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技術 超音波診断装置

出願人 株式会社日立ヘルスケア・マニュファクチャリング
発明者 藤田直人篠村隆一
出願日 2000年4月7日 (20年8ヶ月経過) 出願番号 2000-106807
公開日 2001年10月16日 (19年2ヶ月経過) 公開番号 2001-286467
状態 特許登録済
技術分野 超音波診断装置 超音波診断装置
主要キーワード 束ね状態 多重リング状 同心円状リング 円リング状 同心リング状 駆動パルス入力 多重リング 各同心円
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題

2次元配列振動子を備えた探触子を用いても数の少ない遅延回路で3次元セクタスキャンをできるようにする。

構成

2次元配列振動子20へ同心円状に複数のリング振動子を選択し、一つのリング振動子を構成する素子群は同一の遅延時間が付与されるように遅延回路へ接続する。同心円状リング振動子20の選択パターンはその中心位置を含め、送信フォーカス点の位置、受信ビームの方向に応じて変更され、受信ビームを振動子面へ傾斜する方向ダイナミックフォーカスリング状振動子受信フォーカス点の位置に応じて連続的に移動する。

概要

背景

超音波診断装置は複数の振動子アレー状に配列された超音波探触子(以下、1次元探触子という。)を用いる物が現在も主流をなしているが、最近、他のモダリティ、例えばX線CT装置やMRI装置の分野における3次元画像診断有用性の認識が高まるにつれ、超音波画像診断の分野でも被検体内を3次元画像で表示し、診断に供する装置が研究・開発されている。超音波診断装置において3次元画像を得るための超音波ビームスキャン方法には、超音波ビームのスキャン方向に交差する方向へ1次元探触子を手動または機械的に被検体体表で移動する方法と、探触子を2次元化して被検体内を超音波ビームで電子的に3次元スキャンする方法とがあるが、前者は3次元計測のために凹凸のある被検体の体表で探触子を体表に接触させながら手動でまたは機械的に移動することが難しく、後者が有望視されている。

2次元探触子は従来の1次元アレー探触子の細長い棒状の振動子素子を長さ方向に複数に分割した構造となる、この2次元探触子を実際の医療診断に用いようとすると、振動子数が64×64個程度必要とされる。この場合、振動子数が4,096個にもなる。この2次元探触子で被検体内をセクタスキャン方式で3次元計測する場合、1本のビームを形成するために4,096個の振動子全てを駆動する。したがって4,096個の振動子の全てに遅延回路を設ける必要がある。このため,装置は大型化し、装置が高価になる。このために4,096個の振動子を間引いて256個の振動子で送受信する方法が提案されている。

また、遅延回路数(整相回路チャンネル数同義)を少なくするために、2次元探触子の振動子を同心円状に複数の振動子群を構成するようにし、振動子群の各群毎に同一遅延時間を与えて超音波の送受信を行うことが提案されている。これはフレネルリング束ね方式と称され、リニアスキャン方式には有効である。

概要

2次元配列振動子を備えた探触子を用いても数の少ない遅延回路で3次元セクタスキャンをできるようにする。

2次元配列振動子20へ同心円状に複数のリング振動子を選択し、一つのリング振動子を構成する素子群は同一の遅延時間が付与されるように遅延回路へ接続する。同心円状リング振動子20の選択パターンはその中心位置を含め、送信フォーカス点の位置、受信ビームの方向に応じて変更され、受信ビームを振動子面へ傾斜する方向ダイナミックフォーカスリング状振動子受信フォーカス点の位置に応じて連続的に移動する。

目的

本発明は上記に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、遅延回路数が少なくても2次元探触子を用いてS/Nの良い画像が得られるセクタスキャンの可能な超音波診断装置を提供することにある。

また、本発明の第2の目的は、2次元探触子を用いて被検体内を3次元セクタスキャンできる超音波診断装置を提供することにある。

さらに本発明の第3目的は2次元探触子を用いて被検体内を高速で3次元セクタスキャンできる超音波診断装置を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
6件
牽制数
4件

