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技術 熱転写フィルム

出願人 大日本印刷株式会社
発明者 中條茂樹鳥井政典前田充水上文彦
出願日 2000年4月3日 (20年1ヶ月経過) 出願番号 2000-100288
公開日 2001年10月10日 (18年6ヶ月経過) 公開番号 2001-277735
状態 未査定
技術分野 熱転写、熱記録一般
主要キーワード 秘密漏洩防止 抜け殻 未転写領域 配合調整 各中間層 熱伝導性物質 レーザー印字 画素状
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

印字物に白抜けの発生がなく、鮮明な印字ができ、基材フィルム上に中間層、熱溶融性着色層を形成する上で、良好に安定して塗布することができ、さらに機密漏洩防止機能を有する熱転写フィルムを提供することを目的とする。

解決手段

基材フィルム上に、中間層を介して熱溶融性着色層を設けた熱転写フィルムで、該中間層がイタコン酸モノメチル、及び軟化温度(JIS K2207−1980に定める環球法で測定される軟化温度)が130℃以上400℃以下であるバインダー樹脂を含有しているので、中間層が印字から剥離までの間に、ある程度冷却されてもイタコン酸モノメチルの過冷却性等により、イタコン酸モノメチルが溶融したまま、中間層と熱溶融性着色層の接着性が低下し、エネルギー印加された領域の熱溶融性着色層が被転写紙に抜けを生じること無く、転写させることが可能となり、ラフ紙に対しても抜けの少ない良好な印字物が得られる。

概要

背景

従来、熱転写プリンターファクシミリ等に用いられる熱転写記録媒体として、基材フィルムの一方の面に熱溶融性インキ層を設けた熱転写フィルムが使用されている。従来の熱転写フィルムは、基材フィルムとして厚さ10〜20μm程度のコンデンサ紙パラフィン紙のような紙、あるいは厚さ3〜20μm程度のポリエステルセロファンのようなプラスチックフィルムを用い、この基材フィルム上にバインダー顔料染料等の着色剤を混合し、さらに必要に応じて、低融点剤及び可塑剤等の添加剤を加えた熱溶融性インキを塗布して、熱溶融性インキ層を設けたものである。そして、基材フィルムの裏側からサーマルヘッドにより所定箇所を加熱・加圧し、熱溶融性インキ層のうち、印字部に相当する箇所の熱溶融性インキ層を溶融させ、被転写体転写して印字を行うものである。

また、熱転写フィルムとして、基材フィルム上に中間層を介して、熱溶融性インキ層を設けたものとして、例えば特開昭61−144393には中間層として、導電性粉体を含有するマット層を用いて、つや消し印字、帯電防止及び機密漏洩防止の機能を与えることが開示されている。

概要

印字物に白抜けの発生がなく、鮮明な印字ができ、基材フィルム上に中間層、熱溶融性着色層を形成する上で、良好に安定して塗布することができ、さらに機密漏洩防止機能を有する熱転写フィルムを提供することを目的とする。

基材フィルム上に、中間層を介して熱溶融性着色層を設けた熱転写フィルムで、該中間層がイタコン酸モノメチル、及び軟化温度(JIS K2207−1980に定める環球法で測定される軟化温度)が130℃以上400℃以下であるバインダー樹脂を含有しているので、中間層が印字から剥離までの間に、ある程度冷却されてもイタコン酸モノメチルの過冷却性等により、イタコン酸モノメチルが溶融したまま、中間層と熱溶融性着色層の接着性が低下し、エネルギー印加された領域の熱溶融性着色層が被転写紙に抜けを生じること無く、転写させることが可能となり、ラフ紙に対しても抜けの少ない良好な印字物が得られる。

目的

本発明は、上記の欠点、問題を改善、解決し、印字物に白抜けの発生がなく、鮮明な印字ができ、基材フィルム上に中間層、熱溶融性着色層を形成する上で、良好に安定して塗布することができ、さらに機密漏洩防止機能を有する熱転写フィルムを提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

