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技術 溶接アーク光の影響下での動的ひずみの測定方法とその測定装置

出願人 国立研究開発法人物質・材料研究機構
発明者 村松由樹黒田聖治
出願日 2000年3月21日 (19年4ヶ月経過) 出願番号 2000-078514
公開日 2001年9月26日 (17年9ヶ月経過) 公開番号 2001-264026
状態 特許登録済
技術分野 光学的手段による測長装置 アーク溶接の制御
主要キーワード 処理波形 使用性能 データ収録装置 電子的処理 レーザー反射光 測定レーザ 加熱線 ベースアップ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2001年9月26日)のものです。
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図面 (8)

課題

溶接施工途中の被溶接物に発生する動的ひずみを、アーク光の影響下にあっても、溶融池を除く所望の個所および所望の時期に測定することができる方法と測定装置を提供する。

解決手段

溶接アーク光の影響下にあるひずみ測定点レーザー照射して、乱反射したレーザーの相互干渉によって生じるスペックルパターンの変化および移動をセンサー面上で検出する動的ひずみ測定法であって、ピンホールおよび遮光筒によってアーク光を遮光し、乱反射したレーザーをセンサー面上で検出する。

概要

背景

概要

溶接施工途中の被溶接物に発生する動的ひずみを、アーク光の影響下にあっても、溶融池を除く所望の個所および所望の時期に測定することができる方法と測定装置を提供する。

溶接アーク光の影響下にあるひずみ測定点レーザー照射して、乱反射したレーザーの相互干渉によって生じるスペックルパターンの変化および移動をセンサー面上で検出する動的ひずみ測定法であって、ピンホールおよび遮光筒によってアーク光を遮光し、乱反射したレーザーをセンサー面上で検出する。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

溶接アーク光の影響下にあるひずみ測定点レーザー照射して、乱反射したレーザーの相互干渉によって生じるスペックルパターンの変化および移動をセンサー面上で検出する動的ひずみ測定法であって、ピンホールおよび遮光筒によってアーク光遮光し、乱反射したレーザーをセンサー面上で検出することを特徴とする動的ひずみ測定方法

請求項2

請求項1において、さらにバンドパスフィルターによってアーク光のレーザーと異なる波長成分をカットすることを特徴とする動的ひずみ測定方法。

請求項3

請求項2において、レーザーの強度を上げてアーク光との強度比を大きくすることを特徴とする動的ひずみ測定方法。

請求項4

請求項2または3において、NDフィルターによって全体の光量を落とすことを特徴とする動的ひずみ測定方法。

請求項5

動的ひずみ測定装置であって、ひずみ測定点にレーザーを照射するレーザー源と乱反射したレーザーを検出する検出部と検出した信号を処理する手段とを備え、検出部は遮光筒とその内部に順に備えられた2つのピンホールおよびセンサーを有していることを特徴とする動的ひずみ測定装置。

請求項6

検出部にバンドパスフィルターを有することを特徴とする請求項5に記載の動的ひずみ測定装置。

請求項7

検出部にNDフィルターを有することを特徴とする請求項5または6に記載の動的ひずみ測定装置。

技術分野

0001

この出願の発明は、動的ひずみ測定方法とその測定装置に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、溶接施工途中の被溶接物に発生する動的ひずみを、アーク光の影響下にあっても、溶融池を除く所望の個所および所望の時期に測定することができる方法とその測定装置に関するものである。

0002

通常の溶接は加熱のための熱源が用いられて、溶接熱源による加熱や冷却を局部的に行う場合が多い。局部的な加熱は熱応力を生じ、容易に塑性変形を生じさせるため、冷却後の溶接部には塑性ひずみ及び残留応力が存在することになる。溶接部に存在する溶接変形および残留応力は、溶接割れおよび脆性破壊などの原因となり、製品使用性能に大きな影響を与えている。そのため、溶接部に生じるひずみの測定は、製品の信頼性を向上させるためには重要である。特に、溶接時の溶接位置直近あるいは溶接金属凝固直後に、その位置におけるひずみ挙動を検出することが可能となれば、高温割れ等の溶接部の欠陥評価や、さらには残留応力の推定のための力学的情報を得ることができ、製品の信頼性の向上に寄与することができる。

