図面 (/)

技術 溶銑脱燐処理方法

出願人 新日鐵住金株式会社
発明者 井本健夫北村信也佐々木直人
出願日 2000年3月31日 (20年10ヶ月経過) 出願番号 2000-096316
公開日 2001年10月10日 (19年4ヶ月経過) 公開番号 2001-279317
状態 拒絶査定
技術分野 銑鉄の精製;鋳鉄の製造;転炉法以外の製鋼 炭素鋼又は鋳鋼の製造 炭素鋼又は鋳鋼の製造
主要キーワード 寄与係数 計算評価 排ガス測定装置 モニター情報 初期組成 原料使用量 排ガス情報 初期スラグ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2001年10月10日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (3)

課題

転炉型精錬炉による脱燐処理における終点時の燐分配比のばらつきを低減して生石灰などの副原料コストの削減や処理時間の短縮を実現する。

解決手段

転炉型精錬容器排ガス成分および排ガス流量を連続的に測定すると共に、炉内へ供給された酸素源副材料のマスバランスからスラグ中酸素ポテンシャルを連続的に計算し、計算値に基づいて送酸条件、底吹き撹拌条件、副原料の供給量または供給タイミングの少なくとも1条件以上を決定すると共に、処理溶銑1tあたりの送酸速度を140Nm3/hr以下としつつ排ガス測定位置における系外ガス侵入量炉内発生ガス量の80容量%以下に抑制し、脱燐のための送酸時間を16分以内の範囲とする。

概要

背景

溶銑予備処理における脱燐反応は、高炭素低温での反応を利用できることから、鋼中Pの活量係数が大きく、酸化発熱反応が有利に進行するため、溶鋼段階脱燐よりも反応を有利に進めることができるが、一方で、脱燐反応と並行して脱炭反応も進行することから、スラグメタル界面におけるCO気泡の生成に起因するフォーミング操業性阻害する問題点があった。

従来、主に脱炭精錬を目的に用いられてきた転炉は、脱炭時に発生する激しいスプラッシュにも対応できるように装入物体積の5〜10倍の炉容で設計されていることから、フォーミングによる操業阻害に対しては比較的操業裕度があり、溶銑脱燐専用炉としても用いられるようになってきた。転炉を用いた溶銑脱燐処理の例としては、特開昭63-195209号公報に示されるような、脱燐処理終了後に溶銑を一旦出銑して異なる脱炭用転炉で脱炭処理する方法や、特開平7-242922号公報に見られるような、脱燐処理終了後に一旦排滓を行い、同一転炉で脱炭処理を施す方法などが挙げられる。

概要

転炉型精錬炉による脱燐処理における終点時の燐分配比のばらつきを低減して生石灰などの副原料コストの削減や処理時間の短縮を実現する。

転炉型精錬容器排ガス成分および排ガス流量を連続的に測定すると共に、炉内へ供給された酸素源副材料のマスバランスからスラグ中酸素ポテンシャルを連続的に計算し、計算値に基づいて送酸条件、底吹き撹拌条件、副原料の供給量または供給タイミングの少なくとも1条件以上を決定すると共に、処理溶銑1tあたりの送酸速度を140Nm3/hr以下としつつ排ガス測定位置における系外ガス侵入量炉内発生ガス量の80容量%以下に抑制し、脱燐のための送酸時間を16分以内の範囲とする。

目的

本発明は、溶銑脱燐処理の終点P濃度のばらつきを低減し、生石灰などの副原料使用量の削減や処理時間の短縮を実現することのできる溶銑脱燐処理方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

転炉型精錬容器排ガス成分および排ガス流量を連続的に測定すると共に、炉内へ供給された酸素源副材料のマスバランスからスラグ中酸素ポテンシャルを連続的に計算し、計算値に基づいて送酸条件、底吹き撹拌条件、副原料供給量または供給タイミングの少なくとも1条件以上を決定すると共に、処理溶銑1tあたりの送酸速度を140Nm3/hr以下としつつ排ガス測定位置における系外ガス侵入量炉内発生ガス量の80容量%以下に抑制し、脱燐のための送酸時間を16分以内の範囲とすることを特徴とする溶銑脱燐処理方法。

