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技術 遺伝子ファミリーNM23のポリペプチドまたはこれらをコードする核酸の、皮膚または腸障害の診断または治療のための使用、およびそれらの、薬理学的に活性がある物質の同定のための使用

出願人 スウィッチ・バイオテック・アクチェンゲゼルシャフトエト・チューリッヒ
発明者 サビーネ・ヴェルナースザンネ・ブラオンイェルン-ペーター・ハレアンドレアス・ゴッペルトヨハネス・レーゲンボーゲン
出願日 2001年2月23日 (19年9ヶ月経過) 出願番号 2001-047946
公開日 2001年11月20日 (19年0ヶ月経過) 公開番号 2001-322947
状態 未査定
技術分野 生物学的材料の調査,分析 特有な方法による材料の調査、分析 自動分析、そのための試料等の取扱い 突然変異または遺伝子工学 微生物、その培養処理 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 動物,微生物物質含有医薬 化合物または医薬の治療活性 非環式または炭素環式化合物含有医薬
主要キーワード 移動指標 局所変化 本マトリックス 直接エントリ 調査表 圧迫ガーゼ 選択的溶出 空間的パターン
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

皮膚の障害腸障害創傷治癒、創傷治癒の障害の解析診断、予防、治療薬理学的に活性がある物質の同定等に有用なポリペプチドの提供。

解決手段

遺伝子ファミリーNM23の配列番号1ないし10のポリプペチド、またはその機能する変異体あるいはこのポリペプチドをコードする核酸またはその変異体を上記各症状の解析等に用いる。

概要

背景

概要

皮膚の障害腸障害創傷治癒、創傷治癒の障害の解析診断、予防、治療薬理学的に活性がある物質の同定等に有用なポリペプチドの提供。

遺伝子ファミリーNM23の配列番号1ないし10のポリプペチド、またはその機能する変異体あるいはこのポリペプチドをコードする核酸またはその変異体を上記各症状の解析等に用いる。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

遺伝子ファミリーNM23の配列番号1ないし配列番号10の1つにしたがった、少なくとも1つのポリペプチドまたはその機能する変異体、あるいは前記ポリペプチドの1つをコードする、少なくとも1つの核酸またはその変異体の、皮膚の障害および/または腸障害解析および/または診断および/または予防および/または治療のため、および/または創傷治癒および/または創傷治癒の障害の治療のための使用。

請求項2

遺伝子ファミリーNM23の配列番号1ないし配列番号10の1つにしたがった、少なくとも1つのポリペプチドまたはその機能する変異体、あるいは前記ポリペプチドの1つをコードする、少なくとも1つの核酸またはその変異体の、皮膚の障害および/または腸障害に、および/または創傷治癒および/または創傷治癒の障害の治療に関連する、少なくとも1つの薬理学的に活性がある物質の同定のための使用。

請求項3

薬理学的に活性がある物質が、例えばDNA結合ドメインプロモーターまたはエンハンサーリプレッサーの形の核酸、あるいは活性化剤または阻害剤の形のポリペプチドより選択されることで特徴付けられる、請求項2の使用。

請求項4

核酸がDNAまたはRNA、好ましくはDNAであり、特に二本鎖DNAであることで特徴付けられる、請求項1ないし3の1つの、核酸の使用。

請求項5

核酸配列が、少なくとも1つのイントロンおよび/またはポリA配列を有することで特徴付けられる、請求項1ないし4の1つの、核酸の使用。

請求項6

アンチセンス配列の形の、請求項1ないし5の1つの、核酸の使用。

請求項7

核酸が合成的に調製されていることで特徴付けられる、請求項1ないし6の1つの、核酸の使用。

請求項8

ポリペプチドが合成的に調製されていることで特徴付けられる、請求項1ないし3の1つの、ポリペプチドの使用。

請求項9

ポリペプチドが融合タンパク質であることで特徴付けられる、請求項1ないし3または8の1つの、ポリペプチドの使用。

請求項10

遺伝子ファミリーNM23の配列番号1ないし配列番号10のポリペプチドまたはその変異体をコードする、少なくとも1つの核酸を含む、優先的にはプラスミドシャトルベクターファージミドコスミドの形のベクターの、皮膚の障害および/または腸障害および/または創傷治癒および/または創傷治癒の障害の解析および/または診断および/または予防および/または治療のための使用。

請求項11

ベクターが発現ベクターであることで特徴付けられる、請求項10の使用。

請求項12

ベクターがノックアウト遺伝子構築物であることで特徴付けられる、請求項10の使用。

請求項13

ベクターが遺伝子治療に適しているベクターであることで特徴付けられる、請求項10ないし12の1つの使用。

請求項14

遺伝子ファミリーNM23の配列番号1ないし配列番号10の1つのポリペプチドまたはその変異体をコードする、少なくとも1つの核酸を含む、宿主細胞の、皮膚の障害および/または腸障害および/または創傷治癒および/または創傷治癒の障害の、解析および/または診断および/または予防および/または治療のための使用。

請求項15

核酸が、請求項10ないし13の1つのベクターの形で宿主細胞に挿入されていることで特徴付けられる、請求項14の宿主細胞の使用。

請求項16

皮膚または腸細胞であることで特徴付けられる、請求項14または15の宿主細胞の使用。

請求項17

トランスジェニック胚非ヒト幹細胞であることで特徴付けられる、請求項14または15の宿主細胞の使用。

請求項18

請求項17のトランスジェニック胚性非ヒト幹細胞を含む、トランスジェニック非ヒト哺乳動物の使用であって、トランスジェニック非ヒト哺乳動物が、皮膚の障害および/または腸障害および/または創傷治癒および/または創傷治癒の障害の、解析および/または診断のために用いられることで特徴付けられる、前記使用。

請求項19

そのゲノムが、請求項11または12の発現カセットまたはノックアウト遺伝子構築物を含むことで特徴付けられる、請求項18のトランスジェニック非ヒト哺乳動物の使用。

請求項20

皮膚の障害および/または腸障害および/または創傷治癒および/または創傷治癒の障害の解析および/または診断および/または予防、および/または薬理学的に活性がある物質の同定のための抗体の使用であって、前記抗体が、NM23遺伝子ファミリーの配列番号1ないし配列番号10の1つのポリペプチドに対して、またはその機能する変異体に対して向けられる、前記使用。

請求項21

皮膚の障害または腸障害および/または創傷治癒および/または創傷治癒の障害の診断のための診断剤の使用であって、該診断剤が、NM23遺伝子ファミリーの配列番号1ないし配列番号10の1つにしたがった、少なくとも1つのポリペプチドまたはその機能する変異体、あるいはこれらをコードする少なくとも1つの核酸、またはその変異体、あるいは請求項20の少なくとも1つの抗体を、適切な場合、適切な添加剤および/または補助剤と共に含むことで特徴付けられる、前記使用。

請求項22

診断剤がプローブ、優先的にはDNAプローブを含むことで特徴付けられる、請求項21の方法。

請求項23

適切な場合、適切な添加剤および/または補助剤を伴う、NM23遺伝子ファミリーの配列番号1ないし配列番号10の1つにしたがった、少なくとも1つのポリペプチドまたはその機能する変異体、あるいは前記ポリペプチドをコードする少なくとも1つの核酸、またはその変異体、あるいは請求項20の少なくとも1つの抗体の、医薬品(medicament)の調製のための使用であって、該医薬品が、皮膚の障害および/または腸障害および/または創傷治癒および/または創傷治癒の障害の治療に用いられる、前記使用。

請求項24

皮膚の障害および/または腸障害および/または創傷治癒および/または創傷治癒の障害と関連する、機能上の相互作用因子の同定のための試験の使用であって、該試験が、NM23遺伝子ファミリーの配列番号1ないし配列番号10の1つにしたがった、少なくとも1つのポリペプチドまたはその機能する変異体、あるいはこれらをコードする少なくとも1つの核酸、またはその変異体、あるいは請求項20の少なくとも1つの抗体を、適切な場合、適切な添加剤および/または補助剤と共に含むことで特徴付けられる、前記使用。

請求項25

皮膚および/または腸障害および/または創傷治癒および/または創傷治癒の障害と関連する解析のための、支持物質上に固定されたアレイの使用であって、該アレイが、NM23遺伝子ファミリーの配列番号1ないし配列番号10の1つにしたがった、少なくとも1つのポリペプチドまたはその機能する変異体、あるいは前記ポリペプチドをコードする少なくとも1つの核酸、またはその変異体、あるいは請求項20の少なくとも1つの抗体を含むことで特徴付けられる、前記使用。

請求項26

アレイがDNAチップおよび/またはタンパク質チップであることで特徴付けられる、請求項25の使用。

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0001

本発明は、遺伝子ファミリーNM23のポリペプチドまたはこれらをコードする核酸の、皮膚または腸細胞障害および創傷治癒、および/または創傷治癒の障害の診断および/または予防および/または治療のための使用、並びにそれらの、薬理学的に活性がある物質の同定のための使用に関する。

0002

創傷は、一般的に、療法的介入なしに治癒する。しかし、創傷治癒が役割を果たす多くの障害があり、例えば真性糖尿病動脈閉塞性疾患、乾癬クローン病表皮水疱症年齢関連皮膚変化または神経支配障害である。創傷治癒障害は、創傷治癒の遅延または慢性創傷につながる。これらの障害は、創傷の性質(例えば、広範囲の創傷、深くそして物理的に拡大された手術創傷、やけど外傷床ずれ)、患者の薬物での治療(例えばコルチコイド類での)により引き起こされる可能性があるが、また、障害の性質自体により引き起こされる可能性もある。例えば、II型糖尿病患者の25%は、例えば、慢性潰瘍(「糖尿病足(diabetic foot)」)をしばしば患い、そのうちおよそ半数は、高価な入院治療を必要とし、そしてにもかかわらず最終的に不完全にしか治癒しない。糖尿病足は、糖尿病に関連する他のいかなる合併症よりも、より長い入院を引き起こす。I型およびII型糖尿病のこれらの症例の数は増加しつつあり、そしてすべての入院の2.5%に相当する。さらに、創傷は、患者の年齢が上がるにつれ、より治癒しにくくなる。天然治癒過程加速はまた、例えば細菌感染の危険または患者の静養期間を減少させるためにも、しばしば望ましい。

0003

さらなる障害はまた、創傷閉鎖成功後に起こる可能性もある。胎児皮膚創傷は、傷痕形成なしに治癒するが、生後期間は、損傷後、常に、傷痕の形成が起こり、これはしばしば大きな整形的問題に相当する。さらに、広範囲のやけど創傷の患者、特に傷痕のある皮膚で、付属器、例えば毛包汗腺および脂腺が失われているような場合、生活の質は、劇的に不利な影響を受ける可能性がある。特有遺伝的性質の場合、周囲の皮膚の内部に増殖する肥大性の傷痕である、ケロイドもまた起こる可能性がある。

0004

皮膚治癒過程は、調整された方式で進行する、複雑な作用および多様な細胞種相互作用を必要とする。創傷治癒過程において、以下の段階が区別される:創傷の領域における血液の凝固炎症性細胞の補充、上皮再形成顆粒形成組織の形成およびマトリックス改造。増殖、移動、マトリックス合成および収縮期中に関与する細胞種の正確な反応パターンは、例えば、増殖因子受容体およびマトリックスタンパク質などの遺伝子の制御と同様、現在までほとんど知られていない。

0005

したがって、現在まで、創傷治癒障害に介入することを可能にするために、数種の満足できる療法しか開発されてきていない。療法の確立された型は、創傷治癒の物理的補助(例えば、包帯圧迫ガーゼゲル)または皮膚組織培養皮膚細胞および/またはマトリックスタンパク質の移植に限定される。近年、創傷治癒の改善のため、増殖因子が試験されてきているが、慣用的な療法を決定的には改善していない。創傷治癒障害の診断もまた、現在までに創傷治癒中の遺伝子制御のより深い理解が欠けているため、さほど意味がない、皮膚の視覚解析に基づいている。

0006

現在まで、皮膚および腸の再生過程の他の障害に関してもまた、さほど満足できる療法は開発されてきていない。ここでもまた、診断剤および療法の開発に、遺伝子制御の知識が好都合である。創傷治癒に関連する遺伝子はまた、皮膚の再生の障害に基づく皮膚科学的障害に、および一般的に再生過程に必須の役割も果たしていることが示されてきている(Finchら, 1997, Am. J. Pathol. 151:1619−28; Wernerら, 1988, Cytokine Growth Factor Rev. 9:153−165)。したがって、増殖因子KGFは、創傷治癒中の角化細胞の増殖および分化の制御に必須の役割を果たすだけでなく、乾癬における角化細胞の過剰増殖においても、そして(クローン病および潰瘍性大腸炎(colitis ulcerosa)の)腸の再生過程においても、重要な因子である。

0007

したがって、皮膚または腸細胞の障害および/または創傷治癒および/または創傷治癒の障害の過程に関与し、そしてその使用が、診断および/または予防および/または治療、並びにまた、これらの障害と関連して有効である薬剤および/または診断剤の同定および開発を決定的に改善する、ポリペプチドおよび/またはこれらをコードする核酸を利用可能にするのが、本発明の目的である。