0003

しかしながら、従来より、溶接等のアーク光の影響下でひずみをその場測定することは不可能であった。そのため、溶接アーク光の影響の及ばない被溶接物の裏側に生じるひずみを、レーザーを用いた非接触の高温ひずみ測定法によって測定するなどの工夫をしていた。

0004

そこで、この出願の発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、従来技術の課題を解消し、溶接施工途中の被溶接物に生じる動的ひずみを、アーク光の影響下にあっても、溶融池を除く所望の個所および所望の時期に測定することができる方法を提供することを課題としている。

課題を解決するための手段

0005

そこで、この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、以下の通りの発明を提供する。

0006

すなわち、まず第1には、この出願の発明は、溶接アーク光の影響下にあるひずみ測定点にレーザーを照射して、乱反射したレーザーの相互干渉によって生じるスペックルパターンの変化および移動をセンサー面上で検出する動的ひずみ測定法であって、ピンホールおよび遮光筒によってアーク光を遮光し、乱反射したレーザーをセンサー面上で検出することを特徴とする動的ひずみ測定方法を提供する。

0007

そして、第2には、この出願の発明は、上記第1の発明において、さらにバンドパスフィルターによってアーク光のレーザーと異なる波長成分をカットすることを特徴とする動的ひずみ測定方法を提供する。

0008

さらに、第3には、この出願の発明は、上記第2の発明において、レーザーの強度を上げてアーク光との強度比を大きくすることや、第4には、NDフィルターによって全体の光量を落とすことを特徴とする動的ひずみ測定方法をも提供する。

0009

一方で、第5には、この出願の発明は、動的ひずみ測定装置であって、ひずみ測定点にレーザーを照射するレーザー源と乱反射したレーザーを検出する検出部と検出した信号を処理する手段とを備え、検出部は遮光筒とその内部に順に備えられた2つのピンホールおよびセンサーを有していることを特徴とする動的ひずみ測定装置を提供する。

0010

また、第6には、この出願の発明は、上記第5の発明において、検出部にバンドパスフィルターを有することや、第7には、検出部にNDフィルターを有することを特徴とする動的ひずみ測定装置を提供する。

発明を実施するための最良の形態

0011

この出願の発明は、上記の通りの特徴を持つものであるが、以下にその実施の形態について説明する。

0012

まず、この出願の第1の発明が提供する動的ひずみ測定方法は、溶接アーク光の影響下にあるひずみ測定点にレーザーを照射して、乱反射したレーザーの相互干渉によって生じるスペックルパターンの変化および移動をセンサー面上で検出する動的ひずみ測定法であって、ピンホールおよび遮光筒によってアーク光を遮光し、乱反射したレーザーをセンサー面上で検出することを特徴としている。

0013

スペックル斑紋パターンは、粗面の凹凸照射光の波長よりも数波長以上大きいときに粗面から散乱した光が干渉しあって形成される。レーザーは、ひずみ測定点からの情報を得るために照射するものであり、たとえば、Arイオンレーザー等の可干渉光が使用できる。

0014

このようなスペックルパターンをセンサ上に生じさせ、センサによって連続的に検出して電子的処理を施す。これによって、スペックルの変化および移動を測定点におけるひずみの変化量として得ることができる。信号の電子的処理は、例えば、レーザー光強度等として検出したデータを測定点におけるひずみ変化曲線に変換することなどで示される。センサとしては、例えば、CCDカメラビジコンカメラ等の電気リニアイメージセンサ等が使用できる。平面イメージまたは線形イメージを連続的に検出できることで、リアルタイムにひずみ結果を得ることができ、ひずみ挙動や所望の時期でのひずみ量を得ることができる。

