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技術 ウシRSウイルスの組換えDNA、タンパク質ワクチン、抗体、および形質転換細胞の使用法

出願人 ザユーエイビーリサーチファンデーション
発明者 ワーツ,ゲイルダブリュ.ラーチ,ロバート
出願日 1991年7月23日 (29年5ヶ月経過) 出願番号 2001-004856
公開日 2001年9月25日 (19年3ヶ月経過) 公開番号 2001-258580
状態 拒絶査定
技術分野 生物学的材料の調査,分析 突然変異または遺伝子工学 酵素、微生物を含む測定、試験 微生物による化合物の製造 微生物、その培養処理 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 化合物または医薬の治療活性 非環式または炭素環式化合物含有医薬 ペプチド又は蛋白質
主要キーワード 作業所 BEI 付着表面 食肉用 ウインドー 概算値 去勢牛 飼育者
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重要な関連分野

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図面 (11)

課題

ウシRS (bovine respiratory syncytial;BRSとも言う)ウイルスGタンパク質をコードする組換えDNA分子、並びにそれらから誘導された対応するBRSウイルスタンパク質及びペプチドの提供。

解決手段

上記は、部分的に、Gを含む多くのウシRSウイルスタンパク質をコードする全長cDNAクローニングに基づいている。Gタンパク質をコードするDNAはワクシニアウイルスベクターに挿入され、これらのベクターが培養下でGタンパク質を発現させるために使用された。又、Gタンパク質をコードするベクターは抗ウシRSウイルス免疫応答を誘発させるために使用された。この分子はウシRSウイルスの安全で効果的なワクチンを製造するのに使用することができる。

概要

背景

概要

ウシRS (bovine respiratory syncytial;BRSとも言う)ウイルスGタンパク質をコードする組換えDNA分子、並びにそれらから誘導された対応するBRSウイルスタンパク質及びペプチドの提供。

上記は、部分的に、Gを含む多くのウシRSウイルスタンパク質をコードする全長cDNAクローニングに基づいている。Gタンパク質をコードするDNAはワクシニアウイルスベクターに挿入され、これらのベクターが培養下でGタンパク質を発現させるために使用された。又、Gタンパク質をコードするベクターは抗ウシRSウイルス免疫応答を誘発させるために使用された。この分子はウシRSウイルスの安全で効果的なワクチンを製造するのに使用することができる。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

ウシRS (respiratory syncytial)ウイルスGタンパク質をコードする核酸配列を含む組換えDNA分子

請求項2

ウシRSウイルスのGタンパク質をコードする、核酸配列または部分配列が実質的に図2に示したとおりであり、少なくとも約10のヌクレオチドを含む、請求項1記載の組換えDNA分子。

請求項3

ウシRSウイルスのGタンパク質をコードする核酸配列または部分配列が実質的に図2に示したとおりの約ヌクレオチド16から約ヌクレオチド912 までであり、少なくとも約10のヌクレオチドを含む、請求項1記載の組換えDNA分子。

請求項4

ATCC受託番号 40841として寄託されたプラスミドpRLG4 14-76-191 中に含まれる、請求項2記載の組換えDNA分子。

請求項5

図3に示したアミノ酸配列に実質的に相同タンパク質をコードする配列、または少なくとも約10のヌクレオチドを含むその一部を含む組換えDNA分子。

請求項6

ウシRSウイルスのGタンパク質またはペプチドフラグメントをコードする核酸配列の発現が第二の核酸配列により調節され、その結果として組換えDNA分子で形質転換された宿主においてウシRSウイルスのGタンパク質が発現される、請求項1、2または5記載の組換えDNA分子。

