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技術 カール矯正装置およびシート搬送装置および画像形成装置

出願人 株式会社リコー
発明者 吉川政昭藤原宏大久保泰秀
出願日 2000年3月24日 (20年8ヶ月経過) 出願番号 2000-084075
公開日 2001年9月26日 (19年2ヶ月経過) 公開番号 2001-261211
状態 特許登録済
技術分野 シートの分離、振分け、減速、湾曲
主要キーワード 熱源部材 始発位置 揺動レバ 空転ローラ 挟持作用 曲率方向 最終減速歯車 行程長
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2001年9月26日)のものです。
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図面 (18)

課題

確実にカール矯正することができるとともに、そのために用いられる構成の繁雑性をなくしてコストアップを防止し、さらには使用されるシートに発生するカールの度合いに関係なくそのカールを矯正することができる構成を備えたカール矯正装置を提供する。

解決手段

シートに発生しているカールを矯正するために、上記シートの搬送路を構成するエンドレスベルト9Aと、上記エンドレスベルト9Aが掛け回されている複数のローラ9C、9Dと、上記エンドレスベルト9Aの展張面に対向当接して上記シートの搬送方向に対応した方向に回転可能な搬送駆動用ローラ9Bとを備え、上記エンドレスベルト9Aは、上記搬送駆動用ローラ9Bに対する巻き付け角度が変更可能に設けられていることを特徴とする。

概要

背景

複写機プリンタあるいはファクシミリ装置などの画像形成装置においては、潜像担持体である感光体表面に担持されたトナー像などの可視像が記録紙などのシート転写され、そのシートが定着装置により加熱定着された後、排出される。定着装置では、シートにおけるトナー像担持面加熱ローラなどの熱源部材に接触し、可視像が定着される。

ところで、画像形成装置においては、シートを収容しているカセット始発位置として排出トレイが位置する終点位置までのシート搬送路縦方向に設定した場合、画像形成装置のが嵩張るのを防ぐために、搬送路の途中をそれまでの搬送方向に対して折り曲げる場合がある。例えば、搬送路の方向切り換え位置として、定着装置から排出トレイに至るシートの排出路がある。この場合には、定着装置から繰り出されたシートは、排出トレイに至る途中に配置されているガイド部材搬送ローラなどによってガイドされ、排出トレイの前方に位置するシート排出用のシート搬送装置によって排出トレイ上に向け搬送される。定着装置を通過するシートにおいては、可視像を担持している面における含水量が加熱によって変化し、巻き癖、いわゆる、カールが発生しやすくなる。このため、排出トレイに排出された際に積層される場合には端縁バラバラになったりする虞がある。

シートに発生したカールを除去するための装置を設けることも考えられているが、新たにこのような装置を付設すると搬送路中にその占有スペースが必要となり、装置の大型化やコストアップを招く。排出トレイに向け搬送されるシートに生じているカールを除去する他の構成として特開平6−144671号公報や特開平7−237804号公報に示されたものがある。上記公報には、排出トレイに向けてシートを給送する搬送ローラに対してその周方向並置したローラを設け、これら並置されたローラの挟持作用により搬送ローラの周面に沿わせてシートを移動させることにより、その搬送ローラの周面の曲率方向がシートに生じているカールの方向と反対であることを利用してカールを除去するように癖付けする構成が示されている。

概要

確実にカールを矯正することができるとともに、そのために用いられる構成の繁雑性をなくしてコストアップを防止し、さらには使用されるシートに発生するカールの度合いに関係なくそのカールを矯正することができる構成を備えたカール矯正装置を提供する。

シートに発生しているカールを矯正するために、上記シートの搬送路を構成するエンドレスベルト9Aと、上記エンドレスベルト9Aが掛け回されている複数のローラ9C、9Dと、上記エンドレスベルト9Aの展張面に対向当接して上記シートの搬送方向に対応した方向に回転可能な搬送駆動用ローラ9Bとを備え、上記エンドレスベルト9Aは、上記搬送駆動用ローラ9Bに対する巻き付け角度が変更可能に設けられていることを特徴とする。

目的

本発明の目的は、上記従来のカール矯正装置およびこれを用いたシート搬送装置およびこれを用いる画像形成装置における問題に鑑み、確実にカールを矯正することができるとともに、そのために用いられる構成の繁雑性をなくしてコストアップを防止し、さらには使用されるシートに発生するカールの度合いに関係なくそのカールを矯正することができる構成を備えたカール矯正装置およびシート搬送装置、およびシート排出装置および画像形成装置を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
7件

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請求項1

シートに発生しているカール矯正するための装置であって、上記シートの搬送路を構成するエンドレスベルトと、上記エンドレスベルトが掛け回されている複数のローラと、上記エンドレスベルトの展張面に対向当接して上記シートの搬送方向に対応した方向に回転可能な搬送駆動用ローラとを備え、上記エンドレスベルトは、上記搬送駆動用ローラに対する巻き付け角度が変更可能であることを特徴とするカール矯正装置

請求項2

上記エンドレスベルトは、上記シートの搬送方向上流側が上記搬送駆動用ローラに対する圧接状態が変更されることで上記巻き付け角度が変更可能であることを徴とする請求項1記載のカール矯正装置。

請求項3

上記エンドレスベルトは、上記シートの搬送方向上流側が上記搬送駆動用ローラに対する対向位置もしくは対向間隔を変更されることで上記巻き付け角度が変更可能であることを徴とする請求項1記載のカール矯正装置。

請求項4

上記エンドレスベルトは、シート厚さもしくはシートのカール量に応じて上記巻き付け角度が変更可能であることを特徴とする請求項1乃至3記載のカール矯正装置。

請求項5

上記エンドレスベルトは、上記シートに発生するカールを除去するように上記巻き付け角度が調整可能であることを特徴とする請求項1乃至3のうちの一つに記載のカール矯正装置。

請求項6

上記エンドレスベルトは、シートの厚さもしくはシートのカール量に応じて上記巻き付け角度が複数段階に設定可能であることを特徴とする請求項1乃至4のうちの一つに記載のカール矯正装置。

請求項7

上記エンドレスベルトは、上記シートのカールが大きい場合には上記巻き付け角度が大きくされることを特徴とする請求項1乃至6のうちの一つに記載のカール矯正装置。

請求項8

上記エンドレスベルトは複数のローラに掛け回され、それらローラのうちで上記シートの搬送方向上流側に位置するローラが上記搬送駆動用ローラに対する対向位置もしくは対向間隔を変更されることで上記エンドレスベルトの巻き付け角度が変更可能であることを特徴とする請求項1記載のカール矯正装置。

請求項9

上記シートの搬送方向上流側に位置するローラは、シートの厚さもしくはシートのカール量に応じて上記巻き付け角度が変更可能であることを特徴とする請求項8記載のカール矯正装置。