請求項2

処理終了後の溶銑中炭素濃度:[C]≧3.5質量%、スラグ中酸素ポテンシャル:5〜15質量%にコントロールすることを特徴とする請求項1記載の溶銑脱燐処理方法。

請求項3

処理前または処理中の炉内スラグの酸素ポテンシャルを少なくとも1回以上測定することを特徴とする請求項1または2記載の溶銑脱燐処理方法。

技術分野

0001

本発明は、溶銑脱燐処理を上吹き転炉上底吹き転炉、底吹き転炉、AODなどの転炉型精錬容器で実施する際の炉内反応をモニターし制御する溶銑脱燐処理方法に関する。

背景技術

0002

溶銑予備処理における脱燐反応は、高炭素低温での反応を利用できることから、鋼中Pの活量係数が大きく、酸化発熱反応が有利に進行するため、溶鋼段階脱燐よりも反応を有利に進めることができるが、一方で、脱燐反応と並行して脱炭反応も進行することから、スラグメタル界面におけるCO気泡の生成に起因するフォーミング操業性阻害する問題点があった。

0003

従来、主に脱炭精錬を目的に用いられてきた転炉は、脱炭時に発生する激しいスプラッシュにも対応できるように装入物体積の5〜10倍の炉容で設計されていることから、フォーミングによる操業阻害に対しては比較的操業裕度があり、溶銑脱燐専用炉としても用いられるようになってきた。転炉を用いた溶銑脱燐処理の例としては、特開昭63-195209号公報に示されるような、脱燐処理終了後に溶銑を一旦出銑して異なる脱炭用転炉で脱炭処理する方法や、特開平7-242922号公報に見られるような、脱燐処理終了後に一旦排滓を行い、同一転炉で脱炭処理を施す方法などが挙げられる。

発明が解決しようとする課題

0004

転炉型精錬容器による溶銑脱燐に対しては、通常生石灰系のフラックスを添加して塩基度とスラグボリュームを確保すると共に、スラグ中酸素ポテンシャルを適正なレベルに維持することが重要になる。しかし、溶銑予備処理を伴わない直送銑を脱炭炉内で吹錬して脱炭と脱燐を一工程で処理するいわゆる普通銑操業では、鋼中の炭素がおおむね0.5質量%以下の領域で主として脱燐反応が進行するのに対して、溶銑予備処理における脱燐反応は炭素濃度が4質量%程度の高炭素域で進行させるものであり、溶銑中の炭素がスラグメタル界面においてスラグ中の酸素と反応し、スラグ中酸素の還元反応が進行することから、スラグ中の酸素濃度を適切なレベルに維持するためには、上吹き酸素や鉄鉱石などの酸素供給、底吹き撹拌力の微妙なコントロールが必要となる。しかし、通常の操業では、溶銑成分や温度、チャージ毎の炉形状の変動などによってスラグの滓化速度や組成が大きくばらつき、脱燐処理に求められるP濃度上限値に対してばらつきを考慮した過剰処理が必要になることから、生石灰などの副原料使用量の増大や処理時間の延長などコスト的な上昇を招いている。

0005

溶銑脱燐反応の終点時のばらつきを抑制するためには、スラグ中の酸素ポテンシャルをチャージ毎に連続的にモニターして、目標の酸素ポテンシャルになるように送酸条件や撹拌条件を決定し、副原料投入を行うことが有効である。このようなスラグ中酸素ポテンシャルのモニターを行うためには、炉内への酸素源実績供給量排ガス流量と成分のマスバランスからモニターする手段の適用が考えられる。特開昭61-159520号公報には、溶銑予備処理による脱燐を行わない直送銑に対して普通銑操業を行い、排ガスマスバランスより吹き止め時のP,Mn濃度のばらつきを低減する例が記載されている。しかし、溶銑脱燐処理に対して、マスバランスによるスラグ中酸素ポテンシャルのモニターを行うための適正条件はこれまで見いだされていなかった。また、モニターを行ったときの適切な狙い範囲も全く不明であった。

