図面 (/)

技術 フレキシブル基板回路形成用導電性銀ペースト

出願人 ハリマ化成グループ株式会社
発明者 上田雅行後藤英之
出願日 2000年3月15日 (20年0ヶ月経過) 出願番号 2000-072183
公開日 2001年9月26日 (18年5ヶ月経過) 公開番号 2001-261778
状態 特許登録済
技術分野 プリント基板への印刷部品(厚膜薄膜部品) 高分子組成物 エポキシ樹脂 塗料、除去剤 導電材料
主要キーワード 回路抵抗値 アミン硬化型エポキシ樹脂 比抵抗測定用 導通回路 エポキシ樹脂硬化体 二量化体 液状硬化剤 アミン系硬化触媒
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2001年9月26日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (0)

図面はありません

課題

熱硬化して得られる導電性銀ペースト硬化体の薄い膜層が、可撓性に優れ、また、反復した屈曲にも耐える柔軟性を示し、屈曲の反復によっても、導電性が僅かにしか低下しない導電性銀ペーストの提供。

解決手段

銀粉末エポキシ樹脂成分からなる導電性銀ペーストであって、エポキシ樹脂成分は、必須な主成分として、ダイマー酸ジグリシジルエステル、その硬化剤または硬化触媒を含み、必要に応じて、副次的な成分として、前記ダイマー酸のジグリシジルエステル以外の液状のエポキシ樹脂材料を含むこともあるフレキシブル基板回路形成用導電性銀ペーストとする。

概要

背景

フレキシブル基板あるいはICカードにおける導通回路は、屈曲した状態での使用を予定した回路基板であり、今後ますます利用が広がることが予想される。これらのフレキシブル基板は、開発当初は、使用される電子部品等の実装の容易さから、回路材料として、基板表面に一面に接着された銅箔パターニングして所望の回路を作製する方法が用いられていた。この銅箔のパターニングは、レジストを塗布し、配線パターンマスクフィルムを介して露光とその後現像し、不要部分の銅箔をエッチング除去する方法で行われている。銅箔自体は、伸び特性が優れ、屈曲した状態で使用した際にも、配線電気抵抗が増加したりすることもなく、特性的には理想的な材料ではある。しかしながら、そのパターニング工程は、多くの工程からなり、それに付随して設備コスト、種々の工程で発生する廃液廃溶剤等の処理コストは、汎用を目的とする際、単価コストの低減化を困難とする要因となっている。

この銅箔をパターニング加工した導通回路を用いるフレキシブル基板に換えて、導電性銀ペーストを所望の回路パターン印刷し、熱硬化させた導電性銀ペースト硬化体を利用する試みが進められている。導電性銀ペースト硬化体自体、用いる銀粉末の形状を適宜選択して、銀粉末相互の接触を密にすることで、相当に細かなパターンに対しても、十分薄い膜厚であっても、所望の導電性が得られるまでに至っている。加えて、昨今、係るフレキシブル基板を利用する電子機器等では、消費電力の低減が進められ、必ずしも、極めて高い導電性を示す銅箔を用いる必要性は無くなってきている。これらの状況下、フレキシブル基板、あるいは、フレキシブル基板と同様に屈曲した条件での使用頻度が高いICカードにおける導通回路に対して、回路形成再現性・作業効率性の利点を持つ、スクリーン印刷による導電性銀ペーストの応用が望まれている。

しかしながら、従来の多用されている導電性銀ペーストは、スクリーン印刷による微細な回路形成も可能で、その導電性も十分な水準に達しているものの、利用されている樹脂は、その骨格芳香環などの環構造を含むエポキシ樹脂であり、熱硬化後屈曲性は然程高くなく、例えば、極端な屈曲が反複して行われる際には、次第に電気抵抗が増加するものであった。従前の導電性銀ペーストでは、この電気抵抗の増加は、屈曲回数蓄積に伴い、ある回数閾値として加速度的に進む傾向を示し、特に、ICカードなどのように、屈曲時の曲率が大きく、そのような極端な屈曲が日常的に繰り返される使用形態への適用には、柔軟性、可撓性が十分ではないものであった。

概要

熱硬化して得られる導電性銀ペースト硬化体の薄い膜層が、可撓性に優れ、また、反復した屈曲にも耐える柔軟性を示し、屈曲の反復によっても、導電性が僅かにしか低下しない導電性銀ペーストの提供。

銀粉末とエポキシ樹脂成分からなる導電性銀ペーストであって、エポキシ樹脂成分は、必須な主成分として、ダイマー酸ジグリシジルエステル、その硬化剤または硬化触媒を含み、必要に応じて、副次的な成分として、前記ダイマー酸のジグリシジルエステル以外の液状のエポキシ樹脂材料を含むこともあるフレキシブル基板回路形成用導電性銀ペーストとする。

目的

本発明は、前記の課題を解決するもので、本発明の目的は、スクリーン印刷による微細な回路形成が可能であって、その後熱硬化して得られる導電性銀ペースト硬化体の薄い膜層は、可撓性に優れ、また、反復した屈曲にも耐える柔軟性を示し、特には、屈曲の反復によっても、導電性が僅かにしか低下しない導電性銀ペーストを提供することにある。より具体的には、従来の導電性銀ペーストに用いられていた樹脂成分に換えて、新たな組成の樹脂成分を含む導電性銀ペースト、例えば、フレキシブル基板回路形成用に適する導電性銀ペーストを提供することにある。また、本発明は、その最終的な目的として、前記する導電性銀ペーストを用いて達成される導電性銀ペースト硬化体の特徴、柔軟性、可撓性に富む利点を利用したフレキシブル基板、または、ICカード用実装基板を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
2件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

