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技術 ポリスチレンを原料とする廃材の溶解装置、溶解槽の液面調整方法及びポリスチレンを原料とする廃材の投入方法

出願人 三菱重工業株式会社
発明者 吉村敬二竹内善幸小笠原弘明原謙治
出願日 2000年5月19日 (20年7ヶ月経過) 出願番号 2000-148982
公開日 2001年11月27日 (19年0ヶ月経過) 公開番号 2001-329107
状態 特許登録済
技術分野 プラスチック廃棄物の分離・回収・処理 プラスチック廃棄物の分離・回収・処理
主要キーワード 上下方向相対位置 摺動管 溶剤注入 溶剤槽内 部連通管 内部構成部材 液面変化 液面調整
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2001年11月27日)のものです。
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図面 (6)

課題

構造が簡単で優れた作業性や作業効率を有する信頼性の高いポリスチレン原料とする廃材溶解装置の提供を目的とする。

解決手段

ポリスチレンを原料とする廃材5を溶剤3に溶解させて処理するための溶解装置であり、溶剤3を貯留する溶剤槽20と、廃材5を溶剤3に浸漬して溶解させる溶解槽30と、溶剤槽20及び溶解槽30の下部どうしを互いの相対的な上下方向移動を吸収可能に連結した下部連通管40と、溶剤槽20及び溶解槽30の液面を変化させる昇降装置50とを具備して構成した。

概要

背景

たとえば発泡スチロールのようなポリスチレン原料とする素材は、軽量であること、成形性がよいこと、断熱性が良好なこと、安価であることなどの利点を有するため、さまざまな分野で広くしかも大量に使用されている。具体的な使用例としては、生鮮食料品などを搬送する保温保冷容器食料品等販売する際のトレー(いわゆるポリスチレンペーパー)、電化製品などを段ボール収納して梱包する際の緩衝材断熱材などの建材いかだフロートプレジャーボートにおける船体の一部の内部構成部材鋳造模型中子などがある。これらポリスチレンを素材とする製品等は、広範囲にわたり大量に使用されていることから、必然的にその廃棄量も多くなっている。

しかし、ポリスチレンを原料とする素材は、自然の環境条件では化学的に安定しており、また、地上に生息する微生物等によって他の物質に変換されるようなこともない。このため、上述した製品等が廃棄処分されたものや上記製品を製造する過程で生じた端材などのように、ポリスチレンを原料とする廃材を処理することが重要な課題となっている。ポリスチレンを原料とする廃材の処理方法としては、1)物理的に小さく粉砕する方法、2)電気的に溶解する方法、3)焼却する方法、4)溶剤で溶解させる方法などが従来より提案されている。このうち、物理的に粉砕する方法は、廃材ががさばるため、処理場まで収集して搬送するのに多大の費用を要するという問題を有し、電気的に溶解する方法は、溶解処理に時間を要するという問題を有し、焼却する方法は、多量の黒煙を発するなど環境汚染の問題を有している。

このような背景から、ポリスチレンを原料とする廃材を溶剤で溶解させる方法が注目され、たとえば特開平7−62137号公報に示すような溶解装置(図5参照)が提案されている。この溶解装置1は、上方を水層2、下方を溶剤層3とする槽4から成り、蓋体6で上部開口に蓋をするようになっているが、この蓋体6にはエア抜き孔6aが設けられている。この場合の水層2は、塩素系溶剤が使用される溶剤層3の蒸発を防ぐ目的で設けられたものである。そして、槽4の蓋体6の上部にはエアシリンダ7が設けられていて、押さえ板9を介してピストンロッド8でポリスチレン廃材5を押圧し、槽4内の水層2、溶剤層3に強制的に埋没させて溶解させるように構成されている。また、ピストンロッド8の先端部8aと押さえ板9との間には、廃材5に対する押圧動作補助するためのコイルスプリング10が設けられている。なお、図中の符号11は、エアシリンダ7に作動用圧縮空気を供給するコンプレッサを示している。