請求項10

上記シートの搬送方向上流側に位置するローラは、上記シートに発生するカールを除去するように上記巻き付け角度が調整可能であることを特徴とする請求項8記載のカール矯正装置。

請求項11

上記シートの搬送方向上流側に位置するローラは、上記シートの厚さもしくはシートのカール量に応じて上記巻き付け角度を複数段階に設定可能であることを特徴とする請求項8記載のカール矯正装置。

請求項12

上記シートの搬送方向上流側に位置するローラは、上記シートのカールが大きい場合に上記搬送用駆動ローラに対する対向位置間隔が小さくされることで上記巻き付け角度を大きくすることを特徴とする請求項8乃至11のうちの一つに記載のカール矯正装置。

請求項13

請求項1乃至12のうちの一つに記載のカール矯正装置を用い、エンドレスベルトと搬送駆動用ローラとでカールの湾曲方向と反対側に湾曲させながら挟持搬送することによりカールを除去することを特徴とするシート搬送装置

請求項14

上記エンドレスベルトが掛け回されているローラのうちの上記シートの搬送方向下流側の位置するローラは、上記エンドレスベルトを介して上記搬送駆動用ローラに常時圧接した状態で回転可能であることを特徴とする請求項13記載のシート搬送装置。

請求項15

上記エンドレスベルトが掛け回されているローラのうちの上記シートの搬送方向上流側の位置するローラは、上記エンドレスベルトのテンションローラとして用いられることを特徴とする請求項13記載のシート搬送装置。

請求項16

上記エンドレスベルトが掛け回されているローラは、上記搬送駆動用ローラよりも小径であることを特徴とする請求項13記載のシート搬送装置。

請求項17

請求項13乃至16のうちの一つに記載のシート搬送装置を用いる画像形成装置であって、定着後のシートを排出する搬送路の一部が湾曲した構成を備え、その搬送路の出口部近傍において搬送路の湾曲方向と反対方向に上記シートを湾曲させてシートのカールを除去することを特徴とする画像形成装置。

技術分野

0001

本発明は、カール矯正装置およびシート搬送装置およびシート排出装置および画像形成装置に関し、さらに詳しくは、搬送過程において生じたシートカールを除去する構造に関する。

背景技術

0002

複写機プリンタあるいはファクシミリ装置などの画像形成装置においては、潜像担持体である感光体表面に担持されたトナー像などの可視像が記録紙などのシートに転写され、そのシートが定着装置により加熱定着された後、排出される。定着装置では、シートにおけるトナー像担持面加熱ローラなどの熱源部材に接触し、可視像が定着される。

0003

ところで、画像形成装置においては、シートを収容しているカセット始発位置として排出トレイが位置する終点位置までのシート搬送路縦方向に設定した場合、画像形成装置のが嵩張るのを防ぐために、搬送路の途中をそれまでの搬送方向に対して折り曲げる場合がある。例えば、搬送路の方向切り換え位置として、定着装置から排出トレイに至るシートの排出路がある。この場合には、定着装置から繰り出されたシートは、排出トレイに至る途中に配置されているガイド部材搬送ローラなどによってガイドされ、排出トレイの前方に位置するシート排出用のシート搬送装置によって排出トレイ上に向け搬送される。定着装置を通過するシートにおいては、可視像を担持している面における含水量が加熱によって変化し、巻き癖、いわゆる、カールが発生しやすくなる。このため、排出トレイに排出された際に積層される場合には端縁バラバラになったりする虞がある。

0004

シートに発生したカールを除去するための装置を設けることも考えられているが、新たにこのような装置を付設すると搬送路中にその占有スペースが必要となり、装置の大型化やコストアップを招く。排出トレイに向け搬送されるシートに生じているカールを除去する他の構成として特開平6−144671号公報や特開平7−237804号公報に示されたものがある。上記公報には、排出トレイに向けてシートを給送する搬送ローラに対してその周方向並置したローラを設け、これら並置されたローラの挟持作用により搬送ローラの周面に沿わせてシートを移動させることにより、その搬送ローラの周面の曲率方向がシートに生じているカールの方向と反対であることを利用してカールを除去するように癖付けする構成が示されている。

発明が解決しようとする課題

0005

しかし、上記公報に示された構成では、カールを完全に除去することが難しい。すなわち、搬送ローラの周方向に並置されたローラにより挟持されるシートは、搬送ローラの周方向に並置されているローラの一方と他方とで搬送ローラに対する接線方向が異なることを理由にローラ間での受け渡しが難しくなる。このため、後者公報に示されているように、搬送ローラの周方向に並置されているローラ間にガイド部材を配置して上述した不具合を解消することが必要となるが、各ローラと搬送ローラとで構成されるシートの挟持位置間の距離を短くしなければ搬送ローラ周面の曲率方向を利用した癖付け、いわゆるカールを除去するための癖付けができない。

0006

搬送ローラの周面の曲率方向を利用して、いわゆる、搬送ローラ周面へのシートの圧接を行うことでカールの発生方向とは反対方向への癖付けを行う構成として、上述したローラを並置する代わりに、ローラ間に掛け回されたエンドレスベルトを搬送ローラに圧接させる構成が提案されている(例えば、特開平2−88272号公報、特開平4−36194号公報)。上記公報記載の構成では、エンドレスベルトが掛け回されているローラに対してエンドレスベルトが圧接するローラの曲率半径が小さく、このローラによる圧接力を利用した応力集中によってシートのカールを矯正するようになっていることから、前述した構成のように搬送部材として設けられている搬送ローラの周面を利用したものではなく、新たにカール除去のための構成が必要となる。このため、装置全体での構成が複雑となり、コンパクトな画像形成装置を得ることが難しくなる。

0007

本発明の目的は、上記従来のカール矯正装置およびこれを用いたシート搬送装置およびこれを用いる画像形成装置における問題に鑑み、確実にカールを矯正することができるとともに、そのために用いられる構成の繁雑性をなくしてコストアップを防止し、さらには使用されるシートに発生するカールの度合いに関係なくそのカールを矯正することができる構成を備えたカール矯正装置およびシート搬送装置、およびシート排出装置および画像形成装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

請求項1記載の発明は、シートに発生しているカールを矯正するための装置であって、上記シートの搬送路を構成するエンドレスベルトと、上記エンドレスベルトが掛け回されている複数のローラと、上記エンドレスベルトの展張面に対向当接して上記シートの搬送方向に対応した方向に回転可能な搬送駆動用ローラとを備え、上記エンドレスベルトは、上記搬送駆動用ローラに対する巻き付け角度が変更可能であることを特徴としている。

0009

請求項2記載の発明は、上記エンドレスベルトは、上記シートの搬送方向上流側が上記搬送駆動用ローラに対する圧接状態が変更されることで上記巻き付け角度が変更可能であることを徴と。