基材フィルム上に、中間層を介して熱溶融性着色層を設けた熱転写フィルムにおいて、該中間層が、イタコン酸モノメチル、及び軟化温度(JIS K2207−1980に定める環球法で測定される軟化温度)が130℃以上400℃以下であるバインダー樹脂を含有していることを特徴とする熱転写フィルム。

請求項2

前記のイタコン酸モノメチルの融解ピーク温度(JIS K7121−1987に定める融解ピーク温度)と熱溶融性着色層の融解ピーク温度(JIS K7121−1987に定める融解ピーク温度)の差が0℃以上10℃以下であることを特徴とする上記の請求項1に記載する熱転写フィルム。

請求項3

前記バインダー樹脂の数平均分子量が、1500以上100000以下であることを特徴とする上記の請求項1に記載する熱転写フィルム。

請求項4

前記のバインダー樹脂がポリエステル樹脂であることを特徴とする上記の請求項1に記載する熱転写フィルム。

請求項5

前記のポリエステル樹脂の主鎖がエチレン性不飽和結合を含有していることを特徴とする上記の請求項4に記載する熱転写フィルム。

請求項6

前記の中間層にカーボンブラックが配合されていることを特徴とする上記の請求項1〜5のいずれかに記載する熱転写フィルム。

技術分野

0001

本発明は、基材フィルム上に、中間層を介して熱溶融性着色層を設けた熱転写フィルムに関し、さらに詳しくは、印字物に白抜けの発生がなく、鮮明な印字ができ、基材フィルム上に中間層、熱溶融性着色層を形成する上で、良好に安定して塗布することができ、さらに機密漏洩防止機能を有する熱転写フィルムに関するものである。

背景技術

0002

従来、熱転写プリンターファクシミリ等に用いられる熱転写記録媒体として、基材フィルムの一方の面に熱溶融性インキ層を設けた熱転写フィルムが使用されている。従来の熱転写フィルムは、基材フィルムとして厚さ10〜20μm程度のコンデンサ紙パラフィン紙のような紙、あるいは厚さ3〜20μm程度のポリエステルセロファンのようなプラスチックフィルムを用い、この基材フィルム上にバインダー顔料染料等の着色剤を混合し、さらに必要に応じて、低融点剤及び可塑剤等の添加剤を加えた熱溶融性インキを塗布して、熱溶融性インキ層を設けたものである。そして、基材フィルムの裏側からサーマルヘッドにより所定箇所を加熱・加圧し、熱溶融性インキ層のうち、印字部に相当する箇所の熱溶融性インキ層を溶融させ、被転写体転写して印字を行うものである。

0003

また、熱転写フィルムとして、基材フィルム上に中間層を介して、熱溶融性インキ層を設けたものとして、例えば特開昭61−144393には中間層として、導電性粉体を含有するマット層を用いて、つや消し印字、帯電防止及び機密漏洩防止の機能を与えることが開示されている。

発明が解決しようとする課題

0004

上記のように、基材フィルム上に中間層と熱溶融性の着色層を設けた熱転写フィルムを用いて印字を行なった場合、白抜けの発生による文字細線欠損が生じ、印字物がかすれ外観になってしまうという問題点があった。べック平滑度が50秒以下であるような紙目の荒い紙に対して白抜けを生じること無く印字を行なう為には、サーマルヘッドなどの手段によって画素状エネルギー印加された領域の着色層を被転写紙に抜けが生じること無く転写させることが必要である。着色層を被転写紙に抜けが生じること無く全転写させる為には、基材フィルム上に中間層を介して着色層が設けられた熱転写フィルムの中間層が溶融して、流動性の高い液体状態で被転写体と熱転写フィルムを剥離することが有効である。しかし、熱転写フィルムを用いるファクシミリ等で現在一般に使われている機器では、被転写体と熱転写フィルムが重ね合わされた後に熱転写フィルムへ印字エネルギーが印加される瞬間と熱転写フィルムが被転写体から剥離されるまでの間に時間の開きがあり、印画の為のエネルギーによって溶融するように調整された中間層を用いても、この間に冷却されて再び凝固してしまう、或いは、凝固していないけれども流動性が低い状態になってしまうのが一般的であった。

