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技術 アラミドハニカムおよびその製造方法

出願人 昭和飛行機工業株式会社
発明者 野本和彦
出願日 2000年4月3日 (20年10ヶ月経過) 出願番号 2000-100458
公開日 2001年10月9日 (19年4ヶ月経過) 公開番号 2001-277387
状態 特許登録済
技術分野 積層体(2)
主要キーワード 容積合計 編み目状 有機系溶液 条線状 展張方式 中空柱状 アラミドシート ドラムロール
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題

第1に、母材地合等が向上し、スムーズに製造でき、第2に、コスト面にも優れ、第3に、圧縮強度剪断強度等が向上し、優れたハニカム強度を備えてなる、アラミドハニカムおよびその製造方法を提案する。

解決手段

このアラミドハニカム11およびその製造方法では、セル壁18の母材としてアラミドシート1が用いられており、このアラミドシート1は、パラ系アラミドパルプ2と、これに対し40%以下の重量比パラ系アラミド繊維3と、バインダー4と、を含有,複合して抄紙される。そして、カレンダー加工されると共に、20%から60%の体積比で多くの気孔9が、外表面から内部にかけて形成,残留調整されている。更に、アラミドシート1よりなるセル壁18について、後処理として補強用樹脂10が付着、含浸せしめられており、各気孔9中にも、容積合計で50%以上の割合で樹脂10が充填されている。

概要

背景

まず、前提技術について述べる。条線状接着されたセル壁にて区画形成された、中空柱状の多数のセル集合体よりなるハニカムコアにおいて、そのセル壁の母材として、アラミドシートが用いられることも多い。すなわち、ナイロン系樹脂よりなるアラミドシート、特にパラ系のアラミドシートは、難燃性,強度,その他に優れた特性を備えており、ハニカムコアの母材として従来より使用されている。さて、このアラミドシートを母材としたハニカムコア(以下単にアラミドハニカムと称する)としては、特開平4−226745が知られている。この特開平4−226745に示されたアラミドハニカムにおいて、まず、母材たるアラミドシートは、0%から50%の重量比よりなるバインダーと、50%から100%の重量比よりなるパラ系アラミド繊維とを含有,複合してなる。そして、後処理として補強用樹脂が付着,含浸せしめられたアラミドハニカムにおいて、このパラ系アラミド繊維は、20%から80%の重量比よりなる。

ところで、このアラミドハニカムについては、従来次の,,の難点が指摘されていた。
まず、アラミドシートの地合が悪い、という難点があった。すなわち、多量の繊維つまり50%以上含浸されたパラ系アラミド繊維は、取り扱い上、嵩張りやすい。そこで、アラミドシートとして抄紙する際、水等の抄紙液に均一にかく拌されにくく、フィルター上に分散して抄き取ることが困難である。もって、抄紙されたアラミドシートは、パラ系アラミド繊維の分散性が悪く、紙密度が不揃いでバラツキがある等、地合が悪い。そこで、パラ系アラミド繊維の多い部分と少ない部分とで、しわ等が発生し、アラミドハニカムの製造に際し、取り扱い性が悪いと共に、大きなピンホールが生じてしまい接着剤裏抜けすることもある等、アラミドハニカムの製造に支障が生じることもあった。

更に、アラミドシートの紙強度にも難点があった。すなわち、多量の繊維つまり50%以上のパラ系アラミド繊維を含有しているので、フリーネス水保持性濾水度)が悪く、アラミドシートとしての抄紙に際し、水等の抄紙液中混入されているバインダーの定着性が低下する。そしてバインダーが、パラ系アラミド繊維に定着,複合せず流れ落ちてしまうので、アラミドシートの紙強度が低下してしまう。もって、このようなアラミドシートを母材とした場合、アラミドハニカムの製造に支障が生じることがあった。

更に、アラミドシートの紙厚が厚くなる、という難点もあった。すなわち、繊維は復元性が高いが、このアラミドシートは多量の繊維つまり50%以上のパラ系アラミド繊維を含有しているので、抄紙後に復元して紙厚が増加し、紙密度が大幅に低下してしまう。そこで、このように紙厚の厚いアラミドシートは、ハニカムコア(アラミドハニカム)の母材としては不適切である、という指摘もあった。前提技術は、このようになっていた。

次に、従来例について述べる。上述した,,のように、特開平4−226745のアラミドハニカムについては、母材たるアラミドシートに起因し、各種の難点が指摘されていた。そこで、これらに対処すべく、この種従来例では、バインダーとして機能するメタ系アラミドパルプを用いると共に高温高圧下でカレンダー加工したアラミドシートが、母材として採用されるようになり、もってアラミドハニカムが製造されていた。すなわち、アラミドシートとして、主成分たる50%以上のパラ系アラミド繊維と共に、定着性に優れたメタ系アラミドパルプをバインダーとして用いることにより、前記の定着量の不足,紙強度の難点を克服せんとする。又、抄紙後のアラミドシートについて、高圧かつ高温下でカレンダー加工を行い、もって前記の紙厚,紙密度の難点を、薄いフィルム状とすることにより克服せんとした、アラミドハニカムが提供されていた。

なお第1に、メタ系アラミドパルプは、軟化温度が200℃以上と高く、水等の抄紙液を150℃以下の温度で最後に乾燥する通常の抄紙方法では、抄紙されたアラミドシートでは、パラ系アラミド繊維とメタ系アラミドパルプとが絡み合っているだけとなる。つまりメタ系アラミドパルプは、一般のバインダーのように、液状でパラ系アラミド繊維に結合,複合される訳ではなく、そのままでは、アラミドハニカムの製造に必要な紙強度が得られない。そこでこの面からも、上述した高圧かつ高温下でのカレンダー加工が実施されていた。すなわち、抄紙後のアラミドシートは、29.4×104N/m(300kg/cm)の高圧の線圧条件下、かつ300℃前後の高温の温度条件下で、カレンダー加工されていた。もってメタ系アラミドパルプを、軟化溶融流動化せしめた後に硬化せしめることにより、一般のバインダーと同様に機能せしめて、アラミドハニカムの製造に必要な紙強度を得ていた。

なお第2に、このようなアラミドシートを母材としつつ、アラミドハニカムは、従来より一般的な展張法により、製造されていた。すなわち、このようなアラミドシートに対し条線状に接着剤を塗布した後、各アラミドシートを、接着剤が半ピッチずつずれた位置関係重積してから、加圧,加熱することにより、重積された各アラミドシート間を接着する。それから、重積方向に引張力を加えて展張することにより、各アラミドシートをセル壁としたアラミドハニカムを得ていた。そして、このように得られたアラミドハニカムについては、ハニカム強度を高めるため後処理として、セル壁に補強用の樹脂が付着,含浸せしめられていた。従来例は、このようになっていた。

概要

第1に、母材の地合等が向上し、スムーズに製造でき、第2に、コスト面にも優れ、第3に、圧縮強度剪断強度等が向上し、優れたハニカム強度を備えてなる、アラミドハニカムおよびその製造方法を提案する。

このアラミドハニカム11およびその製造方法では、セル壁18の母材としてアラミドシート1が用いられており、このアラミドシート1は、パラ系アラミドパルプ2と、これに対し40%以下の重量比のパラ系アラミド繊維3と、バインダー4と、を含有,複合して抄紙される。そして、カレンダー加工されると共に、20%から60%の体積比で多くの気孔9が、外表面から内部にかけて形成,残留調整されている。更に、アラミドシート1よりなるセル壁18について、後処理として補強用の樹脂10が付着、含浸せしめられており、各気孔9中にも、容積合計で50%以上の割合で樹脂10が充填されている。

