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技術 キノコ類の成分の抽出方法

出願人 トキワ漢方販売株式会社
発明者 久留宮元松井松太郎
出願日 2000年5月22日 (20年1ヶ月経過) 出願番号 2000-149752
公開日 2001年11月27日 (18年7ヶ月経過) 公開番号 2001-327263
状態 特許登録済
技術分野 食品の着色及び栄養改善
主要キーワード 抽出処理液 冷凍乾燥機 中間成分 保存状況 シヤー 水溶性高分子多糖類 酵素反応処理 植物組織崩壊酵素
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2001年11月27日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

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課題

低分子画分から高分子画分にわたりキノコ類の成分を抽出する方法を提供する。

解決手段

下記(1)〜(6)の工程を含むことを特徴とするキノコ類の成分の抽出方法

(1)生、冷凍もしくは乾燥のキノコ類を、30℃以下の水中で抽出する工程、(2)生、冷凍もしくは乾燥のキノコ類、および/または該工程(1)における抽出残渣を、70℃以上の水中で抽出する工程、(3)生、冷凍もしくは乾燥のキノコ類、および/もしくは該工程(1)および/または(2)における抽出残渣を、30〜90℃の水中で酵素処理して抽出する工程、(4)工程(1)〜(3)で得られた画分を、遠心分離および/または濾過により固液分離する工程、(5)得られた透明な分離液濃縮する工程、および(6)得られた濃縮液を乾燥する工程。

概要

背景

従来、キノコ類抽出方法としては、種々考えられているが、熱水による抽出が一般的である。しかしながら、熱水抽出により、高分子画分、例えば、β—グルカン等は完全に抽出できずに抽出原体中に残っている。熱水アルカリ抽出により、高分子画分のβ−グルカン等は相当量の抽出が可能であるが、エキス化した場合に高アルカリ濃度となるという欠点がある。中和した場合には、塩分濃度が高くなり、塩味が強くなると考えられる。また、酵素分解により高分子画分であるβ−グルカン等を取り出すことも行われているが、β−グルカンの回収効率の向上のみにとらわれ、薬理的に有用とされる物質酵素により失われている可能性が考えられる。しかし、これらの方法は、単に抽出エキスを作る手段、また、高分子画分を効率的に取り出すことだけを考えているだけであり、キノコ類に含有された有用な成分を隈無く抽出しているとは言い難い方法と考えられる。

概要

低分子画分から高分子画分にわたりキノコ類の成分を抽出する方法を提供する。

下記(1)〜(6)の工程を含むことを特徴とするキノコ類の成分の抽出方法。

(1)生、冷凍もしくは乾燥のキノコ類を、30℃以下の水中で抽出する工程、(2)生、冷凍もしくは乾燥のキノコ類、および/または該工程(1)における抽出残渣を、70℃以上の水中で抽出する工程、(3)生、冷凍もしくは乾燥のキノコ類、および/もしくは該工程(1)および/または(2)における抽出残渣を、30〜90℃の水中で酵素処理して抽出する工程、(4)工程(1)〜(3)で得られた画分を、遠心分離および/または濾過により固液分離する工程、(5)得られた透明な分離液濃縮する工程、および(6)得られた濃縮液を乾燥する工程。

目的

本発明の目的は、この様な従来の抽出方法のように、ただ単に抽出エキスを得る方法、または高分子画分のβ—グルカンを効率的に得る方法ではなく、キノコ類の低分子画分、中間的画分および高分子画分を個別にあるいは混合状態で取り出すことにより、キノコ類に含有された有用的な成分を隈無く抽出し、さらには抽出粕からも有用な成分を取り出すことができる方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
5件

