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技術 鱗片状シリカ粒子からなる二層構造塗膜

出願人 AGCエスアイテック株式会社
発明者 寺瀬邦彦井上真樹藤井淳成佐々木隆好簑原士行大場好美
出願日 2000年3月10日 (20年11ヶ月経過) 出願番号 2000-067850
公開日 2001年9月18日 (19年5ヶ月経過) 公開番号 2001-252614
状態 未査定
技術分野 塗料、除去剤 ナノ構造物 流動性材料の適用方法、塗布方法
主要キーワード 中間薄層 前駆粒子 媒体ビーズ 供給スラリー中 鱗片状シリカ粒子 巻き貝 マジックファスナー シリカ塗膜
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課題

耐アルカリ性に優れた硬化塗膜を提供する。

解決手段

基体上に第一層として、鱗片状シリカ薄片次粒子が互いに面間が平行的に配向複数枚重なって形成される葉状シリカ2次粒子から構成されるシリカ硬化塗膜を設け、さらにその上に、第二層として、有機高分子物質からなる硬化塗膜を形成させて二層構造の硬化塗膜とする。塗膜形成順序は、逆にしてもよい。

概要

背景

従来より有機高分子物質を含有する塗料では、プライマー選定や条件を最適化しないとJIS K 5400に準拠した耐アルカリ性(室温下、5質量%炭酸ナトリウム水溶液中、24hr浸漬)が十分ではないものが多い。

一方、本発明者らは、鱗片状シリカ薄片次粒子が互いに面間が平行的に配向複数枚重なって形成される葉状シリカ2次粒子から実質的になり、互いに独立に存在する積層構造粒子形態を有する葉状シリカ2次粒子からなり、この葉状2次粒子どうしが平行的に積層されて構成された硬化塗膜を提案した(特願平11−351182号)。

概要

耐アルカリ性に優れた硬化塗膜を提供する。

基体上に第一層として、鱗片状シリカの薄片1次粒子が互いに面間が平行的に配向し複数枚重なって形成される葉状シリカ2次粒子から構成されるシリカ硬化塗膜を設け、さらにその上に、第二層として、有機高分子物質からなる硬化塗膜を形成させて二層構造の硬化塗膜とする。塗膜形成順序は、逆にしてもよい。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
0件

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請求項1

基体上に第一層として、鱗片状シリカ薄片次粒子が互いに面間が平行的に配向複数枚重なって形成される葉状シリカ2次粒子から構成されるシリカ硬化塗膜を設け、さらにその上に、第二層として、有機高分子物質を含有する硬化塗膜を形成させたことを特徴とする二層構造の硬化塗膜。

請求項2

当該シリカ硬化塗膜が、前記葉状シリカ2次粒子がさらに平行的に積層されて構成された塗膜である請求項1に記載の二層構造の硬化塗膜。

請求項3

第一層の硬化塗膜のシリカが、X線回折分析での主ピークがシリカーX及び/又はシリカーYに該当するシリカである請求項1又は2に記載の硬化塗膜。

請求項4

基体上に第一層として、有機高分子物質を含有する硬化塗膜を設け、さらにその上に、第二層として、鱗片状シリカの薄片1次粒子が互いに面間が平行的に配向し複数枚重なって形成される葉状シリカ2次粒子から構成されるシリカ硬化塗膜を形成したことを特徴とする二層構造の硬化塗膜。

請求項5

前記シリカ硬化塗膜が、前記葉状シリカ2次粒子どうしがさらに平行的に積層されて構成される塗膜である請求項4に記載の二層構造の硬化塗膜。

請求項6

第二層の硬化塗膜のシリカが、X線回折分析での主ピークがシリカーX及び/又はシリカーYに該当するシリカである請求項4又は5に記載の硬化塗膜。

技術分野

0001

本発明は、シリカ被膜有機高分子被膜を重ねて基体上に形成させた二層構造硬化塗膜に関する。この二層構造塗膜は、塗膜の耐アルカリ性に優れたものである。

背景技術

0002

従来より有機高分子物質を含有する塗料では、プライマー選定や条件を最適化しないとJIS K 5400に準拠した耐アルカリ性(室温下、5質量%炭酸ナトリウム水溶液中、24hr浸漬)が十分ではないものが多い。

0003

一方、本発明者らは、鱗片状シリカ薄片次粒子が互いに面間が平行的に配向複数枚重なって形成される葉状シリカ2次粒子から実質的になり、互いに独立に存在する積層構造粒子形態を有する葉状シリカ2次粒子からなり、この葉状2次粒子どうしが平行的に積層されて構成された硬化塗膜を提案した(特願平11−351182号)。

発明が解決しようとする課題

0004

上記塗膜は、この構成要素である葉状シリカ2次粒子の特異な形態に由来して、従来のシリカ塗膜と異なり基本的に、耐水、耐酸、耐アルカリ性に優れたものであるが、本発明の目的は、この耐アルカリ性をより向上させようとするものである。

課題を解決するための手段

0005

本発明者らは、鱗片状シリカの薄片1次粒子が互いに面間が平行的に配向し複数枚重なって形成される葉状シリカ2次粒子から構成される硬化塗膜層と、有機高分子物質を含有する硬化塗膜層とで二層を形成させて二層構造の硬化塗膜とすることにより、上記の二つの層のいずれか一方の層を金属やガラス等の基体に直接塗布し、さらにその上に残りの一方の層を形成した場合には、耐アルカリ性が、全体として予想以上に向上することを見出し、本発明を完成した。

0006

すなわち、本発明に従えば、以下の発明が提供される。
(I)基体上に第一層として、鱗片状シリカの薄片1次粒子が互いに面間が平行的に配向し複数枚重なって形成される葉状シリカ2次粒子から構成されるシリカ硬化塗膜を設け、さらにその上に、第二層として、有機高分子物質を含有する硬化塗膜を形成させたことを特徴とする二層構造の硬化塗膜。

0007

(II)基体上に第一層として、有機高分子物質を含有する硬化塗膜を設け、さらにその上に、第二層として、鱗片状シリカの薄片1次粒子が互いに面間が平行的に配向し複数枚重なって形成される葉状シリカ2次粒子から構成されるシリカ硬化塗膜を形成したことを特徴とする二層構造の硬化塗膜。

発明を実施するための最良の形態

0008

本発明は、特定の構造の鱗片状シリカ粒子を含む硬化塗膜に関するものであるが、まず当該鱗片状シリカ粒子及びその製造方法について述べる。

0009

本発明における鱗片状シリカ粒子は、本発明者らにより始めて創成されたもので、薄片1次粒子が互いに面間が平行的に配向して複数枚重なって形成される葉状シリカ2次粒子から実質的になる積層構造の粒子形態を有するというきわめて特徴的な形態の鱗片状シリカ(以下本発明における葉状シリカ2次粒子とも称する。)である。

