入力軸回転数の上昇を抑えることができ、エンジンのオーバーランなどを効果的に防止することができる。特に、制御システムのフェイル時などにおいても、この処理により正常状態に復帰することができる。

0054

また、ダウンシフト禁止の代わりにアップシフトすることで、入力軸回転数を速やかに低下させることができる。

0055

また、駆動源の出力トルクを絞ることで、より速やかに入力軸の回転数を低下させることができる。

0056

また、入力軸回転数が所定未満に復帰した場合にダウンシフトの禁止などの処理を中止することで、システムの瞬間的なフェイル等により、制御が乱れた場合において、通常制御に戻ることができる。

図面の簡単な説明

0057

図1全体構成を示す図である。
図2CVTの全体構成を示す図である。
図3流体圧制御回路40の構成を示す図である。
図4制御部5による制御動作を示すフローチャートである。
図5制御領域および上限回転数を示す図である。
図6制御動作を示すフローチャートである。
図7制御部5の構成を示す図である。

--

0058

5 制御部、60入力側プーリ、92アップシフト用流量制御弁、94ダウンシフト用流量制御弁、96 アップシフト用電磁弁、98 ダウンシフト用電磁弁。

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