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技術 聴診システム及びプログラムを記録した機械読み取り可能な媒体

出願人 医療法人鉄蕉会
発明者 小野沢滋高梨賢
出願日 2000年5月19日 (20年6ヶ月経過) 出願番号 2000-147266
公開日 2001年11月27日 (18年11ヶ月経過) 公開番号 2001-327488
状態 特許登録済
技術分野 医療・福祉事務 聴診機器 音声の分析・合成
主要キーワード 擬似映像 ポータブル式 モード選択動作 モバイル式 対応表データ 剛性チューブ 静電スイッチ 波形表示モード
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2001年11月27日)のものです。
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図面 (18)

課題

高い信頼性を持って患者表面の適所対応付け聴診音を記録可能としつつ記録作業及び再生作業を容易ならしめる。

解決手段

第1ユニット(1001)は、聴診音信号を出力する電気聴診器(10)と、これにより連続して採取された聴診音信号を一つのファイルとして記録し、一つのファイルに対し患者表面における各適所を示す適所識別データを付加するコンピュータ(1006)とを備える。第2ユニット(1002)は、第1ユニットと通信手段を介して接続され、聴診音信号を再生するコンピュータ(2006)と、適所識別データを所定フォーマットで表示する表示装置2006aと、この表示に合わせて聴診音信号を音声出力するヘッドホーン(2004)とを備える。

概要

背景

伝統的な聴診器は、例えば身体表面適所から発せられる聴診音を受信する受信面を備えたステート部と、これに接続されており聴診音を音波として伝達する中空チューブと、通常両耳用に2つに分岐した後に該チューブの先端に取り付けられたイヤーチップとから構成されている。最近は、例えば特表平08−506495号公報に開示されているように、マイクロホンが、ステート部に内蔵されていたり又はチューブの先端に接続されており、マイクロホンで拾った聴診音をスピーカイヤホンを通して出力するように構成された電気聴診器も開発されている。

更に近年における通信手段の発展に伴って、この種の電気聴診器で記録された電気信号を通信手段を介して送信するという技術も提案されている。例えば、特開平06−47005号公報には、電気聴診器で計測した聴診音を家庭内端末装置で電気信号に変換して病院へ送信するという技術が開示されている。特に、既存技術の範囲内でサンプリング周波数を高め且つ記録帯域を広げることにより、聴診音を生で聞くのと同程度の音質再生することも可能であり、再生音を聴診音として聞けば十分に聴診を行えると考えられている。そして、このように聴診音を記録再生することは、聴診音を非リアルタイムで或いは遠隔地医師可聴可能となるため、看護婦介護者を介しての在宅診療に特に有効であると考えられる。

概要

高い信頼性を持って患者表面の適所に対応付けて聴診音を記録可能としつつ記録作業及び再生作業を容易ならしめる。

第1ユニット(1001)は、聴診音信号を出力する電気聴診器(10)と、これにより連続して採取された聴診音信号を一つのファイルとして記録し、一つのファイルに対し患者表面における各適所を示す適所識別データを付加するコンピュータ(1006)とを備える。第2ユニット(1002)は、第1ユニットと通信手段を介して接続され、聴診音信号を再生するコンピュータ(2006)と、適所識別データを所定フォーマットで表示する表示装置2006aと、この表示に合わせて聴診音信号を音声出力するヘッドホーン(2004)とを備える。

目的

本発明は上述した問題点に鑑みなされたものであり、聴診音を高信頼性で記録可能であり記録作業及び再生作業を容易ならしめる聴診システム及びコンピュータをこのような聴診システムの記録手段や再生手段として機能させるプログラムを記録した機械読み取り可能な媒体を提供することを課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
4件
牽制数
4件

この技術が所属する分野

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請求項1

聴診音採取して聴診音信号を出力する聴診手段と、該聴診音の記録の開始及び終了を制御するオンオフスイッチと、前記聴診手段により前記オンオフスイッチによる記録の開始から終了までの間連続して採取された前記聴診音に対応する前記聴診音信号を一つのファイルとして記録し、前記一つのファイルに対し患者表面における予め設定された各適所を示す適所識別データを付加し、一人の患者についての複数の適所に対応する複数のファイルを一つのファイルグループとして記録する記録手段とを備えたことを特徴とする聴診システム

請求項2

前記一つのファイルグループに係る聴診音信号の記録の開始から終了までの間に記録された複数のファイルの数と、一人の患者について予め設定された複数の適所の数とが一致しない場合に警告を発する警告手段とを更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の聴診システム。

請求項3

前記各適所を含む患者疑似映像上における前記各適所に対応する位置に適所マーク所定フォーマットで表示する第1表示手段と、前記オンオフスイッチによる記録の開始前、記録の開始後又は記録の終了後に、前記患者疑似映像上で任意の適所マークを指定可能な記録個所指定手段とを更に備えており、前記記録手段は前記記録個所指定手段により指定された適所マークに応じて前記適所識別データを付加することを特徴とする請求項1又は2に記載の聴診システム。

請求項4

前記各適所を含む患者疑似映像上における前記各適所に対応する位置に適所マークを所定フォーマットで表示する第1表示手段と、前記一つのファイルグループに係る聴診音信号の記録が終了した際に、前記患者疑似映像上で採取した順に複数の適所マークを指定可能な記録個所及び順序指定手段とを更に備えており、前記記録手段は、前記一つのファイルグループに対し、前記記録個所及び順序指定手段により指定された適所マーク及び指定順序を示す記録個所及び順序データを付加することを特徴とする請求項1に記載の聴診システム。

請求項5

前記一人の患者についての聴診音信号の記録の開始から終了までの間に記録された複数のファイルの数と、前記記録個所及び順序指定手段により指定された適所マークの数とが一致しない場合に警告を発する警告手段を更に備えたことを特徴とする請求項4に記載の聴診システム。

請求項6

一人の患者の複数の適所における聴診音を所定順序で記録する順次採取モード及び任意の適所における聴診音を記録する任意採取モードを選択的に指定するモード指定装置を更に備えており、前記記録手段は、前記モード指定手段により指定されたモードに従って記録することを特徴とする請求項1に記載の聴診システム。

請求項7

前記各適所を含む患者疑似映像上における前記各適所に対応する位置に適所マークを所定フォーマットで表示する第1表示手段を更に備えたことを特徴とする請求項1、2及び6のいずれか一項に記載の聴診システム。

請求項8

前記記録手段による記録の際に、前記第1表示手段は、前記適所マークのうち現在記録されている聴診音に対応するものを、ハイライト表示するか或いは現在記録されている聴診音に対応する適所識別データを所定欄に表示することを特徴とする請求項7に記載の聴診システム。

請求項9

前記記録手段は、前記一つのファイルグループに対し、記録に係る日時を示す日時データ及び患者を識別する患者データを付加することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の聴診システム。

請求項10

前記ファイルグループを送信する送信手段と、前記送信されたファイルグループを受信する受信手段と、前記受信されたファイルグループ内でグループ毎に記録された聴診音信号を各ファイルに対し付加された適所識別データに基づいて前記各適所に対応付け再生する再生手段とを更に備えており、前記聴診手段、前記オンオフスイッチ、前記記録手段及び前記送信手段は、第1聴診ユニットに設けられており、前記受信手段及び前記再生手段は、前記第1聴診ユニットに通信手段を介して接続される第2聴診ユニットに設けられていることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の聴診システム。

請求項11

前記再生手段は、前記各適所を含む患者疑似映像上における前記各適所に対応する位置に適所マークを表示する第2表示手段と、前記聴診音信号を音声出力する音声出力手段とを含むことを特徴とする請求項10に記載の聴診システム。

請求項12

前記音声出力手段による音声出力の際に、前記第2表示手段は、前記適所マークのうち現在音声出力されている聴診音に対応するものをハイライト表示するか或いは現在音声出力されている聴診音に対応する適所識別データを所定欄に表示することを特徴とする請求項11に記載の聴診システム。

請求項13

前記第2表示手段は、前記患者疑似映像上に重ねて又は前記患者疑似映像の脇に、前記聴診音の波形画像表示することを特徴とする請求項11又は12に記載の聴診システム。

請求項14

前記第2表示手段は、前記適所マークのうち現在波形が画像表示されている聴診音に対応するものをハイライト表示するか或いは現在波形が画像表示されている聴診音に対応する適所識別データを所定欄に表示することを特徴とする請求項13に記載の聴診システム。

請求項15

コンピュータを請求項1から9のいずれか一項に記載の聴診システムにおける記録手段として機能させるプログラムを記録した機械読み取り可能な媒体

請求項16

コンピュータを請求項10から14のいずれか一項に記載の聴診システムにおける再生手段として機能させるプログラムを記録した機械読み取り可能な媒体。

技術分野

0001

本発明は、呼吸音心音などの聴診音音声信号波形信号として記録したり、再生したり、送信したりすることが可能な聴診システム及びコンピュータをこのようなシステムの一部として機能させるプログラムを記録した機械読み取り可能な媒体の技術分野に属する。

