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技術 固相拡散接合スパッタリングターゲット組立て体及びその製造方法

出願人 アルバックマテリアル株式会社
発明者 金豊小寺正裕高橋一寿中台保夫武井利生柴衛平
出願日 2000年3月15日 (20年11ヶ月経過) 出願番号 2000-072380
公開日 2001年9月26日 (19年4ヶ月経過) 公開番号 2001-262329
状態 特許登録済
技術分野 物理蒸着
主要キーワード 被覆膜材料 活性金属膜 材料変形 接合用材料 爆発圧接 ロール圧延法 蒸着被覆 成膜ムラ
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課題

拡散接合後でも、ターゲット材結晶組織結晶配向性が維持され且つバッキングプレート材の強度が確保されており、そしてターゲット材及びバッキングプレート材の変形が生じていないターゲット組立て体、及びその製造方法の提供。

解決手段

Ti、Ta又はNbターゲット材と、Al又はその合金製バッキングプレート材との間に、Ti、Ta、Nb又はその合金物理的蒸着被覆膜が設けられ、ターゲット材とバッキングプレート材とが拡散接合されている。該ターゲット材の接合側表面に物理的蒸着被覆膜を形成し、ターゲット材上の被覆膜を備えた面を接合面として、0.1Pa以下の真空雰囲気中、400℃〜500℃の接合温度、50MPa以下の接合時負荷圧力及び2時間以内の接合時間で、固相拡散接合してターゲット組立て体を得る。

概要

背景

スパッタリングターゲットは、半導体を始めとする各種薄膜デバイスの製造に際し、薄膜基板上に形成するスパッタリング源となるものである。その形状は半導体の場合殆どが円盤状の板である。スパッタリングターゲットは通常、ターゲット材を支持し、また、冷却する目的でバッキングプレートと呼ばれる支持部材一体化されたターゲット組立て体状態で使用される。スパッタリング装置にターゲット組立て体が取り付けられ、パワー負荷されると、ターゲット表面は負荷熱の為に温度上昇を生じるが、例えばバッキングプレート裏面に冷却水を接触させることにより、バッキングプレート側を冷却して熱を除去し、ターゲット表面の温度上昇を押さえている。バッキングプレート材としては、無酸素銅銅合金アルミニウムアルミニウム合金チタンチタン合金等の金属及び合金が用いられている。

従来、ターゲット材とバッキングプレート材との接合は、InやSn合金等の低融点ロウ材を使用して行うことが主体であったが、スループットの向上を目的としたハイパワーの負荷時には、バッキングプレート側の冷却にも拘わらず接合界面の温度上昇は避けられず、温度上昇に伴う接合強度の低下ひいてはロウ材融解によるターゲット材の剥離等のトラブルが発生していた。その為、スパッタリングターゲット材によってはロウ材を使用しない一体化接合方法への移行が進みつつある。

例えば、特開平1−283367号(特許第2831356号)公報には、「接合用材料を介することなく直接圧接して一体化する」技術が記載されており、実施例として爆発圧接法、シーム溶接法が示され、更に、良好な接合強度が得られたとして、熱間ロール圧延法拡散接合法により圧接した場合の結果が示されている。この中の拡散接合法を、Ti(ターゲット材)/Al(バッキングプレート材)の組み合わせに適用して接合テストを実施して見たところ、接合温度500℃の条件下で得られたターゲットは、12〜13kg/mm2の接合強度を有し、Alバルクでの破断面であったが、450℃の条件下で且つ実用的な負荷圧力及び時間で得られたターゲットは、接合強度が5〜8kg/mm2となり、その強度低下が著しく、破断面は接合界面そのものであり、接合健全性に乏しいという結果が得られた。