目的

本発明は、このような実情に鑑み、上記従来例の課題を解決すべくなされたものであって、パラ系アラミドパルプ、バインダー、更には適宜、パラ系アラミドパルプに対し40%以下の重量比のパラ系アラミド繊維、等を含有,複合したパラ系のアラミドシートを、母材として用いてなる。そして、19.6×104N/m以上の線圧,150℃以上の温度でカレンダー加工すると共に、20%から60%の体積比の多くの気孔を、形成,残存調整せしめてなり、後処理として付着,含浸せしめられる補強用の樹脂が、各気孔中にも50%以上充填されていること、を特徴とする。もって第1に、母材の地合等が向上し、スムーズに製造でき、第2に、コスト面に優れ、第3に、優れたハニカム強度を備えてなる、パラ系のアラミドハニカムおよびその製造方法を提案することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
2件

この技術が所属する分野

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請求項1

セル壁にて区画形成された中空柱状の多数のセル集合体よりなるアラミドハニカムであって、該セル壁の母材としてアラミドシートが用いられており、該アラミドシートは、パラ系アラミドパルプバインダーとを含有,複合し、カレンダー加工されると共に多くの気孔を備えてなり、かつ、該アラミドシートよりなる該セル壁について、補強用樹脂が付着,含浸せしめられており、各該気孔中にも該樹脂が充填されていること、を特徴とするアラミドハニカム。

請求項2

請求項1に記載したアラミドハニカムにおいて、母材たる該アラミドシートは、更にパラ系アラミド繊維も含有,複合してなること、を特徴とするアラミドハニカム。

請求項3

請求項2に記載したアラミドハニカムにおいて、該パラ系アラミド繊維は、ステーブル状フロック状をなす短繊維よりなると共に、該パラ系アラミドパルプと該パラ系アラミド繊維の合計量の40%以下の重量比よりなり、かつ該バインダーは、該パラ系アラミドパルプと該パラ系アラミド繊維の合計量に対し、5%から20%の重量比よりなること、を特徴とするアラミドハニカム。

請求項4

請求項1に記載したアラミドハニカムにおいて、各該気孔は、該アラミドシートの外表面から内部にかけて形成されており、20%から60%の体積比よりなること、を特徴とするアラミドハニカム。

請求項5

請求項1に記載したアラミドハニカムにおいて、補強用の該樹脂は、各該気孔の容積合計に対し50%以上の割合で充填されていること、を特徴とするアラミドハニカム。

請求項6

まず、パラ系アラミドパルプとパラ系アラミド繊維とバインダーとを含有,複合して抄紙されたアラミドシートを準備し、次に、該アラミドシートをカレンダー加工すると共に、多くの気孔を形成,残存調整せしめ、それから、該アラミドシートを母材として条線状接着剤を配設した後、該母材を、該接着剤が半ピッチずつずれた位置関係重積してから、加圧,加熱することにより該母材間接着した後、重積方向に引張力を加えて展張することにより、該母材をセル壁とし、該セル壁にて区画形成された中空柱状の多数のセルの集合体よりなる、アラミドハニカムを成形した後、後処理として該アラミドハニカムについて、該セル壁に補強用の樹脂が付着,含浸せしめられ、各該気孔中にも該樹脂が充填されること、を特徴とするアラミドハニカムの製造方法。

請求項7

請求項6に記載したアラミドハニカムの製造方法において、カレンダー加工は、19.6×104N/m以上の線圧条件下、かつ150℃以上の温度条件下で行われること、を特徴とするアラミドハニカムの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、アラミドハニカムおよびその製造方法に関する。すなわち、母材アラミドシートが用いられたハニカムコア、およびその製造方法に関するものである。

背景技術

0002

まず、前提技術について述べる。条線状接着されたセル壁にて区画形成された、中空柱状の多数のセル集合体よりなるハニカムコアにおいて、そのセル壁の母材として、アラミドシートが用いられることも多い。すなわち、ナイロン系樹脂よりなるアラミドシート、特にパラ系のアラミドシートは、難燃性,強度,その他に優れた特性を備えており、ハニカムコアの母材として従来より使用されている。さて、このアラミドシートを母材としたハニカムコア(以下単にアラミドハニカムと称する)としては、特開平4−226745が知られている。この特開平4−226745に示されたアラミドハニカムにおいて、まず、母材たるアラミドシートは、0%から50%の重量比よりなるバインダーと、50%から100%の重量比よりなるパラ系アラミド繊維とを含有,複合してなる。そして、後処理として補強用樹脂が付着,含浸せしめられたアラミドハニカムにおいて、このパラ系アラミド繊維は、20%から80%の重量比よりなる。

0003

ところで、このアラミドハニカムについては、従来次の,,の難点が指摘されていた。
まず、アラミドシートの地合が悪い、という難点があった。すなわち、多量の繊維つまり50%以上含浸されたパラ系アラミド繊維は、取り扱い上、嵩張りやすい。そこで、アラミドシートとして抄紙する際、水等の抄紙液に均一にかく拌されにくく、フィルター上に分散して抄き取ることが困難である。もって、抄紙されたアラミドシートは、パラ系アラミド繊維の分散性が悪く、紙密度が不揃いでバラツキがある等、地合が悪い。そこで、パラ系アラミド繊維の多い部分と少ない部分とで、しわ等が発生し、アラミドハニカムの製造に際し、取り扱い性が悪いと共に、大きなピンホールが生じてしまい接着剤裏抜けすることもある等、アラミドハニカムの製造に支障が生じることもあった。

0004

更に、アラミドシートの紙強度にも難点があった。すなわち、多量の繊維つまり50%以上のパラ系アラミド繊維を含有しているので、フリーネス水保持性濾水度)が悪く、アラミドシートとしての抄紙に際し、水等の抄紙液中混入されているバインダーの定着性が低下する。そしてバインダーが、パラ系アラミド繊維に定着,複合せず流れ落ちてしまうので、アラミドシートの紙強度が低下してしまう。もって、このようなアラミドシートを母材とした場合、アラミドハニカムの製造に支障が生じることがあった。

0005

更に、アラミドシートの紙厚が厚くなる、という難点もあった。すなわち、繊維は復元性が高いが、このアラミドシートは多量の繊維つまり50%以上のパラ系アラミド繊維を含有しているので、抄紙後に復元して紙厚が増加し、紙密度が大幅に低下してしまう。そこで、このように紙厚の厚いアラミドシートは、ハニカムコア(アラミドハニカム)の母材としては不適切である、という指摘もあった。前提技術は、このようになっていた。

0006

次に、従来例について述べる。上述した,,のように、特開平4−226745のアラミドハニカムについては、母材たるアラミドシートに起因し、各種の難点が指摘されていた。そこで、これらに対処すべく、この種従来例では、バインダーとして機能するメタ系アラミドパルプを用いると共に高温高圧下でカレンダー加工したアラミドシートが、母材として採用されるようになり、もってアラミドハニカムが製造されていた。すなわち、アラミドシートとして、主成分たる50%以上のパラ系アラミド繊維と共に、定着性に優れたメタ系アラミドパルプをバインダーとして用いることにより、前記の定着量の不足,紙強度の難点を克服せんとする。又、抄紙後のアラミドシートについて、高圧かつ高温下でカレンダー加工を行い、もって前記の紙厚,紙密度の難点を、薄いフィルム状とすることにより克服せんとした、アラミドハニカムが提供されていた。

0007

なお第1に、メタ系アラミドパルプは、軟化温度が200℃以上と高く、水等の抄紙液を150℃以下の温度で最後に乾燥する通常の抄紙方法では、抄紙されたアラミドシートでは、パラ系アラミド繊維とメタ系アラミドパルプとが絡み合っているだけとなる。つまりメタ系アラミドパルプは、一般のバインダーのように、液状でパラ系アラミド繊維に結合,複合される訳ではなく、そのままでは、アラミドハニカムの製造に必要な紙強度が得られない。そこでこの面からも、上述した高圧かつ高温下でのカレンダー加工が実施されていた。すなわち、抄紙後のアラミドシートは、29.4×104N/m(300kg/cm)の高圧の線圧条件下、かつ300℃前後の高温の温度条件下で、カレンダー加工されていた。もってメタ系アラミドパルプを、軟化溶融流動化せしめた後に硬化せしめることにより、一般のバインダーと同様に機能せしめて、アラミドハニカムの製造に必要な紙強度を得ていた。

