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概要
背景
ポリフェノール類は特異な生理作用により食品の生理機能付加・増強又は酸化防止剤等に利用される他、医薬品、化粧品、飼料等広範な分野での応用が期待されている。特に近年のポリフェノール類の研究成果は目覚しく、ポリフェノール類の抗酸化作用に由来する発ガン予防、老化防止作用の他、血中LDL低下作用、血圧上昇抑制作用、整腸作用、殺菌・抗菌作用、脱臭作用等が報告されている。しかしながら、ポリフェノール類は特異な苦味・渋味を有するため食品用途での利用に制限を受けること及び酸化、熱、光に対して変色しやすく不安定であるという欠点を有する。
ポリフェノール類の安定化法としては、アルコール性水酸基を2つ以上持つ化合物を配合することによってポリフェノール類の変色を抑制する方法(特開平6−239716)、植物ポリフェノール類を塩化セバコイル、塩化スクシニル、塩化アジポイル等の架橋剤によって架橋し、それをベースとしたマイクロカプセルを調製する方法(特表平8−508677)等が提案されている。しかし、前者の方法によって調製される組成物は、ポリフェノール類が遊離で溶存した状態にあり、ポリフェノール類に由来する強烈な渋味・苦味を有し、食品用途での利用に制限を受ける。また、後者の方法では、組成物の安定性は向上するもののマイクロカプセル自体がポリフェノール架橋物によって構成されているため、ポリフェノール類に由来する渋味・苦味の低減がされておらず、加えて架橋剤として用いる化合物については食品衛生法上制限を受ける等の欠点を有する。
また、融点50〜80℃の油脂で被覆する方法(特公昭57−48050)をポリフェノール類の安定化に応用することは可能であるが、ポリフェノール類の固体粒子の表面を高融点の固体油脂が被覆してW/O分散型の固体/固体界面を形成しているためにポリフェノール類の安定性には優れるものの、使用するポリフェノール結晶が数十μm以上の粗大粒子であり、剤形が0.2〜2mm程度の粒状形態をためすために応用範囲が限定され、特に液状製品への応用は極めて難しくなる。
概要
ポリフェノール類由来の渋味・苦味を低減し、且つ安定性に優れたポリフェノール類組成物を提供することを目的とする。
ポリフェノール類、多価アルコール脂肪酸エステル及び中性脂質を含有するポリフェノール類組成物とすることにより上記課題を解決する。
目的
本発明の目的は、ポリフェノール類を長期間安定に保ち、且つ呈味性に優れたポリフェノール組成物を提供する事にある。
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 2件
- 牽制数
- 4件
この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
請求項1
ポリフェノール類、多価アルコール脂肪酸エステル及び中性脂質を含有するポリフェノール類組成物。
請求項2
請求項3
多価アルコール脂肪酸エステルがHLB4以下のグリセリン脂肪酸エステルである事を特徴とする請求項1または2記載のポリフェノール類組成物。
技術分野
背景技術
0002
ポリフェノール類は特異な生理作用により食品の生理機能付加・増強又は酸化防止剤等に利用される他、医薬品、化粧品、飼料等広範な分野での応用が期待されている。特に近年のポリフェノール類の研究成果は目覚しく、ポリフェノール類の抗酸化作用に由来する発ガン予防、老化防止作用の他、血中LDL低下作用、血圧上昇抑制作用、整腸作用、殺菌・抗菌作用、脱臭作用等が報告されている。しかしながら、ポリフェノール類は特異な苦味・渋味を有するため食品用途での利用に制限を受けること及び酸化、熱、光に対して変色しやすく不安定であるという欠点を有する。
0003
ポリフェノール類の安定化法としては、アルコール性水酸基を2つ以上持つ化合物を配合することによってポリフェノール類の変色を抑制する方法(特開平6−239716)、植物ポリフェノール類を塩化セバコイル、塩化スクシニル、塩化アジポイル等の架橋剤によって架橋し、それをベースとしたマイクロカプセルを調製する方法(特表平8−508677)等が提案されている。しかし、前者の方法によって調製される組成物は、ポリフェノール類が遊離で溶存した状態にあり、ポリフェノール類に由来する強烈な渋味・苦味を有し、食品用途での利用に制限を受ける。また、後者の方法では、組成物の安定性は向上するもののマイクロカプセル自体がポリフェノール架橋物によって構成されているため、ポリフェノール類に由来する渋味・苦味の低減がされておらず、加えて架橋剤として用いる化合物については食品衛生法上制限を受ける等の欠点を有する。