0015

この発明の方法で重要なことは、溶接アーク光という極めて強烈な光の影響下であってもその影響を排除し、以上のようなレーザー光を検出可能にする点である。

0016

すなわち、その方法として、溶接アークがひずみ測定点から離れた場所にある時には、ピンホールおよび遮光筒を用いてアーク光を遮光する。

0017

図1に、溶接アークがひずみ測定点から離れた場所にある場合のひずみ測定の概略を示した側面図を示した。遮光筒(16、26)は、その中心線が、ひずみ測定点(5)、すなわちレーザー(3)反射点からの放射線上となるように設置されている。図では、遮光筒(16、26)内に、レーザー(3)反射点側から順に、2つのピンホール(11、12、21、22)、バンドパスフィルター(13、23)、NDフィルター(14、24)およびセンサ(15、25)が設置されている。

0018

このピンホール(11、12、21、22)は遮光筒(16、26)の横断面の中央に空いており、一つ目のピンホール(11、21)と二つ目のピンホール(12、22)が間隔を持って設置されている。そのため、一つ目のピンホール(11、21)を遮光筒(16、26)断面に垂直に入射した光のみが二つ目のピンホール(12、22)を通過することができる。

0019

たとえば、レーザー源(2)より照射されたレーザー(3)は、ミラー(4)等を経てひずみ測定点(5)に照射される。ひずみ測定点(5)で乱反射したレーザーの一部(17、27)は、遮光筒(16、26)内の2つのピンホール(11、12、21、22)を通過することができる。一方のひずみ測定点(5)から離れたアーク(7)から発せられるアーク光(18、28)は、遮光筒(16、26)断面に垂直に入射できないため、2つのピンホール(11、12、21、22)および遮光筒(16、26)よって完全に遮断される。すなわち、アーク光(18、28)がセンサ(15、25)に達することができないことが示される。

0020

なお、溶接アーク(7)がひずみ測定点(5)から離れた場所にあるとは、以上の説明からも分かるように、溶接アーク(7)から発せられるアーク光(18、28)が2つのピンホール(11、12、21、22)を通過できない位置にあることを示している。

0021

これによって、溶接アークがひずみ測定点から離れた場所にある時には、アーク光の影響を全く受けずにひずみ測定を行うことが可能となる。

0022

この出願の第2の発明が提供する動的ひずみ測定方法は、上記第1の発明において、さらにバンドパスフィルターによってアーク光のレーザーと異なる波長成分をカットすることを特徴としている。

0023

溶接アークがひずみ測定点に近い場所にある時、すなわち、溶接アークから発せられるアーク光が2つのピンホールを通過するような位置にある時には、さらにバンドパスフィルターによってレーザーの波長以外の波長のアーク光をカットする。図2に、溶接アークがひずみ測定点に近い場所にある場合のひずみ測定の概略を示した側面図を示した。

0024

アーク(7)がひずみ測定点(5)直上および周辺にある時には、アーク光(18、28)は乱反射したレーザー(17、27)とほぼ同じ光路をとる。そして一部のアーク光(18、28)および乱反射したレーザー(18、28)は遮光筒(16、26)断面にほぼ垂直に入射し、ピンホール(11、12、21、22)および遮光筒(16、26)を通過する。

0025

しかしながら、遮光筒(16、26)内に設置された、レーザー(3)の波長に合わせたバンドパスフィルター(13、23)によって、アーク光(18、28)のレーザー(3)と同じ波長帯以外の波長成分はカットされる。すなわち、ピンホール(11、12、21、22)を通過した光のうち、乱反射したレーザー(17、27)は、全てがセンサー(15、25)面上にまで達するが、アーク光(18、28)は、そのほとんどが遮られてセンサー(15、25)面に達することはない。

0026

また、微小のアーク光がセンサーに入っても単純にスペックルの波形にプラスされること、センサーの素子の並び上でアーク光による光強度分布平らであればスペックルの波形がベースアップされるだけなので測定自体には影響はないことを仮定することで、ひずみを算出することができる。

