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技術 動圧軸受モータ生産システムおよび生産方法、および該システムで生産されたモータ、並びに該モータを用いたディスク装置

出願人 日本電産株式会社
発明者 市山義和
出願日 2000年3月27日 (20年9ヶ月経過) 出願番号 2000-086043
公開日 2001年10月5日 (19年2ヶ月経過) 公開番号 2001-275319
状態 特許登録済
技術分野 電動機、発電機の外枠 電動機,発電機と機械的装置等との結合 すべり軸受 電動機、発電機の製造
主要キーワード 加工精度管理 通常電流値 スリーブ部品 総仕事量 動作特性データ 中心部品 シャフト部品 稼動環境
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

組立後の動圧軸受モータを一定条件で運転した場合のモータへの供給電流値クリアランスと大きく相関することを利用し、設計通りシャフトスリーブ等の動圧軸受部品生産するシステム生産方法を提供する。

解決手段

予め種々のクリアランス値を有する同一構造流体軸受モータに一定電圧を供給し、一定回転数定常運転した場合の供給電流値を測定し、基準データとする。そして組立後の動圧軸受モータを、同一条件で運転したときのモータへの供給電流値から、基準データからクリアランスを正確に算出し、部品データとして蓄積する。この部品データに基づいて、次に加工する軸受部品の加工制御を行う。

概要

背景

図8に一般的なディスク装置の内部構成を模式図として示す。ハウジング71の内部には、各種情報デジタル形式で高密度に記憶するディスク板73があり、これがモータ72のロータ部に回転自在に装着され、さらにディスク板73に対して情報を読み書きするヘッド移動機構77が配置されている。このヘッド移動機構は、ディスク板上の情報を読み書きするヘッド76、このヘッドを支えアーム75、およびヘッドおよびアームをディスク板上の所要の位置に移動させるアクチュエータ部74により構成されている。

近年、情報記録用のディスク装置は益々高密度化され、これに呼応してディスク装置に使用されるモータも2万回転を越える回転の高速化が求められている。この要請に対応してディスク装置には、従来のボール軸受に代わり2万回転以上でも安定かつ静寂に回転する流体動圧軸受を使用したスピンドルモータが用いられている。

かかる流体動圧軸受を使用したモータは、特願平11−87228、特願平11−178158、特願平11−224700、特願平11−219270等で開示された種々の軸受構造を有するが、これら全てについて、シャフトと、その外周面に対して微小間隙をもってそのシャフトを取り囲むスリーブとを有し、通常シャフトの外周面またはスリーブの内周面動圧溝を形成し、そこをオイル気体等の流体で満たすることにより、モータ回転時に流体の動圧によるラジアル方向の支持力を生み出すラジアル軸受部を形成している。

図7に動圧軸受モータの一例を図示する。回転軸を形成するシャフト40は、これを外周側面の微小間隙を介してスリーブ41に取り囲まれ、シャフト40の上端にはロータハブ43が固着され、その下端部にはスラストプレート42が形成されている。スラストプレート42の下部には、スリーブ41に固着されているカウンタプレート45が設けられ、スリーブ41はその外周下部でブラケット44に固定されている。シャフト40の外周面には、スリーブ41との微小間隙間に1対のラジアル軸受が形成されている。さらにスラストプレート42の上下面には、スリーブ41およびカウンタプレート45との間の微小間隙に1対のスラスト軸受が形成され、アキシャル方向の支持力を生んでいる。これらラジアルおよびスラスト軸受により、ロータ部を形成するシャフト40およびロータハブ43は、静止部を形成するスリーブ41およびブラケット44に対して、回転自在に支持されている。そしてロータハブ外周端内面に固着されたロータマグネット46と、これに対向する位置のブラケット44上に固着されたステータ47との間で形成される磁気駆動力により、モータとして動作する。

このような動圧軸受剛性および負荷能力は、軸受部の対向する間隙クリアランス)の寸法に大きく依存し、設計通り軸受剛性および負荷能力を得るためには、特にシャフトおよびスリーブを設計通りの寸法形状で加工仕上げすることが求められる。

概要

組立後の動圧軸受モータを一定条件で運転した場合のモータへの供給電流値がクリアランスと大きく相関することを利用し、設計通りのシャフト、スリーブ等の動圧軸受部品生産するシステム生産方法を提供する。