0005

本発明は、上記の欠点、問題を改善、解決し、印字物に白抜けの発生がなく、鮮明な印字ができ、基材フィルム上に中間層、熱溶融性着色層を形成する上で、良好に安定して塗布することができ、さらに機密漏洩防止機能を有する熱転写フィルムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

イタコン酸モノメチルを中間層に使用した熱転写フィルムの印字性能について詳細に検討した結果、中間層が印字から剥離までの間に、ある程度冷却されても、イタコン酸モノメチルの過冷却性により、さらに中間層バインダー樹脂軟化温度(JIS K2207−1980に定める環球法で測定される軟化温度)が130℃以上400℃以下であることにより、イタコン酸モノメチルが溶融したままの状態で、中間層と熱溶融性着色層の接着性が低下し、エネルギー印加された領域の熱溶融性着色層が被転写紙に抜けを生じること無く、転写させることが可能となり、ラフ紙に対しても抜けの少ない良好な印字物を得ることが明らかとなり、本願請求項1の発明に至った。

0007

また、イタコン酸モノメチルを含有する中間層のコーティング適性、及び中間層上への熱溶融性着色層の重ね塗り適性について詳細な検討を行ない、イタコン酸モノメチルの融解ピーク温度と熱溶融性着色層の融解ピーク温度の差を特定することにより、本願請求項2の発明に至った。さらに、中間層のコーティング適性、及び中間層上への熱溶融性着色層の重ね塗り適性について詳細な検討を行ない、イタコン酸モノメチルの過冷却性に悪影響を及ぼす事無く、中間層と熱溶融性着色層の両者の適性を改善しうる一群の中間層バインダー樹脂が明らかとなり、本願請求項3〜5の発明に至った。また、請求項1〜5に記載の熱転写フィルムの秘密漏洩防止性を高める手法として種々検討した結果、本請求項6の発明に至った。

発明を実施するための最良の形態

0008

次に、発明の実施の形態について、詳述する。本発明の熱転写フィルムは、基材フィルム上に、中間層を介して熱溶融性着色層を設けた構成で、該中間層が、イタコン酸モノメチル、及び軟化温度(JISK2207−1980に定める環球法で測定される軟化温度)が130℃以上400℃以下であるバインダー樹脂を含有している。

0009

(基材フィルム)本発明の熱転写フィルムで用いられる基材フィルムとしては、従来の熱転写フィルムに使用されているものと同じ基材フィルムをそのまま用いることが出来ると共に、その他のものも使用することが出来、特に制限されない。好ましい基材フィルムの具体例としては、例えば、ポリエステル、ポリプロピレンセロハンポリカーボネイト酢酸セルロースポリエチレンポリ塩化ビニルポリスチレンナイロンポリイミドポリ塩化ビニリデンポリビニルアルコールフッ素樹脂塩化ゴムアイオノマー等のプラスチックコンデンサー紙、パラフィン紙等の紙類、不織布等があり、又、これらを複合した基材フィルムであってもよい。この基材フィルムの厚さは、その強度及び熱伝導性が適切になるように材料に応じて適宜変更することが出来るが、その厚さは、好ましくは、例えば、3〜10μmである。

0010

(中間層)中間層は、イタコン酸モノメチル、及び軟化温度(JIS K2207−1980に定める環球法で測定される軟化温度)が130℃以上400℃以下であるバインダー樹脂を含有している。本発明で使用するイタコン酸モノメチル、及び軟化温度(JIS K2207−1980に定める環球法で測定される軟化温度)が130℃以上400℃以下であるバインダー樹脂を含有しているは、イタコン酸の一つのカルボキシルキル基にメチル基を付加させた、エステルであり、下記の構造式で示される。

0011

イタコン酸モノメチルの融解ピーク温度(JIS K7121−1987に定める融解ピーク温度)は、67℃であり、サーマルヘッドにより加熱された領域の中間層にあるイタコン酸モノメチルが溶融し、被転写体と剥離する時もイタコン酸モノメチルの過冷却性により、溶融した状態が継続し、その加熱領域の中間層と熱溶融性着色層の接着力が加熱以前に比べ低下する。それによって、被転写体への転写において、白抜けの発生を低減させることができる。