背景技術

0002

伝統的な聴診器は、例えば身体表面適所から発せられる聴診音を受信する受信面を備えたステート部と、これに接続されており聴診音を音波として伝達する中空チューブと、通常両耳用に2つに分岐した後に該チューブの先端に取り付けられたイヤーチップとから構成されている。最近は、例えば特表平08−506495号公報に開示されているように、マイクロホンが、ステート部に内蔵されていたり又はチューブの先端に接続されており、マイクロホンで拾った聴診音をスピーカイヤホンを通して出力するように構成された電気聴診器も開発されている。

0003

更に近年における通信手段の発展に伴って、この種の電気聴診器で記録された電気信号を通信手段を介して送信するという技術も提案されている。例えば、特開平06−47005号公報には、電気聴診器で計測した聴診音を家庭内端末装置で電気信号に変換して病院へ送信するという技術が開示されている。特に、既存技術の範囲内でサンプリング周波数を高め且つ記録帯域を広げることにより、聴診音を生で聞くのと同程度の音質で再生することも可能であり、再生音を聴診音として聞けば十分に聴診を行えると考えられている。そして、このように聴診音を記録再生することは、聴診音を非リアルタイムで或いは遠隔地医師可聴可能となるため、看護婦介護者を介しての在宅診療に特に有効であると考えられる。

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、本願発明者らによる熱心な医療現場における研究や実験によれば、医師等の実際に聴診を行う者と看護婦、介護者等の聴診音を記録する者とが別々に分かれると、記録作業及び再生作業の煩雑化により、一医療行為として行えるような信頼性の高い聴診を行うことと、医療経済要請に沿うような効率的で人手の係らない作業を行うこととを両立させるのが極めて困難になると考えられる。

0005

即ち、従来の聴診器や電気聴診器の別を問わずに聴診のためには患者表面におけるどの適所(例えば、通常は数箇所から十数箇所程度の複数箇所)に聴診器を当てるかが基本的に重要であるので、聴診音を記録して後に再生して聴診を行う為には、記録時には、患者表面における各適所を探し出す技能と、探し出した適所において記録を開始し終了することと、更にその再生の際にどの適所についての聴診音であるのかを特定可能なように記録することが極めて重要となる。そして、更に再生時には、実際にどの適所についての聴診音であるかを特定しながら聞くことが極めて重要となる。

0006

このため、生の聴診音で聴診する場合に熟練した医師等が複数の個所一連の流れの中で短時間で聴診してしまうのに対し、聴診音を記録する場合には、一方の手で患者等を抱きかかえ且つ他方の手で聴診器を身体表面の適所に探し出し、この状態で記録装置における録音スイッチを操作し更にスイッチを切る毎にどの適所における記録が取れたのかをラベルする作業(各個所を示すヘッダ情報を入力したり、記録上のトラック番号に対応する個所を別途ノートに書き留める等の作業)を行うことが必要となる。しかしながら、これらの作業は看護婦等にとって極めて困難な作業となる。仮に録音スイッチを入れっぱなしにしても高音質で記録自体は可能であるが、適所を探している間の聴診音も録音されてしまうため、録音後に記録に対して適切にラベルを付けるのは困難となると共に、これを再生して医師が可聴しても、どの部分が適所における聴診音なのかを判定することは殆ど不可能になってしまうのである。

0007

このように電気聴診器によれば、各適所における記録の度にラベルする作業が発生すること等に加えて、再生される聴診音がどの個所で記録されたものであるかをラベルに従ってチェックしながら一連の聴診音を聞いていく必要がある。この結果、記録作業だけでなく再生作業も複雑化してしまう。そして、このような複雑な記録及び再生作業を経て、どの適所における記録であるかと実際に再生した音とが1個所でもずれると、聴診結果の精度は格段に落ちてしまう。しかも、ずれたこと自体が判明しないので結局、人命に係る一医療行為として十分なレベルの信頼性を持って聴診を行うことができないという致命的な問題点がある。

0008

特に聴診音を記録する際に無理に録音スイッチのオンオフ操作及びラベル作業等を行おうとすれば、患者や要介護者転倒する危険性が高く、加えて看護婦等が無理な姿勢による作業で負傷する危険性も極めて高くなってしまう。特に看護婦、介護者等が一人で聴診音の記録を行おうとすれば、聴診器を持つこと、患者を抱えつつ聴診器を持って適所を探す作業に加えて、聴診器の位置を変える度に録音スイッチをオンオフする作業及びラベルする作業も行わねばならない。このため、一人では、聴診音を記録する際の作業効率一段と低下し、同時に記録の精度が落ちることは明らかである。これに対し、看護婦や介護者が2人或いは3人一組となって聴診音の録音作業を行うことも考えられる。しかしこれでは、経済的に或いは現実に実行可能な看護介護制度を作ろうという近時の医療分野における基本的要請に全く沿うことはできず、非効率な看護や介護のしわ寄せで、一部の人命が尊重されない結果を招くという致命的な問題点が生じてしまう。

0009

本発明は上述した問題点に鑑みなされたものであり、聴診音を高信頼性で記録可能であり記録作業及び再生作業を容易ならしめる聴診システム及びコンピュータをこのような聴診システムの記録手段や再生手段として機能させるプログラムを記録した機械読み取り可能な媒体を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明の聴診システムは上記課題を解決するために、聴診音を採取して聴診音信号を出力する聴診手段と、該聴診音の記録の開始及び終了を制御するオンオフスイッチと、前記聴診手段により前記オンオフスイッチによる記録の開始から終了までの間連続して採取された前記聴診音に対応する前記聴診音信号を一つのファイルとして記録し、前記一つのファイルに対し患者表面における予め設定された各適所を示す適所識別データを付加し、一人の患者についての複数の適所に対応する複数のファイルを一つのファイルグループとして記録する記録手段とを備える。

0011

本発明の聴診システムによれば、看護婦、介護者、患者の家族等の手で持たれる聴診器等の聴診手段は、患者の各適所における聴診音を拾い、聴診音信号を出力する。この聴診手段による聴診音の記録の開始及び終了は、オンオフスイッチにより制御される。この際、記録手段により、記録の開始から終了までの間連続して採取された聴診音に対応する聴診音信号を、一つのファイルとして記録する。ここで特に、聴診を行う際の患者表面における各適所は、心音、呼吸音等の聴診音の性質に応じて予め設定できることに着目して更にこのように設定しておけば医師等の聴診を行う者以外の者(看護婦、介護者等)によっても客観性や信頼性の高い聴診音を記録できることに鑑みて、当該予め設定された適所を示す適所識別データを、例えばオンオフスイッチにおけるスイッチング動作に応じて、一つのファイル毎に記録された聴診音信号に対して付加する。更に、一人の患者についての複数の適所に対応する複数のファイルを一つのファイルグループとして聴診音信号を記録する。尚、このような適所識別データの付加については、各ファイルのヘッダ部分に各適所を示す適所識別データを直接付加してもよいし、各ファイルのヘッダ部分にファイル番号等の各ファイルを識別する識別コードを付加し且つ複数のファイルの識別コードと適所識別データとを対応付け対応表形式で、一つのファイルグループ毎或いは適当な数のファイル毎に付加してもよい。

0012

従って、聴診音を聴診音信号として記録できるので、呼吸音、心音等の聴診音を、医師等の聴診可能な技能を有する者がいない場所(自宅診療所、医療出張所等)で記録したり、病院内で医師等のいない状況で多数の患者について纏めて記録できる。ここで特に聴診音を記録すると、その再生の際に、患者表面におけるどの適所についての聴診音であるのかが特定されることが、聴診音による検診を行う上で極めて重要な要素となるが、本発明によれば、各適所における聴診音に対応する聴診音信号は、一つのファイルとして記録されており、しかも、一つのファイルに対し各適所を示す適所識別データが(例えば、各ファイルのヘッダや、ファイルグループのヘッダに各ファイル番号に対応する適所識別データを含む対応表データとして)付加されており且つ一人の患者についての複数の適所に対応する複数のファイルが一つのファイルグループとして(例えば、ファイルグループのヘッダに)記録されている。このため本発明によれば、各適所の位置について予め約束事を定めておき該約束事に従って聴診手段を各適所に当てて記録を取りつつ該約束事に従って適所識別データを付加することにより、後に、聴診音がどの適所のものであるかを確実に対応付けて当該聴診音を再生可能となる。更に一人の患者に対する複数の適所の記録順序についても予め約束事を定めておき該約束事に従って適所識別データを付加することにより、複数の適所に係る聴診音がどの適所に係るものであるかを把握しつつ連続的に再生することも可能となる。

0013

本発明の聴診システムの一の態様では、前記一つのファイルグループに係る聴診音信号の記録の開始から終了までの間に記録された複数のファイルの数と、一人の患者について予め設定された複数の適所の数とが一致しない場合に警告を発する警告手段とを更に備える。

