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技術 固体中の縦振動を可視化する方法、及び固体中の縦振動を可視化する装置

出願人 松本皓永
発明者 松本皓永
出願日 2000年4月28日 (21年1ヶ月経過) 出願番号 2000-129815
公開日 2001年11月9日 (19年7ヶ月経過) 公開番号 2001-311658
状態 特許登録済
技術分野 機械的振動・音波の測定
主要キーワード 被検出媒体 薄肉軽量 光学反射部材 所定傾斜角 傾斜角度範囲 静電容量式変位計 振幅運動 定在波形
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重要な関連分野

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図面 (9)

課題

固体中伝播する縦振動を簡明な方法で可視化する。

解決手段

縦振動を伝播する金属棒5に、金属棒を伝播する縦振動の波面方向と略同一方向に延びて撓み振動可能な部分反射鏡35,35…を固定配設し、縦振動の伝播する方向と略同一方向にレーザ光源10から照射レーザ光Lを照射する。各部分反射鏡35で反射された反射レーザ光LR1,LR2…はスクリーン40上に投影される。このように構成される縦振動可視化装置において、金属棒5に縦振動を発生させ、固体中を伝播する縦振動を部分反射鏡35の撓み振動を利用してスクリーン40上に拡大させることにより、各部分反射鏡35の固定位置に対応した振幅分布をスクリーン40上に投影して可視化することができ、簡易な装置で容易に縦振動を可視化することができる。

概要

背景

良く知られるように、媒質中を伝わる(伝播する)波には、波の伝わる方向と直交する方向に媒質振幅運動を行う横波横振動)と、波の伝わる方向と同一方向に媒質が振幅運動を行う縦波縦振動)とがある。このうち横波は、例えば海上の波や楽器の弦を弾いたときの運動に代表されるように、媒質自身が波動の伝播方向に対して直交する方向に振幅分布を有する運動であるため、一般に把握容易であり、微細な運動であってもこれを光学的に容易に可視化できるという特質を有している。

一方、縦波は、例えば金属棒の端部を棒の軸方向に叩いたときに金属棒中に発生する運動に代表されるように、媒質内部において媒質を構成する原子等が波動の伝播方向に相対変位する運動(疎密波)であるため、一般に把握困難であり、これを可視化することが困難であるという特質を有している。このため、従来では縦振動を観測するために、例えば被観測体である金属棒に対し棒の軸方向に圧電素子PZT)等の加速度ピックアップ固定配設し、この検出信号チャージアンプ増幅、変換することにより可視化して観測していた。

また、例えば物理学基礎実験等において、クントの実験と呼ばれる方法で金属棒を伝播する縦波の音速、または金属棒のヤング率の測定が行われている。これは、金属棒中を伝播する縦波をガラス管の気中に伝達させ、気中の定在波波長コルク等の粉末の状態から測定して、金属棒中の音速またはヤング率を求める実験である。

概要

固体中を伝播する縦振動を簡明な方法で可視化する。

縦振動を伝播する金属棒5に、金属棒を伝播する縦振動の波面方向と略同一方向に延びて撓み振動可能な部分反射鏡35,35…を固定配設し、縦振動の伝播する方向と略同一方向にレーザ光源10から照射レーザ光Lを照射する。各部分反射鏡35で反射された反射レーザ光LR1,LR2…はスクリーン40上に投影される。このように構成される縦振動可視化装置において、金属棒5に縦振動を発生させ、固体中を伝播する縦振動を部分反射鏡35の撓み振動を利用してスクリーン40上に拡大させることにより、各部分反射鏡35の固定位置に対応した振幅分布をスクリーン40上に投影して可視化することができ、簡易な装置で容易に縦振動を可視化することができる。

目的

本発明は、上記のような課題に鑑みて成されたものであり、簡便な装置構成で媒質中を伝播する縦波を直視的に観測することができる方法及び装置を提供するとともに、これにより縦波の振動現象や定在波の存在をより容易に理解させることができる方法及び装置を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