0004
また、融点50〜80℃の油脂で被覆する方法(特公昭57−48050)をポリフェノール類の安定化に応用することは可能であるが、ポリフェノール類の固体粒子の表面を高融点の固体油脂が被覆してW/O分散型の固体/固体界面を形成しているためにポリフェノール類の安定性には優れるものの、使用するポリフェノール結晶が数十μm以上の粗大粒子であり、剤形が0.2〜2mm程度の粒状形態をためすために応用範囲が限定され、特に液状製品への応用は極めて難しくなる。
発明が解決しようとする課題
0005
本発明の目的は、ポリフェノール類を長期間安定に保ち、且つ呈味性に優れたポリフェノール組成物を提供する事にある。
課題を解決するための手段
0006
本発明者らは、前記の目的を達成するために鋭意検討を行った結果、ポリフェノール類、多価アルコール脂肪酸エステル及び中性脂質を含有するポリフェノール組成物が、ポリフェノール類特有の異味をマスキングでき、且つ安定性に優れる事を見出し、本発明を完成するに至った。
0007
即ち本発明は、ポリフェノール類を多価アルコール脂肪酸エステル及び中性脂質を含有するポリフェノール組成物に関する。
発明を実施するための最良の形態
0008
本発明におけるポリフェノール類は人体に摂取可能なものであれば特に限定するものではく、フラボン、フラボノール、フラバノン、イソフラボン、アントシアニン、フラバノール等のフラボノイド類、その他の非フラボノイド類、及びこれらの誘導体、重合体等、更に前記化合物を含有する植物体及び該植物体抽出物等何れを使用しても差し支えないが、好ましくは油脂に不溶の固体で且つ物理的破砕によってレーザー回折型粒度分布測定機による平均粒径が3μm以下の微粒子とすることができる性質のものが良い。ポリフェノール類の具体例を以下に示すがこれらに限定するものではない。
0009
ポリフェノール類の具体例として、カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、エピカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピガロカテキンガレート、エピガロカテキン、タンニン酸、ガロタンニン、エラジタンニン、カフェー酸、ジヒドロカフェー酸、クロロゲン酸、イソクロロゲン酸、ゲンチシン酸、ホモゲンチシン酸、没食子酸、エラグ酸、ロズマリン酸、ルチン、クエルセチン、クエルセタギン、クエルセタゲチン、ゴシペチン、アントシアニン、ロイコアントシアニン、プロアントシアニジン、エノシアニン、及びこれらの誘導体、重合体、立体異性体から選ばれる少なくとも1種又は2種以上の混合物が挙げられる。
0010
本発明におけるポリフェノール類を含有する植物体は、特に限定するものではない。即ち、光合成を行う植物はおよそポリフェノール類を含有するものであり、ポリフェノール類を抽出し得るもの、且つ該抽出物が人体に摂取可能なものであれば良い。植物の具体例を以下に示すがこれらに限定するものではない。
0011
植物の具体例として、茶等のツバキ科植物、ブドウ等のブドウ科植物、コーヒー等のアカネ科植物、カカオ等のアオギリ科植物、ソバ等のタデ科植物、グーズベリー、クロフサスグリ、アカスグリ等のユキノシタ科植物、ブルーベリー、ホワートルベリー、ブラックハクルベリー、クランベリー、コケモモ等のツツジ科植物、赤米、ムラサキトウモロコシ等のイネ科植物、マルベリー等のクワ科植物、エルダーベリー、クロミノウグイスカグラ等のスイカズラ科植物、プラム、ヨーロッパブラックベリー、ローガンベリー、サーモンベリー、エゾイチゴ、セイヨウキイチゴ、オオナワシロイチゴ、オランダイチゴ、クロミキイチゴ、モレロチェリー、ソメイヨシノ、セイヨウミザクラ、甜茶、リンゴ等のバラ科植物、エンジュ、小豆、大豆、タマリンド、ミモザ、ペグアセンヤク等のマメ科植物、紫ヤマイモ等のヤマイモ科植物、カキ等のカキ科植物、ヨモギ、春菊等のキク科植物、バナナ等のバショウ科植物、ヤマカワラムラサキイモ等のヒルガオ科植物、ローゼル等のアオイ科植物、赤シソ等のシソ科植物、赤キャベツ等のアブラナ科植物等が挙げられ、これらの植物に応じて果実、果皮、花、葉、茎、樹皮、根、塊根、種子、種皮、等の部位が任意に選ばれる。また、該植物体から得られる抽出物の形態としては、固体であり、好ましくは油脂に不溶で且つ物理的破砕によってレーザー回折型粒度分布測定機による平均粒径が3μm以下の微粒子とすることができる性質を有するものが良い。
0012