概要

構造が簡単で優れた作業性や作業効率を有する信頼性の高いポリスチレンを原料とする廃材の溶解装置の提供を目的とする。

ポリスチレンを原料とする廃材5を溶剤3に溶解させて処理するための溶解装置であり、溶剤3を貯留する溶剤槽20と、廃材5を溶剤3に浸漬して溶解させる溶解槽30と、溶剤槽20及び溶解槽30の下部どうしを互いの相対的な上下方向移動を吸収可能に連結した下部連通管40と、溶剤槽20及び溶解槽30の液面を変化させる昇降装置50とを具備して構成した。

目的

本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、構造が簡単で優れた作業性や作業効率を有する信頼性の高いポリスチレンを原料とする廃材の溶解装置、溶解槽の液面調整方法及びポリスチレンを原料とする廃材の投入方法の提供を目的とするものである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ポリスチレン原料とする廃材溶剤に溶解させて処理するるための溶解装置であって、前記溶剤を貯留する溶剤槽と、前記廃材を前記溶剤に浸漬して溶解させる溶解槽と、前記溶剤槽及び前記溶解槽の下部どうしを互いの相対的な上下方向移動を吸収可能に連結した下部連通管と、前記溶剤槽及び前記溶解槽の液面を変化させる上下動手段と、を具備して構成したことを特徴とするポリスチレンを原料とする廃材の溶解装置。

請求項2

前記下部連通管がフレキシブルチューブであることを特徴とする請求項1記載のポリスチレンを原料とする廃材の溶解装置。

請求項3

前記溶剤槽内及び前記溶解槽内溶剤液面上に前記溶剤の溶解度が低い液体よりなるシール層を形成したことを特徴とする請求項1または2記載のポリスチレンを原料とする廃材の溶解装置。

請求項4

前記溶剤槽及び前記溶解槽を密閉し、互いの上部を相対的な上下方向移動を吸収可能な上部連通管により連結したことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のポリスチレンを原料とする廃材の溶解装置。

請求項5

前記溶解槽の上部に前記シール層を形成する液体の貯留部を設けたことを特徴とする請求項4記載のポリスチレンを原料とする廃材の溶解装置。

請求項6

前記上部連通管に流路面積調整手段を設けたことを特徴とする請求項4または5記載のポリスチレンを原料とする廃材の溶解装置。

請求項7

ポリスチレンを原料とする廃材を溶剤に溶解させて処理する溶解槽の液面調整方法であって、溶剤を貯留する溶剤槽と前記溶解槽との下部どうしを互いの相対的な上下方向移動を吸収可能な下部連通管で連結し、前記溶剤槽及び前記溶解槽の少なくとも一方を上下動させて、前記溶解槽の溶剤液面を調整することを特徴とする溶解槽の液面調整方法。

請求項8

溶剤を貯留する溶剤槽と、ポリスチレンを原料とする廃材を溶剤に溶解させて処理する記溶解槽との下部どうしを互いの相対的な上下方向移動を吸収可能な下部連通管で連結し、前記溶剤槽及び前記溶解槽の少なくとも一方を上下動させて、前記溶解槽の溶剤液面を調整するポリスチレンを原料とする廃材を溶剤に溶解させて処理する溶解装置に前記廃材を投入する投入方法であって、前記溶解槽を前記溶剤槽より相対的に高い位置にして溶解槽内の溶剤を溶剤槽側へ移動させる第1の工程と、前記溶解槽内へ前記廃材を投入する第2の工程と、前記溶解槽及び前記溶剤槽の相対的な上下方向位置を変化させて前記溶解槽内に溶剤を充満させる第3の工程と、を具備してなることを特徴とするポリスチレンを原料とする廃材の投入方法。

技術分野

0001

本発明は、たとえば発泡スチロールのようなポリスチレン原料とする廃材溶解装置溶解槽液面調整方法及びポリスチレンを原料とする廃材の投入方法係り、特に、ポリスチレンを原料とする廃材の再生処理に用いて好適な技術に関する。