0012

中間層のバインダー樹脂としては、JIS K2207−1980に定める環球法で測定される軟化温度が130℃以上400℃以下であり、基材フィルム上に形成された中間層の上に熱溶融性着色層をコーティングする際に、及び印字加熱時に低粘度となることなく成膜性を維持していれば、いずれの樹脂でも良い。中でも、イタコン酸モノメチルと非相溶な樹脂が好ましく、例えば、ポリエステル樹脂SBR樹脂やABS樹脂SBS樹脂等のポリブタジエン系樹脂スチレン無水マレイン酸共重合体等のマレイン酸系樹脂オレフィン系樹脂オレフィン系共重合体アイオノマー樹脂スチレン系樹脂等が挙げられ、特にポリエステル樹脂が良い。また、中間層のバインダー樹脂として用いるポリエステル樹脂としては、主鎖がエチレン性不飽和結合を含有していることが良い。エチレン性不飽和結合を含有しているポリエステル樹脂としては、酸成分にフマル酸マレイン酸を用いた構造、あるいはアルコール成分に2−Butene−1,4−diolを用いた構造等を挙げることができる。

0013

バインダー樹脂のJIS K2207−1980に定める環球法で測定される軟化温度が130℃より低い場合は、中間層を設けるための塗工液を基材フィルムの上に塗布後乾燥させる過程で、バインダー樹脂とイタコン酸モノメチルを適度に分離させることが困難となり、イタコン酸モノメチルが過冷却状態であることにより発現する効果が実質的に得られなくなり、熱溶融性着色層を被転写紙に抜けを生じること無く、転写させることが困難となる。また、JIS K2207−1980に定める環球法で測定される軟化温度が400℃を越えるバインダー樹脂は、過剰な耐熱性を有することにより高価な材料である場合がほとんどであるため、熱転写フィルムの製造費用が過大になるという不具合を生じる。

0014

ラフ紙等の表面平滑性の低い被転写体に対し、例えば特開昭61−144393に挙げられているような従来の熱転写フィルムを用いて、印字を行った場合に生じる白抜けの発生原因を検討したところ、サーマルヘッドで加熱を行った直後に、熱転写フィルムを被転写体から剥離する直前の熱溶融性着色層が、比較的厚い層を形成している領域と、薄い層を形成している領域が混在し、その薄い層が形成されている領域が被転写体に転写されること無く、熱転写フィルムの基材フィルム側に付着したまま、熱転写フィルムと被転写体とが剥離されるため、その領域が未転写領域(白抜け)となることが明らかとなった。それに対して、サーマルヘッドにより加熱された領域の中間層にあるイタコン酸モノメチルが溶融し、被転写体と剥離する時もイタコン酸モノメチルの過冷却性により、溶融した状態が継続し、その加熱領域の中間層と熱溶融性着色層の接着力が加熱以前に比べ低下し、被転写体への転写において、白抜けの発生を低減させることができる。

0015

また、イタコン酸モノメチルを含有する中間層のコーティング適性、及び中間層上への熱溶融性着色層の重ね塗り適性について詳細な検討を行なった結果、イタコン酸モノメチルの融解ピーク温度と熱溶融性着色層の融解ピーク温度の差が0℃以上10℃以下であることが望ましい。尚、融解ピーク温度は、JIS K7121−1987に定める方法で測定したものである。イタコン酸モノメチルのJIS K7121−1987に定める融解ピーク温度は67℃程度であり、上記の点から熱溶融性着色層の融解ピーク温度を57℃以上77℃以下とすることで、印字物に白抜けの発生がより少なく、鮮明な印字ができ、基材フィルム上に中間層、熱溶融性着色層を形成する上で、良好に安定して塗布することができる。イタコン酸モノメチルの融解ピーク温度と熱溶融性着色層の融解ピーク温度の差が10℃以下であることが、本発明の要件であり、その範囲内であれば、所望の効果を発揮することができる。上記の融解ピーク温度の差が小さいほど効果は顕著であり、温度差が0℃の場合が最も好ましい印字結果をもたらすものである。その融解ピーク温度の差が、10℃を超えると、印字において、絡み現象による文字の潰れが著しくなることで、文字の判別が困難又は不可能となる不具合を生じやすくなる。

