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技術 含水シリカゲルの脱水方法及び合成石英ガラス粉末の製造方法

出願人 株式会社渡辺商行株式会社ADEKA
発明者 楠原昌樹渡部弘行上原啓史三瓶桂子杉山邦夫多田修一尾見仁一仲田忠洋森田博
出願日 2000年4月26日 (20年6ヶ月経過) 出願番号 2000-126156
公開日 2001年10月31日 (19年0ヶ月経過) 公開番号 2001-302254
状態 拒絶査定
技術分野 ガラスの溶融、製造 珪素及び珪素化合物
主要キーワード 凍結水分 凍結開始温度 任意公知 熱処理部材 含水シリカゲル 引き上げ用 酸洗浄後 高純度石英ガラス
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2001年10月31日)のものです。
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課題

エネルギーコスト的に工業化適性の高い含水シリカゲル脱水方法を提供し、さらにエネルギーコスト的に工業化適性が高くかつ高純度合成石英ガラス粉末の製造方法を提供する。

解決手段

含水シリカゲルを凍結する第1工程と、凍結した含水シリカゲルを解凍する第2工程と、解凍によって離水した水分を除去してシリカ粒子を得る第3工程と、を含む。

概要

背景

従来、合成石英ガラス粉末テトラメトキシシラン原料としていたため、この原料を使用して合成石英ガラスを製造すると高純度のものは得られるものの、高コストとなり、工業的に適性の高いものではなかった。

一方、半導体製品高集積化は進んでおり、特に半導体単結晶引き上げ用坩堝部材では不純物の極めて少ない高純度合成石英ガラスが求められている。

こうした要求から、低コストでかつ高純度の合成石英ガラス粉を得る試みがなされてきており、例えば、原料として安価な水ガラスを使用する方法が、特開昭59−54632号公報、特開平4−349126号公報、特開平11−11929号公報等に記載されている。

概要

エネルギーコスト的に工業化適性の高い含水シリカゲル脱水方法を提供し、さらにエネルギーコスト的に工業化適性が高くかつ高純度の合成石英ガラス粉末の製造方法を提供する。

含水シリカゲルを凍結する第1工程と、凍結した含水シリカゲルを解凍する第2工程と、解凍によって離水した水分を除去してシリカ粒子を得る第3工程と、を含む。

目的

そこで本発明の目的は、エネルギーコスト的に工業化適性の高い含水シリカゲルの脱水方法を提供し、さらにエネルギーコスト的に工業化適性が高くかつ高純度の合成石英ガラス粉末の製造方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

含水シリカゲル凍結する第1工程と、凍結した含水シリカゲルを解凍する第2工程と、解凍によって離水した水分を除去してシリカ粒子を得る第3工程と、を含むことを特徴とする含水シリカゲルの脱水方法

請求項2

含水シリカゲルを凍結する第1工程と、凍結した含水シリカゲルを解凍する第2工程と、解凍によって離水した水分を除去してシリカ粒子を得る第3工程と、シリカ粒子を洗浄する第4工程と、洗浄したシリカ焼成する第5工程と、を含むことを特徴とする合成石英ガラス粉末の製造方法。

請求項3

前記第1工程に供する含水シリカゲルを、水ガラスまたは水ガラスからアルカリ分を分離したシリカ水溶液ゲル化させて得る請求項2記載の製造方法。

請求項4

前記第1工程に供する含水シリカゲルを得る工程において、SiO2に対して5重量%〜50ppmの過酸化水素を使用する請求項3記載の製造方法。

請求項5

少なくとも第1工程〜第4工程のいずれかの工程においてSiO2に対して5重量%〜50ppmの過酸化水素を使用する請求項2〜4のうちいずれか一項記載の合成石英ガラス粉末の製造方法。

請求項6

前記第1工程に供する含水シリカゲルをゲル化させる以前のいずれかの段階においてSiO2に対して5重量%〜50ppmの酸化剤を使用する請求項2記載の製造方法。

技術分野

0001

本発明は含水シリカゲル脱水方法、及びこの脱水方法を用いた合成石英ガラス粉末の製造方法に関し、特には半導体用熱処理部材半導体単結晶引き上げ用坩堝光学用部材などの原料として使用される高純度の合成石英ガラス粉末の製造方法に関するものである。