縦振動伝播する固体と、前記固体中を伝播する縦振動の波面方向と略同一方向に延びて撓み振動可能に前記固体に固定された光学反射面と、前記縦振動の伝播する方向と略同一方向に前記光学反射面に照射光照射する光源と、前記光学反射面において反射された反射光受光する受光面とを有し、前記固体中を伝播する縦振動を前記撓み振動を利用して前記受光面上に拡大させることにより前記縦振動を可視化することを特徴とする固体中の縦振動を可視化する装置。

請求項2

前記光学反射面は部分反射鏡であり、前記部分反射鏡を前記縦振動の伝播する方向に複数設けるとともに、反射鏡面を前記伝播方向に対して所定角度傾けて配設し、前記光源は前記複数の部分反射鏡に前記縦振動の伝播する方向と略同一方向に照射光を照射し、前記受光面は前記複数の部分反射鏡において反射された複数の反射光を受光することにより、前記固体中を伝播する縦振動の振幅分布を可視化することを特徴とする請求項1に記載の固体中の縦振動を可視化する装置。

請求項3

縦振動を伝播する固体に、前記固体中を伝播する縦振動の波面方向と略同一方向に延びて撓み振動可能に光学反射面を固定し、前記光学反射面に前記縦振動の伝播する方向と略同一方向から照射光を照射し、前記光学反射面において反射された反射光を受光面で受光することにより、前記固体中を伝播する縦振動を前記撓み振動を利用して前記受光面上に拡大させて前記縦振動を可視化することを特徴とする固体中の縦振動を可視化する方法。

請求項4

前記光学反射面は部分反射鏡であり、前記部分反射鏡を前記縦振動の伝播する方向に複数設けるとともに、反射鏡面を前記伝播方向に対して所定角度傾けて配設し、前記複数の部分反射鏡に前記縦振動の伝播する方向と略同一方向から照射光を照射させて、前記受光面は前記複数の部分反射鏡において反射された複数の反射光を受光することにより、前記固体中を伝播する縦振動の振幅分布を可視化することを特徴とする請求項3に記載の固体中の縦振動を可視化する方法。

請求項5

前記照射光は可視光であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の固体中の縦振動を可視化する装置。

請求項6

前記照射光は可視光であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の固体中の縦振動を可視化する方法。

技術分野

0001

本発明は、固体中伝播する縦振動可視化する方法並びに、この方法を用いて固体中の縦振動を可視化する装置に関する。

背景技術

0002

良く知られるように、媒質中を伝わる(伝播する)波には、波の伝わる方向と直交する方向に媒質振幅運動を行う横波横振動)と、波の伝わる方向と同一方向に媒質が振幅運動を行う縦波(縦振動)とがある。このうち横波は、例えば海上の波や楽器の弦を弾いたときの運動に代表されるように、媒質自身が波動の伝播方向に対して直交する方向に振幅分布を有する運動であるため、一般に把握容易であり、微細な運動であってもこれを光学的に容易に可視化できるという特質を有している。

0003

一方、縦波は、例えば金属棒の端部を棒の軸方向に叩いたときに金属棒中に発生する運動に代表されるように、媒質内部において媒質を構成する原子等が波動の伝播方向に相対変位する運動(疎密波)であるため、一般に把握困難であり、これを可視化することが困難であるという特質を有している。このため、従来では縦振動を観測するために、例えば被観測体である金属棒に対し棒の軸方向に圧電素子PZT)等の加速度ピックアップ固定配設し、この検出信号チャージアンプ増幅、変換することにより可視化して観測していた。

0004

また、例えば物理学基礎実験等において、クントの実験と呼ばれる方法で金属棒を伝播する縦波の音速、または金属棒のヤング率の測定が行われている。これは、金属棒中を伝播する縦波をガラス管の気中に伝達させ、気中の定在波波長コルク等の粉末の状態から測定して、金属棒中の音速またはヤング率を求める実験である。

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、上記のような従来の縦振動の観測方法では、現実に媒質内部で発生している縦振動の変化を直接的に目視観測することができないうえ、加速度ピックアップやチャージアンプを始めとしてオッシロスコーププロッタ等の多数の機材が必要となる。さらに媒質中の振動分布状態を観測しようとすれば、その観測点数に応じて多現象同時観測が可能な機材が必要になるなど、観測装置が大がかりなものにならざるを得ないという課題があった。

