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技術 レーザ共振器

出願人 三菱電機株式会社
発明者 柳澤隆行平野嘉仁
出願日 2000年3月27日 (20年4ヶ月経過) 出願番号 2000-086605
公開日 2001年10月5日 (18年10ヶ月経過) 公開番号 2001-274491
状態 特許登録済
技術分野 レーザ(2) レーザ(2)
主要キーワード 入れ替え装置 Qスイッチ 出力結合素子 図上左側 風速測定 共振ビーム 自己補償 テレスコープ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

従来、長い共振器長共振モードビームサイズを小さくすると、レーザ共振器が不安定になりやすく、調整が困難になってしまう等の課題があった。

解決手段

レーザ媒質13と、前記レーザ媒質から入射するレーザ光を拡大し、反対側から入射するレーザ光を縮小するテレスコープ15と、前記テレスコープから入射するレーザ光を反射する平面反射鏡11と、前記平面反射鏡11により反射されテレスコープ15により縮小されかつ前記レーザ媒質により増幅されて入射するレーザ光を拡大し、反対側から入射するレーザ光を縮小するテレスコープ16と、テレスコープ16から入射するレーザ光を反射する平面反射鏡12とを備えた。

効果

共振器長に対して適当な倍率のテレスコープを選ぶことにより共振器中心における共振モードのビームサイズを任意に調整でき、長い共振器長で小さなビームサイズを持つ安定した共振器を構成することができる。

概要

背景

風速や移動体の速度を測定するコヒーレントライダでは、野外に向けてレーザ光を送信するため、人の目に安全な、1.4μm〜2μmの波長アイセーフ波長)が要求される。

このアイセーフ波長で発振するレーザ媒質は、例えばEr:Glass(発振波長1.5μm)、Er、Yb:Glass(発振波長1.5μm)、Er:YAG(発振波長1.6μm)、Tm:YAG(発振波長2μm)、Tm、Ho:YAG(発振波長2μm)、Ho:YLF(発振波長2μm)、Tm、Ho:YLF(発振波長2μm)などがあるが、一般的に材料固有の利得が小さい。

この場合、高効率に出力を得るためには、レーザ媒質の光軸に垂直な方向の断面積を小さくして、励起光源により高密度励起を行い、相対的に高い利得を得る必要がある。また、コヒーレントライダでは、風速測定精度を高めるために、長いパルス幅tpが要求される。

レーザ媒質の小信号利得をg0l、共振器内の周回損失をloss、光速をcとすると、定在波型レーザ共振器において、出力が最大となる時のエネルギーの取りだし効率η、およびパルス幅tpは以下のように式(1)及び式(2)で表される。

概要

従来、長い共振器長共振モードビームサイズを小さくすると、レーザ共振器が不安定になりやすく、調整が困難になってしまう等の課題があった。

レーザ媒質13と、前記レーザ媒質から入射するレーザ光を拡大し、反対側から入射するレーザ光を縮小するテレスコープ15と、前記テレスコープから入射するレーザ光を反射する平面反射鏡11と、前記平面反射鏡11により反射されテレスコープ15により縮小されかつ前記レーザ媒質により増幅されて入射するレーザ光を拡大し、反対側から入射するレーザ光を縮小するテレスコープ16と、テレスコープ16から入射するレーザ光を反射する平面反射鏡12とを備えた。

共振器長に対して適当な倍率のテレスコープを選ぶことにより共振器中心における共振モードのビームサイズを任意に調整でき、長い共振器長で小さなビームサイズを持つ安定した共振器を構成することができる。

目的

この発明は、前述した問題点を解決するためになされたもので、長い共振器長において小さなビームサイズが安定して得られると共に、レーザ光の利用効率およびレーザ光の品質の低下を防止することができ、レーザ光の出射方向を安定することができるレーザ共振器を得ることを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
4件

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請求項1

光源により励起されてレーザ光増幅するレーザ媒質と、前記レーザ媒質から入射するレーザ光を拡大するとともに、前記レーザ媒質側の反対側から入射するレーザ光を縮小する第1のテレスコープと、前記第1のテレスコープから入射するレーザ光を入射方向と反対方向へ反射する第1の反射手段と、前記レーザ媒質を挟んで前記第1のテレスコープに対向して配置され、前記第1の反射手段により反射され前記第1のテレスコープにより縮小されかつ前記レーザ媒質により増幅されて入射するレーザ光を拡大するとともに、前記レーザ媒質側の反対側から入射するレーザ光を縮小する第2のテレスコープと、前記レーザ媒質を挟んで前記第1の反射手段に対向して配置され、前記第2のテレスコープから入射するレーザ光を入射方向と反対方向へ反射する第2の反射手段とを備えたことを特徴とするレーザ共振器

請求項2

光源により励起されてレーザ光を増幅するレーザ媒質と、前記レーザ媒質から入射するレーザ光を拡大するとともに、前記レーザ媒質側の反対側から入射するレーザ光を縮小するテレスコープと、前記テレスコープから入射するレーザ光を入射方向と反対方向へ反射する第1の反射手段と、前記レーザ媒質を挟んで前記第1の反射手段に対向して配置され、前記第1の反射手段により反射され前記テレスコープにより縮小されかつ前記レーザ媒質により増幅されて入射するレーザ光を入射方向と反対方向へ反射する第2の反射手段とを備えたことを特徴とするレーザ共振器。

請求項3

光源により励起されてレーザ光を増幅するレーザ媒質と、前記レーザ媒質から入射するレーザ光を拡大するとともに、前記レーザ媒質側の反対側から入射するレーザ光を縮小する第1のテレスコープと、前記第1のテレスコープから入射するレーザ光を拡大するとともに、前記第1のテレスコープ側の反対側から入射するレーザ光を縮小する第2のテレスコープと、前記第2のテレスコープから入射するレーザ光を入射方向と反対方向へ反射する第1の反射手段と、前記レーザ媒質を挟んで前記第1のテレスコープに対向して配置され、前記第1の反射手段により反射され前記第2及び第1のテレスコープにより縮小されかつ前記レーザ媒質により増幅されて入射するレーザ光を拡大するとともに、前記レーザ媒質側の反対側から入射するレーザ光を縮小する第3のテレスコープと、前記レーザ媒質を挟んで前記第2のテレスコープに対向して配置され、前記第3のテレスコープから入射するレーザ光を拡大するとともに、前記第3のテレスコープ側の反対側から入射するレーザ光を縮小する第4のテレスコープと、前記レーザ媒質を挟んで前記第1の反射手段に対向して配置され、前記第4のテレスコープから入射するレーザ光を入射方向と反対方向へ反射する第2の反射手段とを備えたことを特徴とするレーザ共振器。

請求項4

前記第1の反射手段は、直交した2つの反射面とこれら2つの反射面の第1の稜線を有する第1のルーフプリズムであり、前記第2の反射手段は、直交した2つの反射面とこれら2つの反射面の第2の稜線を有する第2のルーフプリズムであり、前記第1及び第2の稜線がお互いに直交するように前記第1及び第2のルーフプリズムを配置したことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載のレーザ共振器。

請求項5

前記各テレスコープは、前記レーザ媒質の反対側に設けられ、正の焦点距離f1を有する第1のレンズと、前記レーザ媒質側に設けられ、正の焦点距離f2を有する第2のレンズとを含み、|f1/f2|>1の関係を満たすことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載のレーザ共振器。

請求項6

前記各テレスコープは、前記レーザ媒質の反対側に設けられ、正の焦点距離f1を有する第1のレンズと、前記レーザ媒質側に設けられ、負の焦点距離f2を有する第2のレンズとを含み、|f1/f2|>1の関係を満たすことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載のレーザ共振器。

請求項7

前記レーザ媒質に隣接したテレスコープは、前記第2のレンズからレーザ共振器の中心までの距離が、前記第2のレンズの焦点距離f2にほぼ等しくなるように配置されていることを特徴とする請求項5記載のレーザ共振器。

