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図面 (2)

課題

従来よりも優れたHIVプロモーター活性阻害作用を示す薬剤の提供。

解決手段

イソフラボン骨格、3−フェニルクマリン骨格またはカルコン骨格を有する化合物またはその配糖体を含有するHIVプロモーター活性阻害剤。特に、グリシルイソフラボン、イリジングリシクマリンリコピラノクマリンリコカルコンA、リコカルコンB、またはテトラヒドロキシメトキシカルコンを含有するHIVプロモーター活性阻害剤。

概要

背景

後天性免疫不全症候群AIDS)の原因ウイルスであるHIVレトロウイルスの1つである。ある薬剤抗レトロウイルス活性を示す様式は数多くある。AZTや3TC等に代表されるウイルス逆転写酵素阻害剤は、レトロウイルスRNAゲノム逆転写反応阻害することにより、プロウイルス化を抑制する。一方、1996年に米国FDA承認を得て登場したウイルスプロテアーゼ阻害剤は、プロウイルスの転写翻訳産物である前駆体蛋白質を各成熟ウイルス蛋白質に切断する反応を阻害することにより、ウイルスの増殖を抑制する。さらに、最近開発が進められているインテグラーゼ阻害剤は、逆転写反応により生成したウイルスDNAを細胞染色体に組み込む過程を阻害することによりプロウイルス化を抑制する。

HIVプロウイルスDNAからの遺伝子発現、特に転写を阻害することにより、ウイルス増殖を抑制することもまた、HIV感染者のAIDS発症を防ぐ(または遅らせる)上で魅力的方策の1つである。これまでに、例えば、タンニン酸数種類低分子ポリフェノールにHIVプロモーター活性阻害作用があることが知られているが、その効果は十分とはいえず、さらに強力なHIVプロモーター活性阻害物質の探索が重要な課題である。

概要

従来よりも優れたHIVプロモーター活性阻害作用を示す薬剤の提供。

イソフラボン骨格、3−フェニルクマリン骨格またはカルコン骨格を有する化合物またはその配糖体を含有するHIVプロモーター活性阻害剤。特に、グリシルイソフラボン、イリジングリシクマリンリコピラノクマリンリコカルコンA、リコカルコンB、またはテトラヒドロキシメトキシカルコンを含有するHIVプロモーター活性阻害剤。

目的

したがって、本発明の目的は、タンニン酸等よりもさらに高いHIVプロモーター活性阻害作用を有する物質を提供し、もってAIDSの予防および治療新規な手段を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

下記一般式(I)

請求項

ID=000002HE=040 WI=086 LX=0620 LY=0400(式中、R1はヒドロキシまたはC1-4アルコキシ、R2は水素、ヒドロキシ、C1-4アルコキシまたはC2-5アルケニル、R3は水素、ヒドロキシまたはC1-4アルコキシ、R4は水素、ヒドロキシまたはC1-4アルコキシ、R5は水素、ヒドロキシまたはC1-4アルコキシ、およびR6は水素、ヒドロキシまたはC2-5アルケニルである)で示されるイソフラボン化合物およびその配糖体からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含有するヒト免疫不全ウイルスプロモーター活性阻害剤

請求項2

グリシルイソフラボンおよびイリジンからなる群より選択される少なくとも1種のイソフラボン系化合物を含有する請求項1記載のヒト免疫不全ウイルスプロモーター活性阻害剤。

請求項3

イリジンを含有する請求項1記載のヒト免疫不全ウイルスプロモーター活性阻害剤。

請求項4

下記一般式(II)

請求項

ID=000003HE=035 WI=087 LX=0615 LY=1250(式中、R1はヒドロキシまたはC1-4アルコキシ、R2は水素またはC2-5アルケニル、あるいはR1とR2は一緒になってクロマン環を形成してもよく、R3はヒドロキシまたはC1-4アルコキシ、R4は水素、ヒドロキシまたはC1-4アルコキシ、R5は水素、ヒドロキシ、C1-4アルコキシまたはC2-5アルケニル、およびR6は水素、ヒドロキシまたはC1-4アルコキシである)で示される3−フェニルクマリン系化合物およびその配糖体からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含有するヒト免疫不全ウイルスプロモーター活性阻害剤。

請求項5

グリシクマリンおよびリコピラノクマリンからなる群より選択される少なくとも1種の3−フェニルクマリン系化合物を含有する請求項4記載のヒト免疫不全ウイルスプロモーター活性阻害剤。

請求項6

下記一般式(III)