0010

請求項3記載の発明は、上記エンドレスベルトは、上記シートの搬送方向上流側が上記搬送駆動用ローラに対する対向位置もしくは対向間隔を変更されることで上記巻き付け角度が変更可能であることを徴とする請求項1記載のカール矯正装置。

0011

請求項4記載の発明は、上記エンドレスベルトは、シートの厚さもしくはシートのカール量に応じて上記巻き付け角度が変更可能であることを特徴としている。

0012

請求項5記載の発明は、上記エンドレスベルトは、上記シートに発生するカールを除去するように上記巻き付け角度が調整可能であることを特徴としている請求項6記載の発明は、上記エンドレスベルトは、シートの厚さもしくはシートのカール量に応じて上記巻き付け角度が複数段階に設定可能であることを特徴としている。

0013

請求項7記載の発明は、上記エンドレスベルトは、上記シートのカールが大きい場合には上記巻き付け角度が大きくされることを特徴としている。

0014

請求項8記載の発明は、上記エンドレスベルトは複数のローラに掛け回され、それらローラのうちで上記シートの搬送方向上流側に位置するローラが上記搬送駆動用ローラに対する対向位置もしくは対向間隔を変更されることで上記エンドレスベルトの巻き付け角度が変更可能であることを特徴としている。

0015

請求項9記載の発明は、上記シートの搬送方向上流側に位置するローラは、シートの厚さもしくはシートのカール量に応じて上記巻き付け角度が変更可能であることを特徴としている。

0016

請求項10記載の発明は、上記シートの搬送方向上流側に位置するローラは、上記シートに発生するカールを除去するように上記巻き付け角度が調整可能であることを特徴としている。

0017

請求項11記載の発明は、上記シートの搬送方向上流側に位置するローラは、上記シートの厚さもしくはシートのカール量に応じて上記巻き付け角度を複数段階に設定可能であることを特徴としている。

0018

請求項12記載の発明は、上記シートの搬送方向上流側に位置するローラは、上記シートのカールが大きい場合に上記搬送用駆動ローラに対する対向位置間隔が小さくされることで上記巻き付け角度を大きくすることを特徴としている。

0019

請求項13記載の発明は、 請求項1乃至12のうちの一つに記載のカール矯正装置を用い、エンドレスベルトと搬送駆動用ローラとでカールの湾曲方向と反対側に湾曲させながら挟持搬送することによりカールを除去することを特徴としている。

0020

請求項14記載の発明は、上記エンドレスベルトが掛け回されているローラのうちの上記シートの搬送方向下流側の位置するローラは、上記エンドレスベルトを介して上記搬送駆動用ローラに常時圧接した状態で回転可能であることを特徴としている。

0021

請求項15記載の発明は、上記エンドレスベルトが掛け回されているローラのうちの上記シートの搬送方向上流側の位置するローラは、上記エンドレスベルトのテンションローラとして用いられることを特徴としている。

0022

請求項16記載の発明は、上記エンドレスベルトが掛け回されているローラは、上記搬送駆動用ローラよりも小径であることを特徴としている。

0023

請求項17記載の発明は、請求項13乃至16のうちの一つに記載のシート搬送装置を用いる画像形成装置であって、定着後のシートを排出する搬送路の一部が湾曲した構成を備え、その搬送路の出口部近傍において搬送路の湾曲方向と反対方向に上記シートを湾曲させてシートのカールを除去することを特徴としている。

発明を実施するための最良の形態

0024

下図示実施例による本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明実施例によるカール矯正装置を備えたシート搬送装置の一つであるシート排出装置を装備している画像形成装置の模式図である。図1において本発明の画像形成装置1は、シートとして記録用紙を用い、その用紙を筐体の外部に排出するのでなく、筐体内で排紙が可能な胴内排紙型の画像形成装置であり、筐体1Aの高さ方向で略中央部には排紙部2が備えられ、その排紙トレイ2を境にして上部に原稿読み取り部3が、そして、下部に後述する画像形成部4が設けられている。以下の説明においては、シートとして、紙を対象として説明する。本実施例では、画像形成部4にドラム状の潜像担持体である感光体ドラム5が備えられており、感光体ドラム5は、図示しない駆動源によって図中、排紙トレイ2に向けて、図中、反時計方向に回転する。

0025

感光体ドラム5の周囲には、図示しないが、回転方向に沿って電子写真複写プロセスを実行するための帯電装置4A、書き込み装置4B、現像装置4Cがそれぞれ配置され、給紙装置6から繰り出される用紙の搬送路を挟んだ位置には転写装置7が配置されている。また、感光体ドラム5の周囲には、転写を終えた感光体ドラム5上に残留する現像剤や電荷を除去するクリーニング装置4Dも設けられている。

0026

給紙装置6は、複数種類のサイズ毎に用紙を収容可能な給紙カセット6Aが複数段に配置されている。いま、給紙カセット6Aの一つを例に説明すると、給紙カセット6Aからの繰り出し位置にはピックアップコロ6Bが位置しており、このピックアップコロ6Bはこれと対向する位置に配置されている摩擦パッド6Cと協働して最上位の用紙のみを繰り出すようになっている。給紙カセット6Aから繰り出された用紙は、レジストローラ6Dによって感光体ドラム5の画像部に対する給紙タイミングを設定されて感光体ドラム5における転写位置に給送される。

0027

感光体ドラム5上に担持されている可視像、いわゆるトナー像が転写された用紙は、その後、定着装置8に向け搬送されると、トナー像を担持した面が加熱ローラ8Aに対向することでトナー像が定着され、シート搬送装置の一つであるシート排出装置をなす排紙装置9によって排出トレイ2に排出される。図1に示す画像形成装置1では、給紙装置6から排紙トレイ2に至る用紙の搬送経路を縦方向に設定した場合に丈が嵩張るのを避けるために装置の略中央に設けられた排紙トレイ2の位置に対応するように、定着後の用紙を搬送する搬送路の一部が排紙トレイ2に向けて湾曲している。このため、排紙装置9では、搬送路の向きが変化する際に用紙に生じたカールを矯正するための構成が設けられている。

0028

図2は、定着装置8および排紙装置9を含めた用紙の搬送構造を説明するための図であり、同図において、定着装置8から繰り出される用紙(便宜上、符号Sで示す)の搬送路中には、排紙装置9に至る途中に、搬送路を排紙トレイ2に向け湾曲させるガイド部材10,11および搬送ガイドローラ12が配置されている。