0014

この態様によれば、記録が正常に行われていれば、予め設定された複数の適所の数と記録されたファイルの数とが一致する。他方、予め設定された複数の適所の数と記録されたファイルの数とが一致しない場合には、例えば複数の適所についての記録を行う際に誤って一つを飛ばしてしまったり同じ個所で2回記録をとってしまったりなど、記録が正常に行われなかったと考えられる。そこで、このように不一致の場合には、警告手段により警告が発せられ、看護婦、介護者等は、その警告に応じて記録を終了した直後に再び記録をとりなおすことが可能となる。即ち、一連の記録の作業直後に、記録作業に問題があったことが判明し、直ぐにこれに対処できる。これは、例えば記録後に時間や空間を隔てて再生する段階になって、記録作業に問題があることが判明するのと比較して格段に有利である。この場合特に、一人の患者に対する複数の適所の記録順序について予め約束事を定めておき該約束事に従って適所識別データを付加することにより、複数の適所に係る聴診音がどの適所に係るものであるかを把握しつつ連続的に再生することも可能となる。

0015

本発明の聴診システムの他の態様では、前記各適所を含む患者疑似映像上における前記各適所に対応する位置に適所マーク所定フォーマットで表示する第1表示手段と、前記オンオフスイッチによる記録の開始前、記録の開始後又は記録の終了後に、前記患者疑似映像上で任意の適所マークを指定可能な記録個所指定手段とを更に備えており、前記記録手段は前記記録個所指定手段により指定された適所マークに応じて前記適所識別データを付加する。

0016

この態様によれば、記録に際し、第1表示手段には患者疑似映像上の各適所に対応する位置に適所マークが所定フォーマットで表示される。この状態で、オンオフスイッチによる記録の開始前、記録の開始後又は記録の終了後に、看護婦、介護者等が、例えば、入力ペンマウス入力タブレットキーボード等の記録個所指定手段により、患者疑似映像上で任意の適所マークを指定する。すると、記録手段はこのように指定された適所マークに応じて適所識別データを付加する。従って、各適所における聴診音を任意の順序で記録することや、1個所や数個所の記録をやり直すことも可能となる。更に、記録の度に記録個所を患者疑似映像上で定義しながら記録することも可能となる。

0017

本発明の聴診システムの他の態様では、前記各適所を含む患者疑似映像上における前記各適所に対応する位置に適所マークを所定フォーマットで表示する第1表示手段と、前記一つのファイルグループに係る聴診音信号の記録が終了した際に、前記患者疑似映像上で採取した順に複数の適所マークを指定可能な記録個所及び順序指定手段とを更に備えており、前記記録手段は、前記一つのファイルグループに対し、前記記録個所及び順序指定手段により指定された適所マーク及び指定順序を示す記録個所及び順序データを付加する。

0018

この態様によれば、記録が終了した際に、看護婦、介護者等が、例えば、入力ペン、マウス、入力タブレット、キーボード等の記録個所及び順序指定手段により、第1表示手段の患者疑似映像上の各適所に対応する位置に表示された適所マークを、患者疑似映像上で採取した順に指定する。すると、記録手段は、一つのファイルグループに対し、記録個所及び順序指定手段により指定された適所マーク及び指定順序を示す記録個所及び順序データを(例えば、ファイルグループのヘッダに)付加する。従って、各適所における聴診音を任意の順序で記録することが可能となる。しかも、一人の患者に係る複数の適所についての一連の記録を終了した時点で、記録に係る適所の位置と記録順序とを一挙に記録できるので記録作業を迅速に行うことが可能となる。

0019

この態様では、前記一人の患者についての聴診音信号の記録の開始から終了までの間に記録された複数のファイルの数と、前記記録個所及び順序指定手段により指定された適所マークの数とが一致しない場合に警告を発する警告手段を更に備えてもよい。

0020

このように構成すれば、一人の患者についての記録が開始されてから終了されるまでの間に記録された複数のファイルの数と、記録個所及び順序指定手段により指定された適所マークの数とが一致しない場合には(例えば、複数の適所についての記録を行う際に誤って一つを飛ばしてしまったり同じ個所で2回記録をとってしまったりなどで)、記録が正常に行われなかったとして、警告手段により警告が発せられる。従って、看護婦、介護者等は、その警告に応じて記録を終了した直後に再び記録を採り直すことが可能となる。

0021

本発明の聴診システムの他の態様では、一人の患者の複数の適所における聴診音を所定順序で記録する順次採取モード及び任意の適所における聴診音を記録する任意採取モードを選択的に指定するモード指定装置を更に備えており、前記記録手段は、前記モード指定手段により指定されたモードに従って記録する。

0022

この態様によれば、モード指定手段で順次採取モード又は任意採取モードを選択的に指定すると、記録手段は、このように指定されたモードに従って記録する。従って、順次採取モードを選択することにより、予め設定された順序で複数の適所における聴診音を記録可能となる。この際、適所の記録順序が固定されているので、看護婦、介護者等による入力作業(例えば、画面上で適所マークを指定する作業)なしで、例えば適所識別データを記録の切れ目に応じて、或いは複数の適所と複数のファイルとの関係を対応表データとしてまとめて、自動的に付加できる。他方、任意採取モードを選択することにより、各適所における聴診音を任意の順序で記録することや、1個所や数個所の記録をやり直すことも可能となり、更に記録の度に記録個所を患者疑似映像上で定義しながら記録することも可能となる。

0023

本発明の聴診システムの他の態様では、前記各適所を含む患者疑似映像上における前記各適所に対応する位置に適所マークを所定フォーマットで表示する第1表示手段を更に備える。

0024

この態様によれば、看護婦、介護者等は、聴診について(特に、適所を探し出す技能が)熟練していない者であっても、第1表示手段により患者疑似映像上に表示された適所マークを見ながら各適所を視覚的に容易に把握できる。更に、このような適所マークの指定に応じて適所識別データを付加する構成を採ることも可能となる。

0025

この態様では、前記記録手段による記録の際に、前記第1表示手段は、前記適所マークのうち現在記録されている聴診音に対応するものを、ハイライト表示するか或いは現在記録されている聴診音に対応する適所識別データを所定欄に表示してもよい。

0026

このように構成すれば、看護婦、介護者等は、第1表示手段により患者疑似映像上にハイライト表示された適所マークを見ながら、特に現在記録している適所を視覚的に容易に把握できる。尚ここに「ハイライト表示」とは、表示上の特定個所を、その明度輝度色彩字体、大きさ、濃さ等を局所的に変えることにより、目立つように表示することをいう。或いは、第1表示手段により患者疑似映像上に表示された複数の適所マークと所定欄に表示された適所識別データとを見ることにより、特に現在記録している適所を視覚的に容易に把握できる。

0027

本発明の聴診システムの他の態様では、前記記録手段は、前記一つのファイルグループに対し、記録に係る日時を示す日時データ及び患者を識別する患者データを付加する。

0028

この態様によれば、一人の患者における複数の適所に対する一連の記録が終了すると或いは一連の記録の開始前に、記録手段は、一つのファイルグループに対し、記録に係る日時を示す日時データ及び患者を識別する患者データを付加する。従って、聴診音を再生する際に、当該聴診音を各ファイルグループに係る患者及び記録日時に容易に対応付けできる。

0029

尚、日時データ及び患者データに加えて、記録者を識別する記録者データ、記録の理由を示すコードやテキストデータ等、当該聴診音の記録に係る所望のデータを付加してもよいし、前述の記録個所及び順序データを付加してもよい。

0030

本発明の聴診システムの他の態様では、前記ファイルグループを送信する送信手段と、前記送信されたファイルグループを受信する受信手段と、前記受信されたファイルグループ内でグループ毎に記録された聴診音信号を各ファイルに対し付加された適所識別データに基づいて前記各適所に対応付けて再生する再生手段とを更に備えており、前記聴診手段、前記オンオフスイッチ、前記記録手段及び前記送信手段は、第1聴診ユニットに設けられており、前記受信手段及び前記再生手段は、前記第1聴診ユニットに通信手段を介して接続される第2聴診ユニットに設けられている。

0031

この態様によれば、聴診手段、オンオフスイッチ、記録手段及び送信手段は、第1聴診ユニットに設けられている。即ち、第1聴診ユニットを用いて看護婦等が聴診音を記録できる。他方、受信手段及び再生手段は、第2聴診ユニットに備えられている。即ち、第2聴診ユニットを用いて聴診音を再生することにより、医師等は聴診を行える。この際特に両聴診ユニットは、無線有線専用回線一般回線電話回線等の通信手段を介して接続されているので、例えば、医師の居ない遠隔地にポータブルな第1聴診ユニットを運び込んで記録を行い、医師の居る病院等に第2聴診ユニットを配備することにより、遠隔地にいる患者についての聴診を効率的に行える。或いは、多数の家庭等に第1聴診ユニットを夫々配備しておき、第2聴診ユニットが配備された病院で、まとめて多数の患者についての聴診を効率的に行える。いずれの場合でも、聴診により問題があるとされた場合にのみ、患者が通院又は医師が往診すればよい。