0006

また、例えば上記物理学の基礎実験等においては、金属棒中での縦波及びその定在波を直接観測できないため、実験者たち(例えば学生等)は金属棒中で起こっているであろう現象を想像しながら実験を行うにとどまり、縦振動についての根本的な理解を深めることが難しいという課題があった。

0007

本発明は、上記のような課題に鑑みて成されたものであり、簡便な装置構成で媒質中を伝播する縦波を直視的に観測することができる方法及び装置を提供するとともに、これにより縦波の振動現象や定在波の存在をより容易に理解させることができる方法及び装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

上記目的達成のため、本発明では、縦振動を伝播する固体(例えば実施形態に於ける金属棒5)と、この固体中を伝播する縦振動の波面方向と略同一方向に延びて撓み振動可能に固体に固定された光学反射面(例えば実施形態に於ける反射鏡面25a,35a)と、縦振動の伝播する方向と略同一方向に光学反射面に照射光照射する光源(例えば実施形態に於けるレーザ光源10)と、光学反射面において反射された反射光受光する受光面(例えば実施形態に於けるスクリーン40)とを有し、固体中を伝播する縦振動を撓み振動を利用して受光面上に拡大させることにより縦振動を可視化するように固体中の縦振動を可視化する装置を構成する。

0009

そして、縦振動を伝播する固体に、この固体中を伝播する縦振動の波面方向と略同一方向に延びて撓み振動可能に光学反射面を固定し、光学反射面に縦振動の伝播する方向と略同一方向から照射光を照射し、光学反射面において反射された反射光を受光面で受光することにより、固体中を伝播する縦振動を撓み振動を利用して受光面上に拡大させて縦振動を可視化する。

0010

上記構成の縦振動可視化装置では、光学反射面は固体中を伝播する縦振動の波面方向と略同一方向(すなわち縦振動の伝わる方向と略直交する方向)に延びてこの面において撓み振動可能に固体に固定されており、光源からの照射光は縦振動の伝播する方向と略同一方向に光学反射面に照射され、光学反射面で反射された反射光は受光面に投影されて受光面上に像を作る。光学反射面は縦振動の波面方向と略同一方向に延びて撓み振動可能に固定されているため、固体中を伝播する縦振動によって光学反射面が前後に傾動するように撓み振動が誘起される。このため、反射光はいわゆる光テコ原理によって撓み振動が拡大され、受光面上には拡大された振動像が投影される。

0011

従って、上記構成の縦振動可視化装置を用い、上記方法によって固体中を伝播する縦振動を可視化することにより、極めて簡単な構成で、かつ容易に、固体中を伝わる縦振動を可視化することができる。また、これにより縦波の振動現象を容易に理解させることができる。

0012

なお、上記光学反射面は部分反射鏡であり、この部分反射鏡を縦振動の伝播する方向に複数設けるとともに、反射鏡面を伝播方向に対して所定角度傾けて配設し、光源は複数の部分反射鏡に縦振動の伝播する方向と略同一方向に照射光を照射し、受光面は複数の部分反射鏡において反射された複数の反射光を受光することにより、固体中を伝播する縦振動の振幅分布を可視化するように固体中の縦振動を可視化する装置を構成することができる。

0013

また、光学反射面は部分反射鏡であり、この部分反射鏡を縦振動の伝播する方向に複数設けるとともに、反射鏡面を伝播方向に対して所定角度傾けて配設し、複数の部分反射鏡に縦振動の伝播する方向と略同一方向から照射光を照射させて、受光面は複数の部分反射鏡において反射された複数の反射光を受光することにより、固体中を伝播する縦振動の振幅分布を可視化することができる。

0014

上記構成の縦振動可視化装置では、複数の部分反射鏡(すなわち入射光の一部(例えば数%)を反射し、他を透過する反射鏡)を縦振動の伝わる方向に、例えば一直線上に並べて設けるとともに、各反射鏡面からの反射光が重ならないように反射鏡面を伝播方向に対して所定角度傾けて配設する。そして、これら複数の部分反射鏡を貫通するように、光源からの照射光を縦振動の伝播する方向と略同一方向に照射し、複数の部分反射鏡において反射された複数の反射光を受光面上に投影するように縦振動可視化装置を構成する。このような構成によれば、受光面上に複数の部分反射鏡それぞれによって反射された固体各点における振動像が並んで拡大投影されることとなり、固体中を伝播する縦振動の振幅分布を可視化することができる。