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請求項1

下記(1)〜(6)の工程を含むことを特徴とするキノコ類の成分の抽出方法。(1)生、冷凍もしくは乾燥のキノコ類を、該キノコ類1重量部に対して5〜100重量部の30℃以下の水中で抽出する工程、(2)生、冷凍もしくは乾燥のキノコ類、および/または該工程(1)における抽出残渣を、該キノコ類および/または該抽出残渣の1重量部に対して5〜100重量部の70℃以上の水中で抽出する工程、(3)生、冷凍もしくは乾燥のキノコ類、および/または該工程(1)および/もしくは(2)における抽出残渣を、該キノコ類および/または該抽出残渣の1重量部に対して5〜100重量部の30〜90℃の水中で酵素処理して抽出する工程、(4)工程(1)〜(3)で得られた画分を、別々に、または任意に組み合わせて、遠心分離および/または濾過により固液分離する工程、(5)得られた透明な分離液を、別々に、または任意に組み合わせて、濃縮する工程、および(6)得られた濃縮液を、別々に、または任意に組み合わせて、乾燥する工程。

請求項2

工程(1)において、撹拌機で混合することによって抽出する請求項1記載の方法。

請求項3

工程(1)において、撹拌機で混合することなく、キノコ類を水に浸し水に充分接触させ、自然放置することによって抽出する請求項1記載の方法。

請求項4

工程(1)において、5〜100重量部の水の代わりに5〜100重量部の30〜100%エタノール中で、撹拌または自然放置することにによって抽出する請求項1記載の方法。

請求項5

工程(1)において、流水によりキノコ類の表面を洗い流し、その水を回収することによって抽出する請求項1記載の方法。

請求項6

工程(1)〜(3)において、工程(2)および(3)では新たに生、冷凍もしくは乾燥のキノコ類を加えることなく、工程(1)より(2)、(3)と順次抽出工程を重ねて、主として、工程(1)から低分子の画分、工程(2)から低分子と高分子の中間的画分、および工程(3)から高分子の画分を別々に得る請求項1記載の方法。

請求項7

工程(4)および(5)において、工程(1)〜(3)からの得られた液を合わせて連続的に固液分離および濃縮を行って低分子から高分子まで含んだ濃縮液を得る請求項1記載の方法。

請求項8

得られた濃縮液を乾燥する請求項7記載の方法。

請求項9

工程(4)において、遠心分離後に濾過を行う請求項1記載の方法。

請求項10

工程(4)における濾過による固液分離において、ケイ藻土セライトパーライトおよび結晶セルロースよりなる群から選択される濾過助剤を用いる請求項1記載の方法。

請求項11

工程(2)および(3)において、分離されるキノコ類の残渣を乾燥し、粉末化する請求項1記載の方法。

技術分野

0001

キノコ類には、漢方薬として古くから珍重されてきたものもあれば、美食家のするもの、また、毎日食卓にのるもの、毒性を持つキノコとたくさんの種類があり、その栄養成分によって効能もさまざまである。キノコ全体に言える栄養的特徴は、ナトリウムが少なくカリウムが多いことで、このカリウムには血圧下げる働きがあることがよく知られている。その上、コレステロールのたまる心配のないノーカロリー食品であり、アミラーゼなど各種消化酵素、代謝に欠かせないビタミンB1、B2も多く含まれている。

0002

食用として、まつたけ、しめじ、えのきたけ、しいたけ、マッシュルームなどとは別に、近年、新しいキノコが市場に登場している。また、漢方薬としては、茯苓チョレイなどが古くから使用され、利水作用や抗癌作用を目的に実績を示している。また、健康食品として、アガリクス霊芝・しいたけなどが利用され臨床的にも効果が認められてきている。そして、しいたけのレンチナン、かわらたけのクレスチン、すえひろたけのシゾフィランなどは、抗癌剤として医療向けに使用されており、また、アガリクス中の多糖類であるβ−グルカン抗癌活性が注目されてきている。

背景技術

0003

従来、キノコ類の抽出方法としては、種々考えられているが、熱水による抽出が一般的である。しかしながら、熱水抽出により、高分子画分、例えば、β—グルカン等は完全に抽出できずに抽出原体中に残っている。熱水アルカリ抽出により、高分子画分のβ−グルカン等は相当量の抽出が可能であるが、エキス化した場合に高アルカリ濃度となるという欠点がある。中和した場合には、塩分濃度が高くなり、塩味が強くなると考えられる。また、酵素分解により高分子画分であるβ−グルカン等を取り出すことも行われているが、β−グルカンの回収効率の向上のみにとらわれ、薬理的に有用とされる物質酵素により失われている可能性が考えられる。しかし、これらの方法は、単に抽出エキスを作る手段、また、高分子画分を効率的に取り出すことだけを考えているだけであり、キノコ類に含有された有用な成分を隈無く抽出しているとは言い難い方法と考えられる。