導電性基材となる銀粉末エポキシ樹脂成分からなる導電性銀ペーストであって、前記エポキシ樹脂成分は、必須な主成分として、ダイマー酸ジグリシジルエステル、その硬化剤または硬化触媒を含み、必要に応じて、副次的な成分として、前記ダイマー酸のジグリシジルエステル以外の液状のエポキシ樹脂材料を含むこともあることを特徴とするフレキシブル基板回路形成用導電性銀ペースト。

請求項2

ダイマー酸のジグリシジルエステルとその他の液状のエポキシ樹脂材料の総重量中、ダイマー酸のジグリシジルエステルは80重量%以上、その他の液状エポキシ樹脂材料は20重量%以下であり、かつ、前記のその他の液状のエポキシ樹脂材料は、1種以上の樹脂材料を含んでもよいが、少なくとも、ビスフェノールA型またはビスフェノールFエポキシ樹脂脂環式エポキシ樹脂アミン硬化型エポキシ樹脂ノボラック変性エポキシ樹脂ウレタン変性エポキシ樹脂からなる群から選択される1種以上のエポキシ樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル基板回路形成用導電性銀ペースト。

請求項3

ダイマー酸のジグリシジルエステル用の硬化触媒として、カチオンラジカル系触媒を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のフレキシブル基板回路形成用導電性銀ペースト。

請求項4

ダイマー酸のジグリシジルエステル用の硬化触媒として、アミン系触媒を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のフレキシブル基板回路形成用導電性銀ペースト。

請求項5

銀粉末100重量部に対して、エポキシ樹脂成分として、ダイマー酸のジグリシジルエステルまたは主成分のダイマー酸のジグリシジルエステルと副次的成分のその他の液状エポキシ樹脂材料の総和として、エポキシ樹脂材料を10〜25重量部、ならびに前記エポキシ樹脂材料用の液状酸無水物系硬化剤を5〜20重量部を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のフレキシブル基板回路形成用導電性銀ペースト。

請求項6

液状酸無水物系硬化剤は、モノメチルテトラヒドロ無水フタル酸、モノメチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸無水メチルハイミック酸からなる群から選択される酸無水物を少なくとも1種含むことを特徴とする請求項5に記載のフレキシブル基板回路形成用導電性銀ペースト。

請求項7

銀粉末100重量部に対して、エポキシ樹脂成分として、ダイマー酸のジグリシジルエステルまたは主成分のダイマー酸のジグリシジルエステルと副次的成分のその他の液状エポキシ樹脂材料の総和として、エポキシ樹脂材料を10〜25重量部、ならびにカチオンラジカル系触媒剤を0.1〜0.5重量部を含むことを特徴とする請求項3に記載のフレキシブル基板回路形成用導電性銀ペースト。

請求項8

銀粉末100重量部に対して、エポキシ樹脂成分として、ダイマー酸のジグリシジルエステルまたは主成分のダイマー酸のジグリシジルエステルと副次的成分のその他の液状エポキシ樹脂材料の総和として、エポキシ樹脂材料を10〜25重量部、ならびにアミン系触媒剤を0.1〜0.5重量部を含むことを特徴とする請求項4に記載のフレキシブル基板回路形成用導電性銀ペースト。

請求項9

請求項1〜8のいずれか1項に記載の導電性銀ペーストを用い、フレキシブル基板上に、所望の回路パターンに前記導電性銀ペーストをスクリーン印刷し、熱硬化させてなる導電性銀ペースト硬化体導通回路がその表面に設けられていることを特徴とするフレキシブル基板。

請求項10

請求項1〜8のいずれか1項に記載の導電性銀ペーストを用い、ICカード実装基板上に、所望の回路パターンに前記導電性銀ペーストをスクリーン印刷し、熱硬化させてなる導電性銀ペースト硬化体の導通回路がその表面に設けられていることを特徴とするICカード用実装基板。

技術分野

0001

本発明は、電子機器などの分野で使用されるフレキシブル基板上の導通回路形成、あるいは、ICカードにおける導通回路形成に利用される回路形成用導電性銀ペーストに関する。より具体的には、屈曲した状態での使用をも予定した基板上へ、導通回路を印刷形成する際に利用される、エポキシ樹脂を用いた導電性銀ペーストに関する。

背景技術

0002

フレキシブル基板あるいはICカードにおける導通回路は、屈曲した状態での使用を予定した回路基板であり、今後ますます利用が広がることが予想される。これらのフレキシブル基板は、開発当初は、使用される電子部品等の実装の容易さから、回路材料として、基板表面に一面に接着された銅箔パターニングして所望の回路を作製する方法が用いられていた。この銅箔のパターニングは、レジストを塗布し、配線パターンマスクフィルムを介して露光とその後現像し、不要部分の銅箔をエッチング除去する方法で行われている。銅箔自体は、伸び特性が優れ、屈曲した状態で使用した際にも、配線電気抵抗が増加したりすることもなく、特性的には理想的な材料ではある。しかしながら、そのパターニング工程は、多くの工程からなり、それに付随して設備コスト、種々の工程で発生する廃液廃溶剤等の処理コストは、汎用を目的とする際、単価コストの低減化を困難とする要因となっている。

0003

この銅箔をパターニング加工した導通回路を用いるフレキシブル基板に換えて、導電性銀ペーストを所望の回路パターン印刷し、熱硬化させた導電性銀ペースト硬化体を利用する試みが進められている。導電性銀ペースト硬化体自体、用いる銀粉末の形状を適宜選択して、銀粉末相互の接触を密にすることで、相当に細かなパターンに対しても、十分薄い膜厚であっても、所望の導電性が得られるまでに至っている。加えて、昨今、係るフレキシブル基板を利用する電子機器等では、消費電力の低減が進められ、必ずしも、極めて高い導電性を示す銅箔を用いる必要性は無くなってきている。これらの状況下、フレキシブル基板、あるいは、フレキシブル基板と同様に屈曲した条件での使用頻度が高いICカードにおける導通回路に対して、回路形成再現性・作業効率性の利点を持つ、スクリーン印刷による導電性銀ペーストの応用が望まれている。