0029

定着装置8から繰り出された用紙Sの搬送路末端には、排紙装置9が配置されており、排紙装置9は、用紙Sの搬送路を挟んで一方側に配置されているエンドレスベルト9Aと、これに対向して当接しながら用紙Sの搬送方向に対応する方向に回転可能な搬送駆動用ローラ9Bとを備えている。エンドレスベルト9Aは、用紙の搬送方向に沿って並置された従動ローラ9C、9Dに掛け回されて展張面の一部が搬送駆動用ローラ9Bの周面に接触し、その一部が搬送駆動用ローラ9Bに連動して用紙Sの搬送方向(図2において矢印で示す方向)に対応する向きに移動することができる。

0030

従動ローラ9C、9Dは、搬送駆動用ローラ9Bよりも小径のローラであり、搬送駆動用ローラ9Bの周面に沿って並置されることにより、搬送駆動用ローラ9Bの周面を利用して用紙Sの紙面を搬送ガイドローラ12によって湾曲した方向と反対側に湾曲させて湾曲方向を反転させるようになっている。これにより、エンドレスベルト9Aは、搬送駆動用ローラ9Bに対面する側の展張面の全てを搬送駆動用ローラ9Bの周面に接触させることができ、搬送ガイドローラ12によって湾曲した搬送路の向きを反転させるようになっている。しかも、エンドレスベルト9Aが搬送駆動用ローラ9Bに圧接した際には、従動ローラ9C、9D間の展張面が搬送駆動用ローラ9Bの周面に当接する範囲を大きく採ることができ、これにより、用紙Sがそれまでの移動中に湾曲した向きと反対側に湾曲する向きに付勢される時間を長くすることができる。

0031

搬送駆動用ローラ9Bとこれに圧接するエンドレスベルト9Aとで構成される搬送路の湾曲方向は、定着装置8から繰り出されて搬送される過程において用紙に生じるカールの向きと反対方向となっているので、この搬送路を通過する際に用紙の湾曲方向が反転され、カールが除去されて矯正されることになる。

0032

搬送駆動用ローラ9Bおよび従動ローラ9C、9Dは、図3に示すように、用紙Sの搬送方向と直交する方向の軸方向を有する回転支軸9B1、9C1および9D1(図3においては、回転軸9D1が省かれている)により回転自在にそれぞれ支持されており、各ローラ同士が回転軸9C1,9D1の軸方向で複数箇所の同一位置にそれぞれ配置されている。なお、図3では、従動ローラのうちで、用紙Sの搬送方向下流側に位置する従動ローラ9Cのみが示されている。

0033

搬送駆動用ローラ9Bはゴムなどの比較的摩擦係数の大きい材質を用いたローラであり、その回転支軸9B1が図示しない回転駆動源に連動することで用紙Sの搬送方向に対応した方向に回転するようになっている。従動コロ9C、9Dの回転支軸9C1、9D1は、軸方向両端に設けられている軸受け13がバネなどの弾性体14によって搬送駆動用ローラ9Bに向けて押圧されるようになっている。このため、エンドレスベルト9Aは、従動ローラ9C、9Dが弾性体14により押圧されていることにより、搬送駆動用ローラ9Bの周面に圧接でき、搬送駆動用ローラ9Bとの周面間の摩擦関係により搬送駆動用ローラ9Bの回転に連動して上述したように搬送駆動用ローラ9B側に対面する展張面が用紙Sの搬送方向に移動する。

0034

図3において符号15は従動ローラ9C、9Dの軸受け13がそれぞれ設けられたホルダであり、図5に示すように、従動ローラ9C、9Dを支持し、それら従動ローラ9C、9Dのうちで、用紙Sの搬送方向上流側の従動ローラ9Dは、バネなどの弾性体16によって用紙Sの搬送方向下流側の従動ローラ9Cに対して軸間距離が大きくなる向きに付勢されている。これにより、従動ローラのうちで用紙Sの搬送方向上流側に位置する従動ローラ9Dがエンドレスベルト9Aのテンションローラとして機能し、搬送駆動用ローラ9Bに対面する側のベルト面を展張させるようになっている。

0035

図2において、用紙Sの搬送方向下流側の従動ローラ9C近傍には、用紙Sを押圧することができる空転コロ17が配置されている。空転コロ17は、図2乃至図4に示すように、回転支軸9B1の軸方向中央に配置され、エンドレスベルト9Aと搬送駆動用ローラ9Bとで構成される搬送路から繰り出される用紙Sの移動路内に入り込む状態で位置決めされている。この位置決めは、空転コロ17を自由端に有する板バネなどの弾性体18の付勢によって行われている。空転コロ17は、図4に示すように、回転支軸9B1の軸方向中央に位置することで用紙Sの幅方向中央を押圧することができ、カールが生じる方向と直角な方向に用紙Sの先端を湾曲させてカールの発生を抑制して、いわゆる、用紙Sにカールが再発しないように腰付けを行うようになっている。なお、空転コロ17は、回転支軸の軸方向中央だけでなく、軸方向に沿って複数箇所に設けることも可能であり、これによってカールが生じる方向に対する剛性を効果的に高めるようにすることも可能である。

0036

従動ローラ9C、9Dの軸方向一端には、図3および図4に示すように、周方向に沿って複数の突起9C2、9D2が設けられており、搬送される用紙Sの後端を蹴飛ばすようになっている。これによりエンドレスベルト9Aと搬送駆動用ローラ9Bとで構成される搬送路を通過した用紙Sは、その搬送方向後端が突起9C2、9D2により突き放されることになり、上記搬送路内から円滑に排出されることになり、ジャム紙詰まり)などを発生することがない。

0037

エンドレスベルト9Aは、搬送駆動用ローラ9Bに対する巻き付け角度が変更されて用紙Sが湾曲する長さを変更できるようになっている。以下、このための構成について説明する。図5は、エンドレスベルト9Aの巻き付け角度を変更するための構成を示す図である。図5において、エンドレスベルト9Aが掛け回されている従動ローラ9C、9Dはともにホルダ15によって支持されており、これら従動ローラのうちで、搬送方向下流側に位置する従動ローラ9Cは搬送駆動用ローラ9Bに対してエンドレスベルト9Aを介して圧接する状態を維持されており、搬送方向上流側に位置する従動ローラ9Dは、ホルダ15が搬送方向下流側の従動ローラ9Cの回転支軸9C1を支点として揺動するのに連動して従動ローラ9Cとは独立して搬送駆動用ローラ9Bに対する対向間隔を変更してエンドレスベルト9Aの巻き付け角度を変更できるようになっている。従動ローラ9Cが搬送駆動用ローラ9Bに対して圧接した状態を維持され、用紙Sの繰り出し位置が変わらないようになっているので、排紙トレイ2に排出される用紙Sの端縁を揃えることができ、排出された用紙Sの端縁を揃え直すような手間を省くことができる。