発明が解決しようとする課題

0004

本発明の目的は、この様な従来の抽出方法のように、ただ単に抽出エキスを得る方法、または高分子画分のβ—グルカンを効率的に得る方法ではなく、キノコ類の低分子画分、中間的画分および高分子画分を個別にあるいは混合状態で取り出すことにより、キノコ類に含有された有用的な成分を隈無く抽出し、さらには抽出粕からも有用な成分を取り出すことができる方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0005

本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、(I)下記(1)〜(6)の工程を含むことを特徴とするキノコ類の成分の抽出方法。
(1)生、冷凍もしくは乾燥のキノコ類を、該キノコ類1重量部に対して5〜100重量部の30℃以下の水中で抽出する工程、(2)生、冷凍もしくは乾燥のキノコ類、および/または該工程(1)における抽出残渣を、該キノコ類および/または該抽出残渣の1重量部に対して5〜100重量部の70℃以上の水中で抽出する工程、(3)生、冷凍もしくは乾燥のキノコ類、および/もしくは該工程(1)および/または(2)における抽出残渣を、該キノコ類および/または該抽出残渣の1重量部に対して5〜100重量部の30〜90℃の水中で酵素処理して抽出する工程、(4)工程(1)〜(3)で得られた画分を、別々に、または任意に組み合わせて、遠心分離および/または濾過により固液分離する工程、(5)得られた透明な分離液を、別々に、または任意に組み合わせて、濃縮する工程、および(6)得られた濃縮液を、別々に、または任意に組み合わせて、乾燥する工程;を提供するものである。また、本発明は、(II)工程(1)において、撹拌機で混合することによって抽出する(I)記載の方法、(III)工程(1)において、撹拌機で混合することなく、キノコ類を水に浸し水に充分接触させ、自然放置することによって抽出する(I)記載の方法、(IV)工程(1)において、5〜100重量部の水の代わりに5〜100重量部の30〜100%エタノール中で、撹拌または自然放置することにによって抽出する(I)記載の方法、(V)工程(1)において、流水によりキノコ類の表面を洗い流し、その水を回収することによって抽出する(I)記載の方法、(VI)工程(1)〜(3)において、工程(2)および(3)では新たに生、冷凍もしくは乾燥のキノコ類を加えることなく、工程(1)より(2)、(3)と抽出順次工程を重ねて、主として、工程(1)から低分子の画分、工程(2)から低分子と高分子の中間的画分、および工程(3)から高分子の画分を別々に得る(I)記載の方法、(VII)工程(4)および(5)において、工程(1)〜(3)からの得られた液を合わせて連続的に固液分離および濃縮を行って低分子から高分子まで含んだ濃縮液を得る(I)記載の方法、(VIII)得られた濃縮液を乾燥する(VII)記載の方法、(IX)工程(4)において、遠心分離後に濾過を行う(I)記載の方法、(X)工程(4)における濾過による固液分離において、ケイ藻土セライトパーライトおよび結晶セルロースよりなる群から選択される濾過助剤を用いる(I)記載の方法、(XI)工程(2)および(3)において、分離されるキノコ類の残渣を乾燥し、粉末化する(I)記載の方法を提供する。

0006

本発明の方法により得られる抽出物は、調味料、健康補助食品食品原料等の分野で広く使用できる抽出物である。また、高分子画分を取り出した最終の残渣は、乾燥粉末化することにより水不溶性食物繊維として、有用に利用することができ、キノコ類の資源を無駄なく利用できる。