予め種々のクリアランス値を有する同一構造流体軸受モータに一定電圧を供給し、一定回転数定常運転した場合の供給電流値を測定し、基準データとする。そして組立後の動圧軸受モータを、同一条件で運転したときのモータへの供給電流値から、基準データからクリアランスを正確に算出し、部品データとして蓄積する。この部品データに基づいて、次に加工する軸受部品の加工制御を行う。

目的

そこで本発明の目的は、小型・薄型のディスク装置に使用される流体軸受モータの部品であるシャフトおよびスリーブその他の軸受部構成部品が、設計仕様に合わせて精度良く加工でき動圧軸受モータの生産システムおよび生産方法を提供することである。

また本発明の他の目的は、このような生産システムまたは生産方法によって制作された動圧軸受モータを用いたディスク装置を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

組立後の動圧軸受モータ動作特性検査することにより、該動圧軸受部品加工部を制御するシステムであって、動圧軸受の部品を加工する部品加工部と、該部品加工部の加工寸法を制御する加工制御部と、洗浄された前記加工部品を用いて動圧軸受モータを組立てるモータ組立部と、組立られた前記動圧軸受モータの全部または一部について、所定条件下で動作特性を検査する特性検査部とを有し、前記特性検査部の特性データに基づいて、前記部品加工部を制御することを特徴とする動圧軸受モータの生産システム

請求項2

請求項1に記載した動圧軸受モータの生産システムにおいて、前記特性検査部で検査される前記動圧軸受モータの特性データが、該モータを所定の条件で動作させたときに、該モータに供給される電流値であることを特徴とする動圧軸受モータの生産システム。

請求項3

請求項1または請求項2のいずれかに記載した動圧軸受モータの生産システムにおいて、前記加工制御部により前記部品加工部に与えられる加工制御データは、前記特性検査部において得られた複数の特性データに基づいて決定されることを特徴とする動圧軸受モータ生産システム。

請求項4

動圧軸受モータの生産方法であって、加工制御データに基づいて動圧軸受を構成する部品を加工する部品加工工程と、加工後の前記動圧軸受部品を洗浄し、これを用いて動圧軸受モータを組み立てるモータ組立工程と、組立られた前記動圧軸受モータの全部または一部について所定条件下での動作特性を検査する特性検査工程とを有し、前記特性検査工程の特性データに基づいて、前記部品加工工程を制御することを特徴とする動圧軸受モータの生産方法。

請求項5

請求項4に記載した動圧軸受モータの生産方法において、前記特性検査部で検査される前記動圧軸受モータの特性データが、該モータを所定の条件で動作させたときに、該モータに供給される電流値であることを特徴とする動圧軸受モータの生産方法。

請求項6

動圧軸受を生産するシステムであって、動圧軸受のシャフトおよび/またはスリーブの仕上を行う仕上加工部と、該仕上加工部の加工寸法を制御する加工制御部と、前記シャフトおよび/またはスリーブを用いて動圧軸受モータを組み立てるモータ組立部と、組立られた前記動圧軸受モータの全部または一部について、所定の条件で動作させたときに該モータに供給される電流値を検査する電流検出部とを有し、前記電流値に基づいて前記部品加工部を制御することにより、動圧軸受を構成するシャフトとスリーブとの間のクリアランスが適正寸法になるように、前記シャフトおよび/またはスリーブを加工することを特徴とする動圧軸受モータの生産システム。

請求項7

組立後の動圧軸受モータの動作特性を検査することにより、該動圧軸受のシャフトおよび/またはスリーブの加工工程を制御する動圧軸受の生産方法であって、加工制御データに基づいて動圧軸受を構成するシャフトおよび/またはスリーブを仕上加工する仕上加工工程と、前記シャフトおよび/またはスリーブを洗浄・乾燥し、これ用いて動圧軸受モータを組み立てるモータ組立工程と、組立られた前記動圧軸受モータの全部または一部について、所定の条件で動作させたときに該モータに供給される電流値を検出する電流検出工程とを有し、動圧軸受を構成するシャフトとスリーブ間のクリアランスを適正寸法にするために、前記電流値に対応する加工制御データを与えることにより、前記シャフトおよび/またはスリーブの前記仕上加工工程を制御することを特徴とする動圧軸受の生産方法。

請求項8

請求項1ないし請求項3または請求項6のいずれかに記載した動圧軸受の生産システムにより製造された動圧軸受部品を用いて構成されたことを特徴とする動圧軸受モータ。

請求項9

ハウジングと、該ハウジング内部に固定されたスピンドルモータと、該スピンドルモータの回転部に装着された円板状の記録媒体と、該記録媒体の所要の位置に情報を書き込むまたは読み出すための情報アクセス手段とを有するディスク装置であって、前記スピンドルモータは、請求項8に記載したモータ、または請求項4または請求項5または請求項7のいずれかに記載した生産方法で生産されたモータであることを特徴とするディスク装置。