0038

搬送方向上流側の従動ローラ9Dは、前述したように、バネなどの弾性体14によって通常時には搬送駆動用ローラ9Bに圧接する方向に付勢されており、後述する揺動アーム19が作動した際にはこの付勢に抗して搬送駆動用ローラ9Bから離れる向きに変位することができる。揺動アーム19は、図示しない不動部に設けられた支軸20を境にして一方の端部が従動ローラ9Dの回転支軸9D1に対面し、他方の端部がソレノイド21のアクチュエータ21Aに有するピン21A1に係合している。一方の端部は従動ローラ9Dをその付勢に抗して搬送駆動用ローラ9Bから離すことができる部分で回転支軸9D1と対面している。

0039

ソレノイド21は、非励磁の際にアクチュエータ21Aが伸張した状態を維持されている。このため、ピン21A1を介して揺動することができる揺動アーム19は、揺動端の一方である回転支軸9D1と対面する側の端部で回転支軸9D1を拘束しない状態とされる。この状態の時に従動ローラ9Dは、弾性体14の付勢によって搬送駆動用ローラ9Bに圧接する向きに移動することができる。この状態は図5に示す状態である。

0040

ソレノイド21が励磁されるとアクチュエータ21Aが収縮し、揺動アーム19は、図5に示す状態から反時計方向に揺動して図6に示す状態となる。この状態では、揺動端の一方である回転支軸9D1と対面する側の端部が従動ローラ9Dの回転支軸9D1を図6に示すように押し下げる。揺動アーム19によって押し下げられた従動ローラ9Dは搬送駆動用ローラ9Bから離れるので、搬送駆動用ローラ9Bの周面に展張面を沿わせていたエンドレスベルト9Aがその展張面の向きを変化させて搬送駆動用ローラ9Bに対する対向間隔を変化させる。この結果、図5および図6において、エンドレスベルト9Aは、搬送駆動用ローラ9Bに対して用紙Sの搬送方向上流側の圧接力を変化させ、搬送駆動用ローラ9Bに対する巻き付け角度(図5図6において一点鎖線で示す範囲の角度)を変化させる。

0041

本実施例では、上記巻き付け角度の変更条件として、用紙Sの厚さを用いている。これは、用紙Sの厚さによってカールの発生度合いが異なるためである。つまり、厚い方が熱容量が大きく、カールの発生度合いが大きいので、これに応じて用紙Sの湾曲方向を反転させて反り返させる範囲を多くするために巻き付け角度を図5に示すように大きくする。従って、用紙Sが薄い場合には、厚い場合と違ってさほどカールが生じないので、図6に示すように、湾曲方向を反転させて反り返りを行わせる範囲を小さくして、この範囲を大きくしたことに起因して不用意に新たなカールが生じるのを防止するようになっている。用紙Sの厚さを選択する手段としては、図示しないが、画像形成装置1に装備されている操作パネル(図示されず)に設けられた選択スイッチ等の指令手段あるいは、給紙カセット6Aから繰り出される際の用紙Sの紙質を検知するセンサ等が用いられる。図7は、巻き付け角度を変更した場合をそれぞれ示しており、(A)は、巻き付け角度を大きくした場合を、そして(B)は巻き付け角度を小さくした場合である。

0042

本実施例は以上のような構成であるから、用紙Sの厚さに対応してソレノイド21が作動制御される。用紙Sの厚さが厚い場合には、ソレノイド21が非励時状態に維持される。このとき、図5および図7(A)に示すように、エンドレスベルト9Aは、従動ローラ9C、9Dがいずれも搬送駆動用ローラ9Bに圧接していることにより搬送駆動用ローラ9Bの周面に沿って展張面が圧接し、巻き付け角度が大きくされる。

0043

用紙Sは、定着装置8を通過して搬送ガイドローラ12を通過する際にカールが生じていると、エンドレスベルト9Aと搬送駆動用ローラ9Bとで構成される搬送路内を移動する過程でエンドレスベルト9Aによって搬送駆動用ローラ9Bの周面に倣ってそれまで生じていたカールの向きと反対の向きに癖付けされるので、カールが除去されて矯正される。排紙装置9におけるエンドレスベルト9Aと搬送駆動用ローラ9Bとで構成された搬送路を移動する用紙Sは、その先端が空転ローラ17によって押圧されることによりカールを生じる方向と直角な方向に先端が僅かに湾曲し、いわゆる、腰付けされて排紙トレイ2に排出される。これにより、空転ローラ17により用紙Sはカールの再発がない状態で排出されることになる。

0044

一方、用紙Sの厚さが薄い場合には、ソレノイド21が励磁されて図6および図7(B)に示す状態とされる。このときには、エンドレスベルト9Aにおける用紙Sの搬送方向上流側が搬送駆動用ローラ9Bから離れることで搬送駆動用ローラ9Bに対する対向間隔が大きくなり、これによって搬送駆動用ローラ9Bに対するエンドレスベルト9Aの巻き付け角度が小さくされる。この場合には、搬送ガイドローラ12から繰り出された用紙Sがエンドレスベルト9Aと搬送駆動用ローラ9Bとで構成される搬送路において搬送駆動用ローラ9Bの周面に沿って移動する距離が短くなるので、搬送駆動用ローラ9Bの周面に沿って移動する際に行われる癖付け範囲が少なくされる。上記実施例によれば、シートの厚さに応じてソレノイド21を作動制御することによるエンドレスベルト9Aの巻き付け角度を変更するだけで用紙Sに生じていたカールの向きと反対に移動させる行程長を選択してカールを除去して矯正できる。

0045

本発明は、上記実施例に挙げた構成に限られるものでないこと勿論である。例えば、揺動アーム21を用いる代わりに、回転支軸9D1を枢支した先端を有する進退可能なプランジャを用いることも可能である。さらに、従動ローラ9C、9Dは、エンドレスベルト9Aの一部が搬送駆動用ローラ9Bに圧接するようにエンドレスベルト9Aが掛け回されることが前提となっているので、搬送駆動用ローラ9Bの周面に近接した位置ではなく、図8に示すように、搬送駆動用ローラ9Bを境にしてその両側に配置することもできる。この場合には、従動ローラ9C、9Dがそれぞれ搬送駆動用ローラ9Bに対して接離する関係とすることで搬送駆動用ローラ9Bに対するエンドレスベルト9Aの巻き付け角度を図5に示した場合よりも大きくしてカールの除去効率を高めることができる。また、本発明が適用されるシートとしては、上記実施例に示した紙だけでなくその他の材質であってもよいこと勿論である。