請求項7

ATCCに受託番号VR2276として寄託された rVG642 中に含まれる、請求項6記載の組換えDNA分子。

請求項8

請求項1、2または5記載の組換えDNA分子を含む組換え微生物

請求項9

細菌である、請求項8記載の組換え微生物。

請求項10

酵母である、請求項8記載の組換え微生物。

請求項11

請求項6記載の組換えDNA分子を含む組換え微生物。

請求項12

請求項1、2または5記載の組換えDNA分子を含む真核細胞

請求項13

請求項6記載の組換えDNA分子を含む真核細胞。

請求項14

請求項7記載の組換えDNA分子を含む真核細胞。

請求項15

請求項1、3または5記載のDNA分子を含む組換え微生物を、該DNA分子が該微生物により発現されるように生育させ、発現されたウシRSウイルスのGタンパク質またはフラグメントを単離することから成る、ウシRSウイルスのGタンパク質またはそのフラグメントの生産方法

請求項16

請求項6記載のDNA分子を含む組換え微生物を、該DNA分子が該微生物により発現されるように生育させ、発現されたウシRSウイルスのGタンパク質またはフラグメントを単離することから成る、ウシRSウイルスのGタンパク質またはそのフラグメントの生産方法。

請求項17

請求項1、3または5記載のDNA分子を含む組換え微生物を、該DNA分子が真核細胞により発現されるように生育させ、発現されたウシRSウイルスのGタンパク質またはフラグメントを単離することから成る、ウシRSウイルスのGタンパク質またはそのフラグメントの生産方法。

請求項18

請求項6記載のDNA分子を含む組換え微生物を、該DNA分子が真核細胞により発現されるように生育させ、発現されたウシRSウイルスのGタンパク質またはフラグメントを単離することから成る、ウシRSウイルスのGタンパク質またはそのフラグメントの生産方法。

請求項19

請求項7記載のDNA分子を含む組換え微生物を、該DNA分子が真核細胞により発現されるように生育させ、発現されたウシRSウイルスのGタンパク質またはフラグメントを単離することから成る、ウシRSウイルスのGタンパク質またはそのフラグメントの生産方法。

請求項20

微生物が細菌である、請求項15記載の方法。

請求項21

微生物が細菌である、請求項16記載の方法。

請求項22

請求項15記載の生産物

請求項23

請求項16記載の生産物。

請求項24

請求項17記載の生産物。

請求項25

請求項18記載の生産物。

請求項26

請求項19記載の生産物。

請求項27

請求項15記載の生産物を適当な製剤学的担体中に含有してなるサブユニットワクチン

請求項28

請求項16記載の生産物を適当な製剤学的担体中に含有してなるサブユニットワクチン。

請求項29

請求項17記載の生産物を適当な製剤学的担体中に含有してなるサブユニットワクチン。

請求項30

請求項18記載の生産物を適当な製剤学的担体中に含有してなるサブユニットワクチン。

請求項31

請求項19記載の生産物を適当な製剤学的担体中に含有してなるサブユニットワクチン。

請求項32

請求項20記載の生産物を適当な製剤学的担体中に含有してなるサブユニットワクチン。

請求項33

感染するが非病原性であり、請求項1、2または5記載のDNA分子を含む組換えウイルス

請求項34

感染するが非病原性であり、請求項6記載のDNA分子を含む組換えウイルス。

請求項35

請求項33記載の組換えウイルスを含むワクチン

請求項36

請求項34記載の組換えウイルスを含むワクチン。

請求項37

実質的に図3に示したとおりのアミノ酸配列または抗原決定基を含むその部分配列を有する組換えまたは合成タンパク質

請求項38

請求項37記載の組換えまたは合成タンパク質を適当な製剤学的担体中に含有してなるサブユニットワクチン。

請求項39

請求項37記載の組換えまたは合成タンパク質を動物接種することから成る方法により製造された抗体。

請求項40

モノクローナル抗体である、請求項39記載の抗体。

請求項41

請求項40記載の抗体から製造された抗体フラグメントまたは抗体誘導体

請求項42

請求項40記載の抗体から製造された抗体フラグメントまたは抗体誘導体。

請求項43

ウシRSウイルスに感染したらしい動物から得られた試料中のウシRSウイルス核酸の存在を検出することから成る、ウシRSウイルス感染の診断方法

請求項44

. (i)ウシRSウイルスに感染したらしい動物から得られた試料より調製した核酸を、実質的に図2に示したとおりの配列または部分配列を有しかつ少なくとも約10のヌクレオチドを含む核酸分子に、ハイブリダイゼーションを可能にする条件下で接触させ;そして