請求項

ID=000004HE=050 WI=086 LX=0620 LY=2000(式中、R1はヒドロキシまたはC1-4アルコキシ、R2は水素、ヒドロキシまたはC1-4アルコキシ、R3はヒドロキシまたはC1-4アルコキシ、R4は水素、ヒドロキシまたはC1-4アルコキシ、R5はヒドロキシまたはC1-4アルコキシ、R6は水素、ヒドロキシまたはC2-5アルケニルである)で示されるカルコン系化合物およびその配糖体からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含有するヒト免疫不全ウイルスプロモーター活性阻害剤。

請求項7

リコカルコンA、リコカルコンBおよびテトラヒドロキシメトキシカルコンからなる群より選択される少なくとも1種のカルコン系化合物を含有する請求項6記載のヒト免疫不全ウイルスプロモーター活性阻害剤。

請求項8

テトラヒドロキシメトキシカルコンを含有する請求項6記載のヒト免疫不全ウイルスプロモーター活性阻害剤。

技術分野

0001

本発明は、イソフラボン骨格、3−フェニルクマリン骨格またはカルコン骨格を有する化合物を含有するヒト免疫不全ウイルス(以下、HIVという)遺伝子発現抑制剤、特にHIVプロモーター活性阻害剤に関する。

背景技術

0002

後天性免疫不全症候群AIDS)の原因ウイルスであるHIVはレトロウイルスの1つである。ある薬剤抗レトロウイルス活性を示す様式は数多くある。AZTや3TC等に代表されるウイルス逆転写酵素阻害剤は、レトロウイルスRNAゲノム逆転写反応阻害することにより、プロウイルス化を抑制する。一方、1996年に米国FDA承認を得て登場したウイルスプロテアーゼ阻害剤は、プロウイルスの転写翻訳産物である前駆体蛋白質を各成熟ウイルス蛋白質に切断する反応を阻害することにより、ウイルスの増殖を抑制する。さらに、最近開発が進められているインテグラーゼ阻害剤は、逆転写反応により生成したウイルスDNAを細胞染色体に組み込む過程を阻害することによりプロウイルス化を抑制する。

0003

HIVプロウイルスDNAからの遺伝子発現、特に転写を阻害することにより、ウイルス増殖を抑制することもまた、HIV感染者のAIDS発症を防ぐ(または遅らせる)上で魅力的方策の1つである。これまでに、例えば、タンニン酸数種類低分子ポリフェノールにHIVプロモーター活性阻害作用があることが知られているが、その効果は十分とはいえず、さらに強力なHIVプロモーター活性阻害物質の探索が重要な課題である。

発明が解決しようとする課題

0004

したがって、本発明の目的は、タンニン酸等よりもさらに高いHIVプロモーター活性阻害作用を有する物質を提供し、もってAIDSの予防および治療新規な手段を提供することである。

課題を解決するための手段

0005

HIV遺伝子の発現誘導は、細胞側の受容体にTNFやIL−1といったリガンドが結合することによってキナーゼが活性化されると、NFκB/IκB複合体のIκBがリン酸化されて遊離し、活性化されたNFκBは核に移行し、HIVプロモーターLTR)中の特異的なシスエレメントに結合してウイルスRNAの転写が開始されることによって起こると説明されている。NFκBはまた、TPAの刺激によっても活性化される。すなわち、TPA刺激を受けると細胞のC−キナーゼが活性化され、その作用によりIκBがリン酸化されて遊離し、NFκBが活性化される。したがって、HIVプロモーターの下流にレポーター遺伝子を繋いだプラスミド培養細胞トランスフェクションし、TPA刺激によりNFκBの活性化を誘起して該レポーター遺伝子のトランジェント発現を調べるアッセイ系は、HIVプロモーターの活性阻害剤スクリーニング系として非常に有効なツールである。

0006

本発明者らは、このアッセイ系を利用して、薬用植物から抽出・単離された様々な化合物についてHIVプロモーター活性阻害作用を調べた結果、甘草等から得られるイソフラボン骨格、3−フェニルクマリン骨格またはカルコン骨格を有する化合物が、タンニン酸よりも強いHIVプロモーター活性阻害作用を示すことを見出して、本発明を完成するに至った。

0007

すなわち、本発明は次に述べるものである。
1.下記一般式(I)