0046

次に本発明の実施の形態に関する別実施例を図9以降の図により説明する。なお、図9以降の図においてそれ以前に示した部材と同じものについては同符号により示してある。

0047

図9以降に示す実施例は、前述した実施例と違って、搬送駆動用ローラ9に対するエンドレスベルト9Aの巻き付け角度を複数段階に設定できることを特徴としている。図9において搬送駆動用ローラ9Bの周方向に沿って並置されている従動ローラ9C、9Dは、用紙Sの搬送方向下流側に位置する従動ローラ9Cの回転支軸9C1を支点として揺動可能なカムフォロワー部材150にそれぞれ回転自在に支持されている。カムフォロワー部材150は、図9に示すように側面視形状が略L字状をなし、図9に示した状態の時の用紙Sの搬送方向上流側から見た場合の搬送駆動用ローラ9Bと従動ローラ9Dとの配置関係を表している図10に示すように、従動ローラ9Dの軸方向両端に支持された片部を有する揺動レバーで構成されている。図9においてカムフォロワー部材150には、従動ローラ9Dが位置する揺動端部とは別に今ひとつの揺動端で構成された作動片150Aを備えている。作動片150Aには、用紙Sの搬送方向上流側の従動ローラ9Dを搬送駆動用ローラ9Bに向けて圧接される方向に付勢するバネなどの弾性体151が配置されている。なお、図11は、図9に示した状態の時に用紙Sの搬送方向下流側からの搬送駆動用ローラ9Bと従動ローラ9Cとの配置関係を示している。図10図11においては、エンドレスベルト9Aおよび、見る方向によって従動ローラ9C、9Dの一方が省略されている。

0048

作動片150Aをはさんで弾性体151と対向する位置には回転軸152Aによって回転可能な駆動カム152が配置されている。駆動カム152は、図10に示すように、従動ローラ9Dの回転支軸9D1に取り付けられた従動歯車153を最終減速歯車とする歯車群154を介して駆動源となるステッピングモータ155によって回転駆動されるようになっている。

0049

ステッピングモータ155は、図12に示す制御部156によって動作態位が設定される。図12において制御部155は、マイクロコンピュータにより主要部が構成されており、図示しないI/Oインターフェースを介して本実施例に関係するものとして、入力側には操作部157、ステッピングモータ155の回転位置割り出すためのエンコーダ158、および給紙カセット選択スイッチ159がそれぞれ接続され、そして出力側にはステッピングモータ155の駆動部155Aおよび表示部160がそれぞれ接続されている。

0050

操作部157は、例えば、画像形成装置1に装備されている操作パネル(図示されず)が該当し、その操作パネルには用紙Sの厚さおよびその厚さを区分して入力したり、用紙Sに発生しているカール量を矯正するための矯正量を入力できる指令部と表示部160として用いられる表示パネルが設けられている。給紙カセット選択スイッチ159は、給紙装置6に装備される給紙カセット6Aから繰り出される用紙の厚さを指定するスイッチであり、給紙カセット6Aが配備される位置に設けられて厚紙モードと普通紙モードとに切り換えることができるようになっている。

0051

制御部156では、画像形成開始指令が得られた場合、操作部157の操作パネルあるいは給紙カセット選択スイッチ159において選択された用紙Sの厚さやカール量に応じてステッピングモータ155の回転量を設定し、駆動カム152によりカムフォロワー部材150の揺動量を規定するようになっている。本実施例では、ステッピングモータ155の回転量を設定する場合として、予め制御部156において登録されている用紙の厚さとエンドレスベルト9Aの巻き付け角度との関係に基づく従動ローラ9Dの変位量によってもカールが完全に除去されない場合や新たにカールが発生してしまう場合をも対象としている。このような場合として、ユーザが使用している用紙の厚さが画像形成装置1の出荷時に設定されている用紙の厚さよりも厚い場合、換言すれば、カールが普通紙の場合よりも大きく発生しやすい場合や逆に予め登録されている巻き付け角度によってはカールとは反対方向のカールが新たに生じてしまいやすい場合がある。例えば、予め設定されているエンドレスベルト9Aの巻き付け角度では対処できない厚さの用紙が用いられると、工場出荷時に予め設定されている用紙の厚さを対象としたカール除去、つまり、搬送駆動用ローラ9Bに対するエンドレスベルト9Aの巻き付け角度でのカール除去が不完全となる。

0052

このようなカールの除去が不完全であるときには、予め登録されている上記両者の関係とは独立してユーザにより操作パネルでの厚さあるいはカール量を選択あるいは入力し、エンドレスベルト9Aの巻き付け角度を調整するように従動ローラ9Dの変位量が規定される。これにより、制御部156ではステッピングモータ155の回転量が改めて設定されてステッピングモータ155の駆動部155Aに出力される。カール量の入力を行う場合としては、搬送駆動用ローラ9B、エンドレスベルト9Aなどの経時劣化による圧接関係の変化が原因してカールの除去が完全に行えない矯正不良を起こす場合がある。例えば、予め登録されている厚さを指定した場合でもカールが発生した際にそのカールをなくすようにエンドレスベルト9Aの巻き付け角度を変更して調整することができる。カール量は、その発生度合いに応じて段階的な入力が行えるようになっており、例えば、数値入力に応じてステッピングモータ155の回転量を増減できるようになっている。

0053

ステッピングモータ155は、制御部156からの出力に応じて現段階での回転位置をエンコーダ158によって割り出された上で、新たな回転量で駆動される。カールの除去が不完全である場合の入力が行われると、その入力に応じて駆動カム152が回転し、カムフォロワー部材150との当接位置が変更され、これに応じて従動ローラ9Dが搬送駆動用ローラ9Bに向けて圧接する方向に変位し、エンドレスベルト9Aの巻き付け角度が大きくされる。これにより、用紙Sに対する湾曲方向を反転させる範囲を大きくすることができる。このような場合とは逆に予め設定されている巻き付け角度によるカール除去作用を弱めたい場合においても同様に操作部156からの指令に基づきステッピングモータ155の回転量を設定してエンドレスベルト9Aの巻き付け角度を小さくすればよい。操作部157を用いたカール除去に関する調整、つまり、厚さの厚い方に再選択あるいは薄い方に再選択することにより得られた用紙の厚さに関する情報は、ユーザによる新たな選択が行われるまでの間、制御部156において記憶されており、例えば、画像形成装置1の電源が切られた後、再始動時には記憶されている情報に基づきエンドレスベルト9Aの巻き付け角度が設定される。操作部157に設けられている操作パネルには、用紙の厚さモードを入力するキースイッチに加えて、段階的な厚さを任意設定できるキースイッチも設けられており、後者のキースイッチにより上述したステッピングモータ155の新たな回転量を規定できるようになっている。

