図面 (/)

技術 電気音響変換器用振動板

出願人 フォスター電機株式会社
発明者 新宮文輝
出願日 2000年4月18日 (20年8ヶ月経過) 出願番号 2000-116088
公開日 2001年11月2日 (19年1ヶ月経過) 公開番号 2001-309484
状態 特許登録済
技術分野 電気機械変換器用振動板
主要キーワード PEIフィルム マイクロスピーカ 高帯域化 PIフィルム 振動板基材 目ズレ 電気音響変換器用振動板 分割共振
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2001年11月2日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (6)

課題

振動板としての主要な物性、すなわちヤング率音速内部損失密度の値等の向上を図り、高能率高音質化を実現し得る電気音響変換器用振動板を提供する。

解決手段

融点の異なる二つの樹脂材料芯鞘構造からなるフィラメント1を有し、このフィラメント1は芯材1aとこの外周に設けられた鞘材1bとからなり、鞘材1bは前記芯材1aより低融点のものが用いられ、このフィラメント1の織物もしくは編物からなる振動板基材2を形成し、この振動板基材2の表面に前記鞘材1bより高融点で鞘材1bにより熱融着される樹脂フィルム3を積層した構成とした。

概要

背景

従来、この種の振動板としては、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)、PI(ポリイミド)、PEIポリエーテルイミド)等の樹脂フィルム単体からなるもの(以下、従来品という)が用いられていた。

概要

振動板としての主要な物性、すなわちヤング率音速内部損失密度の値等の向上を図り、高能率高音質化を実現し得る電気音響変換器用振動板を提供する。

融点の異なる二つの樹脂材料芯鞘構造からなるフィラメント1を有し、このフィラメント1は芯材1aとこの外周に設けられた鞘材1bとからなり、鞘材1bは前記芯材1aより低融点のものが用いられ、このフィラメント1の織物もしくは編物からなる振動板基材2を形成し、この振動板基材2の表面に前記鞘材1bより高融点で鞘材1bにより熱融着される樹脂フィルム3を積層した構成とした。

目的

この発明は上記のことに鑑み提案されたもので、その目的とするところは、振動板としての主要な物性、すなわちヤング率、音速、内部損失、密度等の値の向上と、これらのバランスの最適化を図ることにより、スピーカとしての高能率、高再生帯域、低歪化を図り、良好な音響特性を実現し得る電気音響変換器用振動板を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

融点の異なる二つの樹脂材料芯鞘構造からなるフィラメント(1)を有し、このフィラメント(1)は芯材(1a)とこの外周に設けられた鞘材(1b)とからなり、鞘材(1b)は前記芯材(1a)より低融点のものが用いられ、このフィラメント(1)で構成した織物もしくは編物からなる振動板基材(2)を形成し、この振動板基材(2)の表面に前記鞘材(1b)より高融点で鞘材(1b)により熱融着される樹脂フィルム(3)を積層させたことを特徴とする電気音響変換器用振動板

請求項2

請求項1記載の両面に樹脂フィルムを熱融着積層したものにおいて、何れか一方の樹脂フィルムの厚みを厚くしたことを特徴とする電気音響変換器用振動板。

請求項3

請求項1記載のものにおいて、芯材(1a)と鞘材(1b)はそれぞれポリエチレンテレフタレートからなることを特徴とする電気音響変換器用振動板。

請求項4

請求項1記載のものにおいて、芯材(1a)はポリエチレンテレフタレート、鞘材(1b)はナイロンからなることを特徴とする電気音響変換器用振動板。

請求項5

請求項1記載のものにおいて、芯材(1a)はポリエチレンテレフタレート、鞘材(1b)はポリプロピレンからなることを特徴とする電気音響変換器用振動板。

技術分野

0001

本発明は、例えば携帯電話ノートパソコン等に用いられ、比較的小径小形であっていわゆるマイクロスピーカと称せられるスピーカに用いると好適な電気音響変換器用振動板に関するものである。

背景技術

0002

従来、この種の振動板としては、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)、PI(ポリイミド)、PEIポリエーテルイミド)等の樹脂フィルム単体からなるもの(以下、従来品という)が用いられていた。

発明が解決しようとする課題

0003

しかしながら、上記素材は適度なヤング率内部損失を有し、前記用途に広く用いられているものの、このような樹脂フィルム単体からなる振動板は密度が大きいため、以下の問題がある。すなわち、剛性を上げるためにフィルムを厚くすると重量が大きくなり、充分な感度がとれなくなり、音速も低下し高域再生にも支障が生じる。一方、充分な感度を確保し、高域も伸ばそうとするときはフィルムを薄くしなければならないが、薄くすると曲げ剛性が弱くなり、分割共振等による歪が大きくなり、音質劣化を招くとともに大きな入力に対する強度も弱くなってしまう。