0006

本発明は、溶銑脱燐処理の終点P濃度のばらつきを低減し、生石灰などの副原料使用量の削減や処理時間の短縮を実現することのできる溶銑脱燐処理方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

上記課題を解決するための手段である本発明は、以下の通りである。

0008

転炉型精錬容器の排ガス成分および排ガス流量を連続的に測定すると共に、炉内へ供給された酸素源と副材料のマスバランスからスラグ中の酸素ポテンシャルを連続的に計算し、計算値に基づいて送酸条件、底吹き撹拌条件、副原料の供給量または供給タイミングの少なくとも1条件以上を決定すると共に、処理溶銑1tあたりの送酸速度を140Nm3/hr以下としつつ排ガス測定位置における系外ガス侵入量炉内発生ガス量の80容量%以下に抑制し、脱燐のための送酸時間を16分以内の範囲とすることを特徴とする溶銑脱燐処理方法。

0009

の方法において、処理終了後の溶銑中炭素濃度:[C]≧3.5質量%、スラグ中酸素ポテンシャル:5〜15質量%にコントロールすることが望ましい。

0010

,の方法において、処理前または処理中の炉内スラグの酸素ポテンシャルを少なくとも1回以上測定することが望ましい。

発明を実施するための最良の形態

0011

本発明の実施の形態を図1に従って説明する。この図は、溶銑脱燐処理中の転炉を模式的に示したものである。

0012

転炉1内に溶銑2が装入されており、上吹きランス3より酸素ガス4を吹酸しつつ、底吹き羽口5より撹拌ガス6を導入する。上吹きランス3および底吹き羽口5から炉内に導入された酸素は、溶銑中のP、Fe、Mn、Siを酸化させることによってそれぞれP2O5、FeO、MnO、SiO2を生成してスラグ7中に分離させると共に、溶銑中のCと反応して炉内でCOとCO2の混合ガスとして排気ダクト8を介して排気ガス処理系(図示しない)に排出される。このとき、排気ダクト8内の排ガス流量および組成が排ガス測定装置9で連続的に測定される。脱燐処理に対して必要な生石灰や鉄鉱石などの副原料は、適宜炉上ホッパー10より炉内に添加される。

0013

図中11,12で示した矢印はそれぞれ排気ファン吸引方向炉外空気の侵入方向であり、炉内で発生するCOガスダストが系外に排出するのを回避するために排気ファンの設定吸引流量は炉内の最大発生ガス流量よりも大きく設計されている。

0014

脱燐反応を効率よく進めるためには、スラグ中の酸素活量を適切な範囲に維持することが必要である。即ち、酸素活量が低すぎるときには、スラグのフォスフェイトキャパシティーが低く、脱燐反応の駆動力が小さいことから比較的長い処理時間の確保や生石灰などの副原料の多量使用が必要になる一方で、酸素活量が高すぎるときには、溶銑との脱炭反応が過剰になることによるスロッピング発生耐火物溶損速度の上昇に繋がる。

0015

しかし、スラグ中の酸素活量は、スラグ組成溶銑温度、圧力、溶銑成分、ガス成分によって規定されるが、非平衡反応である溶銑脱燐処理における酸素活量を正確に評価することは困難である。本発明者らの調査の結果、炉内酸化反応によって生成するP2O5、FeO、MnO、SiO2のうち、酸化物質として安定なSiO2はスラグ中の酸素活量には支配的でなく、残部のP2O5、FeO、MnOの形でスラグ中に取り込まれた酸素と、前チャージキャリーオーバースラグ中のP2O5、FeO、MnO中の酸素の合計濃度がスラグ中の酸素活量を良く表すことが分かっているため、これらの酸素濃度の合計を酸素ポテンシャル(質量%)として、前チャージからのキャリーオーバースラグ量と組成や、転炉内へ装入した生石灰の重量などから炉内のスラグ重量Ws(kg)を評価し、炉内への送酸量、排ガス情報からマスバランスを計算してスラグ中の酸素ポテンシャルの経時変化リアルタイムで評価する。また、処理前溶銑の炭素濃度から、排ガスによって積算される脱炭消費分を差し引くことによって溶銑中の炭素濃度についてもリアルタイムで計算評価することができる。このようにして求めたスラグ中酸素ポテンシャルと溶銑中の炭素成分に基づいて、望ましい溶銑成分、スラグ酸素ポテンシャルにコントロールするための制御を行う。