0008

なお第2に、このようなアラミドシートを母材としつつ、アラミドハニカムは、従来より一般的な展張法により、製造されていた。すなわち、このようなアラミドシートに対し条線状に接着剤を塗布した後、各アラミドシートを、接着剤が半ピッチずつずれた位置関係重積してから、加圧,加熱することにより、重積された各アラミドシート間を接着する。それから、重積方向に引張力を加えて展張することにより、各アラミドシートをセル壁としたアラミドハニカムを得ていた。そして、このように得られたアラミドハニカムについては、ハニカム強度を高めるため後処理として、セル壁に補強用の樹脂が付着,含浸せしめられていた。従来例は、このようになっていた。

発明が解決しようとする課題

0009

ところで、このような従来例にあっては、次の問題が指摘されていた。第1に、前記の地合の悪さの難点は、何ら改善されていなかった。すなわち、依然として分散性が悪く偏在しているパラ系アラミド繊維の間を、高圧,高温のカレンダー加工により流動化したメタ系アラミドパルプが、埋めているに過ぎない。そこで、このようなアラミドシートは、紙密度が不揃いでバラツキが目立ち、カレンダー加工後も、パラ系アラミド繊維の多い部分と少ない部分とで熱収縮が異なっており、事後の冷却段階で熱収縮が全体的に均一とならない。もって、この種従来例で使用されていたアラミドシートは平滑とはならず、しわ等が発生しやすく、アラミドハニカムの製造に際し、取り扱い性が悪く精度に不安が生じ重積しにくい、等の問題が指摘されていた。更に、アラミドシートに大きなピンホールが生じてしまうことさえあり、アラミドハニカムの製造に際し、表面に条線状に塗布された接着剤が、事後の加圧,加熱により裏面に裏抜けし、もって、母材として重積された各アラミドシートが、ブロック状に接着されてしまい展張できない、という事態さえ発生することがあった。

0010

第2に、コスト面にも問題が指摘されていた。すなわち、この種従来例で使用されていたアラミドシートは、価格の高いメタ系アラミドパルプを必須的に用いてなる。そこで、このようなアラミドシートを母材としたアラミドハニカムについても、その分だけコスト高となる、という問題が指摘されていた。更に、このアラミドシートについては、母材として使用する前に、必須的に高圧条件かつ高温条件下でカレンダー加工を行うので、その分だけ、アラミドハニカムがコスト高となる、という問題も生じていた。

0011

第3に、アラミドハニカムのハニカム強度に、重大な欠陥が指摘されていた。すなわちこの種従来例では、母材たるアラミドシートは、10×104N/m(300kg/cm)の高圧の線圧条件下、かつ300℃前後の高温の温度条件下でカレンダー加工が行われ、溶融,流動化,硬化するメタ系アラミドパルプにより、気孔の存しないムクの状態とされる。この種従来例では、母材として用いられるアラミドシートについて、外表面から内部に至る連続した多数の気孔は、形成,残存していなかった。さて、このようなアラミドシートを母材として製造されたアラミドハニカムについては、成形後の後処理として、アラミドシートよりなるセル壁に対し、補強用の樹脂が付着せしめられる。そして、この種従来例では、このようにハニカム強度を高めるべく付着せしめられた補強用の樹脂は、セル壁つまりアラミドシートの外表面に、付着しているに過ぎない。樹脂は、外表面のみを付着して覆い、内部へは浸透,含浸されない。つまり、この種従来例では、セル壁のアラミドシートには気孔が残存しておらず、その外表面に付着せしめられた補強用の樹脂は、そのまま外表面のみに止まり、内部へは浸透,含浸されていなかった。

0012

その結果、この種従来例のアラミドハニカムは、外力により、容易に圧縮破壊剪断破壊しやすく、ハニカム強度に不安が指摘されていた。すなわち、外力が加わった際、補強用に付着されていた樹脂層は、セル壁のアラミドシートの外表面との間の界面で剥がれやすく、補強用として有効に作用しないことが多かった。このように、この種従来例のアラミドハニカムについては、補強用の樹脂が層間剥離しやすく、ハニカム強度に大きな難点があった。又、このようなハニカム強度面をカバーするためには、アラミドハニカムのセル密度を密にしなければならず、アラミドハニカムの重量が重くなる、という難点が生じることになる。

0013

本発明は、このような実情に鑑み、上記従来例の課題を解決すべくなされたものであって、パラ系アラミドパルプ、バインダー、更には適宜、パラ系アラミドパルプに対し40%以下の重量比のパラ系アラミド繊維、等を含有,複合したパラ系のアラミドシートを、母材として用いてなる。そして、19.6×104N/m以上の線圧,150℃以上の温度でカレンダー加工すると共に、20%から60%の体積比の多くの気孔を、形成,残存調整せしめてなり、後処理として付着,含浸せしめられる補強用の樹脂が、各気孔中にも50%以上充填されていること、を特徴とする。もって第1に、母材の地合等が向上し、スムーズに製造でき、第2に、コスト面に優れ、第3に、優れたハニカム強度を備えてなる、パラ系のアラミドハニカムおよびその製造方法を提案することを目的とする。

課題を解決するための手段

0014

このような課題を解決する本発明の技術的手段は、次のとおりである。まず、請求項1については次のとおり。すなわち、この請求項1のアラミドハニカムは、セル壁にて区画形成された中空柱状の多数のセルの集合体よりなる。そして、該セル壁の母材としてアラミドシートが用いられており、該アラミドシートは、パラ系アラミドパルプとバインダーとを含有,複合し、カレンダー加工されると共に多くの気孔を備えてなる。かつ、該アラミドシートよりなる該セル壁について、補強用の樹脂が付着,含浸せしめられており、各該気孔中にも該樹脂が充填されていること、を特徴とする。

0015

次に、請求項2については次のとおり。すなわち、この請求項2のアラミドハニカムは、請求項1に記載したアラミドハニカムにおいて、母材たる該アラミドシートは、更にパラ系アラミド繊維も含有,複合してなること、を特徴とする。請求項3については次のとおり。すなわち、この請求項3のアラミドハニカムは、請求項2に記載したアラミドハニカムにおいて、該パラ系アラミド繊維は、ステーブル状フロック状をなす短繊維よりなると共に、該パラ系アラミドパルプと該パラ系アラミド繊維の合計量の40%以下の重量比よりなる。かつ該バインダーは、該パラ系アラミドパルプと該パラ系アラミド繊維の合計量に対し、5%から20%の重量比よりなること、を特徴とする請求項4については次のとおり。すなわち、この請求項4のアラミドハニカムは、請求項1に記載したアラミドハニカムにおいて、各該気孔は、該アラミドシートの外表面から内部にかけて形成されており、20%から60%の体積比よりなること、を特徴とする。請求項5については次のとおり。すなわち、この請求項5のアラミドハニカムは、請求項1に記載したアラミドハニカムにおいて、補強用の該樹脂は、各該気孔の容積合計に対し50%以上の割合で充填されていること、を特徴とする。

