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技術 炭酸カルシウムを含有するポリ乳酸複合体の製造方法

出願人 矢橋工業株式会社
発明者 太田義夫岩下哲志春日敏宏
出願日 2000年4月12日 (20年7ヶ月経過) 出願番号 2000-111264
公開日 2001年10月23日 (19年1ヶ月経過) 公開番号 2001-294673
状態 特許登録済
技術分野 補綴 高分子物質の処理方法 高分子成形体の製造 高分子成形体の処理 高分子組成物
主要キーワード 材料表 表面活性材料 非晶質状 骨修復材料 疑似体液 骨接合材 無機素材 キシダ化学製
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2001年10月23日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (8)

課題

骨修復材料として期待できる炭酸カルシウムを含有するポリ乳酸複合体の製造方法を提供する。

解決手段

主にバテライトである炭酸カルシウムを含有するポリ乳酸複合体は、メタノール水酸化カルシウムを加えた懸濁液に炭酸ガスを吹き込んで非晶質状の炭酸カルシウムを生成させた懸濁液とポリ乳酸塩化メチレンで溶解させた液を混合後、乾燥させて粉末を調製する工程と、得られた粉末を成形する工程とにより製造される。好ましくは成形後、加熱処理する工程を含む。

概要

背景

骨欠損部に埋入されると、骨と反応して自然に直接結合するような材料は生体活性材料と呼ばれ、反応が材料表面に限定される表面活性材料と、反応が材料内部にまで及び、次第に骨に置き換えられていく吸収性材料とに分けられる。これらの材料は骨修復材料として有用で、様々な材料が研究開発されている。たとえば、表面活性材料として、Na2O−CaO−SiO2−P2O5系のガラス(例えばUS Biomaterials Corporation製の商品名Bioglass)、アパタイトウォラストナイトを含む結晶化ガラス(例えば日本電気硝子製の商品名CeraboneA-W)、水酸アパタイト(例えば住友セメント製の商品名Boneceram,旭光学工業製の商品名Apaceram,日本特殊陶業製の商品名Ceratiteや三菱マテリアル製の商品名Bonfil)などがすでに重要な骨修復生体材料として臨床で使用されている。吸収性材料は新しく骨が生成されるにつれて、生体内に吸収されるか、分解して体外に排出され、最終的には自己骨によって欠損部が修復されるので、非常に有用な生体材料として注目されている。サンゴ(CaCO3、アラゴナイト)、セッコウ(CaSO4・2H2O)、リン酸三カルシウム(Ca3(PO4)2)などの無機素材ポリ乳酸ポリグリコール酸コラーゲンキチンキトサンなどの高分子が吸収性材料として知られ、サンゴ製人工骨やポリ乳酸を原料とした骨接合材プレートボルトピンなど)などが開発されている。またポリ乳酸と水酸アパタイトやβ−Ca3(PO4)2との複合体の調製、力学的性質の研究、臨床応用が進められている。

概要

骨修復材料として期待できる炭酸カルシウムを含有するポリ乳酸複合体の製造方法を提供する。

主にバテライトである炭酸カルシウムを含有するポリ乳酸複合体は、メタノール水酸化カルシウムを加えた懸濁液に炭酸ガスを吹き込んで非晶質状の炭酸カルシウムを生成させた懸濁液とポリ乳酸を塩化メチレンで溶解させた液を混合後、乾燥させて粉末を調製する工程と、得られた粉末を成形する工程とにより製造される。好ましくは成形後、加熱処理する工程を含む。

目的

このような骨修復材料は、骨欠損部に埋入されたとき、脱落しないように骨との優れた親和性を有し、分解吸収されていくにつれて逐次新生骨を生成させてうまく自己骨と置換させることができることが望ましい。よって本発明の目的は、このような骨修復材料として期待できる炭酸カルシウムを含有するポリ乳酸複合体の製造方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

メタノール水酸化カルシウムを加えた懸濁液に炭酸ガスを吹き込んで非晶質状炭酸カルシウムを生成させた懸濁液とポリ乳酸塩化メチレンで溶解させた液を混合後、乾燥させて粉末を調製する工程と、得られた粉末を成形する工程とからなることを特徴とする炭酸カルシウムを含有するポリ乳酸複合体の製造方法。

請求項2

成形後、加熱処理することによって得られる請求項1に記載の炭酸カルシウムを含有するポリ乳酸複合体の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、骨修復材料として有用な生体活性材料に関し、特に骨との親和性を高めるために炭酸カルシウムを含有させたポリ乳酸複合体の製造方法に関する。