請求項8

前記各テレスコープは、前記レーザ媒質の反対側に設けられ、焦点距離f1を有する第1のレンズと、前記レーザ媒質側に設けられ、焦点距離f2を有する第2のレンズとを含み、|f1/f2|>1の関係を満たし、前記第1の反射手段と前記第1の反射手段側のテレスコープの間に共振器モードを選択する開口を設け、前記第1の反射手段と前記第1の反射手段側のテレスコープの間の距離をL1、前記第1の反射手段側のテレスコープの第1のレンズと第2のレンズの間の距離をf1+f2+δとしたとき、前記第1の反射手段と前記開口の間の距離をL1−f1−f1×f1/(2×δ)としたことを特徴とする請求項1又は2記載のレーザ共振器。

請求項9

前記共振器モードを選択する開口は、光学部品であることを特徴とする請求項8記載のレーザ共振器。

請求項10

前記共振器モードを選択する開口の代わりに、レーザ光の一部を外部に取り出すための出力結合素子を設けたことを特徴とする請求項8記載のレーザ共振器。

請求項11

前記第1のテレスコープ及び前記第3のテレスコープは、取り外し可能としたことを特徴とする請求項3記載のレーザ共振器。

請求項12

第2の光源により励起されてレーザ光を増幅する第2のレーザ媒質を有する入れ替え装置をさらに備え、前記レーザ媒質、前記第1のテレスコープ、及び前記第3のテレスコープを取り外して、前記入替え装置共振器の略中心に配置することを特徴とする請求項3記載のレーザ共振器。

請求項13

前記各反射手段と前記反射手段側のテレスコープの間の光路上に、偏光子を設けたことを特徴とする請求項1から請求項12までのいずれかに記載のレーザ共振器。

請求項14

前記各反射手段と前記反射手段側のテレスコープの間の光路上に、複屈折素子を設けたことを特徴とする請求項1から請求項12までのいずれかに記載のレーザ共振器。

請求項15

前記レーザ媒質は、熱レンズ効果を持つことを特徴とする請求項1から請求項14のいずれかに記載のレーザ共振器。

請求項16

前記レーザ媒質は、レーザ共振器の光軸に垂直な面内で、2つの異なる焦点距離を有する熱レンズ効果を持つことを特徴とする請求項1から請求項14のいずれかに記載のレーザ共振器。

請求項17

前記レーザ媒質は、(Er:Glass)、(Er、Yb:Glass)、(Er:YAG)、(Tm:YAG)、(Tm、Ho:YAG)、(Ho:YLF)、又は(Tm、Ho:YLF)のいずれか一つを用いたことを特徴とする請求項1から請求項16までのいずれかに記載のレーザ共振器。

技術分野

0001

この発明は、例えば空港などに設置される固体レーザ装置や、人工衛星航空機などの飛翔体に搭載される固体レーザ装置に用いられ、特に風速等を計測するためのパルス型コヒーレントライダ用の長い共振器長を要するレーザ共振器に関するものである。

背景技術

0002

風速や移動体の速度を測定するコヒーレントライダでは、野外に向けてレーザ光を送信するため、人の目に安全な、1.4μm〜2μmの波長アイセーフ波長)が要求される。

0003

このアイセーフ波長で発振するレーザ媒質は、例えばEr:Glass(発振波長1.5μm)、Er、Yb:Glass(発振波長1.5μm)、Er:YAG(発振波長1.6μm)、Tm:YAG(発振波長2μm)、Tm、Ho:YAG(発振波長2μm)、Ho:YLF(発振波長2μm)、Tm、Ho:YLF(発振波長2μm)などがあるが、一般的に材料固有の利得が小さい。

0004

この場合、高効率に出力を得るためには、レーザ媒質の光軸に垂直な方向の断面積を小さくして、励起光源により高密度励起を行い、相対的に高い利得を得る必要がある。また、コヒーレントライダでは、風速測定精度を高めるために、長いパルス幅tpが要求される。

0005

レーザ媒質の小信号利得をg0l、共振器内の周回損失をloss、光速をcとすると、定在波型のレーザ共振器において、出力が最大となる時のエネルギーの取りだし効率η、およびパルス幅tpは以下のように式(1)及び式(2)で表される。

0006

0007

0008

ここで、レーザ発振が生じる条件は、2g0l>loss、すなわちz>1となるので、g0lが大きくなるほど、取りだし効率ηは大きくなる。従って、高い取りだし効率ηを得るためには、大きな小信号利得g0lが必要である。また、パルス幅tpは、zが大きくなるほど短くなり、共振器長Lが長いほど長くなる。従って、高効率に長いパルス幅tpを得るためには、高い小信号利得g0lと長い共振器長Lが要求される。

0009

従来のレーザ共振器について図面を参照しながら説明する。図18は、例えば『Springer Series in Optical SciencesVol.1「Solid−State Laser Engineering第4版」Walter Koechner著(1995年ドイツSpringer社発行)197ページ、および「LASERS」Siegman著(1986年米国University Science Books社発行)755ページ』に示された従来のレーザ共振器の構成を示す図である。

0010

図18において、1及び2は互いに対向して共振器長Lで配置されレーザ光を閉じこめる凹面反射鏡、3はレーザ媒質、4はレーザ媒質3を励起する励起光源、5は凹面反射鏡1及び2の間に形成されるガウシアンビーム共振モード、6は共振モード5を制限する開口、7は光軸である。

0011

つぎに、前述した従来のレーザ共振器の動作について図面を参照しながら説明する。

0012

上記のようなレーザ共振器では、レーザ光が凹面反射鏡1及び2の間を往復し、励起光源4により励起されたレーザ媒質3を繰り返し通過して増幅されて、ガウシアンビームの共振モード5が形成される。開口6は、共振器内の共振モード5の低次のモードのみを選択して、高品質レーザビームを生成するために配置される。開口6として、レーザ共振器内に配置されたレーザ媒質3やミラーなどの光学部品の開口が使用される場合もある。

0013

凹面反射鏡1の曲率をR1、凹面反射鏡2の曲率をR2、凹面反射鏡1と凹面反射鏡2の距離をLとすると、レーザ共振器内で共振モード5のビームサイズ(1/e2半径)が最も小さくなる位置におけるビームサイズω0、凹面反射鏡1における共振モード5のビームサイズω1、凹面反射鏡2における共振モード5のビームサイズω2は、以下の式(3)で表される。

0014

0015

ここで、簡単のためR1=R2=Rとすると、上記の式(3)は以下の式(4)で表される。

0016

0017

すなわち、共振器長Lが小さいほど、また、2×R−Lの値が小さいほど、共振モード5のビームサイズが最も小さくなる位置におけるビームサイズω0は小さくなる。なお、R1=R2=Rとした時、ビームサイズが最も小さくなるω0の位置は、レーザ共振器の中心、すなわち凹面反射鏡1からL/2離れた位置となる。式4より、小さなω0を得るためには、短い共振器長Lと、2×R−Lが小さくなるような曲率Rの凹面反射鏡が必要となる。

0018

図19は、共振器長Lを2mとしたときの、凹面反射鏡の曲率Rとω0およびω1の関係を示したものである。例えば、ω0の値として0.25mm以下が得られる曲率Rは1.017mから1.000mとなり、この時のω1の値は1.92mm〜∞となる。従って、ビームサイズを小さくしようとした場合、曲率Rの許容範囲が狭く、ビームサイズω0が曲率Rや共振器長Lの変化に対して敏感になる。また、共振器が不安定になりやすく、調整が困難となる。また、同じビームサイズで共振器長Lを長くしようとすると、さらに不安定になるため、共振器長Lを十分長くすることができない。

0019

次に、図20は、凹面反射鏡1に傾きθが生じたときの共振ビームモードの様子を示した図である。凹面反射鏡1に傾きが生じた場合、共振モードの光軸8とレーザ共振器の光軸7にずれが生じる。この時、凹面反射鏡1における光軸のずれ量をd1、凹面反射鏡1における光軸のずれ角をθ1、共振器中心における光軸のずれ量をd0、共振器中心における光軸のずれ角をθ0とすると、それぞれd0、θ0、d1、及びθ1は以下の式(5)で表される。

0020

0021

図21は、共振器長Lを2mとし、凹面反射鏡1にθ=100μradの傾きを与えたときの、凹面反射鏡の曲率Rと、共振器中心における光軸とのずれ量d0および凹面反射鏡1における光軸とのずれ量d1との関係を示したものである。なお、図19に示した凹面反射鏡の曲率Rとω0およびω1の関係を同時に示している。凹面反射鏡1の位置におけるずれ量d1は、モードサイズω0が小さくなるに従って大きくなり、例えば、ω0=0.25mmの時、d1=−2.9mmとなる。