背景技術

0002

従来、合成石英ガラス粉末はテトラメトキシシランを原料としていたため、この原料を使用して合成石英ガラスを製造すると高純度のものは得られるものの、高コストとなり、工業的に適性の高いものではなかった。

0003

一方、半導体製品高集積化は進んでおり、特に半導体単結晶引き上げ用坩堝部材では不純物の極めて少ない高純度合成石英ガラスが求められている。

0004

こうした要求から、低コストでかつ高純度の合成石英ガラス粉を得る試みがなされてきており、例えば、原料として安価な水ガラスを使用する方法が、特開昭59−54632号公報、特開平4−349126号公報、特開平11−11929号公報等に記載されている。

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、これらの公報に開示された方法は、水ガラスから一旦含水シリカゲルを得て、これを加熱乾燥して水分を除去して石英ガラス直前原料となるシリカを得るものであって、エネルギーコスト的に工業化適性の低いものであった。また、水相に含まれる微量の水溶性不純物が加熱乾燥によって濃縮されるため、洗浄工程を念入りに行う必要がある等、この点でも工業化適性の低いものであった。

0006

そこで本発明の目的は、エネルギーコスト的に工業化適性の高い含水シリカゲルの脱水方法を提供し、さらにエネルギーコスト的に工業化適性が高くかつ高純度の合成石英ガラス粉末の製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下に示す含水シリカゲルの脱水方法および合成石英ガラス粉末の製造方法により上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。

0008

即ち、本発明の含水シリカゲルの脱水方法は、含水シリカゲルを凍結する第1工程と、凍結した含水シリカゲルを解凍する第2工程と、解凍によって離水した水分を除去してシリカ粒子を得る第3工程と、を含むことを特徴とするものである。

0009

また、本発明の合成石英ガラス粉末の製造方法は、含水シリカゲルを凍結する第1工程と、凍結した含水シリカゲルを解凍する第2工程と、解凍によって離水した水分を除去してシリカ粒子を得る第3工程と、シリカ粒子を洗浄する第4工程と、洗浄したシリカを焼成する第5工程と、を含むことを特徴とするものである。

0010

本発明の合成石英ガラス粉末の製造方法においては、前記第1工程に供する含水シリカゲルを、水ガラスまたは水ガラスからアルカリ分を分離したシリカ水溶液ゲル化させることにより好適に得ることができる。好ましくは、前記第1工程に供する含水シリカゲルを得る工程において、SiO2に対して5重量%〜50ppmの過酸化水素を使用し、かつ/または、少なくとも第1工程〜第4工程のいずれかの工程においてSiO2に対して5重量%〜50ppmの過酸化水素を使用する。あるいは、前記第1工程に供する含水シリカゲルをゲル化させる以前のいずれかの段階においてSiO2に対して5重量%〜50ppmの酸化剤を使用することも好ましい。

発明を実施するための最良の形態

0011

本発明の含水シリカゲルの脱水方法に使用する含水シリカゲルは、水ガラスまたは水ガラスからアルカリ分を分離したシリカ水溶液をゲル化させたものを好適に用いることができるが、特に限定されるものではない。後述の凍結、解凍、脱水のためには、好ましくは水分約50%以上、より好ましくは約70〜97%程度の水分を含んでいるものが良く、更に好ましくはゲルの短径が0.1mm以上、より好ましくは1mm以上の含水シリカゲルが良い。

0012

水分量が50%未満のものは後述の凍結、解凍、脱水の効率が低く、またゲルの短径が0.1mm未満のものもやはり凍結、解凍、脱水の効率が低くなる傾向にある。

0013

本発明においてゲル化の方法は何ら限定されるものではなく、公知の方法によればよいが、上記のような好ましい状態の含水シリカゲルとするに好ましい方法としては、例えば、まず水ガラスをゲル化させる場合には、水ガラスに酸を加え(もしくは酸に水ガラスを加え)て加熱(もしくは室温に放置)することによって含水シリカゲルとすることができる。この場合、水ガラス中のシリカ分以外のアルカリ分、酸分、アルカリ金属塩等も存在するので、必要に応じて洗浄するなどしてアルカリ分、酸分、アルカリ金属塩等を除去することもできる。また、含水シリカゲル中に取り込まれるアルカリ分、酸分、アルカリ金属塩等もあるので、必要に応じて任意の段階で洗浄することによりこれらを除去することもできる。