技術分野

0001

1. 序論1. 序論
本発明は、ウシRS (bovine respiratory syncytial;BRSとも言う)ウイルスGタンパク質をコードする組換えDNA分子、並びにそれらから誘導された対応するBRSウイルスタンパク質およびペプチドに関するものである。それは、部分的に、Gを含む多くのウシRSウイルスタンパク質をコードする全長cDNAクローニングに基づいている。Gタンパク質をコードするDNAはワクシニアウイルスベクターに挿入され、これらのベクターが培養下でGタンパク質を発現させるために使用された。また、Gタンパク質をコードするベクターは抗ウシRSウイルス免疫応答を誘発させるために使用された。本発明の分子はウシRSウイルスの安全で効果的なワクチンを製造するのに使用することができる。
2. 発明の背景
2.1. ウシRSウイルス
ウシRSウイルス 391-2株は、1984年のから1985年にかけてノース・カロライナ州でウシに大流行したRSウイルスより単離された。この大流行は5か所の酪農場のウシと、食肉用子ウシおよび雌ウシ作業所と、さらに肉牛および肥育去勢牛飼育者の作業所を巻き込むこととなった (Fetrow et al., North Carolina State University Agric. Extension Service Vet. Newsl.)。エンベロープをもつ一本鎖ネガティブ-センスRNAウイルスである、RSウイルス (Huang and Wertz, 1982, J. Virol. 43:150-157; Kingsbury et al.,1978, Intervirology 10:137-153)は、最初、チンパンジーから単離された (Morris et al., 1956, Proc. Soc. Exp. Biol. Med. 92:544-549) 。続いて、ヒト、ウシ、ヒツジおよびヤギからもRSウイルスが単離された (Chanock et al.,1957, Am. J. Hyg. 66:281-290; Evermann et al., 1985, AM. J. Vet. Res. 46:947-951; Lehmkuhl et al., 1980, Arch. Virol. 65:269-276; Lewis, F.A. etal., 1961, Med. J. Aust. 48:932-33; Paccaud and Jacquier, 1970, Arch. Gesamte Virusforsch 30:327-342)。ヒトRS(HRS)ウイルスは子供では生後1年の間にかかる重症の下部気道感染症の主な原因となり、流行病が毎年発生している (Stott and Taylor, 1985, Arch. Virol. 84:1-52) 。同様に、BRSウイルスはウシに細気管支炎肺炎を起こし、食肉業界にとって経済的に重大な流行病が毎年冬に発生している (Bohlender et al., 1982, Mod. Vet. Pract. 63:613-618; Stott and Taylor, 1985, Arch. Virol. 84:1-52; Stott et al., 1980, J. Hyg. 85:257-270)。BRSウイルスによって引き起こされる重症の疾患は通常2−4.5月齢のウシに最も高い頻度で発生する。BRSウイルス 391-2株の大流行は多くの成熟雌ウシが病気にかかった点で特徴的であり、1つの酪農場のミルク生産を50 %低下させ、一部の動物死亡させたが、若いウシは軽症ですんだ (Fetrow et al., 1985, North Carolina State University Agric. Extension Service Vet. Newsl.)。BRSウイルスは1970年に初めて単離され (Paccaud and Jacquier, 1970, Arch. Gesamte Virusforsch. 30:327-342)、そして宿主(Baker et al., 1986, J.Am. Vet. Med. Assoc. 189:66-70; Castleman et al., 1985, Am. J. Vet. Res. 46:554-560; Castleman et al., 1985, Am. J. Vet. Res. 46:547-553)および血清学的研究 (Baker et al., 1985, Am. J. Vet. Res. 46:891-892; Kimman etal., 1987, J. Clin. Microbiol. 