0016

請求項6については次のとおり。すなわち、この請求項6のアラミドハニカムの製造方法では、まず、パラ系アラミドパルプとパラ系アラミド繊維とバインダーとを含有,複合して抄紙されたアラミドシートを準備し、次に、該アラミドシートをカレンダー加工すると共に、多くの気孔を形成,残存調整せしめる。それから、該アラミドシートを母材として条線状に接着剤を配設した後、該母材を、該接着剤が半ピッチずつずれた位置関係で重積してから、加圧,加熱することにより該母材間を接着する。それから、重積方向に引張力を加えて展張することにより、該母材をセル壁とし、該セル壁にて区画形成された中空柱状の多数のセルの集合体よりなる、アラミドハニカムを成形したする。そして、後処理として該アラミドハニカムについて、該セル壁に補強用の樹脂が付着,含浸せしめられ、各該気孔中にも該樹脂が充填されること、を特徴とする。請求項7については次のとおり。すなわち、この請求項7のアラミドハニカムは、請求項6に記載したアラミドハニカムの製造方法において、カレンダー加工は、19.6×104N/m以上の線圧条件下、かつ150℃以上の温度条件下で行われること、を特徴とする。

0017

本発明は、このようになっているので、次のようになる。このアラミドハニカムおよびその製造方法では、主成分たる60%から100%の重量比のパラ系アラミドパルプと、40%から0%の重量比のパラ系アラミド繊維と、これらの合計量に対し5%から20%の重量比のバインダーと、を含有,複合したアラミドシートを用いてなる。そしてこのアラミドシートは、19.6×104N/m以上の線圧条件下かつ150℃以上の温度条件下でカレンダー加工されると共に、その際、20%から60%の体積比で形成,残存調整された多くの気孔を備えてなる。そして、このアラミドシートを母材とし、→条線状に接着剤を配設して、→半ピッチずつずれた位置関係で重積してから、→加圧,加熱することにより、→母材間を接着してから、→重積方向に引張力を加えて展張することにより、→母材をセル壁としたアラミドハニカムが成形される。

0018

更に後処理として、成形されたアラミドハニカムについて、セル壁に補強用の樹脂が付着,含浸せしめられ、各気孔中にも50%以上の割合で、補強用の樹脂が充填されている。そこで、このアラミドハニカムにあっては、まず、セル壁内部まで充填,浸透した補強用の樹脂により、セル壁つまりアラミドシートを構成するパラ系アラミドパルプ,パラ系アラミド繊維,バインダー等が、相互に強力に結合されている。更にこれと共に、セル壁外表面を付着,被覆する補強用の樹脂と、セル壁内部まで充填,浸透した補強用の樹脂とが、3次元で強力に結合されている。

発明を実施するための最良の形態

0019

以下本発明を、図面に示す発明の実施の形態に基づいて、詳細に説明する。図1図2図3図4図5図6図7等は、本発明の実施の形態の説明に供する。そして、図1の(1)図は、アラミドシートの抄紙工程の側面説明図、(2)図は、得られたアラミドシートの平面説明図、(3)図は、カレンダー加工工程の斜視図である。図2の(1)図は、アラミドシートの拡大した平面説明図、(2)図は、アラミドシートの拡大した断面説明図である。図3の(1)図は、接着剤の配設工程の斜視図、(2)図は、重積工程の斜視図、(3)図は、加圧,加熱工程の正面図である。図4の(1)図は、展張工程の斜視図、(2)図は、補強用樹脂の付着,含浸工程の斜視図、(3)図は、乾燥工程の斜視図である。図5の(1)図は、アラミドハニカムの斜視図、(2)図は、そのセル壁の拡大した断面説明図である。図6の(1)図は、アラミドハニカムの圧縮強度とアラミドシートの気孔率との関係の1例を示すグラフ、(2)図は、アラミドハニカムの圧縮強度とアラミドシートの気孔率との関係の他の例を示すグラフである。図7の(1)図は、アラミドハニカムの圧縮強度とパラ系アラミド繊維の量との関係を示すグラフ、(2)図は、アラミドハニカムの剪断強度(W方向)とパラ系アラミド繊維の量との関係を示すグラフ、(3)図は、アラミドハニカムの剪断強度(L方向)とパラ系アラミド繊維の量との関係を示すグラフである。

0020

まず、アラミドシート1の組成について述べる。図2に示したように、母材として用いられるこのアラミドシート1は、パラ系アラミドパルプ2と、必要に応じ混入されるパラ系アラミド繊維3と、バインダー4とを、含有,複合してなる。まず、パラ系アラミドパルプ2は、例えば、ナイロン系樹脂の繊維たるパラ系アラミド繊維3を原材料とし、これを硫酸溶液等中で薬液処理すると共に、切断器を用い細かく切断するチョップ加工を施して得られる。そして、絡まりやすい極細巻毛状をなし、例えば3mmから10mm程度の長さ、20フリーネスから700フリーネス(水保持性,濾水度)のものが用いられる。このパラ系アラミドパルプ2は、アラミドシート1の主成分として用いられ、パラ系アラミドパルプ2とパラ系アラミド繊維3の合計量100%に対し、60%から100%の重量比(つまり、100:60以上の割合)で用いられる。

0021

パラ系アラミド繊維3は、切断器を用い細かく切断するチョップ加工が施されてなり、例えば3mmから10mm程度の長さの細毛状、つまりフロック状やステーブル状の短織状をなす。又、0.3デニールDから3.0デニールDの太さのものが使用される(9000m当たりの重さが1gのとき、1デニールD)。このパラ系アラミド繊維3は、アラミドシート1において、パラ系アラミドパルプ2とパラ系アラミド繊維3の合計量100%に対し、0%から40%の重量比で用いられる(つまり、100:40以下の割合で用いられる)(後述の実施例を参照)。

0022

バインダー4は、化学的つなぎ結合材として用いられ、パラ系アラミドパルプ2やパラ系アラミド繊維3間を、加熱による軟化,溶融,硬化にて接合,結合し、アラミドシート1に不織紙としての紙強度を付与する。このバインダー4としては樹脂系のものが使用され、例えば、PVA(ポリビニルアルコール)樹脂等のビニル系樹脂フェノール系樹脂アクリルエステル系樹脂,その他の水溶性熱硬化性樹脂熱可塑性樹脂が用いられる。そしてバインダー4は、抄紙に際し水等の抄紙液に分散・エマルジョン化される。このバインダー4は、アラミドシート1において、パラ系アラミドパルプ2とパラ系アラミド繊維3の合計量100%に対し、5%から20%の重量比で用いられる(つまり、100:5から100:20の割合で用いられる)。重量比が5%未満の場合は、接合,結合力が不足し、20%を越える場合は、流れ出てしまい抄紙に支障が生じる。なお、バインダー4としてPVA樹脂のようにカレンダー加工用の金属ロール5(図1の(3)図を参照)に対し付着性が強いものが使用される場合は、金属ロール5表面について、予め離型剤が塗布されるかテフロン加工が施される。アラミドシート1は、このようなパラ系アラミドパルプ2,パラ系アラミド繊維3,バインダー4等を、含有,複合してなる。アラミドシート1の組成は、このようになっている。

0023

次に、アラミドシート1の抄紙について述べる。図1の(1)図,(2)図に示したように、この抄紙は、従来より一般的な抄紙設備を用い、木材(セルロース繊維・狭義のパルプ)を原材料とした、従来より公知の抄紙方法(離解叩解→抄紙→乾燥)を実施すること、により行われる。まず、パラ系アラミドパルプ2,パラ系アラミド繊維3,バインダー4等が、液槽6中に投入されて、かく拌,分散,混合され離解される。液槽6中には予め、水や水に有機系溶液を加えた抄紙液が配されている。