0004

しかしながら、従来の多用されている導電性銀ペーストは、スクリーン印刷による微細な回路形成も可能で、その導電性も十分な水準に達しているものの、利用されている樹脂は、その骨格芳香環などの環構造を含むエポキシ樹脂であり、熱硬化後屈曲性は然程高くなく、例えば、極端な屈曲が反複して行われる際には、次第に電気抵抗が増加するものであった。従前の導電性銀ペーストでは、この電気抵抗の増加は、屈曲回数蓄積に伴い、ある回数閾値として加速度的に進む傾向を示し、特に、ICカードなどのように、屈曲時の曲率が大きく、そのような極端な屈曲が日常的に繰り返される使用形態への適用には、柔軟性、可撓性が十分ではないものであった。

発明が解決しようとする課題

0005

従って、フレキシブル基板やICカードにおける導通回路に対して、導電性銀ペーストの利用を更に進めるためには、柔軟性、可撓性に富み、極端な屈曲を加えた際にも、導電性を保持し、また、頻繁に屈曲が繰り返される場合でも、経時的な導電性の低下が僅かに抑えられる新たな導電性銀ペーストが要望される。

0006

本発明は、前記の課題を解決するもので、本発明の目的は、スクリーン印刷による微細な回路形成が可能であって、その後熱硬化して得られる導電性銀ペースト硬化体の薄い膜層は、可撓性に優れ、また、反復した屈曲にも耐える柔軟性を示し、特には、屈曲の反復によっても、導電性が僅かにしか低下しない導電性銀ペーストを提供することにある。より具体的には、従来の導電性銀ペーストに用いられていた樹脂成分に換えて、新たな組成の樹脂成分を含む導電性銀ペースト、例えば、フレキシブル基板回路形成用に適する導電性銀ペーストを提供することにある。また、本発明は、その最終的な目的として、前記する導電性銀ペーストを用いて達成される導電性銀ペースト硬化体の特徴、柔軟性、可撓性に富む利点を利用したフレキシブル基板、または、ICカード用実装基板を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは、上記の課題を解決すべく、鋭意研究を進める過程で、従来の導電性銀ペーストにおいて、屈曲に起因して生じていた抵抗値の顕著な増大に至る機構を考察した。その考察において、導電性銀ペースト硬化体では、その導電性は、含まれている銀粉末相互が接触し、面方向に網目状に導通経路が確保されることで所望の抵抗率以下となっている。導電性銀ペーストに含まれる樹脂は、網目状に配向されている銀粉末の隙間を埋め、その状態で硬化して、前記の相互接触を保持させる機能を持っている。従来の導電性銀ペーストに用いられているエポキシ樹脂は、その骨格に芳香環などの環状構造を有しており、機械的な強度は高いが、一方、柔軟性は乏しい。そのため、屈曲させた際には、外力により一旦形状変化が引き起こされると、外力が除かれても、変化した形状に留まる。結果として、この樹脂によって、その相対的な接触・位置が保持されていた銀粉末は、樹脂自体が変形してしまうと、最早、従前の接触を維持できないものとなる。極端な屈曲、あるいは、屈曲が繰り返されると、前記の内部的な配置が相互の接触が部分的に分断され、抵抗値の大幅な増加を引き起こすに至ることがあることが判明した。この知見に基づき、硬化した際に機械的な接着強度はある水準以上に高いが、樹脂全体としては、柔軟性、可撓性にも富む骨格を有する樹脂成分を用いると、極端な屈曲、あるいは、屈曲が繰り返された際にも、外力を除くと旧の形状に復し、その結果、銀粉末の相互接触が概ね維持され、抵抗値自体の変化を僅かなものとできることを見出した。具体的には、樹脂の骨格が、鎖状炭素鎖からなるダイマー酸ジグリシジルエステルを主な樹脂成分とすると、外力を除くと旧の形状に復し、その結果、銀粉末の相互接触が概ね維持され、抵抗値自体の変化を僅かなものとできることを見出し、係る知見に基づき、本発明を完成するに至った。

0008

すなわち、本発明のフレキシブル基板回路形成用導電性銀ペーストは、導電性基材となる銀粉末とエポキシ樹脂成分からなる導電性銀ペーストであって、前記エポキシ樹脂成分は、必須な主成分として、ダイマー酸のジグリシジルエステル、その硬化剤または硬化触媒を含み、必要に応じて、副次的な成分として、前記ダイマー酸のジグリシジルエステル以外の液状のエポキシ樹脂材料を含むこともあることを特徴とする回路形成用導電性銀ペーストである。

0009

その他の液状のエポキシ樹脂材料を含む際には、ダイマー酸のジグリシジルエステルとその他の液状のエポキシ樹脂材料の総重量中、ダイマー酸のジグリシジルエステルは80重量%以上、その他の液状エポキシ樹脂材料は20重量%以下であり、かつ、前記のその他の液状のエポキシ樹脂材料は、1種以上の樹脂材料を含んでもよいが、少なくとも、ビスフェノールA型またはビスフェノールF型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂アミン硬化型エポキシ樹脂ノボラック変性エポキシ樹脂ウレタン変性エポキシ樹脂からなる群から選択される1種以上のエポキシ樹脂を含むことを特徴とする基板回路形成用導電性銀ペーストとすると好ましい。

0010

なお、これらの導電性銀ペーストにおいて、ダイマー酸のジグリシジルエステル用の硬化触媒として、カチオンラジカル系触媒を含むことを特徴とする回路形成用導電性銀ペーストは、より好ましいものとなる。あるいは、これらの導電性銀ペーストにおいて、ダイマー酸のジグリシジルエステル用の硬化触媒として、アミン系触媒を含むことを特徴とする回路形成用導電性銀ペーストも、同様により好ましいものとなる。