また、他の直接接合法として、特開平6−65733号公報に、「支持部材とターゲット部材予熱する工程とそれらを重ね合わせる工程、それに加圧負荷する工程と拡散接合を行う工程とからなる」技術が記載されており、その実施例として鍛造接合を行っている。しかし、接合条件としての記載を見る限り、500℃で24時間という長時間であり、その接合強度も10kg/mm2以下と低めである。

更に、他の直接接合法として、特開平9−143704号公報に、「チタンターゲット材とアルミニウムバッキングプレート材とを接触させ、300〜450℃、圧力50〜200MPaの条件下での静水圧プレスにより拡散接合を行う」技術が記載されている。この公報は、低温条件での接合を可能ならしめるという条件を開示しているものの、低温度に於ける過大なる荷重及び長い接合時間は避けられず、実施例に於いても400℃で140MPa且つ5時間の接合条件で接合体を得ている。更に他の実施例には、450℃、120MPaの条件下では接合強度91MPa(9.3kg/mm2)、450℃、45MPaの条件下では接合強度35MPa(3.6kg/mm2)を得たと記載されている。しかし、これらの実施例で示されているように、450℃で負荷圧力が120MPaと非常に大きな荷重を加えて接合しても、せいぜい91MPa(9.3kg/mm2)の接合強度しか得られていない。また、この温度では、これ以上の荷重を負荷するとターゲット形状が変形してしまう。

他に、荷重の低減又は接合温度の低温下を目的とするインサート材を用いた接合方法として、特開平6−108246号公報及び6−172993号公報に、「ターゲット材とインサート材とバッキングプレート材とがそれぞれ固相拡散接合界面を有するターゲット組立て体」を得る方法が開示されている。前者では、Ag、Cu、Ni等からなるインサート材を用いて、200〜600℃の温度、0.1〜20kg/mm2の負荷荷重で固相拡散接合すると、所望の組立て体が得られるとし、実施例に於いては、100μmのAg箔をインサート材として用いて、温度250℃、負荷荷重8kg/mm2の条件で、Tiターゲット材と無酸素銅製バッキングプレートとを接合して組立て体を得ている。また、後者では、同じインサート材を用いて、150〜300℃の温度、1.0〜20kg/mm2の負荷荷重で所望の組立て体が得られるとし、実施例に於いては、100μmのAg箔をインサート材として用いて、温度250℃、負荷荷重8kg/mm2の条件で、Al合金製ターゲットと無酸素銅製バッキングプレートとを接合して組立て体を得ている。その結果、両者とも接合強度6kg/mm2(せん断強度)の組立て体を得たとしている。しかし、この方法を用いてTi(ターゲット材)とAl(バッキングプレート材)との接合テストを行ってみたところ、450℃、3kg/mm2の条件下では接合強度の測定が不可能な程低い強度を有するターゲット組立て体が得られたに過ぎなかった。

概要

拡散接合後でも、ターゲット材の結晶組織結晶配向性が維持され且つバッキングプレート材の強度が確保されており、そしてターゲット材及びバッキングプレート材の変形が生じていないターゲット組立て体、及びその製造方法の提供。

Ti、Ta又はNbターゲット材と、Al又はその合金製バッキングプレート材との間に、Ti、Ta、Nb又はその合金の物理的蒸着被覆膜が設けられ、ターゲット材とバッキングプレート材とが拡散接合されている。該ターゲット材の接合側表面に物理的蒸着被覆膜を形成し、ターゲット材上の被覆膜を備えた面を接合面として、0.1Pa以下の真空雰囲気中、400℃〜500℃の接合温度、50MPa以下の接合時負荷圧力及び2時間以内の接合時間で、固相拡散接合してターゲット組立て体を得る。

目的

本発明は、拡散接合後でも、ターゲット材の結晶組織、結晶配向性が維持され且つバッキングプレート材の強度が確保されている特性を有するスパッタリングターゲット組立て体、及びターゲット材とバッキングプレート材とを、低温でかつ低い負荷荷重で拡散接合し、ターゲット材及びバッキングプレート材の変形を生じせしめることなくスパッタリングターゲットを製造する方法を提供することを課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