0022

図22は、共振器長Lを2mとし、凹面反射鏡1にθ=100μradの傾きを与えたときの、凹面反射鏡の曲率Rと、共振器の中心位置における光軸とのずれ角θ0(=θ1)との関係を示したものである。共振器の中心位置における光軸とのずれ角θ0は、凹面反射鏡1の曲率Rが1に近づくに従って大きくなり、例えば、ω0=0.25mmの時、θ0=3.0mradとなり、ミラーの傾き角θ=100μradに対して30倍の傾きが生じることになる。

0023

凹面反射鏡1の位置における共振モードがずれた場合、開口6や光軸上に配置された光学部品の開口のケラレが生じるため、レーザ出力が低下し、レーザ光の品質が悪くなる。例えば、ω0=0.25mmの時、凹面反射鏡1の位置におけるビームサイズω1=1.92mmであり、上記θ=100μradのずれが生じた場合、開口6により共振モード5が完全にけられてしまうため、共振モードを形成することができず、レーザ出力を得ることができなくなる。また、わずかな凹面反射鏡の傾きが、共振器内の共振モードの光軸に大きな傾きを与え、出力されるレーザ光の出射方向の安定性が低下する。

0024

また、出射されたレーザ光を波長変換に用いる場合など、出力されるレーザ光の偏光方向を直線偏光にするために、偏光子光路上に配置する必要が生じる。レーザ光の光路上に偏光子を配置した場合、偏光子はレーザ光の入射角度により消光比劣化が生じる。そのため、レーザ光の角度ずれが大きい場合、レーザ光の一部が偏光子により外部へ出力され、レーザ光の利用効率が低下する。

0025

さらにまた、レーザ光の光路上にEO−Qスイッチなどの複屈折材料を配置した場合、複屈折材料はレーザ光の入射角度によりレーザ光の偏光状態を変化させるため、レーザ光として共振できなくなり、レーザ光の利用効率が低下する。

発明が解決しようとする課題

0026

上述したような従来のレーザ共振器では、長い共振器長で共振モード5のビームサイズω0を小さくすると、凹面反射鏡の曲率Rや共振器長Lの変化に対して、共振器モード5の変化が大きくなるため、レーザ共振器が不安定になりやすく、調整が困難になってしまうという問題点があった。

0027

また、同じビームサイズで共振器長Lを長くしようとすると、さらに不安定になるため、共振器長Lを十分長くすることができないという問題点があった。

0028

さらにまた、凹面反射鏡1に傾きが生じた場合、開口6や光軸上に配置された光学部品の開口によるケラレが生じるため、レーザ出力が低下し、レーザ光の利用効率の低下およびレーザ光の品質の劣化が生じるという問題点があった。

0029

また、わずかな凹面反射鏡1の傾きが共振器内の共振モードに大きな傾きを与えるため、出力されるレーザ光の出射方向の安定性が低下するという問題点があった。

0030

さらにまた、レーザ光の光路上に偏光子を配置した場合、偏光子はレーザ光の入射角度により消光比の劣化が生じるため、レーザ光の一部が偏光子により外部へ出力され、レーザ光の利用効率が低下するという問題点があった。

0031

また、レーザ光の光路上にEO−Qスイッチなどの複屈折材料を配置した場合、複屈折材料はレーザ光の入射角度によりレーザ光の偏光状態を変化させるため、レーザ光として共振できなくなり、レーザ光の利用効率が低下するという問題点があった。

0032

この発明は、前述した問題点を解決するためになされたもので、長い共振器長において小さなビームサイズが安定して得られると共に、レーザ光の利用効率およびレーザ光の品質の低下を防止することができ、レーザ光の出射方向を安定することができるレーザ共振器を得ることを目的とする。

課題を解決するための手段

0033

この発明の請求項1に係るレーザ共振器は、光源により励起されてレーザ光を増幅するレーザ媒質と、前記レーザ媒質から入射するレーザ光を拡大するとともに、前記レーザ媒質側の反対側から入射するレーザ光を縮小する第1のテレスコープと、前記第1のテレスコープから入射するレーザ光を入射方向と反対方向へ反射する第1の反射手段と、前記レーザ媒質を挟んで前記第1のテレスコープに対向して配置され、前記第1の反射手段により反射され前記第1のテレスコープにより縮小されかつ前記レーザ媒質により増幅されて入射するレーザ光を拡大するとともに、前記レーザ媒質側の反対側から入射するレーザ光を縮小する第2のテレスコープと、前記レーザ媒質を挟んで前記第1の反射手段に対向して配置され、前記第2のテレスコープから入射するレーザ光を入射方向と反対方向へ反射する第2の反射手段とを備えたものである。

0034

この発明の請求項2に係るレーザ共振器は、光源により励起されてレーザ光を増幅するレーザ媒質と、前記レーザ媒質から入射するレーザ光を拡大するとともに、前記レーザ媒質側の反対側から入射するレーザ光を縮小するテレスコープと、前記テレスコープから入射するレーザ光を入射方向と反対方向へ反射する第1の反射手段と、前記レーザ媒質を挟んで前記第1の反射手段に対向して配置され、前記第1の反射手段により反射され前記テレスコープにより縮小されかつ前記レーザ媒質により増幅されて入射するレーザ光を入射方向と反対方向へ反射する第2の反射手段とを備えたものである。

0035

この発明の請求項3に係るレーザ共振器は、光源により励起されてレーザ光を増幅するレーザ媒質と、前記レーザ媒質から入射するレーザ光を拡大するとともに、前記レーザ媒質側の反対側から入射するレーザ光を縮小する第1のテレスコープと、前記第1のテレスコープから入射するレーザ光を拡大するとともに、前記第1のテレスコープ側の反対側から入射するレーザ光を縮小する第2のテレスコープと、前記第2のテレスコープから入射するレーザ光を入射方向と反対方向へ反射する第1の反射手段と、前記レーザ媒質を挟んで前記第1のテレスコープに対向して配置され、前記第1の反射手段により反射され前記第2及び第1のテレスコープにより縮小されかつ前記レーザ媒質により増幅されて入射するレーザ光を拡大するとともに、前記レーザ媒質側の反対側から入射するレーザ光を縮小する第3のテレスコープと、前記レーザ媒質を挟んで前記第2のテレスコープに対向して配置され、前記第3のテレスコープから入射するレーザ光を拡大するとともに、前記第3のテレスコープ側の反対側から入射するレーザ光を縮小する第4のテレスコープと、前記レーザ媒質を挟んで前記第1の反射手段に対向して配置され、前記第4のテレスコープから入射するレーザ光を入射方向と反対方向へ反射する第2の反射手段とを備えたものである。

0036

この発明の請求項4に係るレーザ共振器は、前記第1の反射手段が、直交した2つの反射面とこれら2つの反射面の第1の稜線を有する第1のルーフプリズムであり、前記第2の反射手段が、直交した2つの反射面とこれら2つの反射面の第2の稜線を有する第2のルーフプリズムであり、前記第1及び第2の稜線がお互いに直交するように前記第1及び第2のルーフプリズムを配置したものである。

0037

この発明の請求項5に係るレーザ共振器は、前記各テレスコープが、前記レーザ媒質の反対側に設けられ、正の焦点距離f1を有する第1のレンズと、前記レーザ媒質側に設けられ、正の焦点距離f2を有する第2のレンズとを含み、|f1/f2|>1の関係を満たすものである。

0038

この発明の請求項6に係るレーザ共振器は、前記各テレスコープが、前記レーザ媒質の反対側に設けられ、正の焦点距離f1を有する第1のレンズと、前記レーザ媒質側に設けられ、負の焦点距離f2を有する第2のレンズとを含み、|f1/f2|>1の関係を満たすものである。

0039

この発明の請求項7に係るレーザ共振器は、前記レーザ媒質に隣接したテレスコープが、前記第2のレンズからレーザ共振器の中心までの距離が、前記第2のレンズの焦点距離f2にほぼ等しくなるように配置されているものである。