0008

皮膚または腸の障害、創傷治癒および創傷治癒の障害は、調節されない組織増殖および分化に関連する疾患、特に皮膚の癌および腸の癌とは異なると見なされる。後者の種類の疾患では、個々の細胞形質転換され、そして調節されない、自立的な方式で、すなわち他の細胞種との相互作用とは独立に、増殖し始め、こうした形質転換細胞は、その病理学的変化をその娘細胞受け継ぐ。これらの疾患において、相互作用の欠失は、細胞・細胞接着および典型的な細胞特性の欠失と平行する。対照的に、本発明にしたがった疾患は、細胞相互作用の障害から生じる。本発明にしたがった皮膚疾患の原因は、多様な要因に応じる。例えば、乾癬の場合、遺伝的な素因と共に機能不全T細胞、線維芽細胞および角化細胞が役割を果たす(Nairら, 1997; Hum. Molec. Genet. 6:1349−1356; Gottliebら, 1995, Nat.Med. 1:442−447; Saiagら, 1985, Science, 230:669−672; Pittelkow, 1998, inToenigk 1988:225−246)。創傷治癒の経過はまた、多様な内因性および外因性の要因によっても調節される可能性がある。真皮および表皮の異なる細胞種の相互作用と共に、これらの細胞種と、他の組織および器官、例えば血管系、神経系および結合組織との相互作用の小さな妨害であっても、創傷治癒の重度の障害に続き、傷痕の形成につながる可能性がある。さらに、創傷治癒の過程は、感染、加齢ビタミン欠乏と共に、糖尿病などの疾患および免疫系の障害により、影響を受ける可能性がある。皮膚の他の障害、例えば白斑およびアトピー性皮膚炎に関し、類似の複雑な相互作用が記載されてきている。こうした議論に基づき、本発明にしたがった皮膚疾患は、癌を含む、調節されない組織増殖および分化と関連する疾患とは区別することが可能である。

0009

癌性疾患自律的特性はまた、療法のレベルでも明白である。転移を形成しない腫瘍の場合、疾患は外科的に治療してもよい。こうした物理的治療は、腫瘍細胞が隣接細胞または組織と相互作用しないため、可能である。したがって、患者は腫瘍の切除により治癒する可能性がある一方、本発明にしたがった皮膚の障害の場合、こうした治療は不可能である。細胞・細胞および組織・組織相互作用の病理学的妨害は、皮膚の罹患部分の単純な切除により解決することはできない。

0010

区別すべき2つの異なる種類の疾患に対する2つの異なる治療アプローチを比較することにより、2つの異なる機構が異なる疾患の根底にあることが明らかである。調節されない組織増殖および分化と関連する疾患、特に癌の場合、療法は、迅速に増殖する細胞を、例えば細胞分裂抑制剤を用いて殺すことを標的とする。これらの毒性剤は、活発に増殖している細胞の増殖を妨げる一方、細胞周期G0期の細胞は影響を受けないままである。対照的に、本発明にしたがった皮膚の障害の治療は、異なる種類の細胞間の細胞相互作用を、例えば個々の細胞種の移動、増殖および分化に影響を及ぼすことにより、調節することに向けられる。本発明にしたがった皮膚の障害は、増殖細胞の一般的な不活性化により治療することが不可能である。

0011

本発明にしたがった創傷治癒および/または皮膚または腸の障害の過程に関与する、本発明にしたがって用いられる核酸を同定するための方法論的アプローチは、癌に関与する核酸を同定するのに適したアプローチとは非常に異なる。後者は、こうした疾患に罹患した細胞種において、差別的に発現されている遺伝子を解析することにより、同定することが可能である。本発明に用いられるスクリーニングアプローチは、皮膚の障害および/または創傷治癒および/または創傷治癒の障害の複雑な過程に関与する遺伝子を、病的なおよび健康な組織生検遺伝子発現を比較することにより、同定することを目的とする。こうしたアプローチは、癌性疾患に関与する遺伝子の同定には適していないであろう。

0012

本発明にしたがった皮膚の障害を、調節されない組織増殖および分化と関連する皮膚疾患、特に皮膚癌と区別するのに提起される議論はまた、本発明にしたがった腸の障害を、調節されない組織増殖および分化と関連する腸の疾患、特に腸の癌と区別する、類似の方法にも適用することが可能である。例えば、結腸潰瘍の治癒の遅延、例えばクローン病は、皮膚に関して示されてきているように、細胞相互作用を妨害する、多様な要因により引き起こされ、そして調節される。こうした要因には、自己免疫機構、サイトカイン多型、細菌および感染性病原体が含まれる(PernerおよびRask−Madsen, 1999, Aliment Pharmacol. Ther. 13:135−144)。これらの要因は、腸細胞、例えば小胞(crypt)細胞、絨毛腸細胞または食細胞の間の相互作用を妨害する(Ruemmele und Seidman, 1998, Chung Hua Min Kuo Hsiao Erh KoI Hsueh Hui Tsa Chih, 39:1−8)。したがって、本発明にしたがったスクリーニングはまた、腸特異的過程の癌に関与する核酸を同定するのに適しているだけでなく、腸の疾患に適用した際も、強力である。

0013

創傷治癒過程中のものと共に乾癬およびクローン病における遺伝子発現の解析において、遺伝子ファミリーNM23を同定することが可能であった。この遺伝子ファミリーは現在までにすでに知られており、そして報告されている機能は、皮膚または腸障害、例えば妨害された創傷治癒には関連付けられていなかったが、本発明によりその制御が創傷治癒過程に必須であり、したがって皮膚または腸障害、例えば妨害された創傷治癒の診断および/または治療と初めて関連付けられた。これらの遺伝子のポリペプチドは、本発明にしたがった皮膚および/または腸障害および/または創傷治癒の、診断、例えば徴候、および/または治療、例えば調節に関し、あるいは本発明から、完全に新規の療法アプローチが生じるような、皮膚および/または腸障害および/または創傷治癒の療法のための薬理学的に活性がある物質の同定に関し、現在までに知られている標的に属していなかった。

0014

したがって、本発明の目的は、配列番号1ないし配列番号10の1つにしたがった遺伝子ファミリーNM23の本発明にしたがって用いられるポリペプチド、またはその機能する変異体、あるいはこれらをコードする核酸またはその変異体の、皮膚および/または腸障害および/または創傷治癒および/または創傷治癒の障害の診断および/または治療、例えば療法的および/または予防的治療のための、および/または薬理学的に活性がある物質の同定のための、使用により達成される。

0015

遺伝子ファミリーNM23は、ヌクレオチド二リン酸キナーゼ(NDK)活性を有するタンパク質をコードし(Postel, 1998, Int. J.Biochem. Cell. Biol. 30:1291−5)、該タンパク質は、基質非特異的方式で、ヌクレオシド二リン酸ヌクレオシド三リン酸に変換する。活性酵素は、非常に相同な(図6を参照されたい)ポリペプチドNM23A(NDKAとも称される、図6を参照されたい)およびNM23B(NDKB)の6つのサブユニットからなり、そして可能性があるサブユニットの6つの組み合わせすべてが起こりうる(Gillesら, 1991, J. Biol. Chem. 266:8784−9)。遺伝子NM23−H1(ヒト由来EMBLデータベースエントリー、X17620、X75598、X73066; Rosengardら, 1989, Nature 342:177−180)およびNM23−M1(マウス由来、EMBL M35970、M65037、U85511、AF033377; Rosengardら、上記; Steegら, 1988, J. Natl. Cancer Inst. 80:200−204)はそれぞれ、ポリペプチドNM23A/NDKA(SWISSPROTデータベースエントリー、P15531およびP15532)をコードし、一方、遺伝子NM23−H2(EMBL X58965、M36981、L16785; Gillesら, 1991, J. Biol.Chem. 266:8784−9; Stahlら, 1991, Cancer Res. 51:445−9)およびNM23−M2(EMBL X68193; Uranoら, 1992, FEBSLett. 309:358−362)はNM23B/NKDB(SWISSPROTエントリー、P22392およびQ01768)をコードする。

0016

さらに、遺伝子NM23−H4/NDKM(SWISSPROTエントリー、O00746; Milonら, l997, Hum. Genet., 99:550−557);DR−NM23/NDK3(SWISSPROTエントリー、Ql3232; Cuccoら, l995, Proc. Natl.Acad. Sci. U.S.A., 92:7435−7439)、NM23−H5/NDK5(SWISSPROTエントリー、P56597、Munierら, 1998, FEBSLett., 434:289−294)、5型NM23(EMBLエントリー、U90449; Nakamuraら、1997、データベースへの直接エントリー)およびNDK6(SWISSPROTエントリー、O60361、BradshawおよびOzersky、1998、データベースへの直接エントリー)もまた、遺伝子ファミリーNM23に属する。遺伝子ファミリーNM23のポリペプチドは、アミノ酸配列レベルで、互いに、およそ55ないし95%の同一性を示す。

0017

代謝酵素としての機能に加え、遺伝子ファミリーNM23には、いくつかの他の機能が割り当てられてきている。例えば、NM23Bの遺伝子産物は、細胞質だけでなく、核にも位置し(Kraeftら, 1996, Exp. Cell Res. 227:63−9)、そしてDNA結合と共に、転写活性化機能が記載された(Postelら, 1993, Science 261:478−80; Postel, 1999, J. Biol. Chem 274:22821−9)。さらに、Ras−GTPアーゼの制御におけるNM23の役割が記載された(Zhuら, Proc. Nat. Acad. Sci. USA 96:14911−8)。

0018

NM23Aの発現の減少は、ショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)において、転移および細胞異常の形成の腫瘍マーカーとして記載され(Rosengardら, 1989, Nature 342:177−l80)、ここで、正常レベルのNM23発現は、腫瘍細胞が転移を形成する能力阻害することが可能である(LeeおよびLee, 1999,Cancer Letter 145:93−9)。この機能は、酵素活性に関連していないようである。(LeeおよびLee、上記)。一方、NM23の発現は、アンチセンス実験Cipolliniら, 1997, Int. J. Cancer 73:297−302)および抗体実験(Sorscherら, 1993, Biochem. Biophys. Res. Commun. 195:336−45)から仮定されるように、細胞増殖に必須である。にもかかわらず、ヒト初期および転移形成黒色腫細胞におけるNM23発現の解析と共に、異なる段階の黒色腫形成の解析により、ヒトにおけるNM23発現は、マウスにおける状況と対照的に、転移の形成と相関しないことが導かれた(Eastyら, 1996, Br. J. Cancer 74(1):109−14)。最近、これらの結果が、別のグループによる第二の研究中、確認された(Seregardら, 1999, Exp. Eye Res. 69(6):671−676)。したがって、NM23は、黒色腫形成において信頼できる診断に適していないようであった。調節されない組織増殖および分化に関連する疾患、特に癌の治療は、本発明にしたがった疾患と非常に異なるため、したがって、NM23ポリペプチドおよび/またはその機能する変異体および/またはこれらのポリペプチドをコードする核酸を、本発明にしたがった疾患の診断または治療に使用する戦略は、調節されない組織増殖および分化に関連する疾患、特に癌の背景における療法のため記載されてきているため、期待できない戦略であった(WO 98/11232)。さらに、遺伝子ファミリーNM23のポリペプチド、核酸またはこれらのポリペプチドをコードするcDNAおよび皮膚または腸の障害または創傷治癒または創傷治癒の障害の間に、いかなる関連も確立されてきていない。したがって、本発明にしたがった核酸および/またはポリペプチドを使用することが可能であることは意外であった。

0019

一般的に、組織において差別的に発現される遺伝子の解析は、細胞培養系の解析よりも、明らかにより多い、偽陽性クローンの形の誤りに悩まされる。これは、限定された細胞培養系の使用により避けることが不可能である。現存する培養系は、創傷治癒過程の複雑さを満足にシミュレーションすることが不可能であるためである。

0020

この問題は、多様な異なる細胞種からなる皮膚に関し、特に当てはまる。さらに、創傷治癒は、多様な細胞種の増殖および分化を含む、細胞過程の空間的および時間的変化を伴う、非常に複雑な過程である。したがって、専門家にとって、皮膚の複雑な系だけでなく、さらに創傷治癒の生理学的過程、そしてさらに差別的に発現される遺伝子のレベルでの創傷治癒の異なる段階も解析するのは、期待できない戦略である。これらの困難に基づき、スクリーニングの成功は、実験パラメーターの選択に依存した。適用される方法は標準的である(例えばサブトラクティブハイブリダイゼーション)一方、スクリーニングおよび確認戦略は、洗練されそして限定された選択のパラメーターのため、創意がある。例えば、生検試料採取する時点の選択が、スクリーニングの成功のため重要である:創傷治癒および皮膚の障害は、しばしば、細胞増殖および細胞移動の障害により引き起こされる。これらの過程は創傷の1日後に開始される。したがって、この時点の分子過程の解析は、正常の創傷治癒に必須の過程に、それほど多くの洞察を提供しないであろう。しかし、創傷の1日後以降の時点での創傷治癒の経過において、創傷における細胞種の組成は、かなり変化している。その結果、この創傷における差別的な発現は、必ずしも該遺伝子が細胞において差別的に発現されることを意味せず、単に異なる細胞種組成を反映する可能性もある。したがって、生検を採取する日の選択は、スクリーニングの成功のため重要である。

0021

限定されたパラメーターにもかかわらず、得られた遺伝子中で、創傷治癒中に差別的に発現され、皮膚の創傷治癒または障害における使用に不適切である遺伝子の過剰提示(over−representation)が観察された。これらの遺伝子は、例えば、主要な代謝、例えば解糖クエン酸回路糖新生および呼吸鎖の酵素をコードする遺伝子を含み、また、リボソームタンパク質、例えばL41およびS20をコードする遺伝子も含む。比較的少数の適切な遺伝子のみを同定することが可能であった。したがって、使用可能なまたは本発明にしたがった同定遺伝子が創傷治癒に関連することは驚くべきことであった。