0004

フィルムを薄くするかわりに、樹脂発泡剤により発泡させた構造とすることにより密度を下げることも考えられるが、こうするとヤング率が低下してしまう。最近はマイクロスピーカにおいてもより高感度、高帯域高音質なものが求められるようになってきているが、従来の樹脂フィルム単体からなる振動板ではこれらすべてのニーズに対応できない、という課題があった。

0005

この発明は上記のことに鑑み提案されたもので、その目的とするところは、振動板としての主要な物性、すなわちヤング率、音速、内部損失、密度等の値の向上と、これらのバランスの最適化を図ることにより、スピーカとしての高能率、高再生帯域、低歪化を図り、良好な音響特性を実現し得る電気音響変換器用振動板を提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

この発明は、融点の異なる二つの樹脂材料芯鞘構造からなるフィラメント1を有し、このフィラメント1は芯材1aとこの外周に設けられた鞘材1bとからなり、鞘材1bは前記芯材1aより低融点のものが用いられ、このフィラメント1で構成した織物もしくは編物からなる振動板基材2を形成し、この振動板基材2の表面に前記鞘材1bより高融点で鞘材1bにより熱融着される樹脂フィルム3を積層して上記目的を達成している。

0007

また、この場合、両面に樹脂フィルムを熱融着積層したものにおいて、何れか一方の樹脂フィルムの厚みを厚くしたことに特徴を有している。

0008

また、芯材1aと鞘材1bはそれぞれポリエチレンテレフタレートにて構成したことに特徴を有している。

0009

あるいは、芯材1aはポリエチレンテレフタレート、鞘材1bはナイロンからなることに特徴を有している。

0010

あるいは、芯材1aはポリエチレンテレフタレート、鞘材1bはポリプロピレン(PP)から構成したことに特徴を有している。

発明を実施するための最良の形態

0011

この発明では、融点の異なる二つの樹脂材料からなる芯鞘構造の単糸のフィラメントをネット状に織り振動板基材2とし、その表面に薄い樹脂フィルム3を熱融着するが、この際、鞘材1bが熱融着層となり結着し芯材1aはそのままなので、形態安定性、剛性を保持し、弾性率低下を招くことなく密度を下げ、かつ曲げ剛性を高めて歪を低減し、音速も向上し、高帯域化高音質化の振動板を得ることができる。

0012

図1は本発明に用いられる単糸のフィラメント1の断面を示す。このフィラメント1は芯鞘構造をなし、芯材1aとして融点240℃のポリエチレンテレフタレート、その外周部の鞘材1bとしてはそれより低融点140℃位のポリエチレンテレフタレートにて構成されている。

0013

図2(a)は上記フィラメント1を縦方向および横方向にネット状に織った織物の平面図を示す。この織物が本発明の振動板基材2となる。なお、織る方向は相互に交鎖する斜め方向であっても良い。

0014

図2(b)はこの振動板基材2を加熱した場合、フィラメント1の交絡点が鞘材1bの溶融により結着する様子を示す。

0015

図3(a)は振動板基材2の表面に樹脂フィルム3をそれぞれ積層した状態の断面図を示す。この樹脂フィルム3としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)のほか、PP(ポリプロピレン)、PI(ポリイミド)、PET(ポリエーテルイミド)等が用いられる。また、この樹脂フィルム3の融点はフィラメント1の鞘材1bより高い。

0016

図3(b)は熱融着後の状態を示す。加熱により、鞘材1bの交絡点付近における鞘材同志が溶着するとともに、樹脂フィルム3より融点の低い鞘材1bが樹脂フィルム3を熱融着し積層一体化されるが、この際、芯材1aは高融点のため、変形することはなく、織布の骨格原形に近い形を維持し、低密度、高内部損失、高曲げ剛性のハニカム構造とほぼ同様の特性を有する振動板を得ることができる。

0017

次に、本発明の振動板の作製例について説明する。

0018

まず、ポリエチレンテレフタレートを素材とする芯鞘構造のフィラメント1を作製する。このフィラメント1としては25デニールのものを用いた。

0019

次に、このフィラメント1の単糸をネット状に織り織布を作製した。単糸としたのは軽量化を図るためである。

0020

次に、その両面に、6μmのポリエチレンテレフタレートからなる樹脂フィルム3を配し、空冷式成形機によってホットコールド成形を用い、低融点成分の融点以上、かつ高融点成分の融点以下の熱で加熱、加圧を行い、図4に示すように、3層構造であって有効径φ24.95,厚み0.07mm等の振動板4を作製した。

0021

このホット−コールド成形の基本的な成形工程としては、金型ヒータ(図示せず)を当て所定の温度に昇温させる。

0022

次に、金型が所定の温度になったらヒータを後退させ、金型内に、一体となった樹脂製フィルム3と振動板基材2を挿入し、プレスを行う。

0023

しかる後、プレスのまま金型をエアーブローして空気流で冷却する。

0024

ついで、金型から所望の形状に形成された振動板4を取り出せば良い。

0025

この場合、高融点成分である芯材1aは溶融しないため、目ズレを防止でき十分な強度を保持できる。

0026

このようにして作製された振動板4の物性を測定したところ、次に示す表1の通りであった。
表1
密度(kg/m3)音速(m/s)曲げ剛性内部損失(tanδ)
本発明の振動板
3層構造の振動板 0.702 2003.3 2.85 0.0273
従来の振動板
PETフィルム1.435 1906.7 1.33 0.0176
PEIフィルム1.279 1369.1 1.07 0.0223
PIフィルム1.413 1598.5 1.13 0.0131
PCフィルム1.155 1074.2 0.93 0.0159