0016

イタコン酸モノメチルを中間層に使用した場合、その中間層の上に、熱溶融性着色層をホットメルトコーティングするためには、イタコン酸モノメチル単体ではコーティング適性が得られず、現実的に製造することはできなかった。そこで、本発明では、中間層にJIS K2207−1980に定める環球法で測定される軟化温度が130℃以上400℃以下であるバインダー樹脂を用い、イタコン酸モノメチルと非相溶な樹脂で、さらに中間層塗工液を基材フィルムの上に塗布後乾燥させる過程で、バインダー樹脂とイタコン酸モノメチルが適度に分離するように、特に数平均分子量が、1500以上100000以下であるポリエステル樹脂をバインダー樹脂として用いることが好ましい。それによって、イタコン酸モノメチルと上記ポリエステル樹脂を併用して中間層を設けた結果、両者が層分離した状態で塗膜が形成され、かつバインダーであるポリエステル樹脂が非転写性構造体構築し、該構造体による空間をイタコン酸モノメチルが埋めていると考えられる塗膜を得た。このような構成により、熱溶融性着色層のホットメルトコーティングが可能となり、現実的な熱転写フィルムの製造が可能となった。

0017

中間層で用いるバインダー樹脂の数平均分子量が、1500以上100000以下であることが好ましく、イタコン酸モノメチルと併用して、両者が非相溶で、層分離した状態で塗膜が形成される。この中間層のバインダー樹脂の数平均分子量が1500未満であると、中間層を設けるための塗工液を基材フィルムの上に塗布後乾燥させる過程で、バインダー樹脂とイタコン酸モノメチルを適度に分離させることが困難となり、イタコン酸モノメチルが過冷却状態であることにより発現する効果が実質的に得られなくなり、熱溶融性着色層を被転写紙に抜けを生じること無く、転写させることが困難となる。また、中間層のバインダー樹脂の数平均分子量が100000より大きい場合も、中間層を設けるための塗工液を基材フィルムの上に塗布後乾燥させる過程で、バインダー樹脂とイタコン酸モノメチルを適度に分離させることが困難となり、イタコン酸モノメチルが過冷却状態であることにより発現する効果が実質的に得られなくなり、熱溶融性着色層を被転写紙に抜けを生じること無く、転写させることが困難となる。

0018

また、中間層にカーボンブラックを配合することにより、印字後の熱転写フィルムから印字した内容を読み取ること(転写された後の熱転写フィルムにおける熱溶融性着色層の抜け殻複写機等により複写した複写物から、熱転写フィルムで印字した内容を読み取ること)が困難となり、機密漏洩防止機能を併せもたせることが可能となる。中間層を形成するには、上記の如き材料と、高級脂肪族アルコールリン酸エステル及びその金属塩有機カルボン酸及びその誘導体低融点ワックス、各種界面活性剤等の分散剤を必要に応じて添加し、メチルエチルケトントルエンアルコール類、水等の適当な溶媒中に溶解または分散させて、塗工液を調整し、グラビアコーターロールコーターワイヤーバー等の慣用の塗工手段により、塗工し、乾燥すればよい。中間層の塗工量は、乾燥固形分で、0.1〜1.0g/m2程度が好ましい。塗工量が0.1g/m2を下回ると、白抜けの発生のない、鮮明な印字物が得られにくく、また一方、塗工量が1.0g/m2を越えると、中間層が厚すぎて、転写時の印字感度が低下するので好ましくない。