0022

さらに、最初に来診した潜在的な患者から生検を採取した時点では、創傷の状態は非常に多様である。したがって、本発明にしたがって用いられる核酸の同定のため、動物モデルを用いた。BALB/cマウスに創傷を与え、そして多様な時点で創傷生検を採取した。本過程は、遺伝的背景、創傷の種類、生検を採取した時点などの境界条件などを、正確に調節し、そしてしたがって遺伝子発現の再現可能な解析を可能にするという利点を有する。動物モデルの限定された条件下であってさえ、関連する遺伝子の同定を複雑にする、解析クローンの過剰および弱く発現される遺伝子の過少提示などの、さらなる方法論的問題が発生する。

0023

本発明にしたがった遺伝子ファミリーNM23のポリペプチドの寄託番号およびそのcDNAが図5に示される。本発明にしたがい使用可能なポリペプチドNM23−M2のcDNAは、損なわれていない(intact)および創傷を受けた皮膚から得たcDNAライブラリーから単離した。正常治癒対不完全治癒(デキサメタゾン治療)創傷のcDNAライブラリーにおいて、異なる存在量を示したcDNAを選択した(実施例1)。これは、サブトラクティブ・ハイブリダイゼーションにより、行った(Diatchenkoら, 1996, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93:6025−6030)。選択されたcDNAは、正常治癒創傷のcDNAプールに対し、デキサメタゾン治療動物のcDNAプールにおいて、より高い存在量を示した。NM23−M2は、マウス創傷cDNAのサブトラクティブ・ハイブリダイゼーションを通じ、同定することが可能であった。NM23−M2は、損なわれていない皮膚に対する正常治癒1日創傷のサブトラクションから得られたcDNA集団においても、そして良好治癒創傷に対する不完全治癒創傷(デキサメタゾン治療マウス)のサブトラクションから得られたcDNA集団においても、共に濃縮されていた(実施例1)。これは、NM23が正常創傷治癒中、制御されるだけでなく、発現の制御が創傷治癒の正常な進行にも必須であることを示唆した。

0024

遺伝子が最初に同定された後、別の方法により、創傷治癒特異的発現を確認することが必要である。これは、いわゆる「逆ノーザンブロット」、「RNアーゼ保護アッセイ」、「RTPCRアッセイ」、「in situハイブリダイゼーション」および「TaqMan解析」により、行った。これらの方法を用い、多様な創傷治癒状態で、そして皮膚障害(乾癬)から、そして腸障害(クローン病)から採取した生検におけるmRNAの量を測定した。それにより、皮膚および腸生検の発現パターンの組織特異的局所変化を決定した(実施例2−7)。

0025

逆ノーザンブロットで、サブトラクション後のNM23−M2cDNAの濃縮を確認することが可能であった(図1、実施例1)。さらに、マウスの5日創傷の組織切片のin situハイブリダイゼーションは、遺伝子NM23−M1が創傷縁で過剰増殖上皮において発現されていることを示した。これは、該遺伝子が角化細胞の増殖および創傷の上皮再形成に必須の役割を果たしていることを支持する(実施例4)。NM23−M2の発現が、コントロール動物の正常良好治癒創傷におけるより、デキサメタゾン治療マウスの不完全治癒創傷において、およそ5倍強いことはまた、定量的RT−PCR解析によっても、示すことが可能であった(図2、実施例2)。したがって、サブトラクション実験により示唆された、創傷治癒過程におけるNM23の必須の役割を、確認することが可能であった。

0026

さらに、NM23の発現は、乾癬と関連付けることも可能であった。それぞれ、乾癬患者損傷皮膚領域の生検または正常な皮膚のコントロール被験者の生検から得たRNAを用い、「RNアーゼ保護アッセイ」を行った。コントロール被験者の皮膚に比較し、患者の皮膚において、NM23−H1が有意に強く発現されていることを示すことが可能であった(図3、実施例3)。したがって、乾癬の場合も、NM23および疾患の進行の間に関連がある。

0027

炎症性腸障害クローン病の場合、同様の相関が見出された。患者から、明らかに炎症がある領域およびより炎症が少ない領域の腸生検を採取した。健常コントロール被験者の腸生検に比べ、クローン病患者の腸生検はすべて、NM23−H1発現の有意な増加を示した(図4、実施例3)。さらに、NM23−H1発現と、疾患の重症度の相関を見出すことが可能であった。腸の、より炎症の少ない領域が、NM23−H1発現の中程度の増加しか示さなかった一方、明らかに炎症がある領域では、発現の強い増加を見出すことが可能であった(図4)。これらの結果は、NM23の発現が疾患の重症度を反映するだけでなく、疾患の進行に必須であり、そしてNM23の発現を、これらの疾患の診断マーカーとして用いることが可能であることを立証する。

0028

本発明にしたがって用いられるポリペプチドは、さらに、これらが合成的に調製されることで特徴付けることが可能である。したがって、全ポリペプチドまたはその一部を、例えば慣用的な合成(Merrifield技術)の補助で、合成してもよい。本発明にしたがって用いられるポリペプチドの一部は、抗血清を得るのに特に適しており、これを用い、適切な遺伝子発現バンク検索し、本発明にしたがって用いられるポリペプチドのさらなる機能する変異体にたどりついてもよい。

0029

本発明の意味の範囲内の「機能する変異体」という用語は、本発明にしたがい使用可能なポリペプチドに機能上関連する、すなわち皮膚または腸の再生過程中に制御されるおよび/または該ポリペプチドの構造的特徴を有するポリペプチドを意味すると理解される。機能する変異体の例は、遺伝子の異なる対立遺伝子による、生物の多様な個体または多様な器官にコードされるポリペプチドである。

0030

他の例には、例えば、非皮膚または非腸特異的組織、例えば胚性組織から単離されるが、創傷治癒に関与する細胞において、発現後に、示される機能を有する、核酸によりコードされるポリペプチドが含まれる。

0031

さらなる意味において、本用語はまた、配列番号1ないし配列番号10の1つにしたがったアミノ酸配列を有するポリペプチドに、および/またはDNA配列の補助で、図5リストの公的にアクセス可能なデータベースエントリーに、約70%、好ましくは約80%、特に約90%、特に約95%の配列相同性、特に配列同一性を有するポリペプチドを意味するとも理解される。

0032

機能する変異体はまた、長さ少なくとも6アミノ酸優先的には少なくとも8アミノ酸、特に好ましくは少なくとも12アミノ酸を持つ、本発明にしたがい使用可能なポリペプチドの一部も含む。

0033

さらに、これらはまた、約1−60、好ましくは約1−30、特に約1−15、特に約1−5アミノ酸の範囲のポリペプチドの、N−および/またはC−末端および/または内部欠失体(deletion)または部分も含む。例えば、最初のアミノ酸、メチオニンは、ポリペプチドの機能を有意に改変することなく、欠失させることが可能である。

0034

「コードする核酸」という用語は、本発明にしたがい使用可能な、単離可能ポリペプチドまたは例えばシグナル配列を含む前駆体をコードするDNA配列に関する。ポリペプチドは、全長配列、または特定の、例えば酵素的、活性を保持する限り、コード配列のいかなる一部の配列によりコードされていてもよい。

0035

本発明にしたがって用いられる核酸の配列における改変は、例えば、遺伝暗号縮重のため、存在してもよく、または活性を有意に改変することなく、核酸の5’および/または3’端に非翻訳配列が結合していてもよく;以下に言及される修飾もまた、核酸に適用されてもよいことが知られる。本発明はしたがって、また、本発明にしたがって用いられる核酸のいわゆる「変異体」も含む。

0036

「変異体」という用語は、ストリンジェントな条件下で基準配列ハイブリダイズし、そして本発明にしたがって用いられる対応するポリペプチドに対し全体的に類似の活性を有するDNA配列に相補的なDNA配列すべてを示す。

0037

「制御」という用語は、ポリペプチドまたはこれらのポリペプチドをコードする核酸の量の増加または減少を意味し、こうした変化は例えば転写または翻訳のレベルで起こると理解される。

0038

「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」は、例えば、ハイブリダイゼーションが2.5 xSSC緩衝液中、60℃で行われた後、より低い緩衝剤濃度中、37℃で何回かの洗浄段階を行い、そして安定なままである条件を意味すると理解される。

0039

核酸の変異体はまた、少なくとも8ヌクレオチド、優先的には少なくとも18ヌクレオチド、特に少なくとも24ヌクレオチド、特に好ましくは少なくとも30ヌクレオチド、特に好ましくは少なくとも42ヌクレオチドの長さを持つ、本発明にしたがい使用可能な核酸の一部も含む。

0040

優先的には、本発明にしたがって用いられる核酸は、DNAまたはRNA、好ましくはDNA、特に二本鎖DNAである。核酸の配列は、さらに、少なくとも1つのイントロンおよび/または1つのポリA配列を有することで特徴付けることが可能である。本発明にしたがって用いられる核酸はまた、そのアンチセンス配列の形で用いてもよい。

0041

本発明にしたがって用いられる遺伝子の発現には、一般的に二本鎖DNAが好ましく、ポリペプチドをコードするDNA領域が特に好ましい。この領域はコザック配列(Kozak, 1987, Nucleic. AcidsRes. 15: 8125−48)内にある最初の開始コドン(ATG)から始まり、該ATGに対し同一読み枠にある次の停止コドン(TAG、TGAまたはTAA)までである。

0042

本発明にしたがって用いられる核酸配列のさらなる使用は、アンチセンスオリゴヌクレオチド(ZhengおよびKemeny, 1995, Clin.Exp. Immunol. 100: 380−2; NellenおよびLichtenstein, 1993, TrendsBiochem. Sci. 18: 419−23; Stein, 1992, Leukemia 6: 967−74)および/またはリボザイム(Amarzguiouiら, 1998, Cell. Mol. Life Sci. 54: 1175−202; Vaishら, 1998, Nucleic AcidsRes. 26: 5237−42; Persidis, 1997, Nat. Biotechnol. 15: 921−2; CoutureおよびStinchcomb, 1996, Trends Genet. 12:510−5)の構築である。アンチセンスオリゴヌクレオチドを用い、本発明にしたがって用いられる核酸の安定性を減少させてもよく、および/または本発明にしたがって用いられる核酸の翻訳を阻害してもよい。したがって、例えば、細胞における対応する遺伝子の発現をin vivoおよびin vitro両方で減少させることが可能である。したがって、オリゴヌクレオチドまたはリボザイムは治療剤として適している可能性がある。本戦略は、例えば、皮膚、上皮および真皮細胞にとってさえも、特にアンチセンスオリゴヌクレオチドがリポソーム複合体化されている場合、適している(Smythら, 1997, J.Invest. Dermatol. 108: 523−6; Whiteら, 1999, J. Invest. Dermatol. 112: 699−705; Whiteら, 1999, J. Invest. Dermatol. 112: 887−92)。プローブとしてまたは「アンチセンス」オリゴヌクレオチドとしての使用には、一本鎖DNAまたはRNAが好ましい。

0043

さらに、合成的に調製されている核酸を、本発明を実施するのに用いてもよい。したがって、本発明にしたがって用いられる核酸は、例えば図5に記載されるDNA配列の補助で、および/または遺伝暗号に関し、これらの図に同様に記載されるタンパク質配列の補助で、例えばホスホトリエステル法(例えば、Ulmann, E. & Peyman, A.(1990) ChemicalReviews, 90, 543−584, No. 4を参照されたい)にしたがい、化学的に合成することが可能である。

0044

一般的に、オリゴヌクレオチドは、細胞に発生しているエンドまたはエキソヌクレアーゼにより、特にDNアーゼおよびRNアーゼにより、迅速に分解される。したがって、高濃度の核酸が、長期間に渡り、細胞において維持されるように、分解に対し安定化するために、核酸を修飾することが好都合である(Beigelmanら, 1995, Nucleic AcidsRes. 23:3989−94; Dudycz, 1995, WO9511910; Macadamら, 1998, WO9837240; Reeseら, 1997, WO9729116)。典型的には、こうした安定化は、1つまたはそれ以上のヌクレオチド間リン基の導入により、あるいは1つまたはそれ以上の非リンヌクレオチド間基の導入により、得ることが可能である。

0045

適切な修飾ヌクレオチド間基は、UhlmannおよびPeymann(1990 Chem. Rev. 90, 544)に要約されている(また、Beigelmanら, 1995 Nucleic AcidsRes. 23: 3989−94; Dudycz, 1995, WO 95/11910; Madadamら, 1998, WO 98/37240; Reeseら, 1997, WO 97/29116も参照されたい)。本発明にしたがった使用の1つで使用することが可能な、核酸中の修飾ヌクレオチド間リン酸遊離基および/または非リン性架橋は、例えば、メチルホスホネートホスホロチオエートホスホラミデート、ホスホロジチオエート、リン酸エステルを含み、一方、非リン性ヌクレオチド間類似体(analogue)は、例えば、シロキサン架橋カルボネート架橋、カルボキシメチルエステルアセトアミデート架橋および/またはチオエーテル架橋を含む。また、本修飾は、本発明にしたがった使用の1つに使用してもよい、薬剤組成物貯蔵寿命も改善するはずであることも意図される。

0046

本発明のさらなる態様において、本発明にしたがって用いられる核酸を、皮膚および/または腸の障害および/または創傷治癒および/または創傷治癒の障害の解析および/または診断および/または予防および/または治療に用いようとする、ベクター、好ましくはシャトルベクターファージミドコスミド発現ベクターまたは遺伝子治療活性を有するベクターの形のベクターの調製に用いる。さらに、該核酸を用い、ノックアウト遺伝子構築物または発現カセットを調製してもよい。