25:1097-1106; Stott et al., 1980, J. Hyg. 85:257-270) に対するウイルス感染臨床的(van Nieuwstadt, A.P. et al., 1982, Proc. 12th World Congr. Dis. Cattle 1:124-130; Verhoeff et al.,1984, Vet. Rec. 114:288-293) および病理学的影響に関心が集中した。このウイルスの分子の詳細については何も記載されていない。1つの研究がBRSウイルス感染細胞に存在するタンパク質とHRSウイルス感染細胞に存在するタンパク質とを比較したにすぎない (Cash et al., 1977, Virology 82:369-379) 。これに対して、HRSウイルスについては詳細な分子分析が行われた。HRSウイルスmRNAのcDNAクローンが作製され、これを使って10の特異なポリペプチドをコードする10のウイルス特異的mRNAを同定し、そして10の遺伝子のうち9つの完全なヌクレオチド配列が得られた (Collins, P.L., et al., 1986, in “Concepts in Viral Pathogenesis II ”, Springer-Verlag., New York; Stott and Taylor, 1985, Arch. Virol. 84:1-52) 。2つの方面の知見から、HRSウイルスとBRSウイルスは異なるRSウイルスのサブグループに属することが提案された。第一に、BRSウイルスとHRSウイルスは様々な種の組織培養細胞に感染する能力相違している (Paccaud and Jacquier, 1970, Arch. Gesamte Virusforsch. 30:327-342)。1つの例外はあるが、BRSウイルスはHRSウイルスよりも狭い宿主域を示すことが研究によりわかる。Matumotoら (1974, Arch. Gesamte Virusforsch. 44:280-290)は、BRSウイルスのNMK7株がHRSウイルスのLong株よりも広い宿主域をもつことを報告した。他の研究者は他のBRS株でこれと同じ結果を得ることができなかった (Paccaud and Jacquier, 1970, Arch. Gesamte Virusforsch. 30:327-342; Pringle and Crass, 1978, Nature (London) 276:501-502)。BRSウイルスがHRSウイルスと異なることを示す第二の知見は、BRSウイルスとHRSウイルスの主要な糖タンパク質Gにおける抗原差異の証明によりもたらされた (Orvell et al., 1987, J. Gen. Virol. 68:3125-3135) 。モノクローナル抗体を用いた研究は、G糖タンパク質の関連性に基づいてHRSウイルス株を2つのサブグループに分類した (Anderson 1985, J. Infect. Dis. 151:626-633; Mufson et al., 1985, J. Gen. Virol. 66:2111-2124) 。これらの研究に含まれていたBRSウイルス株のGタンパク質は、それぞれのHRSウイルスサブグループからのウイルスに対して誘導されたモノクローナル抗体と反応しなかった (Orvell et al., 1987, J. Gen. Virol. 68:3125-3135) 。BRSウイルスは、付着における主要な糖タンパク質Gの役割、HRSウイルスと比べたBRSウイルスの宿主域の制限、および天然宿主において防御免疫応答を誘発するのに必要な個々のウイルス抗原の役割(現在、HRSウイルスについては簡単に行えない)を研究する機会を提供する。
2.2. Gタンパク質