背景技術

0002

骨欠損部に埋入されると、骨と反応して自然に直接結合するような材料は生体活性材料と呼ばれ、反応が材料表面に限定される表面活性材料と、反応が材料内部にまで及び、次第に骨に置き換えられていく吸収性材料とに分けられる。これらの材料は骨修復材料として有用で、様々な材料が研究開発されている。たとえば、表面活性材料として、Na2O−CaO−SiO2−P2O5系のガラス(例えばUS Biomaterials Corporation製の商品名Bioglass)、アパタイトウォラストナイトを含む結晶化ガラス(例えば日本電気硝子製の商品名CeraboneA-W)、水酸アパタイト(例えば住友セメント製の商品名Boneceram,旭光学工業製の商品名Apaceram,日本特殊陶業製の商品名Ceratiteや三菱マテリアル製の商品名Bonfil)などがすでに重要な骨修復生体材料として臨床で使用されている。吸収性材料は新しく骨が生成されるにつれて、生体内に吸収されるか、分解して体外に排出され、最終的には自己骨によって欠損部が修復されるので、非常に有用な生体材料として注目されている。サンゴ(CaCO3、アラゴナイト)、セッコウ(CaSO4・2H2O)、リン酸三カルシウム(Ca3(PO4)2)などの無機素材ポリ乳酸ポリグリコール酸コラーゲンキチンキトサンなどの高分子が吸収性材料として知られ、サンゴ製人工骨やポリ乳酸を原料とした骨接合材プレートボルトピンなど)などが開発されている。またポリ乳酸と水酸アパタイトやβ−Ca3(PO4)2との複合体の調製、力学的性質の研究、臨床応用が進められている。

発明が解決しようとする課題

0003

このような骨修復材料は、骨欠損部に埋入されたとき、脱落しないように骨との優れた親和性を有し、分解吸収されていくにつれて逐次新生骨を生成させてうまく自己骨と置換させることができることが望ましい。よって本発明の目的は、このような骨修復材料として期待できる炭酸カルシウムを含有するポリ乳酸複合体の製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0004

上記課題を解決するために本発明は、メタノール水酸化カルシウムを加えた懸濁液に炭酸ガスを吹き込んで非晶質状の炭酸カルシウムを生成させた懸濁液とポリ乳酸を塩化メチレンで溶解させた液を混合後、乾燥させて粉末を調製する工程と、得られた粉末を成形する工程とから炭酸カルシウムを含有するポリ乳酸複合体の製造方法を構成した。好ましくは成形後、加熱処理する工程を含む。

0005

生体内において材料表面が活性となり骨と材料が直接結合するような材料は、生体内あるいは疑似体液中でその表面がわずかに溶出すると共に周囲からCaやPを吸着してアパタイト層を作る。また、骨組織中では材料の表面近くに新生骨を形成するという性質を持っている。この性質は骨伝導と呼ばれている。アパタイト層形成の速度は材料の組成によって異なり、生体活性の強さを現しているものと考えられている。本発明は、炭酸カルシウムの結晶の中でも水への溶解度カルサイト(1.4mg/100mL)やアラゴナイト(1.5mg/100mL)に比べて高いバテライト(2.4mg/100mL)をマトリックスのポリ乳酸中に分散させた複合体にすることで、吸収性材料のポリ乳酸に骨伝導を付与させ、望ましい骨修復材料を得ようとするものである。このことは、発明者は上記のような理論または他の特定の理論に拘束されることを望むものではないが、結果として骨との親和性が良好なポリ乳酸複合体が生成される事実により信じられるものである。

発明を実施するための最良の形態

0006

本発明の好ましい実施形態によれば、以下の工程を経ることにより、炭酸カルシウムを含有するポリ乳酸複合体を製造することできる。

0007

メタノールに水酸化カルシウムを加え、濃度0.5〜1mol/Lに調整した懸濁液(pH=12.5〜13)に30℃以下で撹拌しながらpH=7〜8になるまで炭酸ガスを吹き込む。この懸濁液をろ過して得られたものを120℃で5時間ほど乾燥させ、粉末X線回折測定したところ、2θ=5〜50°において回折ピークは認められない。よって非晶質状の炭酸カルシウムが生成されたと思われる。このような懸濁液とポリL−乳酸重量平均分子量;16万±2万)を塩化メチレンで室温で溶解させた液を混合する。たとえば、濃度0.5mol/Lに調整した懸濁液100mLと5gのポリL−乳酸を50mLの塩化メチレンで溶解させた液を混合すれば、炭酸カルシウム:ポリL−乳酸 =1:1(重量比)となる。重量比は約0.5〜1.5:1の範囲が好ましい。二つの液を所望の割合で混合させた後、40〜75℃で30〜50時間乾燥させる。乾燥物多孔質状のものとなり、乳鉢乳棒などを用いて軽く解すことによって容易に粉末状にすることができる。得られた粉末を金型に入れて仮成形(19MPa程度)した後、約196MPaで冷間等方圧プレスCIP)成形することで、ポリL−乳酸と炭酸カルシウム(主にバテライト)からなる複合体が得られる。複合体はマトリックスのポリL−乳酸に0.1〜1μmの球状バテライト粒子が分散しており、二つの液を混合させると球状バテライト粒子が析出し易くなるものと思われる。ポリL−乳酸の融点は約175℃で、CIP成形後150〜180℃で0.5〜1時間熱処理することで、ポリL−乳酸と炭酸カルシウム粒子をよく馴染ませて複合体をより強固にすることもできる。