0014

次に、水ガラスからアルカリ分を分離したシリカ水溶液をゲル化させる場合には、まず水ガラスからアルカリ分を分離する方法として、例えば、水ガラスに硫酸を加えることによりアルカリ分を硫酸アルカリとして析出させ分離する方法、水ガラスを陽イオン交換樹脂法、電気泳動法電解透析法等(溶液酸性としておくとより安定であり扱いやすく好ましい)によりアルカリ分を除去する方法等を挙げることができ、その他にも任意公知の方法を使用することができる。

0015

このようにして得られたシリカ水溶液をゲル化させる方法は特に限定されるものではなく、公知の方法を使用すればよい。例えば、シリカ水溶液を脱水させる方法、シリカ水溶液を加熱する方法(例えばpH0.1〜2.0の通常使用の範囲では安定であるシリカ水溶液も加熱することによりゲル化させることができる)、シリカ水溶液のpHを2.0〜8.0に調整することによりゲル化させる方法(好ましくはpH4.0〜8.0がよい。尚、pH4.0未満、特にpH3.0以下であると上述のように通常使用の範囲では安定であるが長時間放置することによりこの範囲のpHでもゲル化させることができる。)等を使用すればよいが、より短時間にゲル化するにはpHを4.0〜8.0に調整することによりゲル化させる方法が好ましい。

0016

本発明の第1工程は、上記のような含水シリカゲルを凍結するものである。凍結は、含水シリカゲルが凍結し始める温度以下の温度で行えばよい。含水シリカゲル中のシリカ濃度によって該含水シリカゲルが凍結し始める温度は異なるが、おおよそ−2℃〜−15℃の温度で凍結し始めるので、このような含水シリカゲルの凍結開始温度以下の温度で凍結を行えばよい。

0017

本発明の第1工程における凍結スピードは特に限定されるものではないが、かかる凍結スピードは凍結温度が凍結開始温度からどれだけ低いかということと、冷媒の種類(比熱)と、冷媒との接触面積などとにより左右される。傾向としては、凍結スピードが遅いほど後述の解凍、離水水分を除去した後のシリカ粒子に含まれる水分含量が低くなり、逆に凍結スピードが速いほど凍結にかかるエネルギーコストが低くなる。従って、本発明の使用用途に応じて、後のシリカ粒子に含まれる水分の乾燥にかかるエネルギーコストと凍結にかかるエネルギーコストとを比較案した上で凍結スピードを選択すればよい。

0018

本発明の第2工程は、前記第1工程で凍結した含水シリカゲルを解凍するものである。解凍の方法は何ら限定されるものではなく、単に室温に放置すれば足りるが、より短時間で解凍させるために、例えば温水温風等により加温することもできる。

0019

前記第2工程で凍結した含水シリカゲルを解凍すると、凍結水分が離水してくるので、もとの含水シリカゲルに戻ることはない。

0020

本発明の第3工程は、前記第2工程に於ける解凍で離水した水分を除去するものである。解凍による離水によって、含水シリカゲルからの遊離水とシリカ粒子に分離するので、濾過等の従来公知の方法で遊離水を容易に分離することができる。

0021

得られたシリカ粒子は20〜80%の水分を含有しているが、必要であれば通常の方法で、例えば40〜200℃の温度で乾燥させることができ、さらに必要に応じて粉砕することによりより乾燥したシリカ粒子を得ることができる。

0022

以上本発明の第1〜第3工程を行うことにより、加熱乾燥に比してはるかに低いエネルギーコストで含水シリカゲルから脱水を行うことができる。また、含水シリカゲル中には、例えば、含水シリカゲルの原料である水ガラスに起因する水溶性微量不純物、例えば多価金属イオンなどが含まれているが、以上の第1〜第3工程を行うことにより、これら水溶性の微量不純物は遊離水側に移行して除去されるので、遊離水と分離したシリカ中に含まれるこれら不純物は加熱乾燥に比してはるかに微量となる。

0023

次に、本発明の合成石英ガラス粉末の製造方法について詳述する。この製造方法は、含水シリカゲルを凍結する第1工程と、凍結した含水シリカゲルを解凍する第2工程と、解凍によって離水した水分を除去してシリカ粒子を得る第3工程と、シリカ粒子を洗浄する第4工程と、洗浄したシリカを焼成する第5工程と、を含むものであり、第1〜第3工程は、上述した本発明の含水シリカゲルの脱水方法をそのまま適用することができる。