技術分野

0001

本発明は、ハードディスク等の情報記録用ディスク回転駆動するためのスピンドルモータであって、特に潤滑流体による動圧軸受を使用したスピンドルモータの部品形状検査する装置および該部品加工装置に関する。加えて本発明は、これらの部品により製造されたモータ、および該モータを使用したディスク装置に関する。

背景技術

0002

図8に一般的なディスク装置の内部構成を模式図として示す。ハウジング71の内部には、各種情報デジタル形式で高密度に記憶するディスク板73があり、これがモータ72のロータ部に回転自在に装着され、さらにディスク板73に対して情報を読み書きするヘッド移動機構77が配置されている。このヘッド移動機構は、ディスク板上の情報を読み書きするヘッド76、このヘッドを支えアーム75、およびヘッドおよびアームをディスク板上の所要の位置に移動させるアクチュエータ部74により構成されている。

0003

近年、情報記録用のディスク装置は益々高密度化され、これに呼応してディスク装置に使用されるモータも2万回転を越える回転の高速化が求められている。この要請に対応してディスク装置には、従来のボール軸受に代わり2万回転以上でも安定かつ静寂に回転する流体動圧軸受を使用したスピンドルモータが用いられている。

0004

かかる流体動圧軸受を使用したモータは、特願平11−87228、特願平11−178158、特願平11−224700、特願平11−219270等で開示された種々の軸受構造を有するが、これら全てについて、シャフトと、その外周面に対して微小間隙をもってそのシャフトを取り囲むスリーブとを有し、通常シャフトの外周面またはスリーブの内周面動圧溝を形成し、そこをオイル気体等の流体で満たすることにより、モータ回転時に流体の動圧によるラジアル方向の支持力を生み出すラジアル軸受部を形成している。

0005

図7動圧軸受モータの一例を図示する。回転軸を形成するシャフト40は、これを外周側面の微小間隙を介してスリーブ41に取り囲まれ、シャフト40の上端にはロータハブ43が固着され、その下端部にはスラストプレート42が形成されている。スラストプレート42の下部には、スリーブ41に固着されているカウンタプレート45が設けられ、スリーブ41はその外周下部でブラケット44に固定されている。シャフト40の外周面には、スリーブ41との微小間隙間に1対のラジアル軸受が形成されている。さらにスラストプレート42の上下面には、スリーブ41およびカウンタプレート45との間の微小間隙に1対のスラスト軸受が形成され、アキシャル方向の支持力を生んでいる。これらラジアルおよびスラスト軸受により、ロータ部を形成するシャフト40およびロータハブ43は、静止部を形成するスリーブ41およびブラケット44に対して、回転自在に支持されている。そしてロータハブ外周端内面に固着されたロータマグネット46と、これに対向する位置のブラケット44上に固着されたステータ47との間で形成される磁気駆動力により、モータとして動作する。

0006

このような動圧軸受の剛性および負荷能力は、軸受部の対向する間隙クリアランス)の寸法に大きく依存し、設計通り軸受剛性および負荷能力を得るためには、特にシャフトおよびスリーブを設計通りの寸法形状で加工仕上げすることが求められる。

発明が解決しようとする課題

0007

近年のパーソナルコンピュータへの携帯性向上の要請を受けて、ディスク装置は、一層の小型化・薄型化が要求されている。これに対応して、ディスク装置に使用される流体動圧軸受のシャフト直径は通常2〜5mmの範囲で設計されることが多く、ラジアル軸受部のクリアランスは数μm(ミクロン)レベルで設計されている。そして量産された動圧軸受が安定な性能を発揮するためには、量産加工に際してサブミクロン(0.1μm)オーダ加工精度を管理し、軸受部のクリアランスを適正範囲で実現することが求められる。また今後ディスク装置の多用途化に伴い、その小型化要求は更に高くなると考えられ、将来はサブミクロンを越える微小寸法管理も求められると考えられる。