この技術が所属する分野

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請求項1

音波送受信する複数の超音波振動子が2次元に配列された超音波探触子を有し、前記超音波振動子から同心のリング状に複数の振動子素子群を選択し、前記素子群毎に異なる遅延時間を与えて送受信の超音波ビームを形成し、受信信号から超音波画像を形成し、表示装置画像表示する超音波診断装置において、前記超音波の送受信方向を送受信サイクル毎に変更する手段と、前記送受信のビーム方向に応じて前記超音波振動子素子群の選択パターンを変更する手段と、各振動子素子へ超音波振動子選択パターンに応じた遅延時間を与える手段とを備えたことを特徴とする超音波診断装置。

請求項2

超音波を送受信する複数の超音波振動子が2次元に配列された超音波探触子を有し、前記超音波振動子から同心のリング状に複数の振動子素子群を選択し、前記素子群毎に異なる遅延時間を与えて送受信の超音波ビームを形成し、受信信号から超音波画像を形成し、表示装置へ画像表示する超音波診断装置において、送受信時に、前記振動子配列面に対し傾斜した方向の超音波ビームライン上に位置する送波又は受波フォーカス点から配列振動子面へ下した垂線が配列振動子面と交差する点を同心リングの中心として送受波時の前記同心リング状振動子群を選択する手段と、前記超音波ビームライン上の受波フォーカス点の移動とともに前記リング状振動子群の選択中心を移動する手段とを備えたことを特徴とする超音波診断装置。

請求項3

超音波を送受信する複数の超音波振動子が2次元に配列された超音波探触子を有し、前記超音波振動子から同心のリング状に複数の振動子素子群を選択し、前記素子群毎に異なる遅延時間を与えて送受信の超音波ビームを形成し、受信信号から超音波画像を形成し、表示装置へ画像表示する超音波診断装置において、超音波の送受信方向を配列振動子面の所定位置に固定して3次元方向へ設定する手段と、送受信時に、前記振動子配列面に対し傾斜した方向の超音波ビームライン上に位置する送波又は受波のフォーカス点から配列振動子面へ下した垂線が配列振動子面と交差する点を同心リングの中心として送受波時の前記同心リング状振動子群を選択する手段と、前記超音波ビームライン上の受波フォーカス点の移動とともに前記リング状振動子群の選択中心を移動する手段とを備えたことを特徴とする超音波診断装置。

技術分野

0001

本発明は、超音波診断装置係り、特に2次元配列振動子を内蔵した超音波探触子(以下、2次元探触子という。)を用いて被検体内を3次元画像化することができる超音波診断装置に関するものである。

背景技術

0002

超音波診断装置は複数の振動子がアレー状に配列された超音波探触子(以下、1次元探触子という。)を用いる物が現在も主流をなしているが、最近、他のモダリティ、例えばX線CT装置やMRI装置の分野における3次元画像診断有用性の認識が高まるにつれ、超音波画像診断の分野でも被検体内を3次元画像で表示し、診断に供する装置が研究・開発されている。超音波診断装置において3次元画像を得るための超音波ビームスキャン方法には、超音波ビームのスキャン方向に交差する方向へ1次元探触子を手動または機械的に被検体体表で移動する方法と、探触子を2次元化して被検体内を超音波ビームで電子的に3次元スキャンする方法とがあるが、前者は3次元計測のために凹凸のある被検体の体表で探触子を体表に接触させながら手動でまたは機械的に移動することが難しく、後者が有望視されている。

0003

2次元探触子は従来の1次元アレー探触子の細長い棒状の振動子素子を長さ方向に複数に分割した構造となる、この2次元探触子を実際の医療診断に用いようとすると、振動子数が64×64個程度必要とされる。この場合、振動子数が4,096個にもなる。この2次元探触子で被検体内をセクタスキャン方式で3次元計測する場合、1本のビームを形成するために4,096個の振動子全てを駆動する。したがって4,096個の振動子の全てに遅延回路を設ける必要がある。このため,装置は大型化し、装置が高価になる。このために4,096個の振動子を間引いて256個の振動子で送受信する方法が提案されている。