0010

ここで薄片1次粒子は、その厚さが0.001〜0.1μmのものである。このような薄片1次粒子は、互いに面間が平行的に配向して1枚または複数枚重なった葉状シリカ2次粒子を形成するが、当該2次粒子の厚さは、0.001〜3μm、好ましくは0.005〜2μmであり、厚さに対する葉状2次粒子(板)の最小長さの比(アスペクト比)は、少なくとも10、好ましくは30以上、さらに好ましくは50以上のものであり、厚さに対する葉状2次粒子(板)の最小長さの比は、少なくとも2、好ましくは5以上、さらに好ましくは10以上を有するような鱗片状のシリカである。なお、当該2次粒子は、結着することもなく互いに独立に存在している。

0011

葉状2次粒子の厚さが0.001μm未満の場合には、葉状2次粒子の機械的強度が不十分となり好ましくない。一方、葉状2次粒子の厚さが3μmより大きくなると、硬化塗膜用途に使用した場合に硬化塗膜としての特徴を充分発現することができない。

0012

なお、葉状2次粒子の厚さに対する最長長さの比及び最小長さの比の上限は、特に規定するものではないが、前者は300以下、好ましくは200以下が実際的であり、後者は150以下、好ましくは100以下が実際的である。

0013

上記のように、本発明に云う葉状2次粒子の厚さ及び長さは、特に断らないかぎり、その2次粒子についての平均値を意味する。

0014

本発明において、鱗片状とは、粒子が実質的に薄い板状の形態を有しているものであればよく、これがさらに、部分的又は全体的に曲がったり、ねじれていてもよい。

0015

このような、葉状2次粒子が、さらに3次元的に不規則に重なりあって形成される間隙を有するシリカの凝集体粒子(3次粒子)自体は、所謂シリカ−X(以下Si O2 −Xとも表示する。)やシリカ−Y(同様にSi O2 −Yとも表示する。)等と称して、従来から学術的研究の対象としては、すでにその存在が知られていたものである。

0016

本発明における葉状シリカ2次粒子は、このようなシリカの3次凝集体粒子(3次粒子)(例えばSi O2 −XやSi O2 −Y)を一旦合成し、これを後記する特定の手段で葉状の2次粒子まで解砕したものであるが、従来においては、この3次凝集体粒子自体を短時間で合成する方法は、知られていなかった。

0017

これらシリカの3次凝集体粒子であるシリカ−X等は、無定形(アモルファス)のシリカを水熱処理して、クリストバライト石英(クオーツ)を形成させる過程で生じる、中間的なまたは準安定な相であり、シリカの準結晶質とも言うべき微弱結晶相である。

0018

なお、シリカ−Xとシリカ−Yは、X線回折パターンは、異なるが、電子顕微鏡で観察される粒子外観は極似しており、いずれも本発明における葉状シリカ2次粒子を得る目的に好ましく使用できるものである。

0019

このように、シリカXやシリカY自体は、公知であるが、従来の典型的なシリカ−X等の製造方法は、シリカゲル(シリカキセロゲル)、エアロジル、又は沈降性シリカ等を出発物質とし、これを水熱処理するものであり、反応時間が極めて長いという問題があった。例えば、シリカ−Xを最初に見出したHeydemann は、沈降性シリカ及びエアロジル(SiCl4 を高温熱分解して得られる超微粒子非晶質シリカ)を出発原料としているが、これをオートクレーブ中でシリカ−Xに変換するのに180℃で1.5〜24日という極めて長時間を要している(Heydemann, A., Beitr. Mineral. Petrogr., 10, 242−259 (1964) )。

0020

一方、シリカ−Yについては、Mitsyuk らが比表面積600〜700m2 /gのシリカゲルを出発物質として用い、NaOH等の溶液中で145〜155℃で、長時間( 200〜220時間 )水熱処理することによりシリカ−Yを得ており( Mitsyuk,B.A.et al.Geochem.Int.13,101-111(1976)) 、また、Kitaharaらは、比表面積600m2 /gのシリカゲル(和光純薬(株)製シリカゲル(G)を出発物質として用い、NaCl含有KOH溶液中で、150〜160℃でやはり長時間(70〜170時間)水熱処理することにより、シリカ−Yを得ている(Kitahara S, etal . Proc. Inst. Symp. Hydrotherm. React. 1st (1983) )。

0021

このように、シリカゲルを出発物質とし水熱処理してシリカ−X等に変換させる方法は、工業的に適用するには、極めて長い反応時間( 水熱処理時間 )が必要であると云う問題があった。もちろん、水熱処理の温度を上げれば、時間を短縮することは、可能であるが、その場合は、操作範囲の安定性が失われ、石英(クオーツ)やクリストバライトが生成し易くなるという大きな問題を惹起する。かくして、本発明における葉状シリカ2次粒子を得るための前駆物質となるシリカ3次凝集体粒子(3次粒子)であるシリカ−X等を、より低温度で、しかも工業的に実施するのに十分短い時間で、クオーツ等を生成させることなしに製造する技術が望まれる。

0022

(1)シリカの3次凝集体粒子生成
本発明における葉状シリカ2次粒子は、シリカの3次凝集体粒子(3次粒子)(以下本発明におけるシリカ3次凝集体粒子とも称する。)を解砕して得るものであるが、本発明者らは、まずその前駆粒子となるシリカ3次凝集体粒子の製造方法についても検討した。すなわち、

0023

本発明者らは、かかる観点から、従来のシリカゲル(シリカキセロゲル)を出発物質として使用する方法の代わりに、本発明におけるシリカ3次凝集体粒子を製造する、より好ましい二つの方法を提案した。

0024

第一の方法は、シリカ源及びアルカリ源特定量含むシリカゾル、すなわちコロイダルシリカ水分散体を出発原料として水熱処理せしめることにより、シリカ−X等のシリカ3次凝集体粒子を、より短時間で安定性よく工業的に製造する方法である( 特開平11−29317号 )。この方法に従えば、本発明の葉状シリカ2次粒子が3次元的に不規則に重なり合って形成される間隙を有する3次粒子である凝集体(すなわち本発明におけるシリカ3次凝集体粒子)がそのまま得られるという利点を有する。

0025

これは、シリカ源及びアルカリ源を特定量含むシリカゾルを水熱処理せしめる方法であって、シリカゾルとしては、シリカ/アルカリモル比( SiO2 /Me2 O、ここでMeはLi、NaまたはKなどのアルカリ金属を示す。以下、同じ。 )が、1.0〜3.4mol/molであるケイ酸アルカリ水溶液を、イオン交換樹脂法あるいは電気透析法などによって脱アルカリしたシリカゾルが好適に使用される。なお、ケイ酸アルカリ水溶液としては、例えば、水ガラスを適宜水で希釈したものがなどが好ましい。