発明を実施するための最良の形態

0007

以下、本発明につき詳細に説明する。本発明の抽出方法で用いるキノコ類は産地、生、冷凍、乾燥等は問わないが、微生物汚染農薬高濃度残留異物混入の少ないものが望ましい。まず、工程(1)において、生、冷凍もしくは乾燥キノコ類をキノコ類1重量部に対して5〜100重量部の30℃以下の冷水、または5〜100重量部の30℃以下の30〜100%のエタノール水溶液中に投入し、抽出する。抽出は、撹拌機で混合することにより、あるいは撹拌機で混合することなく、キノコ類を水に浸し水に充分接触させ、自然放置することにより、あるいは流水によりキノコ類の表面を洗い流し、その水を回収することにより行う。抽出処理時間は、冷水またはエタノール水溶液の量により調節するが、適当な時間ごとにBrix固形分濃度を確認し、その数値が変化しなくなった時点を終了時点とする。工程(1)では、キノコ類に含まれる成分のうち主として低分子成分が抽出される。

0008

この様にして抽出した液を工程(4)において遠心分離機により水不溶性の部分を固液分離する。遠心力が高い場合には、分離液はそのまま使用できるが、低い場合には、濾過筒フィルタープレス等の濾過装置により精密濾過を行うことにより、遠心分離機だけを用いた液よりもより澄明な液を得ることができる。濾過装置だけでも可能であるが、濾過面積の大きな装置が必要である。また、濾過助剤としてケイ藻土、セライト、パーライト、結晶セルロース等をキノコ類の重量に対して、5〜150重量%使用することにより、キノコ類中の水不溶性の脂質類吸着除去することができる。また、濾過助剤を使用することにより、さらに澄明な液を得ることができる。

0009

この様にして得られた液を、工程(5)において60℃以下で濃縮器により減圧下濃縮する。濃縮液量としては、使用する状況、保存状況により適量な重量とする。この様にして得られた濃縮液を、加熱殺菌後冷蔵冷凍保存するか、加熱殺菌時、または、後に適当な酸、好ましくは、食品添加物添加物として認められている、塩酸リンゴ酸クエン酸酒石酸乳酸酢酸フマル酸フタル酸グルコン酸アジピン酸食酢等を加えてpH=4.2以下、好ましくは、pH=3.9以下に調製することにより一般的な微生物繁殖を抑制できる。

0010

この様にして得られた濃縮液を、そのまま使用することも可能であるが、工程(6)において冷凍乾燥機スプレードライ乾燥機等により、乾燥粉末化できる。次に、工程(2)において、工程(1)の抽出で得られたキノコ類の残渣を該残渣1重量部に対して5〜100重量部の70℃以上の熱水中に投入し、好ましくは30〜300分撹拌抽出する。加熱時間は、温度が高ければ短く、低ければ長く加温抽出する必要がある。例えば、好ましくは、70℃で2〜5時間、95℃で30〜180分が適当である。なお、工程(2)においては、工程(1)の抽出残渣に代えてまたはそれと共に生、冷凍もしくは乾燥のキノコ類を抽出することもできる。工程(1)の抽出残渣に代えて生、冷凍もしくは乾燥のキノコ類を抽出する場合は、該キノコ類1重量部に対して5〜100重量部の水中で抽出する。また、該キノコ類および工程(1)の抽出残渣を共に抽出する場合は、それらの合計1重量部に対して5〜100重量部の水中で抽出する。工程(1)の抽出残渣のみを抽出する場合は、キノコ類に含まれる成分のうち主として分子量的に低分子と高分子の中間の成分が抽出される。キノコ類のみを抽出する場合には、主として、低分子成分および中間成分が抽出される。また、キノコ類と工程(1)の抽出残渣の両者を抽出する場合には、主として、低分子成分および中間成分が抽出される。

0011

この様にして抽出した液を工程(4)において遠心分離機により水不溶性の部分を固液分離する。遠心力が高い場合には、分離液はそのまま使用できるが、低い場合には、濾過筒、フィルタープレス等の濾過装置により精密濾過を行うことにより、遠心分離機だけを用いた液よりもより澄明な液を得ることができる。濾過装置だけでも可能であるが、濾過面積の大きな装置が必要である。また、濾過助剤としてケイ藻土、セライト、パーライト、結晶セルロース等をキノコ類の重量に対して、5〜150重量%使用することにより、キノコ類中の水不溶性の脂質類を吸着除去することができる。また、濾過助剤を使用することにより、さらに澄明な液を得ることができる。この様にして得られた液を、工程(5)において60℃以下で濃縮器により減圧下濃縮する。濃縮液量は、使用する状況、保存状況により適量な重量とする。