0015

従って、上記構成の縦振動可視化装置を用い、上記方法によって固体中を伝播する縦振動を可視化することにより、極めて簡単な構成で、かつ容易に、固体中を伝わる縦振動の振幅分布を可視化することができる。また、これにより縦波の振動現象及び定在波の存立状態を容易に理解させることができる。

0016

なお、上述の縦振動可視化方法及び装置における照射光は可視光であることが好ましい。本発明における上記各装置及び方法においては、赤外光紫外光などの不可視光を発生する光源を用い、受光面として光源波長に対応して受光面上で光スポット位置を検出可能な受光素子(例えばCCDやPSDなど)を用い、この検出信号をオッシロスコープ等で可視化する方法の他、例えば蛍光板液晶フィルムイメージプレートコンバートプレートとも称される)などのように、受光面で不可視光を可視光に波長変換する受光素子を用いることにより、受光面上で可視化することも可能である。

0017

しかし、照射光として可視光を用いる構成によれば、受光面として上記のような波長変換素子等を用いる必要がなく、反射光が目視可能なスクリーンであればよい。従って、極めて簡単な装置構成で、かつ容易に、固体中を伝わる縦振動の振幅分布を直接的に可視化することができる。そして、これにより縦波の振動現象及び定在波の存立状態を容易に理解させることができる。なお、このような光源としてビームスポットサイズが小さく、空間的な拡がり角の小さい可視レーザ光を用いることが好ましい。

発明を実施するための最良の形態

0018

以下、本発明に係る固体中の縦振動を可視化する装置(以下単に「可視化装置」という)及び可視化方法における好ましい実施形態について図面を参照して説明する。まず、図1には本発明に係る可視化装置における第1の好ましい実施例を平面図(a)、及び側面図(b)として示している。この可視化装置1は、固体の一部における縦振動の状態を観測する可視化装置であり、軸方向に縦振動を生ずる円柱状の金属棒5、この金属棒5の端部に取り付けられた光学反射部材20、光学反射部材20に照射光(レーザ光)Lを照射するレーザ光源10、及び光学反射部材20で反射された反射光LRを投影するスクリーン40などから構成されている。

0019

金属棒5は、縦振動の振動状況を観測しようとする固体の一例としてとり上げたものであり、縦振動の発生及び観測容易のため、これを棒状に加工して被観測媒体とした。以降説明する第1実施例では、直径8mm、長さl=120cmの真鍮丸棒を用い、この金属棒5の長さ方向における中点(l/2位置)を固定支持した場合を例に採り説明する。

0020

レーザ光源10は、その発振形態(固体、半導体気体レーザ等)や発振波長(不可視光、可視光)を問うものではないが、本実施例ではビームの時間的、空間的な安定性の高さや取り扱いの容易性から、発振波長633nm、出力5mWのHe-Neレーザを用い、金属棒5の軸線Sに対して水平方向にわずかに傾けて後述する反射鏡25に入射させている。

0021

金属棒5に固定配設される光学反射部材20は、図1中にII-II矢視及びIII-III矢視する詳細図を、それぞれ図2及び図3に示すように、環状に形成された固定金具21と、この固定金具21に固着された反射鏡25、固定金具21を金属棒5に締め付け固定するための固定ネジ22からなり、本実施例においては、平面視(図1(a))において金属棒5の中心軸Sと反射鏡面25aとが垂直となるように、すなわち金属棒5中を伝播する縦振動の波面と反射鏡面25aとが平行になるように、構成されている。