0026

シリカゾルのシリカ/アルカリモル比( SiO2 /Me2 O )は、3.5〜20mol/molの範囲が好ましく、4.5〜18mol/molの範囲がさらに好ましい。また、シリカゾル中のシリカ濃度は、2〜20質量%が好ましく、3〜15質量%が特に好ましい。

0027

シリカゾル中のシリカ粒子径は、平均粒子径を意味し、特に限定するものではないが100nm以下のものが好ましく、そのなかでも20nm以下の所謂活性ケイ酸と称されるものが特に好ましい。また粒径の下限値は、特に限定するものではないが、1.0nm以上のものが好ましい。粒子径が100nmを超えてあまり大きくなると、シリカゾルの安定性が低下するので好ましくない。

0028

シリカ粒子径の測定法は、この粒度測定可能なものであれば特に限定するものではないが、レーザー光散乱粒度測定装置透過型電子顕微鏡により撮影した粒子像サイズのスケール計測などで測定することができる。

0029

以上のごときシリカゾルを出発原料とし、これをオートクレーブ等の加熱圧力容器中で加熱して水熱処理を行い、本発明におけるシリカ3次凝集体粒子を生成せしめる。

0030

オートクレーブとしては、特にその形式を限定するものではないが、少なくとも加熱手段と攪拌手段、及び好ましくは、温度測定手段を備えたものであればよい。

0031

なお、シリカゾルを水熱処理するため、オートクレーブに仕込むに先立って、さらに蒸留水イオン交換水のごとき精製水を加えることにより、シリカ濃度を所望の範囲に調製することも可能である。

0032

水熱処理は、反応速度をできるだけ大きく、かつ、結晶化の進行を小さくするため、150〜250℃の温度範囲で行われ、より好ましくは170〜220℃である。

0033

また、必要な水熱処理の時間は、水熱処理の温度や種晶の添加の有無等により変わりうるが、通常、3〜50時間、好ましくは、3〜40時間、より好ましくは5〜25時間程度である。

0034

なお、水熱処理を効率よく進め、処理時間を短くするためには、その添加は必須ではないが、0.001〜1質量%程度の種晶を添加することがより好ましい。種晶としては、シリカ−Xやシリカ−Y等をそのまま、または適宜粉砕して用いることができる。

0035

水熱処理終了後、水熱処理生成物をオートクレーブより取り出し、濾過水洗する。水洗処理後の粒子は、10質量%の水スラリーとしたときのpHが5〜9であることが好ましく、より好ましいpHは、6〜8である。

0036

一方、第二の方法は、シリカヒドロゲルを出発物質として、アルカリ金属の存在下で水熱処理する方法であって、本発明におけるシリカ3次凝集体粒子であるシリカ−X、シリカ−Y等をより低温度・短時間反応で、クオーツ等の結晶を生成させること無く、しかも収率高く製造することができるため、より好ましい方法である(特開2000−72432号)。

0037

ここで出発原料として使用するのに適したシリカヒドロゲルは、粒子状シリカヒドロゲルである。シリカヒドロゲルの粒子形状は、真球状( 球状 )でも不定型粒状でもよく、また、その造粒方法は適宜選択できる。

0038

球状のシリカヒドロゲルの場合を例として示すと、古くから知られているように、シリカヒドロゾル石油類その他の媒体中で、球形状に固化せしめて生成してもよいが、より好ましくは、特公昭48−13834号に記載されているように、ケイ酸アルカリ水溶液と鉱酸水溶液を混合して、シリカゾルを短時間で生成させると同時に、気体媒体中に放出し、気体中でゲル化させる方法により製造されるものである。

0039

すなわち、ケイ酸アルカリ水溶液と鉱酸水溶液とを、放出口を備えた容器内に別個の導入口から導入して瞬間的に均一混合し、SiO2 濃度換算で130g/l以上、pH7〜9であるシリカゾルを生成せしめ、これを、直ちに、上記放出口から、空気等の気体媒体中に放出させ、放物線を描いて滞空する間に空中でゲル化させるのである。落下地点には、水を張った熟成槽を置いておき、ここに落下せしめて数分〜数十分間熟成させる。

0040

これに酸を添加してpHを下げ、水洗したものが本発明で使用するに好ましい球状のシリカヒドロゲルである。

0041

このシリカヒドロゲルは、粒径がよく揃った粒径2〜10mm程度の透明で弾力性を有する球状粒子であり、一例では、SiO2 に対して重量比で約4倍もの水を含有している( すなわち、SiO2 20質量%、水分80質量%程度 )ものである。

0042

なお、シリカヒドロゲル粒子は、実際上極めて多数の数nm程度の粒径のシリカ1次粒子集合体であり、当該1次粒子の表面及び間隙に、この水が存在するものと推定されている。

0043

本発明で使用できるシリカヒドロゲル中のSiO2 濃度は、入手容易性及び反応性の点から、15〜75質量%(すなわち、水分量85〜25質量%)のものが好ましく、適宜乾燥してこの範囲で水分量を調節してもよい。なお、このシリカヒドロゲル中の水分量は、以下のようにして測定したものである。すなわち、シリカヒドロゲル試料を180℃で2時間乾燥後、残った試料質量を絶乾SiO2 量とし、質量減少量を試料シリカヒドロゲル中の水分量とするものである。

0044

ちなみに、このシリカヒドロゲル粒子を、150〜180℃程度の温度においてドライヤー等で十分乾燥し、間隙及び表面のヒドロゲル水分を除去したものが、工業的に製造・販売されている乾燥シリカゲル(シリカキセロゲル)であって、上述した従来のシリカ−X、シリカ−Yの製造法においては、この乾燥シリカゲルを水熱処理の出発原料シリカとして使用している。

0045

このようなシリカヒドロゲルを出発原料とし、これをシリカゾルを使用する第一の方法と同様に、オートクレーブ等の加熱圧力容器中で加熱して水熱処理を行い、本発明におけるシリカ3次凝集体粒子を生成させる。その場合、この球状シリカヒドロゲルをそのまま使用してもよいが、好ましくは、粉砕または粗粉砕して、粒径0.1〜6mm程度としたものが、オートクレーブ中での撹拌をより効果的に行えるために望ましい。

0046

なお、シリカヒドロゲルを水熱処理するために、オートクレーブに仕込む場合、蒸留水やイオン交換水のごとき精製水を加えることにより、シリカヒドロゲル濃度を所望の範囲に調整することが好ましい。オートクレーブ内の処理液中の総シリカ濃度は、攪拌効率、結晶生長速度、収率等を考慮して選択されるが、通常、全仕込み原料基準でSiO2 として1〜30質量%、好ましくは10〜20質量%である。ここで、処理液中の総シリカ濃度とは、系内の総シリカ濃度を意味し、シリカヒドロゲル中のシリカのみであり、アルカリ金属塩としてケイ酸ナトリウム等を使用した場合は、これにケイ酸ナトリウム等により系に持ち込まれるシリカをも加えた値である。なお、総シリカ濃度は、第一のシリカゾルを使用する方法より高くすることができる。