0040

この発明の請求項8に係るレーザ共振器は、前記各テレスコープが、前記レーザ媒質の反対側に設けられ、焦点距離f1を有する第1のレンズと、前記レーザ媒質側に設けられ、焦点距離f2を有する第2のレンズとを含み、|f1/f2|>1の関係を満たし、前記第1の反射手段と前記第1の反射手段側のテレスコープの間に共振器モードを選択する開口を設け、前記第1の反射手段と前記第1の反射手段側のテレスコープの間の距離をL1、前記第1の反射手段側のテレスコープの第1のレンズと第2のレンズの間の距離をf1+f2+δとしたとき、前記第1の反射手段と前記開口の間の距離をL1−f1−f1×f1/(2×δ)としたものである。

0041

この発明の請求項9に係るレーザ共振器は、前記共振器モードを選択する開口を、光学部品としたものである。

0042

この発明の請求項10に係るレーザ共振器は、前記共振器モードを選択する開口の代わりに、レーザ光の一部を外部に取り出すための出力結合素子を設けたものである。

0043

この発明の請求項11に係るレーザ共振器は、前記第1のテレスコープ及び前記第3のテレスコープを、取り外し可能としたものである。

0044

この発明の請求項12に係るレーザ共振器は、第2の光源により励起されてレーザ光を増幅する第2のレーザ媒質を有する入れ替え装置をさらに備え、前記レーザ媒質、前記第1のテレスコープ、及び前記第3のテレスコープを取り外して、前記入替え装置を共振器の略中心に配置するものである。

0045

この発明の請求項13に係るレーザ共振器は、前記各反射手段と前記反射手段側のテレスコープの間の光路上に、偏光子を設けたものである。

0046

この発明の請求項14に係るレーザ共振器は、前記各反射手段と前記反射手段側のテレスコープの間の光路上に、複屈折素子を設けたものである。

0047

この発明の請求項15に係るレーザ共振器は、前記レーザ媒質が、熱レンズ効果を持つものである。

0048

この発明の請求項16に係るレーザ共振器は、前記レーザ媒質が、レーザ共振器の光軸に垂直な面内で、2つの異なる焦点距離を有する熱レンズ効果を持つものである。

0049

この発明の請求項17に係るレーザ共振器は、前記レーザ媒質が、(Er:Glass)、(Er、Yb:Glass)、(Er:YAG)、(Tm:YAG)、(Tm、Ho:YAG)、(Ho:YLF)、又は(Tm、Ho:YLF)のいずれか一つを用いたものである。

発明を実施するための最良の形態

0050

実施の形態1.この発明の実施の形態1に係るレーザ共振器について図面を参照しながら説明する。図1は、この発明の実施の形態1に係るレーザ共振器の構成を示す図である。なお、各図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。

0051

図1において、11及び12は平面反射鏡、13はレーザ媒質、14はレーザ媒質13を励起する励起光源、15はレンズ15aおよび15bを有するテレスコープ、16はレンズ16aおよび16bを有するテレスコープ、17はレーザ共振器内の共振モード、18は共振モード17を制限する開口である。

0052

平面鏡11と平面鏡12はレーザ媒質13を中心にして対称に配置されている。また、テレスコープ15は平面反射鏡11とレーザ媒質13の間に配置され、テレスコープ15のレンズ15aの焦点距離をf1、テレスコープ15のレンズ15bの焦点距離をf2、レンズ15aとレンズ15bの間隔をf1+f2+δとする。また、|f1/f2|>1とする。テレスコープ15とテレスコープ16は同一のものを使用し、レーザ媒質13を中心として対称に配置されている。レンズ15aと平面反射鏡1の距離、およびレンズ16aと平面反射鏡12の距離は、共にL1となるように配置されている。

0053

つぎに、この実施の形態1に係るレーザ共振器の動作について図面を参照しながら説明する。

0054

レーザ媒質13をテレスコープ15の方向へ出射したレーザ光は、テレスコープ15で拡大されて伝搬し、平面反射鏡11により反射し、入射したレーザ光と反対方向に反射される。平面反射鏡11により反射したレーザ光は、テレスコープ15により縮小され、再びレーザ媒質13に入射される。さらに、レーザ媒質13に入射したレーザ光は、レーザ媒質13を通過して増幅された後、テレスコープ16により拡大されて伝搬し、平面反射鏡12により反射し、入射したレーザ光と反対方向に反射される。この平面反射鏡12により反射したレーザ光は、テレスコープ16により縮小され、再びレーザ媒質13に入射され、レーザ媒質13によりさらに増幅される。すなわち、レーザ媒質13から出射されたレーザ光が、同じ光路を往復してレーザ媒質13へ戻り、レーザ共振器内に閉じこめらる。

0055

次に、共振器内の共振モード17の大きさを考える。L’=L1−f1=L0/2、f1/f2=M、f12/δ=R0とすると、共振器の中心位置におけるビームサイズω0および平面反射鏡11におけるビームサイズω1は、以下の式(6)で表される。なお、ここでは式の簡略化のため、L2=f2とした。

0056

0057

これより、任意のL0に対して、適当なf1/f2=Mを満たすテレスコープを使用することにより、任意のビームサイズω0が得られることが分かる。

0058

図2は、L1=1m、f1=0.1m、f2=0.025m、L2=0.025mとしたときの、レンズ間隔差δ(=テレスコープのレンズ間隔−f1−f2)とω0およびω1の関係を示したものである。例えば、ω0の値として0.25mm以下が得られるレンズ間隔差δは2.7mm〜8.4mmとなり、広い範囲で安定したビームサイズが得られることが分かる。また、この時のω1は0.87mm〜0.49mmである。

0059

次に、レーザ共振器が、対称からずれた場合を考える。図3は、平面反射鏡11とレンズ15aの距離を1.1m、平面反射鏡12とレンズ16aの距離を0.9mとしたときの、レンズ間隔差δ(=テレスコープのレンズ間隔−f1−f2)とω0およびω1の関係を示したものである。安定領域が大きく二つに分かれ、安定領域の広さも狭くなることが分かる。対称からずれるに従い、この二つの領域はお互いに離れて、安定領域が狭くなる。従って、共振器はほぼ対称に配置することにより、広い安定領域を得ることができる。

0060

次に、図4は、平面反射鏡11に傾きθが生じたときの共振ビームモードの様子を示した図である。平面反射鏡11に傾きが生じた場合、共振モードの光軸20とレーザ共振器の光軸19にずれが生じる。この時、平面反射鏡11における光軸のずれ量をd1、平面反射鏡11における光軸のずれ角をθ1、共振器中心における光軸のずれ量をd0、共振器中心における光軸のずれ角をθ0とすると、それぞれd0、θ0、d1、及びθ1は以下の式(7)で表される。

0061

0062

図5は、L0=2m、f1=0.1m、f2=0.025m、L2=0.025mmとし、平面反射鏡11にθ=100μradの傾きを与えたときの、レンズ間隔差δ(=テレスコープのレンズ間隔−f1−f2)と、共振器中心における光軸とのずれ量d0および平面反射鏡11における光軸とのずれ量d1との関係を示したものである。なお、図2に示したレンズ間隔差δとω0およびω1の関係を同時に示している。

0063

平面反射鏡11の位置におけるずれ量d1は、ω0の値として0.25mm以下が得られるレンズ間隔差の条件で、δ=2.7mmの時d1=0.09mm、δ=8.4mmの時d1=−0.03mmとなり、δ=5.6mmにおいてはd1=0となる。この時のω1の値は、δ=2.7mmの時ω1=0.87mm、δ=8.4mmの時ω1=0.49mmであり、d1の値はω1の値に比べて小さく、開口18のケラレによる影響は小さい。従って、平面反射鏡11の傾きによるレーザ出力の低下が生じにくく、ケラレの回折によるレーザビーム品質の低下が生じにくい、安定した共振器となる。

0064

図6は、L0=2m、f1=0.1m、f2=0.025m、L2=0.025mmとし、平面反射鏡11にθ=100μradの傾きを与えたときの、レンズ間隔差δ(=テレスコープのレンズ間隔−f1−f2)と、共振器の中心位置における光軸とのずれ角θ0および平面反射鏡11における光軸とのずれ角θ1との関係を示したものである。θ0およびθ1は、共にδの値によらず一定であり、θ0=200μrad、θ1=100μradとなる。