0024

本発明の第4工程は、前記第3工程で得られたシリカ粒子を洗浄することにより、シリカに付着している不純分を除去するものである。洗浄に先立ち、シリカ粒子を粉砕して微粒子化することが洗浄効果を向上させる上で好ましい。粉砕方法は特に限定されず、通常シリカ粒子の粉砕に用いられる方法を使用することができる。尚、粉砕のために必要であればシリカ粒子を乾燥させることができる。この乾燥方法は特に限定はされず、例えば40〜200℃の温度で乾燥させることができる。

0025

洗浄は、水洗等、通常行われている方法を用いることができるが、シリカ粒子の粉砕時に鉄分が混入することがあるので、好ましくは酸の水溶液で洗浄するのが良い。尚、この場合、酸の水溶液による洗浄後、水、好ましくは超純水すすぎを行うことが望ましい。

0026

かかる酸の水溶液は特に限定されるものではなく、例えば、塩酸、硫酸、硝酸等を使用することができ、これらは単独でも複数を組み合わせて使用しても良い。酸の濃度も特に限定されるものではないが、好ましくは2〜20重量%が良い。2重量%以上であれば効果的であり、一方、20重量%を超えてもそれ以上効果は向上せず、かえって酸洗浄後のすすぎのための水洗時間や水洗水の浪費となりやすい。

0027

上記シリカ粒子の洗浄は、通常行われる洗浄と同程度で十分であるが、好ましくは40℃以上沸点以下の温度で10分〜4時間程度行う。

0028

本発明の第5工程は、前記第4工程で得られたシリカを焼成することにより、OH含量の極めて少ない高純度の石英粉を得るものである。

0029

焼成温度及び時間は、従来高純度の石英を得る場合に行われる焼成と同程度の温度及び時間で行えばよい。高純度の石英は極力OH含量の少ないことが好ましく、より高温でより長時間の焼成を行えばそれだけOH含量の少ない石英を得ることができるので、所望とするOH含量となるよう適宜条件を設定すればよい。

0030

尚、第4工程で得られたシリカ粒子は20〜80%の水分を含んでいるので、一旦通常の方法で乾燥させてから焼成を行うことが効率的であり、工業的に好ましい。

0031

本発明の合成石英ガラス粉末の製造方法においては、好ましくは、前記第1工程に供する含水シリカゲルを得る工程において、SiO2に対して5重量%〜50ppmの過酸化水素を使用するか、あるいは、かかる使用と共に、または、かかる使用はせずに、少なくとも第1工程〜第4工程のいずれかの工程においてSiO2に対して5重量%〜50ppmの過酸化水素を使用する。

0032

過酸化水素を使用すると金属不純物、特に多価金属不純物の除去性が向上するので好ましい。但し、その使用量が50ppm未満ではその使用効果が顕著ではなく、一方、5重量%を超えて使用してもそれ以上効果は向上せず、かえって排水の処分等の問題となりやすい。

0033

以下に過酸化水素の具体的使用方法について詳述する。本発明における過酸化水素の使用方法としては、(1)ゲル化前の水ガラスに過酸化水素を添加しておく方法、(2)水ガラスをゲル化させるための酸に過酸化水素を添加しておく方法、(3)水ガラスと酸を反応させる容器内に予め過酸化水素を導入しておく方法、(4)水ガラスからアルカリ分を除去するに際してゲル化前の水ガラスに過酸化水素を添加しておく方法、(5)水ガラスからアルカリ分を除去するに際して加える中和剤としての硫酸に過酸化水素を添加しておく方法、(6)水ガラスと硫酸を中和反応させる容器内に予め過酸化水素を導入しておく方法、(7)水ガラスと硫酸を中和反応させた後系内に過酸化水素を添加する方法、(8)水ガラスと硫酸を中和反応させた後硫酸アルカリ濾過前の系内に過酸化水素を添加する方法、(9)硫酸アルカリ濾過中の系内に過酸化水素を添加する方法、(10)硫酸アルカリ濾過後の濾液に過酸化水素を添加する方法、(11)水ガラスからアルカリ分を除去したゲル化前の系内に過酸化水素を添加する方法、(12)ゲル化中の系内に過酸化水素を添加する方法、(13)ゲル化後のゲルに過酸化水素を接触(浸漬、シャワー等)させる方法、(14)ゲル化後、凍結前のゲルに過酸化水素を接触(浸漬、シャワー等)させる方法、(15)ゲルの解凍後の系内に過酸化水素を添加する方法、(16)シリカ粒子の洗浄水に過酸化水素を添加して洗浄する方法、(17)洗浄用酸水溶液に過酸化水素を添加してシリカを洗浄する方法、等が挙げられ、いずれの方法によっても多価金属不純物量を低下させる効果が得られる。中でも(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(10)、(11)、(15)、(16)、(17)の方法であると多価金属不純物量低下効果と作業性に優れており好ましく、更にこのなかでも(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(10)、(11)、(15)、(17)の方法によると、より好ましい。