以前の研究から、BRSウイルスとHRSウイルスの付着表面糖タンパク質Gの間には交差反応性がないのに、他のトランスメンブラン糖タンパク質、融合Fタンパク質および主要な構造タンパク質N、PおよびMの間には交差抗原反応性があることがわかった (Lerch et al., 1989, J. Virol. 63:833-840; Orvilleet al., 1987, J. Gen. Virol. 68:3125-3135)。入手可能な知見によると、BRSウイルスは培養下のウシ細胞にのみ感染して、比較的狭い宿主制限を有し、一方HRSウイルスは様々な細胞型実験動物に感染し得る (Jacobs and Edington, 1975, Res. Vet. Sci. 18:299-306; Mohanty et al., 1976, J. Inf. Dis. 134:409-413; Paccaud and Jacquier, 1970, Arch. Gesamte Virusforsch. 30:327-342)。HRSウイルスのGタンパク質はウイルス付着タンパク質であるので (Levine et al., 1987, J. Gen. Virol. 68:2521-2524) 、この観察はBRSウイルスとHRSウイルスのGタンパク質の差異がBRSウイルスとHRSウイルス間で観察された付着および宿主域の相違の原因でありうることを示唆した。HRSウイルスG mRNAの配列解析に基づいて、Gタンパク質は3つのドメイン:すなわち内部または細胞質ドメイントランスメンブランドメイン、およびこのポリペプチドの4分の3を占める外部ドメインを有すると予想される (Satake et al., 1985, Nucl. AcidsRes: 13:7795-7812; Wertz et al., 1985,Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 82:4075-4079) 。RSウイルスGタンパク質はそのアミノ末端ビリオンの内部に向いており、そのカルボキシ末端がビリオンの外部に向いていると示唆されている (Olmsted et al., 1989, J. Viral. 13:7795-7812; Vijaya et al., 1988, Mol. Cell. Biol. 8:1709-1714; Wertz et al., 1985, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 82:4075-4079)。他のパラミクソウイルス科(Paramyxovirus)の付着タンパク質と違って、RSウイルスGタンパク質はノイラミニダーゼ血球凝集活性の両方を欠いている (Gruber and Levine, 1983, J. Gen. Virol. 64:825-832; Richmar et al., 1971, Appl. Microbiol. 21:1099) 。ビリオンと感染細胞に見られる成熟Gタンパク質は、SDS−ポリアクリルアミドゲルでの泳動に基づいて80-90 kDa の概算分子量を有する (Dubovi, 1982, J. Viol. 42:372-378; Gruber and Levine, 1983, J. Gen. Virol. 64:825-832; Lambert and Pons, 1983, Virology 130:204-214; Peeples and Levine, 1979, Viol. 95:137-145)。これに対して、GmRNA配列は32 kDaの分子量を有するタンパク質を予告し (Satake et al., 1985, Nucl. Acids Res: 13:7795-7812; Wertz et al., 1985, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 82:4075-4079) 、G mRNAを in vitro で翻訳すると、それは抗G血清により特異的に免疫沈降する36kDaタンパク質の合成へ導く。このポリペプチド主鎖にはN結合および広範なO結合グリコシル化が存在することがわかった (Lambert, 1988, Virology 164:458-466; Wertz et al., 1989, J. Virol. 63:X)。グリコシダーゼ(糖付加阻害剤) とO結合グリコシル化を欠損している細胞系を使用した実験から、成熟Gタンパク質の分子量の55 %がO結合グリコシル化のためであり、そして3 % がN結合グリコシル化のためであるとされた。しかしながら、これらの概算値はSDS−ポリアクリルアミドゲルでの泳動に基づくものであり、おおよその値にすぎない。Gタンパク質の推定アミノ酸配列中のトレオニンセリン残基高含有量(30 %) は広範なO結合グリコシル化の知見と一致する (Satake etal., 1985, Nucl. Acids Res: 13:7795-7812; Wertz et al., 1985, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 82:4075-4079) 。