0008

このようにして得られる複合体(直径:17〜18mm、厚さ:3.1〜3.2mmの円盤状)を、疑似体液(SBF:人間の体液血漿)と類似したイオン濃度を持つ緩衝溶液(Ca2+;2.5,Mg2+;1.5,Na+;142.0,K+;5.0,Cl-;148.8,HCO3-;4.2,HPO42-;1.0mmol/L))に浸漬し、37℃の恒温槽で7〜29日間保持すると、複合体の表面には水酸アパタイトが生成され、これより生体活性を備えていることが示される。

発明の効果

0009

以上のように本発明によれば、優れた骨修復材料として期待できる骨伝導性を有する吸収性材料である炭酸カルシウムを含有するポリ乳酸複合体を容易に得ることができる。

0010

以下、本発明に係る炭酸カルシウムを含有するポリ乳酸複合体の製造方法の実施例について説明する。

0011

(実施例1)メタノール(キシダ化学製特級試薬水分含有量0.1%以下)1Lに約37gの水酸化カルシウム(キシダ化学製の特級試薬)が含まれる懸濁液を2L調製した。この懸濁液(pH=12.9)に20〜24℃で炭酸ガスを1l/minの流量でpH=7.8となるまで攪拌しながら1.5時間吹き込んだ後、ポリL−乳酸(島津製作所製:商品名LACTY#2012、重量平均分子量;16万±2万)5gを50mLの塩化メチレン(キシダ化学製、純度99.0%)で室温で溶解させた液に100mL加えて混合した。炭酸カルシウム:ポリL−乳酸=1:1(重量比)となる。混合液を40℃で50時間乾燥させた。乾燥物は多孔質状のものとなり、メノウ乳鉢/乳棒を用いて軽く解して粉末状にした。粉末を金型に入れて円盤状に圧縮(約19MPa)成形した後、約196MPaで冷間等方圧プレス(CIP)成形した。続いて成形体を180℃で1時間熱処理した。図1の(a)は得られた成形体のX線回折パターンであり、図2にその表面の走査型電子顕微鏡(SEM)による観察写真を示す。これらは、得られた成形体がポリL−乳酸と0.1〜1μmの球状バテライト粒子からなる複合体であることを示している。この複合体を150mLのSBFに浸漬し、37℃の恒温槽で29日間保持した。図1の(b)はSBF浸漬後の複合体のX線回折パターンであり、図3にその表面のSEMによる観察写真を示す。これらは、複合体の表面に水酸アパタイトが生成されていることを示している。

0012

(実施例2)実施例2においても実施例1と同一の試薬及び原料を使用した。メタノール1Lに約74gの水酸化カルシウムが含まれる懸濁液を2L調製した。この懸濁液(pH=12.7)に20〜27℃で炭酸ガスを2L/minの流量でpH=7.1となるまで攪拌しながら2時間吹き込んだ後、ポリL−乳酸5gを50mLの塩化メチレンで室温で溶解させた液に25mL加えて混合した。炭酸カルシウム:ポリL−乳酸=0.5:1(重量比)となる。混合液を50℃で50時間乾燥させた。実施例1と同様にして成形体を作製した。続いて成形体を150℃で1時間熱処理した。図4に得られた成形体表面の、図5にそのSBF浸漬(37℃で28日間)後のSEMによる観察写真を示す。浸漬後の複合体表面には水酸アパタイトの生成が観察され、優れた生体活性を持つことを示している。

0013

(実施例3)実施例3においても実施例1と同一の試薬及び材料を使用した。メタノール1Lに約37gの水酸化カルシウムが含まれる懸濁液を2L調製した。この懸濁液(pH=12.9)に20〜24℃で炭酸ガスを1L/minの流量でpH=7.3となるまで攪拌しながら1.5時間吹き込んだ後、ポリL−乳酸5gを50mLの塩化メチレンで室温で溶解させた液に150mL加えて混合した。炭酸カルシウム:ポリL−乳酸=1.5:1(重量比)となる。混合液を50℃で44.5時間乾燥させた。実施例1と同様にして成形体を作製した。図6に得られた成形体表面の、図7にそのSBF浸漬(37℃で7日間)後のSEMによる観察写真を示す。浸漬後の複合体表面には水酸アパタイトの生成が観察され、優れた生体活性を持つことを示している。

図面の簡単な説明

0014

図1図1は、実施例1の成形体及びSBF浸漬後の成形体のX線回折パターンを示す。
図2図2は、実施例1の成形体の表面の走査型電子顕微鏡写真である。
図3図3は、SBF浸漬後の実施例1の成形体の走査型電子顕微鏡写真である。
図4図4は、実施例2の成形体の表面の走査型電子顕微鏡写真である。
図5図5は、SBF浸漬後の実施例2の成形体の走査型電子顕微鏡写真である。
図6図6は、実施例3の成形体の表面の走査型電子顕微鏡写真である。
図7図7は、SBF浸漬後の実施例3の成形体の走査型電子顕微鏡写真である。

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