0024

次に、パラ系アラミドパルプ2,パラ系アラミド繊維3,バインダー4等の混合液が、濾過用フィルターたる分離シート7を利用して、アラミドシート1を構成することになる固形成分8と、液分とに分離される。図示例では、傾斜した無端ベルト状の分離シート7が用いられており、分離シート7が液槽6中から液槽6上へと走行して行くことにより、分離シート7上に固形成分8が吸着,分離され、液分は、分離シート7を通過して流下,分離される。それから、このように分離されると共にまだ濡れた状態の固形成分8は、バキュームプレスにより水を除去された後、ドラムロールに巻かれると共にドライヤーにより例えば100℃から150℃程度で加熱される。この加熱により、固形成分8について液分の乾燥が行われ、もって、パラ系アラミドパルプ2,パラ系アラミド繊維3,バインダー4等を含有した組成よりなるアラミドシート1(図2を参照)が得られる。アラミドシート1は、このように抄紙される。

0025

次に、カレンダー加工について述べる。図1の(3)図に示したように、上述により抄紙されたアラミドシート1は、加熱された金属ロール5間を通して圧延することにより、カレンダー加工され、もって、イ.樹脂系のバインダー4の軟化,溶融,硬化による不織紙としての紙強度の付与と、ロ.全体的に平滑で極めて薄い紙厚にフィルム状化する処理と、ハ.気孔9の形成,残存調整と、が行われる。このカレンダー加工は、金属ロール5間における19.6×104N/m(200kg/cm)以上の線圧条件下、かつ金属ロール5の150℃以上の温度条件下で行われるが、具体的条件は、後述するようにアラミドシート1の組成等によって異なる。なお、線圧条件が19.6×104N/m未満の場合は、アラミドシート1の紙密度が低く紙厚が厚くなり過ぎて薄いフィルム状とはならず、ハニカム製造に不適となる。線圧条件の上限は、39.2×104N/m(400kg/cm)程度である。又、温度条件が150℃未満の場合は、バインダー4の軟化,溶融が不能となる。温度条件の上限は、300℃程度である。

0026

図2の(2)図に示したように、気孔9は、抄紙されたアラミドシート1のカレンダー加工に際し、アラミドシート1の外表面から内部にかけて連続した細孔空間として、多数形成,残存調整される。つまり気孔9は、パラ系アラミドパルプ2とパラ系アラミド繊維3間において軟化,溶融,硬化したバインダー4の間隙として、カレンダー加工にかかわらず形成され残存する。そして、アラミドシート1全体に対する各気孔9の気孔率は、20%から60%の体積比よりなる。この気孔率Aは、JIS P8111又はISO 187に基づいて測定したアラミドシート1の紙厚tmmと紙面積sと、パラ系アラミドパルプ2,パラ系アラミド繊維3,バインダー4等の素材密度の合計とを乗じて、まず、気孔率0%の紙重量Mを算出し、次に、実際の紙重量mを求めて、紙重量mを紙重量Mで除して求めた値である。つまり、次の数式1で表わされる。

0027

A=m/M×100

0028

なお、各気孔9のアラミドシート1全体に対して占める割合は、このような気孔率によらず、紙密度によって表現することもできる。すなわち、気孔率20%から60%は、紙密度0.9g/cm3から0.4g/cm3程度に、ほぼ相当する。この紙密度B(g/cm3)は、JIS P8124に基づいて測定したアラミドシート1の坪量Cを、JIS P8111又はISO 187に基づいて測定した紙厚tで除した値である。つまり、次の数式2で表わされる。

0029

B=C/t

0030

なお、各気孔9の気孔率が20%未満の場合は、後述する補強用の樹脂10(図5の(2)図を参照)の充填量が不足し、ハニカム強度が低下する。これに対し、気孔率が60%を越えた場合は、補強用の樹脂10の充填量が過多となり、あたかもアラミドシート1が樹脂10製のごとくなり、この面からハニカム強度が低下する(後述する実施例を参照)。さてカレンダー加工により、このような気孔9が形成,残存調整されるが、気孔率20%から60%間での具体的な気孔率は、アラミドシート1の組成、つまりパラ系アラミドパルプ2,パラ系アラミド繊維3,バインダー4等の組成や、カレンダー加工の線圧条件や温度条件、等により設定される。つまり、組成を見てカレンダー加工の線圧条件や温度条件を具体的に設定することにより、気孔9が、20%未満となったり60%を越えたりしないと共に、その間における最適な気孔率にて形成,残存調整される。そして、所定のハニカム強度を得るために必要な補強用の樹脂10の充填量と充填率とを案することにより、その為に必要な各気孔9の容積つまり最適な気孔率が決定される。

0031

例えばアラミドシート1が、300フリーネス(水保持性,濾水度)で100%の重量比のパラ系アラミドパルプ2と、これに対し20%の重量比(つまり、100:20の割合)のアクリスエステル系樹脂のバインダー4と、を含有した組成の場合は、次のようになる。まず、2本の金属ロール5を用い、19.6×104N/m(200kg/cm)の線圧条件下、200℃の温度条件下、50m/minから100m/minの紙送り速度条件下で、カレンダー加工を行った所、気孔率20%から35%(紙密度0.9g/cm3から0.7g/cm3)の気孔9が、形成,残存調整された。これに対し、温度条件を150℃に変更した場合は、気孔率40%から50%(紙密度0.6g/cm3から0.8g/cm3)の気孔9が、形成,残存調整された。

0032

次に、例えばアラミドシート1が、300フリーネス(水保持性,濾水度)で60%の重量比のパラ系アラミドパルプ2と、1.5デニールの太さで6mmの長さの40%の重量比のパラ系アラミド繊維3と、これらの合計量100%に対し20%の重量比(つまり、100:20の割合)のアクリルエステル系樹脂のバインダー4と、を含有した組成の場合は、次のようになる。まず、前述と同様の2本の金属ロール5を用い、19.6×104N/m(200kg/cm)の線圧条件下、200℃の温度条件下、50m/minから100m/minの紙送り速度条件下で、カレンダー加工を行った所、気孔率30%から50%(紙密度0.8g/cm3から0.6g/cm3)の気孔9が、形成,残存調整された。これに対し、温度条件を150℃に変更した場合は、気孔率40%から60%(紙密度0.7g/cm3から0.5g/cm3)の気孔9が、形成,残存調整された。気孔9は、このようになっている。カレンダー加工は、このように行われる。

0033

次に、アラミドハニカム11の成形について述べる。図3の(1)図,(2)図,(3)図,図4の(1)図等に示したように、このアラミドハニカム11の製造方法では、上述により抄紙されると共にカレンダー加工されて準備され、多くの気孔9が形成,残存調整せしめられたアラミドシート1を母材とし、次の,,,の各工程を順次辿る展張方式により、アラミドハニカム11が成形される。

0034

まず、接着剤12配設工程について述べる。図3の(1)図に示したように、アラミドシート1に対し、まず、条線状に接着剤12が配設される。すなわち、準備された母材たるアラミドシート1に対し、接着剤12が、塗布方式印刷方式により、一定幅と一定ピッチの条線状に配設される。接着剤12としては、エポキシ系樹脂,フェノール系樹脂,アクリル系樹脂ポリイミド系樹脂等が使用される。図示例では、リール13に巻かれた帯状のアラミドシート1が、フラットな帯状に戻されて、塗布ロール14と圧接ロール15間に供給される。そして、略歯車状をなす塗布ロール14を介し、接着剤槽16中の接着剤12が、アラミドシート1の片面に対し、短手方向に条線状に配設される。配設された接着剤12は、事後、乾燥される。

0035

次に、重積工程について述べる。図3の(2)図に示したように、アラミドシート1は、一定長さ毎に切断された後、配設された接着剤12が半ピッチずつずれた位置関係で、重積される。すなわち、の接着剤12配設工程で、条線状に接着剤12が配設された帯状の母材たるアラミドシート1は、一定長さ毎に切断された後、例えば400枚程度の多数枚が、上下にブロック状に重積される。図中17は、重積方向を示す。そしてその際、図示例ではそれぞれ片面に条線状に配設されていた接着剤12が、上下のアラミドシート1間で、左右に互いに半ピッチずつずれた位置関係で、位置決めされる。