0047

したがって、本発明にしたがって用いられる核酸は、ベクター、好ましくは発現ベクターまたは遺伝子治療に適したベクターに含まれてもよい。好ましくは、遺伝子治療に適したベクターは、本発明にしたがい使用可能な核酸と機能上関連する、創傷、腸、または皮膚特異的制御配列を含む。

0048

発現ベクターは、原核または真核発現ベクターであってもよい。原核発現ベクターの例は、大腸菌(E. coli)における発現では、例えばpGEMまたはpUC誘導体であり、真核発現ベクターの例は、サッカロミセスセレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)における発現では、例えばベクターp426Met25またはp426GAL1であり(Mumbergら(1994)Nucl. AcidsRes., 22, 5767−5768)、昆虫細胞における発現では、例えばバキュロウイルスベクター、例えばEP−B1−0 127 839またはEP−B1−0 549 721に開示されるものであり、そして哺乳動物細胞における発現では、例えばベクターRc/CMVおよびRc/RSVまたはSV40ベクターであり、これらはすべて一般的に入手可能である。

0049

一般的に、発現ベクターはまた、それぞれの宿主細胞に適したプロモーターを含んでおり、例えば、大腸菌における発現ではtrpプロモーター(例えば、EP−B1−0 154 133を参照されたい)、酵母における発現ではMet25、GAL 1またはADH2プロモーター(Russelら(1983), J. Biol. Chem. 258, 2674−2682; Mumberg、上記)、昆虫細胞における発現ではバキュロウイルスポリドリン(polyhedrin)プロモーター(例えば、EP−B1−0 127 839を参照されたい)である。哺乳動物細胞における発現では、例えば、適切なプロモーターは、真核細胞において、恒常的、制御可能、組織特異的、細胞周期特異的または代謝特異的発現を可能にするものである。本発明にしたがった制御可能要素は、プロモーター、アクチベーター配列、エンハンサーサイレンサーおよび/またはリプレッサー配列である。

0050

真核生物において恒常的発現を可能にする適切な制御可能要素の例は、RNAポリメラーゼIIIにより認識されるプロモーターまたはウイルスプロモーター、CMVエンハンサー、CMVプロモーター、SV40プロモーターまたはLTRプロモーター、例えばMMTV(マウス乳腺腫瘍ウイルス; Leeら(1981)Nature 214, 228−232)由来のもの、およびさらなるウイルスプロモーターおよびアクチベーター配列、例えばHBV、HCV、HSV、HPVEBVHTLVまたはHIV由来のものである。

0051

真核生物において制御可能発現を可能にする制御可能要素の例は、対応するリプレッサーと組み合わせたテトラサイクリンオペレーターである(GossenM.ら(1994)Curr. Opin. Biotechnol. 5,516−20)。

0052

好ましくは、創傷治癒に関連する遺伝子の発現は、組織特異的プロモーターの調節下で起こり、創傷、皮膚または腸特異的プロモーター、例えばヒトK10プロモーター(Bailleulら, 1990, Cell 62: 697−708)、ヒトK14プロモーター(Vassarら, 1989, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86: 1563−67)、ウシサイトケラチンIVプロモーター(Fuchsら, 1988; Thebiology of wool and hair(G.E. Rogersら監修), pp. 287−309. Chapman and Hall,ロンドンニューヨーク)またはラット由来の「脂肪酸結合タンパク質」プロモーターが特に好ましい。

0053

真核生物において組織特異的発現を可能にする制御可能要素のさらなる例は、特定の細胞種のみで発現されるタンパク質をコードする遺伝子のプロモーターまたはエンハンサー由来のプロモーターまたはアクチベーター配列である。

0054

真核生物において細胞周期特異的発現を可能にする制御可能要素の例は、以下の遺伝子のプロモーターである:cdc25、サイクリンA、サイクリンE、cdc2、E2F、B−mybまたはDHFR(Zwicker J.およびMuller R.(1997)TrendsGenet. 13, 3−6)。

0055

真核生物において代謝特異的発現を可能にする制御可能要素の例は、低酸素症グルコース欠乏リン酸濃度または熱ショックにより制御されるプロモーターである。

0056

トランスフェクション、形質転換または感染による、真核または原核細胞における、本発明にしたがって用いられる核酸の導入、およびしたがってポリペプチドの発現を可能にするため、核酸は、プラスミドとして、ウイルスまたは非ウイルスベクターの一部として存在してもよい。適切なウイルスベクターは特に:バキュロウイルス、ワクシニアウイルスアデノウイルスアデノ関連ウイルスおよびヘルペスウイルスである。適切な非ウイルスベクターは特に:ビロソーム、リポソーム、陽イオン性脂質、またはポリ−リジン−結合DNAである。

0057

遺伝子治療に適したベクターの例は、ウイルスベクター、例えばアデノウイルスベクターまたはレトロウイルスベクターである(Lindemannら, 1997, Mol. Med. 3: 466−76; Springerら,1988, Mol. Cell. 2: 549−58)。のDNAは局所適用後、皮膚細胞入り込むことが可能であるため、真核発現ベクターは、単離された型で、遺伝子治療に使用するのに適している(Henggeら, 1996, J. Clin. Invest. 97: 2911−6; Yuら, 1999, J. Invest. Dermatol. 112: 370−5)。

0058

遺伝子治療に適したベクターはまた、本発明にしたがって用いられる核酸を、リポソームと複合体化することにより得ることも可能であり、これはこのようにして、特に皮膚細胞の、非常に高いトランスフェクション効率を達成することが可能であるためである(AlexanderおよびAkhurst, 1995, Hum. Mol. Genet. 4: 2279−85)。リポフェクションの場合、リポソーム懸濁物超音波処理により、陽イオン性脂質から小さい単層小胞を調製する。DNAはイオン的にリポソームの表面に結合し、すなわち、陽性正味電荷が残り、そしてプラスミドDNAがリポソームにより100%複合体化されるような比率で結合する。一方で、Felgnerら(1987、上記)に使用された脂質混合物DOTMA(1,2−ジオレイルオキシプロピル−3−トリメチルアンモニウムブロミド)およびDPOE(ジオレイルホスファチジルエタノールアミン)に加え、多くの新規脂質処方が合成され、そして多様な細胞株のトランスフェクションにおけるその効率に関し試験された(Behr, J.P.ら(1989), Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86, 6982−6986; Felgner, J.H.ら(1994)J. Biol. Chem. 269, 2550−2561;Gao, X. & Huang, L.(1991), Biochim.Biophys. Acta 1189, 195−203)。新規脂質処方の例は、DOTAPN−[1−(2,3−ジオレオイルオキシ)プロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウムエチルサルフェートまたはDOGS(TRANSFECTAM;ジオクタデシルアミドグリシルスペルミン)である。細胞への核酸の輸送を増加させる補助剤は、例えば、細胞核への核酸の輸送を可能にする、DNAに結合しているタンパク質またはペプチドあるいは合成ペプチドDNA分子であってもよい(Schwartzら(1999)Gene Therapy 6, 282; Brandenら(1999)Nature Biotech. 17, 784)。補助剤はまた、細胞の細胞質への核酸の放出を可能にする分子(Planckら(1994)J. Biol. Chem. 269, 12918; Kichlerら(1997)Bioconj.Chem. 8, 213)、または例えば、リポソーム(UhlmannおよびPeymann(1990)上記)も含む。遺伝子治療ベクターの別の特に適切な型は、本発明にしたがい使用可能な核酸を金粒子に適用し、そしてこれらを、いわゆる遺伝子銃の補助で、組織、好ましくは皮膚、または細胞内に撃ち込むことにより、得ることが可能である(Wangら, 1999, J. Invest. Dermatol., 112: 775−81, Tutingら, 1998, J. Invest. Dermatol. 111:183−8)。

0059

本発明にしたがい使用可能な遺伝子治療に適したベクターのさらなる型は、「裸の」発現ベクターを、生体適合マトリックス、例えばコラーゲンマトリックスに導入することにより、調製してもよい。移入細胞を発現ベクターでトランスフェクションし、そして本発明にしたがって用いられるポリペプチドを細胞において発現させるため、本マトリックスを創傷に導入してもよい(GoldsteinおよびBanadio、US 5,962,427)。

0060

本発明にしたがい使用可能な核酸を遺伝子治療で使用するため、ポリペプチドをコードする核酸の一部が、好ましくはプロモーターおよびポリペプチドの開始コドンの間のイントロン配列、および/または特に遺伝子の3’端のポリA配列、特に天然発生ポリA配列またはSV40ウイルスポリA配列を含む、1つまたはそれ以上の非コード配列を含む場合もまた、好都合である。これはそれによりmRNAの安定化を達成することが可能であるためである(Jackson,R.J.(1993)Cell 74, 9−14およびPalmiter,R.D.ら(1991)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88, 478−482)。

0061

ノックアウト遺伝子構築物は、例えば米国特許5,625,122;米国特許5,698,765;米国特許5,583,278および米国特許5,750,825から当業者に知られる。

0062

本発明はさらに、皮膚および/または腸の障害および/または創傷治癒および/または創傷治癒の障害の解析および/または診断および/または予防および/または治療に用いるための、本発明にしたがい使用可能なベクターまたはノックアウト遺伝子構築物を用い形質転換されている、宿主細胞、特に皮膚または腸細胞の使用に関する。宿主細胞は、原核または真核細胞いずれでもよく、原核宿主細胞の例は大腸菌であり、そして真核細胞の例はサッカロミセス・セレビシエまたは昆虫細胞である。

0063

本発明にしたがい使用可能な、特に好ましい形質転換宿主細胞は、トランスジェニック胚非ヒト幹細胞であり、該細胞は、本発明にしたがい使用可能なノックアウト遺伝子構築物または本発明にしたがい使用可能な発現カセットを含むことで特徴付けられる。宿主細胞および/または幹細胞の形質転換のための方法は、当業者に周知であり、そして、例えばエレクトロポレーションまたはマイクロインジェクションを含む。

0064

本発明はさらに、皮膚および/または腸の障害および/または創傷治癒および/または創傷治癒の障害の解析および/または診断に用いるための、本発明にしたがい使用可能なノックアウト遺伝子構築物または本発明にしたがい使用可能な発現カセットをゲノムに含む、トランスジェニック非ヒト哺乳動物に関する。トランスジェニック動物は、使用されるプロモーターに応じ、組織特異的で、一般的には増加した、核酸および/またはポリペプチドの発現を示し、そして創傷治癒障害の解析に用いることが可能である。したがって例えば、アクチビントランスジェニックマウスは、創傷治癒の改善を示し(Munzら, 1999,EMBO J. 18: 5205−15)、一方、優性ネガティブKGF受容体を有するトランスジェニックマウスは、創傷治癒の遅延を示す(Wernerら, 1994, Science 266: 819−22)。さらに、トランスジェニック動物は、加速された創傷治癒能力を備える可能性がある。

0065

特にマウスの、トランスジェニック動物を調製するための方法は、同様に、DE 196 25 049およびUS 4,736,866; US 5,625,122; US 5,698,765; US 5,583,278およびUS 5,750,825から、当業者に知られ、そして例えばまたは精母細胞への発現ベクターの直接注入(上記を参照されたい)により、あるいは胚性幹細胞への発現ベクターのトランスフェクションにより、産生することが可能なトランスジェニック動物が含まれる(PolitesおよびPinkert: DNA Microinjection and Transgenic Animal Production, 15から68ページ, Pinkert,1994: Transgenic animal technology:a laboratory handbook,中, Academic Press,英国ロンドン; Houdebine, 1997, HarwoodAcademic Publishers ,オランダ・アムステルダム;Doetschman: Gene Transfer in Embryonic Stem Cells, 115から146ページ, Pinkert,1994,上記,中; Wood: Retrovirus−Mediated Gene Transfer, 147から176ページ, Pinkert, 1994,上記,中; Monastersky: Gene Transfer Technology; Alternative Techniques and Applications, 177から220ページ, Pinkert, 1994,上記,中)。

0066

本発明にしたがって用いられる核酸が、いわゆるターゲッティングベクター(Pinkert、1994、上記)に組み込まれている場合、胚性幹細胞のトランスフェクションおよび相同組換え後、例えば、一般的にはヘテロ接合体マウスとして、核酸発現の減少を示し、一方、ホモ接合体マウスはもはや核酸発現を示さない、ノックアウトマウスを生成することが可能である。こうして産生された動物はまた、創傷治癒障害の解析に用いることも可能である。したがって、例えばeNOS(Leeら, 1999, Am. J. Physiol. 277:H1600−1608)、Nf−1(Atitら, 1999, J. Invest. Dermatol. 112: 835−42)およびオステオポンチン(Liawら, 1998, J. Clin. Invest. 101: 967−71)ノックアウトマウスは、損なわれた創傷治癒を示す。ここでもまた、創傷治癒関連遺伝子の発現の、組織特異的減少、例えばCre−loxP系を用いた皮膚特異的細胞における発現減少(stat3ノックアウト、Sanoら,EMBO J. 1999 18: 4657−68)が特に好ましい。この方法で産生されたトランスジェニックおよびノックアウト細胞または動物はまた、薬理学的に活性がある物質または遺伝子治療に適したベクターの、それぞれ、スクリーニングおよび同定に用いてもよい。

0067

本発明はさらに、皮膚および/または腸の障害および/または創傷治癒および/または創傷治癒の障害の解析および/または診断および/または予防および/または治療のための、および/または適切な宿主細胞における薬理学的に活性がある物質の同定のための、本発明にしたがい使用可能な少なくとも1つのポリペプチドおよび/または上述のポリペプチドをコードする少なくとも1つの核酸の使用に関する。