0008

これらの要求に対応して、加工後のシャフト外径およびスリーブ内径の検証には、少なくとも0.05μmレベルの寸法測定が可能な測定器を用いる必要があり、シャフト径は数ミリであることから、かかる測定器は5ないし6桁の測定精度が求められることになる。このような高精度の絶対寸法測定を安定に行うためには、温度や湿度に加えて振動のない測定環境整備する必要があり、非常に高価なものとなる。また例えこのような環境の整備された高精度測定器を整えたとしても、測定結果ピンポイント測定であり、流体軸受で求められる「軸受部全体のクリアランスが一定寸法範囲で均一であること」を保証するためには、多大な測定の手間と時間を必要とすることになる。

0009

一方かかるクリアランスを、加工直後のシャフトまたはスリーブにより組み立てられた動圧軸受モータの特性を評価することにより検査することが可能である。その際選択できるパラメータは、前記クリアランスと密接な関係にあるパラメータであることが必要であり、例えばNRROやモータの電流値等が考えられる。ここでNRROとは、Non Repeatable Runoutの略であり、モータの回転時に回転軸またはロータハブに生じる半径方向あるいは軸方向の非繰返し(非再現性変位をいう。従って例えばこのNRRO値を測定することにより、シャフトとスリーブとの間のクリアランスを間接的に評価することも不可能ではない。しかし動圧軸受を有するモータのNRRO値は通常十分に小さい値となっているため、測定精度は限界に近く、これをもってクリアランスの適否評価を行うのは不適切である。

0010

一方モータに供給される電流値は比較的精度良く測定でき、動圧軸受のシャフトとスリーブとの間の軸受部クリアランスと密接な相関関係を有することが確認されている。例えば2.5インチハードディスク用動圧軸受モータを例に取ると、回転時の電流値は数十ミリアンペア(mA)であるが、クリアランスに0.1ミクロンメートル(μm)の差がある毎に、モータの電流値は相対的に0.5から2.0ミリアンペアの差異が生じることが、実験的に知られている。従ってクリアランスを相対値としてサブミクロンレベルで管理する場合、モータの電流値を0.1ミリアンペアレベルで測定できれば十分である。

0011

そこで本発明の目的は、小型・薄型のディスク装置に使用される流体軸受モータの部品であるシャフトおよびスリーブその他の軸受部構成部品が、設計仕様に合わせて精度良く加工でき動圧軸受モータの生産システムおよび生産方法を提供することである。

0012

また本発明の他の目的は、このような生産システムまたは生産方法によって制作された動圧軸受モータを用いたディスク装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0013

かかる目的を達成するために、本発明によれば、組立後の動圧軸受モータの動作特性を検査することにより、該動圧軸受の部品加工手段を制御するシステムであって、動圧軸受の部品を加工する部品加工手段と、該部品加工手段の加工寸法を制御する加工制御部と、洗浄された前記加工部品を用いて動圧軸受モータを組立るモータ組立手段と、組立られた前記動圧軸受モータの全部または一部について、所定条件下で動作特性を検査する特性検査部とを有し、前記特性検査部の特性データに基づいて、前記部品加工手段を制御する動圧軸受モータの生産システムを構成する。

0014

サブミクロンオーダ部品寸法管理が必要な動圧軸受部品の検査を、組立後の動圧軸受モータの動作特性により間接的に測定することにより、従来の直接測定手段では容易に得られなかった高精度な部品寸法情報を簡便に得ることができる。これによってより高精度の部品加工が可能であると共に、モータの生産コストが低減される。

0015

本発明は、動圧軸受部が、所定稼動条件下で、軸受部に充填されている潤滑剤の粘性抵抗等により消費されるエネルギーを測定することにより、軸受部部品の寸法適合性を検査するものである。この消費エネルギーは、所定稼動条件下でのモータへの供給エネルギーを、モータの特性として計測することにより把握することができる。従ってこのモータの特性データは、所定稼動条件下での被検査モータ消費電力総仕事量等に対応しており、これら種々の特性値モータ部品精度評価指標として利用することができる。

0016

また本発明によれば、前記特性検査部で検査される前記動圧軸受モータの特性データは、該モータを所定の条件で動作させたときの、該モータに供給される電流値である。

0017

所定稼動条件でモータを稼動させた場合の、モータへの供給電流値は、比較的簡便かつ高精度に測定可能なモータの動作特性である。この電流値に基づいて軸受部品の加工精度を評価することにより、一層簡便且つ安価な動圧軸受モータ生産システムを構成することが可能となる。