0036

次に、接着工程について述べる。図3の(3)図に示したように、重積された各アラミドシート1は、加圧,加熱されることにより、接着される。すなわち、の重積工程でブロック状に重積された母材たる多数枚のアラミドシート1は、接着剤12の溶融温度で加熱しつつ加圧するホットプレスにより、接着される。つまり、条線状に配設されていた接着剤12が溶融,硬化し、各アラミドシート1間が条線状に接着される。

0037

次に、展張工程について述べる。図4の(1)図に示したように、重積,接着された各アラミドシート1は、重積方向に引張力を加えることにより、展張される。すなわち、接着工程でブロック状に重積されたまま接着された母材たる多数枚のアラミドシート1は、重積方向17(図3の(2)図,(3)図では上下方向、図4の(1)図では左右方向)を展張方向として引張力を加えることにより、拡開され展張される。そして各アラミドシート1は、条線状の接着剤12による接着部の縁に沿って折曲され、接着部以外の部分が、図4の(1)図では左右方向の重積方向17に伸長を伴いつつ広がるように、分離,離隔される。このアラミドハニカム11の製造方法では、このような接着剤12配設工程,重積工程,接着工程,展張工程等を、順次辿る展張方式により、アラミドハニカム11が成形される。すなわち、図4の(1)図や図5の(1)図に示したように、条線状に接着されると共に展張された母材たる各アラミドシート1を、セル壁18とし、セル壁18にて区画形成された中空柱状の多数のセル19の平面的集合体たる、アラミドハニカム11が成形される。アラミドハニカム11は、このように成形される。

0038

次に、後処理工程について述べる。図4の(2)図,(3)図に示したように、このように成形されたアラミドハニカム11は、後処理として、セル壁18に補強用の樹脂10が付着,含浸せしめられ、前述した各気孔9中にも樹脂10が充填される。このような後処理工程について、更に詳述する。成形されたアラミドハニカム11は、図4の(2)図に示したように、補強用の樹脂10が貯溜された浴槽20中に浸漬される。補強用の樹脂10としては、フェノール系樹脂,エポキシ系樹脂,ポリイミド系樹脂,その他の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂が選択使用される。そして、この補強用の樹脂10は、15%から70%の重量比・固形分比溶剤に溶かした、ワニス状液体として使用される。

0039

そして、このような補強用の樹脂10中に浸漬されたアラミドハニカム11は、アラミドシート1を母剤としたセル壁18について、補強用の樹脂10が、その外表面に付着,被覆されると共に、各気孔9中にも充填され内部にも浸透,含浸する。しかる後、このように補強用の樹脂10が付着,含浸せしめられたアラミドハニカム11は、浴槽20から取り出された後、図4の(3)図に示したように、乾燥炉21において熱風にて乾燥される。もって、溶剤が除去せしめられると共に、付着,含浸された補強用の樹脂10が硬化つまりキュアーせしめられる。なお、このような浴槽20への浸漬と乾燥炉21による乾燥は、複数回繰り返され、もってアラミドハニカム11について、補強用の樹脂10が所定量付着,含浸せしめられる。

0040

この補強用の樹脂10は、各気孔9の容積合計に対し50%から100%の割合で充填される。すなわち、前述した図2の(2)図に示したように、セル壁18の母材たるアラミドシート1には、20%から60%の体積比つまり気孔率にて、多くの気孔9が形成,残存調整されている。そして、図5の(2)図に示したように、補強用の樹脂10が、このような各気孔9の容積合計に対し50%以上の割合で充填され、もってセル壁18つまりアラミドシート1内部へも浸透,含浸される。図5の(2)図では、100%充填された例が示されている。後処理工程は、このようになっている。

0041

次に、アラミドハニカム11について述べる。さて、このアラミドハニカム11の製造方法では、前述した,,,の各工程を辿って成形されたアラミドハニカム11について、後処理工程において、補強用の樹脂10が付着,含浸せしめられる。このようにして、図5の(1)図等に示したアラミドハニカム11が製造される。このアラミドハニカム11は、セル壁18にて区画形成された中空柱状の多数のセル19の平面的集合体よりなり、セル壁18の母材としてアラミドシート1が用いられている。そして、このアラミドシート1は、60%から100%の重量比のパラ系アラミドパルプ2と40%以下の重量比のパラ系アラミド繊維3と、これらの合計量に対し5%から20%の重量比のバインダー4と、を含有,複合してなり、カレンダー加工されると共に多くの気孔9を備えてなる。そして、アラミドシート1よりなるセル壁18について、補強用の樹脂10が付着,含浸せしめられており、各気孔9中にも樹脂10が充填されている。

0042

このアラミドハニカム11において、セル壁18そしてセル19の断面形状は、図示の正六角形状のものが代表的であるが、これによらず縦長や横長の六角形状,その他の六角形状,台形状,略四角形状,その他各種形状のものも可能である。そして、このアラミドハニカム11も、一般的なハニカムコアと同様に多くの場合、その両開口端面たるセル端面に、それぞれ表面板が接着され、もってハニカムサンドイッチパネルとして、使用に供される。そして、アラミドハニカム11やそのハニカムサンドイッチパネルは、一般のものと同様に、重量比強度に優れ、軽量であると共に高い剛性・強度(ハニカム強度)を備えてなり、更に整流効果に優れ、単位容積当たりの表面積が大である等々の特性を備え、ハニカムサンドイッチパネルは、更に平面精度保温性遮音性等にも優れており、もって、広く各種の構造材として使用される。そしてアラミドハニカム11は、パラ系のアラミドシート1を母材としているので、特に難燃性や圧縮強度,剪断強度等のハニカム強度に優れている。アラミドハニカム11は、このようになっている。

0043

本発明は、以上説明したように構成されている。そこで以下のようになる。このアラミドハニカム11およびその製造方法では、主成分たる60%から100%の重量比のパラ系アラミドパルプ2と、適宜0%から40%の重量比のパラ系アラミド繊維3と、これらの合計量に対し5%から20%の重量比の樹脂系のバインダー4と、を含有,複合して抄紙されたアラミドシート1を用いてなる(図1の(1)図,(2)図,図2の(1)図,(2)図等を参照)。そして、このアラミドシート1は、19.6×104N/m以上の線圧条件下、かつ150℃以上の温度条件下でカレンダー加工されると共に(図1の(3)図を参照)、その際、カレンダー加工が行われるにもかかわらず、20%から60%の体積比で形成,残存調整された、多くの気孔9を備えてなる(図2の(2)図を参照)。

0044

そして、このようなアラミドシート1を母材とし、→条線状に接着剤12を配設して、→半ピッチずつずれた位置関係で重積してから、→加圧,加熱することにより、母材間を接着してから、→重積方向に引張力を加えて展張することにより、→アラミドシート1よりなる母材をセル壁18とした、アラミドハニカム11が成形される(図3の(1)図,(2)図,(3)図,図4の(1)図,図5の(1)図等を参照)。更に、後処理として、このように成形されたアラミドハニカム11について、セル壁18に補強用の樹脂10が付着,含浸せしめられており、各気孔9中にも50%以上の割合で、補強用の樹脂10が充填されている。

0045

さてそこで、このアラミドハニカム11およびその製造方法によると、次の第1,第2,第3のようになる。第1に、このアラミドハニカム11およびその製造方法では、セル壁18の母材としてアラミドシート1を用いてなり、このアラミドシート1はパラ系アラミドパルプ2を主成分とし、嵩張り分散性やフリーネス(水保持性,濾水度)が良くなく復元性が高い繊維、つまりパラ系アラミド繊維3は40%以下の重量比で含有しているに過ぎない。そこで、この母材たるアラミドシート1は、抄紙に際しバインダー4の定着性に問題が生じるようなことはなく、紙強度が保持されると共に、紙密度が不揃いでバラツキが目立つようなことはなく、カレンダー加工後の冷却段階で熱収縮が全体的に不均一となることもなく、しわの発生もない。又、抄紙後のカレンダー加工により、確実に薄いフィルム状化され、この面からも紙厚や紙密度に特に問題が生じることがない。