0068

ポリペプチドは、例えば、本発明にしたがって用いられる核酸を、すでに上述されたような適切な発現系で、当業者に一般的に知られる方法にしたがって用い、発現させることにより、調製する。適切な宿主細胞は、例えば、大腸菌株、DHS、HB101またはBL21、酵母株サッカロミセス・セレビシエ、肢目(Lepidoptera)昆虫細胞株、例えばスポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)由来のもの、または動物細胞、COS、Vero、293、HaCaT、およびHeLaであり、これらはすべて一般的に入手可能である。

0069

本発明はさらに、適切な宿主細胞における本発明にしたがった核酸の発現により産生される融合タンパク質の、皮膚および/または腸の障害および/または創傷治癒および/または創傷治癒の障害の解析および/または診断および/または予防および/または治療のための、あるいは適切な宿主細胞における薬理学的に活性がある物質の同定のための、使用に関する。融合タンパク質は、本発明にしたがって用いられるポリペプチドの機能をすでに有するか、または融合部分の切断後のみ、機能的に活性であるかいずれかである。本明細書に特に含まれるのは、約1−200、好ましくは約1−150、特に約1−100、特に約1−50の異質の(foreign)アミノ酸を有する融合タンパク質である。こうしたペプチド配列の例は、例えば、大腸菌のガラクトシダーゼに由来してもよい、原核ペプチド配列である。さらに、こうして当業者に知られるファージディスプレー法のための融合タンパク質を産生するため、例えばバクテリオファージM13の、ウイルスペプチド配列もまた、用いてもよい。

0070

融合タンパク質に用いるべきペプチド配列のさらなる好ましい例は、融合タンパク質の検出を容易にするペプチド、例えば「緑色蛍光タンパク質」(WO 95/07463)またはその機能する変異体である。

0071

本発明にしたがったタンパク質の精製のため、単数または複数のさらなるポリペプチド(タグ)を結合させてもよい。本発明にしたがったタンパク質タグは、例えば、マトリックスへの高親和性吸収、複合体を溶出させることのない、感知可能な度合いまでの適切な緩衝液でのストリンジェントな洗浄およびそれに続く吸収複合体の選択的溶出を可能にする。当業者に知られるタンパク質タグの例は、(His)6タグ、Mycタグ、FLAGタグ、Strepタグ、StrepタグII、赤血球凝集素タグ、グルタチオントランスフェラーゼ(GST)タグ、インテイン含有親和性キチン結合タグまたはマルトース結合タンパク質(MBP)タグである。これらのタンパク質タグは、N−またはC−末端におよび/または内部に位置してもよい。

0072

本発明はさらに、皮膚および/または腸の障害および/または創傷治癒および/または創傷治癒の障害の解析および/または診断および/または予防および/または治療のための、および/または薬理学的に活性がある物質の同定のための、抗体、好ましくは、ポリクローナルまたはモノクローナル抗体の使用に関する。

0073

このように、例えば、TGFベータ1に対するモノクローナル抗体の局所注射は、動物モデルにおいて、創傷治癒を改善する可能性がある(Ernstら,1996, Gut 39: 172−5)。

0074

抗体を産生するため、本発明にしたがって用いられるポリペプチドまたはその機能する変異体または少なくとも6アミノ酸、優先的には少なくとも8アミノ酸、特に好ましくは少なくとも12アミノ酸を持つ、その一部を用いる。

0075

該方法は、当業に一般的に知られる方法にしたがい、哺乳動物、例えばウサギを、適切な場合、例えばフロイントアジュバントおよび/または水酸化アルミニウムゲルの存在下で、本発明にしたがって用いられるポリペプチドまたはその言及された一部を用い免疫することにより実行する(例えば、Diamond,B.A.ら(1981) The New England Journalof Medicine, 1344−1349を参照されたい)。免疫学的反応の結果として動物で作成されたポリクローナル抗体は、その後、一般的に知られる方法にしたがい、容易に血液から単離し、そして例えばカラムクロマトグラフィーにより、精製することが可能である。モノクローナル抗体は、例えばWinterおよびMilsteinの既知の方法(Winter, G. &Milstein, C.(1991)Nature, 349, 293−299)にしたがい、産生することが可能である。

0076

古典的な抗体の代替物として、リポカリン(lipocaline)に基づく、いわゆる「アンチカリン」を利用することも可能である(Besteら, 1999, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 96:1898−1903)。リポカリン、例えばレチノール結合タンパク質またはビリン(biline)結合タンパク質の天然リガンド結合部位は、例えば、選択されたハプテンが、例えば本発明にしたがって用いられるポリペプチドに結合するような方式で、「コンビナトリアルタンパク質設計アプローチ」により、修飾してもよい(Skerra, 2000, Biochim. Biophys. Acta 1482:337−350)。抗体の代替物として用いてもよい、さらなる既知の「骨格(scaffold)」が記載されてきている(Skerra, J. Mol. Recognit., 2000, 13:167−187)。

0077

本発明にしたがって用いられる抗体は、本発明にしたがって用いられるポリペプチドに対して向けられ、そして本発明にしたがって用いられるポリペプチドと特異的に反応する。ここで上述のポリペプチドの部分は、それ自体免疫原性であるか、あるいは適切なキャリアー、例えばウシ血清アルブミンカップリングさせることにより、免疫原性を与えられても、またはその免疫原性を増加させてもよい。本抗体は、ポリクローナルまたはモノクローナルいずれかであり、好ましくはモノクローナル抗体である。抗体という用語は、本発明にしたがい、複数の抗体、または遺伝子操作により調製され、そして所望により修飾されるその抗原結合部分、例えばキメラ抗体ヒト化抗体多機能抗体、二または少特異的抗体一本鎖抗体、F(ab)またはF(ab)2断片も意味すると理解される(例えば、EP−B1−0 368 684、US 4,816,567、US 4,816,397、WO 88/01649、WO 93/06213、WO98/24884を参照されたい)。

0078

本発明はさらに、適切な場合、適切な添加剤および/または補助剤と組み合わされた、本発明にしたがって用いられる少なくとも1つの核酸、本発明にしたがって用いられる少なくとも1つのポリペプチドまたは本発明にしたがって用いられる少なくとも1つの抗体を含む、皮膚および/または腸の障害および/または創傷治癒および/または創傷治癒の障害の解析および/または診断および/または予防および/または治療に用いるための医薬品の使用に関する。

0079

障害、特に皮膚または腸障害および/または創傷治癒および/または創傷治癒の障害の療法は、慣用的な方式で、例えば、本発明にしたがい使用可能な医薬品を含む、包帯剤硬膏剤、圧迫ガーゼまたはゲルにより、行ってもよい。したがって、例えば、生理学的生理食塩水脱イオン水安定化剤プロテイナーゼ阻害剤などの適切な添加剤または補助剤、例えば、白色ワセリン、高流動パラフィンおよび/または黄ろうなどのゲル処方などを含む薬剤を、創傷治癒を直ちにそして直接達成するため、局所的に投与することが可能である。本発明にしたがって用いられる医薬品の投与はまた、さらに、適切な場合、リポソーム複合体または金粒子複合体の形で、創傷の領域に局所的に行ってもよい。さらに、治療は、本発明にしたがい使用可能な医薬品の、時間的に調節された放出を可能にする、経皮療法系(TTS)により行ってもよい。しかし、本発明にしたがい使用可能な医薬品による治療はまた、経口投薬型、例えば錠剤またはカプセルにより、粘膜、例えば鼻腔または口腔により、あるいは皮膚下に移植された貯蔵物(dispositories)の形で、行ってもよい。TTSは、例えば、EP 0944 398 A1、EP 0 916 336 A1、EP 0 889723 A1またはEP 0 852 493 A1から知られる。

0080

ヒトにおける遺伝子治療使用のため、裸の形の、あるいは上述の遺伝子治療に適したベクターの1つの形の、あるいはリポソームまたは金粒子と複合体化した形の、本発明にしたがって用いられる核酸を含む医薬品が、特に適している。薬剤ビヒクルは、例えば、好ましくは、約6.0−8.0の、特に約6.8−7.8の、特に約7.4のpHおよび/または約200−400ミリオスモルリットル、特に約290−310ミリオスモル/リットルの浸透圧モル濃度を有する生理学的緩衝溶液である。さらに、薬剤ビヒクルは、適切な安定化剤、例えば、ヌクレアーゼ阻害剤、好ましくは、EDTAなどの複合体化剤および/または当業者に知られる他の補助剤を含んでもよい。

0081

適切な場合、より詳細に上述される、ウイルスベクターの形の、あるいはリポソーム複合体または金粒子複合体としての、本発明にしたがって用いられる核酸の投与は、通常、創傷の領域で局所的に行われる。例えば生理学的生理食塩水溶液、脱イオン水、安定化剤、プロテイナーゼ阻害剤などの適切な添加剤または補助剤、例えば白色ワセリン、高流動パラフィンおよび/または黄ろうなどのゲル処方などを含むポリペプチド自体を、創傷治癒を直ちにそして直接達成するため、投与することもまた可能である。

0082

本発明はさらに、皮膚の障害および/または腸障害および/または創傷治癒および/または創傷治癒における障害の診断のための診断剤の使用であって、本発明にしたがい使用可能な、少なくとも1つの核酸、少なくとも1つのポリペプチドまたは少なくとも1つの抗体を、適切な場合、適切な添加剤および補助剤と共に含む、前記診断剤の使用に関する。

0083

例えば、本発明にしたがい使用可能な診断剤を、ポリメラーゼ連鎖反応(実施例2、例えばEP 0 200 362にしたがう、PCR診断剤)または実施例3に詳細に示されるようなRNアーゼ保護アッセイに基づき、本発明にしたがって用いられる核酸の補助で調製することが可能である。これらの試験は、本発明にしたがい使用可能な核酸と、通常対応するmRNAである相補的対鎖の特異的なハイブリダイゼーションに基づく。本発明にしたがって用いられる核酸はまた、この場合、例えばEP 0 063 879に記載されるように、修飾されていてもよい。好ましくは、本発明にしたがって用いられるDNA断片は、一般的に知られる方法にしたがい、適切な試薬により、例えば放射能的にα−32P−dCTPで、または非放射能的にビオチンまたはジゴキシゲニンで標識し、そして、好ましくは、例えばセルロースまたはナイロンなどの適切な膜にあらかじめ結合させてある、単離RNAとインキュベーションする。このように、各組試料由来の等量の調べるRNAを用い、プローブにより特異的に標識されたmRNAの量を測定することが可能である。あるいは、mRNAの測定はまた、insituハイブリダイゼーションの補助で、組織切片において、行うことも可能である(実施例4およびWernerら, 1992, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89: 6896−6900を参照されたい)。

0084

このように、本発明にしたがい使用可能な診断剤の補助で、ありうる創傷治癒障害、腸障害または皮膚科学的障害を安全に診断するため、対応する遺伝子の発現強度に関し、組織試料をin vitroで特異的に測定することもまた可能である(実施例1ないし3、5、6)。こうした方法は、例えば障害の初期予後に特に適している。

0085

本発明にしたがい使用可能なさらなる診断剤は、本発明にしたがって用いられるポリペプチドまたはより詳細に上述されるその免疫原性部分を含む。好ましくは、例えばニトロセルロースまたはナイロンの固相に結合させてあるポリペプチドまたはその部分は、例えば自己免疫抗体とこのように反応することを可能にするため、in vitroで、例えば調べようとする体液、例えば創傷分泌物と、接触させてもよい。抗体・ペプチド複合体をその後、例えば標識抗ヒトIgGまたは抗ヒトIgM抗体の補助で、検出してもよい。標識化は、例えば呈色反応触媒するペルオキシダーゼなどの酵素を伴う。このように、存在する自己免疫抗体の存在および量を、呈色反応により、容易にそして迅速に検出することが可能である。

0086

別の診断剤は、本発明にしたがって用いられる抗体自体を含む。これらの抗体の補助で、例えば、それにより、ありうる創傷治癒障害の徴候を得るため、関係するポリペプチドが増加した量で存在するかどうかに関し、組織試料を容易にそして迅速に調べることが可能である。この場合、本発明にしたがって用いられる抗体は、例えばすでに上述されたような酵素で標識される。それにより、特異的抗体・ペプチド複合体は、酵素呈色反応により、容易にそしてまた迅速に検出することが可能である。

0087

本発明にしたがい使用可能なさらなる診断剤は、プローブ、好ましくはDNAプローブおよび/またはプライマーを含む。これは、適切なプローブの補助で、例えば、適切な遺伝子バンク、例えば創傷特異的遺伝子バンクからの単離により、本発明にしたがって用いられる核酸を得るさらなる可能性を開く(例えば、J. Sambrookら, 1989, Molecular Cloning. A Laboratory Manual,第2版, Cold Spring Harbor Laboratory,ニューヨーク州コールドスプリングハーバー,第8章, 8.1から8.81ページ,第9章, 9.47から9.58ページおよび第10章, 10.1から10.67ページを参照されたい)。

0088

適切なプローブは、例えば、約100−1000ヌクレオチドの長さを有する、好ましくは約200−500ヌクレオチドの長さを有する、特に約300−400ヌクレオチドの長さを有するDNAまたはRNA断片であり、その配列は、配列プロトコルの、および/または図5に示されるデータベースエントリーのcDNA配列の補助で、配列番号1ないし配列番号10にしたがって用いられるポリペプチドに由来していてもよい(実施例3、5、6もまた参照されたい)。