チタンタンタル又はニオブからなるスパッタリングターゲット材と、該ターゲット材支持部材であるアルミニウム又はアルミニウム合金からなるバッキングプレート材と、チタン、タンタル、ニオブ又はその合金からなる物理的蒸着被覆膜とを有し、該蒸着被覆膜が該ターゲット材と該バッキングプレート材との間に設けられており、該ターゲット材と該バッキングプレート材とが固相拡散接合していることを特徴とするスパッタリングターゲット組立て体

請求項2

前記スパッタリングターゲット材の接合側の表面に設けられた蒸着被覆膜の厚さが、0.5μm〜10μmであり、その被覆膜材料活性金属又はその合金である請求項1記載のスパッタリングターゲット組立て体。

請求項3

前記被覆膜材料がチタン又はチタン合金であって、前記ターゲット材が高純度チタンであり、該被覆膜材料がタンタル又はタンタル合金であって、該ターゲット材が高純度タンタルであり、又は該被覆膜材料がニオブ又はニオブ合金であって、該ターゲット材が高純度ニオブであることを特徴とする請求項1又は2記載のスパッタリングターゲット組立て体。

請求項4

チタン、タンタル又はニオブからなるスパッタリングターゲット材と、該ターゲット材の支持部材であるアルミニウム又はアルミニウム合金からなるバッキングプレート材とを接合する工程において、(1)該ターゲット材の接合側の表面に物理的蒸着法により被覆膜を形成する工程と、(2)該ターゲット材上の被覆膜を備えた面を接合面として、該ターゲット材と該バッキングプレート材とを固相拡散接合する工程とを含むことを特徴とするスパッタリングターゲット組立て体の製造方法。

請求項5

前記スパッタリングターゲット材の接合側の表面に形成される蒸着被覆膜の厚さを、0.5μm〜10μmとし、その被覆膜材料として活性金属又はその合金を用いることを特徴とする請求項第4記載のスパッタリングターゲット組立て体の製造方法。

請求項6

前記固相拡散接合工程において、被覆膜の形成されたスパッタリングターゲット材とバッキングプレート材とを、0.1Pa以下の真空雰囲気中、400℃〜500℃の接合温度、50MPa以下の接合時負荷圧力及び2時間以内の接合時間で固相拡散接合することを特徴とする請求項4又は5記載のスパッタリングターゲット組立て体の製造方法。

請求項7

前記被覆膜材料がチタン又はチタン合金であって、前記ターゲット材が高純度チタンであり、該被覆膜材料がタンタル又はタンタル合金であって、該ターゲット材が高純度タンタルであり、又は該被覆膜材料がニオブ又はニオブ合金であって、該ターゲット材が高純度ニオブであることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のスパッタリングターゲット組立て体の製造方法。

技術分野

4.低温での接合が可能である為、接合時のAl系バッキングプレート材自体の塑性変形を抑制できる。

背景技術

0001

本発明は、固相拡散接合されたスパッタリングターゲット組立て体及びその製造方法、特に薄膜形成用スパッタリング装置に使用されるカソードを構成するターゲット材とその支持部材であるバッキングプレート材とを被覆金属膜を介して固相拡散接合により一体化させたスパッタリングターゲット組立て体及びその製造方法に関するものである。

0002

スパッタリングターゲットは、半導体を始めとする各種薄膜デバイスの製造に際し、薄膜基板上に形成するスパッタリング源となるものである。その形状は半導体の場合殆どが円盤状の板である。スパッタリングターゲットは通常、ターゲット材を支持し、また、冷却する目的でバッキングプレートと呼ばれる支持部材と一体化されたターゲット組立て体状態で使用される。スパッタリング装置にターゲット組立て体が取り付けられ、パワー負荷されると、ターゲット表面は負荷熱の為に温度上昇を生じるが、例えばバッキングプレート裏面に冷却水を接触させることにより、バッキングプレート側を冷却して熱を除去し、ターゲット表面の温度上昇を押さえている。バッキングプレート材としては、無酸素銅銅合金アルミニウムアルミニウム合金チタンチタン合金等の金属及び合金が用いられている。