0047

水熱処理においては、シリカヒドロゲルにアルカリ金属塩を共存させ、処理液のpHをアルカリ側に調節し、シリカ溶解度を適度に大きくし、所謂Ostwald の熟成に基づく晶析速度を高め、シリカヒドロゲルのシリカ−X等への変換を促進させる。

0048

ここでアルカリ金属塩とは、水酸化アルカリケイ酸アルカリまたは炭酸アルカリ等を意味する。アルカリ金属としては、Li、Na、またはKが好ましい。系のpHとしては、好ましくはpH7以上、より好ましくはpH8〜13、さらに好ましくはpH9〜12.5である。

0049

好ましいアルカリの量を、シリカ/アルカリモル比( SiO2 /Me2 O )で表示すれば、4〜15mol/molの範囲であり、7〜13mol/molの範囲がさらに好ましい。なお、上記したように、シリカは、系内の処理液中の総シリカ量を示し、シリカヒドロゲルのシリカに、ケイ酸ナトリウム等により系に持ち込まれるシリカをも加えた値である。

0050

水熱処理は、150〜220℃の温度範囲で行われ、好ましくは160〜200℃、さらに好ましくは170〜195℃である。

0051

これよりあまり温度が低いと、目的とする本発明におけるシリカ3次凝集体粒子を得るのにきわめて長時間を必要とすることになり、一方、これよりあまり高温では、目的とするシリカ3次凝集体粒子が、シリカ−Xやシリカ−Y等の単一相として得られにくくなるので好ましくない。これは、すでに述べたように、シリカ−X等が、中間相または準安定相と考えられ、水熱処理の進行とともに、逐次クリストバライトやクオーツに相転移する傾向があるところ、高温、特に220℃を超えるような場合は、結晶化速度が大きくなり、クリストバライトやクオーツとの混合物になるか、または、結晶化反応が速すぎて制御できず、すべてがクリストバライトやクオーツに変化してしまうためである。

0052

また、必要な水熱処理の時間は、水熱処理の温度や種晶の添加の有無等により変わりうるが、通常、3〜50時間、好ましくは、5〜40時間、より好ましくは5〜25時間程度、さらに好ましくは5〜12時間程度である。

0053

なお、水熱処理を効率よく進め、処理時間を短くするためには、その添加は、必須ではないが、原料シリカヒドロゲルの仕込み量に対して、0.001〜1質量%程度の種晶を添加することがより好ましい。種晶としては、第一の方法と同じく、シリカ−Xやシリカ−Y等をそのまま、または、適宜粉砕して用いることが好ましい。

0054

本発明者らの検討によれば、シリカ−Xを種晶として使用する場合は、シリカ−Xからなる凝集体粒子が形成されやすく、シリカ−Yを種晶として使用する場合はシリカ−Yからなる凝集体粒子が形成されやすい。

0055

水熱処理終了後、第一の方法と同じく、水熱処理生成物をオートクレーブより取り出し、濾過、水洗してpHを調整する。

0056

以上のごとくして、シリカゾルを水熱処理する第一の方法やシリカヒドロゲルを水熱処理する第二の方法で得られた水熱処理生成物のケーキを、濾過・水洗した状態の粒子を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察すると、個々の葉状2次粒子が3次元的に不規則に重なり合って形成される間隙を有する3次粒子であるシリカ凝集体粒子を形成していることが識別できる。これが本発明におけるシリカ3次凝集体粒子である。

0057

しかしながら、後記するように、走査型電子顕微鏡(SEM)では、極薄片粒子である1次粒子は識別できず、極薄片粒子である1次粒子が、面間が平行的に配向して複数枚重なった葉状2次粒子だけが識別できる。一方、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察すると、電子線が一部透過するような極薄片粒子である1次粒子が識別できる。この葉状2次粒子が本発明における葉状シリカ2次粒子であり、当該1次粒子が互いに面間が平行的に複数重なったもので形成されていることが識別できる。なお、1次粒子が層状に重なっている当該葉状2次粒子から、その構成単位である薄片状の当該1次粒子を1枚ずつ剥離し、単離することは、実質的に困難である。すなわち、かかる1次粒子の層状の重なりにおいて、各層間の結合は極めて強固であって完全に融合一体化しており、従って本発明における葉状2次粒子は、もはやそれ以上1次粒子に解砕することは困難なのである。

0058

なお、上記の方法のうち、シリカゾル(活性ケイ酸等)を出発原料として用いる方法よりも、シリカヒドロゲルを出発原料とする方法の方が生産性が良く、より好ましい。またその他出発原料として、シリカゾル、シリカヒドロゲルを用いる方法以外に、含水ケイ酸(所謂ホワイトカーボン等)を用いても同様な方法で本発明におけるシリカ3次凝集体粒子を合成することができる。

0059

(2)シリカ3次凝集体粒子の葉状シリカ2次粒子への解砕・分散化
本発明者らは、先にこのようなシリカ3次凝集体粒子を葉状シリカ2次粒子へと解砕・分散化する種々の方法を提案した(特願平11−351182号)。

0060

本発明における葉状シリカ2次粒子としては、当該葉状2次粒子を、スラリー(以下本発明における2次粒子スラリーと称する。)として得ることができる。このためには、例えば、以下のまたはのいずれかの方法を採用できる。

0061

水スラリー状のシリカ3次凝集体粒子を解砕し、本発明における2次粒子スラリーとする方法

0062

上記の方法においては、水スラリー状で得られるシリカ3次凝集体粒子は、まず、ベルトフィルター濾布遠心分離機デカンターなどの固液分離水洗装置を用いて、水洗・固液分離さらには、必要に応じて、さらに、水でリパルプすることにより、アルカリ金属塩を実質的に含まない平均粒子径1〜10μmの本発明におけるシリカ3次凝集体粒子からなるSiO2 濃度1〜30質量%の水スラリ−とする。

0063

上記スラリーの解砕は、これを、媒体ビーズを用い機械的に高速撹拌する方式の湿式ビーズミル湿式ボールミルなどの湿式粉砕装置解砕装置)に供給して、鱗片状シリカ3次凝集体粒子を解砕処理することにより行う。その際に、葉状シリカ2次粒子を、極力粉砕・破壊しないで、解砕・分散化することが望ましく、上記の方法の中でも、直径0.2〜1.0mmのアルミナ又はジルコニア等の媒体ビーズを用いる湿式ビーズミルが特に好ましい。かくして、この解砕工程により3次粒子から2次粒子まで解砕される。すなわち、得られるスラリーは、3次粒子を実質的に含まない薄片1次粒子が、互いに面間が平行的に配向して複数枚重なった本発明の葉状シリカ2次粒子から実質的になるスラリーである。