0027

これによって、溶接アークがひずみ測定点に近い場所にある時でも、アーク光の影響を受けずにひずみ測定を行うことが可能となる。

0028

この出願の第3の発明が提供する動的ひずみ測定方法は、上記第2の発明において、レーザーの強度を上げてアーク光との強度比を大きくする。

0029

アーク光は、ほぼ全波長域にわたる光を含んでいるため、使用するレーザーと同じあるいは近い波長を持つ光が存在することになる。このようなレーザーと同じあるいは近い波長を持つアーク光成分は、レーザー波長に合わせたバンドパスフィルターをも透過してしまう。アーク光のうちで、バンドパスフィルターを通過してしまう光の量が多い場合には、レーザーの強度を上げることが望ましい。これによって、レーザーとアーク光との強度比を大きくすることができる。

0030

すなわち、これによって、溶接アークがひずみ測定点に近い場所にある時でも、S/N比の良いひずみ測定を行うことが可能となる。

0031

この出願の第4の発明が提供する動的ひずみ測定方法は、上記第2または第3の発明において、NDフィルターによって全体の光量を落とす。

0032

レーザーの強度を上げてレーザーとアーク光との強度比を大きくする等した場合、センサー内の各素子で光量が飽和することが考えられる。このようなときは、図2のように、さらに、NDフィルター(14、24)を用いることで、S/N比を保持したまま全体の光量を落とすことができる。

0033

以上のことから、溶接施工途中の動的ひずみを、アーク光の影響下にあっても、溶融池を除く所望の個所および所望の時期に測定することが可能となる。

0034

この出願の第5、第6および第7の発明が提供する動的ひずみ測定装置は、上記の発明の測定方法を実現するものであり、ひずみ測定点にレーザーを照射するレーザー源と乱反射したレーザーを検出する検出部と検出した信号を処理する手段とを備え、検出部は遮光筒とその内部に順に備えられた2つのピンホールおよびセンサーを、さらにはバンドパスフィルターやNDフィルターを有することを特徴としている。もちろん、この他にも、レーザーの方向を制御するミラー等が備えられてもよい。

0035

レーザー源、センサー、および検出信号の処理手段は、レーザー源から発振されたレーザーの反射光スペックルを連続的に検出して処理できるものであれば、一般に知られているものを利用することができる。

0036

レーザーの種類は特に限定されないが、たとえば、溶接等に適用する場合には、赤熱域との重複を避けるために赤色光の使用は避けることが望ましい。また、測定位置合わせを簡便化するために、可視光のレーザーを使用すること等が例示される。

0037

センサーについては、データ収録装置能力も考慮して、1〜2MHz程度で駆動できるものであれば十分である。たとえば、素子数が1000〜3000個程度のリニアイメージサンサ等が例示される。

0038

また、ピンホール、および遮光筒についても、一般的に知られているものから、使用するレーザーおよびセンサ等に合わせて適宜設定および選択することができる。たとえば、ピンホールの孔径は、被測定物上レーザースポット径と、測定点からセンサまでの距離、センサの素子数とそのピッチによって決定することができる。遮光筒についても、内部に無反射塗料を塗ったものや、アルマイト処理をしたものなどが例示される。

0039

バンドパスフィルターはについては、特に制限はないが、アーク光の透過を少しでも減らすために、使用するレーザーの波長に合わせてできるだけ半値幅の狭いものを用いることが例示される。

0040

NDフィルターについても特に制限はないが、たとえば、複数枚組み合わせて用いることなども示される。具体的には、透過率が50%と10%のNDフィルターを重ねることで、透過率5%のNDフィルターとして使用すること等が例示される。

0041

この出願の発明の装置で重要なことは検出部の構造である。図2に、この発明のひずみ測定装置の概略の側面図を例示した。検出部には、遮光筒(16、26)およびセンサー(15、25)とが備えられ、それらの間には光の入射側から順に、第5の発明の測定装置では2つのピンホール(11、12、21、22)が、第6の発明の測定装置ではさらにバンドパスフィルター(13、23)が、第7の発明の測定装置ではさらにNDフィルター(14、24)が備えられている。

0042

ピンホール(11、12、21、22)は、遮光筒(16、26)横断面の中心にあり、間隔を持って2つが配置されるため、1つめのピンホール(11、12)に垂直に入射した光のみが2つめのピンホール(21、22)を通過することができる。

0043

バンドパスフィルター(13、23)は、使用するレーザー(3)と同じ波長帯の光のみを透過させるため、2つめのピンホール(21、22)を通過した光であっても使用するレーザー(3)と異なる波長の光を通すことはない。

