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技術 スペクトル拡散信号受信機

出願人 シャープ株式会社
発明者 福政英伸
出願日 2000年3月15日 (20年9ヶ月経過) 出願番号 2000-072905
公開日 2001年9月28日 (19年3ヶ月経過) 公開番号 2001-267963
状態 特許登録済
技術分野 時分割方式以外の多重化通信方式 デジタル伝送方式における同期
主要キーワード 離散間隔 フィルタ制御信号 位相保持 位相分解能 オフ波形 レイズド シフトレジスト 省消費電力
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図面 (20)

課題

低いサンプリングレート受信信号に対する高い位相精度パス追従を可能とするスペクトル拡散通信受信機を提供する。

解決手段

受信信号をN1/N2倍のクロックサンプリングし、ルートロールオフフィルタを通過した受信ベースバンド信号に対して、簡単なトランスバーサルフィルターを通すことによりサンプル位相の中間の位相中間位相信号を生成する。中間位相信号ともとのルートロールオフフィルタ出力を切替えてもちいることにより、DLL等の同期保持手段で1/N1チップ精度での位相制御が可能になる。

概要

背景

図17は、スペクトル拡散通信の一般的な受信機の構成を示している。アンテナ1により受信された信号は、コンバータ3によりベースバンド信号に変換され、I相成分およびQ相成分を持つ復素信号となる。受信信号デジタル処理するために、A/D変換器5にてチップレートの4倍のクロックで受信信号をサンプリングし、更に4倍オーバーサンプルに対応するルートロールオフフィルタ7を通過させてデジタルLL遅延ロックループ)9で位相保持を行なう。この場合には、[1/4]チップ精度でパス位相追従できる。この位相で逆拡散器11にて逆拡散を行なうことで復調シンボルを得ている。

ここで、前記ルートロールオフフィルタについて説明する。John G. Proakis, "Digital Communications", 3rd Edition, McGraw-Hill. p.542より、レイズドコサイン周波数特性を持つ信号は、シンボル周期Tのシンボル間符号間干渉を持たない。そのスペクトルは、下記式(1)

概要

低いサンプリングレートで受信信号に対する高い位相精度でパスの追従を可能とするスペクトル拡散通信受信機を提供する。

受信信号をN1/N2倍のクロックでサンプリングし、ルートロールオフフィルタを通過した受信ベースバンド信号に対して、簡単なトランスバーサルフィルターを通すことによりサンプル位相の中間の位相の中間位相信号を生成する。中間位相信号ともとのルートロールオフフィルタ出力を切替えてもちいることにより、DLL等の同期保持手段で1/N1チップ精度での位相制御が可能になる。

目的

特開平11−41141号公報[スペクトル拡散信号受信方法およびスペクトル拡散信号受信装置]では、低いサンプリング周波数サンプルした信号を用いて、高い位相精度を提供するために、複数のタイミングで逆拡散を行ない、その相関値(または電力)から中間の位相の相関値(または電力)を補間するものが開示されている。該特開平11−41141号公報に記載の方法では、サンプリング周波数を低くすることは可能である。しかしながら、サンプル点の中間の位相の相関値を得るために、複数の位相の相関値を必要とするため、複数の相関器が必要となるという欠点がある。

本発明は、前記の問題点を解消するためになされたものであって、チップレートの2倍のクロックでサンプリングを行なった信号から、1/4チップの時間分解能をもつ信号や4倍オーバーサンプリングを行なった信号から1/8チップの時間分解能をもつ信号等を生成する方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

直接拡散によるスペクトル拡散された信号を受信復調するスペクトル拡散通信受信機において、受信信号チップレートのN1/N2倍のクロックサンプリングするアナログ−デジタル変換器と、前記アナログ−デジタル変換器から出力された信号をそれぞれ入力信号とし、かつ、並列に設けられた、チップレートのN1/N2倍のクロックに対応するN2個のルートロールオフフィルタと、前記N2個のルートロールオフフィルタの出力を並直列変換してチップレートの倍のクロックの信号を出力する並直列変換器と、前記並直列変換器の出力に対して拡散符号位相位相状態を示す位相制御信号を出力する同期保持部と、前記同期保持部からの位相制御信号に基づいて、前記拡散符号の位相を制御するための拡散符号制御信号を生成する位相制御部と、前記拡散符号制御信号に基づいて拡散符号を生成する拡散符号生成部と、を具備することを特徴とするスペクトル拡散信号受信機。

請求項2

請求項1において、N2=2であり、第1のルートロールオフフィルタの係数は、チップレートのN1倍のクロックに対応するルートロールオフフィルタ係数を位相差順に従って交互に2分割した第1、第2係数群のうちの第1係数群とし、第2のルートロールオフフィルタの係数は、第2係数群とすることを特徴とするスペクトル拡散信号受信機。

請求項3

請求項1において、N2=3であり、第1のルートロールオフフィルタの係数は、チップレートのN1倍のクロックに対応するルートロールオフフィルタ係数を位相差順に従って2位相差離散間隔毎に3分割した第1、第2、及び第3係数群のうちの第1係数群とし、第2のルートロールオフフィルタの係数は、第2係数群とし、第3のルートロールオフフィルタの係数は、第3係数群とすることを特徴とするスペクトル拡散信号受信機。

請求項4

請求項1において、前記位相制御部は、拡散符号制御信号によりN2/N1チップ単位で拡散符号の位相を制御することを特徴とするスペクトル拡散受信機。

請求項5

直接拡散によるスペクトル拡散された信号を受信復調するスペクトル拡散信号受信機において、受信信号を、チップレートのN1/N2倍のクロックでサンプリングするアナログ−デジタル変換器と、前記アナログ−デジタル変換器から出力された信号を入力信号とする、チップレートのN1/N2倍のクロックに対応するN2個のルートロールオフフィルタと、前記N2個のルートロールオフフィルタ出力のうち1つを選択して出力するセレクタと、前記セレクタの出力に対して拡散符号の位相を調整するための位相制御信号を出力する同期保持部と、前記同期保持部からの位相制御信号に基づいて、前記拡散符号の位相を制御するための拡散符号制御信号、及び前記セレクタを制御するセレクタ制御信号を生成する位相制御部と、前記拡散符号制御信号に基づいて拡散符号を生成する拡散符号生成部と、を具備することを特徴とするスペクトル拡散信号受信機。