0046

このアラミドハニカム11は、このように地合等が向上したアラミドシート1を母材としてなるので、製造に際し取り扱い性が良く、精度にも優れており、重積等も容易である。又、母材たるアラミドシート1に貫通した大きなピンホールが生じることもなく、表面に塗布された接着剤12が、事後の加圧,加熱により裏抜けして、重積された母材つまりアラミドシート1間がブロック状に接着されてしまうこともない。これらにより、アラミドハニカム11は、スムーズに重積,接着,展張され、成形,製造されるようになる。

0047

第2に、このアラミドハニカム11およびその製造方法において、セル壁18の母材として用いられるアラミドシート1は、比較的安価なパラ系アラミドパルプ2,パラ系アラミド繊維3,樹脂系のバインダー4,等を含有してなり、高価なメタ系アラミドパルプ等が必須的に用いられる訳ではない。更に、カレンダー加工も比較的低圧の線圧条件下(19.6×104N/m以上程度)、比較的低温の温度条件下(150℃以上程度)で行われ、特に高圧,高温が必須的に要求されている訳ではない。

0048

第3に、そしてこのアラミドハニカム11にあっては、このように各気孔9を利用してセル壁18内部まで充填,浸透した補強用の樹脂10により、図5の(2)図に示したように、まず、セル壁18の母材たるアラミドシート1を構成するパラ系アラミドパルプ2,パラ系アラミド繊維3,バインダー4等が、相互間で一段と強力に結合される。更に、これと共に、このアラミドハニカム11にあっては、セル壁18外表面に付着して被覆する補強用の樹脂10と、セル壁18内部まで各気孔9を利用して充填,浸透した補強用の樹脂10とが、3次元で編み目状に強力に結合された構造が形成される。

0049

さてそこで、このアラミドハニカム11では、例えばセル壁18外表面に付着,被覆していた補強用の樹脂10が、外力により界面で剥がれる層間剥離は、防止されるようになる。このように、このアラミドハニカム11は、圧縮強度や剪断強度等の機械的強度、つまりハニカム強度に優れている。

0050

例えば、このアラミドハニカム11は、MILSTD−401に準拠して試験,測定して結果、次の各種のハニカム強度を備えている。まず比圧縮強度は、21.6kPa/(kg/m3)から137.9kPa/(kg/m3)(50psi/pcfから320psi/pcf:ポンドスクエアインチ/ポンド・キュービックフィート:圧力/密度)となった(Stabilized Compressionで試験)。次に、比剪断強度(L方向)は、12.9kPa/(kg/m3)から73.3kPa/(kg/m3)(30psi/pcfから170psi/pcf)となった(Plate Shear試験で計測)。なお、L方向とはリボン方向のことであり、展張方向Wつまり重積方向17と例えば水平面において直行する方向を言う(図4の(1)図を参照)。又、比剪断強度(W方向)は、6.4kPa/(kg/m3)から38.8kPa/(kg/m3)(15psi/pcfから90psi/pcf)となった(Plate Shear試験で計測)。W方向とは、展張方向Wのことである。比剪断弾性率(L方向)は、863kPa/(kg/m3)から5,169kPa/(kg/m3)(2,000psi/pcfから12,000psi/pcf)となった(Plate Shear試験で計測)。比剪断弾性率(W方向)は、431kPa/(kg/m3)から2,588kPa/(kg/m3)(1,000psi/pcfから6,000psi/pcf)となった(Plate Shear試験で計測)。なお、このような各ハニカム強度については、次に述べる実施例の試験,測定,結果を参照。本発明では、以上の第1,第2,第3のようになる。

0051

次に、実施例について説明する。まず図6により、本発明の実施例のアラミドハニカム11の圧縮強度とアラミドシート1の気孔9の気孔率との関係について、試験,測定した結果について述べておく。
まず図6の(1)図は、アラミドシート1として、100%の重量比のパラ系アラミドパルプ2と、これに対し15%の重量比(つまり、100:15の割合)のアクリルエステル系樹脂のバインダー4と、を含有した組成よりなり、坪量38g/m2のものを、母材として用いた。又、後処理工程で付着,含浸せしめられる補強用の樹脂10としては、40%の重量比・固形分比にて溶剤に溶かしたフェノールメタノール樹脂溶液が使用され、その粘度は360mPa・sである。なお試験は、MIL−STD−401に準拠し、パネル圧縮試験として実施した。この結果、本発明の実施例のアラミドハニカム11,つまりアラミドシート1の気孔率が20%から60%のアラミドハニカム11においては、圧縮強度が高い値を示しており、適切量の補強用の樹脂10が付着,含浸せしめられている、と判断される。

0052

これに対し図6の(2)図は、アラミドシート1として、60%の重量比のパラ系アラミドパルプ2と、40%の重量比のパラ系アラミド繊維3と、これらの合計量100%に対し、15%の重量比(つまり、100:15の割合)のアクリルエステル系樹脂のバインダー4と、を含有した組成よりなり、坪量38g/m2のものを、母材として用いた。又、後処理工程で付着,含浸せしめられる補強用の樹脂10としては、40%の重量比・固形分比にて溶剤に溶かしたフェノール/メタノール樹脂溶液が使用され、その粘度は360mPa・sである。なお、この試験も、MIL−STD−401に準拠し、パネルの圧縮試験として実施した。この結果も、上述したと同様、本発明の実施例のアラミドハニカム11、つまりアラミドシート1の気孔率が20%から60%のアラミドハニカム11においては、圧縮強度が高い値を示しており、適切量の補強用の樹脂10が付着,含浸せしめられている、と判断される。

0053

次に図7により、本発明の実施例のアラミドハニカム11のハニカム強度と、アラミドシート1中に含有されるパラ系アラミド繊維3の量との関係について、MIL−STD−401に準拠して、試験,測定した結果について述べておく。ハニカム強度として、図7の(1)図では、アラミドハニカム11の圧縮強度について試験し、図7の(2)図では、アラミドハニカム11の剪断強度(W方向)について試験し、図7の(3)図では、アラミドハニカム11の剪断強度(L方向)について試験した。

0054

又、図中タイプA,タイプB,タイプCのアラミドハニカム11は、本発明のそれぞれ実施例であり、タイプDのアラミドハニカムは、前述したこの種従来例に関し比較例である。そして、タイプA,タイプB,タイプC,タイプD共に、ハニカム密度が3pcf(48kg/m3)のものを用いた。又、タイプA,タイプB,タイプCのアラミドハニカム11共に、母材たるアラミドシート1は、パラ系アラミドパルプ2とパラ系アラミド繊維3の合計量100%に対し、15%の重量比の同一樹脂系のバインダー4を含有してなる。更に、タイプA,タイプB,タイプCのアラミドハニカム11共に、カレンダー加工により母材たるアラミドシート1に多数形成,残存調整される各気孔9は、40%の体積比の気孔率よりなる。又、後処理工程で付着,含浸せしめられる補強用の樹脂10としては、40%の重量比・固形分比にて溶剤に溶かしたフェノール/メタノール樹脂溶液が使用され、その粘度は360mPa・sである。