0003

従来、ターゲット材とバッキングプレート材との接合は、InやSn合金等の低融点ロウ材を使用して行うことが主体であったが、スループットの向上を目的としたハイパワーの負荷時には、バッキングプレート側の冷却にも拘わらず接合界面の温度上昇は避けられず、温度上昇に伴う接合強度の低下ひいてはロウ材融解によるターゲット材の剥離等のトラブルが発生していた。その為、スパッタリングターゲット材によってはロウ材を使用しない一体化接合方法への移行が進みつつある。

0004

例えば、特開平1−283367号(特許第2831356号)公報には、「接合用材料を介することなく直接圧接して一体化する」技術が記載されており、実施例として爆発圧接法、シーム溶接法が示され、更に、良好な接合強度が得られたとして、熱間ロール圧延法拡散接合法により圧接した場合の結果が示されている。この中の拡散接合法を、Ti(ターゲット材)/Al(バッキングプレート材)の組み合わせに適用して接合テストを実施して見たところ、接合温度500℃の条件下で得られたターゲットは、12〜13kg/mm2の接合強度を有し、Alバルクでの破断面であったが、450℃の条件下で且つ実用的な負荷圧力及び時間で得られたターゲットは、接合強度が5〜8kg/mm2となり、その強度低下が著しく、破断面は接合界面そのものであり、接合健全性に乏しいという結果が得られた。

0005

また、他の直接接合法として、特開平6−65733号公報に、「支持部材とターゲット部材予熱する工程とそれらを重ね合わせる工程、それに加圧負荷する工程と拡散接合を行う工程とからなる」技術が記載されており、その実施例として鍛造接合を行っている。しかし、接合条件としての記載を見る限り、500℃で24時間という長時間であり、その接合強度も10kg/mm2以下と低めである。

0006

更に、他の直接接合法として、特開平9−143704号公報に、「チタンターゲット材とアルミニウムバッキングプレート材とを接触させ、300〜450℃、圧力50〜200MPaの条件下での静水圧プレスにより拡散接合を行う」技術が記載されている。この公報は、低温条件での接合を可能ならしめるという条件を開示しているものの、低温度に於ける過大なる荷重及び長い接合時間は避けられず、実施例に於いても400℃で140MPa且つ5時間の接合条件で接合体を得ている。更に他の実施例には、450℃、120MPaの条件下では接合強度91MPa(9.3kg/mm2)、450℃、45MPaの条件下では接合強度35MPa(3.6kg/mm2)を得たと記載されている。しかし、これらの実施例で示されているように、450℃で負荷圧力が120MPaと非常に大きな荷重を加えて接合しても、せいぜい91MPa(9.3kg/mm2)の接合強度しか得られていない。また、この温度では、これ以上の荷重を負荷するとターゲット形状が変形してしまう。