0034

本発明の合成石英ガラス粉末の製造方法においては、少なくとも、第1工程に供する含水シリカゲルをゲル化させる以前のいずれかの段階においてSiO2に対して5重量%〜50ppm、好ましくは2重量%〜100ppmの酸化剤を使用することも望ましい。

0035

即ち、酸化剤を使用すると金属不純物、特に多価金属不純物の除去性が向上するので、好ましい。但し、その使用量が50ppm未満ではその使用効果が顕著ではなく、一方、5重量%を超えて使用してもそれ以上効果は向上せず、かえって排水の処分等の問題となりやすい。

0036

本発明で使用し得る酸化剤は特に限定されるものではなく、例えば、過酸化ナトリウム過炭酸ナトリウム過酢酸、過ホウ酸ナトリウム、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム、過ヨウ素酸カリウム、過ヨウ素酸ナトリウム過硫酸アンモニウム過硫酸カリウム過硫酸ナトリウム亜硝酸ナトリウム等を例示することができ、これらを単独でまたは複数の組み合わせで使用することができる。これらの酸化剤またはその組み合わせによる使用は、更に過酸化水素の使用と併用することもできるが、これら酸化剤と過酸化水素の合計量は上記範囲内であることが良い。

0037

以下に酸化剤またはその組み合わせ、及びこれら酸化剤と過酸化水素の混合物(以下単に「酸化剤等」という)の使用方法について詳述する。酸化剤等の使用方法としては、(1)ゲル化前の水ガラスに酸化剤等を添加しておく方法、(2)水ガラスをゲル化させる為の酸に酸化剤等を添加しておく方法、(3)水ガラスと酸を反応させる容器内に予め酸化剤等を導入しておく方法、(4)水ガラスからアルカリ分を除去するに際してゲル化前の水ガラスに酸化剤等を添加しておく方法、(5)水ガラスからアルカリ分を除去するに際して加える中和剤としての硫酸に酸化剤等を添加しておく方法、(6)水ガラスと硫酸を中和反応させる容器内に予め酸化剤等を導入しておく方法、(7)水ガラスと硫酸を中和反応させた後系内に酸化剤等を添加する方法、(8)水ガラスと硫酸を中和反応させた後硫酸アルカリ濾過前の系内に酸化剤等を添加する方法、(9)硫酸アルカリ濾過中の系内に酸化剤等を添加する方法、(10)硫酸アルカリ濾過後の濾液に酸化剤等を添加する方法、(11)水ガラスからアルカリ分を除去したゲル化前の系内に酸化剤等を添加する方法、等が挙げられる。

0038

以下実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。

0039

〔含水シリカゲルの合成1〕40重量%硫酸水溶液185gを10リットルビーカーに入れ、溶液をアイスバスで5℃に調整し、ポリテトラフルオロエチレン製プロペラ攪拌した。そこにケイ酸ナトリウム水塩150.9gを198gの純水に溶かした水ガラス(SiO2/Na2O=1.0、SiO2濃度:12重量%)を25分かけて滴下した。さらにそこに40重量%硫酸水溶液740gと、ケイ酸ナトリウム5水塩603.6gとを792gの純水に溶かした水ガラス(SiO2/Na2O=1.0、SiO2濃度:12重量%)とを同時に2時間かけて滴下した。中和温度は5〜10℃に制御した。中和反応によって硫酸ナトリウム結晶が析出したが、溶液のpHは0.7であったのでシリカのゲル化は起こらなかった。