トレオニンとセリンはO結合オリゴ糖付着のための部位として役立つアミノ酸残基であり (Kornfield and Kornfield, 1980, in “The Biochemistry of Glycoproteins and Proteoglycans ”, Lenarz, ed., Plenum Press, N.Y. pp. 1-32) 、HRSウイルスのGタンパク質ではトレオニンとセリン残基の85 %が細胞外ドメインに存在する (Wertz et al., 1985, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 82:4075-4079) 。Gタンパク質の高含有量のプロリン(10 %) 、セリンとトレオニン (30 %) および広範なO結合グリコシル化はムチンタンパク質として知られる細胞の糖タンパク質のグループの特徴と類似しているが (前掲) 、ウイルスの糖タンパク質の中では特異である。HRSウイルスの単離物は、モノクローナル抗体のパネルを使用してGタンパク質に観察された抗原変異に基づいて、2つのサブグループAとBに大別された(Anderson et al., 1985, J. Inf. Dis. 151:626-633; Mufson et al., 1985,J. Gen. Virol. 66:2111-2124)。しかし、両サブグループのGタンパク質を認識するモノクローナル抗体も少数存在する (Mufson et al., 1985, J. Gen. Virol. 66:2111-2124; Orvell et al., 1987, J. Gen. Virol. 68:3125-3135) 。2つのサブグループからのHRSウイルスのG mRNAの配列解析は、推定Gタンパク質間で54 %の全体的なアミノ酸同一を示し、このタンパク質の細胞外ドメインでは44 %のアミノ酸同一を示した (Johnson et al., Proc. Natl. Acad. Sci.U.S.A. 84:5625-5629) 。
2.3. ウシRSウイルスのワクチン
ウシRSウイルス(BRS)ワクチンは生きているかまたは不活性化されたウイルス、もしくはウイルスタンパク質を含むものが開発されている。Frennet ら(1984, Ann. Med. Vet. 128:375-383) は、生存BRSウイルスとウシウイルス下痢ワクチンを混合して投与した子ウシの81 %が野外のウイルス攻撃により誘発される重症の呼吸器症状から防御されたと報告した。Stott ら (1984, J. Hyg.93:251-262) は、不活性化BRSウイルスワクチン (永続的にBRSウイルスを感染させたグルタルアルデヒド固定ウシ鼻粘膜細胞を含み、オイルアジュバント乳化した) と2つの生ワクチン(1つはBRSウイルスに対して、他方はHRSウイルスに対して誘導された) とを比較した。Stott の実験 (前掲) で不活性化ウイルスワクチンを投与した12頭の子ウシのうち11頭はBRSウイルスの攻撃から完全に防御されたが、全ての対照動物と生ワクチンを投与した動物は感染した。生ワクチンはBRSウイルス感染を悪化させる可能性がある。BRSウイルスと関連した呼吸器疾患の大流行は、子ウシに改変した生存BRSウイルスを接種した直後に発生した (Kimman et al., 1989, Vet. Q. 11:250-253)。Parkら (1989, Res. Rep. Rural Dev. Adm. 31:24-29) は、2成分エチレンイミンBEI)−不活性化BRSウイルスワクチンの開発を報告し、モルモットとヤギでその免疫原性試験した。血清中和抗体は接種後2週目に検出され、抗体は4週目の追加免疫接種により増加した。ヤギでは、接種後12週目にウイルスで動物を攻撃したときに、BRSウイルスに対する防御効果が観察された。Trudelら (1989, Vaccine 7:12-16)は、ヒト (Long) とウシ (A-51908)の両方のRS株の表面タンパク質アジュバントQuil A に吸着させて製造した免疫刺激複合体中和抗体を誘導する能力について研究した。ウシRSウイルスタンパク質から作られた免疫刺激複合体は、それらのヒト対応物よりも中和抗体を誘導する点で有意に効果的であることがわかった。