0032

この再生手段を含む態様では、前記再生手段は、前記各適所を含む患者疑似映像上における前記各適所に対応する位置に適所マークを表示する第2表示手段と、前記聴診音信号を音声出力する音声出力手段とを含んでもよい。

0033

このように構成すれば、音声出力される聴診音がどの適所のものであるかを患者疑似映像上における適所マークにより視覚的に把握しながら、当該聴診音を聞くことが可能となり、実際に記録に立ち会っていない医師等でも通常の聴診を行っているのと似た状況が得られる。

0034

この場合更に、前記音声出力手段による音声出力の際に、前記第2表示手段は、前記適所マークのうち現在音声出力されている聴診音に対応するものをハイライト表示するか或いは現在音声出力されている聴診音に対応する適所識別データを所定欄に表示してもよい。

0035

このように構成すれば、現在音声出力されている聴診音がどの適所のものであるかを患者疑似映像上にハイライト表示された適所マークを見ることにより視覚的に確実に把握しながら、当該聴診音を聞くことが可能となる。或いは、現在音声出力されている聴診音がどの適所のものであるかを患者疑似映像上に表示された複数の適所マークと所定欄に表示された適所識別データとを見ることにより視覚的に確実に把握しながら、当該聴診音を聞くことが可能となる。

0036

この再生手段及び第2表示手段を含む態様では、前記第2表示手段は、前記患者疑似映像上に重ねて又は前記患者疑似映像の脇に、前記聴診音の波形画像表示してもよい。

0037

このように構成すれば、医師等は、第2表示手段において患者疑似映像上に重ねて又は患者疑似映像の脇に画像表示された聴診音の波形(例えば、適当な時間軸に対する波形や周波数変換後の波形)を見ることも可能となる。即ち、医師等は、聴診音の再生に際し、音声出力手段により出力される音声を聞きながら、該聞こえる音声に係る適所及び聴診音の波形については第2表示手段により画像表示されるものを見ながら聴診を行うことも可能となる。従って、波形特性病状との関係を究明すれば、医師等は聴診の精度を向上することも可能となる。

0038

この場合更に、前記第2表示手段は、前記適所マークのうち現在波形が画像表示されている聴診音に対応するものをハイライト表示するか或いは現在波形が画像表示されている聴診音に対応する適所識別データを所定欄に表示するように構成してもよい。

0039

このように構成すれば、現在波形が画像表示されている聴診音がどの適所のものであるかを患者疑似映像上にハイライト表示された適所マークを見ることにより視覚的に確実に把握しながら、当該波形を見ることが可能となる。或いは、現在波形が画像表示されている聴診音がどの適所のものであるかを患者疑似映像上に表示された複数の適所マークと所定欄に表示された適所識別データとを見ることにより視覚的に確実に把握しながら、当該波形を見ることが可能となる。

0040

本発明の機械読み取り可能な媒体は上記課題を解決するために、コンピュータを上述した本発明の聴診システムにおける記録手段(各種態様を含む)として機能させるプログラムを記録する。

0041

本発明の機械読み取り可能な媒体によれば、例えばCD−ROM、DVD−ROM、フロッピーディスク、ROM等からなる当該媒体に記録されたプログラムをコンピュータ(ポータブル或いはモバイルコンピュータも含む)にロードして実行させることにより、コンピュータを前述した本発明の聴診システムにおける記録手段として機能させることができる。

0042

本発明の機械読み取り可能な媒体は上記課題を解決するために、コンピュータを上述した本発明の聴診システムにおける再生手段(各種態様を含む)として機能させるプログラムを記録する。

0043

本発明の機械読み取り可能な媒体によれば、例えばCD−ROM、DVD−ROM、フロッピーディスク、ROM等からなる当該媒体に記録されたプログラムをコンピュータにロードして実行させることにより、コンピュータを前述した本発明の聴診システムにおける再生手段として機能させることができる。

0044

本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされよう。

発明を実施するための最良の形態

0045

以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。

0046

<システムの全体>先ず、記録装置を備えた側の第1ユニットと該第1ユニットに通信手段を介して接続されており再生装置を備えた側の第2ユニットとを含んで構成される本発明の聴診システムの実施形態の全体構成及び全体動作について説明する。

0047

図1は、聴診システムの全体構成を示すブロック図である。

0048

図1において、第1ユニット1001は、聴診手段の一例たる電気聴診器10と、記録手段の一例たるラップトップ式、ポータブル式又はモバイル式のコンピュータ1006と、送信手段の一例たるモデム1007とを備える。このうち電気聴診器10は、聴診音を採取して音波として(或いは、内蔵マイクロホンにより電気的な聴診音信号に変換してから)出力するステート部11と、ステート部11で拾われた聴診音に対し電気的な聴診音信号に変換する処理、増幅処理インタフェース処理等の信号処理を行うと共に後述するオンオフスイッチを用いてのオンオフ制御を行う(或いは、既にステート部11の内蔵マイクロホンにより変換された聴診音信号の増幅処理やインターフェース処理を行うと共にオンオフ制御を行う)ための信号処理装置100と、信号処理装置100から出力される聴診音信号を音波として出力するイヤホーン108とを備えている。信号処理装置100から出力される聴診音信号は、コンピュータ1006の信号入力ポートにも入力される。コンピュータ1006は、第1表示手段の一例たる表示装置1006aを含んで構成されている。

0049

以上の如く夫々構成された複数の第1ユニット1001は、一般電話回線アナログ回線)1100を介して、第2ユニット2001に接続されている。

0050

第2ユニット2001は、受信手段の一例たるモデム2007と、再生手段の一例たるコンピュータ2006とを備える。そして、コンピュータ2006は、第2表示手段の一例たる表示装置2006aを含んでおり、更に音声出力手段の一例たるヘッドホーン2004を含んで構成されている。

0051

次に本実施形態の全体動作について説明する。

0052

先ず、第1ユニット1001では、電気聴診器10は、看護婦、介護者、患者の家族等の手で持たれるステート部11及び信号処理装置100により、聴診音を採取して聴診音信号を出力する。信号処理装置100又はより好ましくはステート部11には、後に詳述するように聴診音の記録の開始及び終了を制御するオンオフスイッチが備えられており(或いは、コンピュータ1006における所定のキーを、係るオンオフスイッチとして機能させることも可能である)、コンピュータ1006は、このようなオンオフスイッチによる記録の開始から終了までの間に連続して、電気聴診器10により採取された聴診音に対応する聴診音信号を一つのファイルとして内蔵ハードディスク、内蔵ROM或いは光ディスク光磁気ディスク等の記憶媒体に記録する。この記録の際、コンピュータ1006は、オンオフスイッチにおけるスイッチング動作に応じて、一つのファイル毎に患者表面における予め設定された各適所を示す適所識別データを付加し、更に一人の患者についての複数の適所に対応する複数のファイルを一つのファイルグループとして記録する。モデム1007は、このように記録されたファイルグループを送信する。

0053

次に、第2ユニット2001では、モデム2007は、第1ユニット1001のモデム1007から一般電話回線1100を介して送信されるファイルグループを受信する。コンピュータ2006は、このように受信されたファイルグループ内でグループ毎に記録された聴診音信号を、各ファイルに付加された適所識別データに基づいて、各適所に対応付けて再生する。この再生の際、表示装置2006aは、各適所を含む患者疑似映像上における各適所に対応する位置に適所マークを表示し、ヘッドホーン2004は、再生された聴診音を可聴音として出力する。

0054

従って、本実施形態によれば、心音、呼吸音等の聴診音の性質に応じて設定される患者表面における各適所を示す適所識別データを、オンオフスイッチにおけるスイッチング動作に応じて、一つのファイル毎に付加するので、第1ユニット1001で、呼吸音、心音等の聴診音を、医師等の聴診可能な技能を有する者がいない自宅、診療所、医療出張所等で記録したり、病院内で医師等のいない状況で多数の患者について纏めて記録できる。そして、このように記録されるので、後に第2ユニット2001で、聴診音がどの適所のものであるかを確実に対応付けて当該聴診音を再生可能となる。

0055

尚、聴診システムの全体構成としては、図1に示したもの他に、図2又は図3に例示するものでもよい。

0056

図2に示す例では、第1ユニット1001’は、モデム1007に代えてPHS1007’を送信手段として備えており、ISDN回線1100’を介してファイルグループを送信する。第2ユニット2001’はモデム2007に代えてレシーバ2007’を受信手段として備えており、ISDN回線2001’を介してファイルグループを受信する。

0057

図3に示す例では、図1及び図2に示したような第1ユニット1001及び第1ユニット1001’を複数備えており、一般電話回線1100を介してファイルグループを受信するモデム3002及びISDN回線1100’を介してファイルグループを受信するレシーバ3003から当該受信したファイルグループを取込むRASリモートアクセスサーバ)を備えている。更に、第2ユニット2001”は、インタフェース2007”を備えており、LANケーブル等のケーブル3005を介してRAS3001からファイルグループを受信する。