0016

具体的な制御の手段としては、送酸条件(ランス高さ、送酸量、ガス混合比複数ノズルからのガス流量比)、底吹き撹拌条件(撹拌ガス流量、ガス種類)、副原料の供給量または供給タイミングがある。連続判定されるスラグ酸素ポテンシャルを高くする場合、送酸条件としては、ランス高さ上昇によるソフトブロー化、送酸量増加、CO2混合などによる火点冷却、複数ノズルからの噴出ガス合体を防止するランスパターンの選択等、底吹き撹拌条件としては、撹拌ガス流量低下、溶銑中への溶解度の高いガス混合比の増加等、副原料投入としては鉄鉱石などの酸化副材の投入などによって酸素ポテンシャルを高めることができる。一方、連続判定されるスラグ酸素ポテンシャルを低くする場合、送酸条件としては、ランス高さ下降によるハードブロー化、送酸量低下、COガスなどの還元性ガスの混合、複数ノズルからの噴出ガスの合体を促進するランスパターンの選択等、底吹き撹拌条件としては、撹拌ガス流量増加、溶銑中での膨張率の高いガス混合比の増加等、副原料投入としては炭材アルミなどのスラグ脱酸材の投入などによって酸素ポテンシャルを低めることができる。

0017

また、上吹きと底吹きを合わせた送酸速度は、処理溶銑1tあたりの送酸速度を140Nm3/hr以下とし、かつ、排ガス測定位置における系外ガスの侵入を炉内発生ガスの80容量%以下に抑制し、送酸時間は16分以内の範囲とすることが必要である。送酸速度を140Nm3/hr以下にするのは、それを超す送酸速度にした場合、通常塩基度が1〜2程度で行われる脱燐スラグのフォーミングが激しくなり操業が困難になるためである。系外からの侵入量を炉内発生ガスの80容量%以下に抑制するのは、侵入ガスが発生ガスの80容量%超になると排ガス起因の測定誤差が大きくなるためである。また、送酸時間を16分以内とするのは、鋼中炭素濃度やスラグ酸素ポテンシャルの積算に伴う誤差が大きくなり、精度的な問題点が発生するのを防ぐためである。

0018

また、脱燐処理終了時点における炭素濃度を3.5質量%以上確保しつつ、酸化鉄酸化マンガン酸化燐として含まれる酸素の濃度は5〜15質量%になるようにコントロールすることが望ましい。炭素濃度が3.5質量%未満ではPの活量係数の低下に起因すると考えられる反応停滞が見られ、また、酸素ポテンシャルの代表指標である酸化鉄、酸化マンガン、酸化燐として含まれる酸素の濃度が5質量%未満では十分な脱燐の分配比が得られず、15質量%超では溶銑とスラグ中酸素の反応が激しく、スロッピングを発生することから安定な操業が確保できないためである。

0019

前述の説明では、処理中の溶銑成分、添加材などの条件から、酸素ポテンシャルをFeO,MnO,P2O5に含有される酸素の合計濃度で表しているが、例えば高クロム溶銑の脱燐時には酸素活量に大きな影響を与えるCr2O3なども考慮する必要があるし、ここにに含有される酸素が酸素活量に対して等価に見なし得ない場合もあることから、酸素ポテンシャルの定義としては、溶銑脱燐処理においてスラグ中に1質量%以上含まれる金属酸化物の内、SiO2より標準生成自由エネルギー(△G゜)の大きい(即ち還元されやすい)酸化物に含まれる酸素を酸化物毎に係数を設けるなどして酸素活量に代用できる指標とする。