課題を解決するための手段

0002

3. 発明の要約3. 発明の要約
本発明は、BRSウイルスタンパク質をコードする組換えDNA分子、BRSウイルスタンパク質およびペプチド、並びにそれらから製造された組換えBRSウイルスワクチンに関するものである。それは、部分的に、完全なBRSウイルスGタンパク質をコードする実質的に全長のcDNAのクローニングに基づいている。G cDNAのヌクレオチド配列が決定され、図2に示される。本発明の特定の態様によれば、BRSウイルスタンパク質またはペプチドをコードするDNAはBRSウイルス感染を診断するのに使用することができ、また、発現ベクター(ワクシニアウイルスや細菌、酵母昆虫または他の脊椎動物ベクターを含み、これらに限定されない)に挿入することもできる。これらの発現ベクターはBRSウイルスタンパク質またはペプチドを大量に生産するのに利用され、このようにして得られた実質的に純粋なウイルスタンパク質またはペプチドはサブユニットワクチン処方物中に配合されるか、BRSウイルス感染の診断や受動免疫感作に利用し得るモノクローナルまたはポリクローナル抗体を生成させるために使用される。別の態様では、本発明により得られたBRSウイルスのタンパク質配列は、サブユニットワクチンやモノクローナルまたはポリクローナル抗体の生産に利用し得る合成ペプチドまたはタンパク質を製造するために使用される。また、非病原性発現ベクターはそれ自体が組換えウイルスワクチンとして利用される。
4. 発明の詳細な説明
本発明はウシRSウイルス核酸及びタンパク質に関する。本発明を限定するのでなくむしろ開示を明瞭にするために、本発明の詳細な説明は下記のサブセクションに分けられる。