0058

この他にも通信手段としては、任意の通信手段を本発明に適用可能である。

0059

<電気聴診器>次に図1に示した実施形態に係る電気聴診器10の構成について、図4から図10を参照して、各種の具体例を挙げて説明する。ここに、図4は、図1に示した電気聴診器10の一具体例の外観斜視図であり、図5は、主にその電気的構成を示すブロック図である。また、図6から図8は、図1に示した電気聴診器10の他の具体例における聴診器のステート部付近の外観斜視図である。図9は、図8に示した具体例における聴診器の主に電気的構成の一例を示すブロック図であり、図10は、図8に示した具体例における聴診器の主に電気的構成の他の例を示すブロック図である。更に、図11は、図1に示した電気聴診器10の他の具体例における聴診器の主に電気的構成を示すブロック図であり、図9は、図1に示した電気聴診器10の他の具体例における聴診器の外観斜視図である。

0060

先ず図4及び図5において、図1に示した電気聴診器10は、図1に示したステート部11の一具体例である聴診音を検出するステート部11と、ステート部11に設けられておりスイッチング操作に応じて制御信号Sswを送るスイッチ14と、聴診音を聴診音信号Saに変換するマイクロホン16と、制御信号Sswに基づいて動作制御されつつ聴診音信号Saを出力する信号処理装置100とを備える。

0061

ステート部11は、聴診音を検出する第1検出面12と、検出面12に対向すると共に聴診音を検出する第2検出面13とを備える。これら2つの検出面は、例えば周波数特性感度特性が相異なり、聴診音の種類に応じて適宜使い分けられる。スイッチ14は、これら2つの検出面の周囲に位置するステート部11の側面11a(本実施形態では特にステート部11のくびれ部分における側面)に設けられている。

0062

マイクロホン16は、検出面12及び13(湾曲面)内の音波を拾うように配置されており、この音波(聴診音)に応じた聴診音信号を出力する。マイクロホン16には、ケーブル120の先端が接続されている。ケーブル120内には、マイクロホン16用の電源配線、マイクロホンからの聴診音信号Saの伝送用配線、スイッチ14からの制御信号Sswの伝送用配線が通されている。ケーブル120の他端には、聴診音信号Sa出力用コネクタ121及び制御信号Ssw出力用のコネクタ122が設けられている。

0063

信号処理装置100には、これらのコネクタ121及び122が接続されるジャック101及び102が設けられており、更に、主電源スイッチ103、主電源オンを示す電源ランプ104及び聴診音信号Saのゲイン調節用のボリュームスイッチ105が設けられている。本実施形態では特に、出力用ジャック106を介して、これに接続された、イヤホン108を備えている。信号処理装置は、聴診音信号Soutをイヤホンに出力すると共に図1に示した記録手段としてのコンピュータ1006の信号入力ポートに出力する。

0064

図4及び図5に示した具体例では特に、ステート部11の側面11aに設けられたスイッチ14は、聴診器10における記録開始記録停止を制御するオンオフスイッチからなる。従って、ステート部11が看護婦等の片手で支持された状態で患者や要介護者の身体表面における適所が探し出されると、支持した片手により、これらのスイッチ14(即ち、オンオフスイッチ)が操作(例えば、押圧)されて、信号処理装置100及びコンピュータ1006における記録が開始され、その後再びこの操作されたスイッチが操作(例えば、押圧が解除)されて、記録が停止される。このようなスイッチ14の具体的な種類としては、図4に示した単純なスイッチ(例えば、スプリングが内蔵されており、若干の圧力で押している間のみオン状態の制御信号Sswが出力される押圧スイッチ)以外にも、プッシュスイッチ、タッチスイッチ、レバー型スイッチ等、公知の各種のスイッチ(例えば、機械的スイッチや、静電スイッチ等の接触スイッチ光センサ等の非接触スイッチ)を適用可能であるが、例えばステート部11を持つ片手のうちの一本の指の指先でスイッチング操作しやすい形態(配置、大きさ、形状、移動距離等)のものが好ましい。

0065

次に、図6に示した他の具体例では、聴診器20は、図4及び図5に示した聴診器10と比べて、ステート部21が、聴診音を検出するための検出面22を一つのみ有する点と、スイッチ24がステート部21の背面に設けられている点とが異なる。その他の構成については、図4及び図5に示した聴診器10とほぼ同様である。

0066

次に、図7に示した他の具体例では、聴診器30は、図6に示した聴診器20と比べて、ステート部31の背面に設けられたスイッチ34に加えてスイッチング操作に応じて制御信号を送る複数のスイッチ34aをステート部11の側面に複数備えている点(及びこれに対応して、ケーブル120内に制御信号伝送用のコードが複数ある点)が異なる。その他の構成については、図6に示した聴診器20とほぼ同様である。

0067

次に、図8及び図9に示した他の具体例では、聴診器40は、図6に示した聴診器20と比べて、ステート部41に、マイクロホン16が内蔵されておらず、ステート部41には、聴診音の検出面の穴に連通する聴診音が音波としてそのまま伝わるチューブ140が備えられている点と、スイッチ44からの制御信号伝送用のコード142がチューブ140内を通されている点と、スイッチ44がステート部41の側面に配置されている点が異なる。また、図9に示すように、チューブ140の先端には、マイクロホン16’が接続されており、マイクロホン16’が、チューブ140を介して聴診音を検出し、聴診音信号Saを生成して、ケーブル120’を介して信号処理装置100に送る点が異なる。その他の構成については、図6に示した聴診器20並びに図4及び図5に示した聴診器10とほぼ同様である。尚、このようなチューブ140は、例えば、ゴム等からなる可塑性チューブ、金属等からなる剛性チューブ、これら2種類のチューブを組み合わせたもの等からなり、その先端部には、信号処理装置100に接続されたマイクロホン16’が接続される。

0068

また、図8及び図10に示した他の具体例では、図9に示した場合と異なり、聴診器40’は、マイクロホン16’に代えて、マイクロホン416を信号処理装置400に内蔵し、チューブ140がこのマイクロホン416に接続されている。その他の構成については、図8及び図9に示した聴診器40とほぼ同様である。

0069

尚、図8及び図9或いは図8及び図10に示した各具体例では好ましくは、コード142は、チューブ140の内壁に少なくとも部分的に接着される。このように構成すれば、コード142とチューブ140とを少なくとも部分的に一体化することにより、これらのコード142とチューブ140とが、相互に絡まったり散乱する事態を回避でき、これらのコード142とチューブ140とが擦れることによる雑音の発生を防止できる。尚、同様の観点から、コード142をチューブ140の外壁に接着してもよい。

0070

次に、図11に示した他の具体例では、聴診器50は、ステート部51に、スイッチ14から送られる制御信号Ssw及びマイクロホン16から送られる聴診音信号Saを無線により信号処理装置500に向けて送信する送信器55が設けられている。他方、信号処理装置500に、この送信器55から発せられた無線信号Srを受信する受信器501が設けられている。その他の構成については、図4及び図5に示した聴診器10の場合とほぼ同様である。尚、イヤホン108への聴診音信号の送信についても無線を利用してもよい。

0071

次に、図12に示した具体例では、聴診器60は、図4及び図5に示した聴診器10と比べて、ステート部61で検出された聴診音を、マイクロホン16’への経路から分岐する第1分岐チューブ620と、第1分岐チューブ620の先端に接続された第2分岐チューブ621と、第2分岐チューブ621に接続されたチップ630と、スイッチ14からマイクロホン16’に制御信号Sswを送るためのコード63とを備える。また、可聴音を出力するためのイヤホンが信号処理装置600に設けられていない。その他の構成については図4及び図5に示した聴診器10の場合とほぼ同様である。

0072

尚、本実施形態において、各電気聴診器は、可聴音を出力するイヤホン108に代えて又は加えて、スピーカ、ヘッドホン等を備えるように構成してもよい。

0073

記録動作>次に、以上のように構成された電気聴診器10、コンピュータ1006等を含む第1ユニット1001における記録動作を図1図4及び図5並びに図13から図15を参照して、表示装置1006aによる画像表示動作及びそれに応じた操作方法と共に説明する。ここに、図13は、聴診音として呼吸音を所定順序で記録する順次採取モードにおける表示画面を示し、図14は、聴診音として呼吸音を任意の適所で記録する呼吸音用の任意採取モードにおける表示画面を示す。また、図15は、聴診音として心音を任意の個所で記録する心音用の任意採取モードにおける表示画面を示す。

0074

以下に説明するコンピュータ1006による制御は、例えば記録媒体1006bに格納されたコンピュータプログラムをコンピュータ1006に読み取らせて当該プログラムを実行させることにより行われる。尚、このような記録媒体1006bとしては、DVD−ROM、CD−ROM、光磁気ディスク、フロッピーディスク等の周知の記録媒体であれば種類を問わない。但し、このようなプログラムを一般電話回線1100やISDN回線1100’を介して外部装置からダウンロードして、これに従ってプログラムを実行するようにしてもよい。