背景技術

0002

たとえば発泡スチロールのようなポリスチレンを原料とする素材は、軽量であること、成形性がよいこと、断熱性が良好なこと、安価であることなどの利点を有するため、さまざまな分野で広くしかも大量に使用されている。具体的な使用例としては、生鮮食料品などを搬送する保温保冷容器食料品等販売する際のトレー(いわゆるポリスチレンペーパー)、電化製品などを段ボール収納して梱包する際の緩衝材断熱材などの建材いかだフロートプレジャーボートにおける船体の一部の内部構成部材鋳造模型中子などがある。これらポリスチレンを素材とする製品等は、広範囲にわたり大量に使用されていることから、必然的にその廃棄量も多くなっている。

0003

しかし、ポリスチレンを原料とする素材は、自然の環境条件では化学的に安定しており、また、地上に生息する微生物等によって他の物質に変換されるようなこともない。このため、上述した製品等が廃棄処分されたものや上記製品を製造する過程で生じた端材などのように、ポリスチレンを原料とする廃材を処理することが重要な課題となっている。ポリスチレンを原料とする廃材の処理方法としては、1)物理的に小さく粉砕する方法、2)電気的に溶解する方法、3)焼却する方法、4)溶剤で溶解させる方法などが従来より提案されている。このうち、物理的に粉砕する方法は、廃材ががさばるため、処理場まで収集して搬送するのに多大の費用を要するという問題を有し、電気的に溶解する方法は、溶解処理に時間を要するという問題を有し、焼却する方法は、多量の黒煙を発するなど環境汚染の問題を有している。

0004

このような背景から、ポリスチレンを原料とする廃材を溶剤で溶解させる方法が注目され、たとえば特開平7−62137号公報に示すような溶解装置(図5参照)が提案されている。この溶解装置1は、上方を水層2、下方を溶剤層3とする槽4から成り、蓋体6で上部開口に蓋をするようになっているが、この蓋体6にはエア抜き孔6aが設けられている。この場合の水層2は、塩素系溶剤が使用される溶剤層3の蒸発を防ぐ目的で設けられたものである。そして、槽4の蓋体6の上部にはエアシリンダ7が設けられていて、押さえ板9を介してピストンロッド8でポリスチレン廃材5を押圧し、槽4内の水層2、溶剤層3に強制的に埋没させて溶解させるように構成されている。また、ピストンロッド8の先端部8aと押さえ板9との間には、廃材5に対する押圧動作補助するためのコイルスプリング10が設けられている。なお、図中の符号11は、エアシリンダ7に作動用圧縮空気を供給するコンプレッサを示している。

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、上記のような溶解装置1においては、ポリスチレン廃材5を強制的に溶剤層3内へ埋没させる必要があるため、蓋6の上部に設けられたエアシリンダ7のロッド8が蓋6を貫通して摺動するように構成されている。また、溶解処理するポリスチレン廃材5は水層2及び溶剤層3内へ直接投入されることになるため、その投入速度を上げるとポリスチレン廃材5内から大量の気泡が発生することになる。

0006

このため、水に不溶なことに加えて、高い粘性を有し接着剤としての活用も可能なポリスチレン溶解液が気泡と共に水層2を通過して摺動部に付着する可能性が高くなるので、ロッド8の円滑な摺動が妨げられ、頻繁なメンテナンスが必要となるおそれがある。また、ポリスチレン廃材5の投入速度を遅くすると気泡の発生は少なくなり、溶解ポリスチレンが摺動部に付着する可能性も低下するが、同時に作業効率も低下するという問題が生じてくる。なお、ポリスチレン廃材5は水に浮くため、水層2の上部に大きな空間を設けておかないと1回当たりの投入量が制限され、この点でも作業効率を低下させることになる。

0007

さらに、上述した従来装置では、槽4内に溶剤層3を形成する溶剤や水層2の水を注入したり、あるいは、ポリスチレン廃材5を沿う内へ投入する際には、蓋6及びその上部に設けられたエアシリンダ7等よりなる押込装置を取り外す必要があり、また、槽4を大型化して処理能力を上げると溶剤を注入するのにポンプが必要になるなど、作業が繁雑になるという問題も有している。