0065

また、図7は、L0=2m、f1=0.1m、f2=0.025m、δ=6mm、θ=100μradとし、L2を0から0.05mまで変化させたときの、共振器中心におけるビームサイズω0、共振器中心における光軸とのずれ量d0を、図8は、共振器の中心位置における光軸とのずれ角θ0を示したものである。ω0、d0、θ0共に、L1が0〜0.05mの範囲においても大きな変化はなく、L2≠f2の時においても、平面反射鏡の傾きの影響が小さい共振器が構成される。

0066

このような構成のレーザ共振器では、共振器長に対して適当な倍率Mのテレスコープを選ぶことができるので、長い共振器長で小さなビームサイズを持つ安定した共振器を構成することができる。

0067

また、共振器を構成する平面反射鏡の傾きの影響が小さいので、アライメントずれによりレーザ出力の低下を防止し、ケラレの回折によるレーザビーム品質の低下を防止した、安定した共振器を構成することができる。

0068

また、小さなビームサイズに合わせて小さなレーザ媒質を使用することができるため、材料固有の利得が小さいレーザ媒質、例えばアイセーフ波長で発振する、Er:Glass(発振波長1.5μm)、Er、Yb:Glass(発振波長1.5μm)、Er:YAG(発振波長1.6μm)、Tm:YAG(発振波長2μm)、Tm、Ho:YAG(発振波長2μm)、Ho:YLF(発振波長2μm)、Tm、Ho:YLF(発振波長2μm)などのレーザ媒質を用いたレーザにおいて、レーザ光の利用効率を向上することができる。

0069

また、平面反射鏡11とテレスコープ15の間、または平面反射鏡12とテレスコープ16の間に、レーザ光の偏光方向を規定するための偏光子を配置してもよい。このように構成すれば、平面反射鏡11に角度ずれが生じた場合でも、偏光子の位置の共振ビームモードに与える角度ずれが小さくなり、消光比の劣化による出力低下の少ない、レーザ光の利用効率の高いレーザ共振器が構成できる。

0070

さらにまた、平面反射鏡11とテレスコープ15の間、または平面反射鏡12とテレスコープ16の間に、パルス駆動させるためのEO−Qスイッチなどの複屈折材料を配置してもよい。このように構成すれば、平面反射鏡11に角度ずれが生じた場合でも、複屈折材料の位置の共振ビームモードに与える角度ずれが小さくなり、レーザ光の消光比の劣化が小さくなり、レーザ光の利用効率の高いレーザ共振器が構成できる。

0071

この実施の形態1では、テレスコープ15および16として、f1、f2共に正の焦点距離を持つ場合について説明したが、図9に示したようなf2が負の焦点距離を持つテレスコープ21を用いても良い。このように構成すれば、テレスコープ21のレンズ21aとレンズ21bの間でレーザ光が集光せず、高いパワー密度による放電エアブレイクダウン)が生じる可能性が低くなるため、レーザ発振器信頼性が向上する。

0072

実施の形態2.この発明の実施の形態2に係るレーザ共振器について図面を参照しながら説明する。図10は、この発明の実施の形態2に係る自己補償形レーザ共振器の構成を示す図である。

0073

図10において、22は焦点距離frの熱レンズ効果を持つレーザ媒質である。他の構成は、上記の実施の形態1と同様である。この時、L’=L1−f1=L0/2、f1/f2=M、f12/(δ+f22/2fr)=R0’とすると、共振器の中心位置におけるビームサイズω0および平面反射鏡におけるビームサイズω1は、以下の式(8)で表される。なお、ここでは式の簡略化のため、L2=f2とした。

0074

0075

式(6)と比較すると、式(6)のδを(δ+f22/2fr)に置き換えた形となる。すなわち、レーザ媒質22を共振器内に挿入した場合、挿入する前の共振器のδと挿入した後の(δ+f22/2fr)の値が同じになるように、δを変化させることにより、挿入する前と同じビームサイズω0の共振器を構成することができる。また、平面反射鏡11の傾きによるビームサイズおよびビームの光軸の変化も同じになる。

0076

従って、このような構成のレーザ共振器では、熱レンズ効果を持つレーザ媒質を使用した場合においても、共振器長に対して適当な倍率Mのテレスコープを選ぶことができるので、長い共振器長で小さなビームサイズを持つ安定した共振器を構成することができる。また、共振器を構成する平面反射鏡の傾きの影響が小さいので、アライメントずれによりレーザ出力の低下を防止し、ケラレの回折によるレーザビーム品質の低下を防止した、安定した共振器を構成することができる。

0077

また、レーザ媒質22の熱レンズ焦点距離がx軸方向とy軸方向で異なっている場合を考える。共振モードのレーザ媒質22上のビームサイズは、レーザ媒質の焦点距離により変化するため、焦点距離がx軸方向とy軸方向で異なった場合、一般にレーザ媒質上のビームサイズが異なる。この時、共振モードとレーザ媒質22のオーバラップが悪くなるため、レーザ媒質22からのエネルギーの取り出し効率が悪くなり、レーザ光の利用効率が低下する。

0078

x軸方向の焦点距離frx、y軸方向の焦点距離fryとすると、共振器中心における共振モードのx軸方向のビームサイズω0x、y軸方向のビームサイズω0yは以下の式(9)で表される。ここで、f12/(δ+f22/2frx)=R0x’、f12/(δ+f22/2fry)=R0y’とした。

0079

0080

ここで、δを以下の式(10)ように設定する。

0081

0082

この時、ω0xとω0yは等しくなる。

0083

したがって、このような構成のレーザ共振器では、レーザ媒質22がx軸方向とy軸方向で異なる熱レンズ焦点距離を持つ場合でも、レーザ媒質上のx軸方向のビームサイズおよびy軸方向のビームサイズが一致するため、共振モードとレーザ媒質のオーバラップが良くなり、レーザ光の利用効率が向上する。

0084

実施の形態3.この発明の実施の形態3に係るレーザ共振器について図面を参照しながら説明する。図11は、この発明の実施の形態3に係るレーザ共振器の構成を示す図である。

0085

図11において、23は平面反射鏡11から距離Lpの位置に配置された開口であり、平面反射鏡11に傾きθが生じたときの共振ビームモードの様子を示したものである。他の構成は、上記の実施の形態1と同様である。

0086

この時、開口23の位置における光軸のずれ量dp、光軸のずれ角θpは以下の式(11)で表される。

0087

0088

ここで、Lp=L’−f12/2δ=L1−f1−f1×f1/(2×δ)とすると、平面反射鏡11の傾きθによらず、dpは常に0となる。すなわち、平面反射鏡11に傾きが生じた場合、開口23の位置ではビームの位置がずれないため、ケラレによる損失が生じない。

0089

従って、このような構成のレーザ共振器では、平面反射鏡11の傾き量によらず開口によるケラレが生じないので、アライメントずれによるレーザ出力の低下を防止し、ケラレの回折によるレーザビーム品質の低下を防止した、安定した共振器を構成することができる。

0090

なお、上記の例ではLpの位置に開口23を配置したが、偏光子、波長板、EO−Qスイッチ、AO−Qスイッチなどの光学部品を配置しても良い。このように配置すれば、平面反射鏡11の傾き量によらず光学部品の開口によるケラレが生じないので、アライメントずれによるレーザ出力の低下を防止し、ケラレの回折によるレーザビーム品質の低下を防止した、安定した共振器を構成することができる。

0091

また、開口23の代わりに、レーザの一部を外部に取り出すための出力結合素子を配置しても良い。このように配置すれば、平面反射鏡11の傾き量より出力されたレーザ光の出射位置が変化せず、また、共振モードの角度ずれに与える影響も小さいので、レーザの照射位置安定度の良いレーザ共振器を構成することができる。

0092

実施の形態4.この発明の実施の形態4に係るレーザ共振器について図面を参照しながら説明する。図12は、この発明の実施の形態4に係るレーザ共振器の構成を示す図である。