0019

(熱溶融性着色層)本発明では、上記の中間層の上に、熱溶融性着色層を設けるものである。熱溶融性着色層は熱溶融性のインキ層であり、従来公知の着色剤とバインダーよりなり、必要に応じて、鉱物油植物油ステアリン酸等の高級脂肪酸、可塑剤、酸化防止剤充填剤等の種々の添加剤を加えたものが使用される。バインダーとして用いられるワックス成分としては、例えば、マイクロクリスタリンワックスカルナバワックスパラフィンワックス等がある。更に、フィッシャートロプシュワックス、各種低分子量ポリエチレン、木ロウミツロウ、鯨ロウ、イボタロウ羊毛ロウ、セラックワックスキャンデリラワックス、ペトロラクタムポリエステルワックス、一部変性ワックス脂肪酸エステル脂肪酸アミド等、種々のワックスが用いられる。このなかで、特に融点が50〜85℃であるものが好ましい。50℃以下であると、保存性に問題が生じ、又85℃以上であると感度不足になる。

0020

バインダーとして用いられる樹脂成分としては、例えば、ポリエステル、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリブデン石油樹脂塩化ビニル樹脂塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、塩化ビニリデン樹脂メタクリル樹脂ポリアミドポリカーボネート、フッ素樹脂、ポリビニルフォルマールポリビニルブチラールアセチルセルロースニトロセルロースポリ酢酸ビニルポリイソブチレンエチルセルロース又はポリアセタール等が挙げられるが、特に従来より感熱接着剤として使用されている比較的低軟化点、例えば、50〜80℃の軟化点を有するものが好ましい。

0021

着色剤としては、公知の有機または無機の顔料、あるいは染料の中から適宜選択することができ、例えば、十分な着色濃度を有し、光、熱等により変色、退色しないものが好ましい。また、加熱により発色する物質や、被転写体の表面に塗布されている成分と接触することにより発色するような物質であってもよい。さらに、着色剤の色としては、シアンマゼンタイエローブラックに限定されるものではなく、種々の色の着色剤を使用することができる。

0022

さらに、熱溶融性着色層に、良好な熱伝導性および熱溶融転写性を与えるため、バインダーの充填剤として熱伝導性物質を配合してもよい。このような充填剤としては、例えばカーボンブラック等の炭素質物質アルミニウム、銅、酸化錫二硫化モリブデン等の金属および金属化合物等がある。熱溶融性着色層の形成は、上記のような着色剤成分とバインダー成分と、さらに、これに必要に応じて、鉱物油、植物油、ステアリン酸等の高級脂肪酸、可塑剤、酸化防止剤、充填剤等の種々の添加剤を加え、水、有機溶剤等の溶媒成分を配合調整した熱溶融性着色層形成用塗工液を、従来公知のホットメルトコート、ホットラッカーコート、グラビアコートグラビアリバースコートロールコート等の方法で行う。また、水系又は非水系のエマルジョン塗液を用いて形成する方法もある。熱溶融性着色層の厚みは、必要な印字濃度熱感度との調和がとれるように、決定すべきであって、好ましくは0.5〜6.5g/m2 の範囲であり、2.5〜4.5g/m2の範囲が特に好ましい。

0023

耐熱滑性層)また、基材フィルムの他方の面に、サーマルヘッドの粘着を防止し、且つ、滑り性を良くするために、耐熱滑性層を設けることも可能である。この耐熱滑性層は、バインダー樹脂に滑り剤、界面活性剤、無機粒子有機粒子、顔料等を添加したものを、好適に使用し、形成される。耐熱滑性層に使用されるバインダー樹脂は、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピルセルロースメチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース硝化綿等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタールポリビニルピロリドンアクリル樹脂ポリアクリルアミドアクリロニトリル−スチレン共重合体等のビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂シリコーン変性またはフッ素変性ウレタン樹脂等が、挙げられる。

0024

これらのなかで、数個反応性基、例えば、水酸基を有しているものを使用し、架橋剤として、ポリイソシアネート等を併用して、架橋樹脂を使用することが好ましい。耐熱滑性層を形成する手段は、上記のごとき、バインダー樹脂に滑り剤、界面活性剤、無機粒子、有機粒子、顔料等を添加した材料を、適当な溶剤中に溶解または分散させて、塗工液を調製し、この塗工液をグラビアコーター、ロールコーター、ワイヤーバー等の慣用の塗工手段により、塗工し、乾燥するものである。