0027

以上のように、3層構造の本発明の振動板は、内部損失は低下することなく、密度は従来品に比べ半分程度であるため充分な音圧が得られ、また、曲げ剛性が大きくなるため、歪が低減し、高音質を得ることができる。また、音速が向上するため、高域が伸び高帯域化を図ることができる。

0028

図5は従来品と本発明との周波数に対する音圧の特性を示す。

0029

この測定に用いられた3層構造の本発明にかかる振動板と、PEIからなる従来の樹脂フィルム振動板は次の表2の通りである。

0030

表2
振動板有効径重量共振周波数振動板の厚みスピーカの
共振周波数
本発明の振動板
3層構造振動板 φ24.85mm 0.0234g 570HZ 0.07mm 657HZ
従来の振動板
フィルム振動板φ24.95mm 0.0392g 536HZ 0.05mm 639HZ

0031

図5において、図中Aは本発明品、Bは従来品であり、本発明品によれば低域から高域にわたって音圧が向上し、また、高域側のディップも減少し、良好な音質を得ることができる。

0032

なお、上記実施例において、フィラメント1の芯材1a、鞘材1bとしては融点の異なるポリエチレンテレフタレートを使用していたが、芯材1aをポリエチレンテレフタレートとし、鞘材1bをそれより融点の低いナイロンを用いても良い。この場合、ナイロンを用いることから内部損失をより向上させることができる。

0033

また、芯材1aをポリエチレンテレフタレート、鞘材1bをポリプロピレンからなるものを用いても良い。この場合、ポリプロピレンは比重が低いので、より軽量化を図ることができる。

0034

また、樹脂フィルム3は振動板基材2の何れか一方の表面のみに熱融着させ、これを振動板として用いても良い。

0035

また、振動板基材2の両者に樹脂フィルム3を積層させる場合、何れか一方の厚みを厚くしても良い。この場合、剛性を向上させることができる。

0036

また、本発明はいわゆるマクロスピーカに特に好適に使用できるものであるが、マイクロスピーカ以外のスピーカにも適用できることはいうまでもない。

発明の効果

0037

以上のように本発明によれば、織物もしくは編み物からなる振動板基材2と、その表面に積層された樹脂フィルム3とにて構成したため、従来の樹脂フィルム単体での振動板に比べて、振動板基材2の表面に融着する樹脂フィルム3を薄く設定して全体重量を減らすことができ、密度を下げ、織物もしくは編み物構造により内部損失を上げ、全体構成でヤング率、曲げ剛性、音速を上げることができ、よって小形、小径のいわゆるマイクロスピーカ等に適用しても良好な音質を得ることができる。

図面の簡単な説明

0038

図1本発明に用いられるフィラメントの断面図を示す。
図2(a)はネット状に織ってなる振動板基材の平面図、(b)は加熱し外側の鞘材が溶融する状態説明図を示す。
図3(a)は振動板基材の両面に樹脂フィルムを積層させた状態、(b)は加熱、融着した状態を示す。
図4本発明の振動板の成形例の側面図を示す。
図5本発明と従来品との周波数特性の比較を示す。

--

0039

1フィラメント
1a芯材
1b鞘材
1c 鞘材が溶融した熱融着層
2振動板基材
3樹脂フィルム
4振動板
A 本発明品の周波数特性
B 従来品の周波数特性

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 旭コンステック株式会社の「 フラットスピーカ」が 公開されました。( 2020/10/08)

    【課題】音質を安定化できるとともに、長期使用に伴う音質低下を抑制できるフラットスピーカを提供する。【解決手段】本実施例のフラットスピーカ1は、振動板10、アクチュエータユニット20、支持部材30及び固... 詳細

  • パナソニックIPマネジメント株式会社の「 スピーカ装置」が 公開されました。( 2020/10/01)

    【課題】高次の共振モードまで抑制するスピーカ装置の提供。【解決手段】磁気ギャップを備えた二つの磁気回路110と、磁気ギャップに挿入状態で配置される二つのボイスコイル体120と、二つのボイスコイル体12... 詳細

  • パナソニックIPマネジメント株式会社の「 スピーカ装置」が 公開されました。( 2020/10/01)

    【課題】ツインドライブ方式のスピーカ装置において、音声信号入力用の一組の入力端子をスピーカ装置の中心部にまとめて設け、信号線の配線を容易にする。【解決手段】磁気ギャップを備えた二つの磁気回路110と、... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