0018

また本発明によれば、前記加工制御部により前記部品加工手段に与えられる加工制御情報は、前記特性検査部において得られた複数の特性データに基づいて決定される。

0019

動圧軸受部品の加工精度は、一般に許容範囲内であっても、モータ部品の加工精度以外の種々要因で変動する。この変動する検査結果に逐次対応して部品加工部を制御していたのでは、部品加工部の動作安定化が図れない。そこで一定の複数特性データに基づいて、部品加工部の特性変化のみを抽出することにより、より安定で高精度な加工が可能となる。

0020

また本発明によれば、動圧軸受モータの生産方法であって、加工制御データに基づいて動圧軸受を構成する部品を加工する部品加工工程と、加工後の前記動圧軸受部品を洗浄し、これを用いて動圧軸受モータを組み立てるモータ組立工程と、組立られた前記動圧軸受モータの全部または一部について所定条件下での動作特性を検査する特性検査工程とを有し、前記特性検査工程の特性データに基づいて、前記部品加工制御工程を制御する動圧軸受モータの生産方法を提供する。

0021

加えて本発明によれば、前記特性検査部で検査される前記動圧軸受モータの特性データが、該モータを所定の条件で動作させたときに、該モータに供給される電流値である。

0022

簡便な部品生産方法で、設計通りの部品を高精度に加工できるため、加工コストが低減される。また加工部品の歩留まりが向上し、生産効率が向上する。

0023

さらに本発明によれば、動圧軸受を生産するシステムであって、動圧軸受のシャフトおよび/またはスリーブの仕上を行う仕上加工部と、該仕上加工部の加工寸法を制御する加工制御部と、前記シャフトおよび/またはスリーブを用いて動圧軸受モータを組み立てるモータ組立手段と、組立られた前記動圧軸受モータの全部または一部について、所定の条件で動作させたときに該モータに供給される電流値を検査する電流検出部とを有し、前記電流値に基づいて前記部品加工手段を制御することにより、動圧軸受を構成するシャフトとスリーブとの間のクリアランスが適正寸法になるように、前記シャフトおよび/またはスリーブを加工する動圧軸受モータの生産システムを構成する。

0024

動圧軸受モータのシャフトとスリーブ間のクリアランスは、設計通りの性能を発揮する上でサブミクロンオーダで管理することが求められる。組立完了後の動圧軸受モータを所定条件で稼動させたときのモータへの供給電流値は、このクリアランスに大きく相関し、これを測定することで簡便且つ正確にクリアランスを測定することができる。そしてこの測定データを基に、部品加工部をフィードバック制御することで、動圧軸受モータのシャフトとスリーブを設計仕様通りに安定に加工することができる。

0025

さらに本発明によれば、組立後の動圧軸受モータの動作特性を検査することにより、該動圧軸受のシャフトおよび/またはスリーブの加工工程を制御する動圧軸受の生産方法であって、加工制御データに基づいて動圧軸受を構成するシャフトおよび/またはスリーブを仕上加工する仕上加工工程と、前記シャフトおよび/またはスリーブを洗浄・乾燥し、これ用いて動圧軸受モータを組み立てるモータ組立工程と、組立られた前記動圧軸受モータの全部または一部について、所定の条件で動作させたときに該モータに供給される電流値を検出する電流検出工程とを有し、動圧軸受を構成するシャフトとスリーブ間のクリアランスを適正寸法にするために、前記電流値に対応する加工制御データを与えることにより、前記シャフトおよび/またはスリーブの前記仕上加工工程を制御する動圧軸受の生産方法を構成する。

0026

簡便な部品生産方法で、設計通りのシャフトおよび/またはスリーブを高精度に加工できるため、加工コストが低減される。またシャフトおよび/またはスリーブの加工歩留まりが向上し、生産効率が向上する。

0027

また本発明によれば、動圧軸受の上記生産システムにより製造された動圧軸受部品を用いた動圧軸受モータを構成する。

0028

簡便な構成または方法により設計通りの部品を高精度で加工できるため、設計通りの高性能モータを低コストで製造することができる。

0029

さらに本発明によれば、ハウジングと、該ハウジング内部に固定されたスピンドルモータと、該スピンドルモータの回転部に装着された円板状の記録媒体と、該記録媒体の所要の位置に情報を書き込むまたは読み出すための情報アクセス手段とを有するディスク装置であって、前記スピンドルモータは、請求項8に記載したモータ、または請求項4または請求項5または請求項7のいずれかに記載した生産方法で生産されたモータであるディスク装置を構成する。

0030

簡便な構成または方法により高精度に加工された部品を用いた動圧軸受モータがスピンドルモータとして使用されているため、低価格でありながら設計通りの性能を発揮できるディスク装置を実現することができる。

