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図面 (7)

課題

固定シャフト保持部材に固定するにあたり、ねじ14で締結する構造を採用し、固定シャフト11とブラケット14との締結による変形をいかに防ぐかを解決する。それによって、組立再分解ができかつ信頼性の高い動圧流体軸受機構を有するスピンドルモータを提供する。

解決手段

シャフト11の一端面の中央には雌ねじ11aが形成され、それによってシャフト11とブラケット13とを締結しており、シャフト11とブラケット13とは、シャフト端面の内径側11bで押圧密着させ外径側11cでは互いに隙間を形成してなる。またさらに、内径側から外径側に至る中間部に凹溝11dを設けてなる。

概要

背景

動圧流体軸受機構を有するスピンドルモータは、精密かつ高速な回転を要する機器に多用されている。中でも特に高速回転の機器では流体を空気とするのが一般的である。空気軸受では負荷能力を増大させるため軸受径を大きくする。その軸受部分スリーブシャフトとを対向させ形成するが、一般にスリーブを回転側とするほうがロータ構造シンプルになる。このように動圧気体軸受機構では軸固定構造とすることが多い。この流体軸受機構は特に精密にできており、軸受隙間微少であって、それを構成するシャフトおよびスリーブは、部品加工のときのみならず組み立てるときも寸法や形状が目標値どおりでなければならず変化してはならない。したがって一般には、たとえば実登第2074609号公報に示される如くシャフトをその保持部材に焼き嵌めすることが多い。

図6にその構造を示す。このスピンドルモータは、固定シャフト91と回転スリーブ92とで動圧流体軸受機構(のラジアル部)を構成している。そして回転スリーブにはポリゴンミラー93が取り付けられている。固定シャフト91はシャフト保持部材94に焼き嵌め(もしくは圧入)固定されている。

ところでこの固定シャフトは極めて精度が高く高価なものである。また回転スリーブと選択嵌め合いすべきことも多い。それをこのようにシャフト保持部材94に焼き嵌め固定すると、交換作業に支障をきたす。この例のモータはそのためかシャフト保持部材94をケーシング95から分離できるようにしているが、それでもなお無駄が多い。

またこの例のように固定シャフトを焼き嵌めすると、そのためにある程度の軸方向長さを要する。ゆえにモータは軸方向に長い形状となってしまう。

概要

固定シャフトを保持部材に固定するにあたり、ねじ14で締結する構造を採用し、固定シャフト11とブラケット14との締結による変形をいかに防ぐかを解決する。それによって、組立再分解ができかつ信頼性の高い動圧流体軸受機構を有するスピンドルモータを提供する。

シャフト11の一端面の中央には雌ねじ11aが形成され、それによってシャフト11とブラケット13とを締結しており、シャフト11とブラケット13とは、シャフト端面の内径側11bで押圧密着させ外径側11cでは互いに隙間を形成してなる。またさらに、内径側から外径側に至る中間部に凹溝11dを設けてなる。

目的

そこで本発明は、固定シャフトを保持部材に固定するにあたり、焼き嵌め工法を用いるのをやめ、ねじ機構で締結する構造を模索する。しかしながらねじ機構による締結は、部分的に極めて高い応力をもつこととなるため、それによって固定シャフトが変形する可能性がある。したがって本発明は、ねじ機構を採用した上で、スピンドルモータとしての構造剛性を保ちながら固定シャフトと保持部材との締結による変形をいかに防ぐかを課題とし、その解決によって、高さを低く抑えながら、組立再分解ができかつ信頼性の高い動圧流体軸受機構を有するスピンドルモータを得ることを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
3件

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請求項1

互いに嵌合して動圧流体軸受機構を構成する、固定されたシャフトおよび回転するスリーブと、前記シャフトの端面に押圧密着するように配置されたシャフト支持部材とを備え、前記シャフトの一端面の中央には雄ねじまたは雌ねじが形成され、それによって前記シャフトと前記シャフト支持部材とを締結しており、前記シャフトと前記シャフト支持部材とは、前記シャフト端面の内径側で押圧密着させ外径側では互いに隙間を形成してなるスピンドルモータ