0054

本実施例では、厚さの厚い用紙の使用頻度が厚さの薄い用紙に相当する普通紙の使用頻度に比べて低いことを考慮して、厚い用紙を使用する場合に一々操作部157において設定する煩わしさをなくすようになっている。このような操作の簡便性は、給紙カセット選択スイッチ159を用いて実現できる。給紙カセット選択スイッチ159は、厚い用紙を収容した給紙カセットが装備された場合、その給紙カセットから用紙が繰り出される場合に操作されるものであり、給紙カセット内に厚い用紙を収容した時点に給紙カセット選択スイッチ159を厚紙モードに切り換える。給紙カセット選択スイッチ159からの出力に応じて制御部156では厚い用紙を対象としたエンドレスベルト9Aの巻き付け角度を設定するようにステッピングモータ155を回転させて駆動カム152を回転させ、従動ローラ9Dを搬送駆動用ローラ9Bに圧接する方向に変位させる。給紙カセットから普通紙を繰り出す際には、用紙の差し替えに併せて給紙カセット選択スイッチ159を普通紙モードに切り換える。これにより制御部156では、ステッピングモータ155に対して普通紙を対象とするエンドレスベルト9Aの巻き付け角度が得られるようにステッピングモータ155を初期状態に設定し、駆動カム152を回転させて搬送駆動用ローラ9Bから離れる方向に従動ローラ9Dを変位させる。

0055

厚紙モードは、普通紙のモードが選択された場合あるいは所定時間の間で給紙動作が行われずに画像形成装置の待機状態に相当する予熱モードが設定された時点で解除される。これにより、ユーザは操作部157だけでなく給紙カセット選択スイッチ159からの指令のいずれかを行うだけで用紙の厚さに応じたエンドレスベルト9Aの巻き付け角度を自動的に設定でき、用紙のカール除去を実行することができる。

0056

本実施例は以上のような構成であるから、制御部156での動作を示した図13フローチャートに基づき次の手順が実行される。画像形成装置1の電源がオンされると(ST1)、ステッピングモータ155に対して普通紙モードの場合を対象とした処理が実行される(ST2)。

0057

普通紙モード処理は、図14に示すように、ステッピングモータ155の初期位置に対する現在の回転位置がエンコーダ158によって割り出され(ST21)、普通紙モードに対応する回転位置であるかどうかが判別される(ST22)。ステップST22において普通紙モードに対応した回転位置である場合には普通紙モードの処理を終了する。この状態は、図16に示すように、駆動カム152のカムプロフィールのうちで、概ね大径部に相当する周面がカムフォロワー部材150の作動片150Aに当接して従動ローラ9Dが搬送駆動用ローラ9Bから離れた状態であり、これにより、エンドレスベルト9Aの巻き付け角度(図中、一点鎖線同士の間の角度)が小さくなっている。ステップST22において普通紙モードに対応した回転位置でない場合には、現在の回転位置と普通紙モードでの回転位置との差がなくなる量および方向にステッピングモータ155が回転駆動される(ST23)。

0058

図13において、普通紙モードの処理が完了すると、画像形成指令図13ではジョブ表現している)があったかどうかが判別され(ST3)、ジョブ入力がない場合には予熱モードを維持される(ST4)。ジョブ入力があった場合、用紙の厚さに関するモード選択があるかどうかが判別される(ST5)。ステップST5での判別は、操作パネル157側での選択態位あるいは給紙カセット選択スイッチ159の切り換え態位に基づいて実行される。

0059

用紙に関するモード選択があった場合、そのモードが厚紙モードであるかどうかが判別される(ST6)。厚紙モードの選択が行われている場合には厚紙モードの処理が実行される(ST7)。厚紙モード処理は、図15に示すように、ステッピングモータ155の現在の回転位置がエンコーダ157によって割り出され(ST71)、その回転位置が厚紙モードに対応する回転位置であるかどうかが判別される(ST72)。ステップST72においてステッピングモータ155の現在の回転位置が厚紙モードに対応していない場合には、現在の回転位置と厚紙モードでの回転位置との差がなくなる量および方向にステッピングモータ155が回転駆動される(ST73)。

0060

厚紙モードでの処理が完了すると、ジョブが実行されるが、そのジョブの終了後、調整指令があるかどうかが判別される(ST8)。この場合の調整指令とは、ステップST2およびST7において設定されたステッピングモータ155の回転位置に基づくエンドレスベルト9Aの巻き付け角度においても用紙Sのカールが完全に除去できなかった場合に行われる操作であり、厚紙傾向あるいはこれとは逆に普通紙傾向に操作部157からの指令が出力されるのに応じてステップST7あるいはST2と同じ処理を用いた調整処理が実行される(ST9)。厚紙モードの場合には、図17に示すように、駆動カム152のカムプロフィールにおいて小径の周面がカムフォロワー部材150の作動片150Aに当接し、これ応じて従動ローラ9Dが搬送駆動用ローラ9Bに圧接する方向に変位し、エンドレスベルト9Aの巻き付け角度(図中、一点鎖線同士の間の角度)が大きくなる。

0061

厚さに関する調整が完了すると、その調整量が維持されて画像形成が実行され、ジョブ終了の判別が行われ(ST10)、終了した場合には次ジョブがあるかどうかが判別される(ST11)。

0062

また、予め登録されている用紙の厚さに応じた巻き付け角度設定とは別に、前述した経時劣化によりカールの除去が不完全な場合には、カール量、例えば、カールの大小程度や具体的な数値を入力することでステッピングモータ155の回転量が調整されてカールを完全に除去するようにエンドレスベルト9Aの巻き付け角度を調整することができる。

0063

本実施例によれば、予め設定されている用紙の厚さモードに加えて、実際のカールの残り具合に応じて調整することができるので、完全にカールを除去することが可能となる。なお、本発明では、用紙をシートの対象としたが、本発明では、これに限らず、樹脂製フィルムなどを対象とすることも可能である。また、厚さだけでなく材質によるカールの発生具合を対象とすることも可能である。

発明の効果

0064

請求項1記載の発明によれば、搬送駆動用ローラに対するエンドレスベルトの巻き付け角度が変更できるので、搬送駆動用ローラの周面を利用したカール除去作用を種々設定してシートに発生しているカールを完全に除去することが可能になる。

0065

請求項2記載の発明によれば、エンドレスベルトにおけるシート搬送方向上流側で搬送駆動用ローラに対する圧接状態が変更して巻き付け角度を変更できるので、搬送されてくるシートが搬送駆動用ローラに圧接されてカールの湾曲方向と反対側に湾曲する度合いを最適化してカールを確実に除去することが可能となる。請求項3記載の発明によれば、シート搬送駆動用ローラに対してシート搬送方向上流側に位置するローラの対向位置もしくは対向間隔を変更するだけの簡単な操作によってエンドレスベルトの巻き付け角度を変更できるので、シートに発生しているカールの矯正度を位置関係のみで適正化することが可能となる。

0066

請求項4記載の発明によれば、シートの厚さもしくはカール量に応じてエンドレスベルトの巻き付け角度を変更できるので、シートのカールの発生度合いに対応して最も効率のよい除去作用を得ることが可能となる。