0008

0009

(式中、R1はヒドロキシまたはC1-4アルコキシ、R2は水素、ヒドロキシ、C1-4アルコキシまたはC2-5アルケニル、R3は水素、ヒドロキシまたはC1-4アルコキシ、R4は水素、ヒドロキシまたはC1-4アルコキシ、R5は水素、ヒドロキシまたはC1-4アルコキシ、およびR6は水素、ヒドロキシまたはC2-5アルケニルである)で示されるイソフラボン系化合物およびその配糖体からなる群より選択される少なくとも1種の化合物、好ましくはグリシルイソフラボンおよびイリジンからなる群より選択される少なくとも1種のイソフラボン系化合物、より好ましくはイリジンを含有するヒト免疫不全ウイルスプロモーター活性阻害剤。
2.下記一般式(II)

0010

0011

(式中、R1はヒドロキシまたはC1-4アルコキシ、R2は水素またはC2-5アルケニル、あるいはR1とR2は一緒になってクロマン環を形成してもよく、R3はヒドロキシまたはC1-4アルコキシ、R4は水素、ヒドロキシまたはC1-4アルコキシ、R5は水素、ヒドロキシ、C1-4アルコキシまたはC2-5アルケニル、およびR6は水素、ヒドロキシまたはC1-4アルコキシである)で示される3−フェニルクマリン系化合物およびその配糖体からなる群より選択される少なくとも1種の化合物、好ましくはグリシクマリンおよびリコピラノクマリンからなる群より選択される少なくとも1種の3−フェニルクマリン系化合物を含有するヒト免疫不全ウイルスプロモーター活性阻害剤。
3.下記一般式(III)

0012

0013

(式中、R1はヒドロキシまたはC1-4アルコキシ、R2は水素、ヒドロキシまたはC1-4アルコキシ、R3はヒドロキシまたはC1-4アルコキシ、R4は水素、ヒドロキシまたはC1-4アルコキシ、R5はヒドロキシまたはC1-4アルコキシ、R6は水素、ヒドロキシまたはC2-5アルケニルである)で示されるカルコン系化合物およびその配糖体からなる群より選択される少なくとも1種の化合物、好ましくはリコカルコンA、リコカルコンBおよびテトラヒドロキシメトキシカルコンからなる群より選択される少なくとも1種のカルコン系化合物、より好ましくはテトラヒドロキシメトキシカルコンを含有するヒト免疫不全ウイルスプロモーター活性阻害剤。

発明を実施するための最良の形態

0014

本発明のHIVプロモーター活性阻害剤の有効成分であるイソフラボン系化合物は、上記一般式(I)で示されるイソフラボン骨格を有する化合物またはその配糖体であって、後記実施例に詳述されるアッセイ系を用いた場合、細胞内に導入したHIVプロモーター含有プラスミド中のHIVプロモーター活性を、100μg/ml以下の濃度で約80%以上阻害し得る化合物であれば特に制限はない。ここで「C1-4アルコキシ」は炭素数1〜4のいかなるアルコキシ基であってもよいが、好ましくはメトキシである。また、「C2-5アルケニル」も炭素数2〜5のいかなるアルケニル基であってよいが、好ましくは2−メチル−2−ブテン−4−イルである。本発明の具体的なイソフラボン系化合物として、好ましくはグリシルイソフラボン(化7)、イリジン(化8)等、より好ましくはイリジンが挙げられる。

0015

0016

0017

これらのイソフラボン系化合物はいかなる方法によって得られるものであってもよいが、例えば、マメ科アヤメ科バラ科等に属する植物から、慣用抽出精製方法を用いて遊離化合物または配糖体として得ることができる。

0018

例えば、グリシルイソフラボンは、市販の西甘草を70%含水アセトンホモジナイズし、遠沈不溶物を除いた後、上清濃縮物エーテルと水で分配、エーテル可溶部を除いた水層をさらに酢酸エチルで抽出し、その濃縮液についてシリカゲルカラムクロマトグラフィークロロホルム−水98:2で溶出)およびMCIゲルCHP−20Pを吸着剤とするカラムクロマトグラフィーメタノール−水6:4で溶出)を組み合わせて分離、精製することにより無色結晶として得ることができる。

0019

また、イリジンは、例えば、ジャーマンアイリス(Iris germanica)の乾燥根茎を室温でメタノール抽出し、濃縮液をエーテル、酢酸エチル、ブタノールで順次抽出し、得られた酢酸エチルエキスシリカゲルカラム吸着せしめ、クロロホルム、クロロホルム−メタノール混液メタノール含量を10%から40%まで10%づつ増量)で順次溶出することにより、黄色結晶として得ることができる。