請求項2

外径側に設ける隙間の形成は端面巾の3分の1以上とした請求項1記載のスピンドルモータ。

請求項3

互いに嵌合して動圧流体軸受機構を構成する、固定されたシャフトおよび回転するスリーブと、前記シャフトの端面に押圧密着するように配置されたシャフト支持部材とを備え、前記シャフトの一端面の中央には雄ねじまたは雌ねじが形成され、それによって前記シャフトと前記シャフト支持部材とを締結しており、前記シャフトの端面には内径側から外径側に至る中間部に凹溝を設け、かつ前記凹溝より外径側では前記シャフト支持部材との間に隙間を形成してなるスピンドルモータ。

請求項4

中間部に設ける凹溝はその深さを0.1mm以上とした請求項3記載のスピンドルモータ。

請求項5

シャフト端面の押圧部からスリーブ端面までの軸方向距離シャフト径の3分の1以下とした請求項1または3のいずれか1項に記載のスピンドルモータ。

請求項6

スリーブおよびシャフトはその材質アルミニウム系合金とした請求項1または3のいずれか1項に記載のスピンドルモータ。

技術分野

0001

本発明は動圧流体軸受機構を有するスピンドルモータ係り、詳しくはその軸受機構に関する。

背景技術

0002

動圧流体軸受機構を有するスピンドルモータは、精密かつ高速な回転を要する機器に多用されている。中でも特に高速回転の機器では流体を空気とするのが一般的である。空気軸受では負荷能力を増大させるため軸受径を大きくする。その軸受部分スリーブシャフトとを対向させ形成するが、一般にスリーブを回転側とするほうがロータ構造シンプルになる。このように動圧気体軸受機構では軸固定構造とすることが多い。この流体軸受機構は特に精密にできており、軸受隙間微少であって、それを構成するシャフトおよびスリーブは、部品加工のときのみならず組み立てるときも寸法や形状が目標値どおりでなければならず変化してはならない。したがって一般には、たとえば実登第2074609号公報に示される如くシャフトをその保持部材に焼き嵌めすることが多い。

0003

図6にその構造を示す。このスピンドルモータは、固定シャフト91と回転スリーブ92とで動圧流体軸受機構(のラジアル部)を構成している。そして回転スリーブにはポリゴンミラー93が取り付けられている。固定シャフト91はシャフト保持部材94に焼き嵌め(もしくは圧入)固定されている。

0004

ところでこの固定シャフトは極めて精度が高く高価なものである。また回転スリーブと選択嵌め合いすべきことも多い。それをこのようにシャフト保持部材94に焼き嵌め固定すると、交換作業に支障をきたす。この例のモータはそのためかシャフト保持部材94をケーシング95から分離できるようにしているが、それでもなお無駄が多い。

0005

またこの例のように固定シャフトを焼き嵌めすると、そのためにある程度の軸方向長さを要する。ゆえにモータは軸方向に長い形状となってしまう。

発明が解決しようとする課題

0006

そこで本発明は、固定シャフトを保持部材に固定するにあたり、焼き嵌め工法を用いるのをやめ、ねじ機構で締結する構造を模索する。しかしながらねじ機構による締結は、部分的に極めて高い応力をもつこととなるため、それによって固定シャフトが変形する可能性がある。したがって本発明は、ねじ機構を採用した上で、スピンドルモータとしての構造剛性を保ちながら固定シャフトと保持部材との締結による変形をいかに防ぐかを課題とし、その解決によって、高さを低く抑えながら、組立再分解ができかつ信頼性の高い動圧流体軸受機構を有するスピンドルモータを得ることを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

上記課題を解決するために本発明のスピンドルモータは、互いに嵌合して動圧流体軸受機構を構成する、固定されたシャフトおよび回転するスリーブと、シャフトの端面に押圧密着するように配置されたシャフト支持部材とを備え、シャフトの一端面の中央には雄ねじまたは雌ねじが形成され、それによってシャフトとシャフト支持部材とを締結しており、シャフトとシャフト支持部材とは、シャフト端面の内径側で押圧密着させ外径側では互いに隙間を形成してなるものである。

発明を実施するための最良の形態

0008

本発明の請求項1に記載の発明は、a)互いに嵌合して動圧流体軸受機構を構成する、固定されたシャフトおよび回転するスリーブと、シャフトの端面に押圧密着するように配置されたシャフト支持部材とを備え、b)シャフトの一端面の中央には雄ねじまたは雌ねじが形成され、それによってシャフトとシャフト支持部材とを締結しており、c)シャフトとシャフト支持部材とは、シャフト端面の内径側で押圧密着させ外径側では互いに隙間を形成してなるスピンドルモータである。