請求項6

請求項5において、N2=2であり、第1のルートロールオフフィルタの係数は、チップレートのN1倍のクロックに対応するルートロールオフフィルタ係数を位相差順に従って交互に2分割した第1、第2係数群のうちの第1係数群とし、第2のルートロールオフフィルタの係数は、第2係数群とすることを特徴とするスペクトル拡散受信機。

請求項7

請求項5において、N2=3であり、第1のルートロールオフフィルタの係数は、チップレートのN1倍のクロックに対応するルートロールオフフィルタ係数を位相差順に従って2位相差離散間隔毎に3分割した第1、第2、及び第3係数群のうちの第1係数群とし、第2のルートロールオフフィルタの係数は、第2係数群とし、第3のルートロールオフフィルタの係数は、第3係数群とすることを特徴とするスペクトル拡散受信機。

請求項8

請求項5において、前記位相制御部は、セレクタ制御信号により1/N1チップ単位の位相制御を行い、拡散符号制御信号によりN2/N1チップ単位で拡散符号の位相制御を行うことを特徴とするスペクトル拡散受信機。

請求項9

直接拡散によるスペクトル拡散された信号を受信復調するスペクトル拡散信号受信機において、受信信号を、チップレートのN1/N2倍のクロックでサンプリングするアナログ−デジタル変換器と、前記アナログ−デジタル変換器から出力された信号を入力信号とする、チップレートのN1/N2倍のクロックに対応するルートロールオフフィルタと、前記ルートロールオフフィルタの出力を平均化する1又は複数の平均化フィルタと、前記ルートロールオフフィルタの出力と前記平均化フィルタの出力のうち1つを選択して出力するセレクタと、前記セレクタの出力に対して、拡散符号の位相を調整するための位相制御信号を出力する同期保持部と、前記同期保持部からの位相制御信号に基づいて、前記拡散符号の位相制御を指示する拡散符号制御信号、及び前記セレクタの切換制御を指示するセレクタ制御信号を生成する位相制御部と、前記拡散符号制御信号に基づいて拡散符号を生成する拡散符号生成部と、を具備することを特徴とするスペクトル拡散信号受信機。

請求項10

請求項9において、N1>2、N2=2となる整数であり、前記平均化フィルタは、K(1+D)となる伝達関数を持つフィルタであることを特徴とするスペクトル拡散信号受信機。ただし、Dは遅延、Kは係数を意味する。

請求項11

請求項9において、N1>3、N2=3となる整数であり、前記平均化フィルタは、(K1+K2D)となる伝達関数を持つフィルタと、(K2+K1D)となる伝達関数を持つフィルタとを有することを特徴とするスペクトル拡散信号受信機。ただし、Dは遅延、K1,K2は係数を意味する。

請求項12

請求項9において、N1>4、N2=4となる整数であり、平均化フィルタは、(K1+K2D)となる伝達関数を持つフィルタと、K(1+D)となる伝達関数を持つフィルタと、(K2+K1D)となる伝達関数を持つフィルタを有することを特徴とするスペクトル拡散信号受信機。ただし、Dは遅延を、K、K1、及びK2は係数を、それぞれ意味する。

請求項13

請求項9において、前記位相制御部は、セレクタ制御信号により1/N1チップ単位の位相制御を行い、拡散符号制御信号によりN2/N1チップ単位で拡散符号の位相を制御することを特徴とするスペクトル拡散信号受信機。

請求項14

請求項9において、前記位相制御部は、セレクタ制御信号により1/N2チップ単位の位相制御を行い、拡散符号制御信号によりN2/N1チップ単位で拡散符号の位相を制御することを特徴とするスペクトル拡散信号受信機。

請求項15

直接拡散によるスペクトル拡散された信号を受信復調するスペクトル拡散信号受信機において、受信信号をチップレートのN倍のクロックでサンプリングするアナログ−デジタル変換器と、前記チップレートのN倍のクロックに対応するルートロールオフフィルタと、前記ルートロールオフフィルタ出力を平均化する係数可変の平均化フィルタと、前記平均化フィルタ出力に対して拡散符号の位相を調整するための位相制御信号を出力する同期保持部と、前記同期保持部からの位相制御信号に基づいて、前記拡散符号の位相を制御するための拡散符号制御信号および前記平均化フィルタの係数を制御するフィルタ制御信号を生成する位相制御部と、前記拡散符号制御信号に基づいて拡散符号を生成する拡散符号生成部と、を具備することを特徴とするスペクトル拡散通信受信機。

請求項16

請求項15において、前記平均化フィルタは(K1+K2D)なる伝達関数をもち、K1およびK2がフィルタ制御信号によって変化されることを特徴とするスペクトル拡散信号受信機。

請求項17

請求項15において、前記位相制御部は、フィルタ制御信号により1/Nチップ以内の位相制御を行い、拡散符号制御信号により1/Nチップ単位で拡散符号の位相を制御することを特徴とするスペクトル拡散受信機。

技術分野

0001

本発明は、直接拡散によるスペクトル拡散技術を用いる無線通信の分野に属する。

背景技術

0002

図17は、スペクトル拡散通信の一般的な受信機の構成を示している。アンテナ1により受信された信号は、コンバータ3によりベースバンド信号に変換され、I相成分およびQ相成分を持つ復素信号となる。受信信号デジタル処理するために、A/D変換器5にてチップレートの4倍のクロックで受信信号をサンプリングし、更に4倍オーバーサンプルに対応するルートロールオフフィルタ7を通過させてデジタルLL遅延ロックループ)9で位相保持を行なう。この場合には、[1/4]チップ精度でパス位相追従できる。この位相で逆拡散器11にて逆拡散を行なうことで復調シンボルを得ている。