0075

本実施形態では特に、コンピュータ1006は、モード指定手段としても機能し、そのキーボード等を介して、聴診音として呼吸音を記録する呼吸音用のモードと、心音を記録する心音用のモードと、一人の患者の複数の適所における聴診音を所定順序で記録する順次採取モードと、任意の適所における聴診音を記録する任意採取モードとを選択的に指定可能に構成されている。

0076

先ず、このようなモード選択動作においては、表示装置1006aは、コンピュータ1006による制御下で、図示しないモード選択用のメニュー画面を表示し、コンピュータ1006のキーボード、マウス等により、所望のモードが選択される。

0077

例えば、呼吸音用の順次採取モードが選択されると、この選択の直後に、当該患者の呼吸音を記録するためのファイルグループが定義され、このファイルグループに対して、患者コード、呼吸音の記録である旨の情報等が付加される。或いは、この選択の後に更に以下に説明する呼吸音の一連の記録が終了し、当該患者の呼吸音を記録した複数のファイルからなるファイルグループが作成された後に、このファイルグループに対して、患者コード、呼吸音の記録である旨の情報等が付加される。より具体的には、コンピュータ1006は、当該患者の呼吸音に係る複数のファイルを一つのファイルグループとして記録し、当該ファイルグループ(例えば、ファイルグループのヘッダ部分或いはファイルグループのテール部分などに)に、記録に係る日時を示す日時データ、患者を識別する患者データ、記録者を識別する記録者データ、記録の理由(例えば、「ルーチンワーク」、「体温から」、「呼吸の様子から」などの予め設定した理由)を示すコードやテキストデータ等、当該聴診音の記録に係る所望のデータを付加してもよい。更に、当該患者に係る体温データ脈拍データ血圧データ等を付加してもよい。

0078

第1の場合として、このような呼吸音用の順次採取モードが選択されると、コンピュータ1006の制御を受けて、表示装置1006aには、図13の如き患者胴体の表側と裏側を示す患者疑似画像701が表示される。そして、この患者疑似画像701上には、丸番号、、…及び矢印で、呼吸音を採取すべき適所の位置及び記録順序を示す適所マーク702が示される。

0079

図13に示すように表示装置1006aにより患者疑似映像701が表示された状態で、看護婦等は、信号処理装置100の電源スイッチ103をオンした後、一方の手で患者等を抱きかかえ、他方の手でステート部11を持つ。この状態で、患者等の身体表面の適所の付近に、適所の種類に応じて検出面12又は13が当てられ、を示す適所マーク702に対応する1番目の適所を探し出す作業が行われる。このとき、第1検出面12又は第2検出面13が患者等の身体表面に押し当てられるように、ステート部11の側面11aやその付近が看護婦等の片手(通常、その複数の指)で支持される。この作業中、マイクロホン16により聴診音が聴診音信号Saに変換されて、信号処理装置100を介してイヤホン108から出力される当該可聴音が、看護婦等によりチェックされる。この作業の結果、を示す適所マーク702に対応する1番目の適所が探し出されて聴診音の受信状態が良好であると看護婦等が判断すると、このように一方の検出面を適所に押し当てたままで、ステート部11を支持した片手(通常、その一又は複数の指)により、ステート部11の側面11aに設けられたスイッチ14でスイッチング操作が行われる。このスイッチング操作に応じてスイッチ14からは、制御信号Sswが出力され、ケーブル120を介して、信号処理装置100に送られる。このように制御信号Sswが送られると、信号処理装置100及び記録手段としてのコンピュータ1006のうち少なくとも一方は、この制御信号Sswに基づいて動作制御されて、1番目の適所に対応する聴診音信号Saの記録処理を開始する。その後、1番目の適所における聴診音が適切に採れたと看護婦等が判断すると、次に、看護婦等によるスイッチング操作に応じて制御信号Sswが送られる。信号処理装置100及び記録手段としてのコンピュータ1006のうち少なくとも一方は、この制御信号Sswに基づいて動作制御されて、聴診音信号の記録処理を停止する。このような記録の開始と終了に応じて、コンピュータ1006は、内蔵ハードディスク等に聴診音信号Saを1ファイルとして記録し、更に当該ファイルに対応する適所識別データとして、第1番目の適所であることを示すコードを(例えば、ファイルヘッダ部分或いはファイルのテール部分などに)付加する。このようなコードの付加は、看護婦等が患者疑似映像701上のを示す適所マーク702を画面上でクリック或いはタッチパネル方式で押圧するのを確認してから行ってもよいし、或いは、記録の終了或いは開始と同時に行ってもよい。また、どの適所についての記録を開始するのか、行っているのか、終了したのか等を視覚的に明確にするために、当該記録に係る、、…のいずれか一つを示す適所マーク702をハイライト表示してもよい(この場合には、“”がハイライト表示される)。或いは例えば「次の適所番号=×」、「現在の適所番号=×」、「今終えた適所番号=×」のような適所識別データを所定欄内に示すような画像を患者疑似映像701の脇に表示してもよい。

0080

次に、看護婦等により患者疑似映像701上のを示す適所マーク702に対応する2番目の適所が探し出され、更に患者疑似映像701上に表示された、、…を示す適所マーク702の順序に従って各適所についての記録の開始及び終了を行う作業が繰り返される。この際、好ましくは、現在の記録に係る、、…のいずれか一つを示す適所マーク702を順次ハイライト表示する。そして、最後の番号を示す適所マーク702に対応する第18番目の適所における記録が終了する。以上により、一人の患者についての一連の呼吸音を記録した複数のファイルからなるファイルグループの記録が完了する。

0081

従って、これら一連の作業の中で、看護婦等は、ステート部11を持つ片手のみで、スイッチ14を操作することにより、適所を探す作業及びこの探索作業中に発生する無用な音については排除しながら聴診音を採る作業の両者を行える。しかも、スイッチ14のオンオフに応じて、適所マーク702に対応する適所識別データが各ファイルに対し順次付加される(例えば、各ファイルのヘッダに、対応する適所識別データが夫々付加されてもよいし、ファイルグループのヘッダに、複数のファイルのファイル番号と適所との対応関係を示す対応表データが付加されてもよい)。このため、看護婦等の記録者側からすれば、比較的簡単な作業によりどの適所に係る記録であるのかをラベルする作業を行ったこととなり、医師等の再生者側からすれば、後に詳述するように適所識別データを用いれば、確実に且つ比較的容易に適所に対応付けながら聴診音を再生できることになる。更に、ファイルグループに付加された患者識別データ、記録日時データ等に従って、聴診音を再生する際に、当該聴診音を各ファイルグループに係る患者、記録日時等に確実且つ比較的容易に対応付けできる。特に順次採取モードで記録を行えば、どの適所を記録したかを一々コンピュータ1006aに入力することなく、適所識別データを自動的に順次付加できるので、看護婦等の記録する者にとっては作業負担が非常に軽減される。

0082

第2の場合として、呼吸音用の任意採取モードが選択されると、図14の如き患者胴体の表側と裏側を示す患者疑似画像701が表示装置1006aに表示される。そして、この患者疑似画像701上には、、、…を示す適所マーク702が示されており、更に患者疑似映像701の脇に適所指定用の欄703が表示される。

0083

図14に示すように、表示装置1006aにより患者疑似映像701が表示された状態で、看護婦等により患者等の身体表面の適所の付近に、ステート部11が当てられが、この際、任意の個所(ここでは、、、…のいずれか一つ適所マーク702)に対応する適所を探し出す作業が行われる。そして、当該適所を探した後に、ステート部11の側面11aに設けられたスイッチ14でスイッチング操作が行われ、信号処理装置100及び記録手段としてのコンピュータ1006のうち少なくとも一方は、当該適所に対応する聴診音信号Saの記録処理を開始する。その後、当該適所における聴診音が適切に採れたと看護婦等が判断すると、次に、看護婦等によるスイッチング操作に応じて制御信号Sswが送られ、聴診音信号の記録処理を停止する。このような記録の開始と終了に応じて、コンピュータ1006は、内蔵ハードディスク等に聴診音信号を1ファイルとして記録する。そして、当該記録の終了直後(或いは開始直前)に、適所指定用の欄703における指定入力を待つ状態となる。この入力待ち状態で、看護婦等により適所指定用の欄703のいずれかが指定されると、コンピュータ1006は、当該ファイルに対応する適所識別データとして、この指定された適所であることを示すコードを付加する。

0084

次に、看護婦等により次の任意の適所(但し、既に記録がとられた適所を除く)が探し出され、各適所についての記録の開始及び終了を行う作業が繰り返される。このような一人の患者に対する一連の記録作業の開始或いは終了に応じて、コンピュータ1006は、複数のファイルからなるファイルグループに、記録に係る日時を示す日時データ、患者を識別する患者データ、記録者を識別する記録者データ、記録の理由を示すコードやテキストデータ等、当該聴診音の記録に係る所望のデータを付加する。