0064

湿式粉砕装置に供給するシリカスラリー中のSiO2 濃度が、1質量%に満たない場合は、固体濃度稀薄すぎるために、後の工程で濃縮が必要となるなどの経済性に問題を生ずる。一方、SiO2 濃度が、30質量%を超えると、解砕されたスラリーの粘性極端に大きくなり、ハンドリング面で問題が生ずる。

0065

図1〕は、かくして得られた本発明における葉状シリカ2次粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。走査型電子顕微鏡では、この葉状2次粒子を識別できるが、極薄片1次粒子は識別できない。これより、当該葉状シリカ2次粒子は、結着や凝集することもなく互いに独立に存在していることがわかる。

0066

また〔図2〕は、本発明における葉状シリカ2次粒子の透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。TEMによれば、極薄片1次粒子及び該1次粒子が面間が平行的に配向して複数枚重なった葉状2次粒子であることが確認できる。

0067

シリカ3次凝集体粒子からなる乾燥粉末を製造し、次いで、それを湿式粉砕(解砕)して、本発明における葉状シリカ2次粒子のスラリーとする方法

0068

上記の製造工程においては、水スラリー状で得られるシリカ3次凝集体粒子は、まず、ベルトフィルター、濾布式遠心分離機、デカンターなどの固液分離・水洗装置を用いて、水洗・固液分離し、さらには必要に応じて、水でリパルプすることにより、アルカリ金属塩を実質的に含まない平均粒子径1〜10μmのシリカ3次凝集体粒子からなるSiO2 濃度1〜30質量%の水スラリーとする。

0069

この場合は、乾式解砕により分散化された葉状2次粒子を得るに先立ち、まず、平均粒子径1〜10μmの分散された本発明におけるシリカ3次凝集体粒子の微粉末を乾燥で得ることが必要である。しかしながら、このシリカ3次凝集体粒子は、乾燥操作の際に凝集体粒子同士が極めて凝集・結着しやすいという特異的な性質をもっている。本発明者らの検討によると、乾燥装置として、媒体流動層乾燥機を用いる場合に、初めて、十分に分散した平均粒子径1〜10μmのシリカ3次凝集体粒子の乾燥粉末が得られる。

0070

これに対して、その他の乾燥装置、例えば気流乾燥機噴霧乾燥機流動層乾燥機、攪拌型乾燥機円筒乾燥機、箱型乾燥機、バンド乾燥機熱風乾燥機真空乾燥機振動乾燥機などを用いた場合には、当該3次粒子が乾燥中にさらに凝集してしまい、葉状2次粒子の不規則な重なりによって形成される多数の間隙(空隙またはポケット)が殆んど認められない粒子形態となるため、本来の十分に分散した平均粒子径1〜10μmのシリカ3次凝集体粒子を得ることは困難である。

0071

図3〕は、かくして媒体流動層乾燥機で乾燥した得られた本発明におけるシリカ3次凝集体粒子を示す走査型電子顕微鏡( SEM)写真である。葉状2次粒子が不規則に重なり合い、この重なりによって作られる多数の間隙(空隙またはポケット)が存在するシリカ凝集体粒子(3次粒子)を形成している状態が明確に認められる。当該凝集体粒子は、見かけ上、キャベツ状、タマネギ状花弁状つぼみ状、巻き貝状等の、状態により種々に表現される形態をとりうるものである。

0072

次に、上記の十分に分散した平均粒子径1〜10μmのシリカ3次凝集体粒子の乾燥微粉末に水及び/又は液状有機媒体を添加し、SiO2 濃度1〜30質量%のスラリーとする。

0073

このスラリーをと同様にして粉砕媒体ビーズを用い機械的に高速撹拌する方式の湿式ビーズミル、湿式ボールミルなどの湿式粉砕装置(解砕装置)に供給して、シリカ3次凝集体粒子を解砕処理することにより、本発明における2次粒子スラリーが得られる。

0074

以上は、本発明における2次粒子をスラリーとして得るものであるが、これを乾燥粒子として得ることも出来る。

0075

本発明における葉状シリカ2次粒子の乾燥微粉末(以下本発明における2次粒子乾燥粉末とも称する。)を得る方法としては、例えば以下の、、等のいずれかの方法を採用できる。

0076

上記の葉状シリカ2次粒子の水スラリーから本発明における2次粒子乾燥粉末を得る方法

0077

単分散された葉状2次粒子乾燥粉末は、平均粒子径1〜10μmの葉状シリカ2次粒子を使用して、非水溶媒系の硬化塗膜を形成する場合に必要となるものである。

0078

上記に記載した本発明における葉状シリカ2次粒子の水スラリーは、すでに述べたように乾燥操作の際に粒子同士が極めて凝集・結着しやすいという特異的な性質を有している。

0079

従って乾燥装置として、気流乾燥機、流動層乾燥機、媒体流動層乾燥機、攪拌型乾燥機、円筒乾燥機、箱型乾燥機、バンド乾燥機、熱風乾燥機、真空乾燥機、振動乾燥機などを用いた場合には、葉状2次粒子が凝集してしまい、単分散した葉状シリカ2次粒子を得ることは、極めて困難である。

0080

この場合、乾燥装置として、噴霧乾燥機を用いて、で得られた本発明における葉状シリカ2次粒子からなる水スラリーを乾燥し、かつ、供給スラリー中のSiO2 濃度を、1〜5質量%、好ましくは1〜3質量%に調整して噴霧乾燥することにより、初めて、十分に分散した平均粒子径1〜10μmの葉状2次粒子が得られることが見出されたのである。噴霧乾燥機への供給スラリー中のSiO2濃度が、1質量%に満たない場合は、シリカに対して、蒸発させるべき水量が過大となり、経済性の面で問題が大きい。一方、スラリー中のSiO2 濃度が、5質量%を超える場合は、乾燥時の凝集が促進されるため葉状2次粒子が凝集・結着してしまい、単分散した葉状シリカ2次粒子を得るのが困難になる。

0081

上記の葉状2次粒子の水スラリーから乾燥された本発明における葉状シリカ2次粒子を得る方法

0082

単分散された葉状シリカ2次粒子の乾燥粉末は、の水スラリーを、と同様に噴霧乾燥機に供給し乾燥することにより得られる。但し、この場合は、同様な理由により供給スラリー中のSiO2 濃度は、1〜7質量%、好ましくは1〜5質量%に調整して噴霧乾燥することが好ましい。