本発明のポリフェノール類の平均粒径は、特に限定するものではないが、好ましくは3μm以下、より好ましくは2μm以下、更に好ましくは1μm以下、最も好ましくは0.5μm以下である。平均粒径が3μmより大きくなると、中性脂質中での分散安定性が低下し、ポリフェノール類の粒子が沈殿分離する。物理的破砕方法に関しては、ビーズミル等の湿式摩砕機やジェットミル等の乾式破砕機、又は液体窒素を利用する凍結粉砕等等の使用が挙げられるが、レーザー回折型粒度分布測定機による平均粒径が3μm以下の微粒子化ができる性能のものであれば特に限定するものではない。
0013
本発明のポリフェノール類の含有量は特に限定するものではないが、該組成物中1〜70重量%である事が好ましく、より好ましくは10〜50重量%であり、更に好ましくは10〜40重量%である。ポリフェノール類の含有量が1重量%より少ない場合は、主剤であるポリフェノール類が微量となりポリフェノール組成物としての用を成さない。また、ポリフェノール類の含有量が70重量%より多い場合には、該組成物の構造粘度が極度に高まり流動性を失ってしまうために後の加工特性及び応用範囲を著しく狭める事となる。
0014
本発明に用いる多価アルコール脂肪酸エステルは食品に供することのできるものであれば特に限定するものではないが、好ましくはグリセリン脂肪酸エステルが用いられる。多価アルコール脂肪酸エステルの具体例を以下に示すがこれらに限定するものではない。多価アルコール脂肪酸エステルの具体例として、モノグリセリンモノ脂肪酸エステル,モノグリセリンジ脂肪酸エステル,モノグリセリン脂肪酸有機酸エステル,ポリグリセリン脂肪酸エステル及びポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、特にモノグリセリンモノステアリン酸エステル,モノグリセリンモノオレイン酸エステル,モノグリセリンモノミリスチン酸エステル,モノグリセリンモノカプリル酸エステル,モノグリセリンジステアリン酸エステル,モノグリセリンジオレイン酸エステル,モノグリセリンステアリン酸クエン酸エステル,モノグリセリンステアリン酸酢酸エステル,モノグリセリンステアリン酸コハク酸エステル,モノグリセリンカプリル酸コハク酸エステル、モノグリセリンステアリン酸乳酸エステル,モノグリセリンステアリン酸ジアセチル酒石酸エステル,平均重合度2〜10のポリグリセリンと炭素数6〜22の脂肪酸エステル及び平均重合度2〜10のポリグリセリンと縮合度2〜4のポリリシノレイン酸のエステル等のグリセリン脂肪酸エステル類、プロピレングリコールモノステアリン酸エステル,プロピレングリコールモノオレイン酸エステル等のプロピレングリコール脂肪酸エステル類、ソルビタンジステアリン酸エステル,ソルビタントリステアリン酸エステル,ソルビタンセスキオレイン酸エステル、ソルビタンジオレイン酸エステル,ソルビタントリオレイン酸エステル等のソルビタン脂肪酸エステル類等から選ばれる1種または2種以上の混合物が挙げられるが、より好ましくは前記グリセリン脂肪酸エステル類から選ばれる1種または2種以上の混合物、更に好ましくはHLBが4以下のモノグリセリン脂肪酸有機酸エステル、同じくHLBが4以下のポリグリセリン脂肪酸エステル及び同じくHLBが4以下のポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルから選ばれる1種または2種以上の混合物が良い。
0015
本発明に用いる多価アルコール脂肪酸エステルは中性脂質に対して0.1〜100重量%配合するが、好ましくは0.2〜50重量%、より好ましくは0.5〜20重量%が良い。添加量が0.1重量%未満の場合はポリフェノール類固体微粒子を十分に分散させる事が不可能であり、100重量%より多い場合には該組成物を改めて水系に分散させる際、乳化転相により内包するポリフェノール類微粒子の溶出が生じ易くなり、安定なW/O/W分散系を構成するに支障を来たす。
0016
本発明に用いる中性脂質は特に限定するものではないが、中鎖脂肪酸トリグリセリド等の合成油脂や大豆、米、菜種、カカオ、椰子等の油糧種子から得られる一般的な植物性油脂及び牛脂、乳脂、豚脂等の動物性油脂の何れでも使用でき、これらに本来含まれているリン脂質、ステロール類、ワックス類等が共存しても一向に差し支えないが、好ましくは融点が45℃以下、より好ましくは融点が35℃以下、更に好ましくは融点が30℃以下、最も好ましくは融点が25℃以下の油成分を用いる。即ち、融点が45℃より高い中性脂質を用いるとポリフェノール組成物の調製及び食品等への添加時に加熱工程が必要となるため、無用の熱履歴をポリフェノール類に与える事となり、応用範囲も狭められる事となる。以下に実施例及び試験例によって本発明を説明するが、その内容に制限されるものではない。
0017
実施例1