0008

本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、構造が簡単で優れた作業性や作業効率を有する信頼性の高いポリスチレンを原料とする廃材の溶解装置、溶解槽の液面調整方法及びポリスチレンを原料とする廃材の投入方法の提供を目的とするものである。

課題を解決するための手段

0009

本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。請求項1に記載の発明は、ポリスチレンを原料とする廃材を溶剤に溶解させて処理するための溶解装置であって、前記溶剤を貯留する溶剤槽と、前記廃材を前記溶剤に浸漬して溶解させる溶解槽と、前記溶剤槽及び前記溶解槽の下部どうしを互いの相対的な上下方向移動を吸収可能に連結した下部連通管と、前記溶剤槽及び前記溶解槽の液面を変化させる上下動手段と、を具備して構成したことを特徴としている。この場合の上下動手段は、溶剤槽のみを上下動させるもの、溶解槽のみを上下動させるもの、あるいは、溶剤槽及び溶解槽の両方を上下動させるものの何れであっても良い。

0010

このような請求項1記載の発明によれば、上下動手段によって溶剤槽及び溶解槽の上下方向相対位置を変化させて溶剤の液面を調整することが可能になり、溶解槽に溶剤のない状態で投入した廃材を、溶剤の液面を変化させて充満した溶剤内に浸漬し溶解させることができる。このため、廃材を押し付けて強制的に溶剤内へ浸漬させるような手段を設ける必要はない。

0011

請求項1記載の発明においては、前記下部連通管をフレキシブルチューブとするのが好ましく、これにより信頼性の高い装置を提供できる。また、上記の発明においては、前記溶剤槽内及び前記溶解槽内溶剤液面上には、前記溶剤の溶解度が低い液体よりなるシール層を形成するとよく、これにより溶剤が蒸発して流出するのを防止できる。この場合のシール層としては、たとえば水やパラフィンなどのように溶剤が溶けにくく、しかも、溶剤より比重の小さい液体が好適である。特に、水によるシール層は、経済性や安全性の面で有利である。

0012

そして、上記の発明においては、前記溶剤槽及び前記溶解槽を密閉し、互いの上部を相対的な上下方向移動を吸収可能な上部連通管により連結するのが好ましく、これにより、廃材を溶解中にシール層を通過した少量の溶剤が大気に流出するのを防止できる。この場合、前記溶解槽の上部に前記シール層を形成する液体の貯留部を設けるとよく、これにより、溶解槽においてシール層を形成する液体が溶剤槽側へ流出するのを防止できる。さらに、前記上部連通管に流路面積調整手段を設けておくことにより、液面調整に伴う空気の流れを調整でき、従って、昇降装置側とは別に液面変化速度の調整が可能になる。

0013

請求項7記載の発明は、ポリスチレンを原料とする廃材を溶剤に溶解させて処理する溶解槽の液面調整方法であって、溶剤を貯留する溶剤槽と前記溶解槽との下部どうしを互いの相対的な上下方向移動を吸収可能な下部連通管で連結し、前記溶剤槽及び前記溶解槽の少なくとも一方を上下動させて、前記溶解槽の溶剤液面を調整することを特徴としている。

0014

このような請求項7記載の発明によれば、溶解槽の位置を相対的に高くして溶剤槽側へ溶剤を移動させた状態から、溶剤槽の液面と溶解槽の上端面とをほぼ一致させて溶解槽内に溶剤を満たした状態まで、溶剤の液面を容易に調節することができる。

0015

請求項8記載の発明は、溶剤を貯留する溶剤槽と、ポリスチレンを原料とする廃材を溶剤に溶解させて処理する記溶解槽との下部どうしを互いの相対的な上下方向移動を吸収可能な下部連通管で連結し、前記溶剤槽及び前記溶解槽の少なくとも一方を上下動させて、前記溶解槽の溶剤液面を調整するポリスチレンを原料とする廃材を溶剤に溶解させて処理する溶解装置に前記廃材を投入する投入方法であって、前記溶解槽を前記溶剤槽より相対的に高い位置にして溶解槽内の溶剤を溶剤槽側へ移動させる第1の工程と、前記溶解槽内へ前記廃材を投入する第2の工程と、前記溶解槽及び前記溶剤槽の相対的な上下方向位置を変化させて前記溶解槽内に溶剤を充満させる第3の工程と、を具備してなることを特徴としている。