0093

図12において、35及び36は平面反射鏡、37はレンズ37aおよびレンズ37bを有するテレスコープ、38はレーザ媒質、39はレーザ媒質38を励起する励起光源である。

0094

平面反射鏡35と平面反射鏡36は互いに対向して配置され、レーザ媒質38は平面反射鏡36側に配置されている。テレスコープ37は、平面反射鏡35とレーザ媒質38の間に配置され、テレスコープ37のレンズ37aの焦点距離をf1、テレスコープ37のレンズ37bの焦点距離をf2、レンズ37aとレンズ37bの間隔をf1+f2+δとする。また、|f1/f2|>1とする。レンズ37aと平面反射鏡35の距離をL1、レンズ37bと平面反射鏡36の距離をL2とする。

0095

次に、この実施の形態4に係るレーザ共振器の動作について説明する。レーザ媒質38をテレスコープ37の方向へ出射したレーザ光は、テレスコープ37で拡大されて伝搬し、平面反射鏡35により反射し、入射したレーザ光と反対方向に反射される。平面反射鏡35により反射したレーザ光は、テレスコープ37により縮小され、再びレーザ媒質38に入射される。さらに、レーザ媒質38に入射したレーザ光は、平面反射鏡36により反射し、再びレーザ媒質38に入射され、レーザ媒質38によりさらに増幅される。すなわち、レーザ媒質38から出射されたレーザ光が、同じ光路を往復してレーザ媒質38へ戻り、レーザ共振器内に閉じこめらる。

0096

次に、共振器内の共振モードの大きさを考える。L’=L1−f1=L0/2、f1/f2=M、f12/δ=R0とすると、平面反射鏡36の位置におけるビームサイズω0および平面反射鏡35におけるビームサイズω1は、式6と同様で、任意のL0に対して、適当なf1/f2=Mを満たすテレスコープを使用することにより、任意のビームサイズω0が得られる。また、平面反射鏡35に傾きθが生じたときのずれ量は、式7と同様である。

0097

従って、このような構成のレーザ共振器では、共振器長に対して適当な倍率Mのテレスコープを選ぶことができるので、長い共振器長で小さなビームサイズを持つ安定した共振器を構成することができる。また、共振器を構成する平面反射鏡の傾きの影響が小さいので、アライメントずれによりレーザ出力の低下を防止し、ケラレの回折によるレーザビーム品質の低下を防止した、安定した共振器を構成することができる。さらにまた、光学部品の数が図1の約半分となるため、共振器の周回損失が減少し、レーザ光の利用効率を向上することができる。

0098

実施の形態5.この発明の実施の形態5に係るレーザ共振器について図面を参照しながら説明する。図13は、この発明の実施の形態5に係るレーザ共振器の構成を示す図である。

0099

図13において、24はy軸に平行な稜線24aを有するルーフプリズム、25はx軸に平行な稜線25aを有するルーフプリズムである。他の構成は、上記実施の形態1と同様である。

0100

次に、この実施の形態5に係るレーザ共振器に使用されているルーフプリズムの動作について説明する。図14は、図13のルーフプリズム24に入射したレーザ光の反射状態を示す説明図である。

0101

図14において、稜線24aを挟む反射面24b及び24cは、互いに直角に固定され、かつ光軸19とのなす角度が45度になっている。光軸19と平行な光路26を進み、ルーフプリズム24に入射したレーザ光は、反射面24bにより90度、反射面24cにより90度、合計180度の方向の変化を与えられる。このようにして反射されたレーザ光の光路27は、やはり光軸19と平行になる。即ち、ルーフプリズム24は、入射したレーザ光を、入射したレーザ光と平行で進行方向が逆方向のレーザ光として反射する。

0102

また、図15に示すように、ルーフプリズム24が稜線24aを中心軸として角度α傾いた場合、反射面24bより与えられる角度変化は90°+2α,反射面24cにより与えられる角度変化は90°−2αとなり、光路26を進むレーザ光とルーフプリズム24により反射されたレーザ光の光路27の角度変化は合計180度となる。従って,稜線24aを中心軸とした傾きが生じた場合でも、ルーフプリズム24は、入射したレーザ光を、入射したレーザ光と平行で進行方向が逆方向のレーザ光として反射する。

0103

さらに、入射するレーザ光が光軸19に対して傾いた場合も同様に、ルーフプリズム24は、入射したレーザ光を、入射したレーザ光と平行で進行方向が逆方向のレーザ光として反射する。なお、図14および図15では、説明のため、光路26および27を光軸19からずらして示したが、実際には、光路26も光路27もビームの中心が光軸19に一致し、レーザ光は稜線24aを含む範囲内に照射され反射される。

0104

さらにまた、図13に示したように、ルーフプリズム24の稜線24a及びルーフプリズム25の稜線25aを、互いに直交する方向に配置することにより、ルーフプリズム24及び25の傾きがお互いに補償される。

0105

従って、このような構成のレーザ共振器では、ルーフプリズム24及び25の傾きをお互いに補償するため、アライメントずれによるレーザ出力の低下を防止した、安定した共振器を構成することができる。

0106

実施の形態6.この発明の実施の形態6に係るレーザ共振器について図面を参照しながら説明する。図16は、この発明の実施の形態6に係るレーザ共振器の構成を示す図である。

0107

図16において、28はレンズ28aおよび28bを有するテレスコープ、29はレンズ29aおよび29bを有するテレスコープ、30はレンズ30aおよび30bを有するテレスコープ、31はレンズ31aおよび31bを有するテレスコープである。その他の構成は、上記実施の形態1と同様である。

0108

テレスコープ28のレンズ28aの焦点距離をf1、テレスコープ28のレンズ28bの焦点距離をf2、これらのレンズ28aとレンズ28bの間隔をf1+f2+δ1とする。また、|f1/f2|>1とする。

0109

また、テレスコープ30のレンズ30aの焦点距離をf3、テレスコープ30のレンズ30bの焦点距離をf4、これらのレンズ30aとレンズ30bの間隔をf3+f4+δ2とする。また、|f3/f4|>1とする。

0110

上左端のテレスコープ28と右端のテレスコープ29は同一のものを使用し、レーザ媒質13を中心として対称に配置されている。また、図上左側のテレスコープ30と右側のテレスコープ31は同一のものを使用し、レーザ媒質13を中心として対称に配置され、このテレスコープ30はテレスコープ28とレーザ媒質13の間に、テレスコープ31はテレスコープ29とレーザ媒質13の間に、それぞれ配置されている。

0111

レンズ28aと平面反射鏡11の距離、およびレンズ29aと平面反射鏡12の距離は、共にL1となるように配置されている。また、レンズ28bとレンズ30aの距離、およびレンズ29bとレンズ31aの距離は、共にL2となるように配置されている。また、レンズ30bと共振器の中心との距離、およびレンズ31bと共振器の中心との距離は、共にL3となるように配置されている。

0112

次に、この実施の形態6に係るレーザ共振器の動作について説明する。レーザ媒質13をテレスコープ30の方向へ出射したレーザ光は、テレスコープ30で拡大されて伝搬し、テレスコープ28に入射する。このテレスコープ28に入射したレーザ光はテレスコープ28で拡大されて伝搬し、平面反射鏡11により反射し、入射したレーザ光と反対方向に反射される。

0113

この平面反射鏡11により反射したレーザ光は、テレスコープ28およびテレスコープ30により縮小され、再びレーザ媒質13に入射される。さらに、レーザ媒質13に入射したレーザ光は、レーザ媒質13を通過して増幅された後、テレスコープ31およびテレスコープ29により拡大されて伝搬し、平面反射鏡12により反射し、入射したレーザ光と反対方向に反射される。

0114

この平面反射鏡12により反射したレーザ光は、テレスコープ29およびテレスコープ31により縮小され、再びレーザ媒質13に入射され、レーザ媒質13によりさらに増幅される。すなわち、レーザ媒質13から出射されたレーザ光が、同じ光路を往復してレーザ媒質へ戻り、レーザ共振器内に閉じこめられる。

0115

次に、共振器内の共振モードの大きさを考える。L’=L1−f1=L0/2、f1/f2=M1、f12/δ=R0、f3/f4=M2とすると、共振器の中心位置におけるビームサイズω0および平面反射鏡11におけるビームサイズω1は、以下の式(12)で表される。なお、ここでは式の簡略化のため、L2=f2+f3、L3=f4、δ2=0とした。