0003

図面の簡単な説明

0004

図1BRSウイルスのcDNAの配列決定戦略最下部尺度はBRSウイルスGmRNAの5’末端からのヌクレオチドの数を示す。cDNAをM13mp19複製型(RF)DNAに挿入し、M13特異的シークエンシングプライマーを使ってジデオキシヌクレオチドシークエンシングによりヌクレオチド配列を決定した。矢印はBRSウイルスmRNA上での合成オリゴヌクレオチドプライマー伸長により決定されたGmRNA配列の部分を示す。プライマーの配列はBRSウイルスG mRNA配列の塩基154-166 に相補的であった。クローンG4、G10およびG33中のcDNAはPstIとKpnIで切りだし、反対側のcDNA末端の配列を決定するためにM13mp18RF- DNAに挿入した。各クローンに関する直線はそのクローンから決定されたmRNAの配列を示す。クローンG10とG33だけが全体的に配列決定された。クローンG1、G7、G12、G5およびG3は全て長さが500 ヌクレオチドよりも短く、この理由のために部分的に配列決定された。
図2BRSウイルスの完全G mRNA配列とHRSウイルスA2および18537 のG mRNA配列との整合。整合はBRSウイルスのG配列をHRSウイルスA2のG配列に対して比較し、 Needleman and Wunsch の方法 (1970, J.Mol. Biol. 48:443-453) により行った。HRSウイルスA2および18537 のGmRNA配列については同一でない塩基のみを示してある。点線で示したギャップは Johnsonら (1987, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 84:5625-5629) により決定されたHRSウイルスA2のG配列の配列同一性最大限にするために使用した。HRSウイルスのコンセンサス遺伝子開始および遺伝子停止シグナルには上に線が引いてある。それぞれのウイルスのG mRNAのコンセンサス開始コドン停止コドン四角で囲ってある。配列の上の点は10ヌクレオチドごとに配置されており、各列の最後のヌクレオチドの番号は配列の右側に示してある。
図3BRSウイルスのGタンパク質とHRSウイルスA2および18537 のGタンパク質の推定アミノ酸配列の整合。整合は Needleman and Wunsch の方法(1970, J. Mol. Biol. 48:443-453) により行った。HRSウイルスA2と18537 のGタンパク質の同一アミノ酸は星印で示される。提案されたドメインを配列の上に示す。可能なN結合炭水化物付加部位は、BRSウイルスGタンパク質については配列の上に黒の三角で、HRSウイルスA2のGタンパク質については配列の上に黒の菱形で、そしてHRSウイルス18537 のGタンパク質については配列の下に黒の三角で示してある。4つの保存されたシステイン残基黒丸で示してある。HRSウイルスA2および18537 のGタンパク質の保存された13アミノ酸領域は四角で囲ってある。Johnson ら (1987, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 84:5625-5629) により記載される、HRSウイルス18537 のGタンパク質配列に対するHRSウイルスA2のGタンパク質配列中のギャップはダッシュで示してある。配列の上の点は10アミノ酸残基ごとに配置されており、各列の最後のアミノ酸残基の番号は配列の右側に示してある。
図4RSウイルスGタンパク質間のアミノ酸同一性図3に示した配列整合に基づいて、種々のGタンパク質間の全体的な同一性と、提案されたそれぞれのドメインでの同一性を示す。
図5BRSウイルスと、HRSウイルスA2および18537 のGタンパク質の親水性プロット。Gタンパク質の推定アミノ酸配列に沿った親水および疎水領域分布は、Kyte and Doolittleのアルゴリズム(1982, J. Mol. Biol. 157:105-132)を用いて決定した。それぞれのアミノ酸の値は9アミノ酸のウインドーに対して計算した。最下部の目盛りはアミノ末端メチオニンから出発するアミノ酸残基を示す。アミノ酸配列親水領域中心線の上に、疎水領域は中心線の下に示される。
図6BRSウイルスおよび組換えワクシニアウイルスにより発現されたGタンパク質のウェスターンブロット分析BT細胞に組換えワクシニアウイルス(moi=10) 、野生型ワクシニアウイルス(moi=10) 、またはBRSウイルス (moi=1)を感染させた。BRSウイルス (レーンB) 、野生型ワクシニアウイルス (レーンVV) 、BRSウイルスのG遺伝子を前 (レーンG642+)および逆 (レーンG4567-) 方向に含む組換えワクシニアウイルス、および擬似 (レーンM) を感染させた細胞からのタンパク質は、ワクシニアウイルス感染細胞では感染の6時間後に、BRSウイルス感染細胞では感染の36時間後に細胞を溶解することにより回収した。タンパク質は非還元条件下に10 %ポリアクリルアミド−SDSゲル電気泳動を行うことにより分離し、第一抗体として抗-391-2血清を使ってウェスターンブロッティングにより分析した。結合した第一抗体を同定するために、西ワサビペルオキシダーゼ結合抗ウシIgGを使用した。BRSウイルスのタンパク質を示してある。予備染色したタンパク質の分子量マーカーもそれらの分子量によりキロダルトンで示してある。
図7組換えワクシニアウイルス感染細胞の表面免疫蛍光ガラスカバースリップ上で増殖させたHEp-2 細胞に擬似(M)感染させるか、野生型ワクシニアウイルス (VV; moi=10) または組換えウイルスG642 (rVV; moi=10)を感染させた。感染の24時間後に、生細胞を抗-391-2血清、次にフルオレセイン結合抗ウシIgG(H+L) で染色した。位相差(左のパネル) および蛍光(右のパネル)顕微鏡写真を示す。
図8擬似(M)、ウシRSウイルス(Bov)またはヒトRSウイルス(Hu)感染BT細胞からの 3H-グルコサミン標識タンパク質の免疫沈降。パネルA.ヒトRSウイルスGタンパク質に特異的な抗血清は、HRSウイルスA2のGタンパク質を発現する組換えVVベクター(vG301) (Stott et al., 1986, J. Virol. 60:607-613) でウサギを免疫することにより製造し、擬似、BRSウイルス(Bov)またはHRSウイルス(Hu) 感染細胞からの放射性標識タンパク質を免疫沈降させるために使用した。パネルB.ウシRSウイルスGタンパク質に特異的な抗血清は、BRSウイルスのGタンパク質を発現する組換えVVベクター (vvG642) でマウスを免疫することにより製造し、擬似、BRSウイルス(Bov)またはHRSウイルス(Hu) 感染細胞からのタンパク質を免疫沈降させるために使用した。パネルC.擬似、BRSウイルス(Bov)またはHRSウイルス(Hu) 感染細胞の細胞質抽出物中に存在する全 3H- グルコサミン標識タンパク質。

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