0003

ここで、前記ルートロールオフフィルタについて説明する。John G. Proakis, "Digital Communications", 3rd Edition, McGraw-Hill. p.542より、レイズドコサイン周波数特性を持つ信号は、シンボル周期Tのシンボル間符号間干渉を持たない。そのスペクトルは、下記式(1)

0004

0005

で与えられ、時間波形次式(2)で与えられる。

0006

0007

ただし、x(0)=1である。Xrc(f)は送受フィルタ割り振ることが可能である。すなわち、送受信器にそれぞれ、

0008

0009

の特性を持つフィルタを割り当てることが可能であり、これをルートロールオフフィルタという。ルートロールオフフィルタのインパルス応答は、下記式(3)

0010

ID=000006HE=015 WI=082 LX=0640 LY=0750
となる。

0011

いま、T=1,β=0.22として、上記式(2)と(3)をプロットしたものを図18に示す。また、tを0.25おきにルートロールオフ波形の値を求めたものを図19に示す。これが、4倍オーバーサンプルに対応するルートロールオフフィルタの係数となる。

0012

通常は、4倍オーバーサンプリングされた信号には、この4倍オーバーサンプリングに対応するタップ係数をもつルートロールオフフィルタを用い、1/4チップの時間分解能をもつ信号を生成する。かかる信号は、そのまま逆拡散器11に送られ逆拡散される。逆拡散器11は、1/4チップの精度で位相調整することが可能であり、DLL9で最適な位相調整された場合、受信信号とローカル拡散符号の位相を最悪でも1/8に抑えることが可能となる。

0013

同様に2倍オーバーサンプリングを行なった場合は、受信信号とローカルの拡散符号の相対位相は1/2チップの精度で位相調整することが可能であり、DLL9で最適な位相調整された場合でも、最悪で1/4チップの位相差が生じることになる。

0014

受信信号に対してアナログ的に理想的なフィルタリングがされたとすると、(送信側にロールオフフィルタ7を持つ場合も、送受信両側にルートロールオフフィルタ7を持つ場合も)受信波形ロールオフ波形になる。いま、孤立波図18のロールオフ波形)が受信された場合、サンプリング点信号ピークの位相差に対する減衰量図20に示す表の様になる。

0015

一般的には、4倍オーバーサンプリングされた信号の最悪の場合の減衰量は0.23(dB)であり、2倍オーバーサンプリングされた信号の最悪の場合の減衰量は0.94(dB)となる。このように、受信信号とローカルの拡散符号の位相がずれると、逆拡散信号に電力損失が生じる。さらにこれと同時に、理想的には直交した関係にある他ユーザの信号からも干渉を受けることとなり、通信品質劣化する原因となる。

発明が解決しようとする課題

0016

一般には1チップ長の1/Nの時間分離能を持つ信号を得るには、チップレートのN倍のクロックでサンプリングを行なう必要がある。しかしながら、チップレートは高速化の傾向にあり、それに応じてサンプリング周波数を高くすることは、ハードウェア規模消費電力などの増大を招くため、望ましくない。例えば、1998年から日本でサービスされているチップレートが1.2288(Mチップ/秒)なのに対し、2001年からサービスが予定されているチップレートでは3.84(Mチップ/秒)と3倍以上になっている。将来的にはさらに高速な十数Mチップ/秒のシステムも検討されている。そこで、オーバーサンプル数をあまり上げずに、高い時間分解能を持つ方式が望まれていた。

0017

特開平11−41141号公報[スペクトル拡散信号受信方法およびスペクトル拡散信号受信装置]では、低いサンプリング周波数でサンプルした信号を用いて、高い位相精度を提供するために、複数のタイミングで逆拡散を行ない、その相関値(または電力)から中間の位相の相関値(または電力)を補間するものが開示されている。該特開平11−41141号公報に記載の方法では、サンプリング周波数を低くすることは可能である。しかしながら、サンプル点の中間の位相の相関値を得るために、複数の位相の相関値を必要とするため、複数の相関器が必要となるという欠点がある。

0018

本発明は、前記の問題点を解消するためになされたものであって、チップレートの2倍のクロックでサンプリングを行なった信号から、1/4チップの時間分解能をもつ信号や4倍オーバーサンプリングを行なった信号から1/8チップの時間分解能をもつ信号等を生成する方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0019

本発明では、上記の目的を達成するために、次の構成を有する。本発明の第1の要旨は、直接拡散によるスペクトル拡散された信号を受信復調するスペクトル拡散通信受信機において、受信信号をチップレートのN1/N2倍のクロックでサンプリングするアナログ−デジタル変換器と、アナログ−デジタル変換器から出力された信号をそれぞれ入力信号とし、かつ、並列に設けられた、チップレートのN1/N2倍のクロックに対応するN2個のルートロールオフフィルタと、N2個のルートロールオフフィルタの出力を並直列変換してチップレートの倍のクロックの信号を出力する並直列変換器と、並直列変換器の出力に対して拡散符号の位相の位相状態を示す位相制御信号を出力する同期保持部と、同期保持部からの位相制御信号に基づいて拡散符号の位相を制御するための拡散符号制御信号を生成する位相制御部と、拡散符号制御信号に基づいて拡散符号を生成する拡散符号生成部と、を具備することを特徴とするスペクトル拡散信号受信機にある。

0020

本発明の第2の要旨は、第1の要旨において、N2=2であり、第1のルートロールオフフィルタの係数は、チップレートのN1倍のクロックに対応するルートロールオフフィルタ係数を位相差順に従って交互に2分割した第1、第2係数群のうちの第1係数群とし、第2のルートロールオフフィルタの係数は、第2係数群とすることを特徴とするスペクトル拡散信号受信機にある。

0021

本発明の第3の要旨は、第1の要旨において、N2=3であり、第1のルートロールオフフィルタの係数は、チップレートのN1倍のクロックに対応するルートロールオフフィルタ係数を位相差順に従って2位相差離散間隔毎に3分割した第1、第2、及び第3係数群のうちの第1係数群とし、第2のルートロールオフフィルタの係数は、第2係数群とし、第3のルートロールオフフィルタの係数は、第3係数群とすることを特徴とするスペクトル拡散信号受信機にある。