0020

また、前述のごとく、スラグ中酸素ポテンシャルは、前チャージからのキャリーオーバースラグの影響を受ける他、操業中の酸素ポテンシャルの積算計算誤差が発生することから、実測値により計算値との誤差を補正して再計算を行うことが精度向上のためには有効である。このための分析手法としては、ジルコニア等の酸素濃淡電池によるFeO活量測定値に基づいて求めたオンライン酸素ポテンシャル測定や、鉄と鋼Vol.85(1999)No.2,86頁に示されるようなオンサイト迅速蛍光X線分析法などに基づいた測定を少なくとも1回以上行うことが有効である。精度向上のためには、実測をできるだけ多く行うことが有効となるが、測定のためのサブランス分析コストが必要で、一回の測定に数分を要することから、通常20分以内に行われる転炉型精錬容器による溶銑脱燐処理においては1〜5回の測定が好ましい。

0021

350t上底吹き転炉による試験操業を行った。

0022

表1に試験操業において用いた処理前溶銑の成分範囲を示す。この組成の溶銑を転炉吹酸する場合、吹錬初期優先的にSiが酸化されて以後無視できる濃度まで低下すると共に生成したSiO2がスラグに移動することが分かっているため、処理前溶銑成分から予想されるSiO2発生量に対してCaO/SiO2(kg/kg)が1.2になる分量の生石灰を吹錬初期に添加して初期スラグ重量を計算し、Siの燃焼に見合う酸素分はスラグ中の酸素ポテンシャルには含まれないとして差し引き、排ガスとなって排出される酸素との残差がスラグ中の酸化鉄、酸化マンガン、酸化燐として含まれる酸素として評価し、この濃度を酸素ポテンシャル(質量%)として評価した。即ち、
酸素ポテンシャル(質量%)=(積算送酸量(kg)−排カ゛スからの排出酸素量(kg)−Si酸化酸素量(kg))/スラク゛重量Ws(kg)×100
とした。ここで、酸素ポテンシャルの代表値は酸化鉄、酸化マンガン、酸化燐で評価したが、前述のように、鋼種の違いによるメタルの成分や副原料の違いにより、考慮する酸化物およびその酸化物の酸素ポテンシャルに対する寄与係数等は当業者が適宜選択するものである。

0023

0024

本実施例では、前チャージにおける残留スラグの排滓除去を徹底して行ったために、初期の溶銑Si濃度と添加生石灰のみで初期スラグ量を
初期スラグ重量(kg)=溶銑重量(kg)×Si濃度(mass%)/100×SiO2分子量/Si分子量+CaO投入重量(kg)
と評価したが、前チャージスラグ混入や、耐火物保護のためのドロマイト添加などを行うときは、その影響分を考慮した初期組成を設定することは当業者が適宜なし得ることである。また、Wsの経時変化は溶銑中のFe,Mn,Pが代表的な割合で酸化、還元されてステップ毎スラグ重量が変化するものとして逐次計算評価した。

0025

また、排ガス測定装置位置におけるガスには系外からの侵入空気が存在するが、空気中の酸素と窒素の割合は21:79で一定と見なせるため、排ガス測定位置で検出される窒素濃度の21/79は系外からの侵入分として炉内からの排出酸素分からキャンセルしたが、系外からの侵入空気が炉内発生ガスの80容量%を超える領域では、排ガスダクト内の混合不良と考えられる測定誤差が大きくなることが判明したため、侵入空気の割合が80容量%を超えないように排気ファンの吸引量を適宜調整して操業を行った。本実施例では、脱燐処理時間は12〜14分の範囲で、送酸速度は35000Nm3/h(処理溶銑1tあたり100Nm3/h)とした。処理終了時の酸素ポテンシャルが5〜15質量%の範囲になるように目標を設定し、酸素ポテンシャルが目標値よりも小さくなると予測された場合には鉄鉱石を添加し、また、酸素ポテンシャルが目標値を超えると予想された場合には底吹き撹拌力を増加させてコントロールを行った結果、目標とする酸素ポテンシャル範囲からの外れは発生しなかった。また、処理中の溶銑中の炭素濃度は3.5質量%を下限値として、モニター情報より下限値以下になることが予想された場合には炭材をホッパーより添加して調整した。