発明が解決しようとする課題

0007

他に、荷重の低減又は接合温度の低温下を目的とするインサート材を用いた接合方法として、特開平6−108246号公報及び6−172993号公報に、「ターゲット材とインサート材とバッキングプレート材とがそれぞれ固相拡散接合界面を有するターゲット組立て体」を得る方法が開示されている。前者では、Ag、Cu、Ni等からなるインサート材を用いて、200〜600℃の温度、0.1〜20kg/mm2の負荷荷重で固相拡散接合すると、所望の組立て体が得られるとし、実施例に於いては、100μmのAg箔をインサート材として用いて、温度250℃、負荷荷重8kg/mm2の条件で、Tiターゲット材と無酸素銅製バッキングプレートとを接合して組立て体を得ている。また、後者では、同じインサート材を用いて、150〜300℃の温度、1.0〜20kg/mm2の負荷荷重で所望の組立て体が得られるとし、実施例に於いては、100μmのAg箔をインサート材として用いて、温度250℃、負荷荷重8kg/mm2の条件で、Al合金製ターゲットと無酸素銅製バッキングプレートとを接合して組立て体を得ている。その結果、両者とも接合強度6kg/mm2(せん断強度)の組立て体を得たとしている。しかし、この方法を用いてTi(ターゲット材)とAl(バッキングプレート材)との接合テストを行ってみたところ、450℃、3kg/mm2の条件下では接合強度の測定が不可能な程低い強度を有するターゲット組立て体が得られたに過ぎなかった。

0008

以上述べたように、ターゲット材とバッキングプレート材との接合に関して種々の公知技術があるものの、Ti(ターゲット材)とAl(バッキングプレート材)との拡散接合の場合、充分な接合強度即ち接合健全性を得る為には、その界面において充分な原子拡散が生じていることが必要である。これにより、10kg/mm2以上の接合強度を得ることができるからである。しかし、ターゲット材/バッキングプレート材組立て体では、拡散接合時には、接合荷重の低減によりターゲット材及びバッキングプレート材の変形を抑制することが望ましく、また、拡散接合後には、ターゲット材の結晶組織結晶配向性が維持され且つバッキングプレート材の強度が確保されていることが望まれている。従って、これらの要件を同時に達成可能な新たな接合方法が求められている。

0009

上記した従来技術はそれぞれ、部分的には有用であるものの、上記したような問題点もある。すなわち、特開平1−283367号(特許第2831356号)は接合温度を低温化した場合(450℃)には目的物の接合強度が急激に低下すると言う問題があり、特開平6−108246号及び6−172993号に示されるインサート材の挿入では目的物の強度そのものが低いと言う問題があり、特開平9−143704号は大荷重の負荷により材料変形が生じると言う問題があると共に目的物の接合強度が高くならないという問題もある。また、特開平6−65733号は大荷重の負荷をかけてバッキングプレート材を変形させ、ターゲット材とバッキングプレート材とを直接圧接するものであるが、接合強度が低いという問題がある。

0010

また、上記従来技術では、強度のみ示されているだけで、界面における拡散が接合にどの程度寄与しているかについては具体的に触れられておらず、単に高温で接合している。一般に、接合健全性を示す(界面での拡散による)破断面位置の変化を生じさせるには、より高温で拡散接合を行うのが望ましいのであり、従来技術でもほとんどの場合、このような観点から高温で行っているに過ぎない。しかしながら、より有用なターゲットであるためには、上記したように、拡散接合後でも、ターゲット材の結晶組織、結晶配向性が維持され且つバッキングプレート材の強度が確保されていなければならない。このような特性を満足させるためには、接合温度の低温化が必要となるという相反する接合条件についての検討が求められる。バッキングプレート材としてのAl系材料の場合、400℃以上での高温強度は50MPa以下であることから、この材料の変形を抑制するには負荷荷重が低くなければならないという問題もある。

課題を解決するための手段

0011

本発明は、拡散接合後でも、ターゲット材の結晶組織、結晶配向性が維持され且つバッキングプレート材の強度が確保されている特性を有するスパッタリングターゲット組立て体、及びターゲット材とバッキングプレート材とを、低温でかつ低い負荷荷重で拡散接合し、ターゲット材及びバッキングプレート材の変形を生じせしめることなくスパッタリングターゲットを製造する方法を提供することを課題とする。