0022

本発明の第4の要旨は、第1の要旨において、位相制御部は拡散符号制御信号によりN2/N1チップ単位で拡散符号の位相を制御することを特徴とするスペクトル拡散受信機にある。

0023

本発明の第5の要旨は、直接拡散によるスペクトル拡散された信号を受信復調するスペクトル拡散信号受信機において、受信信号をチップレートのN1/N2倍のクロックでサンプリングするアナログ−デジタル変換器と、アナログ−デジタル変換器から出力された信号を入力信号とする、チップレートのN1/N2倍のクロックに対応するN2個のルートロールオフフィルタと、N2個のルートロールオフフィルタ出力のうち1つを選択して出力するセレクタと、セレクタの出力に対して拡散符号の位相を調整するための位相制御信号を出力する同期保持部と、同期保持部からの位相制御信号に基づいて拡散符号の位相を制御するための拡散符号制御信号、及びセレクタを制御するセレクタ制御信号を生成する位相制御部と、拡散符号制御信号に基づいて拡散符号を生成する拡散符号生成部と、を具備することを特徴とするスペクトル拡散信号受信機にある。

0024

本発明の第6の要旨は、第5の要旨において、N2=2であり、第1のルートロールオフフィルタの係数はチップレートのN1倍のクロックに対応するルートロールオフフィルタ係数を位相差順に従って交互に2分割した第1、第2係数群のうちの第1係数群とし、第2のルートロールオフフィルタの係数は第2係数群とすることを特徴とするスペクトル拡散受信機にある。

0025

本発明の第7の要旨は、第5の要旨において、N2=3であり、第1のルートロールオフフィルタの係数はチップレートのN1倍のクロックに対応するルートロールオフフィルタ係数を位相差順に従って2位相差離散間隔毎に3分割した第1、第2、及び第3係数群のうちの第1係数群とし、第2のルートロールオフフィルタの係数は、第2係数群とし、第3のルートロールオフフィルタの係数は、第3係数群とすることを特徴とするスペクトル拡散受信機にある。

0026

本発明の第8の要旨は、第5の要旨において、位相制御部はセレクタ制御信号により1/N1チップ単位の位相制御を行い、拡散符号制御信号によりN2/N1チップ単位で拡散符号の位相制御を行うことを特徴とするスペクトル拡散受信機にある。

0027

本発明の第9の要旨は、直接拡散によるスペクトル拡散された信号を受信復調するスペクトル拡散信号受信機において、受信信号をチップレートのN1/N2倍のクロックでサンプリングするアナログ−デジタル変換器と、アナログ−デジタル変換器から出力された信号を入力信号とする、チップレートのN1/N2倍のクロックに対応するルートロールオフフィルタと、ルートロールオフフィルタの出力を平均化する1又は複数の平均化フィルタと、ルートロールオフフィルタの出力と前記平均化フィルタの出力のうち1つを選択して出力するセレクタと、セレクタの出力に対して、拡散符号の位相を調整するための位相制御信号を出力する同期保持部と、同期保持部からの位相制御信号に基づいて拡散符号の位相制御を指示する拡散符号制御信号、及びセレクタの切換制御を指示するセレクタ制御信号を生成する位相制御部と、拡散符号制御信号に基づいて拡散符号を生成する拡散符号生成部と、を具備することを特徴とするスペクトル拡散信号受信機にある。

0028

本発明の第10の要旨は、第9の要旨において、N1>2、N2=2となる整数であり、平均化フィルタはK(1+D)となる伝達関数を持つフィルタであることを特徴とするスペクトル拡散信号受信機にある。ただし、Dは遅延、Kは係数を意味する。

0029

本発明の第11の要旨は、第9の要旨において、N1>3、N2=3となる整数であり、平均化フィルタは(K1+K2D)となる伝達関数を持つフィルタと、(K2+K1D)となる伝達関数を持つフィルタとを有することを特徴とするスペクトル拡散信号受信機。ただし、Dは遅延、K1,K2は係数を意味する。

0030

本発明の第12の要旨は、第9の要旨において、N1>4、N2=4となる整数であり、平均化フィルタは(K1+K2D)となる伝達関数を持つフィルタと、K(1+D)となる伝達関数を持つフィルタと、(K2+K1D)となる伝達関数を持つフィルタを有することを特徴とするスペクトル拡散信号受信機。ただし、Dは遅延を、K、K1、及びK2は係数を、それぞれ意味する。

0031

本発明の第13の要旨は、第9の要旨において、位相制御部はセレクタ制御信号により1/N1チップ単位の位相制御を行い、拡散符号制御信号によりN2/N1チップ単位で拡散符号の位相を制御することを特徴とするスペクトル拡散信号受信機にある。

0032

本発明の第14の要旨は、第9の要旨において、位相制御部はセレクタ制御信号により1/N2チップ単位の位相制御を行い、拡散符号制御信号によりN2/N1チップ単位で拡散符号の位相を制御することを特徴とするスペクトル拡散信号受信機にある。

0033

本発明の第15の要旨は、直接拡散によるスペクトル拡散された信号を受信復調するスペクトル拡散信号受信機において、受信信号をチップレートのN倍のクロックでサンプリングするアナログ−デジタル変換器と、チップレートのN倍のクロックに対応するルートロールオフフィルタと、ルートロールオフフィルタ出力を平均化する係数可変の平均化フィルタと、平均化フィルタ出力に対して拡散符号の位相を調整するための位相制御信号を出力する同期保持部と、同期保持部からの位相制御信号に基づいて、拡散符号の位相を制御するための拡散符号制御信号および平均化フィルタの係数を制御するフィルタ制御信号を生成する位相制御部と、拡散符号制御信号に基づいて拡散符号を生成する拡散符号生成部と、を具備することを特徴とするスペクトル拡散通信受信機にある。