0011

さらには、本発明のフレキシブル基板回路形成用導電性銀ペーストにおいて、例えば、銀粉末100重量部に対して、エポキシ樹脂成分として、ダイマー酸のジグリシジルエステルまたは主成分のダイマー酸のジグリシジルエステルと副次的成分のその他の液状エポキシ樹脂材料の総和として、エポキシ樹脂材料を10〜25重量部、ならびに前記エポキシ樹脂材料用の液状酸無水物系硬化剤を5〜20重量部を含むことを特徴とする回路形成用導電性銀ペーストは、より好ましい組成のものである。加えて、前記の組成のなかでも、液状酸無水物系硬化剤は、モノメチルテトラヒドロ無水フタル酸、モノメチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸無水メチルハイミック酸からなる群から選択される酸無水物を少なくとも1種含むことを特徴とする導電性銀ペーストは、一層好ましい。

0012

あるいは、本発明のフレキシブル基板回路形成用導電性銀ペーストにおいて、例えば、銀粉末100重量部に対して、エポキシ樹脂成分として、ダイマー酸のジグリシジルエステルまたは主成分のダイマー酸のジグリシジルエステルと副次的成分のその他の液状エポキシ樹脂材料の総和として、エポキシ樹脂材料を10〜25重量部、ならびにカチオンラジカル系触媒剤を0.1〜0.5重量部を含むことを特徴とする導電性銀ペーストも、より好ましい組成のものである。また、例えば、銀粉末100重量部に対して、エポキシ樹脂成分として、ダイマー酸のジグリシジルエステルまたは主成分のダイマー酸のジグリシジルエステルと副次的成分のその他の液状エポキシ樹脂材料の総和として、エポキシ樹脂材料を10〜25重量部、ならびにアミン系触媒剤を0.1〜0.5重量部を含むことを特徴とする導電性銀ペーストも、より好ましい組成のものである。

0013

従って、本発明のフレキシブル基板は、上記本発明の導電性銀ペーストを用い、フレキシブル基板上に、所望の回路パターンに前記導電性銀ペーストをスクリーン印刷し、熱硬化させてなる導電性銀ペースト硬化体の導通回路がその表面に設けられていることを特徴とするフレキシブル基板である。同じく、本発明のICカード用実装基板は、上記本発明の導電性銀ペーストを用い、ICカード用実装基板上に、所望の回路パターンに前記導電性銀ペーストをスクリーン印刷し、熱硬化させてなる導電性銀ペースト硬化体の導通回路がその表面に設けられていることを特徴とするICカード用実装基板である。

発明を実施するための最良の形態

0014

本発明の導電性銀ペーストは、従来の導電性銀ペーストにおいて利用されていた、その骨格に芳香環などの環状構造を有しているエポキシ樹脂に換えて、樹脂の骨格が鎖状の炭素鎖からなる、ダイマー酸のジグリシジルエステルを主な樹脂成分に置き換えたものである。この樹脂骨格の主な構成要素に鎖状の炭素鎖を用いることにより、熱硬化後に得られる硬化体は、従来の芳香環など環状構造を骨格とするエポキシ樹脂硬化体と異なり、可撓性に富み、また、柔軟性も有するものとなる。更には、外力が加わった際にも、全体として弾性的な歪み・変形は起こすが、塑性的な変形には至らず、樹脂の有するこの弾力性の利点に伴い、外力が除かれると旧に復する作用を生じさせる。この作用は、かかるエポキシ樹脂がバインダーとなって、相互に接触を取り、網目状の導通経路を確保している銀粉末が、外力を除くと、樹脂に伴われて、元来の配置を回復する働きを有する。

0015

以下に、本発明の導電性銀ペースト、それを構成する銀粉末、樹脂成分、また、必要に応じて添加する副次的成分、ならびに、かかるペースト状組成物調製方法について、より詳しく説明する。

0016

本発明の導電性銀ペーストは、所望の回路パターンにスクリーン印刷する態様で利用される。従って、含まれる導電性基材となる銀粉末自体は、目的とする回路パターンの膜厚ならびに最小ライン幅に応じて選択されるスクリーン印刷用スクリーンメッシュ径、形状に適合する形状、粒子径を選択するとよい。前記の使用用途・対象に付随する制限はあるものの、本発明の効果は、用いる銀粉末の形状、その粒径に依存することなく達成され、換言するならば、銀粉末の形状、その粒径に本質的な制限はないものである。また、銀粉末の調製法にも、原則依存せず、例えば、電解銀粉アトマイズ粉などが使用できる。その水素還元量や粒径は、限定されるものではないが、通常、スクリーン印刷性、導電性を高めるためには、細かな粒径を選択すると一般に好ましい。かかる銀粉末の形状、粒子径、その製造法は、従来の導電性銀ペーストにおいて採用されている種々の選択を用いることもできる。

0017

用いる銀粉末の表面は、予め表面処理を施したものとすることもできる。例えば、銀粉末の表面を、脂肪酸系表面処理剤、各種カップリング剤系表面処理剤で処理することができる。また、この種の表面処理済の銀粉末も市販されており、例えば、福田金属箔粉工業(株)製のAgC−L、AgC−GS、AgC−D、三井金属鉱業(株)製のSPN20J、同和鉱業(株)製のAG−5−7Aなどの市販品がある。

0018

また、銀粉末と樹脂成分の含有比率は、銀粉末自体の形状、粒子径に応じて、平坦な表面上において、所望の導電性、所定の抵抗率以下となるように適宜選択されるものである。通常、銀粉末100重量部に対して、樹脂成分を8〜40重量部、好ましくは、10〜35重量部とするとよい。