0009

これにより、シャフト端面を押圧することによる半径方向歪みの発生を内径側だけに留めるようにする。したがってシャフトの外径が膨張・変形することを軽減でき、軸受の精度向上で信頼性が向上する。また、押圧部ぎりぎりまで軸受として使用でき、軸受全体の高さを小さくすることができる。あるいはモータ高さを低背にすることができる。またさらに、強いトルク締め付けることを可能とし、経時的な精度・信頼性の劣化(軸倒れ、高速回転での振動によるゆるみなど)を防止できる。またね締め固定構造を採用することを可能とし、工程での再分解ができ、不良品再生が容易となる。

0010

請求項2に記載の発明は、外径側に設ける隙間の形成は端面巾の3分の1以上とした請求項1記載のスピンドルモータである。これによってシャフト端面を押圧することによる半径方向歪みがシャフト外径に実質的に及ばないようにする。よってシャフトの外径の膨張を流体軸受としての許容範囲に収めることができ、軸受の精度を向上できて信頼性が向上する。また押圧部ぎりぎりまで軸受として使用できる。ここで端面巾とは、シャフト径から締結部の径を差し引いた寸法を2で割った値である。

0011

請求項3に記載の発明は、a)互いに嵌合して動圧流体軸受機構を構成する、固定されたシャフトおよび回転するスリーブと、b)前記シャフトの端面に押圧密着するように配置されたシャフト支持部材とを備え、c)前記シャフトの一端面の中央には雄ねじまたは雌ねじが形成され、それによって前記シャフトと前記シャフト支持部材とを締結しており、d)前記シャフトの端面には内径側から外径側に至る中間部に凹溝を設け、かつ前記凹溝より外径側では前記シャフト支持部材との間に隙間を形成してなるスピンドルモータである。

0012

このように、シャフト端面の内周側と外周側との連続性を凹溝によって遮断する。そして内周側に生じる半径方向歪みがシャフトの外径に及ぶことを軽減する。したがって、シャフトの外径が膨張・変形することを、より確実に防止できる。また、接触部の形状・接触面積が一定に管理できる。したがって、接触状態製品によりばらつくことがなく、軸受性能を安定に管理することができる。

0013

請求項4に記載の発明は、中間部に設ける凹溝はその深さを0.1mm以上とした請求項3記載のスピンドルモータである。シャフト端面の内周側と外周側との連続性を凹溝によって明確に遮断し、内周側に生じる半径方向歪みがシャフトの外径に及ぶことを防止する。

0014

請求項5に記載の発明は、シャフト端面の押圧部からスリーブ端面までの軸方向距離をシャフト径の3分の1以下とした請求項1または3のいずれか1項に記載のスピンドルモータである。押圧部ぎりぎりまで軸受として使用するから、軸受全体の高さを小さくすることができる。あるいはモータ高さを低背にすることができる。

0015

請求項6に記載の発明は、スリーブおよびシャフトはその材質アルミニウム系合金とした請求項1または3のいずれか1項に記載のスピンドルモータである。スリーブをアルミニウム系合金とすることにより、ロータの重量および慣性を小さくでき、高速回転に向くモータとすることができる。シャフトとスリーブとの材質を同類のものとすることにより、温度変化に伴うクリアランスの変化を小さくすることができる。

0016

しかしアルミニウム合金からなるシャフトは縦弾性係数が鉄より小さく応力によって容易に変形する。そのため従来はこのような部分にねじ締結構造を採用できなかったが、請求項1または3の発明と組み合わせることにより外径の変形を防止できて、高さを低く抑えながら、組立再分解ができ、高速回転で広い温度範囲に対応できるスピンドルモータとすることができる。

0017

以下、図面を参照しながら本発明の実施例を説明する。

0018

図1は本発明の実施例に係るスピンドルモータの構造を表わす側面断面図である。図2はそのシャフト締結部の拡大断面図である。図3はその作用を説明するための、隙間形成巾‘k’とシャフト径変化量との関係図である。図4は同じく溝深さ‘q’とシャフト径変化量との関係図である。図5は同じく隙間形成巾‘k’とシャフト変形量の軸方向プロファイルとの関係図である。

0019

図1においてスピンドルモータは、ポリゴンミラー51を高速で回転駆動する駆動源として作られている。その軸受は動圧流体軸受機構であり、ラジアル軸受部は、固定された円筒状のシャフト11と、その周囲を囲み回転するスリーブ22とで構成される。そしてそのいずれかに動圧発生溝(図示せず)が形成されている。このスリーブ22およびシャフト11はいずれもアルミニウム合金で作られており、シャフトの表面には無電解ニッケルメッキが施されている。スラスト軸受部は、シャフトの端面に埋め込まれた硬質平面板12と、それに対向する樹脂球面板23とで構成されている。