0004

また、遅延回路数(整相回路チャンネル数同義)を少なくするために、2次元探触子の振動子を同心円状に複数の振動子群を構成するようにし、振動子群の各群毎に同一遅延時間を与えて超音波の送受信を行うことが提案されている。これはフレネルリング束ね方式と称され、リニアスキャン方式には有効である。

発明が解決しようとする課題

0005

心臓検査に用いることが多いセクタスキャン型の探触子は、生体肋骨の間から心臓にめがけて超音波ビームを送受信するために、探触子の送受信面積を大きくすることができない。また、2次元探触子は振動子をアレー状に配置した1次元探触子と比較し、振動子素子の大きさが当然に小さい。

0006

したがって、遅延回路を少なくするために振動子を間引いて用いると、探触子の感度低下を招き、得られる信号のS/Nが低下し,画質も低下することとなる。そのために,単純には遅延回路を少なくすることはできない。

0007

本発明は上記に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、遅延回路数が少なくても2次元探触子を用いてS/Nの良い画像が得られるセクタスキャンの可能な超音波診断装置を提供することにある。

0008

また、本発明の第2の目的は、2次元探触子を用いて被検体内を3次元セクタスキャンできる超音波診断装置を提供することにある。

0009

さらに本発明の第3目的は2次元探触子を用いて被検体内を高速で3次元セクタスキャンできる超音波診断装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

本発明は上記課題を解決するために、超音波を送受信する複数の超音波振動子が2次元に配列された超音波探触子を有し、前記超音波振動子から同心のリング状に複数の振動子素子群を選択し、前記素子群毎に異なる遅延時間を与えて送受信の超音波ビームを形成し、受信信号から超音波画像を形成し、表示装置画像表示する超音波診断装置において、前記超音波の送受信方向を送受信サイクル毎に変更する手段と、前記送受信のビーム方向に応じて前記超音波振動子素子群の選択パターンを変更する手段と、各振動子素子へ超音波振動子選択パターンに応じた遅延時間を与える手段とを備えたことを特徴とするものである。

0011

また、本発明は上記課題を解決するために、超音波を送受信する複数の超音波振動子が2次元に配列された超音波探触子を有し、前記超音波振動子から同心のリング状に複数の振動子素子群を選択し、前記素子群毎に異なる遅延時間を与えて送受信の超音波ビームを形成し、受信信号から超音波画像を形成し、表示装置へ画像表示する超音波診断装置において、送受信時に、前記振動子配列面に対し傾斜した方向の超音波ビームライン上に位置する送波又は受波フォーカス点から配列振動子面へ下した垂線が配列振動子面と交差する点を同心リングの中心として送受波時の前記同心リング状振動子群を選択する手段と、前記超音波ビームライン上の受波フォーカス点の移動とともに前記リング状振動子群の選択中心を移動する手段とを備えたことを特徴としている。

0012

さらに本発明は上記課題を解決するために、超音波を送受信する複数の超音波振動子が2次元に配列された超音波探触子を有し、前記超音波振動子から同心のリング状に複数の振動子素子群を選択し、前記素子群毎に異なる遅延時間を与えて送受信の超音波ビームを形成し、受信信号から超音波画像を形成し、表示装置へ画像表示する超音波診断装置において、超音波の送受信方向を配列振動子面の所定位置に固定して3次元方向へ設定する手段と、送受信時に、前記振動子配列面に対し傾斜した方向の超音波ビームライン上に位置する送波又は受波のフォーカス点から配列振動子面へ下した垂線が配列振動子面と交差する点を同心リングの中心として送受波時の前記同心リング状振動子群を選択する手段と、前記超音波ビームライン上の受波フォーカス点の移動とともに前記リング状振動子群の選択中心を移動する手段とを備えたことを特徴としている。