中鎖脂肪酸トリグリセリド50重量部(サンソフトMCT−6、太陽化学株式会社製)、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル10重量部(サンソフト818H、太陽化学株式会社製)を混合し、茶ポリフェノール40重量部(サンフェノンDCF−1、平均粒子径約100μm、太陽化学株式会社製)を加えた油性懸濁液を調製し、これをコボールミル(神鋼パンテック株式会社製)に掛け、レーザー回折型粒度分布測定により茶ポリフェノールの平均粒子径が0.4μmとなった本発明の茶ポリフェノール組成物を得た。
0018
実施例2
菜種白絞油70重量部、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル5重量部(サンソフト818H,太陽化学株式会社製)及びポリグリセリンステアリン酸エステル5重量部(サンファットPS−68,太陽化学株式会社製)を混合し、茶ポリフェノール20重量部(サンフェノン100S、平均粒子径約100μm、太陽化学株式会社製)を加えた油性懸濁液を調製し、これをダイノーミル(株式会社シンマルエンタープライゼス製)に掛け、レーザー回折型粒度分布測定により茶ポリフェノールの平均粒子径が0.35μmとなった本発明の茶ポリフェノール組成物を得た。
0019
実施例3
中鎖脂肪酸トリグリセリド50重量部(サンソフトMCT−6、太陽化学株式会社製)、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル5重量部(サンソフト818H,太陽化学株式会社製)、クエン酸モノグリセリド5重量部(サンソフト623M,太陽化学株式会社製)を混合し、エピガロカテキンガレート40重量部(純度95%、平均粒子径約100μm、太陽化学株式会社製)を加えた油性懸濁液を調製し、これをレディミル(株式会社アイメックス製)に掛け、レーザー回折型粒度分布測定によりエピガロカテキンガレートの平均粒子径が0.4μmとなった本発明のエピガロカテキンガレート組成物を得た。
0020
試験例1
中鎖脂肪酸トリグリセリド50重量部(サンソフトMCT−6,太陽化学株式会社製)、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル10重量部(サンソフト818H,太陽化学株式会社製)を混合し、10%茶ポリフェノール(サンフェノンDCF−1、太陽化学株式会社製)水溶液40重量部を加えながらホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)にて高速攪拌を行い、レーザー回折型粒度分布測定により内部水相の平均粒子径が0.4μmとなったW/O乳化液を調製した。これを対照として実施例1の茶ポリフェノール組成物中における茶ポリフェノールの残存率を測定した。
0021
両者各200gをそれぞれ耐圧ビンに封じて121℃、30分間の加熱殺菌を行い、放冷後に20gを分取し、水200mlとn−へキサン200mlを加えて室温下に振盪抽出を実施し、得られた水層部分を回収して0.45μmのメンブレンフィルターにて濾過して試験液とした。次に試験液中のエピガロカテキンガレート含量を高速液体クロマトグラフィー(日本分光株式会社)で定量し、ポリフェノール残存率を算出した。高速液体クロマトグラフィーによる測定は、カラム:CAPCELLPAK C18 UG120 S3、(株式会社資生堂)、カラム温度:40℃、流速0.8mL/min、移動相:メタノール/水/リン酸(50/50/0.1)、検出は、UV280nmの条件で行った。その後、両者を50℃で3ヶ月間保存し、1ヶ月毎に上記と同様の測定を行うと共に乳化状態を観察した。その結果を表1に示す。
0022
0023
その結果、表1に示すように実施例1の茶ポリフェノール組成物においては茶ポリフェノールの減衰が殆ど生じず、優れた安定化性を示した。
0024
試験例2
菜種白絞油70重量部、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル10重量部(サンソフト818H,太陽化学株式会社製)を混合し、2%茶ポリフェノール(サンフェノン100S、太陽化学株式会社製)水溶液20重量部を加えながらホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)にて高速攪拌を行い、レーザー回折型粒度分布測定により内部水相の平均粒子径が0.35μmとなったW/O乳化液を調製した。これを対照として実施例2の茶ポリフェノール組成物を10人のパネラーにより官能試験を実施して茶ポリフェノールの渋味のマスキング性を比較した。その結果を表2に示す。尚、渋味の評価点は次のように定めた。{0点;渋味を全く感じない、1点;殆ど渋味を感じない、2点;やや渋味を感じる、3点;強く渋味を感じる、4点;非常に強く渋味を感じる。}