0020

モータはステータ固定部材の全て)とロータ(回転部材の全て)に分けられるが、ステータは、シャフト11を中心に、それを支えブラケット13、その結合のためのシャフト取り付けネジ14、ブラケットを機器へ取り付ける金属基板15、ブラケットに固定されロータ部を回転駆動するステータ組立などで構成されている。ステータ組立はステータコア16に巻線17を施したものであって、ステータコアの内周はブラケット13で支持されている。またステータコアの内周には抜け止めフック40が取り付けられている。

0021

方ロータロータフレーム21を中心に構成される。スリーブ22はロータフレームの一部に形成されシャフトを囲んで軸受を構成する円筒部をいう。ロータフレームの端部には前述の樹脂球面板23を保持するスラストカバー24がある。またロータフレームの内側でステータ組立に対向する位置には多極着磁されたマグネット25を固着している。そして、ロータフレームの上部にはポリゴンミラー51を搭載し、それにミラー押え52を載せ、ミラー固定ネジ53で固定してある。このように構成されたモータの巻線17に外部から給電し駆動すると、ロータは回転する。

0022

図2に本発明の主要部であるシャフト締結部の拡大断面図を示す。既に述べたように、シャフト11はブラケット13(シャフト支持部材)で支えられている。すなわちシャフト11の端面は、シャフト取り付けネジ14によってブラケット13に押圧密着されている。そのために、シャフト11の一端面の中央には雌ねじ11a(雄ねじでもよい)が形成され、それによってシャフト11とブラケット13とを締結している。

0023

そしてシャフト11とブラケット13とは、シャフト端面の内径側11bで押圧密着させ外径側11cでは互いに隙間を形成している。ここに形成された隙間の巾kは、シャフト端面の巾jの略半分以上、およそ3分の2にわたる大きな隙間としている。また、シャフト端面からスリーブ端面までの軸方向距離sは小さく抑えられている。さらにこの実施例では、シャフト11の端面には内径側11bから外径側11cに至る中間部に凹溝11dを設け、かつ凹溝11dより外径側ではブラケット13との間に隙間を形成している。

0024

このように本実施例においては、シャフト端面の巾jをブラケット13に全面接触させず、隙間形成巾kの範囲は接触を避けている。そしてシャフト端面を押圧することによる半径方向歪みの発生を内径側11bだけに留めるようにする。

0025

この様子を図3を用いて説明する。図は隙間形成巾‘k’とシャフト外径Daの変化量との関係図である。横軸はシャフト取り付けネジ14の締め付けトルク縦軸締め付けに伴う径変化量パラメータ‘k’は図2で説明した隙間形成巾である。なおこの実施例のシャフト外径Daは10mm、シャフト締結部径Ddは5mmである。

0026

図3において、径変化量は締め付けトルクの増加とともに増大している。しかしその変化量は隙間形成巾kにより大きく異なる。小さな面取りを施しただけの‘k=0.2mm’のときは最大約1.2μmの径変化を生じるが、図2に示したような大きい隙間形成巾‘k=1.5mm’としたときは最大約0.3μmに留まっている。その中間の‘k=0.8mm’のときでも変化量は0.4μm強に収まっている。変化量はもちろん小さいほうがよいが、許容できる変化量は、本実施例のような動圧空気軸受の場合、0.4μm程度までである。

0027

以上でわかるように、外径側に設ける隙間の形成巾kは端面巾jの3分の1以上とするのがよい。数値でいえば0.8mm以上とするのがよい。このとき、シャフト端面を押圧することによる半径方向歪みがシャフト外径に実質的に及ばないようにでき、シャフトの外径の膨張を流体軸受としての許容範囲に収めることができる。したがって軸受の精度が向上して信頼性が向上し、また押圧部ぎりぎりまで軸受として使用できる。さらに、強いトルクで締め付けることを可能とする。そうすると経時的な精度・信頼性の劣化(軸倒れ、高速回転での振動によるゆるみなど)を防止できるから、従来の焼きバメ構造に代えてねじ締め固定構造を採用することが可能となり、工程での再分解、選択はめあい、不良品の再生を行うことができる。