発明を実施するための最良の形態

0013

以下,本発明の実施の形態を図面に基いて説明する。図8は本発明を実施するための超音波診断装置の全体構成を示すブロック図である。図において、10は直交する2方向のそれぞれの方向へM個及びN個、すなわちM×N個の2次元配列振動子20を有した2次元探触子で、2次元配列振動子20を図には省略されたケース収納すると共に、ケース内部に2次元配列振動子20を超音波ビームの送受信サイクル毎に切換え選択するスイッチング回路部30が収納されている。40はスイッチ制御部で、前記スイッチング回路30へ振動子選択のための信号を供給するものである。

0014

50は送信時と受信時とで信号の通過方向を変更する送受分離回路、60は超音波を被検体内へ送信するために超音波振動子へ駆動信号を供給するための送波部で従来から公知のパルス発生回路増幅回路送信用遅延回路とを有している。70は受波整相部で、被検体内に打ち出された超音波により被検体内で反射した反射波(エコー)が超音波振動子で電気的信号エコー信号)に変換された信号を入力して、所定方向から受信したように超音波ビーム信号を形成して出力するもので、これも従来から公知の遅延回路と加算回路とで構成されている。80は信号処理部で、前記受波整相部70から出力されたエコー信号を画像化するための前処理として、対数変換処理フィルタ処理γ補正等を行うものである。

0015

90は信号処理部80から超音波ビームの走査毎に出力されてくる信号を必要に応じてデジタル化して入力し蓄積し画像データを形成するとともに、画像表示装置走査に応じて出力する、すなわち超音波走査表示走査との走査変換を行うスキャンコンバータで、従来からこの分野においては、デジタルスキャンコンバータ(DSC)として良く知られているものである。

0016

100は前記デジタルスキャンコンバータ90から出力された画像データをD/A変換して輝度信号へ変換し、画像として表示する表示装置であり、通常はCRTモニタを有している。200は上記の各構成要件を直接的又は間接的に制御して超音波の送受信と画像表示を行わせる中央演算ユニット(CPU)である。

0017

次に、上記構成の装置の動作を簡単に説明する。2次元探触子10を被検体の検査部位の体表に当接し、図示を省略した操作盤から送波フォーカス深度等のスキャンパラメータを入力した後、超音波スキャン開始指令を入力する。すると、CPU200が各ユニットを制御し超音波スキャンを開始する。先ず、CPU200はスイッチ制御部40及び送波部60に対し、最初の送波における振動子の選択指令と、駆動パルス出力指令及び前記送波フォーカス深度に対応し遅延時間を設定する指令を出力する。これら指令が実行されると、送波部60から駆動パルスが送波遅延回路を介して2次元探触子10へ供給される。2次元探触子10内のスイッチング回路30はCPU200の指令により、後述の同心円リング状振動子群を形成するように送波遅延回路と振動子の駆動パルス入力ラインを接続しており、各リング状振動子は駆動パルスが入力すると、所定の周波数振動し、超音波を順次被検体内へ送波する。

0018

被検体内へ送波された超音波は、生体内組織臓器音響インピーダンスの異なる面でその一部が反射されエコーとして探触子10方向へ反射する。このエコーを受信するために、CPU200は受信系を制御する。先ず送波の終了と共にスイッチング回路30へ受信のための振動子と受波整送部を接するための切換え選択を行う。この受信の振動子選択も送波時と同様に同心円のリング状振動子群を形成するが、その詳細は後ほど説明する。この振動子切換え選択と共に、受波整送部70に対する受信遅延時間の制御を行う。

0019

これによって被検体内の浅い部位から深い部位へと超音波が伝播して行くにつれて生ずるエコーが受信され、各受信遅延回路から出力されたエコー信号は受波整送部70の加算回路で加算され、受信ビームのエコー信号となって信号処理部80へ出力される。信号処理部80は、入力したエコー信号に対し前述の処理を行いDSC90へ処理後の信号を出力する。DSC90は入力した信号をメモリへ記憶し、表示装置100へ表示の同期信号に対応して記憶内容読み出して出力する。以上の動作が終了すると、CPU200は超音波の送受信方向を変更して2回目、3回目、…というように順次超音波の送受信方向を変更して上記動作を繰り返す。