0034

本発明の第16の要旨は、第15の要旨において、平均化フィルタは(K1+K2D)なる伝達関数をもち、K1およびK2がフィルタ制御信号によって変化されることを特徴とするスペクトル拡散信号受信機にある。

0035

本発明の第17の要旨は、第15の要旨において、位相制御部はフィルタ制御信号により1/Nチップ以内の位相制御を行い、拡散符号制御信号により1/Nチップ単位で拡散符号の位相を制御することを特徴とするスペクトル拡散受信機にある。

0036

上記本発明の要旨によれば、チップレートの2倍のクロックでサンプリングを行なった信号から、1/4チップの時間分解能をもつ信号を生成すること、及び4倍オーバーサンプリングを行なった信号から1/8チップの時間分解能をもつ信号を生成することも可能となる。上記構成では、特開平11−41141号公報の技術内容と異なり、逆拡散を行なう前の段階で信号の時間分解能を上げる処理を行なっているため、余分な回路の追加が抑えられる。

発明を実施するための最良の形態

0037

以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。尚、同一構成には同一符号を付して説明を省略する。本実施形態での位相分解能上手段としては、大きく分けて以下の2通りの実現手段がある。
(1)複数の異なるタップ係数を持つルートロールオフフィルタを用いる場合。
(2)2倍オーバーサンプルに対応するルートロールオフフィルタを通過させた後に、この信号と1/4チップずれた信号を生成し、DLL9で両者を切替える制御を行なうことにより、1/4チップ精度のパス位相を検出し、1/4チップ精度の位相に対応した逆拡散を行なう場合。以下、より具体的に説明する。

0038

本発明の第1の実施形態では、上記(1)に示した複数の異なるタップ係数を持つルートロールオフフィルタを用いる場合について説明する。一般に、ルートロールオフフィルタの係数は、サンプリング周波数によって異なる。すなわち、オーバーサンプル数が[4]でタップ数が[33]なら図19に示す係数を持ち、オーバーサンプル数が[2]でタップ数が[17]なら図1の様な係数を持つフィルタを用いる。また、オーバーサンプル数が同じく[2]でも、タップ数を[16]として、図2に示す係数を持つフィルタの位相(図1と0.25の位相差)を構成することも可能である。尚、ルートロールオフファクタはすべて等しくβ=0.22としている。

0039

図3は、本実施形態に係るルートロールオフフィルタを用いたスペクトル拡散信号受信機の概略ブロック図を示している。図3の構成では、図17のルートロールオフフィルタ7に替えて、図1の表に示す係数を持つルートロールオフフィルタ7aと図2の係数を持つルートロールオフフィルタ7bを並列に設け、更にルートロールオフフィルタ7a、7bの出力信号S1,S2を並直列変換する並直列変換器13を設け、並直列変換器13から出力される信号をDDL9及び逆拡散機11に入力する構成としている。

0040

受信信号の同相成分と直交成分が、一旦A/D変換器5にて2倍([N1/N2]=4/2倍)オーバーサンプルのデジタル信号に変換された後で、ルートロールオフフィルタ7a、7bを並列に用いると、ルートロールオフフィルタ7aを通った信号S1とルートロールオフフィルタ7bを通った信号S2は互いに「1/2」サンプルずれた位相の信号となる。これを並直列変換器13により並直列変換することにより、2倍オーバーサンプルのA/D変換を行なった信号から、チップクロックの4倍([N1]倍)クロックの信号を生成することができる。並直列変換器13から出力された4倍クロックの信号は、DLL9と逆拡散器11入力され、DLL9で受信位相の1/4精度で同期追従処理がなされ、その1/4精度に基づく拡散符号の位相制御信号により逆拡散器11のローカルの拡散符号を制御しながら逆拡散信号が生成される。

0041

図4は、図2の受信機の変形例であって、並直列変換器13に変わってセレクタ15を設け、DLL9からの制御信号によりセレクタ15内の切換えを可能とした場合を示している。また、上記DLL9、逆拡散器11についても詳細なブロック図を示している。図4では、ルートロールオフフィルタ7a、7bの出力側セレクタ回路15と、直列に設けた2個の[T/2]遅延器19a,19bと、該2個の[T/2]遅延器19a,19bの入出力側に設けた乗算器17a,17b,17cと、該乗算器17a,17b,17cの出力側に各々設けた積分ダンプフィルタ21a,21b,21cと、該積分ダンプフィルタ21a,21cの出力側に各々設けた絶対値検出器23a,23cと、該積分値検出器23a,23cの出力結果を加算する加算器25と、該加算器25の出力結果を判定処理するループフィルタ27と、位相制御部29と、クロック発生器31と、拡散符号発生器33とを設けている。

0042

セレクタ15からの信号が、[T/2]遅延器19aにより遅延され、乗算器17bにて拡散符号発生器33からの拡散符号を乗算された後に整合フィルタである積分ダンプフィルタ21bを介して逆拡散した復調シンボルが得られる。係る構成が図3の逆拡散器11に相当する。

0043

一方、前記乗算器17a、積分ダンプフィルタ21a及び絶対値検出器23aが、T/2進み位相系の相関部を構成しており、セレクタ15からの信号が乗算器17aにて拡散符号生成器33から出力される拡散符号と乗積され、積分ダンプフィルタ21aを介して進み位相の復調シンボルを得て、更に絶対値検出器23aによりその復調シンボルの絶対値を求めて加算器25に送られる。

0044

また、同様に乗算器17c、積分ダンプフィルタ21c及び絶対値検出器23cが、T/2遅れ位相系の相関部を構成しており、セレクタ15からの信号が2個のT/2遅延器19a,19bにより遅延された後に、乗算器17cにて拡散符号生成器33からの1/2チップ単位遅れた拡散符号と乗積され、積分ダンプフィルタ21cを介して遅れ位相の復調シンボルを得て、更に絶対値検出器23cを介して加算器25に送られる。尚、加算器25で行う両相関部出力の比較処理は、前記のように絶対値に変わって電力でもよく、比較可能パラメータであればよい。