0016

このような請求項8記載の発明によれば、溶解槽内の溶剤液面を容易に調節できるので、溶解槽内に溶剤が存在しない状態にして廃材を投入した後、溶剤の液面を調節して溶解槽内に溶剤を充満させ、投入した廃材を浸漬させて溶解することが可能になる。このため、廃材を押し付けて強制的に浸漬させるような手段を設ける必要がない。

発明を実施するための最良の形態

0017

以下、本発明によるポリスチレンを原料とする廃材の溶解装置(以後溶解装置と呼ぶ)に係る一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態では、ポリスチレンを原料とする廃材が発泡スチロールの廃材(以後廃材と呼ぶ)であるものとして説明するとともに、図5に示した従来例と同一部材には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。図1に示す溶解装置Dは、溶剤3を貯留する溶剤槽20と、廃材5を溶剤3に浸漬して溶解させる溶解槽30と、溶剤槽20及び溶解槽30の下部どうしを互いに連結する下部連結管40と、溶剤槽30を上下動させる昇降装置(上下動手段)50とを具備して構成される。また、溶剤槽20及び溶解槽30内では、溶剤3の液面上に水2によるシール層が形成されている。このシール層は、溶剤3の蒸発を抑制する目的で設けられたものであり、このシール層を形成する液体には、溶剤3が溶けにくく、しかも溶剤3より比重の小さい液体を採用することになるが、コスト的に有利な水2だけでなく、パラフィンなども適用可能である。

0018

溶剤槽20は、容器本体21の上部が全面にわたって開口する溶剤注入口22を備え、底面23には下部連通管40の一端が連結された溶剤連通口24が設けられている。また、溶剤注入口22には上蓋25が着脱可能に取り付けられ、容器本体21の上部フランジ面26と上蓋25との間には、溶剤3に強い材料よりなる適当なシール部材(図示省略)を介在させて密閉してある。なお、上蓋25の中央付近には、上部開口25aが設けられている。

0019

溶解槽30は、容器本体31の上部が全面にわたって開口する廃材投入口32を備え、底面33には下部連結管40の他端が連結された溶剤連通口34と、後述する廃材5の溶解液を排出する溶解液出口35とが設けられている。また、廃材投入口32には上蓋36が着脱可能に取り付けられ、容器本体31の上部フランジ面37と上蓋36との間には、溶剤槽20と同様に、溶剤3に強い材料よりなる適当なシール部材(図示省略)を介在させて密閉してある。なお、上蓋36の中央付近には適当な容積の貯留部38に連通する上部開口36aが設けられ、また、溶解液出口35には開度調整可能な開閉弁39aを備えた回収管39が連結されている。

0020

上述した溶剤槽20は、その底面23が昇降装置50の支持部51上に設置されている。この支持部51は、上下方向に昇降する複数のスライドシャフト52の上端部に支持され、同スライドシャフト52の下端部側は、図示省略の駆動機構を備えた昇降駆動部53に連結されている。この結果、溶剤槽20は、駆動機構を作動させることにより、スライドシャフト52及び支持部51と一体的に上下方向へ昇降可能となっている。

0021

このように、溶剤槽20を昇降装置50により昇降させるようにすれば、溶剤槽20の溶剤連通口24と溶解槽30の溶剤連通口34とを連結する下部連通管40にこの上下動を吸収させる必要がある。そこで、本発明では、下部連通管40として、U字状のフレキシブルチューブを採用している。この場合のフレキシブルチューブは、溶剤3の溶解力に耐えるよう適当な素材を選択したもの、あるいは、適当なコーティングを施したものを使用するのが好ましい。なお、下部連通管40としては、フレキシブルチューブに限定されることはなく、たとえば適当なシールを施して異径管を嵌合させた摺動管のように、液体が漏れることなく上下方向の移動を吸収できるものであればよい。