0020

この送受信の繰り返しにおいて、超音波ビームは配列振動子面の所定位置を円錐頂点とするように常に基点となるように多数方向へ変更される。この結果、被検体内を超音波ビームは3次元セクタスキャンすることになる。

0021

次に、本発明における超音波送受信の際の振動子選択状態を詳細に説明する。図3は2次元探触子10に内蔵された2次元配列振動子20の中央に送受信の超音波ビームを形成する模式図を示している。図3(a)、図3(b)に示す同心円は、この同心円状の振動子が群として選択されることを示している。つまり、各同心円境界として、各同心円に挟まれた領域に存在する振動子群には同一の遅延時間を付与される。図3(a)において扇状直線群はリング状に選択された各リング状振動子群から放射された超音波がF点(フォーカス点)で収束する状態、及び点Fから反射した超音波が各リング状振動子群へ向かう状態を示している。なお、図3(b)では2次元配列振動子の数を直交するX方向とY方向とに7×7=49個で示してあるが、診断用には縦、横の両方向に64×64=4,096個程度の配列を成すもので、リング状に選択される素子群はもっと微細に数多くの同心円を描くことになる。なお、F点から一つのリングを形成する各振動子までの距離は、リングの内周に位置する振動子までの距離と、リングの外周に位置する振動子までの距離とで若干の相違が生じる。したがって、リングの内周に位置する振動子とリングの外周に位置する振動子とに同一の遅延時間を与えるには、リングの内周と外周の径の差に限界を設けた方が好ましい結果を得られることとなる。

0022

このリングの内周と外周の径の差が大きいと、超音波の位相の問題がクローズアップされてくることになる。すなわち、リング状振動子を形成する複数の振動子の入出力ラインはスイッチング回路によって束ね状態共通接続)とされるため、リング状振動子のリング幅が広いと、送波フォーカスが甘くなり、また受波エコーの相殺現象が生じてしまう。つまり、整相の精度が低下することとなる。特に、受波時に被検体内からのエコーが振動子面へ斜め方向から帰ってくる場合には、リング内周側振動子リング外周側振動子において受信エコー位相差があるため、それらのエコーが逆位相となるほどのリング幅の場合には、それらの振動子の出力が束ね加算されることでエコー信号の低下をきたす。この影響を少なくするためには、リングの幅をエコー信号の少なくとも1/4波長以下、さらに望ましくは1/8波長程度にすると良い。

0023

次に、超音波ビームを振動子面に対し斜め方向へ振る場合について説明する。図4の例は、超音波ビームを配列振動子面に対し斜め方向に振る際の素子群の選択状態を示している。図4(a)及び図4(b)に示す同心円は、この同心円上の振動子が群として選択されることを示している。各同心円を境界として、各同心円に挟まれた領域に存在する振動子群には同一の遅延時間を付与される。上記図3に示す例では中央のリングが配列振動子面内に位置しているが、超音波ビームが振動子面と成す角度が大きくなると、図4に示すようにリングの中心が配列振動子面の端面または配列振動子面内からはみ出すようにリング状振動子群を選択することになる。

0024

フォーカス点Fから2次元配列振動子面へ下した垂線の位置にある振動子群に最大の遅延時間を与え、その外周に位置する振動子群へ順次最大の遅延時間より短い遅延時間を与え、それらの各振動子群へフォーカス点Fと配列振動子面との距離に応じた遅延時間を制御すると、超音波ビームを振動子面へ垂直方向に形成することができる。したがって、上記超音波ビームを超音波の送受信サイクル毎に移動することでリニアスキャンを実行することができ、同心円状の振動子選択状態を2次元配列振動子面上でX方向とY方向との2方向へ順次移動することにより、超音波ビームを2次元走査でき、これにより被検体内を3次元リニアスキャンすることができる。