0085

従って、これら一連の作業の中で、看護婦等によるスイッチ14のオンオフに応じて、適所識別データが各ファイルに付加されるので、看護婦等の記録者側からすれば、比較的簡単な作業によりどの適所に係る記録であるのかをラベルする作業を行ったこととなり、医師等の再生者側からすれば、適所識別データを用いれば、確実に且つ比較的容易に適所に対応付けながら聴診音を再生できる。特に当該任意採取モードで記録を行えば、看護婦等の好みや習慣に応じて、任意の順序で記録を行えると共に、一連の記録の中で一個所或いは複数の個所のみ再度記録を取り直す場合などに非常に便利である。

0086

尚、図14に示した画面を表示しての任意採取モードで記録を行う場合、各適所における記録を行う毎に、その適所を適所指定用の欄703で一々指定してもよいが、複数の適所或いは全個所における記録に相前後して、それらの適所を、順序を含めて適所指定用の欄703で一気に指定してもよい。この場合、適所指定用の欄703を指定する順序と、実際に記録を行う順序とを対応付けることとすれば、比較的容易に適所の順序を示すデータ(即ち、記録個所及び順序データ)コンピュータ1006に入力できる。また、この場合には、一つのファイルグループに対して、記録日時等を示すデータと共に、記録適所の位置及び記録順序を示すデータを付加してもよい。

0087

以上のように図14に示した画面を用いての任意採取モードの場合、各適所における聴診音を任意の順序で記録することや、1個所や数個所の記録をやり直すことも可能となる。更に、記録の度に記録個所を患者疑似映像上で定義しながら記録することも可能となる。

0088

第3に、呼吸音用ではなく、心音用の任意採取モードが選択されると、図15の如き患者胴体の表側と裏側を示す患者疑似画像801が表示装置1006aに表示される。そして、この患者疑似画像801上には、、、…を示す適所マーク802が表示され、更に患者疑似映像801の脇に記録個所指定用の欄803が表示される。

0089

図15に示すように心音用の適所マーク802が示された患者疑似映像801の場合、ファイルグループに対して「心音」の記録である旨のコード等が付加されることを除けば、図14に示した呼吸音用の適所マーク702が示された患者疑似映像701の場合と同様に心音を記録できる。また、心音用についても呼吸音用の場合と同様に、任意採取モードのみならず順次採取モードでも記録可能である。

0090

以上図13から図15を用いて説明したように、一台の電気聴診器10を用いて心音や呼吸音を順次採取モードや任意採取モードで記録できるので大変便利である。但し、このようなモード指定機能を削除して、専ら呼吸音用或いは心音用の電気聴診器としてもよいし、更に、専ら順次採取モードで記録を行うか或いは専ら任意採取モードで記録を行う簡易な電気聴診器として構成してもよい。

0091

尚、本実施形態では好ましくは、コンピュータ1006は、一人の患者についての呼吸音或いは心音が記録された複数のファイルの数と、画面上に示される或いは指定される適所マーク702又は802の数とが一致しない場合に所定種類の警告を発する。例えば、表示装置1006aにより警告メッセージを表示してもよいし、或いはイヤホーン108やコンピュータ1006のスピーカから警告音や警告メッセージを音声出力してもよい。このように構成すれば、例えば、複数の適所についての記録を行う際に誤って一つを飛ばしてしまったり同じ個所で2回記録をとってしまったりなどで記録が正常に行われなかった場合、コンピュータ1006から発せられる警告に応じて、看護婦、介護者等は、記録を終了した直後に再び記録を採り直せるので大変便利である。

0092

再生動作>次に、以上のように構成されたコンピュータ2006等を含む第2ユニット2001における再生動作を図1図4及び図5並びに図16及び図17を参照して、表示装置2006aによる画像表示動作及びそれに応じた操作方法と共に説明する。ここに、図16は、聴診音として呼吸音を再生してヘッドホーン2004を介して出力する通常再生モードにおける表示画面を示し、図17は、ヘッドホーン2004を介しての出力に代えて又は加えて当該呼吸音の波形を表示装置2006aにより出力する波形表示モードにおける表示画面を示す。

0093

以下に説明するコンピュータ2006による制御は、例えば記録媒体2006bに格納されたコンピュータプログラムをコンピュータ2006に読み取らせて当該プログラムを実行させることにより行われる。尚、このような記録媒体2006bとしては、DVD−ROM、CD−ROM、光磁気ディスク、フロッピーディスク等の周知の記録媒体であれば種類を問わない。但し、このようなプログラムを一般電話回線1100やISDN回線1100’を介して外部装置からダウンロードして、これに従ってプログラムを実行するようにしてもよい。

0094

本実施形態では特に、コンピュータ2006は、そのキーボード等を介して、各種の再生モードを選択的に指定可能に構成されている。特に通常再生モードは、予め設定された順序或いは記録された順序で一人の患者に係る一連の記録を連続的に再生する連続再生モードと、所望の適所マークの指定により当該指定された適所マークに対応する適所識別データが付加されたファイルを一つ一つ再生する任意再生モード(即ち、1ファイルの再生が終了すると、次に再生すべきファイルの入力待ち状態となるモード)とに細分化されている。

0095

先ず、このようなモード選択動作においては、表示装置2006aは、コンピュータ2006による制御下で、図16の如き画面を表示する。ここでは、一の患者が指定され、聴診音として呼吸音が選択された場合について説明する。

0096

図16において、表示装置2006aの画面上には、患者胴体の表側と裏側を示す患者疑似画像701が表示される。そして、この患者疑似画像701上には、丸番号、、…及び矢印で、呼吸音を採取した適所の位置及び標準的な記録順序を示す(実際に記録された順序と一致するとは限らない)適所マーク702が示され、患者疑似映像701の脇に適所指定用の欄703が表示される。更に、図16で画面の右端付近には、聴診音の波形を画像表示する波形表示モードを選択するための“波形表示”ボタン704、一連の記録を連続的に再生する連続再生モードを指定するための“連続再生”ボタン705、ファイルを一つ一つ再生する任意再生モードを指定するための“次へ”ボタン706及び再生を中止するための“再生中止”ボタン707が表示されている。各ボタンは、コンピュータ2006のマウス或いはキーボード操作により指定可能である。尚、このような画面上に更に、患者名、当該患者に係る体温データ、脈拍データ、血圧データ等の生態情報などを表示してもよい。

0097

第1に、任意再生モードについて説明する。

0098

表示装置2006aの画面上で“次へ”ボタン706が選択されると、任意再生モードが選択されたとして、コンピュータ2006は、ファイルグループ中の各ファイルに対して付加された適所識別データに基づいて、1番目の適所に対応するファイル中の聴診音信号Saが再生され、ヘッドホーン2004から聴診音信号Saが音声出力される。その後、当該ファイルの終端を示すEOFエンドオブファイル)マークを検出すると、コンピュータ2006は、聴診音信号Saの再生処理を停止する。また、どの適所についての再生を開始するのか、行っているのか、終了したのか等を視覚的に明確にするために、当該再生に係る、、…のいずれか一つを示す適所マーク702又は適所指定用の欄703をハイライト表示してもよい(この場合には、“”の適所マーク702又は“”の欄703がハイライト表示される)。或いは例えば「次の適所番号=×」、「現在の適所番号=×」、「今終えた適所番号=×」のような適所識別データを所定欄内に示すような画像を患者疑似映像701の脇に表示してもよい。

0099

次に、画面上で“次へ”ボタン706が選択されると、患者疑似映像701上のを示す適所マーク702に対応する2番目の適所に対応するファイル中の聴診音信号Saが再生され、ヘッドホーン2004から聴診音信号Saが音声出力される。更に“次へ”ボタンが選択される毎に、患者疑似映像701上に表示された、、…を示す適所マーク702の順序に従って各適所についての各ファイルの再生及びヘッドホーン2004からの音声出力が繰り返される。そして、最後の番号を示す適所マーク702に対応する第18番目の適所における再生が終了する。以上により、一人の患者についての一連の呼吸音を記録した複数のファイルからなるファイルグループの再生が完了する。

0100

尚、“次へ”ボタン706が選択される前に、適所指定用の欄703のうちのいずれかが指定されると、コンピュータは、指定された適所指定用の欄703の番号に対応する適所識別データが付加されたファイル中の聴診音信号Saの再生処理を開始する。即ち、デフォールトとしては、適所指定用の欄703のうちの適所指定用の欄703が指定された状態とされているが、任意の番号に係る聴診音のみを再生したり、任意の番号の聴診音から再生を開始したり可能である。また、“再生中止”ボタン707が選択されると、再生の途中であっても、当該再生を中止する。

0101

従って、医師等は、表示装置2006aにより確実に且つ比較的容易に適所に対応付けながらヘッドホーン2004により聴診音を聞くことが可能となり、一の医療行為に足りる程度の高い信頼性を持って、当該記録後に再生される再生音による聴診を行える。更に、ファイルグループに付加された患者識別データ、記録日時データ等に従って、聴診音を再生する際に、当該聴診音を各ファイルグループに係る患者、記録日時等に確実且つ比較的容易に対応付けできる。