0019

本発明の導電性銀ペーストは、銀粉末と液状の樹脂成分を均一に攪拌・混合して調製される。混合後、長期の保存性を高めるため、市販の沈降防止剤分散剤を適宜選択し、適量を添加することもできる。また、硬化後、銀粉末とバインダーとなる樹脂との密着性を増すなどの作用を持つ、カップリング剤を適宜選択し、適量を添加することもできる。なお、これらの付加的な添加剤は、使用される樹脂の含有比率に応じて、その添加量を選択する。

0020

本発明の導電性銀ペーストを特徴つけるものは、バインダーとなる樹脂組成である。すなわち、熱硬化性エポキシ樹脂組成物として、芳香環などの環状構造を有しているエポキシ樹脂ではなく、ダイマー酸のジグリシジルエステルを主な樹脂成分に選択する点に特徴を有している。このダイマー酸のジグリシジルエステルにおける主骨格部分であるダイマー酸は、C18不飽和脂肪酸が相互に重合したものである。なお、ダイマー酸自体は、原料のC18不飽和脂肪酸を重合させる過程で、付随的に異性化も若干進行するため、幾つかの二量化異性体を含むものとなっている。さらには、市販されるダイマー酸は、二量化体以外にも、トリマー(三量化体)以上のオリゴマー原料由来モノマーをも不可避的に含むものとなっている。トリマー(三量化体)以上のオリゴマーと原料由来のモノマーは、分留によって、相当量を分離し、ダイマー酸の含有率が95%以上の組成としたものが用いられる。

0021

本発明において利用されるダイマー酸のジグリシジルエステルは、ダイマー酸とエピクロロヒドリンの反応により、ジグリシジルエステル化したもので、本来原料のダイマー酸に含まれる種々の異性体、若干のトリマー体、モノマー体をも含むものである。ダイマー酸自体の工業的な合成法は、その出発原料のC18不飽和脂肪酸モノマーに、トール油脂肪酸オレイン酸を用い、その重合方法として、熱的二量化、あるいは、粘土などの触媒を用いた二量化が用いられる。本発明においては、ダイマー酸は、一般的な製法に従って、オレイン酸、リノール酸リノレン酸などのC18不飽和脂肪酸モノマーを熱重合して得られるC36のジカルボン酸などを用いる。このC36のジカルボン酸とエピクロロヒドリンとをアルカリの存在下に反応させて得られるダイマー酸のジグリシジルエステル、例えば、エポコート(油化シェルエポキシ製)などを用いることができる。なかでも、、下記反応式(I):

0022

ID=000002HE=030 WI=136 LX=0370 LY=1650
あるいは、反応式(II):

0023

ID=000003HE=025 WI=133 LX=0385 LY=2050
で得られるダイマー酸のジグリシジルエステルなどなどが好ましい。

0024

ダイマー酸のジグリシジルエステルに加えて、副次的な成分として、その他の液状エポキシ樹脂を加えることもできる。すなわち、主成分のダイマー酸のジグリシジルエステルを用いることで得られる効果を損なわない範囲、好ましくは、ダイマー酸のジグリシジルエステルとその他の液状のエポキシ樹脂材料の総重量中、ダイマー酸のジグリシジルエステルは80重量%以上、その他の液状エポキシ樹脂材料は20重量%以下の範囲、より好ましくは、その他の液状エポキシ樹脂材料は15重量%以下の範囲とする。前記の含有比率である限り、その他の液状のエポキシ樹脂材料は、1種以上の樹脂材料を含んでもよいが、少なくとも、ビスフェノールA型またはビスフェノールF型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、アミン硬化型エポキシ樹脂、ノボラック変性エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂からなる群から選択される1種以上のエポキシ樹脂を含む構成とするとより好ましい。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、エピコート828(油化シェルエポキシ製)など、ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、EP−4901E(旭電化工業製)など、脂環式エポキシ樹脂としては、セロサイド2021(ダイセル化学工業製)など、アミン硬化型エポキシ樹脂としては、EP−49−20(旭電化工業製)など、ノボラック変性エポキシ樹脂としては、エピコート152(油化シェルエポキシ製)など、ウレタン変性エポキシ樹脂としては、EPU−78−11(旭電化工業製)などを用いるとよい。

0025

前記の液状エポキシ樹脂化合物に対して、その熱硬化を誘起する硬化剤または硬化触媒を加え、液状エポキシ樹脂化合物と均一に攪拌・混合して液状エポキシ樹脂組成物とする。硬化剤としては、ダイマー酸のジグリシジルエステル中のグリシジル基エポキシ環)の開環重合反応を起こす、常温において液状の酸無水物などが好ましい。熱硬化温度として、130〜250℃の範囲で、硬化に要する時間が、10〜60分間となるものがよい。例えば、モノメチルテトラヒドロ無水フタル酸(モノメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ無水フタル酸)、モノメチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、無水メチルハイミック酸から選択すると好ましい。ダイマー酸のジグリシジルエステルの1分子に対して、硬化剤の酸無水物を1.6〜2.4分子混合すると好ましい。ダイマー酸のジグリシジルエステルに加えて、その他の液状エポキシ樹脂化合物を含む場合にも、エポキシ樹脂化合物の1分子に対して、硬化剤の酸無水物を1.6〜2.4分子混合すると好ましい。

0026

酸無水物の分子量にも依存するが、ダイマー酸のジグリシジルエステルまたは主成分のダイマー酸のジグリシジルエステルと副次的成分のその他の液状エポキシ樹脂材料の総和として、エポキシ樹脂材料を10〜25重量部の範囲とする際、前記エポキシ樹脂材料用の液状酸無水物系硬化剤を5〜20重量部を用いると好ましい。