0025

なお、図3(b)と図4(b)とを比較すると、同心円の数が相違するようになるので、遅延時間を設定または制御する整相回路の数(チャンネル数)は設定される同心円の最大数同数を必要とする。

0026

次に、本実施形態におけるセクタスキャンの送受信原理を次に説明する。通常、セクタスキャンは、複数のビームが広げた扇の骨のようになる。図1は扇の中心線方向へ超音波ビームを形成する場合、すなわち図2を側面方向から見た図を示す。超音波ビームの送信は、図1(a)に示すように、2次元配列振動子20の同心円の中心に有る振動子を通り2次元配列振動子面へ垂直な直線BL1上の所定の点をフォーカス点Ftとなるように各同心円上の素子群毎に所定の遅延時間を与えて超音波の送信を行う。すると、各振動子群から超音波がそのフォーカス点Ftへ同位相で到達するように順次放射される。そして、体内を超音波が伝播する過程で、音響インピーダンスの異なる組織が存在すると、超音波の一部が反射し、探触子方向へ反射波(エコー)として戻ってくる。このエコーを図1(b)に示すように複数の同心円状振動子群で受信する。この受信に際し、リング状振動子の選択状態を固定して、各振動子群の出力信号(エコー信号)には受波整相部70により扇の中心に位置する直線BL1上の浅い位置から深い位置へ順次受信フォーカス点Frを移動するように遅延時間をダイナミックに変更する。この受信時には受波フォーカス点Frを直線BL1上で深さが深くなる方向へ移動するように遅延時間が制御される。また、上記したように、当然にセクタスキャンを行うには超音波ビームを扇形に振る必要がある。この超音波ビームを振動子配列面に対し傾斜させることを、本発明では以下に説明するように同心円の選択パターンを移動することで対応する。

0027

ビームを扇の中心方向から偏向させる場合の送受信について図2を用いて説明する。図2(a)に示すように配列振動子の中心からずれた位置にある送波フォーカス点Ftへ超音波が同時(同位相で)に到達するように各振動子群へ遅延時間を与えるのは上記と同様であるが、この時に、同心円状振動子群の選択が上記とは異なる。すなわち、この場合は図2(a)に示すように送波フォーカス点Ftから配列振動子面へ下した垂線Lが配列振動子面と交わった位置を同心円の中心として、同心円の振動子群を選択する。この際に、フォーカス点Ftの位置によって、フォーカス点Ftから配列振動子面へ下した垂線がL1のように配列振動子から外れることもある。これによって、各振動子群から放射された超音波は同時に送波フォーカス点Ftへ同時に到達する。

0028

この送波により生ずるエコーの受信は図2(b)に示すように行われる。受信ビームの方向は受波フォーカス点Frと2次元配列振動子20の中心とを結ぶ直線BL2として配列振動子面へ傾斜して設定され、この受信ビームラインBL2上で受波フォーカス点Frをダイナミックに移動する。今、図2(b)の位置に受波フォーカス点Frを想定すると、この受波フォーカス点Frから反射したエコーを受信するために形成される同心円状振動子群の選択は、受波フォーカス点Frから振動子面へ下した垂線L1が振動子面と交差した点を中心として行われる。送波された超音波が被検体内を進行するにつれて、受波フォーカス点が受信ビームラインBL2上を深い方向へ移動するが、受信ビームラインBL2が配列振動子面に対し傾斜しているので、受波フォーカス点Frから配列振動子面へ下した垂線が振動子面と交わる点は振動子面上で図示では右方向へ移動し、垂線もL3のように移動する。この受波フォーカス点Frの移動につれて、同心リング状振動子群の選択も移動される。このように、受波フォーカス点Frを移動することで、セクタスキャンの斜め方向の1受信ビームが形成される。そして、この受信ビーム方向を送受信サイクル毎に所定角度ずつ変更することでセクタスキャンが行える。また、前記扇の中心方向と、上記傾斜方向を円錐の頂部の立体角内での多数方向とに設定して超音波走査を行えば、被検体内を3次元的にセクタスキャンすることができる。