0102

第2に、連続再生モードについて説明する。

0103

表示装置2006aの画面上で“連続再生”ボタン705が選択されると、コンピュータ2006は、ファイルグループ中の各ファイルに対して付加され得た適所識別データに基づいて、1番目、2番目、3番目、…の適所に対応するファイル中の聴診音信号Saの再生処理を順次行い、これに対応してヘッドホーン2004は再生された聴診音信号Saの音声出力を順次行う。この際、各ファイルのヘッダの検出又は各ファイルのEOFマークの検出に応じて、コンピュータ2006による制御下で、表示装置2006aは、現在再生されている適所に対応する適所マーク702又は適所指定用の欄703を順次ハイライト表示する。或いは例えば「現在の適所番号=×」のような適所識別データを所定欄内に示すような画像を患者疑似映像701の脇に表示してもよい。そして、最後の適所における再生が終了する。以上により、一人の患者についての一連の呼吸音を記録した複数のファイルからなるファイルグループの再生が完了する。尚、このような連続再生中に、 “再生中止”ボタン707が選択されると、当該再生を中止する。

0104

従って、医師等は、表示装置2006aにより確実に且つ比較的容易に適所に対応付けながらヘッドホーン2004により聴診音を聞くことが可能となる。特にどの適所を再生したいのかを一々コンピュータ2006に入力することなく、現在再生中の適所が画面上で視認可能に表示されながら聴診音が自動的に連続再生されるので、医師等の聴診を行う者にとっては作業負担が非常に軽減される。

0105

第3に、波形表示モードについて説明する。

0106

本実施形態では、上述した任意再生モード又は連続再生モードとの組み合わせとして波形表示モードを選択可能である。即ち、波形表示モード且つ任意再生モードであれば、任意の適所に係る聴診音信号Saの波形を(音声出力と同時に又は単独で)画像表示し、波形表示モード且つ連続再生モードであれば、一連の聴診音信号Saの波形を(音声出力と同時に又は対応つけて若しくは単独で)自動的に連続的に画像出力する。

0107

図17に示すように、波形表示モードでは、再生された聴診音信号Saの波形が画像出力される。本実施形態では、予め第1ユニット1001側で、聴診音信号Saをデジタル記録しておき、これに基づき第2ユニット側で波形を画像出力してもよいし、第2ユニット2001側で、聴診音信号Saをデジタル化して波形を画像出力してもよい。更に、波形としては、時間軸に対するものでもよいし、周波軸に対するものでもよく、両者を選択的に表示してもよい。特に周波数軸に対する波形を表示する場合には、第1ユニット1001側で周波数変換してから記録してもよいし、第2ユニット1002側で周波数変換してから波形を画像出力してもよい。尚、前述のように一つの適所について再生された聴診音信号Saの波形を一つずつ画像出力してもよいし、複数の適所について連続的に再生された聴診音信号Saの波形を連続的に画像出力してもよい。

0108

このように波形を画像出力する際には、好ましくは、表示装置2006aは、図17の画像を図16の画像内にウインドウ表示しつつ或いは両画像を並べて表示しつつ、適所マークのうち現在波形が画像表示されている聴診音信号Saに対応するものをハイライト表示する。或いは現在波形が画像表示されている聴診音信号Saに対応する適所識別データを所定欄に表示する。このように構成すれば、現在波形が画像表示されている聴診音信号Saがどの適所のものであるかを視覚的に確実に且つ容易に把握できる。従って、医師等は、表示装置2006aにおいて患者疑似映像701上に重ねて又は患者疑似映像701の脇に、若しくは画面を切り替えて、図17に示した如き聴診音信号Saの波形を見れる。これにより、医師等は、聴診音信号Saの再生に際し、ヘッドホーン2004により音声出力される聴診音を聞きながら、該聞こえる音声に係る適所及び聴診音の波形については表示装置2006aにより画像表示されるものを見ながら聴診を行える。

0109

尚、図16及び図17に示した例では、呼吸音を再生する場合について説明したが、心音を再生する場合も患者擬似映像及び各適所マークの位置を変更するだけで、ほぼ同様に行える。

0110

以上説明した実施形態において、信号処理装置100及びコンピュータ1006のうち少なくとも一方は、聴診音信号Saに対してデジタル変換処理及び圧縮処理のうち少なくとも一方を施して記録処理や伝送処理を行うように構成してもよい。このように構成すれば、記録や伝送による聴診音信号Saの劣化(雑音の混入等)を防止したり、聴診音信号Saに係る記録量伝送量を低減できるので有利である。尚、デジタル変換処理や圧縮処理については、各種の公知技術を適用可能である。

0111

また実施形態における電気聴診器は、ステート部、信号処理装置及びこれら両者間を接続するケーブルを含めた一セットとして、独立して持ち運びに適した形態(大きさや重量等)を有する電気電子製品として構成してもよい(図4参照)。即ち、このように構成することにより、第1ユニット1001側のコンピュータ1006は、患者の居る各家庭等に設置された比較的大型のものでも足りる。

0112

更に実施形態では、第1ユニット1001で記録した聴診音信号SaをモデムやPHSにより送信する構成としたが、第1ユニット1001で記録した録聴診音信号Saをフロッピーディスク、CD−RAM、DVD−RAM等の持ち運びに便利な記録媒体にコピーして、病院に纏めて持ち帰ることも可能であり、更に第1ユニット1001で記録当初からこのような持ち運びに便利な記憶媒体に記録することも可能である。

0113

更にまた、第1ユニット1001でファイルグループの単位で記録した聴診音信号Saを送信することとしたが、緊急を要する場合等に備えて、リアルタイム再生に近い方式としてファイル単位で送信して再生してもよいし、更によりリアルタイムに近い方式として信号処理装置100から出力される聴診音信号Saをそのまま送信して再生することも可能である。この場合、第1ユニット1001内における聴診手段たる電気聴診器10と記録手段たるコンピュータ1006との間に、送信手段及び受信手段を付加する構成を採ればよい。

0114

本発明は、上述した各実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴なう聴診システムもまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。

発明の効果

0115

以上詳細に説明したように本発明によれば、看護婦等は、簡単且つ確実に患者表面の各適所と聴診音との対応関係を含めて聴診音を記録することが可能となり、医師等は、簡単且つ確実に各適所と聴診音との対応関係を認識しながら聴診音を再生することが可能となる。従って、訪問医療、在宅看護や在宅介護などの病院等の医療施設外での看護や介護において、聴診音を正確且つ確実に記録や伝送することが容易となり、特に医療の質を落とすことなく人件費を効率的に抑制できる。これらの結果、本発明によれば、無駄な医療費の増加抑制及び人命尊重を同時に図ることが可能な画期的な聴診システムを実現できる。

図面の簡単な説明

0116

図1本発明の実施形態に係る聴診システムの全体構成を示すブロック図である。
図2図1の一の変形形態を示すブロック図である。
図3図1の他の変形形態を示すブロック図である。
図4本発明の実施形態の聴診システムに備えられる電気聴診器の一具体例を示す全体斜視図である。
図5図4の具体例の主に電気的構成を示すブロック図である。
図6本発明の実施形態の聴診システムに備えられる電気聴診器の他の具体例におけるステート部付近における斜視図である。
図7本発明の実施形態の聴診システムに備えられる電気聴診器の他の具体例におけるステート部付近における斜視図である。
図8本発明の実施形態の聴診システムに備えられる電気聴診器の他の具体例におけるステート部付近における斜視図である。
図9図8の具体例の電気的構成の一例を示すブロック図である。
図10図8の具体例の電気的構成の他の例を示すブロック図である。
図11本発明の実施形態の聴診システムに備えられる電気聴診器の他の具体例における主に電気的構成を示すブロック図である。
図12本発明の実施形態の聴診システムに備えられる電気聴診器の他の具体例を示す全体斜視図である。
図13本実施形態で、呼吸音用の順次採取モードにおける表示画面を示す平面図である。
図14本実施形態で、呼吸音用の任意採取モードにおける表示画面を示す平面図である。
図15本実施形態で、心音用の任意採取モードにおける表示画面を示す平面図である。
図16本実施形態で、呼吸音用の通常再生モードにおける表示画面を示す平面図である。
図17本実施形態で、波形表示モードにおける表示画面を示す平面図である。

--

0117

10、20、30、40、50、60…電気聴診器
11、21、31、41、51、61…ステート部
12…検出面
13…検出面
14、24、34、34a、44…スイッチ
16、16’…マイクロホン
120…ケーブル
100、400、500、600…信号処理装置
108…イヤホン
1001…第1ユニット
1006…記録用のコンピュータ
1006a…表示装置
1006b…記憶媒体
1007…モデム
2001…第2ユニット
2004…ヘッドホーン
2006…再生用のコンピュータ
2006a…表示装置
2006b…記憶媒体
2007…モデム

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