発明を実施するための最良の形態

0031

<生産システム全体の動作>図1に、本発明の一実施形態である動圧軸受モータ生産システムの構成をブロック図で示す。本発明は動圧軸受を構成する部品であるシャフト、スリーブおよびスラストプレート等の各種部品における加工精度の安定化に利用できるが、説明を簡単にするために、ここではシャフトおよびスリーブの加工精度、特に両者間に形成される微小間隙(クリアランス)を適正範囲で安定に加工できるフィードバック制御生産システムについて説明する。

0032

本生産システムでは、各部品毎部品テーブル図2テーブル内容を示す。図1上では「P」で示す。)を置き、組立後のモータ毎製品テーブル図3にテーブル内容を示す。図1上では「M」で示す。)を置き、各処理ブロックおよび生産工程全体を管理するために用いる。さらにこのシステムでは、各処理ブロックがインテリジェント機能を有し、これらのテーブル情報をブロック間で共有された通信ネットワーク回線で順次受け渡しながら、加工・組立および検査を行うシステムとして、説明する。

0033

部品加工部20は、例えばセンタレスグラインダ等で構成されるシャフト仕上げ加工装置21および/またはスリーブ仕上げ加工装置22を有し、この加工寸法等は加工管理部25からの加工制御データ38により0.1μmレベルで制御される。部品加工部20は、部品加工完了毎に、図2に示す部品テーブルPを作成し、部品製造番号(例えばシャフトの場合は「SFT00001」等)、部品名(モータ型番とシャフトまたはスリーブ等の識別名。例えばTSD−SFT。)、加工時刻(例えば加工完了時の年月日および時分秒記入。例えば2000年2月29日13時43分25秒)および加工装置番号(例えば021)等の加工情報を、部品テーブルPに書き込む。なおここで加工時間を正確に記入するのは、後にこの時刻での加工装置の性能を評価するため等に有用となるためである。そしてこの部品は次のモータ組立部23に搬送されるが、これに対応してこの部品の部品テーブル情報も通信ネットワーク回線30、31を用いてモータ組立部23に送られる。

0034

モータ組立部23に送られたシャフトおよびスリーブは、洗浄および乾燥され、生産ラインの円滑化等のために一定量がストックされる。そして原則として加工順にシャフトおよびスリーブが組み合わされ、さらにこれ以外の部品が補充されて動圧軸受モータとして組み立てられる。その際モータ組立部23は、図3に示される製品テーブルMを作成し、必要な情報が記入される。ここで記入される情報は、組み立てられたモータの製造番号を示すモータ番号(MT00001)、そのモータの型番を示す名称、ここで用いたシャフト部品の部品製造番号(シャフト欄に記入。例えばSFT00001)、ここで用いたスリーブ部品の部品製造番号(スリーブ欄に記入。例えばSLV00001)の4つである。なお組立に使用された部品(シャフトおよびスリーブ)に関する部品テーブルPの情報は、組立終了後に通信回線36を通じて加工管理部25に送信される。

0035

このようにして組立てられた動圧軸受モータは搬送系により、このモータの製品テーブル情報は通信回線により、それぞれモータ検査部24に送られる。搬送されてきたモータは、ここでその全数または一定の間引き率によって抽出された動圧軸受モータについて、まず基本的性能が検査(基本性能検査)され、不合格品は34に搬送され廃棄される。その際不合格の原因は図示しない他の手段で検証・探索され、検証結果が加工管理部等に送信され、不合格原因を除去する。

0036

他方合格品については、その全数または一定の間引き率によって抽出された動圧軸受モータについて、所定回転数および負荷量等で定められる動作条件の基で運転され、その動圧軸受モータに供給される電流値が正確に測定される(クリアランス検査)。その際の検査条件としては、例えば2.5インチのディスク板を2枚搭載するシャフト直径3.0mmの定格5Vモータの場合には、定常回転数が4200rpmである。モータ検査部24は、この回転状態の時のモータへの供給電流値を正確に計測し、その検査結果(電流値。例えば7.20mA)と検査時刻(例えば2000年2月29日14時10分52秒)を製品テーブルMに記入する。そしてモータは合格品として33に搬送させる一方、クリアランス検査を行ったモータの製品テーブルMの情報は、通信回線37を通じて加工管理部25に送信される。