0022

一方、溶剤槽20の上部開口25aと溶解槽30の上部開口36aとは、下部連通管40と同様に上下動を吸収しうるフレキシブルチューブのような上部連通管41により連結さている。この結果、溶剤槽20の空気層と溶解槽30の空気層とが上部連通管41により連結されることになる。なお、図中の符号42は、上部連通管41の流路面積を可変とする開閉弁(流路面積調整手段)であり、流路面積が最大となる全開位置から上部連通管41の流路を閉じる全閉位置まで調整可能である。

0023

さて、上述した構成の溶解装置Dについてその操作手順を説明すると、最初に溶剤槽20へ所定量の溶剤3を注入する。ここで使用する溶剤3としては、たとえば塩化メチレンなど危険物第4類第3石油類相当品(比重が約1.4)が好適である。なお、以後の操作では、回収管39の開閉弁39aは閉じた状態にしておく。溶剤3を注入する際には、昇降装置50を作動させて溶剤槽20を最も低い位置まで下げておき、上蓋25を取り外してから容器本体21内へ注入する。このため、ポンプなどを用いて溶剤3を送出しなくても容易に注入することができ、作業性の面で極めて有利になる。この後、水2を同様に注入して溶剤3の液面上にシール層を形成し、上蓋25を閉じる。また、溶解槽30側にも水2を注入して、溶剤3の液面上にシール層が形成されるようにしておく。

0024

この結果、図2(a)に示す液面が廃材投入位置にある状態のように、溶剤槽20は水2及び溶剤3でほぼ満杯になり、溶解槽30においては溶剤が下部連通管40側へ移動し、その上部に水2によるシール層が形成された状態になる。この場合、溶解槽30においては、水2の液面が下部連通管40内にあるのが好ましい。この状態で溶解槽30の上蓋36を開き、廃材投入口32から容器本体31内へ廃材5を投入すると、容器本体31内に液体が存在しないため比重の小さい廃材5が浮き上がるようなことはなく、従って、容器本体31の容積を有効に利用して大量の廃材5を投入することが可能になる。また、廃材投入時において投入した廃材5が溶剤3に接触して溶解することはないので、気泡が発生するようなことはなく、従って、大量の廃材5を一気に投入することが可能である。なお、所定量の廃材5を投入した後には上蓋36を閉じる。

0025

こうして廃材5の溶解準備が完了すると、昇降措置50を作動させて、固定されている溶解槽30より相対的に高い位置まで溶剤槽20を上昇させる。この結果、図2(b)に示す液面が溶解位置にある状態のように、溶剤槽20内に満たされていた溶剤3が下部連通管40を通って溶解槽30側へ移動し、溶解槽30の容器本体31では液面が上昇する。この場合、シール層を形成している水2の全量が貯留部38内まで上昇し、溶剤3の液面が上蓋36に接触するまで、あるいは、若干の溶剤3が貯留部38に入り込む程度まで、溶剤槽20を上昇させればよい。従って、貯留部38には、このようなシール層の水2を十分に貯留できる容量を持たせておくのが好ましい。

0026

この時、溶解槽30内の空気は上部連通管41を通って溶剤槽20側へ移動するが、開閉弁42の開度を調整することにより、昇降装置50の昇降速度と比較した液面変化速度を抑制することが可能である。従って、昇降装置50の昇降速度が比較的遅い場合などは、開閉弁42を設けなくてすむこともある。

0027

ところで、図示の例では、溶剤層20及び溶解槽30内における溶剤3の液面上に水2によるシール層を形成して溶剤の蒸発を防止し、また、溶剤層20及び溶解槽30を共に密閉して上部連通管41を設け、これによりシール層の水2に解けたごく少量の溶剤3が大気に放出されることをも防止している。しかし、溶解装置D全体を密閉空間に設置するなどして蒸発した溶剤3を回収できるようにしたり、あるいは、水2に解けたごく少量の溶剤3が大気に放出されるのを容認するのであれば、溶剤2の上に形成している水3のシール層を省略したり、あるいは、シール層の上部を大気に開放する構成とすることも可能である。また、上部連通管41に十分な長さを与えることで、すなわち、溶解槽30側の水2が溶剤槽20側へ流出しないよう十分な容積を得られる長さを与えることで、貯留部38を廃止することも可能である。