0012

本発明者らは、直接接合でもなく、インサート材の挿入による拡散接合でもなく、ターゲット材の接合側表面に物理的蒸着PVD)法により活性金属膜被覆した場合には、真空中、低温、低い接合荷重、及び短い接合時間という条件でも、接合界面での固相拡散が充分に生じ、良好に固相拡散接合するということを見出し、本発明を完成するに至った。ここで、「固相拡散接合」とは、ターゲット材とバッキングプレート材との間に金属膜を設けて、ターゲット材とバッキングプレート材とを溶融することなく固相状態に維持したまま、低温、低荷重で界面に拡散を生じせしめて、ターゲット材に悪影響を与えることなく接合する方法をいう。

0013

本発明のスパッタリングターゲット組立て体は、チタン、タンタル又はニオブからなるスパッタリングターゲット材と、該ターゲット材の支持部材であるアルミニウム又はアルミニウム合金からなるバッキングプレート材と、チタン、タンタル、ニオブ又はその合金からなる物理的蒸着被覆膜とを有し、該蒸着被覆膜が該ターゲット材と該バッキングプレート材との間に設けられており、該ターゲット材と該バッキングプレート材とが固相拡散接合しているものである。該スパッタリングターゲット材の接合側の表面に設けられた蒸着被覆膜の厚さは、0.5μm〜10μmであることが望ましい。活性金属膜である蒸着被覆膜の厚さが、0.5μm未満であると成膜ムラが生じることがあり、また、10μmを超えると膜内の歪が緩和されてしまうため、拡散開始温度が低下しないので望ましくない。該被覆膜材料はチタン、チタン合金、タンタル、タンタル合金、ニオブ又はニオブ合金等のような活性金属又はその合金である。被覆膜材料がチタン又はチタン合金である場合、ターゲット材は高純度チタン純度99.995%以上)であり、被覆膜材料がタンタル又はタンタル合金である場合、ターゲット材は高純度タンタル(純度99.995%以上)であり、また、被覆膜材料がニオブ又はニオブ合金である場合、ターゲット材は高純度ニオブ(純度99.99%以上)であることが望ましい。ターゲット材が高純度であれば、物理的蒸着法で形成される薄膜も同等以上であるのが望ましい。

0014

本発明のスパッタリングターゲット組立て体の製造方法は、チタン、タンタル又はニオブからなるスパッタリングターゲット材と、該ターゲット材の支持部材であるアルミニウム又はアルミニウム合金からなるバッキングプレート材とを接合する工程において、(1)該ターゲット材の接合側の表面に物理的蒸着(PVD)法により被覆膜を形成する工程と、(2)該ターゲット材上の被覆膜を備えた面を接合面として、該ターゲット材と該バッキングプレート材とを固相拡散接合する工程とを含むことからなる。

0015

上記製造方法において、該スパッタリングターゲット材の接合側の表面に形成される蒸着被覆膜の厚さを、0.5μm〜10μmとなるようにし、その被覆膜材料として活性金属又はその合金を用いることが望ましい。さらに、該固相拡散接合工程において、被覆膜の形成されたスパッタリングターゲット材とバッキングプレート材とを、0.1Pa以下の真空雰囲気中、400℃〜500℃の接合温度、50MPa以下、好ましくは25MPa〜50MPaの接合時負荷圧力(荷重)及び2時間以内の接合時間で固相拡散接合することが望ましい。接合温度が400℃未満であると得られるターゲット組立て体の接合強度が10kg/mm2より低くなり不具合であり、500℃を超えると接合中に変形が生じ不具合である。また、接合時負荷圧力が50MPaを超えるとバッキプレート材の変形が起こり、25MPa未満であると、所望の拡散接合が起こり難くなる場合がある。このような緩い接合条件下でも、破断面位置が界面そのものではなく、また、接合強度が10kg/mm2以上と言う強固に拡散接合されたスパッタリングターゲット組立て体が得られる。

0016

また、被覆膜材料がチタン又はチタン合金である場合、ターゲット材として高純度チタンを用い、被覆膜材料がタンタル又はタンタル合金である場合、ターゲット材として高純度タンタルを用い、被覆膜材料がニオブ又はニオブ合金である場合、ターゲット材として高純度ニオブを用いることが望ましい。