0083

シリカ3次凝集体粒子からなる乾燥粉末を製造し、次いで、それを乾式粉砕(解砕)して、本発明における葉状シリカ2次粒子の微粉末とする方法

0084

上記で得られた平均粒子径1〜10μmの本発明におけるシリカ3次凝集体粒子の乾燥粉末を、乾式粉砕機能と乾式分級機能との組合せからなる乾式粉砕・分級機、例えば、ジェットミル高速回転式分級機又は風力分級機の両方を組み合わせて用いて、平均粒子径1〜10μmに分散した葉状シリカ2次粒子へと連続的に解砕できる。すなわち、連続的にジェットミルに原料を供給し、ジェットミルからの粉砕品を乾式分級機で分級し、所望の粒径より大きい粗粒は、ジェットミルに連続的にリサイクルし、所定以下に粉砕されたものを連続的に系外に取りだすシステムを形成するものである。

0085

上記に記載した本発明における葉状シリカ2次粒子の水スラリーを得る方法としては、に記載した方法が、硬化塗膜により適した葉状2次粒子の水スラリーが得られるので、より好ましい。

0086

一方、上記に記載した葉状シリカ2次粒子の乾燥微粉末を得る方法としては、に記載した方法が、硬化塗膜に最も適した葉状2次粒子の乾燥微粉末が得られるので、より好ましい。

0087

以上のようにして得られた本発明における葉状シリカ2次粒子は、鱗片状シリカの薄片1次粒子が互いに面間が平行的に配向し複数枚重なって形成される葉状シリカ2次粒子から実質的になり、互いに独立に存在することを特徴とする積層構造の粒子形態を有するものである。

0088

そしてかかる形態に起因して、極めて特異な自己造膜性を有し、常温においても容易に強固なシリカ塗膜を形成しうる。例えば、本発明における2次粒子スラリーを基体上に塗布し、これを常温で乾燥すると、なんらバインダー造膜助剤等を使用することなしに硬化し、容易に強靱な塗膜(本発明における硬化塗膜)が形成される。この塗膜は、極めて強固であり、容易には剥離しない。

0089

すなわち上記した本発明における葉状2次粒子スラリーは、葉状シリカ2次粒子と、揮発性液体、すなわち水及び/又は水以外の揮発性液体(ベンゼントルエンキシレン灯油軽油等の揮発性有機溶媒等)を含有する硬化性組成物を構成するものであり、これを、金属、ガラス、セラミックススレ−ト、セメント硬化体プラスチック、木材、紙などの基体上に塗布し、当該揮発性液体を常温で乾燥させると容易に硬化し、強靱な塗膜が形成される。

0090

これは、実は驚くべき現象であって、例えば本発明と同じSiO2粒子からなり非晶質多孔質粒子であるシリカゲルの水スラリーを、同様にして基体上に塗布・乾燥すると、一応塗膜は形成されるものの、この塗膜は、極めて脆弱であり、手で軽くふれただけでぱらぱらと崩れてしまうものである。

0091

この強い硬化塗膜の形成機能は、次のような理由によるものと考えられる。〔図4〕は、本発明における2次粒子スラリーを基体上に塗布・乾燥して形成された葉状シリカ2次粒子からなる塗膜断面のSEM写真である。これを見ると、葉状シリカ2次粒子は、基本的には当該粒子どうしが平行的に積層されて構成されているが、より具体的には、その粒子形態がそれぞれ適度の曲がりを有し、曲がった状態で配向し、密に重なり合っていることが明瞭に認められる。このように互いに曲がって波状に密に重なっているので、長手方向(面方向)には摺動し難いと考えられる。また、粒子表面には多数の微量な凹凸が形成されているので、これらが互いにのように絡み合って、あたかもアンカ−やマジックファスナー登録商標)のような係止作用を示しているため、断面方向(長手方向に垂直な方向)にも固定され、全体として強固な塗膜が形成されているものと思われる。

0092

また、当該2次粒子は、薄片状の1次粒子が重なって形成されているものであるが、この薄片1次粒子同士は、通常の手段ではこの構成単位の個々の薄片に剥離することが困難な程度に互いに強固に結合一体化して、本発明の葉状シリカ2次粒子を構成している。これが当該2次粒子を構成単位(すなわち所謂ビルディングブロック)として形成されている本発明における葉状シリカ2次粒子からなる塗膜が極めて強固である理由であると考えられる。

0093

これに対し、本発明における葉状シリカ2次粒子がさらに3次元的に不規則に重なって形成される粒子(シリカ3次凝集体粒子)では、塗膜形成性も乏しく、強固な塗膜を形成することができない。すなわち〔図5〕は、当該シリカ3次凝集体粒子からな塗膜断面のSEM写真であるが、この場合は、基本的に粒子形態が本発明における2次粒子のごとく葉状でないため、互いに積層して密に重なり合うことができず、密な塗膜を形成することは困難なことが明瞭に観察される。

0094

ここで、本発明における葉状シリカ2次粒子の特異的な基本物性について述べておく。

0095

このシリカ2次粒子におけるシリカのSiO2純度は、99.0質量%以上である。pHは、6.0〜8.0であり、X線回折スペクトルとしては、米国のASTM(American Society for Testing and Materials)に登録されているカード(以下単にASTMカードと称する。)番号16−0380に該当する2θ=4.9°、26.0°、及び28.3°の主ピークを特徴とするシリカ−X及び/またはASTMカード番号31−1233に該当する2θ=5.6°、25.8°、及び28.3°の主ピークを特徴とするシリカ−Yからなるシリカである。コールターカウンターコールターエレクトロニクス社製)による平均粒子径は、1〜10μmである。吸油量(JIS K 5101)は、100〜150ml/100gである。

0096

このシリカ2次粒子の細孔分布BET法(日本ベル社製、商品ベルソープ−28型)により測定すると、細孔容積は、0.05〜0.15ml/g、比表面積は、30〜80m2 /gである。

0097

とくに注目すべきは、細孔分布曲線からは、細孔直径2〜6nm、特には3.5〜4.0nm付近に鋭い大きなピークが認められることである。

0098

これは、メソ細孔領域(ミクロマクロの中間の細孔直径2〜50nmの領域)の細孔が顕著に存在することを示している。すなわち、本発明における葉状シリカ2次粒子は、鱗片状シリカの薄片1次粒子が互いに面間が平行的に配向し複数枚重なった積層構造またはラメラ構造の粒子形態を有しているが、この重なり合う薄片と薄片の間に形成される空隙部が、上記のメソ領域の大きさの細孔として測定されると推察される。

0099

また、当該シリカ(熱処理していない常温でのSiO2 )の赤外吸収スペクトル(FT−IR)は、3600〜3700cm-1、3400〜3500cm-1にそれぞれ1つの吸収帯をもつシラノール基をもつシリカである。また、BET法による比表面積当たりのシラノール基の量は、50〜70μmol/m2 という大きな値を有している(シリカゲルの数倍)。