0089

あるいは、得られた核酸配列の補助で、ポリメラーゼ連鎖反応のプライマーとして適しているオリゴヌクレオチドを合成することが可能である。これを用い、本発明にしたがって用いられる核酸またはこの部分を、cDNA、例えば創傷特異的cDNAから増幅し、そして単離してもよい(実施例2、5、6)。適切なプライマーは、例えば、約10−100ヌクレオチドの長さを有する、好ましくは約15ないし50ヌクレオチドの長さを有する、特に約20−30ヌクレオチドの長さを有するDNA断片であり、その配列は、配列プロトコルの配列番号1ないし配列番号10にしたがって用いられるポリペプチドに由来していてもよく、および/または図5に示されるデータベースエントリーのcDNA配列の補助であってもよい(実施例2、5、6)。

0090

本発明はさらに、皮膚の障害または腸障害および/または創傷治癒の治療および/または創傷治癒の障害と関連する機能上の相互作用因子の同定のための、本発明にしたがい使用可能な試験であって、本発明にしたがって用いられる、少なくとも1つの核酸、少なくとも1つのポリペプチドまたは少なくとも1つの抗体を、適切な場合、適切な添加剤および補助剤と共に含む、前記試験に関する。

0091

本発明の意味における「機能上の相互作用因子」という用語は、適切な場合、適切な添加剤および/または補助剤を伴う、本発明にしたがって用いられる核酸、ポリペプチドまたは抗体と、適切な条件下で相互作用することが可能な、すべての分子、化合物および/または組成物および物質混合物を意味すると理解される。ありうる相互作用因子は、単純な化学有機または無機分子または化合物であるが、核酸、ペプチド、タンパク質またはそれらの複合体もまた、含む可能性もある。これらの相互作用のため、機能上の相互作用因子は、in vivoまたはin vitroで、核酸、ポリペプチドまたは抗体の機能に影響を与え、あるいは単に本発明にしたがって用いられる核酸、ポリペプチドまたは抗体に結合し、またはそれらと共有または非共有方式の他の相互作用を始める可能性がある。

0092

本発明にしたがい使用可能な適切な試験系は、例えば、適切なマーカー遺伝子および本発明にしたがって用いられる核酸を含む発現ベクターでの、表皮または皮膚細胞の安定トランスフェクションにより、産生することが可能である。本方法において、本発明にしたがって用いられる核酸の発現は、in vivoの病理学的に妨害された発現に対応するように、細胞において改変される。本発明にしたがって用いられる核酸を含むアンチセンスオリゴヌクレオチドもまた、本目的のため使用してもよい。したがって、これらの系には、本出願に開示されるように、妨害された再生過程における遺伝子発現の振る舞いを知ることが特に好都合である。しばしば、in vitroの細胞の病理学的振る舞いは、このように、模倣することが可能であり、そして細胞の正常の振る舞いを再現し、そして療法的可能性を有する物質を探すことが可能である。

0093

本発明にしたがい使用可能なこれらの試験系に適した細胞は、例えば、一般的に入手可能なHaCaT細胞、および発現ベクターpCMV4である(Andersonら, 1989, J. Biol. Chem. 264: 8222−9)。本発明にしたがって用いられる核酸は、この場合、細胞において、対応する遺伝子のmRNAの機能上の濃度が増加する、またはアンチセンスRNAとのハイブリダイゼーションにより減少するように、センスおよびアンチセンス方向両方で、発現ベクターに組み込まれていてもよい。トランスフェクションおよび安定形転換体の選択後、培養中の細胞は、一般的に、コントロール細胞と比較して、増殖、移動および/または分化の振る舞いの改変を示す。in vitroのこの振る舞いは、しばしば、体の再生過程における、対応する遺伝子の機能と相関し(Yuら, 1997, Arch. Dermatol. Res. 289: 352−9; Milsら, 1997, Oncogene14: 15555−61; Charvatら, 1998, Exp Dermatol 7: 184−90; Mythilyら, 1999, J. Gen. Virol. 80: 1707−13; Werner, 1998, Cytokine Growth Factor Rev. 9:153−65)、そしてそれに基づく薬理学的に活性がある物質の試験系を構築することが可能であるような、実行が簡単でそして迅速な試験を用い、検出することが可能である。したがって、細胞の増殖の振る舞いは、例えば細胞のDNAへの標識ヌクレオチドの取り込みにより(例えば、FriesおよびMitsuhashi, 1995, J. Clin. Lab. Anal. 9:89−95; PerrosおよびWeightman, 1991, Cell Prolif. 24: 517−23; SavinoおよびDardenne, 1985, J. Immunol. Methods85: 221−6を参照されたい)、特異的な染色剤での細胞の染色により(Schulzら, 1994, J. Immunol. Methods 167: 1−13)、または免疫学的方法により(Frahmら, 1998, J. Immunol. Methods 211: 43−50)、非常に迅速に検出することが可能である。移動は、移動指標試験(Charvatら、上記)および匹敵する試験系(Benestadら, 1987, Cell Tissue Kinet. 20: 109−19, Jungerら, 1993,J. Immunol. Methods 160: 73−9)により、簡単に検出することが可能である。適切な分化マーカーは、例えばケラチン6、10および14およびまたロリクリン(loricrin)およびインボルクリン(involucrin)であり(Rosenthalら, 1992, J.Invest. Dermatol. 98: 343−50)、これらの発現は、例えば一般的に入手可能な抗体により、容易に検出することが可能である。

0094

別の適切な試験系は、いわゆるツーハイブリッド系を用いた機能上の相互作用の同定に基づく(FieldsおよびSternglanz, 1994, Trends in Genetics, 10, 286−292; ColasおよびBrent, 1998, TIBTECH, 16, 355−363)。本試験では、本発明にしたがって用いられるポリペプチドおよびGal4またはLexAなどの転写因子DNA結合ドメイン由来の融合タンパク質を発現する発現ベクターを用い、細胞を形質転換する。形質転換細胞は、さらに、そのプロモーターが対応するDNA結合ドメインに対する結合部位を含む、レポーター遺伝子を含む。活性化ドメイン、例えばGal4またはヘルペスウイルスVP16を有する、既知のまたは未知のポリペプチド由来の第二の融合タンパク質を発現するさらなる発現ベクターの形質転換により、第二の融合タンパク質が本発明にしたがって用いられるポリペプチドと機能上、相互作用する場合には、レポーター遺伝子の発現は非常に増加する可能性がある。例えば、第二の融合タンパク質の構築のために再生組織由来のcDNAライブラリーを調製することにより、新規相互作用因子を同定するため、発現におけるこの増加を利用してもよい。さらに、本発明にしたがって用いられるポリペプチドおよび機能上の相互作用因子の間の相互作用を阻害する物質のスクリーニングのため、本試験系を利用してもよい。こうした物質は、本発明にしたがって用いられるポリペプチドおよび相互作用因子の融合タンパク質を発現する細胞において、レポーター遺伝子の発現を減少させる(VidalおよびEndoh, 1999, Trendsin Biotechnology; 17: 374−81)。このように、再生過程の障害の療法に使用することが可能な新規活性化合物を、迅速に同定することが可能である。

0095

本発明にしたがって用いられるポリペプチドの機能上の相互作用因子はまた、選択法、例えばSELEX(Jayasena, 1999, Clin. Chem. 45: 1628−50; KlugおよびFamulok, 1994, M. Mol. Biol. Rep. 20: 97−107; Tooleら, 1996, US 5582981)により、単離される核酸であってもよい。SELEX法では、典型的には、異なる一本鎖RNA分子の大きなプールから、増幅および選択の反復により、高い親和性でポリペプチドに結合する分子(アプタマー)を単離する。アプタマーはまた、鏡像型、例えばL−リボヌクレオチドとして合成し、そして選択してもよい(Nolteら, 1996, Nat. Biotechnol. 14: 1116−9; Klussmannら, 1996, Nat. Biotechnol. 14: 1112−5)。こうして単離された型は、天然発生リボヌクレアーゼにより分解されず、そしてしたがってより大きい安定性を有するという利点を有する。

0096

本発明はさらに、本発明にしたがい使用可能な少なくとも1つの核酸および/または少なくとも1つのポリペプチドおよび/または少なくとも1つの抗体を含むことで特徴付けられる、皮膚または腸の障害および/または創傷治癒および/または創傷治癒の障害と関連する解析のための、支持物質上に固定されたアレイの使用に関する。

0097

こうしたアレイを調製するための方法は、例えばWO 89/109077、WO 90/15070、WO 95/35505およびUS 5,744,305から知られ、スポッティング固相化学合成および光不安定性保護基による。

0098

本発明はさらに、障害、特に皮膚または腸障害および/または創傷治癒および/または創傷治癒の障害に関連する解析のための、DNAチップおよび/またはタンパク質チップの使用であって、本発明にしたがって用いられる、少なくとも1つの核酸および/または少なくとも1つのポリペプチドおよび/または少なくとも1つの抗体を含む、前記チップの使用を含む。DNAチップは、例えば、US 5,837,832から知られる。

0099

本発明はここで、図および実施例の補助で、それらに制限されることなく、以下にさらに例示されるであろう。配列番号1ないし配列番号10は、ヒトまたはマウス由来の、本発明にしたがって用いられるポリペプチドを示す。

0100

配列番号11ないし配列番号14および配列番号17ないし配列番号26は、本発明の実験に用いられたオリゴヌクレオチドのDNA配列を示す。配列番号15ないし配列番号16は、RNアーゼ保護アッセイおよびin situハイブリダイゼーションのためのプローブの調製に用いられたNM23のDNA配列を示す。

0101

実施例1:サブトラクティブ・ハイブリダイゼーションによる創傷関連cDNAの濃縮および創傷関連遺伝子としてのNM23−M1の同定
BALB/cマウスの損なわれていない皮膚および創傷組織(はさみの切断により組織試料採取の1日前に背中に創傷を与えたもの)から、標準法(ChomczynskiおよびSacchi, 1987, Anal. Biochem. 162: 156−159、ChomczynskiおよびMackey, 1995, Anal. Biochem. 225: 163−164)により、総RNAを単離した。不完全に治癒した創傷を持つマウス組織を得るため、創傷を与える前に、BALB/cマウスをデキサメタゾンで処置した(体重キログラム当たり、等張生理食塩水溶液中の0.5 mgのデキサメタゾン注射を1日2回5日間)。その後、逆転写酵素の補助で、RNAをcDNAに転写した。cDNA合成は、対応するマニュアルの指示にしたがい、ClontechLaboratories GmbH、ハイデルベルグの「SMARTPCRcDNA合成キット」を用いて行った。

0102

cDNAプール中で異なる頻度で発生するcDNAを同定するため、サブトラクティブ・ハイブリダイゼーション(Diatchenkoら, 1996,Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93: 6025−30)を行った。これは、対応するマニュアルの指示にしたがい、Clontech Laboratories GmbH、ハイデルベルグの「PCR選択cDNAサブトラクションキット」を用いて達成し、cDNA合成後の過剰なオリゴヌクレオチドの除去は、アガロースゲル電気泳動により行った。創傷関連遺伝子に関し濃縮された4つのcDNAプールを準備し、ここで1つのプールは、損なわれていない皮膚に比較し、創傷組織においてより強く発現されるcDNA断片に関し濃縮され(「創傷特異的cDNAプール」)、1つのプールは、創傷組織に比較し、損なわれていない皮膚においてより強く発現されるcDNA断片が濃縮され(「皮膚特異的cDNAプール」)、1つのプールは、不完全治癒創傷に比較し、正常治癒創傷においてより強く発現されるcDNA断片が濃縮され(「正常治癒cDNAプール」)、そして1つのプールは、正常治癒創傷に比較し、不完全治癒創傷においてより強く発現されるcDNA断片が濃縮されていた(「不完全治癒cDNAプール」)。

0103

創傷治癒に関連するcDNAプールに含まれる遺伝子を同定するため、プール中の対応するcDNAの存在を「逆ノーザンブロット」により解析した。ここでは、cDNA断片を、多くの異なるcDNAのアレイの形で膜上に固定し、そして放射標識cDNAの複合混合物とハイブリダイズさせる(Sambrookら, 1989, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press,ニューヨーク州コールドスプリングハーバー,第9章9.47から9.58ページおよび第10章10.38から10.50ページ;AndersonおよびYoung: Quantitative filter hybridization; Nucleic AcidsHybridization, A Practical Approach, 1985, HamesおよびHiggins監修, IRL Press Ltd.;オックスフォード,中,第4章, 73から112ページ)。

0104

適切なハイブリダイゼーションプローブの調製のため、サブトラクションされたcDNAプールを、制限エンドヌクレアーゼRsaIで処理し、そしてcDNA合成および増幅プライマーを分離するため(マニュアル「PCR選択cDNAサブトラクションキット」、Clontechを参照されたい)、アガロースゲル電気泳動により精製した(Sambrookら、上記、第6章、6.1から6.35ページ)。その後、ハイブリダイゼーションプローブを調製するため、「ランダム六量体プライム化」法を用い、cDNAを放射標識した(FeinbergおよびVogelstein, 1983, Anal. Biochem. 132: 6−13)。