0020

また、天然に見出されていない本発明のイソフラボン系化合物については、例えば、天然から単離され得るイソフラボン系化合物を、慣用の方法を用いて改変することにより調製することができる。

0021

本発明のHIVプロモーター活性阻害剤の別の有効成分である3−フェニルクマリン系化合物は、上記一般式(II)で示される3−フェニルクマリン骨格を有する化合物またはその配糖体であって、後記実施例に詳述されるアッセイ系を用いた場合、細胞内に導入したHIVプロモーター含有プラスミド中のHIVプロモーター活性を、100μg/ml以下の濃度で約80%以上阻害し得る化合物であれば特に制限はない。ここで「C1-4アルコキシ」は炭素数1〜4のいかなるアルコキシ基であってもよいが、好ましくはメトキシである。また、「C2-5アルケニル」も炭素数2〜5のいかなるアルケニル基であってよいが、好ましくは2−メチル−2−ブテン−4−イルである。本発明の具体的な3−フェニルクマリン系化合物として、好ましくはグリシクマリン(化9)、リコピラノクマリン(化10)等が挙げられる。

0022

0023

0024

これらの3−フェニルクマリン系化合物はいかなる方法によって得られるものであってもよいが、例えば、キク科、マメ科、セリ科イネ科ミカン科等に属する植物から、慣用の抽出精製方法を用いて遊離化合物または配糖体として得ることができる。

0025

例えば、グリシクマリンは、上記グリシルイソフラボンと同様、西北甘草を70%含水アセトンでホモジナイズし、遠沈で不溶物を除いた後、上清の濃縮物をエーテルと水で分配、エーテル可溶部を除いた水層をさらに酢酸エチルで抽出し、その濃縮液についてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−水98:2で溶出)およびMCI−ゲルCHP−20Pを吸着剤とするカラムクロマトグラフィー(メタノール−水6:4で溶出)を組み合わせて分離、精製することにより黄色結晶として得ることができる。一方、リコピラノクマリンは、酢酸エチルエキスについて、液滴向流分配クロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール−水7:13:8;下降法)、MCI−ゲル CHP−20Pを吸着剤とするカラムクロマトグラフィー(メタノール−水7:3で溶出)およびシリカゲル薄層での分取クロマトグラフィー(クロロホルム−アセトンギ酸80:17:3)を組み合わせて分離することにより、黄色結晶として得ることができる。

0026

また、天然に見出されていない本発明の3−フェニルクマリン系化合物については、例えば、天然から単離され得る3−フェニルクマリン系化合物を、慣用の方法を用いて改変することにより調製することができる。

0027

本発明のHIVプロモーター活性阻害剤のさらに別の有効成分であるカルコン系化合物は、上記一般式(III)で示されるカルコン骨格を有する化合物またはその配糖体であって、後記実施例に詳述されるアッセイ系を用いた場合、細胞内に導入したHIVプロモーター含有プラスミド中のHIVプロモーター活性を、100μg/ml以下の濃度で約80%以上阻害し得る化合物であれば特に制限はない。ここで「C1-4アルコキシ」は炭素数1〜4のいかなるアルコキシ基であってもよいが、好ましくはメトキシである。また、「C2-5アルケニル」も炭素数2〜5のいかなるアルケニル基であってよいが、好ましくは3−メチル−1−ブテン−3−イルである。本発明の具体的なカルコン系化合物として、好ましくはリコカルコンA(化11)、リコカルコンB(化12)、テトラヒドロキシメトキシカルコン(化13)等、より好ましくはテトラヒドロキシメトキシカルコンが挙げられる。

0028

0029

0030

0031

これらのカルコン系化合物はいかなる方法によって得られるものであってもよいが、例えば、キク科植物等から、慣用の抽出精製方法を用いて遊離化合物または配糖体として得ることができる。

0032

例えば、リコカルコンAおよびBは、市販の新彊産甘草を70%含水アセトン中でホモジナイズし、遠沈で不溶物を除いた後、上清の濃縮物をエーテルと水で分配、エーテルエキスについて遠心向流分配クロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール−水7:13:8;下降法)およびシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール98:2で溶出)を組み合わせて分離することにより、それぞれ黄色結晶として得ることができる。