0055

そして、タイプAのアラミドハニカム11では、母材たるアラミドシート1について、100%の重量比のパラ系アラミドパルプ2が含有されており、パラ系アラミド繊維3は含有されていない。タイプBのアラミドハニカム11では、母材たるアラミドシート1として、80%の重量比のパラ系アラミドパルプ2と、20%の重量比のパラ系アラミド繊維3とを、含有されたものが用いられている。タイプCのアラミドハニカム11では、母材たるアラミドシート1として、60%の重量比のパラ系アラミドパルプ2と、40%の重量比のパラ系アラミド繊維3とを、含有したものが用いられている。これらに対し、タイプDの従来例・比較例のアラミドハニカムでは、60%の重量比のパラ系アラミド繊維3と、バインダーとして機能する40%の重量比のメタ系アラミドパルプと、を含有してなる。そしてタイプDでは、気孔9はほぼ形成,残存調整されておらず、補強用の樹脂10の内部への充填はほとんどない。

0056

さて、これらのタイプA,タイプB,タイプC,タイプD等について、それぞれ、圧縮強度について試験,測定した結果、図7の(1)図に示した結果が得られた。剪断強度(W方向)について試験,測定した結果、図7の(2)図に示した結果が得られた。剪断強度(L方向)につて試験,測定した結果、図7の(3)図に示した結果が得られた。これらを分析すると、パラ系アラミド繊維3を全く使用しないタイプAの実施例のアラミドハニカム11でさえも、タイプDの比較例にほぼ勝る,,圧縮強度,剪断強度(W方向,L方向)等のハニカム強度が得られた。そして、タイプAからタイプCへと、パラ系アラミド繊維3の量が増加して行くに従い、,,のハニカム強度が、一段と向上して行った。

0057

このように、本発明の実施例たるタイプA,タイプB,タイプCのアラミドハニカム11は、この種従来例のタイプDのアラミドハニカムに比し、はるかに優れた,,のハニカム強度を備えていた。なお、本発明の各実施例において、母材たるアラミドシート1中に含有されるパラ系アラミド繊維3が、40%の重量比を越えると、アラミドシート1の地合が急激に悪化し、前述したように、貫通した大きなピンホールが生じやすくなり、アラミドハニカム11の成形,製造中に、接着剤12の裏抜け等の事故が発生しやすかった。そこで、アラミドハニカム11において、母材たるアラミドシート1中のパラ系アラミド繊維3の含有量については、パラ系アラミドパルプ2に対し、40%の重量比まではハニカム強度が順次向上するが、40%が含有量の限界であることが判明した。本発明の実施例は、このようになっている。

発明の効果

0058

本発明に係るパラ系のアラミドハニカムおよびその製造方法は、以上説明したように、パラ系アラミドパルプ、バインダー、更には適宜、パラ系アラミドパルプに対し40%以下の重量比のパラ系アラミド繊維、等を含有,複合したパラ系のアラミドシートを、母材として用いてなる。そして、19.6×104N/m以上の線圧,150℃以上の温度でカレンダー加工すると共に、20%から60%の体積比で多くの気孔を、形成,残存調整せしめてなり、後処理として付着,含浸せしめられる補強用の樹脂が、各気孔中にも50%以上充填されている。そこで、次の効果を発揮する。

0059

第1に、母材の地合等が向上し、スムーズに製造できる。すなわち、本発明のアラミドハニカムおよびその製造方法において、母材として用いられるアラミドシートは、パラ系アラミドパルプを主成分とし、分散性が悪くフリーネス(水保持性,濾水度)も良くないパラ系アラミド繊維は、40%以下の重量比で含有しているに過ぎない。もって、パラ系アラミド繊維を50%以上の重量比で含有していた前述したこの種従来例のように、紙強度に問題が生じることがないと共に、紙密度が不揃いでバラツキが目立つようなことがなく、カレンダー加工後の熱収縮が不均一となることもなく、しわ等の発生もない。このアラミドハニカムは、このように地合等が向上したアラミドシートを母材としてなるので、製造に際し、取り扱い性が良く、精度にも優れており、重積等も容易である。又、大きなピンホールが生じることもなく、表面に塗布された接着剤が裏抜けして、重積された母材間がブロック状に接着されてしまうことがなく、展張もスムーズである。これらにより、このアラミドハニカムは、何ら支障なくスムーズに製造可能である。

0060

第2に、コスト面にも優れている。すなわち、本発明のアラミドハニカムおよびその製造方法において、母材として用いられるアラミドシートは、比較的安価なパラ系アラミドパルプ,樹脂系のバインダー,パラ系アラミド繊維等を含有してなり、カレンダー加工も、比較的低圧,低温のもとで可能である。つまり、前述したこの種従来例のように、高価なメタ系アラミドパルプを必須的に用いることもなく、又、特に高圧条件下かつ高温条件下でカレンダー加工を行うことが、必須的でもない。もって、このアラミドハニカムは、製造コスト等のコスト面にも優れている。

0061

第3に、そして優れたハニカム強度を備えてなる。すなわち、本発明のアラミドハニカムおよびその製造方法において、母材として用いられるアラミドシートは、カレンダー加工後も多くの気孔を備えてなり、後処理として付着,含浸せしめられる補強用の樹脂が、各気孔中にも充填されている。そして、このようにセル壁内部まで充填,浸透した補強用の樹脂により、セル壁のパラ系アラミドパルプ,パラ系アラミド繊維,バインダー等が、強力に結合されると共に、セル壁外表面の補強用の樹脂とセル壁内部の補強用の樹脂とが、強力に結合した構造が形成される。その結果、使用に際しアラミドハニカムに外力が作用した場合、前述したこの種従来例のように、例えば、セル壁外表面の補強用の樹脂層が剥がれる層間剥離は、防止される。

0062

このように、このアラミドハニカムは、圧縮破壊や剪断破壊が生じにくく、ハニカム強度に優れている。そして、前述したこの種従来例と比較すると、同一ハニカム強度が要求された場合、セル密度をより疎とすることができ、重量を大きく軽減することができる。このように、この種従来例に存した課題がすべて解決される等、本発明の発揮する効果は、顕著にして大なるものがある。

図面の簡単な説明

0063

図1本発明に係るアラミドハニカムおよびその製造方法について、発明の実施の形態の説明に供し、(1)図は、アラミドシートの抄紙工程の側面説明図、(2)図は、得られたアラミドシートの平面説明図、(3)図は、カレンダー加工工程の斜視図である。
図2同発明の実施の形態の説明に供し、(1)図は、アラミドシートの拡大した平面説明図、(2)図は、アラミドシートの拡大した断面説明図である。
図3同発明の実施の形態の説明に供し、(1)図は、接着剤の配設工程の斜視図、(2)図は、重積工程の斜視図、(3)図は、加圧,加熱工程の正面図である。
図4同発明の実施の形態の説明に供し、(1)図は、展張工程の斜視図、(2)図は、補強用樹脂の付着,含浸工程の斜視図、(3)図は、乾燥工程の斜視図である。
図5同発明の実施の形態の説明に供し、(1)図は、アラミドハニカムの斜視図、(2)図は、そのセル壁の拡大した断面説明図である。
図6同発明の実施の形態の説明に供し、(1)図は、アラミドハニカムの圧縮強度とアラミドシートの気孔率との関係の1例を示すグラフ、(2)図は、アラミドハニカムの圧縮強度とアラミドシートの気孔率との関係の他の例を示すグラフである。
図7同発明の実施の形態の説明に供し、(1)図は、アラミドハニカムの圧縮強度とパラ系アラミド繊維の量との関係を示すグラフ、(2)図は、アラミドハニカムの剪断強度(W方向)とパラ系アラミド繊維の量との関係を示すグラフ、(3)図は、アラミドハニカムの剪断強度(L方向)とパラ系アラミド繊維の量との関係を示すグラフである。

--

0064

1アラミドシート
2パラ系アラミドパルプ
3パラ系アラミド繊維
4バインダー
5金属ロール
6液槽
7分離シート
8固形成分
9 気孔
10樹脂
11アラミドハニカム
12接着剤
13 リール
14塗布ロール
15圧接ロール
16接着剤槽
17重積方向
18セル壁
19セル
20浴槽
21乾燥炉
Lリボン方向
W展張方向

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