0040

この溶液をアイスバスで3℃に冷却して硫酸ナトリウムを再結晶させ、ポリテトラフルオロエチレン製フィルター(5μm)で濾過して硫酸ナトリウム(940g)を除去し、pH0.7のシリカ水溶液を得た。

0041

このシリカ水溶液を室温に長時間(3時間)放置することによってゲル化させ、含水シリカゲル(1)を得た。

0042

〔含水シリカゲルの合成2〕40重量%硫酸水溶液108gを10リットルビーカーに入れ、溶液をアイスバスで5℃に調整し、ポリテトラフルオロエチレン製プロペラで攪拌した。そこに3号ケイ酸ナトリウム150gを198gの純水に溶かした水ガラス(SiO2/Na2O=3.3、SiO2濃度:12重量%)を25分かけて滴下した。さらにそこに40重量%硫酸水溶液740gと、3号ケイ酸ナトリウム600gとを800gの純水に溶かした水ガラス(SiO2/Na2O=3.3、SiO2濃度:12重量%)とを同時に2時間かけて滴下した。中和温度は5〜10℃に制御した。中和反応によって硫酸ナトリウムの結晶が析出したが、溶液のpHは0.5であったのでシリカのゲル化は起こらなかった。

0043

この溶液をアイスバスで3℃に冷却して硫酸ナトリウムを再結晶させ、ポリテトラフルオロエチレン製フィルター(5μm)で濾過して硫酸ナトリウム(130g)を除去し、pH0.5のシリカ水溶液を得た。

0044

得られたシリカ水溶液を室温に長時間(3時間)放置することによってゲル化させ、含水シリカゲル(2)を得た。

0045

〔含水シリカゲルの合成3〕40重量%硫酸水溶液93gを10リットルビーカーに入れ、溶液をアイスバスで5℃に調整し、ポリテトラフルオロエチレン製プロペラで攪拌した。そこにケイ酸ナトリウム5水塩75gを200gの純水に溶かした水ガラス(SiO2/Na2O=1.0、SiO2濃度:7.6重量%)を15分かけて滴下した。さらにそこに40重量%硫酸水溶液370gと、ケイ酸ナトリウム5水塩302gとを790gの純水に溶かした水ガラス(SiO2/Na2O=1.0、SiO2濃度:7.7重量%)とを同時に2時間かけて滴下した。中和温度は5〜10℃に制御した。中和反応によって硫酸ナトリウムの結晶が析出したが、溶液のpHは0.8であったのでシリカのゲル化は起こらなかった。

0046

この溶液をアイスバスで3℃に冷却して硫酸ナトリウムを再結晶させ、ポリテトラフルオロエチレン製フィルター(5μm)で濾過して硫酸ナトリウム(390g)を除去し、pH0.8のシリカ水溶液を得た。

0047

得られたシリカ水溶液を室温に長時間(3時間)放置することによってゲル化させ、含水シリカゲル(3)を得た。

0048

〔含水シリカゲルの合成4〕純水100gを10リットルビーカーに入れ、溶液をアイスバスで5℃に調整し、ポリテトラフルオロエチレン製プロペラで攪拌した。そこに40重量%硫酸水溶液323gと、3号水硝子750gとを800gの純水に溶かした水ガラス(SiO2/Na2O=3.3、SiO2濃度:14重量%)とを同時に2時間かけて滴下した。中和温度は5〜10℃に制御した。中和反応によって硫酸ナトリウムの結晶が析出したが、溶液のpHは0.5であったのでシリカのゲル化は起こらなかった。

0049

得られた溶液をアイスバスで3℃に冷却して硫酸ナトリウムを再結晶させ、ポリテトラフルオロエチレン製フィルター(5μm)で濾過して硫酸ナトリウム(120g)を除去し、pH0.5のシリカ水溶液を得た。

0050

得られたシリカ水溶液を室温に長時間(3時間)放置することによってゲル化させ、含水シリカゲル(4)を得た。

0051

〔含水シリカゲルの合成5〕40重量%硫酸水溶液に、使用するSiO2分の0.1重量%の過酸化水素を添加した以外は含水シリカゲルの合成(1)と同様にして含水シリカゲル(5)を得た。

0052

〔含水シリカゲルの合成6〕水ガラス水溶液に、使用するSiO2分に対して80ppmの過酸化水素を添加した以外は含水シリカゲルの合成(2)と同様にして含水シリカゲル(6)を得た。