0033

また、テトラヒドロキシメトキシカルコンは、例えば、東北甘草を上記と同様含水アセトン抽出し、そのエーテルエキスについて液滴向流分配クロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール−プロパノール−水45:60:10:40;下降法)、MCI−ゲルCHP−20Pを吸着剤とするカラムクロマトグラフィー(含水メタノールで溶出)およびシリカゲル薄層での分取クロマトグラフィーを組み合わせて分離することにより、リコカルコンB、グリシクマリンとともに、黄色結晶として得ることができる。

0034

また、天然に見出されていない本発明のカルコン系化合物については、例えば、天然から単離され得るカルコン系化合物を、慣用の方法を用いて改変することにより調製することができる。

0035

本発明のHIVプロモーター活性阻害剤は、1または2種以上の上記イソフラボン系化合物、1または2種以上の上記3−フェニルクマリン系化合物あるいは1または2種以上の上記カルコン系化合物を有効成分として含有する。また、これら3つの異なる基本骨格を有する化合物の2種以上を含有することもできる。

0036

本発明のHIVプロモーター活性阻害剤は、HIVの遺伝子発現に関する基礎または応用研究における研究用試薬としても大いに有用であるが、AIDS患者またはHIV感染者のHIVプロウイルスを含む細胞におけるHIV遺伝子発現抑制剤として特に有用である。

0037

HIVプロウイルスを含む細胞におけるHIV遺伝子発現抑制剤として使用する場合、本発明のHIVプロモーター活性阻害剤は、1または2種以上の上記イソフラボン系化合物、1または2種以上の上記3−フェニルクマリン系化合物あるいは1または2種以上の上記カルコン系化合物を、医薬上許容される担体(例えば、賦形剤希釈剤等)などの必要な成分と適宜混合し、液状製剤粉末顆粒錠剤カプセル剤シロップ剤注射剤エアロゾル剤等の剤形で製剤化することができ、経口的または非経口的に投与することができる。

0038

医薬上許容される担体としては、例えば、ショ糖デンプンマンニットソルビット乳糖グルコースセルロースタルクリン酸カルシウム炭酸カルシウム等の賦形剤、セルロース、メチルセルロースヒドロキシプロピルセルロースポリプピルピロリドンゼラチンアラビアゴムポリエチレングリコール、ショ糖、デンプン等の結合剤、デンプン、カルボキシメチルセルロースヒドロキシプロピルスターチナトリウムグリコールスターチ炭酸水素ナトリウム、リン酸カルシウム、クエン酸カルシウム等の崩壊剤ステアリン酸マグネシウムエアロジル、タルク、ラウリル硫酸ナトリウム等の滑剤クエン酸メントールグリシルリジンアンモニウム塩グリシン、オレンジ粉等の芳香剤安息香酸ナトリウム亜硫酸水素ナトリウム、メチルパラバンプロピルパラバン等の保存剤、クエン酸、クエン酸ナトリウム酢酸等の安定剤、メチルセルロース、ポリビニルピロリドンステアリン酸アルミニウム等の懸濁剤界面活性剤等の分散剤、水、生理食塩水オレンジジュース等の希釈剤、カカオ脂、ポリエチレングリコール、白灯油等のベースワックスなどが挙げられるが、それらに限定されるものではない。

0039

好ましくは、本発明の製剤は、経口用または注射用製剤である。経口投与に好適な製剤は、水、生理食塩水、オレンジジュースのような希釈液に有効量のHIVプロモーター活性阻害物質を溶解させた液剤、有効量の該化合物を固体や顆粒として含んでいるカプセル剤、サッシェ剤または錠剤、適当な分散媒中に有効量の該化合物を懸濁させた懸濁液剤、有効量の該化合物を溶解させた溶液を適当な分散媒中に分散させ乳化させた乳剤等である。

0040

非経口的な投与に好適な製剤としては、水性および非水性の等張無菌注射液剤があり、これには抗酸化剤緩衝液制菌剤等張化剤等が含まれていてもよい。また、水性および非水性の無菌の懸濁液剤が挙げられ、これには懸濁剤、可溶化剤肥厚剤、安定化剤防腐剤等が含まれていてもよい。本発明の製剤は、アンプルバイアルのように単位投与量あるいは複数回投与量ずつ容器封入することができる。また、本発明のHIVプロモーター活性阻害物質および医薬上許容される担体を凍結乾燥フリーズドライ)し、使用直前に適当な無菌のビヒクルに溶解または懸濁すればよい状態で保存することもできる。

0041

本発明の製剤の投与量は、有効成分であるHIVプロモーター活性阻害物質の有効量、該化合物の細胞毒性病気進行度投与対象の薬物受容性、体重、年齢等によって異なるが、通常、成人1日あたり30μg〜30mg/kg体重、好ましくは300μg〜3mg/kg体重であり、この量を1回または数回に分けて投与することができる。