0028

上述したように、溶解槽30内が溶剤3で満たされると、投入された廃材5は上蓋36に浮上を阻止されて溶剤3に浸漬される。こうして廃材5が溶剤3に浸漬されると、廃材5は溶剤3に短時間で解けて溶解液となり、この溶解液は、開閉弁39aを開くことで、溶解槽30の溶解液出口35から回収管39へ流出する。なお、回収管39を通って回収された溶解液は、以後適当な方法及び装置によって処理される。

0029

図3は、上述した溶解装置Dから回収した溶解液の処理例を示している。この処理例では、回収管39に導かれた溶解液61が回収装置Rへ導かれ、ポリスチレン62と溶剤蒸気3aとに分離される。この回収装置Rでは、溶解液61をベルトコンベア63上に落下させ、最初に加熱装置64を通過させて加熱する。この結果、溶剤蒸気3aが溶解液61から気化分離される。この後、残った粘性の強いポリスチレン溶液62aをベルトコンベア63で搬送し、冷却槽65を通過させて冷却する。こうして固化したポリスチレン62は、スクレーパ66によってベルトコンベア63から除去され、所定の貯留容器67に落下して貯蔵される。

0030

また、回収装置Rの上部には蒸気管68を介して水槽69が接続され、ベルトコンベア63上で気化分離させた溶剤蒸気3aをコンプレッサ70で吸引して水槽69へ移送する。水2を貯留した水槽69の底部には、溶剤蒸気3aの気泡を発生させる微細な孔が多数形成された気泡微細器71を設けてある。気泡微細器71から流出される溶剤蒸気3aは微細な気泡3bとなり、水槽69中において上昇する過程でバブリングによって冷却され、水槽69の底部に回収溶剤3cとして沈下し回収されるように構成されている。なお、水槽69の天井部には、水槽69内に溜まる溶剤臭気を抜き出すため、溶剤臭気吸着塔72が配設されている。このようにして、溶剤蒸気3aを水槽69でバブリングさせて液化し溶剤3を回収することができるので、使用する溶剤のほとんどを回収して再利用することができる。

0031

なお、上述した溶解装置Dから回収した溶解液61は、図3に示す回収装置Rに供給して連続的に処理する他にも、たとえば適当な密閉容器封入するなどして回収処理装置まで移送することも可能である。

0032

これまで説明した実施形態では、昇降装置50により溶剤槽20を昇降させるものであったが、図4に示す他の実施形態のように、溶剤槽20を所定位置に固定とし、溶解槽30を昇降させて相対的な液面を調整してもよい。この場合には、溶剤槽20に溶剤2等を注入する際に溶解槽30を上昇させて相対的な位置を高くし、廃材5を溶剤3に浸漬させる際に溶解槽30を下降させればよい。また、溶剤槽20及び溶解槽30の両方に昇降装置50を設けてもよく、これにより、液面調整の速度を増したり、広範囲にわたる液面調整が可能になるなどのメリットが生じる。

0033

以上説明したように、本発明の溶解装置Dによれば、昇降装置50を作動させて液面を調整する方法を採用した装置構成としたので、溶剤3の液面を容易に調整して、廃材投入位置と溶解位置との液面切換を実施することができる。この結果、溶解位置では、溶解槽30内において廃材5が溶剤2中に全体を浸漬されて溶解・減容されるので、簡単な装置構成で減容効果が大きく、廃材5の溶解操作単純化できる。特に、溶解槽30を溶剤槽20より相対的に高い位置にして溶解槽30内の溶剤を溶剤槽20側へ移動させる第1の工程と、溶解槽30内へ廃材5を投入する第2の工程と、溶解槽30及び溶剤槽20の相対的な上下方向位置を変化させて溶解槽30内に溶剤3を充満させる第3の工程とを経る廃材の投入方法を採用した装置構成としたので、容器本体31内に溶剤3が存在しない状態にして、溶解槽30に廃材5を大量に投入することができるようになり、従って、投入時に溶解して発泡するのを防止でき、発泡と共に溶解液が飛散して手動部等に付着するようなこともなく、作業を効率よく実施することができる。なお、回収したポリスチレンは化学的変化がなく、従って、再生資源として活用できる。