0067

請求項5記載の発明によれば、カールを除去できるようにエンドレスベルトの巻き付け角度が調整できるので、当初のカール除去機能に加えてそのカール機能の補正を行うことができるので、カールの発生状態に拘わらず、完全にその除去が可能となる。

0068

請求項6記載の発明によれば、シートの厚さもしくはカール量に応じてエンドレスベルトの巻き付け角度が複数段階に変更できるので、シートの種類や発生しているカールの度合いに拘わりなく完全にカールをなくすことができる状態を得ることが可能となる。

0069

請求項7記載の発明によれば、カールが大きい場合に巻き付け角度を大きくするようになっているので、カールの湾曲方向と反対側に癖付けする行程長を長くしてカールの除去効率を高めることが可能となる。

0070

請求項8記載の発明によれば、エンドレスベルトが掛け回されているローラのうちのシート搬送方向上流側のローラを対象として搬送駆動用ローラに対する対向位置間隔を変更してエンドレスベルトの巻き付け角度を変更できるので、エンドレスベルトの巻き付け角度をカール除去に最も最適なものとすることが可能となる。

0071

請求項9記載の発明によれば、請求項8記載の効果に加えて、シートの厚さに拘わらずカール除去状態を設定することが可能となる。

0072

請求項10記載の発明によれば、カールを除去できるようにエンドレスベルトの巻き付け角度が調整するようにローラの対向位置間隔を調整できる、当初のカール除去機能に加えてそのカール機能の補正をローラの位置制御という簡単な操作によって行うことができ、カールの発生状態に拘わらず、完全にその除去が可能となる。

0073

請求項11記載の発明によれば、シートの厚さもしくはカール量に応じて搬送駆動用ローラに対するローラの対向位置間隔を複数段階に変更してエンドレスベルトの巻き付け角度を複数段階に変更できるので、シートの種類や発生しているカールの度合いに拘わりなくローラを対象とするだけの簡単な操作により完全にカールをなくすことができる状態を得ることが可能となる。

0074

請求項12記載の発明によれば、カールが大きい場合に搬送駆動用ローラに対するローラの対向位置間隔を狭くするだけでエンドレスベルトの巻き付け角度を大きくできるので、搬送駆動用ローラに対するローラの対向位置間隔の変更という簡単な操作により効率よくエンドレスベルトの巻き付け角度を変更してカールの除去が確実にできる。

0075

請求項13記載の発明によれば、搬送されるシートにカールが発生しているときに、そのシートをカールの湾曲方向と反対側に湾曲させながら搬送するだけでカールが除去できるので、搬送路とは別に特別なカール除去機構を要することなく簡単な構成によりカール除去が可能なシート搬送装置を得ることができる。

0076

請求項14記載の発明によれば、シートの搬送方向下流側に位置するローラが搬送駆動用ローラに対して常時圧接した状態を維持されているので、搬送駆動用ローラを通過したシートは繰り出される位置が変化しないので、排出されるシートの端縁を揃えることができ、排出されたシートの端縁を揃え直すような手間を省いて排出後の取り扱い性を向上させることができる。

0077

請求項15記載の発明によれば、エンドレスベルトが掛け回されているローラの一つがテンションローラとして用いられるので、敢えてテンション部材を向ける必要がなくなり、装置の小型化が可能となる。

0078

請求項16記載の発明によれば、エンドレスベルトが掛け回されているローラが搬送駆動用ローラよりも小径であるので、搬送駆動用ローラの周方向においてローラの占める範囲を少なくでき、これにより、エンドレスベルトが搬送駆動用ローラの周方向に当接する範囲を大きく採ることが可能になり、カールの湾曲方向と反対側に湾曲させる時間を長くしてカールを除去するための時間を長くして効率よくカールを除去することが可能となる。

0079

請求項17記載の発明によれば、定着後の搬送路に湾曲した搬送路がある場合に発生するカールを出口近傍でカールの湾曲方向と反対方向に強制的に湾曲させることができるので、排出する過程でカールを完全に除去して搬送不良などが起こるのを防止することが可能となる。

図面の簡単な説明

0080

図1本発明実施例によるカール矯正装置を用いたシート搬送装置の一つであるシート排出装置が適用される画像形成装置の一例を説明するための模式図である。
図2図1に示したシート排出装置の搬送構造を説明するための模式図である。
図3図2に示したシート排出装置に用いられる搬送駆動用ローラおよび従動ローラの配置構成を説明するための正面図である。
図4図2に示したシート排出装置に用いられる空転コロの構成を説明するための正面図である。
図5図2に示したシート排出装置の要部構成を説明するための模式図である。
図6図5に示した要部構成の一態様を説明するための模式図である。
図7図5に示したシート排出装置の要部の作用を説明するための模式図であり、(A)はシートの厚さが暑い場合を、(b)はシートの厚さが薄い場合をそれぞれ示している。
図8図5に示した要部構成の一部変形例を説明するための模式図である。
図9本発明の実施の形態に関する別実施例を説明するためのシート排出部の構成を示す図である。
図10図9に示したシート排出部におけるシートの搬送方向上流側から見た搬送駆動用ローラと従動ローラとの配置関係を説明するための図である。
図11図9に示したシート排出部におけるシートの搬送方向げ流側から見た搬送駆動用ローラと従動ローラとの配置関係を説明するための図である。
図12図9に示したシート排出部に用いられるステッピングモータの制御構造を説明するためのブロック図である。
図13図12に示した制御部の作用を説明するためのフローチャートである。
図14図13に示したフローチャートで実行されるサブルーチンの一つの内容を説明するためのフローチャートである。
図15図13に示したフローチャートで実行されるサブルーチン他の内容を説明するためのフローチャートである。
図16図13に示したフローチャートで実行される処理に対応した搬送駆動用ローラに対するエンドレスベルトの巻き付け状態を示す図である。
図17図13に示したフローチャートで実行される処理に対応した搬送駆動用ローラに対するエンドレスベルトの他の巻き付け状態を示す図である。

--

0081

1画像形成装置
5感光体ドラム
8定着装置
9シート排出装置の一つであるシート排出装置に相当する排紙装置
9Aエンドレスベルト
9B搬送駆動用ローラ
9C、9D 搬送方向に沿って並置されている従動ローラ
9C1,9D1回転支軸
10,11 折り曲げた搬送路をなすガイド部材
12 折り曲げた搬送路をガイドする搬送ガイドローラ
16弾性体
17空転コロ
18 空転コロを支持する弾性体
150カムフォロワー部材
152駆動カム
155ステッピングモータ
156 制御部
157 操作部
158エンコーダ
159給紙カセット選択スイッチ
160 表示部

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