0044

NDフィルター(14、24)は、S/N比を高めるために増大した光量を、光の強度比を保持したまま低下させることができる。

0045

また、遮光筒(16、26)は、バンドパスフィルター(13、23)およびNDフィルター(14、24)の着脱が可能であり、使用するレーザーや各種条件等に合わせて選択したものを測定前に設置することができる。図には示されていないが、複数枚のNDフィルター(14、24)の着脱が可能なように、マウント数に余裕を持たせておくこともできる。また、必要のないフィルタ類(13、14、23、24)は装着しなくてもよい。この場合は、もちろん、遮光筒の機能を維持できるようにフィルタ類装着部からの光の侵入が無いようにする。

0046

また、この出願の発明の装置では、試験片表面に発生するひずみを2次元で測定するために、複数の検出部を設置することができる。たとえば、ひずみ測定点の四方に複数の検出部を設置して、溶接アークの移動方向とそれに直角な方向との2方向のひずみ測定を実施すること等が可能となる。

0047

また、非接触でひずみ測定が行えるため、レーザー源および検出部は、レーザーが届く範囲でひずみ測定点から離れた場所に設置することができる。たとえば、トーチ等の機器の移動を妨げることなくひずみ測定を実施することが可能となる。

0048

これによって、溶接施工途中の動的ひずみを、アーク光の影響下にあっても、溶融池を除く所望の個所および所望の時期に測定できるひずみ測定装置が実現される。

0049

以下、添付した図面に沿って実施例を示し、この発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。

0050

(実施例1)試験片として60×120×3.8mmのSUS304ステンレス鋼板を用い、その矩形板の中央を60mmにわたってGTA(ガスタングステン・アーク)で加熱し、発生したひずみを連続的に測定した。ひずみ測定の概要を示した平面図を図3に示した。

0051

ひずみ測定点は加熱線の中央とし、測定レーザーには波長514.5nmのArイオンレーザーを用いた。レーザー反射光の検出は、X、X’の2点で連続的に行った。GTAは、加熱開始とともにY方向に移動し、移動速度は240mm/分であった。また、アーク電流は(1)100Aおよび(2)200Aの2通りに設定した。
(実施例2)ひずみ測定点を、試験片の加熱線上中央より直角に5mm離れた地点とし、レーザー反射光の検出を、図3中のX、X’、Y、Y’の4点で行った。また、GTAの移動速度を120mm/分とし、アーク電流を70Aとした。その他は実施例1と同様に動的ひずみ測定を行った。
(実施例3)ひずみ測定点を、試験片の加熱線上中央より直角に8.5mm離れた地点とした。その他は実施例2と同じ条件で動的ひずみ測定を行った。

0052

実施例1の試験片の、加熱開始から測定点のX方向に発生したひずみ挙動を算出した結果の一例を図4に示した。

0053

アークは点弧と同時に移動を始め、7.5秒(図中に点線で示した)で測定点に達した。この前後数秒間のひずみがゼロとなっているのは、GTAトーチがレーザーの反射光を遮り、測定ができなかったためである。その後は、徐々にひずみが増加していく様子が観察できた。

0054

アーク電流を(1)100Aと(2)200Aに変化させたときのひずみ挙動の違いも観察できることが確認された。

0055

なお、ひずみ測定点を加熱線上に設定してGTAトーチの移動をY方向としたため、Y方向のレーザー反射光は常にGTAトーチに遮られてしまうので、Y方向のひずみ測定は行わなかった。

0056

実施例2および実施例3の試験片の、加熱開始から測定点に発生したひずみ挙動を算出した結果の一例を図5および図6に示した。

0057

実施例2および実施例3の場合共に、X方向のひずみ測定では、GTAトーチがレーザーの反射光を遮った数秒間のみ測定ができなかった。Y方向のひずみ測定は、途切れることなく連続的に行うことが確認できた。もちろん、熱源(GTAトーチ)通過前および、通過後に測定個所凝固した直後からのひずみ挙動も観察できた。