0045

ループフィルタ27では、加算器25から差分値極性(大小)に基づいて出力された、例えば1ビット信号一定区間に渡って図示しない積分器により積分し、その積分結果閾値処理する等により位相制御信号xを生成し、位相制御部29に出力する。位相制御部29では、入力した位相制御信号xに基づいて、加算器25での差分値が[0]となるようにクロック発生器31を制御するクロック制御信号xc、及び/又はセレクタ15を制御するセレクタ制御信号xsを出力する。すなわち、ループフィルタ27の出力信号により、位相制御部29を介して拡散符号発生器33のクロック位相とセレクタ15の切換制御が行なわれる。尚、ループフィルタ27は、受信信号とローカルの拡散信号位相ずれを示す信号を生成できるものであればよい。い。前記拡散符号発生器33では、1/2チップ単位の位相制御ができるものとし、1/4チップ単位の位相制御はセレクタ15の切換制御により行なうことができる。よって、拡散符号発生器33とセレクタ15を制御することにより、1/4チップ単位の位相制御ができ、精度のよい同期追従が可能となる。

0046

以上説明したように、要求される時間分解能に対して、サンプリング周波数を低く抑えることにより、A/D変換器5の簡単化、および省消費電力化が可能となり、また以降のデジタル信号のクロック31を低く抑えることが可能とるため、デジタル信号処理部においても、装置の簡単化、および省消費電力化が達成される。

0047

上記した図3の構成によりA/D変換を低いサンプリングレートで可能となるが、更にルートロールオフフィルタの数を減らし、又並直列変換後も2倍クロックの信号とする場合について以下に説明する。本発明の第2の実施形態では、上記(2)で示した場合として、2倍オーバーサンプルの信号のまま図1の係数を持つルートロールオフフィルタ7aを通過させ、逆拡散を行なうDLLで1/4チップ単位の位相調整を行なう場合について説明する。

0048

図5は、図1に示す係数から図2の示す係数に近似させた結果を示している。図5に示すように係数を1/2チップ分ずらして和を求めることで、ある程度係数の近似ができることがわかる。このように図1の係数から図2の係数が簡単に近似できるということは、図1の係数を持つフィルタを通過した信号から、図2の係数を持つフィルタを通過した信号を生成できるということである。具体的には、図6に示すように遅延器35の入出力信号を加算器37で加算し、更に乗積器39にて係数0.555を乗積するトランスパーサルフィルタ41を適用できる。

0049

図1の係数を持つルートロールオフフィルタ7aと図6のトランスパーサルフィルタ41を用い、DLL部で1/4チップ単位の位相調整を行う構成を図7に示す。ルートロールオフフィルタ7aの出力S1そのままと、図6のトランスパーサルフィルタ41を通してルートロールオフフィルタ7aの出力S1を平均化したものとをセレクタ15の入力とし、DLLの制御でルートロールオフフィルタ7a出力S1とトランスパーサルフィルタ41の出力を切替える。2つの入力信号は近似的に1/4チップの位相差があるので、DLLの制御として1/2チップ精度のクロック発生器31と、このセレクタ15の制御を組合せることにより1/4チップ精度で入力信号との相関を求めることができる。

0050

以上の構成のように、第1の実施形態に較べてルートロールオフフィルタを少なくし、減らしたルートロールオフフィルタの変わりに簡単な構成のトランスパーサルフィルタ41を用いることで、上記と同様の効果を得ることができる。

0051

次に、上記実施の形態に変更を加えたその他の実施形態について説明する。図8は、本発明の第3の実施形態の受信機の概略ブロック図である。本実施の形態では、ルートロールオフフィルタ出力までは上記構成と同一であり、図17に対してサンプリング周波数を4倍から2倍に低減している。ルートロールオフフィルタ7の出力に対してK(1+D)なる伝達関数を持つ平均化フィルタ43を通過させており、近似的に1/4チップ相当の遅延を与えている。セレクタ部15では、ルートロールオフフィルタ17の出力と平均化フィルタ43の出力を選択しており、これによって1/4チップの遅延の調整が可能になる。

0052

前記DLL9においてループフィルタ27(図7)の位相制御信号xに基づいて位相制御部29(図7)から出力されるセレクタ制御信号xsによりセレクタ15の切換制御がなされて1/4チップ位相制御が可能となり、また同じく位相制御部29から出力されるクロック制御信号xcにより拡散符号発生器33(逆拡散部11)のローカル信号の位相制御がなされて1/2チップ精度位相制御が可能となっている。

0053

位相制御部29にて行われる位相制御信号xからセレクタ制御信号xsとクロック制御信号xcの生成内容は、以下の制御ルールに基づいて各制御信号xs,xcを生成する。尚、セレクタ15は[0]の時には、ルートロールオフフィルタ17の出力をDLL9に入力し、[1]の時には平均化フィルタ43の出力をDLL9に入力するものとする。

0054

(a)位相制御信号x=0の場合:セレクタ15及び逆拡散部11のローカル信号は、現状を維持する。
(b)位相制御信号x=+1/4の場合:セレクタ15の状態が[0]なら[1]に切り換える。セレクタ15の状態が[1]なら[0]にして、逆拡散部11のローカル信号を1/2チップ進ませる。

0055

(c)位相制御信号x=−1/4の場合:セレクタ15の状態が[1]なら[0]にする。セレクタ15の状態が[0]なら[1]にして、逆拡散部11のローカル信号を1/2チップ遅らせる。
(d)位相制御信号x=+1/2の場合:逆拡散部11のローカル信号を1/2チップ進ませる。

0056

(e)位相制御信号x=−1/2の場合:逆拡散部11のローカル信号を1/2チップ遅らせる。
(f)位相制御信号x=+3/4の場合:セレクタ15の状態が[0]なら[1]に切り換える。セレクタ15の状態が[1]なら[0]にして、逆拡散部11のローカル信号を1チップ進ませる。