0029

2次元探触子を用いて被検体内を3次元スキャンする場合、診断に供し得る3次元像を取得するには、超音波ビーム数が非常に多くなる。このため、一つの3次元像を得るために長い計測時間を要することとなる。この計測時間を短縮するために本発明が採用する方策を次に説明する。図5は本発明における振動子と受信整相部との接続を示すブロック図である。なお、図面では一列分のみの振動子に対する構成を表わしているが、実際には2次元的に構成されるものである。

0030

図5において、20は前述の2次元配列振動子で、直交する2方向へM×N個の振動子が配列されたもの、30−1,30−2はスイッチング回路で振動子と受波整相部内の整相回路との接続のオンオフ及び接続先の切換えを行うもの、70−1,70−2は受波整相部A及び受波整相部Bで、M×N個の振動子にて受信した被検体内からのエコー信号を入力し、各々が所定方向の超音波ビーム信号を形成して出力するものである。

0031

ここでスイッチング回路30‐1及び30−2は、各々が2次元配列振動子20に対し一つの多重リング状振動子群を形成するように2次元配列振動子20と受波整相部A,Bとの選択接続を行う。選択される二つの多重リング振動子群は、その中心が微小距離だけ離される。したがって、受波整相部A70−1とB70−2との双方へ共通接続される振動子が多数存在することとなる。そして、受波整相部A70−1と受波整相部B70−2との2つの整相部は各々が相手に対し微小に異なる方向の超音波ビームを形成するように、各々の回路の遅延時間が設定され、制御される。ここで受波整相部A70−1及び受波整相B70−2は各々No.1〜No.ZまでのZ個(Zチャンネル)の遅延回路を有している。Zは前述の2次元配列振動子が選択される同心円の最大数に等しい数である。

0032

スイッチング回路30−1及び30−2の各々には図5(b)に示すようなスイッチング素子SW1n、SW2nがM×Z個のマトリックス状に設けられ、M×N個の2次元配列振動子の各々が整相回路Aにおける1〜Zチャンネルまたは整相回路Bにおける1〜Zチャンネルのいずれかの整相回路へ接続可能となっている。

0033

受波整相部A70−1及び受波整相部B70−2には図8に示す制御部200から制御信号が供給され、それにより各チャンネルの遅延時間設定または遅延時間制御が行われ、またスイッチング回路30−1,30−2には制御部200からの制御信号に基いてスイッチ制御部40から制御信号が入力され、振動子を同心円状に選択的に受波整相部へ接続する。ここで、遅延時間の制御パターンと振動子の選択パターンは、予め制御部200に内蔵されたROM(Read Only Memory)へ記憶されたデータによって設定される。

0034

図6図5に記載した構成による受信動作の説明図である。図6は二つのリング状振動子の各々からある特定の径以下の部分を抜き出して記載している。すなわち、受波フォーカスFr1を形成するリング状振動子TR1と受波フォーカスFr2を形成するリング状振動子Tr2とが接近して選択され、リング状振動子TR1の出力は受波整相部A70−1へ出力され、リング状振動子TR2の出力は受波整相部B70−2へ出力される。受波フォーカスFr1とFr2がダイナミックに移動されることは図2で説明したことと同様である。

0035

本実施形態は、1回の送信によって複数の受信ビームを得れば超音波走査の時間短縮を図ることができると言う公知の技術思想に基づくものであるが、2次元配列振動子に対し多重リング振動子群を選択形成してセクタスキャンするが故の課題を以下の如く解決している。1回の送信によって複数の受信ビームを得るには、上記したように二つのリング状振動子群を選択形成するが、このとき両方のリングに含まれて選択される振動子が生ずる。一つのリングを形成する振動子群は全て同一に遅延時間を与えられるが故に共通接続されるが、二つのリングに共通に含まれる振動子が1個でも存在すると、この共通に選択される振動子を介して二つのリングを形成する振動子群が全て共通接続されてしまうことになる。