0100

このようなシラノール基を有することにより、本発明におけるシリカ2次粒子から形成した塗膜を100〜600℃、好ましくは200〜600℃、さらに好ましくは400〜600℃程度で加熱処理することにより、当該シラノール基を縮合反応させ、塗膜強度をさらに向上させることもできる。

0101

なお、本発明における葉状シリカ2次粒子の耐熱性については、空気雰囲気下、500〜1000℃で、1時間加熱後、走査型電子顕微鏡で粒子の形態・寸法の変化を観察したが、特段の変化は認められなかった。

0102

当該葉状シリカ2次粒子の酸水溶液及びアルカリ水溶液に対する20℃での飽和溶解度は低い。すなわち、溶解SiO2 濃度は、10質量%のHCl水溶液に対しては、0.008質量%、イオン交換水に対しては、0.006質量%、5質量%NaOH水溶液に対しては、0.55質量%、10質量%NaOH水溶液に対しては、0.79質量%であり、酸、アルカリのいずれに対しても、小さな溶解度であり、耐酸性、耐アルカリ性を有することを示す。特に、シリカゲルやコロイダルシリカに比較して、非常に小さなアルカリ水溶液への溶解度であり、耐アルカリ性を有することを示す。

0103

(3)二層構造の硬化塗膜
本発明の二層構造の硬化塗膜は、上記の如き葉状シリカ2次粒子からなる硬化塗膜と、有機高分子からなる硬化塗膜を積層したものである。なお、ここに云う有機高分子からなる硬化塗膜とは、有機高分子を含む硬化性組成物の塗膜を乾燥させて形成させたものである。そして、積層の位置関係により、次の(A)、(B)二つの場合がありうる。すなわち、

0104

(A)基体上に第一層として、鱗片状シリカの薄片1次粒子が互いに面間が平行的に配向し複数枚重なって形成される葉状シリカ2次粒子から構成されるシリカ硬化塗膜(以下、シリカ系硬化塗膜と称する場合がある。)を設け、さらにその上に、第二層として、有機高分子物質(又は重合反応によってかかる有機高分子物質を形成する前駆体物質重合せしめてなる有機高分子物質)を含有する硬化塗膜(以下、有機高分子系硬化塗膜と称することがある。)を形成させたことを特徴とする二層構造の硬化塗膜。

0105

(B)基体上に第一層として、有機高分子物質(又は重合反応によってかかる有機高分子物質を形成する前駆体物質を重合せしめてなる有機高分子物質)を含有する硬化塗膜(有機高分子系硬化塗膜)を設け、さらにその上に、第二層として、鱗片状シリカの薄片1次粒子が互いに面間が平行的に配向し複数枚重なって形成される葉状シリカ2次粒子から構成されるシリカ硬化塗膜(シリカ系硬化塗膜)を形成したことを特徴とする二層構造の硬化塗膜。

0106

上記のように、本発明の二層構造の硬化塗膜(以下、二層構造塗膜と称することがある。)は、シリカ系硬化塗膜と、有機高分子系硬化塗膜を積層することにより構成される。

0107

シリカ系硬化塗膜
シリカ系硬化塗膜は、本発明におけるシリカ2次粒子を含有する硬化性組成物から、硬化塗膜を形成させることにより得られる。すなわち、

0108

当該シリカ2次粒子を、揮発性液体、すなわち、水及び/又は水以外の揮発性液体(ベンゼン、トルエン、キシレン、灯油、軽油、アルコールなどの揮発性有機溶媒等)に分散させた状態で、すなわち、水スラリー及び/又は有機溶媒スラリー状で、金属、ガラス、セラミックス、スレート、セメント硬化体、プラスチックス、木材、紙などの基体上に、(あるいは、下記に記載した有機高分子系硬化塗膜上に、)当該スラリーを、塗料の塗布に通常適用される方法で塗布した後、乾燥させて硬化した塗膜を形成させることができる。ここで乾燥温度としては、室温〜200℃、好ましくは室温〜100℃、さらに好ましくは室温〜80℃である。ここで組成物中のSiO2 濃度は、1〜80質量%であることが好ましい。

0109

有機高分子系硬化塗膜
有機高分子系硬化塗膜は、有機高分子物質又は重合反応によってかかる有機高分子物質を形成する前駆体物質を含有する硬化性組成物から、硬化塗膜を形成させることにより得られる。すなわち、

0110

有機高分子物質又は重合反応によってかかる有機高分子物質を形成する前駆体物質を含有する硬化性組成物を、金属、ガラス、セラミックス、スレート、セメント硬化体、プラスチックス、木材、紙などの基体上に、(あるいは、上記のに記載したシリカ系硬化塗膜上に、)塗料の塗布に通常適用される方法で塗布した後、乾燥させて硬化した塗膜を形成させるのである。

0111

上記の有機高分子物質を含有する硬化性組成物の例としては、アクリル樹脂系エポキシ樹脂系、ウレタン樹脂系、スチレン樹脂系、シリコン樹脂系、フッ素樹脂系、及びこれらの共重合樹脂系などの非水溶媒系塗料・コーティング剤や水エマルション系の塗料・コーティング剤などである。

0112

本発明の二層構造塗膜は、上記のようにして、金属、ガラス、セラミックス、スレート、セメント硬化体、プラスチックス、木材、紙などの基体上に及びに記載した方法により、又はのいずれかの一方の硬化した塗膜層を形成させ、次いで、その上に、残りのもう一方の硬化した塗膜を形成させて二層構造塗膜とする。

0113

本発明の二層構造塗膜の特徴は、塗膜の耐アルカリ性(室温下、pH10の水酸化ナトリウム水溶液中、24hr浸漬して試験)を有し、さらに場合によってはJIS K 5400に記載されている耐アルカリ性の評価方法(室温下、5質量%炭酸ナトリウム水溶液中に24hr、浸漬する。)により評価した場合、シリカ系硬化塗膜又は有機高分子系硬化塗膜いずれか一層のみの塗膜の場合に比較して、予想外に安定した耐アルカリ性が得られることである。

0114

さらに、第二層が、葉状シリカ2次粒子からなるシリカ系硬化塗膜である場合には、第二層が有機高分子物質からなる有機高分子硬化塗膜の場合に比較して、より親水性が高いため、一般に疎水性である有機高分子物質からなる塗膜で問題とされる耐自然汚染性が向上することによると考えられる。

0115

上記の耐アルカリ性の向上は、次のような理由によるものと考えられる。葉状シリカ2次粒子からなるシリカ系硬化塗膜層は、細孔容積は、0.05〜0.15ml/gと極めて小さいとはいえ多孔質である。一方、有機高分子物質からなる有機高分子系硬化塗膜層は、無孔質である。

0116

従って、第一層のシリカ系硬化塗膜層の上に、第二層の有機高分子系硬化塗膜層を形成する場合(A型二層塗膜)、その塗布形成時に、上記2つの層の境界面において、有機高分子物質が葉状シリカ2次粒子からなる第一層の細孔を有する塗膜層に一部進入して、無孔質の強固な境界層が形成されると考えられる。