0057

(g)位相制御信号x=−3/4の場合:セレクタ15の状態が[1]なら[0]に切り換える。セレクタ15の状態が[0]なら[1]にして、逆拡散部11のローカル信号を1チップ遅らせる。
(h)位相制御信号x=+1の場合:逆拡散部11のローカル信号を1チップ進ませる。(i)位相制御信号x=−1の場合:逆拡散部11のローカル信号を1チップ遅らせる。

0058

図9は、第4の実施の形態の受信機の概略ブロック図であり、前記第3の実施の形態よりも細かい位相精度を持つ場合である。すなわち、ルートロールオフフィルタ17の出力に対して近似的に1/4チップ相当の遅延をあたえるK(1+D)の伝達関数を持つフィルタ43だけでなく、1/8チップの遅延を与える(K1+K2D)のフィルタ47および、3/8チップの遅延を与える(K2+K1D)のフィルタ49を用い、ルートロールオフフィルタ17の出力を平均化するこれらのフィルタ43、47、49をもセレクタ15bにより切替え可能とすることで、1/8チップ精度でDLL9の制御が可能になる。

0059

図10は、第5の実施の形態の受信機の概略ブロック図であり、前記第4の実施の形態よりもさらに細かい位相精度を持つ場合を示している。本実施形態では、前記第3、第4の実施の形態に示した様にセレクタ15でフィルタを選択するのではなく、セレクタ制御信号xs1,xs2でフィルタ係数K1,K2を直接制御する選択手段15cとして、DLL9と逆拡散器11の前段に設けるものである。

0060

選択手段15cは、遅延器51とフィルタ係数器53、55と加算器57により構成し、ルートロ−ルオフフィイルタ17の出力に対して任意の遅延を可能とするために(K1+K2D)の係数を直接制御可能としている。この構成により、任意の精度で受信信号の位相を制御することが可能になる。

0061

図11は、第6の実施の形態の受信機の概略ブロック図である。前記第3、4、5の実施の形態では、ルートロールオフフィルタ17の出力からあくまで近似的にサンプル点の中間の位相の信号を生成しているのに対し、これはそれぞれの位相に対応したルートロールオフフィルタ7a,7bを使っているので、より正確な値が得られる。尚、各ルートロールオフフィルタ7a,7bには図1図2に示したような、互いに位相のずれた信号を生成するようなフィルタを用いる。

0062

例えば、2つのルートロールオフフィルタ7a,7bは、チップレートの整数倍のクロックに対応するルートロールオフフィルタ係数x1,x2,x3,…,xnを位相差順に従って交互に2分割し、奇数番目(x1,x3,x5,…)を係数とするルートロールオフフィルタ7aと偶数番目(x2,x4,x6…)を係数とするルートロールオフフィルタ7bとする。具体的には、例えば図19の係数の場合には、位相t=−4,−3.5,−3,・・・,3,3.5,4に対応する係数x(t)をルートロールオフフィルタ7aの係数とし、位相t=−3.75,−3.25,−2.75,・・・,2.75,3.25,3.75に対応する係数x(t)をルートロールオフフィルタ7bの係数とする。

0063

図12は、第7の実施の形態の受信機の概略ブロック図であり、前記第6の実施の形態をより簡単化した構成例である。第6の実施の形態では2つのルートロールオフフィルタ7a,7bを用意していたが、そのシフトレジスト部は共有が可能であるため、本実施形態では図12に示すようにシフトレジスト部61を共用して異なるフィルタ係数を2通り用意することで、図11回路構成よりも簡単となる。また、フィルタ係数を4通り用意して1/8チップの位相精度を得ることも可能である。

0064

図13は、第8の実施形態の受信機の概略ブロック図であり、ルートロールオフフィルタ17を複数系統の係数を持たない通常の構成とするかわりに、シフトレジスト部61のフィルタ係数(x1,x2,x3,…,xn)をセレクタ制御信号xsに従って設定する構成とすることもできる。

0065

図14は、第9の実施の形態の受信機の概略ブロック図であり、サンプリング周波数をチップレートの4/3倍にした場合である。3つの係数の異なるルートロールオフフィルタ7c,7d,7eを用い、セレクタ部15cで3つのルートロールオフフィルタ7c,7d,7eの出力から一つを選択している。これによってやはり1/4チップの遅延の調整が可能になる。

0066

3つの係数の異なるルートロールオフフィルタ7c,7d,7eは、例えば、チップレートの整数倍のクロックに対応するルートロールオフフィルタ係数x1,x2,x3,…xMを分割して、2個の離散間隔毎に(x1,x4,x7,…)を係数とするルートロールオフフィルタ7c、(x2,x5,x8,…)を係数とするルートロールオフフィルタ7d、(x3,x6,x9,…)を係数とするルートロールオフフィルタ7eとして構成されるフィルタとできる。より具体的には、後述する図16に示すように、3個のフィルタには其々2個の係数間隔毎に係数を割り振る。

0067

DLLにおいてループフィルタ27の位相制御信号xに基づいて位相制御部29から出力されるセレクタ制御信号xs3によりセレクタ15cの切換制御がなされて1/4チップ位相制御が可能となり、また同じく位相制御部29から出力されるクロック制御信号xcにより逆拡散部11のローカル信号の位相制御がなされて1/2チップ精度位相制御が可能となっている。

0068

位相制御部29にて行われる位相制御信号xからセレクタ制御信号xs3とクロック制御信号xcの生成内容は、以下の制御ルールに基づいて各制御信号xs3,xcを生成する。尚、位相制御信号xの意味は前記第3の実施形態の場合と同じである。
(a1)位相制御信号x=0の場合:現状を維持する。

0069

(b1)位相制御信号x=+1/4の場合:セレクタ15cの状態が[0]なら、セレクタ15cを[1]にする。セレクタ15cの状態が[1]なら、セレクタ15cを[2]とする。セレクタ15cの状態が[2]なら、セレクタを[0]にして、ローカル信号を3/4チップ進ませる。

0070

(c1)位相制御信号x=−1/4の場合:セレクタ15cの状態が[1]なら、セレクタを[0]にする。セレクタ15cの状態が[2]なら、セレクタ15cを[1]にする。セレクタ15cの状態が[0]なら、セレクタを2にして、ローカル信号を3/4チップ遅らせる。