0022

固定金具21は、金属棒5に反射鏡25を着脱自在に固定するために用いる固定部材であり、金属棒5の振動状態に影響を与えることなく反射鏡25に縦振動を伝達するように、例えば、アルミニウム合金のような軽量高剛性金属材料旋削等公知の機械加工方法によって成形加工したものである。この部材21は、図1及び図2中にIII-III矢視で示す断面図を図3に示すように、内周側の金属棒5に向けて形成されたナイフエッジ21aと、金具外周部にナイフエッジ21aと平行に設けられて反射鏡25を接着固定するための取付座面21bと、環状の金具の一部を切り欠くことにより形成されたスリ割り21cとを有して構成されている。固定金具21は、切り欠き部21cを固定ネジ22を用いて締め込むことにより金属棒5の外周面にナイフエッジ21aで線接触し、金属棒5と一体となって振動するように固定されている。

0023

反射鏡25は、例えば、大きさが5×18mm程度で厚さ0.16mm程度のガラス基板を用いた短冊状の薄肉軽量の反射鏡であり、反射鏡面25a側には、用いるレーザ光源10の波長の光を反射する反射膜コーティングされている。反射鏡25は基端部において上記固定金具21の取付座面21bに接着固定され、固定部が固定金具21と一体的に振動するように構成されている。なお、反射鏡上端部は解放されて図3中に二点鎖線で示すように前後に傾動可能に構成されている。

0024

スクリーン40は、レーザ光源10から射出され反射鏡25において反射されたレーザ光を受光して映し出す観測面であり、目視観測する場合においては上記波長のレーザスポットが明瞭に視認可能な平坦面であればよい。また、反射鏡25とスクリーンとの距離Dは、反射鏡25が上記図3のように撓み振動したときに、光テコの原理により拡大される反射光の変位を読み取るのに適した距離として適宜定められる。例えば、スクリーン40上のレーザスポットを目視観測する場合には、最大振幅でのスクリーン上における像の高さが数十ミリメートル程度となるようにスクリーン40を配設する。本実施例ではD=2mの位置にスクリーン40を配設した。また、PSDなどの受光素子を用いて振動波形を観測する場合には、当該受光素子の検出可能領域幅に応じて受光素子を配設する。

0025

以上のように構成された可視化装置1において、図4(a)に示すように、金属棒5の長さ方向における中点(l/2位置)の外周部をナイフエッジ状固定点5cにおいて固定支持し、反射鏡25にレーザ光源10からレーザ光Lを入射させる。図4(b)は、このときにスクリーン40上に投影された反射レーザ光LRの像をカメラ撮影したものであり、静止した丸い点状のレーザスポットとして観測される。次に、この状態から光学反射部材20が取り付けられていない金属棒5の自由端5bを乾いた綿布などで軸方向に擦り、金属棒5に縦波の定在波を生じさせる。図4(c)は、このときにスクリーン40上に投影された反射レーザ光LRの像であり、高速で上下に往復振動するレーザスポットがライン状の像として観測される。

0026

このライン状の像の長さは金属棒5に於ける縦振動の振幅の大きさに対応しており、縦振動による金属棒5の端面の変位量静電容量式変位計によって測定した測定結果と比較すると、例えば、静電容量式変位計による測定値(変位量)約20μmに対してスクリーン40上でのライン長(振幅)は約50mmであった。このことから、反射鏡25の撓み角は約0.7度であり、金属棒5の縦波の変位は反射鏡25の撓み振動によって2500倍に拡大されたことを意味する。

0027

なお、金属棒5に固定金具21を介して固定配設された反射鏡25の撓み振動は、金属棒5の縦波による強制振動として考えることができる。反射鏡25の固有振動数振動実験装置により測定した結果850Hzであり、他方、金属棒5の縦振動の周波数をクントの方法によって測定した結果1.42kHzであった。従って、反射鏡25と金属棒5の振動は共振状態ではなく、また、反射鏡の撓み振動数が固有振動数よりも大きいことから、金属棒5の縦振動に対して逆位相で撓み振動していると考えられる。

0028

これらから、縦波の波面と同一方向のウェッジ21aで金属棒5に固定された固定金具21は、縦振動によって図3中に矢印mで示すように軸方向に一体として直線往復運動し、反射鏡25は、この強制振動により図3中に一点鎖線及び矢印Mで示すように揺動する撓み振動を発生する。このためスクリーン上に投影される反射レーザ光LRは光テコの原理により振幅が拡大され、縦振動の振幅強度はスクリーン上におけるライン長(直線往復運動の振幅)として投影される。