0025
0026
その結果、表2に示すように実施例2の茶ポリフェノール組成物においては茶ポリフェノール特有の渋味を殆ど感じさせない、優れた呈味性を示した。
0027
試験例3
中鎖脂肪酸トリグリセリド50重量部(サンソフトMCT−6,太陽化学株式会社製)、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル10重量部(サンソフト818H,太陽化学株式会社製)を混合し、10%エピガロカテキンガレート(純度95%、太陽化学株式会社製)水溶液40重量部を加えながらホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)にて高速攪拌を行い、レーザー回折型粒度分布測定により内部水相の平均粒子径が0.4μmとなったW/O乳化液を調製した。これをショ糖脂肪酸エステル5重量部(リョートーシュガーエステルS−1670,三菱化学株式会社製)を溶解させた水1000重量部中に加えて攪拌してW/O/W乳化液を調製した。
0028
同様に実施例3のエピガロカテキンガレート組成物もショ糖脂肪酸エステル5重量部(リョートーシュガーエステルS−1670,三菱化学株式会社製)を溶解させた水1000重量部中に加えて攪拌してW/O/W乳化液を調製し、両者各200gをそれぞれ耐圧ビンに封じて121℃、15分間の加熱殺菌を行い、放冷後に50gを分取し、水200mlとn−へキサン200mlを加えて室温下に振盪抽出を実施し、得られた水層部分を回収して0.45μmのメンブレンフィルターにて濾過して試験液とした。次に試験液中のエピガロカテキンガレート含量を高速液体クロマトグラフィー(日本分光株式会社)で定量し、ポリフェノール残存率を算出した。高速液体クロマトグラフィーによる測定は、カラム:CAPCELLPAK C18 UG120 S3、(株式会社資生堂)、カラム温度:40℃、流速0.8mL/min、移動相:メタノール/水/リン酸(50/50/0.1)、検出は、UV280nmの条件で行った。その後、両者を40℃で3週間保存し、1週間毎に上記と同様の測定を行うと共に乳化状態を観察した。その結果を表3に示す。
0029
0030
その結果、表3に示すように実施例3のエピガロカテキンガレート組成物は、W/O/W型の不安定な乳化条件下においてもポリフェノールの減衰が殆ど生じず、優れた安定性を示した。
0031
応用例1
実施例1の茶ポリフェノール組成物3重量部を市販のプレーンヨーグルト100重量部に添加して攪拌混合し、1200mg/100gの茶ポリフェノール強化ヨーグルトを調製した。対照として実施例1で用いた茶ポリフェノール1.2重量部を同様のプレーンヨーグルト100重量部に添加溶解したヨーグルトを調製して、両者における風味、製品形態及び茶ポリフェノールの残存率について比較したところ、対照品においては茶ポリフェノール特有の渋味が著しく顕著であったが、実施例1の茶ポリフェノール組成物を添加したものでは、本来の風味を殆ど損なう事はなかった。
0032
また、両者のポリフェノール残存率を試験例3の測定法に準拠して分析したところ、対照品では残存率48.1%であったに対し、実施例1の茶ポリフェノール組成物を添加したものでの残存率は93.2%であり、水系の酸性食品中における本発明の効果を十分に確認できた。
0033
応用例2
実施例2の茶ポリフェノール分散組成物3重量部を市販のケーキプレミックス100重量部に添加して攪拌混合し、160℃、30分間焼成してパウンドケーキを調製した。対照として実施例2で用いた茶ポリフェノール0.6重量部を同様のケーキプレミックス100重量部に添加溶解したパウンドケーキを調製して、両者における風味、製品形態及び茶ポリフェノールの残存率について比較したところ、対照品においては茶ポリフェノール特有の渋味が著しく顕著であり、ケーキの起泡性が低下して嵩の低い状態となったが、実施例2の茶ポリフェノール組成物を添加したものでは、本来の風味及び起泡性を殆ど損なう事はなかった。
0034
また、両者の茶ポリフェノール残存率を試験例3の測定法に準拠して分析したところ、対照品では残存率34.4%であったに対し、実施例3のエピガロカテキンガレート組成物を添加したものでの残存率は81.8%であり、加熱工程下での本発明の効果を十分に確認できた。
発明の効果
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