0071

(d1)位相制御信号x=+1/2の場合:セレクタ15cの状態が[0]なら、セレクタを[2]にする。セレクタ15cの状態が[1]なら、セレクタを[0]にして、ローカル信号を3/4チップ進ませる。セレクタ15cの状態が[2]なら、セレクタを[1]にして、ローカル信号を3/4チップ進ませる。

0072

(e1)位相制御信号x=−1/2の場合:セレクタ15cの状態が[2]なら、セレクタを[0]にする。セレクタ15cの状態が[1]なら、セレクタを[2]にして、ローカル信号を3/4チップ遅らせる。セレクタ15cの状態が[0]なら、セレクタを[1]にして、ローカル信号を3/4チップ遅らせる。

0073

(f1)位相制御信号x=+3/4の場合:ローカル信号を3/4チップ進ませる。
(g1)位相制御信号x=−3/4の場合:ローカル信号を3/4チップ遅らせる。

0074

(h1)位相制御信号x=+1の場合:セレクタ15cの状態が[0]なら、セレクタを[1]にして、ローカル信号を3/4チップ進ませる。セレクタ15cの状態が[1]なら、セレクタを[2]にして、ローカル信号を3/4チップ進ませる。セレクタ15cの状態が[2]なら、セレクタを[0]にして、ローカル信号を6/4チップ進ませる。

0075

(i1)位相制御信号x=−1の場合:セレクタ15cの状態が[1]なら、セレクタを[0]にして、ローカル信号を3/4チップ遅らせる。セレクタ15cの状態が[2]なら、セレクタ15cを[1]にして、ローカル信号を3/4チップ遅らせる。セレクタ15cの状態が[0]なら、セレクタを[2]にして、ローカル信号を6/4チップ遅らせる。

0076

図15は、第10の実施形態の受信機の概略ブロック図であり、図14のように4/3倍サンプルした信号に対して、ルートロールオフフィルタ7cを通過させ、ルートロールオフフィルタ7cの出力に対して(0.4+0.8D)なる伝達関数を持つフィルタ63と(0.8+0.4D)なる伝達関数を持つフィルタ65を通過させて平均化し、近似的に1/4チップ及び、1/2チップ相当の遅延を与えている。セレクタ15cでルートロールオフフィルタ7cの出力と2つの平均化フィルタ63,65の出力を選択することにより、1/4チップの遅延の調整が可能になる。尚、DLL部から得られる位相制御信号xからセレクタ15cの切替制御方法と拡散符号発生器33のローカル信号の制御方法については前記第9の実施形態と同一である。図16は、4/3倍オーバーサンプルに対応した係数から4倍オーバーサンプルの信号を近似した結果を図19のインパルス応答結果と比較しつつ示している。

発明の効果

0077

以上説明した本願発明の要旨によれば、要求される時間分解能に対して、サンプリング周波数を低く抑えることにより、A/D変換装置の簡単化、および省消費電力化が可能となり、また以降のデジタル信号のクロックを低く抑えることが可能となるため、デジタル信号処理部においても、装置の簡単化、および省消費電力化が達成される。また、特開平11−41141号公報に開示された構成と異なり、逆拡散を行なう前の段階で信号の時間分解能を上げる処理を行なっているため、余分な回路の追加が抑えられる。

図面の簡単な説明

0078

図1オーバーサンプル数2、タップ数17でのルートロールオフフィルタの係数(位相差tでのインパルス応答)を示す表である。
図2オーバーサンプル数2、タップ数16でのルートロールオフフィルタの係数(位相差tでのインパルス応答)を示す表である。
図3本発明の第1の実施形態に係る2つのルートロールオフフィルタを用いたスペクトル拡散信号受信機の概略ブロック図である。
図4本発明の第1の実施形態の変形例を示すスペクトル拡散信号受信機の概略ブロック図である。
図5図1のルートロールオフフィルタの係数が図2のルートロールオフフィルタの係数に近似する説明表である。
図6ルートロールオフフィルタ出力を平均化するトランスパーサルフィルタのブロック図である。
図7本発明の第2の実施形態に係る、ルートロールオフフィルタとトランスパーサルフィルタを組み合せたスペクトル拡散信号受信機の概略ブロック図である。
図8本発明の第3の実施形態に係るスペクトル拡散信号受信機の概略ブロック図である。
図9本発明の第4の実施形態に係るスペクトル拡散信号受信機の概略ブロック図である。
図10本発明の第5の実施形態に係るスペクトル拡散信号受信機の概略ブロック図である。
図11本発明の第6の実施形態に係るスペクトル拡散信号受信機の概略ブロック図である。
図12本発明の第7の実施形態に係るスペクトル拡散信号受信機の概略ブロック図である。
図13本発明の第8の実施形態に係るスペクトル拡散信号受信機の概略ブロック図である。
図14本発明の第9の実施形態に係るスペクトル拡散信号受信機の概略ブロック図である。
図15本発明の第10の実施形態に係るスペクトル拡散信号受信機の概略ブロック図である。
図164/3オーバーサンプルのルートオフフィルタの出力で4倍オーバーサンプリング出力を近似する場合の説明図表である。
図17従来の4倍オーバーサンプルの場合のスペクトル拡散信号受信機の概略ブロックである。
図18ルートロールオフフィルタの波形を示す説明図である。
図19オーバーサンプル数4でのルートロールオフフィルタの係数(位相差tでのインパルス応答)を示す表である。
図20図18を受信する場合の、サンプル点と信号ピークの位相差に対する減衰量を示す表である。

--

0079

5 A/D変換器
7a,7b,17ルートロールオフフィルタ
9 DLL
11逆拡散器
13並直列変換器
15,15b,15cセレクタ
29位相制御部
41トランスバーサルフィルタ
43,47,49平均化フィルタ
x位相制御信号
xcクロック制御信号
xs、xs1,xs2、xs3 セレクタ制御信号

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