0116

0117

式(6)と比較すると、式(6)のMを(M1×M2)に置き換えた形となる。すなわち、テレスコープ30およびテレスコープ31を共振器内に挿入した場合、挿入する前の共振器中心における共振モードの大きさが1/M2倍に縮小される。また、平面反射鏡11の傾きによるビームサイズおよびビームの光軸に対する変化も式(7)のMを(M1×M2)に置き換えればよい。すなわち、M1とM2の組合せにより任意のビームサイズω0の共振モードを与えることができる。

0118

このような構成のレーザ共振器では、共振器長に対して適当な倍率M1、M2のテレスコープを組み合わせて任意の共振モードのビームサイズを与えることができるので、長い共振器長で小さなビームサイズを持つ安定した共振器を構成することができる。また、共振器を構成する平面反射鏡の傾きの影響が小さいので、アライメントずれによりレーザ出力の低下を防止し、ケラレの回折によるレーザビーム品質の低下を防止した、安定した共振器を構成することができる。

0119

また、テレスコープ30およびテレスコープ31を取り外すことにより、倍率が(M1×M2)からM1に変化するため、共振器中心のビームサイズω0を大きくすることができる。したがって、1台のレーザ共振器で2種類のビームサイズω0を持つレーザ共振器を構成できる。レーザ媒質13上でビームサイズω0を変化させた場合、レーザ光の出力、ビーム品質、パルス幅などが変化する。

0120

このような構成のレーザ共振器では、2種類の共振モードのビームサイズを与えることができるので、レーザ光の出力、ビーム品質、パルス幅を変化させることができるレーザ共振器を構成することができる。

0121

また、図17に示したように、テレスコープ30、テレスコープ31、レーザ媒質13、及び励起光源14を取り外し、異なった大きさまたは異なった材料のレーザ媒質32と励起光源33を、入れ替え装置34を用いて挿入しても良い。このような構成のレーザ共振器では、2種類の共振モードのビームサイズを、異なったレーザ媒質に対して与えることができるので、レーザ光の波長、出力、ビーム品質、パルス幅などを変化させることができるレーザ共振器を構成することができる。

0122

また、上記の例ではテレスコープを4個使用したが、2m個(mは整数)を対称に配置しても良い。このように構成すれば、一つのレーザ共振器でm種類のビームサイズω0が得られるため、m種類にレーザ光の出力、ビーム品質、パルス幅を変化させることができるレーザ共振器を構成することができる。

0123

なお、上記各実施の形態で反射手段として平面反射鏡で説明した箇所は、凹面反射鏡でも構わない。

発明の効果

0124

この発明の請求項1に係るレーザ共振器は、以上説明したとおり、光源により励起されてレーザ光を増幅するレーザ媒質と、前記レーザ媒質から入射するレーザ光を拡大するとともに、前記レーザ媒質側の反対側から入射するレーザ光を縮小する第1のテレスコープと、前記第1のテレスコープから入射するレーザ光を入射方向と反対方向へ反射する第1の反射手段と、前記レーザ媒質を挟んで前記第1のテレスコープに対向して配置され、前記第1の反射手段により反射され前記第1のテレスコープにより縮小されかつ前記レーザ媒質により増幅されて入射するレーザ光を拡大するとともに、前記レーザ媒質側の反対側から入射するレーザ光を縮小する第2のテレスコープと、前記レーザ媒質を挟んで前記第1の反射手段に対向して配置され、前記第2のテレスコープから入射するレーザ光を入射方向と反対方向へ反射する第2の反射手段とを備えたので、共振器長に対して適当な倍率のテレスコープを選ぶことにより共振器中心における共振モードのビームサイズを任意に調整でき、長い共振器長で小さなビームサイズを持つ安定した共振器を構成することができ、また、反射手段の傾きが共振モードに与える影響が小さいので、アライメントずれによるレーザ出力の低下を防止し、ケラレの回折によるレーザビーム品質の低下を防止することができ、さらに、小さなビームサイズに合わせて小さなレーザ媒質を使用することができるため、材料固有の利得が小さいレーザ媒質でも、レーザ光の利用効率を向上することができるという効果を奏する。

0125

この発明の請求項2に係るレーザ共振器は、以上説明したとおり、光源により励起されてレーザ光を増幅するレーザ媒質と、前記レーザ媒質から入射するレーザ光を拡大するとともに、前記レーザ媒質側の反対側から入射するレーザ光を縮小するテレスコープと、前記テレスコープから入射するレーザ光を入射方向と反対方向へ反射する第1の反射手段と、前記レーザ媒質を挟んで前記第1の反射手段に対向して配置され、前記第1の反射手段により反射され前記テレスコープにより縮小されかつ前記レーザ媒質により増幅されて入射するレーザ光を入射方向と反対方向へ反射する第2の反射手段とを備えたので、共振器長に対して適当な倍率のテレスコープを選ぶことにより共振器中心における共振モードのビームサイズを任意に調整でき、長い共振器長で小さなビームサイズを持つ安定した共振器を構成することができ、また、反射手段の傾きが共振モードに与える影響が小さいので、アライメントずれによるレーザ出力の低下を防止し、ケラレの回折によるレーザビーム品質の低下を防止することができ、また、小さなビームサイズに合わせて小さなレーザ媒質を使用することができるため、材料固有の利得が小さいレーザ媒質でも、レーザ光の利用効率を向上することができ、さらにまた、光学部品の数が少なくなるので、共振器の周回損失が減少し、レーザ光の利用効率を向上することができるという効果を奏する。

0126

この発明の請求項3に係るレーザ共振器は、以上説明したとおり、光源により励起されてレーザ光を増幅するレーザ媒質と、前記レーザ媒質から入射するレーザ光を拡大するとともに、前記レーザ媒質側の反対側から入射するレーザ光を縮小する第1のテレスコープと、前記第1のテレスコープから入射するレーザ光を拡大するとともに、前記第1のテレスコープ側の反対側から入射するレーザ光を縮小する第2のテレスコープと、前記第2のテレスコープから入射するレーザ光を入射方向と反対方向へ反射する第1の反射手段と、前記レーザ媒質を挟んで前記第1のテレスコープに対向して配置され、前記第1の反射手段により反射され前記第2及び第1のテレスコープにより縮小されかつ前記レーザ媒質により増幅されて入射するレーザ光を拡大するとともに、前記レーザ媒質側の反対側から入射するレーザ光を縮小する第3のテレスコープと、前記レーザ媒質を挟んで前記第2のテレスコープに対向して配置され、前記第3のテレスコープから入射するレーザ光を拡大するとともに、前記第3のテレスコープ側の反対側から入射するレーザ光を縮小する第4のテレスコープと、前記レーザ媒質を挟んで前記第1の反射手段に対向して配置され、前記第4のテレスコープから入射するレーザ光を入射方向と反対方向へ反射する第2の反射手段とを備えたので、2種類の倍率のテレスコープを組み合わせて任意の共振モードのビームサイズを与えることができ、長い共振器長で小さなビームサイズを持つ安定したレーザ共振器を構成することができるという効果を奏する。

0127

この発明の請求項4に係るレーザ共振器は、以上説明したとおり、前記第1の反射手段が、直交した2つの反射面とこれら2つの反射面の第1の稜線を有する第1のルーフプリズムであり、前記第2の反射手段が、直交した2つの反射面とこれら2つの反射面の第2の稜線を有する第2のルーフプリズムであり、前記第1及び第2の稜線がお互いに直交するように前記第1及び第2のルーフプリズムを配置したので、2つのルーフプリズムがお互いのアライメントずれを補償し、アライメントずれによるレーザ出力の低下を防止した、安定した共振器を構成することができるという効果を奏する。

0128

この発明の請求項5に係るレーザ共振器は、以上説明したとおり、前記各テレスコープが、前記レーザ媒質の反対側に設けられ、正の焦点距離f1を有する第1のレンズと、前記レーザ媒質側に設けられ、正の焦点距離f2を有する第2のレンズとを含み、|f1/f2|>1の関係を満たすので、2枚のレンズのアライメントずれが生じにくく、レーザ光の出力の劣化を防止できるという効果を奏する。