0025

上記の熱転写フィルムを使用する画像形成における加熱手段は、コンピューターからの画像情報に応じて、加熱量をコントロールできる従来公知の方法がいずれも使用できる。例えば、ワードプロセッサー、ファクシミリ等に用いられているサーマルヘッドや、レーザー印字方式プリンターに用いられるレーザーヘッド等を用いることができる。更に、熱転写フィルムの背面側に通電発熱層を設けた場合、通電加熱溶融転写方式通電ヘッドを用いることも可能である。本発明の熱転写フィルムは、カラー印字適応できることは言うまでもなく、多色の熱転写フィルムも本発明の範囲に含まれる。尚、本発明の熱転写フィルムは、上記の発明の実施形態に限定されるものではない。また、本発明の熱転写フィルムと組み合わせて用いられる被転写体は、従来公知のいずれの被転写体でも使用することができる。

0026

次に実施例及び比較例をあげて、本発明を更に具体的に説明する。尚、文中、部又は%とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
熱溶融性着色層インキ)表1に示す材料を120℃に加熱して溶融混合させ、スチールビーズと共に強攪拌することで、実施例1〜25及び比較例1〜11に用いる熱溶融性着色層インキ1〜5を用意した。また、得られた熱溶融性着色層インキ1〜5の100℃における溶融粘度を測定した結果は表1の通りとなった。尚、溶融粘度の測定は以下の測定装置及び測定条件にて行った。

0027

装置名称粘弾性測定装置ロトビスコRV20(HAKE社製)
・測定頭部:M5
センサーシステム:センサーシステムコーンプレートPK5(開き角度0.5°、コーンプレート半径25mm、設定温度を100℃とした。)
また、融解ピーク温度の測定は、JIS K7121−1987の規定に従って、測定を行った。但し、融解ピーク温度が複数観察される場合は、最も吸熱量の大きいピークをもつ温度を、本発明で規定する融解ピーク温度とした。

0028

0029

(実施例1〜25)基材フィルムとして、厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製)を用いて、その基材フィルム上に、下記表2に示す組成の中間層塗工液をグラビアコート法により、表2に示す各々の塗布量になるように塗工し、100℃の熱風で溶剤を乾燥させた後に巻き取った。次に、各中間層の上に、表1に示した熱溶融性着色層インキを、120℃に加温し、ロールコートによるホットメルトコーティング法で、乾燥時4.5μmの厚さになるように、塗布して熱溶融性着色層を形成し、実施例1〜25の熱転写フィルムを作成した。但し、基材フィルムの他方の面には、下記組成の耐熱滑性層塗工液をロールコーターにより、塗布、乾燥し、乾燥時0.1μmの厚みの耐熱滑性層を予め設けてある。

0030

0031

(耐熱滑性層塗工液)
ポリビニルブチラール樹脂20部
(積水化学株式会社製エスレックBX−1)
タルク(日本アルク株式会社製ミクロエースL−1) 30部
メラミン樹脂微粒子(日本触媒化学工業株式会社製 エポスターS) 30部
ポリイソシアネート(武田薬品工業株式会社製タケネートA−3) 40部
トルエン/メチルエチルケトン(質量比1/1) 900部

0032

(比較例1〜11)中間層塗工液及び熱溶融性着色層インキを上記表1及び表2に示す組成に変え、また表2に示す各々の塗布量になるように塗工した以外は、実施例と同様にして比較例1〜11の熱転写フィルムを作成した。

0033

上記、実施例および比較例で得られた熱転写フィルムに対して、下記の評価方法にて、中間層のコーティング適性、熱溶融性着色層のコーティング適性、印字品質及び機密漏洩防止性の評価を行った。
(中間層のコーティング適性)基材フィルムの上に中間層を塗布する際のコーティング適性について、以下の評価基準に従って評価を行った。
A:溶剤を乾燥させた後の中間層は指で触った際のタックが観察されることは無く、また巻き取った後の基材フィルム面と中間層が、中間層のタックにより接着することはなかった。
B:溶剤を乾燥させた後の中間層は指で触った際にタックがわずかに観察されたが、巻き取った後の基材フィルム面と中間層が、中間層のタックにより接着することはなかった。
C:溶剤を乾燥させた後の中間層は指で触った際にタックが観察され、また巻き取った後の基材フィルム面と中間層が、中間層のタックにより接着する様子が観察された。