0042

以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、これらは単なる例示であって、本発明の範囲を何ら限定するものではない。

0043

参考例1HIVプロモーター活性阻害物質スクリーニング系の構築
(1)HIVプロモーター−レポーター遺伝子キメラプラスミドベクターの構築
HIVLTRのプロモーター領域(−452〜+80;転写開始点を+1とする)約500bpを、市販のpGL2ベクタープロメガ社製;以後コントロールベクターとして使用する際には、pLucCベクターと称する)のルシフェラーゼ遺伝子上流に挿入した発現ベクターpHIVLucを構築した。
(2)ヒト培養細胞のトランスフェクション
PMI1640培地中、37℃、5%CO2条件下で培養したJurkat細胞2×106個をTBS緩衝液(25mM Tris,137mM NaCl,5mM KCl,0.5mM Na2HPO4,0.5mM MgCl2,0.68mM CaCl2)4mlで洗浄した後、DEAEデキストラン/DNAミックス(1×TBS,500μg/ml DEAE−デキストラン、プラスミドpHIVLucまたはpLucC2.5〜5.0μg)4ml中、室温で30分間インキュベートした。余分なDNAをTBS4mlで洗浄除去した後、10%ウシ胎仔血清含有RPMI1640培地10mlを加えて、37℃、5%CO2条件下で48時間インキュベートした。

0044

実施例1HIVプロモーター活性阻害物質のスクリーニング
(1)TPAおよび試験化合物処理
参考例1のようにトランスフェクション処理して48時間インキュベートした後、TPA(5ng/ml)および種々の天然化合物(12.5〜100μg/ml)を該細胞の培地に添加して同じ条件下でさらに15時間培養した。
(2)細胞抽出液の調製
インキュベーション終了後、培養液を除去して細胞を回収し、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)1mlを加え、3000rpmで4℃、5分間遠心して細胞を洗浄した(2回)。1×溶解バッファー(25mM Tris−リン酸(pH7.8),2mM DTT,2mM 1,2−ジアミノシクロヘキサン−N,N,N’,N’−四酢酸,10%グリセロール,1% Triton X−100)250μlを加えてよく混合した後、14,000rpmで4℃、5秒間フラッシュ遠心した。上清を回収し、一部を蛋白質定量に用いた。
(3)ルシフェラーゼアッセイ
Mol. Cell. Biol., 7, 725-737に記載の方法に従って行った。上記(2)で得た細胞抽出液(蛋白質量約20μg)を1.5mlマイクロチューブにとり、ルシフェラーゼアッセイ用試薬(プロメガ社製Luciferase Assay System;製品番号E1500)100μlを加えて直ちにルミノメーターを用いて発光強度(単位:RLU)を測定した。結果を図2に示す。

0045

グリシルイソフラボン、グリシクマリン、リコピラノクマリン、リコカルコンA、リコカルコンB、テトラヒドロキシメトキシカルコンおよびリコクマロン(化14;グリシクマリンのクマリン骨格がベンゾ[b]フラン骨格に置き換わった構造)は、タンニン酸に比べて顕著に高いHIVプロモーター阻害活性を示すことがわかった。

0046

発明の効果

0047

本発明のHIVプロモーター活性阻害物質は、従来知られていたタンニン酸やいくつかの低分子ポリフェノール化合物に比べ、極めて強力にHIVプロモーターの転写活性を阻害することができるので、AIDS患者またはHIV感染者におけるHIV感染T細胞からのウイルス遺伝子の発現を抑制することができ、ウイルスの増殖を抑制してAIDSの発症もしくは症状の進行を防ぐのに有用である。また、これらの天然化合物は構造的に類似し、大別して3種の基本骨格を有することが判明したので、化学合成により置換基を変更することにより、さらにHIV遺伝子発現抑制作用に優れた化合物が得られる可能性を提供した点で極めて有用である。

図面の簡単な説明

0048

図1プラスミドpHIVLucの物理的地図を示す図である。
図2タンニン酸(網掛けのバー)および種々の試験化合物(黒塗りのバー)のHIVプロモーター活性阻害効果を示す図である。各化合物について、左から12.5(図2Bのテトラヒドロキシメトキシカルコンのみ),25,50,100μg/mlである。TPA(白抜きのバー)は阻害物質無添加でTPA刺激のみを加えた場合である。

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