0053

〔含水シリカゲルの合成7〕中和反応後の系内に、使用したSiO2分の1.2重量%の過酸化水素を添加した以外は含水シリカゲルの合成(3)と同様にして含水シリカゲル(7)を得た。

0054

〔含水シリカゲルの合成8〕40重量%硫酸水溶液に、使用するSiO2分の0.1重量%の過炭酸ナトリウムを添加した以外は含水シリカゲルの合成(1)と同様にして含水シリカゲルを得た。

0055

〔含水シリカゲルの合成9〕水ガラス水溶液に、使用するSiO2分に対して80ppmの過酢酸を添加した以外は含水シリカゲルの合成(2)と同様にして含水シリカゲルを得た。

0056

〔含水シリカゲルの合成10〕SiO2/Na2O=3.2のモル比原料水ガラス(SiO2濃度:29重量%)を純水で希釈してSiO2濃度6重量%の水ガラスとした。この水ガラスに、水ガラス中のSiO2重量に対して2000ppmの過酸化水素を添加し、この水ガラス1000gを、水素型陽イオン交換樹脂オルガノ(株)製アーバライトIR−120B)を充填したカラム通液して脱アルカリし、SiO2濃度5.0重量%、pH2.5のシリカ水溶液1150gを得た。

0057

得られたシリカ水溶液に塩酸を加えpHを1.0に調整し、その後、このシリカ水溶液を水素型陽イオン交換樹脂(オルガノ(株)製アーバンライトIR−120B)100mlを充填したカラムに通液して微量の金属イオンの除去された高純度のシリカ水溶液を得た。

0058

得られたシリカ水溶液にアンモニア水を添加してシリカ水溶液のpHを6.0として室温放置し、シリカ水溶液全体をゲル化させ含水シリカゲル(10)を得た。

0059

〔含水シリカゲルの合成11〕SiO2/Na2O=3.2のモル比の原料水ガラス(SiO2濃度:29重量%)を純水で希釈してSiO2濃度6重量%の水ガラスとした。この水ガラス1000gを、水素型陽イオン交換樹脂(オルガノ(株)製アーバンライトIR−120B)を充填したカラムに通液して脱アルカリし、SiO2濃度5.0重量%、pH2.5のシリカ水溶液1150gを得た。

0060

得られたシリカ水溶液に塩酸を加えpHを1.0に調整し、過酸化水素をシリカ水溶液中のSiO2重量に対して2000ppm添加した。その後、このシリカ水溶液を水素型陽イオン交換樹脂(オルガノ(株)製アーバンライトIR−120B)100mlを充填したカラムに通液して微量の金属イオンの除去された高純度のシリカ水溶液を得た。

0061

得られたシリカ水溶液にアンモニア水を添加してシリカ水溶液のpHを6.0として室温放置し、シリカ水溶液全体をゲル化させ、含水シリカゲル(11)を得た。

0062

〔含水シリカゲルの合成12〕SiO2/Na2O=3.2のモル比の原料水ガラス(SiO2濃度:29重量%)を純水で希釈してSiO2濃度8重量%の水ガラスとした。この水ガラス1000gに、3.5%塩酸水溶液100gと、水ガラス中のSiO2重量に対して2000ppmの過酸化水素を添加し、この水ガラスを、水素型陽イオン交換樹脂(オルガノ(株)製アーバンライトIR−120B)を充填したカラムに通液して脱アルカリし、SiO2濃度6.4重量%、pH1.0のシリカ水溶液1250gを得た。

0063

得られたシリカ水溶液にアンモニア水を添加してシリカ水溶液のpHを4.5として室温放置し、シリカ水溶液全体をゲル化させ含水シリカゲル(12)を得た。

0064

〔含水シリカゲルの合成13〕SiO2/Na2O=3.2のモル比の原料水ガラス(SiO2濃度:29重量%)を純水で希釈してSiO2濃度15重量%の水ガラス500gを得た。この水ガラスを塩酸に加えpHを1.0に調整し、過酸化水素をシリカ水溶液中のSiO2重量に対して2000ppm添加した。その後、この溶液を水素型陽イオン交換樹脂(オルガノ(株)製アーバンライトIR−120B)2000mlを充填したカラムに通液して脱アルカリすると共に微量の金属イオンの除去された高純度のシリカ水溶液を得た。