0029

従って、これまで説明したような簡易な装置構成によって、極めて簡単かつ容易に縦振動の振動状態を可視化することができる。また、その拡大倍率は反射鏡25とスクリーン40との距離を変化させることや、反射鏡25へのレーザビームLの照射位置(高さ)を変化させることなどによって、任意に変更することができる。

0030

次に、本発明に係る第2の好ましい実施形態について説明する。この可視化装置2は、固体の一定部分について縦振動の振幅分布を観測する可視化装置であり、図5(a)に平面図を示し、図5(b)に側面図を示すように、複数の光学反射部材30を用いることを除いて、前述した実施例と略同一の装置構成により達成される。すなわち、この可視化装置2は、金属棒5と、金属棒5に直線状に並んで固定配設される複数の光学反射部材30(301,302,303…)と、射出ビームLが金属棒5の軸線Sと平行となるように配設されるレーザ光源10と、各光学反射部材からの反射レーザ光LR(LR1,LR2,LR3…)を受光するスクリーン40とから構成されている。なお、以降の説明においては前述した実施例と同一の部材については同一番号を付して重複説明を省略する。

0031

金属棒5に固定配設される光学反射部材30は、既に図2及び図3を用いて説明した光学反射部材20と略同一構成であり、環状に形成された固定金具21’と、この固定金具21’に固着された反射鏡35、固定金具21’を金属棒5に締め付け固定するための固定ネジ22から構成されている。本実施形態では、レーザ光源10から射出され光学反射部材30の部分反射鏡35で反射された反射光LRが戻り光路において隣接する部分反射鏡にかからず、また、スクリーン40上において各反射像が重複しないように、平面視(図5(a))において金属棒5の中心軸Sに対して各反射鏡面35aを垂直からわずかに傾斜させて固定配設している。

0032

このため固定金具21’は、前述の固定金具21と略同一の構成であるが、部分反射鏡35を接着固定するための取付座面(21b)部分のみが前述の固定金具と異なり、所定傾斜角(部分反射鏡の撓み振動に大きな影響を与えることのない傾斜角度範囲内であり、例えば数度程度)だけ傾けて形成されている。

0033

部分反射鏡35は、前記反射鏡25と同程度の形状寸法のガラス基板を用いた短冊状の部分反射鏡であり、反射鏡面35a側には、用いるレーザ光源10の光波長に対して数%の反射率を持つ反射膜がコーティング(PRコート)され、他面には不要な反射を避けるための無反射コーティングARコート)が施されている。部分反射鏡35は、無反射コーティング側の鏡面基端部において上記固定金具21’の取付座面に接着固定され、固定部が固定金具21’と一体的に振動するように構成されている。

0034

このように構成された光学反射部材30を複数用い、一列に並べて金属棒5に固定する。そして以上のように構成された可視化装置2において、レーザ光源10から射出されたレーザ光Lを金属棒5の軸線Sに平行に(すなわち、各部分反射鏡35に対して同一高さ位置に)各部分反射鏡351,352,353…に入射させる。以降、図6から図8を用いて可視化装置2の作用について説明する。

0035

図6(a)は金属棒5の長さ方向における中点(l/2位置)を固定支持したときに、金属棒5内に生じる縦振動の定在波の振幅分布を視覚化する装置構成を示したものである。この実施例では、金属棒5の固定点5cからレーザ光源10側の棒端部5aまで10cm間隔で7個の光学反射部材30(301,302…307)を固定配設し、各部分反射鏡35(351,352…357)で反射されスクリーン40上に投影された反射レーザ光LR1,LR2…LR7の像を観測する。

0036

図6(b)は、縦振動を発生させる前にスクリーン40上で観測される反射レーザ光の像であり、各部分反射鏡351,352…357で反射されたレーザビームが7つの等間隔の静止した点状のスポット像として観測される。次に、この状態から光学反射部材30が取り付けられていない金属棒5の自由端5bを乾いた綿布などで軸方向に擦り、金属棒5に縦波の定在波を生じさせる。図4(c)は、このときにスクリーン40上に投影された反射レーザ光LR1,LR2…LR7の像である。これ等の各像は金属棒5の各位置における縦振動の振動状態を表しており、部分反射鏡の固定されている位置に依存してその大きさが変化することがわかる。