0036

これを防止するための回路構成図7に示す。図7は二つのリングに共通して選択される振動子の接続を説明するための簡略図である。今リングA201とリングB202の二つにおいて、振動子素子101及び102が図7(b)に示すような位置にあるものとすると振動子素子101はリングA201とリングB202の両方に含まれ、振動子素子102はリングBにのみ含まれる。したがって、振動子素子101の出力は、例えば受波整相部A70−1とB70−2との双方へ出力され、振動子素子102の出力は受波整相部B70−2へのみ出力されねばならない。この出力のための振動子と整相回路との接続を行う回路構成を図7(a)に示す。図7(a)において、301a,302a,303a,304aは電子スイッチ、301b,302b,303b,304bはダイオードであり、電子スイッチのオン/オフ信号はCPU200から供給される。

0037

今、受信時のある時刻図7(b)に示すように二つのリング状振動子で超音波を受信し、二つの受信ビームを形成するとすると、CPU200はリングA201とリングB202との両方のリングに含まれる振動子素子101の出力ラインに接続された電子スイッチ301aと302aを閉路する信号を各スイッチへ出力し、またリングB202にのみ含まれる振動子素子102の出力ラインに接続された電子スイッチ303aを閉路する信号を出力する。この結果、振動子素子101からのエコー信号は電子スイッチ301a,ダイオード301bの回路から受波整相部A701へ、また電子スイッチ302a、ダイオード302bの回路から受波整相部B702へ入力される。他方、振動子素子102からのエコー信号は電子スイッチ303a、ダイオード303bの回路から受波整相部B702へ入力される。

0038

以上、本発明を代表的な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で種々変形することは可能である。例えば、2次元配列振動子がM×N個である場合、全ての振動子を用いるのではなく図9に示すように、全振動子から所定の素子を間引いて選択し、例えば黒塗りの素子を選択して駆動するようにしてもよい。この間引きを行うことによりスイッチ数を少なくすることができる。また上記実施形態の説明ではリングの幅を等しくしたが、これに限定されるものではない。さらに1回の送信について2本の受信ビームを得る実施形態を上記で説明したが、受信ビームの本数はさらに増加することも可能であることは言うまでもない。

発明の効果

0039

以上説明したように本発明によれば、探触子の2次元配列振動子へ複数のリング状振動子を形成し、各リング状振動子には同一の遅延時間を与えて送受信するようにしたので、少ない数の整相回路でセクタスキャンを行うことができ、かつ全ての振動子を送受信に寄与させるのでS/Nの良い画像を得ることができる。また本発明によれば、2次元探触子を用いて3次元セクタスキャンを行うことができる。さらに、1回の送信に対し複数の受信ビームを得るので3次元セクタスキャンを高速で行うことができる。

図面の簡単な説明

0040

図1本発明の一実施形態により扇の中心線方向へ超音波の送受信を行う動作説明図。
図2本発明の一実施形態により扇の中心から外れた方向へ超音波の送受信を行う動作説明図。
図3本発明の一実施形態により扇の中心線方向へ超音波の送受信を行う際のリング状振動子の選択状態を示す図。
図4本発明の一実施形態により扇の中心線方向から外れた方向へ超音波の送受信を行う際のリング状振動子の選択状態を示す図。
図5一回の受信で複数方向の受信ビームを得る実施形態の装置の要部構成を示す図。
図6図5に示す構成における受信動作を説明する図。
図7図6において二つのリング振動子に共通で含まれる振動子が生ずる場合の振動子と受波整相部との接続を説明する図。
図8本発明の一実施形態による超音波診断装置の全体構成を示すブロック図
図9本発明のその他の実施形態における振動子の選択状態を説明する図。

--

0041

10…2次元探触子
20…2次元配列振動子
30…スイッチング回路
40…スイッチ制御部
70…受波整相部
Ft…送波フォーカス点
Fr…受波フォーカス点

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