0027

また、前記の硬化剤に換えて、硬化触媒を添加することもできる。硬化触媒としては、カチオンラジカル系触媒ならびにアミン系触媒のいずれもが利用できる。硬化触媒を用いた際にも、熱硬化温度として、130〜250℃の範囲で、硬化に要する時間が、10〜60分間となるものがよい。カチオンラジカル系触媒としては、例えば、6フッ化アンチモン芳香族スルホニウム塩であるサンエンドSI−60L(三新化学工業製)などを用いると好ましい。また、アミン系触媒としては、例えば、アミキュアPN−23(味の素製)などを用いると好ましい。

0028

ダイマー酸のジグリシジルエステルの1分子に対して、前記のカチオンラジカル系触媒を0.01〜0.2分子混合すると好ましい。ダイマー酸のジグリシジルエステルに加えて、その他の液状エポキシ樹脂化合物を含む場合にも、エポキシ樹脂化合物の1分子に対して、前記のカチオンラジカル系触媒を0.01〜0.2分子混合すると好ましい。カチオンラジカル系触媒の分子量にも依るが、ダイマー酸のジグリシジルエステルまたは主成分のダイマー酸のジグリシジルエステルと副次的成分のその他の液状エポキシ樹脂材料の総和として、エポキシ樹脂材料を10〜25重量部の範囲とする際、前記のカチオンラジカル系触媒を0.1〜0.5重量部を用いると好ましい。

0029

また、ダイマー酸のジグリシジルエステルの1分子に対して、前記のアミン系触媒を0.01〜0.3分子混合すると好ましい。ダイマー酸のジグリシジルエステルに加えて、その他の液状エポキシ樹脂化合物を含む場合にも、エポキシ樹脂化合物の1分子に対して、前記のアミン系触媒を0.01〜0.3分子混合すると好ましい。アミン系触媒の分子量にも依るが、ダイマー酸のジグリシジルエステルまたは主成分のダイマー酸のジグリシジルエステルと副次的成分のその他の液状エポキシ樹脂材料の総和として、エポキシ樹脂材料を10〜25重量部の範囲とする際、前記のアミン系触媒を0.1〜0.5重量部を用いると好ましい。

0030

本発明の導電性銀ペーストは、予め液状エポキシ樹脂組成物を攪拌・混合して調製し、所定量の銀粉末を添加して、両者を均一に混合し、樹脂組成物中に銀粉末を密に分散させる。可能であるならば、使用の直前にその調製を行うとよい。

0031

以下に、具体例を挙げて、本発明の導電性銀ペーストとその調製方法をより具体的に説明する。さらには、本発明の導電性銀ペーストを用いて回路形成したフレキシブル回路基板において、基板を大きな曲率で屈曲させた際にも、形成されている導通回路自体の導電性、すなわち、抵抗率は、ごく僅かな変化を受けるのみであることを、具体的な試験例により示す。これら具体例は、いずれも、本発明の導電性銀ペーストにおいて、最良の実施形態の一例であるが、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。

0032

(実施例1)本実施例は、導電性銀ペーストを構成する樹脂成分に、エポキシ樹脂成分として、ダイマー酸のジグリシジルエステルと、その硬化剤として、液状硬化剤、具体的には、ドデセニル無水コハク酸とからなる熱硬化型エポキシ樹脂組成物を用いた例である。すなわち、エポキシ樹脂組成物には、液状エポキシ樹脂として、ダイマー酸のジグリシジルエステル(エピコート871 油化シェル製)12重量部に対して、液状硬化剤として、ドデセニル無水コハク酸(和光純薬工業製)7重量部を混合し、両者を自転公転式攪拌脱泡機型式MX−201 (株)シンキー製)を用いて、公転2000rpm、自転667rpmの条件で1分間混合したものを用いた。

0033

得られたエポキシ樹脂組成物の19重量部に銀粉末(AgC−GS 福田金属箔粉工業製)81重量部を添加し、前記の自転・公転式の攪拌脱泡機により、公転2000rpm、自転667rpmの条件で2分間攪拌混合して、銀ペーストに調製した。この銀ペーストは、所望の膜厚に塗布し、150℃、15分間の硬化条件で熱硬化させ、導電性銀ペースト硬化体とすることができる。

0034

前記の硬化条件で得られる導電性銀ペースト硬化体において達成される比抵抗指標として、紙フェノール基板(銅箔の張っていないもの)の表面に、スクリーン印刷により、硬化後のペースト厚さが50μm、幅10mm、長さ500mmの比抵抗測定用の回路を形成した。硬化後、前記の評価試料について、その抵抗値を測定して、作製時の比抵抗は、8.5×10-5Ω・cmであることを確認した。

0035

本実施例の導電性銀ペーストを用いて導通回路形成を行ったフレキシブル基板においては、大きな曲率で屈曲させた際にも、導電性銀ペースト硬化体自体に微細な割れが生じることもなく、また、屈曲させた状態において、作製時(屈曲前)と比較して、その導電性に僅かな変化しか生じないことを検証した。具体的には、この屈曲性評価用試料として、硬化後のペースト厚さが100μm、幅5mm、長さ100mmの回路を、テフロンシート基板上にスクリーン印刷し、硬化条件150℃、15分間で熱硬化させた。予め、作製時(屈曲前)の比抵抗を測定したところ、8.0×10-5Ω・cmであった。

0036

このフレキシブル基板試料を、テフロンシートから剥がし、直径5mmの円柱状の固定台巻き付けて屈曲させた。屈曲した状態で、フレキシブル基板試料の抵抗値を測定して、比抵抗を算定したところ、8.7×10-5Ω・cmであった。ついで、固定台から取り外し、平らに伸ばした状態で、再度抵抗値を測定して、比抵抗を算定したところ、8.3×10-5Ω・cmであった。また、導電性銀ペースト硬化体膜の表面形状を顕微鏡下で観察したが、前記の屈曲によって、微細な割れが生じた痕跡すらも見出されなかった。