0037

前述したように、ライン状の像の高さ(高速で上下に往復振動するレーザスポットの振幅)は縦振動の振幅強度に対応しており、図6(d)にこのような支持条件において理論的に求められる縦波の定在波形を示すように、縦波の振幅強度分布と良く一致する。すなわち、図6(a)のように光学反射部材30を被観測媒体に複数取り付けて反射像を観測することにより、被観測媒体上の縦波の定在波形を極めて容易に視覚化できることがわかる。

0038

図7は、金属棒5の固定点5cをl/2の中点位置から、左端からl/4の位置に変更し、固定点5cからレーザ光源10側の金属棒5に10cm間隔で10個の光学反射部材30を固定配設したときの、縦振動を発生させる前(図7(a))及び縦振動を生じさせたとき(図7(b))にスクリーン40上で観察される反射レーザ光LR1〜LR10の像である。図7(c)は、このような支持条件で理論的に予測される縦波の定在波形であり、図中に付記したようにl/4,3l/4の位置に節が、0,2l/4,lの各位置に腹ができる。スクリーン上で観測される反射レーザ光LR1〜LR10の像は、この定在波形と良く一致しており、腹と節とを含む定在波形を明確かつ忠実に視覚化していることが解る。

0039

図8は、金属棒5の固定点を左端からl/6位置に設け、固定点5cからレーザ光源10側の金属棒5に6.7cm間隔で16個の光学反射部材30を固定配設したときの、縦振動を発生させる前(図8(a))及び縦振動を生じさせたとき(図8(b))にスクリーン40上で観察される反射レーザ光LR1〜LR16の像である。図8(c)は、このような支持条件で理論的に予測される縦波の定在波形であり、図中に付記したようにl/6,3l/6,5l/6の位置に節が、0,2l/6,lの各位置に腹ができる。スクリーン上で観測される反射レーザ光LR1〜LR16の像は、この定在波形と良く一致しており、縦波の定在波形を明確かつ忠実に視覚化していることが解る。

0040

このように、本発明では縦振動の伝播する被観測媒体に、縦波の波面方向と略同一方向に撓み振動自在な光学反射部材を固定配設し、光学反射面に縦振動の伝播する方向と略同一方向から照射光を照射して光学反射面において反射された反射光を受光面で受光することにより、固体中を伝播する縦振動を撓み振動を利用して受光面上に拡大させて縦振動を可視化する。このため、被観測媒体は光学反射部材(反射鏡)が固定可能な固体であればよく、例えば岩盤などであっても振幅分布を可視化し、あるいは振動状態を計測することができる。また、このような縦振動の計測装置及び方法をさらに進めて固体中の音速測定やヤング率の測定に応用することも可能である。

0041

なお、以上説明した実施例では縦振動の観測位置を自由に変更できるように、撓み振動可能な反射鏡を固定金具に接着固定した光学反射部材を用い、これを被検出媒体である固体に締め付け固定する構成としたが、固体に撓み振動可能な反射鏡を直接固定する構成や、撓み振動可能な弾性体に反射鏡を固定する構成であっても同様の効果を得ることができる。さらに、本実施例では部分反射鏡を用いて1本のレーザビームを部分反射させる構成としたが、例えば、一本のレーザビームをビームスプリッタ等により複数本に分割し、あるいは複数のレーザ光源を用い、それぞれ全反射鏡で反射させたレーザスポットをスクリーン上に並べて投影するように構成することも可能である。

発明の効果

0042

以上説明したように、本発明では、縦振動を伝播する固体と、この固体中を伝播する縦振動の波面方向と略同一方向に延びて撓み振動可能に固体に固定された光学反射面と、縦振動の伝播する方向と略同一方向に光学反射面に照射光を照射する光源と、光学反射面において反射された反射光を受光する受光面とを有し、固体中を伝播する縦振動を撓み振動を利用して受光面上に拡大させることにより縦振動を可視化するように固体中の縦振動を可視化する装置を構成する。そして、光学反射面に縦振動の伝播する方向と略同一方向から照射光を照射し、光学反射面において反射された反射光を受光面で受光することにより、固体中を伝播する縦振動を撓み振動を利用して受光面上に拡大させて縦振動を可視化する。