0105

25 mlのハイブリダイゼーション溶液中で、膜を65℃で30分間プレインキュベーションした(25 mMリン酸ナトリウム、pH=7.5、125mM NaCl、7% SDS)。ハイブリダイゼーションプローブを100℃で10分間変性させ、その後上で冷却し、約100CPM/mlをハイブリダイゼーション溶液に添加し、そしてハイブリダイゼーションオーブン中で、65℃で16時間、ハイブリダイゼーションを行った。その後、プローブを含まないハイブリダイゼーション溶液で、膜を2回、65℃で10分間、洗浄した。その後、流しだされる洗浄溶液中にいかなる活性も検出されなくなるまで、洗浄溶液(2.5 mM リン酸ナトリウム、pH=7.5、12.5 mM NaCl、0.7% SDS)で、何回か、65℃で10分間、洗浄した。放射能シグナルは、phosphoimager(BioRad、Quantity One(登録商標))を用い解析した(図1)。その後、多様なプローブで異なるシグナル強度を生じるcDNAを選択した。これは、膜上のNM23−M2の位置で生じ、皮膚特異的cDNAプールに比較し、創傷特異的cDNAプールのハイブリダイゼーションプローブで、わずかに強いシグナル強度であり、そして正常治癒cDNAプールに比較し、不完全治癒cDNAプールのハイブリダイゼーションプローブで明らかにより強いシグナル強度であった。

0106

実施例2:「リアルタイム定量的RT−PCR」による、NM23−M2の発現パターンの確認
本発明にしたがって用いられる核酸の差別的発現の確認は、ABIPrism 7700配列検出系(PE Applied Biosystems)中のリアルタイムRT−PCRにより、行った。該装置は、ABI Prism 7200/7700 SDSソフトウェアバージョン1.6.3(1988)を備えていた。PCR産物の検出は、染色剤SYBR Green 1の補助で、cDNAの増幅中に行った。該染色剤の蛍光は、二本鎖DNAに対する結合により、非常に増加する(Karlsenら, 1995, J. Virol.Methods. 55: 153−6; Wittwerら, 1997,BioTechniques 22: 130−8; Morrisonら,1998, BioTechniques 24: 954−62)。定量化の基本は、蛍光シグナルが定義された閾値を超える際に達するPCR周期(閾値周期、CT値)である。解析は、ΔCT法により、行われる(User Bulletin #2, Relative Quantification of Gene Expression, PE Applied Biosystems, 1997)。cDNAの存在量は、内因性基準(GAPDH)に比較し、決定した。結果を図2に示す。

0107

各々16匹の動物由来の皮膚および創傷組織由来の総RNAプールを、上述のように得て、そして1μgの総RNAを、製造者推奨(SYBR GreenPCRandRT−PCR Reagents Protocol, PE Applied Biosystems, 1998)にしたがい、TaqMan逆転写試薬キット(PE)を用い、サーモサイクラー(thermocycler)(GeneAmp PCR系9700、PE)中で、逆転写に供した。NM23−M2cDNA(NM23−プライマー1:TTCAAAACCAGGCACATCC(配列番号11)、NM23−プライマー2: ACTCTCCACTGAATCACTGCCA(配列番号12))および基準(GAPDHプライマー1: ATCAACGGGAAGCCCATCA(配列番号13)、GAPDHプライマー2: GACATACTCAGCACCGGCCT(配列番号14))の増幅のためのプライマーは、本発明にしたがって用いられる核酸およびGAPDHの既知の配列に基づき、Primer ExpressソフトウェアMacintoshPC用バージョン1.0(PE Applied Biosystems, P/N 402089, 1998)の補助で選択した。PCRには、SYBR Green PCR Core試薬キット(4304886、PE Applied Biosystems)を用いた。PCR中のプライマーの濃度は、まず、50 nMないし600 nMの範囲で最適化し、そしてPCRの特異性は、アガロースゲル電気泳動による増幅産物の長さの解析により、立証した。その後、PCR系の効率を、連続希釈により測定した(User Bulletin #2, Relative Quantification of Gene Expression, PE Applied Biosystems, 1997)。どちらのcDNAにとっても、増幅効率は100%であり、すなわちcDNAの1:2希釈では各々、蛍光閾値を越えるために、もう1回の周期が必要であった。

0108

定量化には、cDNAの各バッチを、総体積25μl中の10 ngの逆転写総RNAから増幅した。PCRの実行条件は、製造者の詳細な記述(PE Applied Biosystems, SYBR Green1(登録商標)PCR andRT−PCR Reagents Protocol, 1998)に一致した。CT値を解析し、そしてGAPDHに比較し、NM23−M2の存在量を計算した。正常治癒創傷においてNM23−M2のわずかな誘導を、そしてデキサメタゾン処置動物の不完全治癒創傷において強い誘導を確認することが可能であった(図2)。

0109

実施例3:「RNアーゼ保護アッセイ」によるNM23−H1の発現パターンの立証
NM23−H1の発現は、「RNアーゼ保護アッセイ」の補助で立証した。該試験は文献(Sambrookら、上記、第7章、7.71ないし7.78ページ; Wernerら,1992; Growth Factors andReceptors: A Practical Approach 175−197、 Werner, 1998, Proc. Natl. Acad.Sci. USA 89: 6896−6900)に記載されるように行った。in vitroで転写し、そして放射標識した逆鎖RNAを、ハイブリダイゼーションプローブとして用いた。266 bp長のNM23−H1断片(配列番号15)は、ベクターpBluescript II KS(Stratagene)のEcoRV制限部位内に、平滑末端を介し、クローン化した。プラスミドは、転写前にXbaIで直線化した(ベクター配列を含まない転写物の長さ:299塩基対、プローブの配列は配列番号15)。製造者の詳細な記述にしたがい、32P−UTP(35μCi/バッチ)(Amersham、ブラウンシュワイク)の存在下で、T3ポリメラーゼ(Roche Diagnostics、マンハイム)を用い、転写を行った。プローブはゲル電気泳動および溶出により、精製した(Sambrookら、上記、第6章、6.36から6.48ページ)。ハイブリダイゼーション反応には、約105CPMの各標識転写物を使用した。このために、標準法(ChomczynskiおよびSacchi,1987, Anal. Biochem. 162: 156−159、 ChomczynskiおよびMackey, 1995, Anal. Biochem. 225: 163−164)を用い、皮膚または腸生検いずれかから単離した、10μgの総RNAを、転写物と共に沈殿させ、10μlのハイブリダイゼーション緩衝液(80%脱イオン化ホルムアミド、400 mM NaCl、40 mM Pipes pH 4.6、1 mMEDTA)中に取り、そして42℃で一晩ハイブリダイズさせた。その後、RNアーゼA/T1消化(Boehringer、RNアーゼA:0.8μg/バッチ、RNアーゼT1:20 U/バッチ)を行った。プロテイナーゼK消化(Boehringer、30μg/バッチ)およびフェノール抽出によるRNアーゼの不活性化後、標準法(Sambrookら、上記)にしたがい、試料エタノール沈殿した。その後、試料を、変性5%アクリルアミドゲル(7 M尿素)上のゲル電気泳動により、分離した。ゲルを乾燥させ、そしてオートラジオグラフィーにより、放射能シグナルを解析した(図3および4)。

0110

3人の異なる乾癬および4人の異なるコントロール患者の生検から単離したRNAを用いたRNアーゼ保護アッセイにおいて、コントロール皮膚試料に比較し、すべての乾癬患者由来の皮膚試料において、NM23−H1の発現増加を観察することが可能であった(図3)。クローン病の5人由来の組織試料由来のRNAを用いたRNアーゼ保護アッセイは、コントロール被験者に比較し、腸の炎症切片において、NM23−H1の発現増加を示した(図4)。

0111

実施例4:マウス創傷の組織切断におけるNM23−H1発現の解析
創傷におけるNM23−M1発現を、in situハイブリダイゼーションにより解析した。該試験は、文献(Wernerら, 1992; Growth Factors and Receptors: A PracticalApproach 175−197、 Wernerら, 1998, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:6896−6900)に記載されるように行った。256 bp長のNM23−M1断片(配列番号16)を、ベクターpBluescript II KS(Stratagene)のEcoRV制限部位内に、平滑末端を介し、クローン化した。本ベクターを用い、記載されるように(Wernerら、上記)、ハイブリダイゼーションプローブとしての放射標識逆鎖RNAを産生し、そして用いた。本プローブを用い、マウスの第5日創傷の凍結組織切片上でハイブリダイゼーションを行った。NM23−M1遺伝子は、創傷縁の過剰増殖上皮において、増加して発現されることが明らかになった。対照的に、皮膚の健康な部分では、染色はかすかに検出され、ないしまったく検出されなかった。

0112

実施例5:「TaqMan解析」による、NM23−M1およびNM23−M2mRNA発現ネズミパターンの解析
成獣ネズミの正常創傷治癒中のNM−23mRNA、NM23−M1およびNM23−M2発現の制御の動力学を、Applied BiosystemsのGeneAmp5700中の「TaqMan解析」を用いて解析した。正常治癒創傷および損なわれていない皮膚は、上述のように、はさみの切断を用い、10週齢のBALB/cマウスから採取した。

0113

RNAを単離するため、分散装置(disperser)を用い、1/100体積分の2−メルカプトエタノールを補った、RNAclean緩衝液(AGS、ハイデルベルグ)の存在下で、生検をホモジナイズした。続いて、1−ブロモ−3−クロロ−プロパンの存在下で、水飽和酸性フェノールを用い、フェノール処理を2回繰り返すことにより、RNAを抽出した。その後、イソプロパノールおよびエタノール沈殿を用い、RNAを沈殿させ、そして75%エタノールを用い、RNAを洗浄した。その後、RNAをDNアーゼIで処理した。20μgのRNA(50μlのDEPC処理水を加えたもの)に、5.7μlの転写緩衝液(Roche)、1μlのRNアーゼ阻害剤(Roche;40 U/μl)および1μlのDNアーゼI(Roche;10 U/μl)を補い、そして37℃で20分間インキュベーションした。その後、さらに1μlのDNアーゼIを添加し、そして試料を37℃でさらに20分間インキュベーションした。続いて、RNAをフェノール処理し、エタノール沈殿させ、そして洗浄した。上述の段階はすべて、反応性アミノ基を含まない限り、DEPC(ジエチルピロカーボネート処理溶液および液体を用いて行った。続いて、抽出RNAからcDNAを合成した。20μlのRNA(50 ng/μl)に、1 x TaqManRT緩衝液(Perkin Elmer)、5.5 mM MgCl2(Perkin Elmer)、各々500μMのdNTP(Perkin Elmer)、2.5μMランダム六量体(Perkin Elmer)、1.25μlのMultiscribe逆転写酵素(50 U/μl、Perkin Elmer)、0.4μl RNアーゼ阻害剤(20 U/μl、Perkin Elmer)およびDEPC処理水(100μl体積を添加する)を補った。

0114

RNAの添加に際し、そして混合中、溶液を2つの0.2 mlチューブ(各々50μl)に分割し、そしてサーモサイクラー中で逆転写反応を行った(25℃で10分間;48℃で30分間および95℃で5分間)。続くcDNAの定量化は、SYBR GreenPCRMaster Mixes(Perkin Elmer)を用いた定量的PCRにより行い、ここで定量化しようとする各NM23 cDNA種に関し、3つ組測定(各場合、標的プライマーおよびGAPDHプライマーを含む)を行った。各3つ組のストック溶液は、総体積57μlに、37.5μlの2 x SYBR Master Mix、0.75μlのAmp. Erase UNG(1 U/μl)および18.75μlのDEPC処理水を含んだ。各3つ組測定に関し、57μlのストック溶液に、先に最適化したような濃度比で、1.5μlの順方向および逆方向プライマー各々を補った。各60μlのストック溶液/プライマー混合物を、15μlのcDNA溶液(2 ng/μl)と混合し、そして3つのウェルに分割した。同時に、基準として、GAPDHの測定のためのプライマー(配列番号13および配列番号14)を含むストック溶液を、さらなる15μlの同一のcDNA溶液と混合し、そして3つのウェルに分配した。GAPDHの標準グラフを得るため、異なるcDNA溶液の連続希釈を作成した(4 ng/μl;2 ng/μl;1 ng/μl;0.5 ng/μlおよび0.25 ng/μl)。GAPDHの測定のため、連続希釈の各々15μlのcDNA溶液を、60μlのストック溶液/プライマー混合物と混合し、そして3つのウェルに分配した。解析しようとするNM23相同体のPCR各々の標準グラフを得て、ここでGAPDH標準グラフに関し、同じ希釈を用いた。コントロールとして、cDNAを含まないPCRを用いた。各標的およびGAPDHのストック溶液/プライマー混合物に15μlのDEPC水を補い、混合し、そして3つのウェルに分配した。増幅は、Gene Amp. 5700を用い、行った(50℃で2分間;95℃で10分間の後、96℃で15秒間および60℃で2分間の3サイクル;その後、95℃で15秒間および60℃で1分間の37サイクル)。解析は、GAPDH基準に比較し、各NM23遺伝子の存在量を測定することにより、行った。標準曲線は、まず、連続希釈のCT値を、cDNAおよびPCR(転写RNAのng)の量の対数に対し、プロットすることにより、決定し、そしてグラフの傾きを測定した。PCRの効率(E)は、以下のように計算することが可能である:E=10-1/s−1。GAPDHに対する、調べているNM23 cDNA種(Y)の相対存在量(X)は:X=(1+EGAPDH)CT(GAPDH)/(1+EY)CT(Y)である。続いて、成獣10週齢BALB/cコントロール動物の損なわれていない皮膚におけるcDNAの量を1と等しくすることにより、値を標準化した。成獣マウスの創傷後の異なる時点での、NM23−M1およびNM23−M2それぞれの相対発現変化を、図7に示す。

0115

NM23−M1(NM23−プライマー3:TCC TGG CAC AGTCAG ACA ACA(配列番号17);NM23−プライマー4:TTCACAACCTCA CACATCCTC C(配列番号18))およびNM23−M2(NM23−プライマー1:(配列番号11)およびNM23−プライマー2(配列番号12))を検出する適切なプライマーを用い、両相同体の発現は、成獣マウスの創傷治癒中、減少することを示すことが可能であった(図7)。