0129

この発明の請求項6に係るレーザ共振器は、以上説明したとおり、前記各テレスコープが、前記レーザ媒質の反対側に設けられ、正の焦点距離f1を有する第1のレンズと、前記レーザ媒質側に設けられ、負の焦点距離f2を有する第2のレンズとを含み、|f1/f2|>1の関係を満たすので、第1のレンズと第2のレンズの間でレーザ光が集光せず、高いパワー密度による放電(エアブレイクダウン)を防止でき、レーザ発振器の信頼性が向上し、安定したレーザ共振器を構成できるという効果を奏する。

0130

この発明の請求項7に係るレーザ共振器は、以上説明したとおり、前記レーザ媒質に隣接したテレスコープが、前記第2のレンズからレーザ共振器の中心までの距離が、前記第2のレンズの焦点距離f2にほぼ等しくなるように配置されているので、レーザ共振器内のビームサイズやアライメントずれの計算式が簡略になり、設計が容易になるという効果を奏する。

0131

この発明の請求項8に係るレーザ共振器は、以上説明したとおり、前記各テレスコープが、前記レーザ媒質の反対側に設けられ、焦点距離f1を有する第1のレンズと、前記レーザ媒質側に設けられ、焦点距離f2を有する第2のレンズとを含み、|f1/f2|>1の関係を満たし、前記第1の反射手段と前記第1の反射手段側のテレスコープの間に共振器モードを選択する開口を設け、前記第1の反射手段と前記第1の反射手段側のテレスコープの間の距離をL1、前記第1の反射手段側のテレスコープの第1のレンズと第2のレンズの間の距離をf1+f2+δとしたとき、前記第1の反射手段と前記開口の間の距離をL1−f1−f1×f1/(2×δ)としたので、開口によるケラレが無く、アライメントずれによるレーザ出力の低下を防止し、ケラレの回折のよるビーム品質の低下を防止することができるという効果を奏する。

0132

この発明の請求項9に係るレーザ共振器は、以上説明したとおり、前記共振器モードを選択する開口を、光学部品としたので、光学部品によるケラレが無く、アライメントずれによるレーザ出力の低下を防止し、ケラレの回折のよるビーム品質の低下を防止することができるという効果を奏する。

0133

この発明の請求項10に係るレーザ共振器は、以上説明したとおり、前記共振器モードを選択する開口の代わりに、レーザ光の一部を外部に取り出すための出力結合素子を設けたので、レーザ光の出射位置が変化せず、共振モードの角度ずれも小さく、レーザの照射位置の安定度が向上するという効果を奏する。

0134

この発明の請求項11に係るレーザ共振器は、以上説明したとおり、前記第1のテレスコープ及び前記第3のテレスコープを、取り外し可能としたので、テレスコープの倍率を変化させ、共振器中心のビームサイズを変えることができ、レーザ光の出力、ビーム品質、パルス幅が可変なレーザ共振器を構成することができるという効果を奏する。

0135

この発明の請求項12に係るレーザ共振器は、以上説明したとおり、第2の光源により励起されてレーザ光を増幅する第2のレーザ媒質を有する入れ替え装置をさらに備え、前記レーザ媒質、前記第1のテレスコープ、及び前記第3のテレスコープを取り外して、前記入れ替え装置を共振器の略中心に配置するので、2種類の共振モードのビームサイズを、異なったレーザ媒質に対して与えることができ、レーザ光の波長、出力、ビーム品質、パルス幅が可変なレーザ共振器を構成することができるという効果を奏する。

0136

この発明の請求項13に係るレーザ共振器は、以上説明したとおり、前記各反射手段と前記反射手段側のテレスコープの間の光路上に、偏光子を設けたので、反射手段の傾きによる共振ビームモードの影響が小さく、偏光子に入射するレーザ光の入射方向の変化が小さく、消光比の劣化による出力低下を防止し、レーザ光の利用効率を向上することができるという効果を奏する。

0137

この発明の請求項14に係るレーザ共振器は、以上説明したとおり、前記各反射手段と前記反射手段側のテレスコープの間の光路上に、複屈折素子を設けたので、反射手段の傾きによる共振ビームモードの影響が小さく、複屈折材料に入射するレーザ光の入射方向の変化が小さいため、消光比の劣化による出力低下を防止し、レーザ光の利用効率を向上することができるという効果を奏する。

0138

この発明の請求項15に係るレーザ共振器は、以上説明したとおり、前記レーザ媒質が、熱レンズ効果を持つので、テレスコープのレンズの間隔を調整することにより、レーザ媒質の熱レンズを容易に補償することができ、レーザ媒質の大きさにビームサイズを調整できるので、レーザ光の利用効率の低下を防止することができるという効果を奏する。

0139

この発明の請求項16に係るレーザ共振器は、前記レーザ媒質が、レーザ共振器の光軸に垂直な面内で、2つの異なる焦点距離を有する熱レンズ効果を持つので、テレスコープのレンズの間隔を調整することにより、レーザ媒質上のビームサイズを同じにでき、レーザ光の利用効率の低下を防止することができるという効果を奏する。

0140

この発明の請求項17に係るレーザ共振器は、以上説明したとおり、前記レーザ媒質が、(Er:Glass)、(Er、Yb:Glass)、(Er:YAG)、(Tm:YAG)、(Tm、Ho:YAG)、(Ho:YLF)、又は(Tm、Ho:YLF)のいずれか一つを用いたので、高密度に励起することができ、効率よく、目に安全なレーザ光を得ることができるという効果を奏する。

図面の簡単な説明

0141

図1この発明の実施の形態1に係るレーザ共振器の構成を示す図である。
図2この発明の実施の形態1に係るレーザ共振器のビームサイズを示す図である。
図3この発明の実施の形態1に係るレーザ共振器が共振器を中心として対称でなくなったときのビームサイズを示す図である。
図4この発明の実施の形態1に係るレーザ共振器の平面反射鏡が傾いたときの共振モードを示す図である。
図5図4のレーザ共振器の光軸と共振モードの軸とのずれ量を示す図である。
図6図4のレーザ共振器の光軸と共振モードの軸とのずれ角を示す図である。
図7図4のレーザ共振器のテレスコープと共振器中心の距離を変えたときのビームサイズと光軸のずれ量を示す図である。
図8図4のレーザ共振器のテレスコープと共振器中心の距離を変えたときの光軸のずれ角を示す図である。
図9この発明の実施の形態1に係るレーザ共振器のテレスコープの一例を示す図である。
図10この発明の実施の形態2に係るレーザ共振器の構成を示す図である。
図11この発明の実施の形態3に係るレーザ共振器の構成を示す図である。
図12この発明の実施の形態4に係るレーザ共振器の構成を示す図である。
図13この発明の実施の形態5に係るレーザ共振器の構成を示す図である。
図14この発明の実施の形態5に係るレーザ共振器のルーフプリズムに入射したレーザ光の反射状態を示す図である。
図15この発明の実施の形態5に係るレーザ共振器のルーフプリズムが傾斜した状態を示す図である。
図16この発明の実施の形態6に係るレーザ共振器の構成を示す図である。
図17この発明の実施の形態6に係るレーザ共振器の他の構成を図である。
図18従来のレーザ共振器の構成を示す図である。
図19従来のレーザ共振器のビームサイズを示す図である。
図20従来のレーザ共振器の凹面反射鏡が傾いたときの共振モードを示す図である。
図21図20のレーザ共振器の光軸と共振モードの軸とのずれ量を示す図である。
図22図20のレーザ共振器の光軸と共振モードの軸とのずれ角を示す図である。

--

0142

11平面反射鏡、12 平面反射鏡、13レーザ媒質、14励起光源、15テレスコープ、16 テレスコープ、17共振モード、18 開口、19光軸、20 共振モードの軸、21 テレスコープ、22 レーザ媒質、23 開口、24ルーフプリズム、25 ルーフプリズム、26、27光路、28 テレスコープ、29 テレスコープ、30 テレスコープ、31 テレスコープ、32 レーザ媒質、33 励起光源、34入れ替え装置、35 平面反射鏡、36 平面反射鏡、37 テレスコープ、38 レーザ媒質、39 励起光源。

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