0043

従って、上記構成の縦振動可視化装置を用い、上記方法によって固体中を伝播する縦振動を可視化することにより、極めて簡単な構成で、かつ容易に、固体中を伝わる縦振動を可視化することができる。また、これにより縦波の振動現象を容易に理解させることができる。

0044

なお、上記光学反射面は部分反射鏡であり、この部分反射鏡を縦振動の伝播する方向に複数設けるとともに、反射鏡面を伝播方向に対して所定角度傾けて配設し、光源は複数の部分反射鏡に縦振動の伝播する方向と略同一方向に照射光を照射し、受光面は複数の部分反射鏡において反射された複数の反射光を受光するこように装置を構成し、固体中を伝播する縦振動の振幅分布を可視化する。

0045

従って、上記構成の縦振動可視化装置を用いて固体中を伝播する縦振動を可視化することにより、極めて簡単な構成で、かつ容易に、固体中を伝わる縦振動の振幅分布を可視化することができる。また、これにより縦波の振動現象及び定在波の存立状態を容易に理解させることができる。

0046

なお、上述の縦振動可視化方法及び装置における照射光は可視光であることが好ましい。このような構成によれば、受光面として波長変換素子等を用いる必要がなく反射光が目視可能なスクリーンであればよい。従って、極めて簡単な装置構成で、かつ容易に、固体中を伝わる縦振動の振幅分布を直接的に可視化することができる。そして、これにより縦波の振動現象及び定在波の存立状態を容易に理解させることができる。

図面の簡単な説明

0047

図1本発明に係る固体の縦振動を可視化する装置における、第1の好ましい実施形態の構成を示す説明図である。このうち図(a)は装置の上面図、図(b)は側面図を表す。
図2上記可視化装置における光学反射部材の詳細構成を示す正面図である。
図3上記光学反射部材の断面図(図2におけるIII-III断面図)である。
図4上記可視化装置の作用を説明する説明図である。このうち、図(a)は金属棒の固定条件を示す装置概略図、図(b)は金属棒に縦振動を発生させる前のスクリーン上の反射像、図(c)は金属棒に縦振動を発生させたときのスクリーン上の反射像を示す。
図5本発明に係る固体の縦振動を可視化する装置における、第2の好ましい実施形態の構成を示す説明図である。このうち図(a)は装置の上面図、図(b)は側面図を表す。
図6上記可視化装置の作用を説明する説明図である。このうち、図(a)は金属棒の固定条件を示す装置概略図、図(b)は金属棒に縦振動を発生させる前のスクリーン上の反射像、図(c)は金属棒に縦振動を発生させたときのスクリーン上の反射像、図(d)は上記支持条件において想定される縦振動の振幅分布を示す。
図7上記可視化装置の作用を説明する説明図である。このうち、図(a)は金属棒の固定条件を示す装置概略図、図(b)は金属棒に縦振動を発生させる前のスクリーン上の反射像、図(c)は金属棒に縦振動を発生させたときのスクリーン上の反射像、図(d)は上記支持条件において想定される縦振動の振幅分布を示す。
図8上記可視化装置の作用を説明する説明図である。このうち、図(a)は金属棒の固定条件を示す装置概略図、図(b)は金属棒に縦振動を発生させる前のスクリーン上の反射像、図(c)は金属棒に縦振動を発生させたときのスクリーン上の反射像、図(d)は上記支持条件において想定される縦振動の振幅分布を示す。

--

0048

1固体の縦振動を可視化する装置(第1実施例)
2 固体の縦振動を可視化する装置(第2実施例)
5金属棒(縦振動を伝播する固体)
10レーザ光源(光源)
20光学反射部材
25反射鏡
25a反射鏡面(光学反射面)
30 光学反射部材
35部分反射鏡
35a 反射鏡面(光学反射面)
40スクリーン(受光面)

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