0065

得られたシリカ水溶液にアンモニア水を添加してシリカ水溶液のpHを6.0として室温放置し、シリカ水溶液全体をゲル化させ、含水シリカゲル(13)を得た。

0066

〔実施例1〕含水シリカゲル(1)を−5℃下で10時間かけて凍結させた。その後室温で解凍した。解凍によって離水した水分を濾過して除去し、シリカ粒子を得た。

0067

この水分の除去は、加熱乾燥した場合に比較して、エネルギー量で約1/5、エネルギーコストで約1/2で行うことができた。また、水分分離後のシリカ粒子に含まれる多価金属分は、加熱乾燥した場合に比して1/10未満であった。

0068

次に、得られたシリカ粒子を石英乳鉢乳棒で粉砕し、50〜200メッシュポリプロピレン製網で篩別微細なシリカ粒子とした後、3リットル石英ガラスビーカーに入れ、超純水1リットルを加えて2時間煮沸させた後、ポリテトラフルオロエチレン製フィルターで濾過してシリカ粒子を分離した。この操作を5回繰り返した。次に10重量%塩酸溶液を加え、1時間煮沸し、濾過した後、超純水による煮沸洗浄を前記同様に6回行い高純度シリカ粒子を得た。

0069

得られた高純度シリカ粒子を150℃で乾燥させた後、1200℃で20時間焼成して高純度石英ガラス粉末(180g)を得た。

0070

〔実施例2〕含水シリカゲル(2)を−10℃下で3時間かけて凍結させた。その後室温で解凍した。解凍によって離水した水分を濾過して除去し、シリカ粒子を得た。

0071

その後、実施例1と同様にして高純度石英ガラス粉末を得た。エネルギーコストが低く極めて高純度の石英ガラス粉末を得ることができた。

0072

〔実施例3〕含水シリカゲル(3)を−20℃下で1時間かけて凍結させた。その後室温で解凍した。解凍によって離水した水分を濾過して除去し、シリカ粒子を得た。

0073

その後、実施例1と同様にして高純度石英ガラス粉末を得た。エネルギーコストが低く、極めて高純度の石英ガラス粉末を得ることができた。

0074

〔実施例4〕含水シリカゲル(4)を液体窒素中に浸漬し瞬間凍結させた。その後室温で解凍した。解凍によって離水した水分を濾過して除去し、シリカ粒子を得た。

0075

その後、実施例1と同様にして高純度石英ガラス粉末を得た。エネルギーコストが低く、極めて高純度の石英ガラス粉末を得ることができた。

0076

〔実施例5〜13〕夫々含水シリカゲル(5)〜(13)を用いた他は実施例2と同様にして高純度石英ガラス粉末を得た。いずれもエネルギーコストが低く、極めて高純度の石英ガラス粉末を得ることができた。

0077

〔実施例14〕洗浄に使用する10重量%塩酸溶液に、シリカ粒子SiO2分の200ppmの過酸化水素を添加した以外は実施例4と同様にして高純度石英粉を得た。エネルギーコストが低く、極めて高純度の石英ガラス粉末を得ることができた。

0078

〔実施例15〕洗浄に使用する10重量%塩酸溶液に、シリカ粒子SiO2分の200ppmの過酸化水素を添加した以外は実施例7と同様にして高純度石英粉を得た。エネルギーコストが低く、極めて高純度の石英ガラス粉末を得ることができた。

0079

〔実施例16〕洗浄に使用する10重量%塩酸溶液に、シリカ粒子SiO2分の200ppmの過酸化水素を添加した以外は実施例13と同様にして高純度石英粉を得た。エネルギーコストが低く、極めて高純度の石英ガラス粉末を得ることができた。

0080

実施例1〜16の各条件を下記の表1および表2にまとめて示す。

0081

発明の効果

0082

以上説明してきたように本発明によれば、エネルギーコスト的に高い工業化適性の下で含水シリカゲルを脱水することができ、さらにエネルギーコスト的に高い工業化適性でかつ高純度にて合成石英ガラス粉末を製造することができる。よって、本発明によって得られた合成石英ガラス粉末は半導体用熱処理部材、半導体単結晶引き上げ用坩堝、光学用部材などの原料として有用である。

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