0037

(実施例2)本実施例は、導電性銀ペーストを構成する樹脂成分に、エポキシ樹脂成分として、ダイマー酸のジグリシジルエステルに、その硬化触媒として、カチオン系硬化触媒、具体的には、6フッ化アンチモンを添加してなる熱硬化型エポキシ樹脂組成物を用いた例である。すなわち、エポキシ樹脂組成物には、液状エポキシ樹脂として、ダイマー酸のジグリシジルエステル(エピコート871 油化シェル製)20重量部に対して、カチオン系硬化触媒として、6フッ化アンチモン(サンエイドSI−80L 三新化学工業製)0.6重量部を混合し、両者を自転・公転式の攪拌脱泡機(型式MX−201 (株)シンキー製)を用いて、公転2000rpm、自転667rpmの条件で1分間混合したものを用いた。

0038

得られたエポキシ樹脂組成物の20.6重量部に銀粉末(AgC−GS 福田金属箔粉工業製)79.4重量部を添加し、前記の自転・公転式の攪拌脱泡機により、公転2000rpm、自転667rpmの条件で2分間攪拌混合して、銀ペーストに調製した。この銀ペーストは、所望の膜厚に塗布し、150℃、15分間の硬化条件で熱硬化させ、導電性銀ペースト硬化体とすることができる。

0039

前記の硬化条件で得られる導電性銀ペースト硬化体において達成される比抵抗の指標として、紙フェノール基板(銅箔の張っていないもの)の表面に、スクリーン印刷により、硬化後のペースト厚さが50μm、幅10mm、長さ500mmの比抵抗測定用の回路を形成した。硬化後、前記の評価試料について、その抵抗値を測定して、作製時の比抵抗は、1.7×10-4Ω・cmであることを確認した。

0040

本実施例の導電性銀ペーストを用いて導通回路形成を行ったフレキシブル基板においては、大きな曲率で屈曲させた際にも、導電性銀ペースト硬化体自体に微細な割れが生じることもなく、また、屈曲させた状態において、作製時(屈曲前)と比較して、その導電性に僅かな変化しか生じないことを検証した。具体的には、この屈曲性評価用試料として、硬化後のペースト厚さが100μm、幅5mm、長さ100mmの回路を、テフロンシート基板上にスクリーン印刷し、硬化条件150℃、15分間で熱硬化させた。予め、作製時(屈曲前)の比抵抗を測定したところ、2.3×10-4Ω・cmであった。

0041

このフレキシブル基板試料を、テフロンシートから剥がし、直径5mmの円柱状の固定台に巻き付けて屈曲させた。屈曲した状態で、フレキシブル基板試料の抵抗値を測定して、比抵抗を算定したところ、2.4×10-4Ω・cmであった。ついで、固定台から取り外し、平らに伸ばした状態で、再度抵抗値を測定して、比抵抗を算定したところ、2.4×10-4Ω・cmであった。また、導電性銀ペースト硬化体膜の表面形状を顕微鏡下で観察したが、前記の屈曲によって、微細な割れが生じた痕跡すらも見出されなかった。

0042

(実施例3)本実施例は、導電性銀ペーストを構成する樹脂成分に、エポキシ樹脂成分として、主成分のダイマー酸のジグリシジルエステルに、副次的成分として、ビスフェノールF型液状エポキシ樹脂少量を加え、このエポキシ樹脂成分と、その硬化剤として、液状硬化剤、具体的には、ドデセニル無水コハク酸とからなる熱硬化型エポキシ樹脂組成物を用いた例である。すなわち、エポキシ樹脂組成物には、液状エポキシ樹脂として、ダイマー酸のジグリシジルエステル(エピコート871 油化シェル製)10重量部およびビスフェノールF型液状エポキシ樹脂(EP−4901E、旭電化工業製)2重量部に対して、液状硬化剤として、ドデセニル無水コハク酸(和光純薬工業製)7重量部を混合し、両者を自転・公転式の攪拌脱泡機(型式MX−201 (株)シンキー製)を用いて、公転2000rpm、自転667rpmの条件で1分間混合したものを用いた。

0043

得られたエポキシ樹脂組成物の19重量部に銀粉末(AgC−GS 福田金属箔粉工業製)81重量部を添加し、前記の自転・公転式の攪拌脱泡機により、公転2000rpm、自転667rpmの条件で2分間攪拌混合して、銀ペーストに調製した。この銀ペーストは、所望の膜厚に塗布し、150℃、15分間の硬化条件で熱硬化させ、導電性銀ペースト硬化体とすることができる。

0044

前記の硬化条件で得られる導電性銀ペースト硬化体において達成される比抵抗の指標として、紙フェノール基板(銅箔の張っていないもの)の表面に、スクリーン印刷により、硬化後のペースト厚さが50μm、幅10mm、長さ500mmの比抵抗測定用の回路を形成した。硬化後、前記の評価試料について、その抵抗値を測定して、作製時の比抵抗は、6.8×10-5Ω・cmであることを確認した。

0045

本実施例の導電性銀ペーストを用いて導通回路形成を行ったフレキシブル基板においては、大きな曲率で屈曲させた際にも、導電性銀ペースト硬化体自体に微細な割れが生じることもなく、また、屈曲させた状態において、作製時(屈曲前)と比較して、その導電性に僅かな変化しか生じないことを検証した。具体的には、この屈曲性評価用試料として、硬化後のペースト厚さが100μm、幅5mm、長さ100mmの回路を、テフロンシート基板上にスクリーン印刷し、硬化条件150℃、15分間で熱硬化させた。予め、作製時(屈曲前)の比抵抗を測定したところ、7.0×10-5Ω・cmであった。