0058

以上のことから、この発明の動的ひずみ測定法によって、アーク光影響下での動的ひずみ測定ができることが確認された。また、各種条件を変化させたときの、所望の個所および所望の時期のひずみを観察可能なことが確認できた。
(実施例4)アーク光の影響の無い試験片の加熱部分の裏側のひずみの測定を実施例1と同様に行い、リニアイメージセンサで検出されるスペックルの波形を所定の間隔で数千画面収録して原波形とした。図7に、原波形と処理波形および算出したひずみ変化曲線の一例を示した。

0059

図7(a)は、収録した原波形の一枚を例示したものである。リニアイメージセンサ上に並んだ2048個の素子のうち真中の1000個の素子で検出した光強度:Anを示している。

0060

(b)および(c)は、光強度:Anをそれぞれ2倍:Bnおよび4倍:Cnにしたものの一例である。実際にレーザーの強度を2倍および4倍にしてひずみ測定を行った場合には、これと同じ波形が得られる。

0061

(d)は、仮想的なアーク光を上記同様に1000個の素子で検出した光強度:Dを示したものである。

0062

そして(A)に、収録した原波形のうち720画面(A1〜A720)を用いて算出したひずみ変化曲線を示した。

0063

(A)’は、原波形720画面(A1〜A720)のうち、中程の320枚(A201〜A520)にアーク光強度:Dを一律に足して算出したひずみ変化曲線を示した。すなわち、ひずみ測定の途中でアーク光の影響を受けた場合のひずみ変化曲線の算出結果を表している。

0064

(B)’は、光強度を2倍にした原波形720画面(B1〜B720)のうち、中程の320枚(B201〜B520)にアーク光強度:Dを一律に足して算出したひずみ変化曲線を示した。すなわち、レーザー強度を2倍にして行ったひずみ測定の途中にアーク光の影響を受けた場合の、ひずみ変化を算出した結果を表している。

0065

(C)’も同様に、光強度を4倍にした原波形720画面(C1〜C720)のうち、中程の320枚(C201〜C520)にアーク光強度:Dを一律に足して算出したひずみ変化曲線を示した。すなわち、レーザー強度を4倍にして行ったひずみ測定の途中にアーク光の影響を受けた場合の、ひずみ変化を算出した結果を表している。

0066

(A)および(A)’〜(C)’を比較すると、(A)’から(C)’になるにつれて、(A)のひずみ変化曲線に近づくことが分かる。これは、アーク光の影響があっても、レーザー強度を大きくすることで、ひずみ変化曲線の算出の結果には影響を与えなくなるということを示している。

0067

これによって、この発明の方法においてレーザー強度を高めることで、動的ひずみ測定でのアーク光の影響が抑制できることが示された。

0068

もちろん、この発明は以上の例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることは言うまでもない。

発明の効果

0069

以上詳しく説明した通り、この発明によって、溶接施工途中の被溶接物に発生する動的ひずみを、アーク光の影響下にあっても、溶融池を除く所望の個所および所望の時期に測定することができる。

図面の簡単な説明

0070

図1溶接アークがひずみ測定点から離れた場所にある場合のひずみ測定の概略を示した側面図である。
図2溶接アークがひずみ測定点に近い場所にある場合のひずみ測定の概略を示した側面図である。
図3この発明の方法によるひずみ測定の概略を例示した平面図である。
図4測定点のX方向に発生したひずみ変化曲線の一例を示した図である。
図5測定点のXおよびY方向に発生したひずみ変化曲線の一例を示した図である。
図6測定点のXおよびY方向に発生したひずみ変化曲線の一例を示した図である。
図7この発明の測定方法で検出した原波形と、処理波形および算出したひずみ変化曲線の一例を示した図である。

--

0071

1被溶接物
2レーザー源
3レーザー
4ミラー
5 ひずみ測定点
6トーチ
7アーク
データロガー
コンピュータ
10 ひずみ変化
11、12、21、22ピンホール
13、23バンドパスフィルター
14、24NDフィルター
15、25センサー
16、26遮光筒
17、27乱反射したレーザー
18、28 アーク光

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