0017

本発明では、ターゲット材の接合側表面に物理的蒸着法により活性金属膜を薄く被覆する工程が重要である。被覆された結果、その被覆面と直接接するAl等のバッキングプレート材との拡散が、より低温度、低荷重、短時間でも容易に生じて、充分な接合強度を有するターゲットが得られる。物理的蒸着法とは、真空蒸着法スパッタリング法イオンプレーティング法等が代表的である。これらの成膜法によると、形成される膜自体と被覆されるターゲット材とは清浄度の高い状態で接合され、その密着度も高い。また、ターゲット材及びバッキングプレート材は共に、公知の洗浄手段により清浄化してから、成膜工程や接合工程を実施することが望ましい。特に、成膜に先立ってターゲット材表面に対してイオンによる洗浄を行うと、密着性が高く緻密な膜が得られる。

0018

本発明の方法によりターゲット材の接合側表面に被覆された薄い活性金属膜はその内部に大きな内部歪を含む為、Al中への拡散開始温度が実質的に低下する。この作用は、塑性加工度に依存して再結晶温度が低下することと原理的には同じである。従って、ターゲット材とバッキングプレート材とを直接接合するよりも低温度の条件で接合することが可能となる。

0019

以下、実施例及び比較例により本発明を詳細に説明する。
(実施例1〜10及び比較例1〜7)チタン(Ti、純度:99.995%)、タンタル(Ta、純度:99.995%)、及びニオブ(Nb、純度:99.99%)ターゲット材(300mmφの円盤状の板)並びに同寸法のアルミニウム製バッキングプレートをアセトンにより超音波脱脂洗浄した。洗浄後の各ターゲット材のバッキングプレート材に接合する側の表面に物理的蒸着法(スパッタリング条件放電時圧力(アルゴン雰囲気0.4Pa)、投入電力(6kW)、成膜速度(0.1μm/分))により、それぞれ、Ti被覆膜、Ta被覆膜、Nb被覆膜を形成せしめた。次いで、該ターゲット材上の被覆膜を備えた面を接合面として、ターゲット材とバッキングプレート材とを表1に示す条件で固相拡散接合した。接合条件のうち、真空度(0.01Pa)、接合時間(2時間)及び負荷荷重(25MPa)を一定にし、接合法としては、従来法の直接接合法及びAgインサート(厚さ:10μm及び100μmのAg箔)を用いた方法、ならびに本発明による上記被覆ターゲット材を用いた方法と言う3種類の手法を用いた。これらの方法の違いを、接合温度(400℃、450℃及び500℃)が接合強度に及ぼす影響の観点から調べた。得られた結果を表1に示す。さらに、破断時モードについても表1に示す。

0020

0021

表1から明らかなように、本発明のように活性金属を高純度ターゲット材の上に物理的蒸着法により被覆した場合には、何れの場合にも界面で充分な拡散が生じたことを示すAl母材での破断であり、強度も10kg/mm2以上と言う結果を得た。これに対し、従来法では、低温での接合では接合強度は低いかあるいは測定不能であり、接合強度を高くするには接合温度を高くしなければならないが、この場合、バッキングプレート材が変形するという問題が生じる。

0022

本発明によれば、活性金属ターゲット材とAl系バッキングプレート材との拡散接合に活性金属のPVD被覆膜を適用しているので、次の効果が得られる。
1.被覆膜材料の融点がバッキングプレート材であるAlの融点以上である為、従来法の場合と比べて、ロウ材の溶け出し等による製品製造時の悪影響が全くない。
2.被覆膜が内部歪の大きな活性金属薄膜である為、界面での拡散開始温度が低下し、低荷重、低温、短時間で高い接合強度を有するターゲットが得られる。
3.低温での接合が可能である為、Al系バッキングプレート材の強度低下を抑制できる。

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