0046

このフレキシブル基板試料を、テフロンシートから剥がし、直径5mmの円柱状の固定台に巻き付けて屈曲させた。屈曲した状態で、フレキシブル基板試料の抵抗値を測定して、比抵抗を算定したところ、6.9×10-5Ω・cmであった。ついで、固定台から取り外し、平らに伸ばした状態で、再度抵抗値を測定して、比抵抗を算定したところ、6.8×10-5Ω・cmであった。また、導電性銀ペースト硬化体膜の表面形状を顕微鏡下で観察したが、前記の屈曲によって、微細な割れが生じた痕跡すらも見出されなかった。

0047

この実施例3の導電性銀ペーストは、上述の実施例1の導電性銀ペースト中のエポキシ樹脂;ダイマー酸のジグリシジルエステルを、ダイマー酸のジグリシジルエステルを80重量%以上、その他の液状エポキシ樹脂を20重量%以下とするエポキシ樹脂混合物に置き換えたものに相当する。両者を比較すると、副次的な成分である、その他の液状エポキシ樹脂の含有比率を前記する範囲とすると、得られる導電性銀ペースト硬化体の屈曲性は、有意な差異を示さないことが判る。

0048

(実施例4)本実施例は、導電性銀ペーストを構成する樹脂成分に、エポキシ樹脂成分として、ダイマー酸のジグリシジルエステルに、その硬化触媒として、アミン系硬化触媒、具体的には、アミンアダクトを添加してなる熱硬化型エポキシ樹脂組成物を用いた例である。すなわち、エポキシ樹脂組成物には、液状エポキシ樹脂として、ダイマー酸のジグリシジルエステル(エピコート871 油化シェル製)17重量部に対して、アミン系硬化触媒として、アミキュアPN−23(味の素製)3.4重量部を混合し、両者を自転・公転式の攪拌脱泡機(型式MX−201(株)シンキー製)を用いて、公転2000rpm、自転667rpmの条件で1分間混合したものを用いた。

0049

得られたエポキシ樹脂組成物の20.4重量部に銀粉末(AgC−GS 福田金属箔粉工業製)79.6重量部を添加し、前記の自転・公転式の攪拌脱泡機により、公転2000rpm、自転667rpmの条件で2分間攪拌混合して、銀ペーストに調製した。この銀ペーストは、所望の膜厚に塗布し、150℃、15分間の硬化条件で熱硬化させ、導電性銀ペースト硬化体とすることができる。

0050

前記の硬化条件で得られる導電性銀ペースト硬化体において達成される比抵抗の指標として、紙フェノール基板(銅箔の張っていないもの)の表面に、スクリーン印刷により、硬化後のペースト厚さが50μm、幅10mm、長さ500mmの比抵抗測定用の回路を形成した。硬化後、前記の評価試料について、その抵抗値を測定して、作製時の比抵抗は、1.3×10-4Ω・cmであることを確認した。

0051

このフレキシブル基板試料を、テフロンシートから剥がし、直径5mmの円柱状の固定台に巻き付けて屈曲させた。屈曲した状態で、フレキシブル基板試料の抵抗値を測定して、比抵抗を算定したところ、1.4×10-4Ω・cmであった。ついで、固定台から取り外し、平らに伸ばした状態で、再度抵抗値を測定して、比抵抗を算定したところ、1.4×10-4Ω・cmであった。また、導電性銀ペースト硬化体膜の表面形状を顕微鏡下で観察したが、前記の屈曲によって、微細な割れが生じた痕跡すらも見出されなかった。

発明の効果

0052

本発明の導電性銀ペーストでは、その硬化体において銀粉末のバインダーとなるエポキシ樹脂として、ダイマー酸のジグリシジルエステルを主成分とし、必要に応じて、副次的な成分として、他のエポキシ樹脂を添加したものを用いる。そのため、熱硬化により形成されるバインダー樹脂は、ダイマー酸に由来する鎖式炭素鎖を主な骨格構造要素とするものとなり、従来の芳香環などの環構造を主な骨格構造要素とするエポキシ樹脂を用いた導電性銀ペーストと異なり、可撓性に富み、柔軟性に優れ、それに伴い、極端な屈曲、あるいは、屈曲が繰り返された際にも、外力を除くと旧の形状に復し、その結果、銀粉末の相互接触が概ね維持され、抵抗値自体の変化は僅かなものとなる利点を有する。すなわち、本発明の導電性銀ペーストを用いて、所望の回路パターンをスクリーン印刷し、導電性硬化体により導通回路形成したフレキシブル基板やICカード用実装基板は、極端な屈曲、あるいは、屈曲が繰り返される使用条件においても、経時的な回路抵抗値の顕著な増加が有効に抑制できる効果が得られる。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 第一工業製薬株式会社の「 コート剤組成物およびその製造方法」が 公開されました。( 2019/09/19)

    【課題】塗工性に優れ、乾燥速度が速く、加熱による着色が少なく、耐摩耗性に優れた、コート剤組成物およびその製造方法を提供する事。【解決手段】下記条件(A)ないし(E)を満たすセルロースナノファイバー、水... 詳細

  • 第一工業製薬株式会社の「 塗料組成物およびその製造方法」が 公開されました。( 2019/09/19)

    【課題】保存安定性に優れ、配合する顔料等の成分の制限が少なく、塗工性に優れた塗料組成物およびその製造方法を提供する事。【解決手段】下記条件(A)ないし(E)を満たすセルロースナノファイバー、水混和性有... 詳細

  • 東洋モートン株式会社の「 接着用組成物、および施工方法」が 公開されました。( 2019/09/19)

    【課題】 本発明は、コンクリート、モルタルの打継ぎにおいて、上塗材の重ね塗りを必要とせずに、乾燥、湿潤、油潤した様々な下地に対して優れた打継性能(優れた強度)を発現する、従来と比較して格段に汎用性が... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