0012

この様にして得られた濃縮液を、加熱殺菌後に冷蔵もしくは冷凍保存することにより、または加熱殺菌時もしくは加熱殺菌後に適当な酸、好ましくは、食品添加物として認められている塩酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、酢酸、フマル酸、フタル酸、グルコン酸、アジピン酸、食酢等を加えてpH=4.2以下、好ましくは、pH=3.9以下に調整することにより一般的な微生物の繁殖を抑制できる。この様にして得られた濃縮液を、そのまま使用することも可能であるが、工程(6)において凍結乾燥機、スプレードライ乾燥機等により、乾燥粉末化できる。

0013

次に、工程(3)において、工程(1)および/または(2)の抽出で得られたキノコ類の残渣を該残渣1重量部に対して5〜100重量部の30〜90℃の熱水および温水中に投入し、撹拌混合を行う。次に、糸状菌由来植物組織崩壊酵素をキノコ類残渣1重量部当たりに対して0.001〜5.0%重量部投入し、撹拌機などで混合する。好ましい温度として40〜60℃であり、酵素処理時間は、2〜12時間が適当である。なお、工程(3)においては、工程(1)および/または(2)の抽出残渣に代えてまたはそれと共に生、冷凍もしくは乾燥のキノコ類を抽出することもできる。工程(1)および/または(2)の抽出残渣に代えて生、冷凍もしくは乾燥のキノコ類を抽出する場合は、該キノコ類1重量部に対して5〜100重量部の水中で抽出する。また、該キノコ類および工程(1)および/または(2)の抽出残渣を共に抽出する場合は、それらの合計1重量部に対して5〜100重量部の水中で抽出する。工程(1)および/または(2)の抽出残渣のみを抽出する場合は、キノコ類に含まれる成分のうち主として高分子の成分が抽出される。キノコ類のみを抽出する場合には、低分子成分が抽出される。また、キノコ類と工程(1)および/または(2)の抽出残渣の両者を抽出する場合には、低分子成分ないし高分子成分が抽出される。

0014

酵素反応処理時間および処理温度は、酵素の種類、量、メーカー力価または2種類以上の組合せなどにより、多少の差が生じてくるので調整が必要と考えられる。酵素処理抽出液を70℃以上で10〜120分間加熱処理し酵素の死活化を行い最終抽出処理液とする。

0015

この様にして得られた抽出液は工程(4)において遠心分離機により水不溶性の部分を固液分離する。遠心力が高い場合には、分離液はそのまま使用できるが、低い場合には、濾過筒、フィルタープレス等の濾過装置により精密濾過を行うことにより、遠心分離機だけを用いた液よりもより澄明な液を得ることができる。濾過装置だけでも可能であるが、濾過面積の大きな装置が必要である。また、濾過助剤としてケイ藻土、セライト、パーライト、結晶セルロース等をキノコ類の重量に対して、5〜150重量%使用することにより、キノコ類中の水不溶性の脂質類を吸着除去することができる。また、濾過助剤を使用することにより、さらに澄明な液を得ることができる。

0016

この様にして得られた液を、工程(5)において60℃以下で濃縮器により減圧下濃縮する。濃縮液量は、使用する状況、保存状況により適当な重量とする。

0017

この様にして得られた濃縮液を、加熱殺菌後に冷蔵もしくは冷凍保存することにより、または加熱殺菌時もしくは加熱殺菌後に適当な酸、好ましくは、食品添加物として認められている塩酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、酢酸、フマル酸、フタル酸、グルコン酸、アジピン酸、食酢等を加えてpH=4.2以下、好ましくは、pH=3.9以下に調整することにより一般的な微生物の繁殖を抑制できる。

0018

この様にして得られた濃縮液は、そのまま使用することも可能であるが、工程(6)において凍結乾燥機、スプレードライ乾燥機等により乾燥粉末化できる。最終的に得られた工程(2)または(3)からの抽出残渣を棚式乾燥機フロードライヤー等を用いて、40℃以上で乾燥させる。乾燥させた抽出残渣を適当な大きさに粉砕し、臼・ボールミル等の粉砕粉末機を使用し微粉末を得る。なお、抽出工程(1)〜(3)からの分離液を別々に固液分離し、濃縮し、乾燥することを前記したが、これらの分離液を任意に組み合わせて、例えば、全てを一緒にして連続的に固液分離および濃縮を行って低分子から高分子まで含んだ濃縮液を得ることもできる。