0026

図2には、処理終了後の溶銑成分とスラグ成分分析値より求めた燐分配比(スラグ中P濃度(質量%)/溶銑中P濃度(質量%))を縦軸に、スラグの分析値より求めた実績の酸素ポテンシャル代表値(酸化鉄、酸化マンガン、酸化燐として含まれる酸素濃度)を横軸にして本発明の結果(12ch分 ●印)と初期配合のみ決定して吹錬を行った従来操業の結果(12ch分 ○印)を示した。酸素ポテンシャルモニターを行っていない従来操業では処理後の酸素ポテンシャルが2〜17%(標準偏差=4.6)にばらついたのに対して、ROモニターを実施した本発明では全チャージにおいて目標の5〜15%(標準偏差=2.5)の範囲に制御できており、燐分配比>100が達成できた。また、従来法では、炭素濃度モニターを行っていないため、終点の炭素濃度が目標値の3.5質量%を下回っているチャージが2chあり、酸素ポテンシャル値が目標の範囲ではあるが燐分配比が低下している。これは、C濃度の低下によって溶銑中のP活量が低下したために分配比が低下したものと考えられる。また、従来法では酸素ポテンシャル値が15質量%を超えたチャージがあるが、このときはスロッピングが激しくなり、途中で吹錬を停止したため十分な燐分配比の確保ができなかった。

0027

また、更なる酸素ポテンシャルの判定精度向上を目的とした試験において、処理開始初期のスラグを採取して得た分析値から得られる酸素ポテンシャルの測定値に基づいて、スラグ採取時点における計算酸素ポテンシャル値を補正し、分析スラグ採取時間以降の操業中の排ガス濃度と流量、上吹きおよび底吹きガス流量と組成情報、添加副原料の種類や投入量、タイミングをレコーダーに記録して、オフラインで操業中の酸素ポテンシャル変化をシミュレートした結果、同一処理条件においても処理後の酸素ポテンシャル値のばらつきを標準偏差で1.8質量%程度まで低減できることが分かった。

0028

本発明によって、スラグへの燐分配比を高位に安定的に維持できるようになることから、ばらつきを見越した生石灰投入量の増大や処理時間の延長、成分外れ時の再処理率の低減等コスト削減、処理時間短縮の両面で大きなメリットが得られることが確認できた。

発明の効果

0029

本発明によって、転炉型精錬容器における脱燐処理の燐分配比を安定的に高位に維持できることから、生石灰などの副原料コストを削減でき、また処理時間の短縮が可能になり、低コスト高生産性の確保が可能になる。

図面の簡単な説明

0030

図1本発明を実施するための装置の例を模式的に示す図である。
図2本発明の実施の結果得られた燐分配比を従来法と比較して示す図である。

--

0031

1転炉
2溶銑
3 上吹きランス
4酸素ガス
5 底吹き羽口
6撹拌ガス
7スラグ
8排気ダクト
9排ガス測定装置
10 炉上ホッパー
11排気ファンの吸引方向
12炉外空気の侵入方向

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 日本製鉄株式会社の「 上吹きランス及び上吹きランスの被覆方法」が 公開されました。( 2020/12/17)

    【課題】ランス本体部の外表面への地金の付着を抑制することが可能な上吹きランス及び上吹きランスの被覆方法を提供すること。【解決手段】本発明に係る上吹きランスは、水冷式の上吹きランスであって、ランス本体部... 詳細

  • ナラシムハルト、プラカシュクマルの「 水平炉における粒状化液体スラグの処置のための装置」が 公開されました。( 2020/12/17)

    【課題・解決手段】炭素質材料の存在下で、溶融液体または液体スラグから主にH2、COおよび粒状固体物を連続的に生成することを容易にするための、ガス化炉の設計およびプロセス方法に対する改善。炉の長い水平反... 詳細

  • 日本製鉄株式会社の「 転炉排ガス処理装置」が 公開されました。( 2020/12/17)

    【課題・解決手段】耐久性に優れ、且つ、ダスト、スラグ、地金などの影響を受けずに安定したスカートの上下動が可能であり、メンテナンスの省力化及び生産性の向上を可能とする転炉排ガス処理装置を提供する。転炉炉... 詳細

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