0037

加工管理部25では、製品テーブルMの検査結果である電流値に基づいて、被検査モータの動圧軸受を構成するシャフトおよびスリーブ間のクリアランス値が決定される。これについては後に詳述する。決定されたクリアランス値が基準値より広い場合、これに対応する部品テーブル情報をも考慮して、次の仕上げ加工装置への加工制御データ38を操作して、シャフトの太さを太くするか、またはスリーブ内径を大きくするかの何れか、あるいは両方の制御を行う。一方決定されたクリアランス値が基準値より狭い場合、シャフトの太さを細くするか、またはスリーブ内径を小さくするかの何れか、あるいは両方の制御を行う。これによってクリアランスの最適な加工を行う。

0038

<モータ検査部24の動作>次にモータ検査部24におけるクリアランス検査の詳細動作について説明する。モータ検査部24は、前述の通り、基本機能検査部とクリアランス検査部により構成される(共に図示せず)。

0039

図4に、クリアランス検査部の内部構成ブロック図を示す。クリアランス検査が行なわれる検査対象の動圧軸受モータ1は、電源供給部3から与えられる電力により回転し、その回転状態が運転状態検出部2により検出される。検出された運転状態データは、電力供給部3にフィードバックされ、予め定められた回転条件(例えば4200rpm)に合致するように、モータ1に供給する電力を調整する。このフィードバック調整機構が安定化した時点(即ちモータが4200rpmで定常回転した時点)で、モータ1に供給されている電力に対応する電流値(電圧定格値、例えば5V、としたときの電流値)を、電流値検出部4が正確に測定し、その結果をクリアランス決定部5に送る。

0040

クリアランス決定部5では、予め測定された被検査モータに対応する電流値対クリアランス値相関データに基づいて、測定電流値からクリアランス値を決定する。図5に、被検査動圧軸受モータと同一構造の動圧軸受モータ複数台一定回転条件(定格5Vで4200rpm)で運転した場合の電流値対クリアランス値との関係を測定した実験データを一例として示す。またこれをグラフ化したものを図6に示す。クリアランス決定部5では、被検査モータの上記回転条件での供給電流値Iを測定し、これを図5実測値と比較・補間して、電流値Iに対応するクリアランス値Gを決定する。通常電流値Iは、測定電流値Ia(このときのクリアランス値をGaとする)およびIb(このときのクリアランス値をGbとする)の間にあり、求める被検査モータのシャフト/スリーブ間クリアランス値Gは、補間して求められる。この補間方法は種々考えられるが、最も簡単な方法として例えば単純補間法を利用することができる。この場合求めるクリアランス値Gは、次式で求められる。

0041

IMG SRC="式1.gi?_?_?・ァ_ャ0*0*0*0L0 0" > このようにして決定された被検査モータのクリアランス値は、このモータの製品テーブルMに、検査時刻と共に記入される。

0042

以上のようにして収集された動圧軸受モータの部品テーブルPと製品テーブルMの情報に基づいて、加工管理部25は、仕上げ加工装置21、22の加工時刻における加工精度情報蓄積することができる。この情報を元に、次の時刻におけるシャフトおよび/またはスリーブの最適な加工条件を、加工制御データ38を介して部品加工部20に与える。その際、部品加工を終えて、モータを組立て検査を終了するまでには通常一定の時間が経過しており、その間に、部品加工部20の稼動環境(温度や電源環境の変化、または既に他の条件で加工制御データが発せられているために、加工条件が変化している等)が変化している場合もある。また検査結果に基づく加工条件の部品加工部20へのフィードバックを、検査終了毎に行うと、加工制御データ38を頻繁に変化させることになり、予期せぬ外乱に対して部品加工部20の運転条件が大きく変化し、安定な加工が困難になることも予想される。これらのことを考慮して、加工制御データ38によるフィードバックを、例えば複数の検査結果を平均化してその結果に基づいて行う等の処理を行う。

0043

<より高度な加工制御>部品加工部20において作成される部品テーブルPには、上記以外に例えば加工環境に関する情報や加工装置の条件に関する情報等も書き込み、後の加工制御に用いることができる。ここで加工環境に関する情報としては、加工時の加工装置部の温度、湿度等の情報が考えられる。これらの情報により加工時の加工装置および被加工素材熱膨張状態等に対する相関関係が評価でき、これを逆利用することでより精度の高い加工制御を実現することができる。

0044

一方加工装置の条件に関する情報としては、切削刃の使用時間や潤滑油の使用時間等の加工装置自身が有する消耗部品の情報である。切削刃が摩耗することにより切削精度が微妙に変化するとき、この情報から逆算した加工指令を加工装置21、22に出すことにより、より高精度の加工制御が可能となる。また使用潤滑油の使用時間による加工精度の変化を考慮した、より高精度な加工制御が可能となる。