0019

以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
実施例(1)
ハナビラタケ乾燥品100kgを20℃の冷水1,500kgに投入し、2時間撹拌抽出する。次に、残渣を有効壁遠心分離機により固液分離する。固液分離した液をシャープレス型遠心分離機中で13,000〜15,000に回転させ通液し、さらに固液分離する。その分離液はケイ藻土5kgを付着させたステンレス製濾過筒に通液し澄明な液を得る。濾過処理された液を、60℃以下で減圧下濃縮させ、最終液量を40kgとする。90℃で30分間加熱殺菌を行い熱い状態で、容器充填を行う。得られた濃縮液は、マンニットソルビットなどの糖アルコールを20〜60%程度含む低分子画分を多く含む溶液であった。

0020

実施例(2)
実施例1におけるハナビラタケ乾燥品抽出残渣100kg(乾燥時)を90〜100℃の熱水1,500kgに投入し、2時間撹拌抽出する。次に、残渣を有効壁遠心分離機により固液分離する。固液分離した液をシヤープレス型遠心分離機中で13,000〜15,000に回転させ通液し、さらに固液分離する。その分離液はケイ藻土5kgを付着させたステンレス製濾過筒に通液し澄明な液を得る。濾過処理された液を、60℃以下で減圧下濃縮させ、最終液量を30kgとする。90℃で30分間加熱殺菌を行い熱い状態で、容器に充填を行う。得られた濃縮液は、マンニット、ソルビットなどの糖アルコールを5%以下、またβ—グルカン等を含む水溶性高分子多糖類を乾燥キハナビラタケにおける全含有量の5〜20%程度抽出できた溶液であった。得られた濃縮液に固形分と同量デキストリンを加え、スプレードライヤーにて乾燥を行い乾燥エキスパウダ—を得た。

0021

実施例(3)
実施例2におけるハナビラタケ乾燥品抽出残渣100kg(乾燥時)を45〜55℃の温水1,500kgに投入し、糸状菌由来酵素セルラーゼ0.1kgと、ペクチナーゼ0.05kgを添加し5時間撹拌しつつ酵素処理を行う。酵素処理して得られた液を、90〜100℃で1時間加熱処理し酵素を死活化させる。次に、残渣を有効壁遠心分離機により固液分離する。固液分離した液をシヤープレス型遠心分離機中で13,000〜15,000に回転させ通液し、さらに固液分離する。その分離液はケイ藻土5kgを付着させたステンレス製濾過筒に通液し澄明な液を得る。濾過処理された液を、60℃以下で減圧下濃縮させ、最終液量を15kgとする。90℃で30分間加熱殺菌を行い熱い状態で、容器に充填を行う。

0022

得られた濃縮液は、マンニット、ソルビットなどの糖アルコールを含まず、β−グルカン等を含む水溶性高分子多糖類を乾燥キハナビラタケにおける含有量の5〜50%程度抽出できた溶液であった。得られた濃縮液に、固形分と同量のデキストリンを加え、スプレードライヤーにて乾燥し乾燥エキスパウダーを得た。実施例3におけるハナビラタケ抽出残渣を乾燥器に入れ、減圧下、40℃で加熱乾燥する。乾燥された抽出残渣を粉砕器にかけある程度の大きさに粉砕する。次に、ボールミルに移し100メッシュ篩いを通過するまで微粉化する。乾燥末は、乾燥ハナビラタケの30〜50%程度の収率である。

発明の効果

0023

本発明は、キノコ類の成分を分子量の大きさの単位ごとに抽出することにより、キノコ類に含む有用な成分を無駄なく利用できる方法である。その用途ごとに利用価値があり、調味料、健康食品、食品原料、β−グルカンを代表とする高分子多糖類を多く含む免疫活性食品、キノコ由来天然食物繊維と幅広い用途で使用でき、ドリンク剤錠剤顆粒剤などに加工し易いエキス類を提供するものである。

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