0034

(熱溶融性着色層のコーティング適性)中間層の上に熱溶融性着色層塗工液を塗布する際のコーティング適性について、以下の評価基準に従って評価を行った。
A:熱溶融性着色層塗工液を基材フィルムに直接コーティングした場合と、同等の良質な塗布面が安定して得られた。
B:熱溶融性着色層塗工液を基材フィルムに直接コーティングした場合に比べて、ムラの目立つ塗布面が得られた。
C:ムラが激しく、熱転写フィルムとして実用に供することの出来ない塗布面が得られた。

0035

(印字品質)富士ゼロックス株式会社製ファクシミリ(Telecopier7033)を用い、ゼロックス株式会社製プリンター用紙(#4024、ベック平滑度32秒)に、上記の実施例および比較例で得られた熱転写フィルムを用いて、コピーモード(原稿種別:文字、印字濃度:普通)で印字を行なった。尚、サーマルヘッドの印字エネルギーを任意の値に変更できるようにするため、ファクシミリに搭載されたサーマルヘッドのコモン電極グランド電極間に外部から任意の電圧を加えられるように、ファクシミリを適宜改造して評価に用いた。また、コピーを行うための原稿には、電気製プリンター(MICROLINE 900 PSIILT)で富士ゼロックス株式会社製コピー用紙(WR−100)に印刷した8Pointサイズの大文字アルファベット書体はCourier)印字物を使用した。

0036

印字に際しては、実施例1〜25及び比較例1〜11で作成された熱転写フィルムで上記の原稿をコピーした際、大文字のEとBの区別が目視にて可能な最低限の電圧で印字を行うこととした。そして、該最低電圧で印字した際の大文字アルファベットの印字結果を目視により観察し、白抜けの発生による文字や細線の欠損について、以下の基準に従って、評価を行なった。
A:白抜けの発生による文字や細線の欠損はほとんど観察されず、極めて良好な印字物が得られた。
B:白抜けの発生による文字や細線の欠損が僅かに観察されたが、良好な印字物が得られた。
C:白抜けの発生による文字や細線の欠損が著しく観察され、文字や細線が著しくかすれた外観である印字物が得られた。

0037

(機密漏洩防止性)上記の印字品質で行った印字条件と同じ条件で印字を行った後の熱転写フィルムの熱溶融性着色層面を富士ゼロックス株式会社製コピー機(Vivace675)で富士ゼロックス株式会社製コピー用紙(WR−100)に複写した。複写を行う際の濃度設定は、『自動』とした。該コピー用紙に複写された像を目視で観察し、熱転写フィルムで印字を行った内容が読解できるかについて、以下の基準に従って、評価を行った。
A:印字を行った内容を読解することが出来なかった。
B:印字を行った内容を読解することがほとんど出来なかった。
C:印字を行った内容を読解することが容易に出来た。

0038

(評価結果)評価結果を下記表3に示す。

0039

発明の効果

0040

以上のように、本発明による熱転写フィルムによれば、イタコン酸モノメチルが溶融したままの状態で、中間層と熱溶融性着色層の接着性が低下し、エネルギー印加された領域の熱溶融性着色層が被転写紙に抜けを生じること無く、転写させることが可能となり、ラフ紙に対しても抜けの少ない良好な印字物を得ることができた。また、イタコン酸モノメチルを含有する中間層のコーティング適性に優れ、中間層が設けられた基材フィルムにホットメルトコーティング法にて熱溶融性着色層を塗布する際、中間層のイタコン酸モノメチルが、加熱溶融された熱溶融性着色層インキの熱で溶融して低粘度の液体になっても、熱溶融性着色層インキを良好な面質で安定して重ね塗りすることが可能となる。また、カーボンブラックを該中間層に添加することによって、印字後の熱転写フィルムから印字した内容を読取ることが困難となり、機密漏洩防止効果を併せ持たせることが可能となる。

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