発明の効果

0034

以上述べたように、請求項1に記載した本発明の溶解装置によれば、上下動手段によって溶剤槽及び溶解槽の上下方向相対位置を変化させて溶剤の液面を調整することが可能になり、溶解槽に溶剤のない状態で投入した廃材を、溶剤の液面を変化させて充満した溶剤内に浸漬し溶解させることができる。このため、廃材を押し付けて強制的に溶剤内へ浸漬させるような手段を設ける必要はなく、簡単な装置構成として短時間での溶解が可能となる。なお、連通管をフレキシブルチューブとすることで、上下方向の変化に対して信頼性の高い装置を提供できる。

0035

また、溶剤槽内及び溶解槽内の溶剤液面上に、たとえば水やパラフィンなどのように溶剤が溶けにくく、しかも、溶剤より比重の小さい液体よりなるシール層を形成したことにより、溶剤が蒸発して流出するのを防止でき、特に、水によるシール層は、経済性や安全性の面で有利である。

0036

そして、溶剤槽及び溶解槽を密閉し、互いの上部を相対的な上下方向移動を吸収可能な上部連通管により連結したので、廃材を溶解中にシール層を通過した少量の溶剤が大気に流出するのを防止できる。なお、溶解槽の上部にシール層を形成する液体の貯留部を設けておくことにより、溶解槽においてシール層を形成する液体が溶剤槽側へ流出するのを防止できる。

0037

請求項7に記載した本発明の溶解槽の液面調整方法によれば、溶剤を貯留する溶剤槽と溶解槽との下部どうしを互いの相対的な上下方向移動を吸収可能な下部連通管で連結し、前記溶剤槽及び前記溶解槽の少なくとも一方を上下動させて、前記溶解槽の溶剤液面を調整するようにしたので、溶解槽の位置を相対的に高くして溶剤槽側へ溶剤を移動させた状態から、溶剤槽の液面と溶解槽の上端面とをほぼ一致させて溶解槽内に溶剤を満たした状態まで、溶剤の液面を容易に調節することができる。

0038

請求項8に記載した本発明のポリスチレンを原料とする廃材の投入方法によれば、溶解槽を溶剤槽より相対的に高い位置にして溶解槽内の溶剤を溶剤槽側へ移動させる第1の工程と、溶解槽内へ廃材を投入する第2の工程と、溶解槽及び溶剤槽の相対的な上下方向位置を変化させて溶解槽内に溶剤を充満させる第3の工程とを具備しているので、溶解槽内の溶剤液面を容易に調節できる、従って、溶解槽内に溶剤が存在しない状態にして廃材を投入した後、溶剤の液面を調節して溶解槽内に溶剤を充満させ、投入した廃材を浸漬させて溶解することが可能になる。このため、廃材を押し付けて強制的に浸漬させるような手段を設ける必要がない。

図面の簡単な説明

0039

図1本発明によるポリスチレンを原料とする廃材の溶解装置の一実施形態を示す構成概念図である。
図2図1に示す溶解装置の液面調整方法を示す説明図で、(a)は液面が廃材投入位置にある状態、(b)は液面が廃材を浸漬して溶解させる溶解位置にある状態である。
図3図1に示す溶解装置で回収した溶解液の処理例を示す概念図である。
図4本発明によるポリスチレンを原料とする廃材の溶解装置の他の実施形態を示す構成概念図である。
図5従来のポリスチレンを原料とする廃材の溶解装置の構成例を示す概念図である。

--

0040

2 水(シール層)
3溶剤
5廃材
20溶剤槽
22溶剤注入口
24,34 溶剤連通口
25,36上蓋
30溶解槽
32廃材投入口
35溶解液出口
38貯留部
39回収管
40 下部連通管
41 上部連通管
50昇降装置(上下動手段)

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