0116

創傷治癒の過程において、NM23−M1発現は、全体として、損なわれていない皮膚で観察される量の約50%に、一定して減少した。NM23−M2発現で、同様のパターンが検出され、創傷後1時間および7日の間の創傷治癒中、損なわれていない皮膚に比較し、発現はかなり減少した。創傷14日後に初めて、発現レベルは、おおむね元来のレベルにはね返った。要するに、両相同体は、創傷治癒の長い期間にわたり、比較的減少した発現レベルを示した。この結果は、正常治癒創傷におけるNM23発現量の弱い増加を観察することが可能であった実施例1および2と矛盾するようである。しかし、実施例4において、創傷組織切片において、NM23発現の全体的な増加はないことが立証された。染色の増加は、過剰増殖上皮で観察されたが、組織の他の層では有意な発現は検出されなかった。この結果は、「リアルタイムRT−PCR」の場合より、in situハイブリダイゼーションの場合、mRNAを検出する感度が低いため、発現の空間的パターンの複雑な変化中、mRNA量の創傷治癒依存変化は、不十分にしか解析されないことを暗示する:NM23発現の空間的パターンの複雑な変化のため、生検採取中のわずかな可変性が、「TaqMan解析」(実施例5)による測定とは対照的に、「リアルタイムRT−PCR」(実施例2)およびサブトラクティブ・ハイブリダイゼーション(実施例1)により測定されるNM23mRNA量の創傷治癒依存変化に関する、異なる結果につながる可能性がある。困難な条件にも関わらず、NM23遺伝子ファミリーの遺伝子を同定することが可能であったことは、驚くべきことであった。

0117

実施例6:ヒト創傷におけるNM23−H1およびNM23−H2の差別的発現
実施例3で、乾癬およびクローン病におけるNM23−H1の差別的制御を解析した。正常治癒創傷を用い、実施例5に示されるNM23−M1およびNM23−M2発現の差別的制御がまた、ヒトにおいても観察されるかどうか、調べた。それぞれ4 mmまたは6 mmのパンチ皮膚試料を単離することにより、健常被験者の未処理の損なわれていない皮膚、第1日創傷または第5日創傷から皮膚試料を採取した。各群(損なわれていない皮膚、第1日創傷、第5日創傷)に関し、各々14の被験者の生検をプールした。生検を震蘯粉砕機(swingmill)中で分離し、そして実施例5に記載されるように、RNAを単離し、その後DNアーゼIで消化し、そしてcDNAに逆転写した。創傷治癒関連cDNAの定量化は、実施例5に記載されるように行った。実験結果を図8に示す。NM23相同体の解析には、ヒトGAPDH(GenBank:M17851)並びにヒトNM23−H1およびNM23−H2(EMBL:X17620およびEMBL:X58965)の既知の配列に基づき、増幅のためのプライマー(hGAPDH−プライマー1:CATGGGTGTGAACCATGAGAAG(配列番号25);hGAPDH−プライマー2:GCTAAGCAGTTGGTGGTGCA(配列番号26);NM23−H1プライマー1:GAAATTCATGCAAGCTTCCGA(配列番号19);NM23−H1プライマー2:CAGGTCAACGTAGTGTTCCTTGAG(配列番号20);NM23−H2プライマー1:CTGGTTGACTACAAGTCTTGTGCTC(配列番号21);NM23−H2プライマー2:TCCACCTCTTATTCATAGACCCAGT(配列番号22))を選択した。10 ngの総RNAの逆転写から生じたcDNAを、定量化のため、総体積25μl中で増幅した。PCRは、製造者の指示にしたがい、行った(PE Applied Biosystems, SYBR Green PCR andRT−PCRreagents protocol, 1988)。CT値を測定し、そしてGAPDH−mRNAに比較し、NM23 mRNAの存在量を計算した。実験結果を図8に示す。創傷組織が、発現のわずかな減少を示すことが観察された。実施例5のネズミ生検の解析と対照的に、2つの異なる時点を選択した。ヒト組織を用い、マウスおよびヒトの創傷治癒の動力学に関し、結果の有意な一致が観察された(実施例5):最初の値と比較し、創傷1日後の生検におけるNM23−M1およびNM23−H1発現レベルは、70%減少し、そしてmRNAレベルはどちらも、創傷5日後、それぞれ最初の値の66%または70%にわずかに増加した。第5日創傷のNM23−M2およびNM23−H2の発現レベルがより弱かったのもまた、類似である(最初の値の48%対60%)。

0118

したがって、両遺伝子が創傷治癒の制御に必須の役割を果たし、そして少なくとも1つの相同体、優先的には両方の相同体の量の調節を、皮膚細胞の障害の予防および/または診断および/または治療に用いてもよいことを確認することが可能であった。

0119

実施例7:in situハイブリダイゼーションによる、損なわれていない皮膚、正常治癒創傷、潰瘍と共に、非損傷および損傷乾癬皮膚の生検におけるNM23−H2の位置決定
実験のため、健康な皮膚と共に正常治癒第5日創傷の生検を、実施例6に記載されるように、健常被験者から採取した。さらに、各々10人の乾癬患者の非損傷および損傷皮膚、並びに潰瘍患者(Ulcus cruris venosum)の損なわれていない皮膚および創傷由来の生検を、上述のように採取した。組織切片を4%パラホルムアルデヒド中で固定し、プロテイナーゼK(1μg/ml等張生理食塩水)で37℃で10分間処理し、そして続いてパラホルムアルデヒドで処理し、そしてその後、無水酢酸(acetanhydride)(0.1 Mトリエタノールアミン、pH 8.0中の0.5 ml)で処理した。

0120

ヒトNM23−H2のmRNAは、放射性in situハイブリダイゼーションにより、位置決定した。パラホルムアルデヒド固定切片パラフィン包埋した。ハイブリダイゼーションプローブの合成は、α−35S−UTPの存在下での部分的NM23−H2cDNA断片のin vitro転写に基づいた。PCR産物を得るため、センスおよびアンチセンス方向の転写のためのプロモーター配列を、プライマーに添加した(T3−NM23−H2−プライマー:AATTAACCCTCACTAAAGGGGGAGGGGCTGAACGTGGTGAAGAC(T3−プロモーターを含むセンスコントロールプライマー;配列番号23)、Sp6−NM23−プライマー:ATTTAGGTGACACTATAGAATACACGCCGTGCTGAAGGAGACTGC(Sp6−プロモーターを含むアンチセンスプライマー;配列番号24))。in vitro転写のため、60μCiの35S−UTPおよび各々5 mMのATPGTPおよびCTPと共に、25UのT3またはT7−RNAポリメラーゼ(Roche)いずれか、1μgのPCR産物、10 mMのジチオスレイトール、40UのRNアーゼ阻害剤(Roche)および1 x TB緩衝液(Roche)を用いた。

0121

ヒト組織切片(上記を参照されたい)をスライドに乗せ、プロテイナーゼKで処理し、パラホルムアルデヒドで固定し、そして続いてアセチル化した。50%ホルムアミド/4 xSSCに浸したWhatmanティッシュペーパーを含む、加湿チャンバーに切片を移した。切片を30μlのハイブリダイゼーション溶液で覆い、そして60℃で2.5時間インキュベーションした。その後、0.7 x 106CPMの放射標識リボプローブを含む30μlのハイブリダイゼーション溶液と切片を、60℃で16時間インキュベーションした。その後、ストリンジェントな条件下で切片を洗浄し、RNアーゼAとインキュベーションし、そしてエタノールで脱水した。製造者の指示にしたがい、その後、光および酸素非存在下で、切片を写真乳剤(Kodak IBO 1433)で、40℃で2−6週間、覆い、そして続いて写真現像剤および定着液(KodakIBO 1433)を用い、現像した。

0122

健常被験者および潰瘍患者の損なわれていない皮膚と共に、乾癬患者の非損傷皮膚において、まったくシグナルが観察されないかまたは非常に弱くしか観察されなかった。対照的に、正常治癒第5日創傷の組織切片は、過剰増殖上皮の基底細胞層において、シグナルを示した。これは、NM23−H2発現の誘導が、増殖および移動により、創傷を閉鎖するのに責任がある細胞層で特に必須であることを示す。これは、有意な標識が、創傷縁および非または不完全治癒潰瘍創傷の創傷基底部(wound ground)で検出されないという観察と一致する。したがって、NM23−H2発現の創傷特異的制御は、創傷治癒の正常過程に必須である。健常被験者の損なわれていない皮膚または乾癬患者の非損傷皮膚に比較し、損傷乾癬皮膚生検はまた、過剰増殖上皮の基底細胞層において、標識強度の有意な増加を示した。これは、NM23−H1の量が乾癬皮膚で増加していることが示された、実施例3の実験結果と一致する。

0123

本実験は、NM23発現制御が、損なわれていない健康な皮膚と共に、創傷治癒の正常過程に必須であり、そしてうまく機能しない発現制御は、皮膚細胞の障害、例えば創傷治癒の遅延または乾癬につながる可能性があることを説明し、そしてNM23、優先的には両方の相同体を、皮膚細胞の障害の予防および/または診断および/または治療に用いることが可能であることを示す。不完全治癒創傷は、減少した量のNM23と関連する一方、角化細胞が病理学的増殖により特徴付けられる乾癬患者においては、NM23発現レベルの増加を示す。

0124

皮膚細胞の治療のため、NM23の発現または活性を、優先的には、創傷治癒の障害の場合、NM23の発現または活性を活性化することにより、調節すべきである。NM23の活性または発現は、優先的には、皮膚細胞の過剰増殖障害の場合、特に乾癬の場合、優先的に阻害されるべきである。

0125

当業者には、本発明の組成物および方法に対し、多様な修飾を作成してもよいことが明らかであろう。したがって、付随する請求項およびその同等物の範囲内にある限り、本発明はこうした修飾および変動を含むことが意図される。

0126

本明細書に引用されるすべての刊行物は、完全に本明細書に援用される。

図面の簡単な説明

0127

図14つの異なるプローブを用いた、適用cDNA断片の同一のパターンを含む膜(マウスATLASアレイ、Clontech)のハイブリダイゼーションのオートラジオグラム。cDNA断片は、すべて、損なわれていない皮膚と比較し、より強く創傷組織で発現されるcDNAに関し濃縮された、創傷特異的サブトラクティブcDNAライブラリーに由来した。すべてのプローブは、サブトラクティブ・ハイブリダイゼーションから派生するcDNAから調製した。A:創傷特異的プローブ(損なわれていない皮膚に対する創傷のサブトラクション)、B:皮膚特異的プローブ(創傷に対する損なわれていない皮膚のサブトラクション)、C:不完全治癒創傷に特異的なプローブ(創傷コントロール動物に対する創傷デキサメタゾン処置動物のサブトラクション)、D:正常治癒創傷に特異的なプローブ(創傷デキサメタゾン処置動物に対する創傷コントロール動物のサブトラクション)。NM23−M2 cDNAの位置(それぞれ2回装填)は、矢印で示される。
図2マウスにおける創傷治癒の異なる段階でのNM23−M2の定量的「リアルタイムRT−PCR」の結果。GAPDHに比較した存在量の計算のための式が示される。誘導は、損なわれていない皮膚における存在量での存在量の規準化から生じる。
図3乾癬患者およびコントロールのヒトの皮膚試料でのNM23−H1のRNアーゼ保護アッセイの結果。RNアーゼ処理を伴わない放射性ハイブリダイゼーションプローブ(レーン1および5)と共に、各々、プローブとハイブリダイゼーションさせ、そしてRNアーゼ処理した後の、陰性コントロールtRNA、レーン2および6)、4人の異なるコントロールのヒトの皮膚生検由来のRNA(レーン3、7、8および9)、および3人の異なる乾癬患者の皮膚生検由来のRNA(レーン4、10および11)を装填した。矢印は、NM23−H1mRNAプローブとのハイブリダイゼーション後、RNアーゼ分解に対し保護されたプローブのRNA断片の位置を示す。
図4クローン病患者およびコントロールのヒトの腸試料でのNM23−H1のRNアーゼ保護アッセイの結果。RNアーゼ処理を伴わない放射性ハイブリダイゼーションプローブ(レーン1)と共に、各々、プローブとハイブリダイゼーションさせ、そしてRNアーゼ処理した後の、陰性コントロール(tRNA、レーン2)、コントロール患者の腸生検由来のRNA(レーン3)、より炎症の少ない領域(レーン4および6)および顕著な炎症がある領域(レーン5、7および8)の、クローン病患者の腸生検由来のRNAを装填した。レーン4、5および6と共にレーン7および8で用いたRNAは、それぞれ、同一の患者に由来する。矢印は、NM23−H1 mRNAプローブとのハイブリダイゼーション後、RNアーゼ分解に対し保護されたプローブのRNA断片の位置を示す。
図5創傷治癒過程中、遺伝子発現の解析において同定された遺伝子ファミリーNM23のポリペプチド配列およびそのcDNAおよび寄託番号の調査表
図6ヒトおよびマウス由来のNM23A(NDKA_ヒト、NDKA_マウス)およびNM23B(NDKB_ヒト、NDKB_マウス)の同定されたタンパク質のポリペプチド配列の比較。NM23Aのヒト配列に対する相違が示される。
図7「TaqManアッセイ」により測定される、損なわれていない皮膚のcDNAの量に比較した、成獣マウスの創傷後の異なる時点での、創傷関連NM23−M1およびNM23−M2 cDNAの量の調査表。
図8「TaqManアッセイ」により測定される、第1日および第5日の創傷におけるヒト創傷関連mRNAの量の調査表。

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