0045

さらに仕上げ加工装置21、22は、装置自体の加工上の癖等が存在する場合があり、このデータを予め蓄積しておき、加工時の条件からこの癖を考慮した加工制御を行うことも可能となる。

0046

加工管理部25は、このようにして得られた加工部品情報に基づいて、部品の加工状況監視し、部品加工手段20のそれまでに蓄積された加工偏差傾向データ動作環境データ(例えば動作温度、湿度、印可電力その他のパラメータ値)等に基づいて、最適な時刻に最適な加工制御データを仕上げ加工装置に与えることにより、最適な部品加工を実現する。

0047

またこれらの加工装置に関連する各種情報は、部品テーブルPに記入するのではなく、その時刻情報と共に直接加工管理部25に送信し、蓄積しておいても良い。この蓄積情報は、時刻情報により部品テーブル情報と照合され、加工時の加工装置の状況と部品加工精度との関係から、次の時点で最適な加工を行うための加工制御データ38を与えることが可能となる。

発明の効果

0048

以上詳細に説明した如く、本発明は、動圧軸受モータに使用する部品の加工精度を、組立後のモータを一定条件で動作させた時のモータの特性データに基づいて検査し、これを部品加工部にフィードバックする。これによりサブミクロンオーダで部品加工寸法を管理することが容易となり、従来の直接測定手段では容易に得られなかった高精度な部品寸法情報を簡便に得ることができる。これによってより高精度の部品加工が可能であると共に、モータの生産コストが低減される。

0049

また本発明では、前記モータの特性データとして、所定条件下でのモータへの供給電流値を用いている。モータへの供給電流値は、簡便かつ高精度に測定することができるため、一層安価で高い特性を有する動圧軸受モータの生産システムを実現することができる。

0050

また本発明では、部品加工部への加工制御は、複数の検査結果を適宜積算して、その平均値等に基づいて行われる。動圧軸受モータの動作特性または電流値は、モータの加工精度以外の条件で変化する場合があり、平均値等を用いることにより、他の条件の変化に影響されにくい、安定な動圧軸受モータの生産システムを実現することができる。

0051

また本発明では、組立後の動圧軸受モータの所定条件下での動作特性データに基づいて部品加工精度を検査し、加工工程にフィードバックする動圧軸受モータの生産方法を提供する。その際用いられるモータの動作特性は、電流値である。モータの動作特性、特に電流値を用いることにより、サブミクロン単位加工精度管理が要求される動圧軸受モータのにおいて、簡便且つ設計通りの高精度部品加工管理の可能なモータ生産方法を提供できる。これにより部品加工精度の向上と加工コストの低減が図れる。また加工部品の歩留まりが向上し、生産効率が向上する。

0052

さらに本発明では、動圧軸受の中心部品であるシャフトとスリーブの加工に、上記生産システムまたは生産方法を用いる。これにより設計通りのシャフトおよび/またはスリーブを高精度に加工できるため、加工コストが低減される。またシャフトおよび/またはスリーブの加工歩留まりが向上し、生産効率が向上する。

0053

加えて本発明では、上記生産システムにより動圧軸受モータが製造される。これにより設計通りの性能を発揮できる低コストの動圧軸受モータを供給できる。

0054

そして本発明では、かかる動圧軸受モータをスピンドルモータとして使用したディスク装置を提供する。これにより、低価格で安定に動作する長寿命のディスク装置を供給することができる。

図面の簡単な説明

0055

図1本発明の一実施形態である動圧軸受モータ生産システムの構成を示すブロック図ある。
図2部品テーブルPの内部構成を説明する図である。
図3製品テーブルMの内部構成を説明する図である。
図4クリアランス検査部の内部構成ブロック図である。
図5被検査動圧軸受モータを一定回転条件で運転した場合の電流値対クリアランス値の関係を測定した実験データの一例を示す表である。
図6図5の表をグラフ化した図である。
図7動圧軸受モータの一例を示す図である。
図8一般的なディスク装置の内部構成を模式図として示す図である。

--

0056

1 被検査動圧軸受モータ
2運転条件検出部
3電力供給部
4電流値検出部
5クリアランス決定部
20部品加工部
21シャフト仕上げ加工装置
22スリーブ仕上げ加工装置
23モータ組立部
24モータ検査部
25加工管理部
30,31,32部材搬送路およびデータ通信路
36,37,38 データ通信路

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