0028

また本実施例においては、シャフトの端面には内径側から外径側に至る中間部に凹溝11dを設け、かつ凹溝11dより外径側ではブラケット13との間に隙間を形成している。このようにシャフト端面の内周側と外周側との連続性を凹溝11dによって遮断し、内周側に生じる半径方向歪みがシャフトの外径に及ぶことを軽減している。

0029

この様子を図4を用いて説明する。図は溝深さ‘q’とシャフト外径Daの変化量との関係図である。横軸はシャフト取り付けネジ14の締め付けトルク、縦軸は締め付けに伴う径変化量、パラメータ‘q’は図2で説明した凹溝11dの溝深さである。

0030

図4において、径変化量は締め付けトルクの増加とともに増大している。しかしその変化量は溝深さqにより異なる。溝を設けない‘q=0.0mm’のときは0.5μm強の径変化を生じるが、凹溝を設けて溝深さを‘q=0.1mm’としたときは0.4μm以下、溝深さを‘k=0.2mm’としたときは0.3μm程度に収まっている。

0031

以上でわかるように、中間部に設ける凹溝はその深さを0.1mm以上とするのがよい。それによって、シャフト端面の内周側と外周側との連続性を凹溝によって明確に遮断でき、内周側に生じる半径方向歪みがシャフトの外径に及ぶことを防止する。シャフト外周側端面に隙間を設けることと相俟って、シャフトの外径が膨張・変形することを、より確実に防止できる。またこの凹溝を設けると接触部の形状が一定に管理できる。接触状態が製品によりばらつくことがなくなり、軸受性能を安定に管理することができる。

0032

また本実施例においては、シャフト端面からスリーブ端面までの軸方向距離sは小さく抑えられている。これは、シャフト外周側端面に隙間を設けることでシャフト外径Daの膨張が小さくなり、軸受として使用可能な範囲が拡大することによる。

0033

この様子を図5を用いて説明する。図は隙間形成巾‘k’とシャフト変形量の軸方向プロファイルとの関係図である。横軸は、シャフト径の測定ポイントを端面からの距離で示したものである。縦軸は締め付けに伴う径変化量、パラメータ‘k’は図2で説明した隙間形成巾である。

0034

図5において、径変化量は測定ポイントが端面から離れるにしたがい減少している。その変化量は隙間形成巾kにより異なる。小さな面取りを施しただけの‘k=0.2mm’のとき、径変化量が0.4μmを下回るためにはシャフト端面から3.5mm以上離れなければならないが、隙間形成巾を‘k=0.8mm’としたときはシャフト端面から約1.0mmまでしか径変化が及んでいない。すなわち本発明によればシャフト端面からスリーブ端面までの軸方向距離sをシャフト外径Daの約3分の1よりも小さくできる。そしてその軸方向距離sをシャフト径Daの3分の1以下とすると、軸受の有効長さを従来よりも大きくすることができる。あるいはモータ高さを従来よりも低背にすることができる。

0035

以上本発明の実施例を説明してきたが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨の範囲で様々に応用展開が可能である。

発明の効果

0036

以上説明したように本発明によれば、シャフトとシャフト支持部材とは、シャフト端面の内径側で押圧密着させ外径側では互いに隙間を形成したから、固定シャフトと保持部材との締結による変形を防ぐことができる。そしてそれによって、高さを低く抑えながら、組立再分解ができかつ信頼性の高い動圧流体軸受機構を有するスピンドルモータを得ることができる。

図面の簡単な説明

0037

図1本発明の実施例に係るスピンドルモータの構造を表わす側面断面図
図2そのシャフト締結部の拡大断面図
図3その隙間形成巾‘k’とシャフト径変化量との関係図
図4同じく溝深さ‘q’とシャフト径変化量との関係図
図5同じく隙間形成巾‘k’とシャフト変形量の軸方向プロファイルとの関係図
図6従来のスピンドルモータの構造を表わす側面断面図

--

0038

11シャフト
11a雌ねじ
11bシャフト端面の内径側
11c シャフト端面の外径側
11d シャフト端面の凹溝
13ブラケット(シャフト支持部材)
14 シャフト取り付けネジ
21ロータフレーム
22スリーブ
j シャフト端面の巾(端面巾)
k 隙間の形成巾
s シャフト端面からスリーブ端面までの軸方向距離
q 凹溝の溝深さ
Daシャフト外径(シャフト径)
Dd シャフト締結部径

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