0117

このように第一層と第二層の境界に、かかる境界層が存在することにより、第一層の細孔内へのアルカリ水溶液の進入を防止できると推定される。

0118

また、当該境界層は、有機高分子物質が第一層の細孔内に進入し、両者が複合一体化して形成されるものであるから、当該境界層を介して、耐アルカリ性の高い第一層が第二層をアンカー的効果により強固に支持することになり、耐アルカリ性が充分でない有機高分子層が第二層の場合も、塗膜剥離が起こりにくくなることにより、二層構造塗膜は、全体として塗膜の耐アルカリ性が向上するものと思われる。

0119

一方、第一層が有機高分子系硬化塗膜層で、第二層がシリカ系硬化塗膜の場合(B型二層塗膜)には、当該第二層の存在により、第一層へのアルカリ水溶液の直接接触を実質的に防止できるため、二層構造塗膜全体として塗膜における耐アルカリ性が向上するものと思われる。

0120

上記、A型、B型何れの二層塗膜の場合においても、耐アルカリ性は向上するが、前者は、より高い耐アルカリ性を有するので望ましい。

0121

なお、上記に記載したA型二層塗膜或いはB型二層塗膜は、本発明の硬化塗膜における基本的な構成を示すものであり、さらに基体と第一層との間又は第一層と第二層との間にプライマーなどの中間薄層を介在させることを排除するものではない。さらに所望により第二層の上にオーバーコート層等の第三層を形成してもよい。

0122

以下、本発明を実施例により詳細に説明する。

0123

〔合成例1〕(ヒドロゲルを出発原料とするシリカ3次凝集体粒子の製造)
出発原料のシリカヒドロゲルは、ケイ酸ナトリウムをアルカリ源として次のようにして調整した。SiO2 /Na2 O=3.0(モル比)、SiO2 濃度21.0質量%であるケイ酸ナトリウム水溶液2000ml/minと、硫酸濃度20.0質量%の硫酸水溶液とを、放出口を備えた容器内に別個の導入口から導入して瞬間的に均一混合して、放出口から空中に放出される液のpHが7.5〜8.0になるように2液の流量比を調整し、均一混合されたシリカゾル液を放出口から連続的に空気中に放出させた。放出された液は、空気中で球形の液滴となり、放物線を描いて約1秒間滞空する間に空中でゲル化した。落下地点には、水を張った熟成槽を置いておき、ここに落下せしめて熟成させた。

0124

熟成後、pHを6に調整し、さらに十分水洗して、シリカヒドロゲルを得た。得られたシリカヒドロゲル粒子は、粒子形状が球形であり、平均粒子径が6mmであった。このシリカヒドロゲル粒子中のSiO2 質量に対する水の質量比率は、4.55倍であり、シリカヒドロゲル粒子中の残存ナトリウムは、110ppmであった。

0125

上記シリカヒドロゲル粒子を、ダブルロールクラッシャーを用いて平均粒子径2.5mmに粗粉砕して、次工程の水熱処理工程に用いた。

0126

容量50000mlのオートクレーブ(電気加熱式、アンカ−型攪拌羽根付き)に、系内の総SiO2 /Na2 Oモル比が12.0なるように、上記粒径2.5mmのシリカヒドロゲル(SiO2 18質量%)23.7Kg及びケイ酸ナトリウム水溶液(SiO2 28.75質量%、Na2 O9.3質量%、SiO2 /Na2 O=3.17(モル比)))5.5Kgを仕込み、これにイオン交換水を10. 7kgを加え、50rpmで攪拌しながら185℃で8時間水熱処理を行った。系内の総シリカ濃度は、SiO2 として15質量%であった。

0127

水熱処理後のスラリーは、濾布式竪型遠心分離機(東興機械社製、TU−18型)を用いて濾過水洗を行い、有姿含水率69.7質量%(固形分濃度30.3質量%)のシリカの湿ケーキを得た。

0128

上記湿ケーキに水を添加してリパルプし、SiO2 濃度7.0質量%のシリカのスラリーとした後、媒体流動層乾燥機(大川原製作所製、SFD−MII型)を用いて、熱風温度300℃で乾燥し、5.6Kgの乾燥微粉末を得た。

0129

粉末X線回折スペクトルにより生成微粉末についての生成相の同定を行ったところ、X線回折スペクトルとして、ASTMカード番号16ー0380に該当する2θ=4.9゜及び26.0゜の主ピークを特徴とするシリカ−Xの主ピーク以外にASTMカード番号31ー1235、37ー0386に該当するピークが認められた。また、2θが4.9°のピーク高さに対する、2θが26.0°のピーク高さの比は、2.5であった。

0130

また、この微粉末の吸油量(JIS K 5101)を測定したところ、110ml/100gであった。

0131

生成粒子の形態を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、鱗片状の薄片1次粒子が互いに面間が平行的に配向し、複数枚重なって葉状シリカ2次粒子が形成されていることが観察された。

0132

一方、生成粒子の形態を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、上記1次粒子は識別できず、上記の葉状シリカ2次粒子が1次粒子であるかのごときに観察された。当該葉状粒子の形状は鱗片状であり、これが不規則に重なり合って多数の間隙(空隙またはポケット)を有するシリカ3次凝集体粒子が形成されていることが観察された。これが本発明におけるシリカ3次凝集体粒子である。

0133

走査型電子顕微鏡(SEM)で観察されるこの葉状粒子(TEMでは、2次粒子に該当)の部分の平均厚さ0.06μmに対し、当該厚さに対する板の平均最長長さは、5.4μmでそのアスペクト比は90、板の平均最小長さは1.6μmで、アスペクト比は27であった。

0134

この微粉末(シリカ3次凝集体粒子)の平均粒子径をコールターカウンター(コールターエレクトロニクス社製、MAII型、アパーチャーチューブ径50μm(以下の合成例1〜4において同じ))を用いて測定したところ、6.1μmであった。

0135

さらに該微粉末の結晶型遊離ケイ酸量をX線回折分析法により測定したところ、検出限界以下(2%以下)であることがわかった。

0136

〔合成例2〕(ヒドロゲルを出発原料とするシリカ3次凝集体粒子の製造)
出発原料のシリカヒドロゲルは、NaOHをアルカリ源として次のようにして調整した。SiO2 /Na2 O=3.0(モル比)、SiO2 濃度21.0質量%であるケイ酸ナトリウム水溶液2000ml/minと、硫酸濃度20.0質量%の硫酸水溶液とを、放出口を備えた容器内に別個の導入口から導入して瞬間的に均一混合して、放出口から空中に放出される液のpHが7.5〜8.0になるように2液の流量比を調整し、均一混合されたシリカゾル液を放出口から連続的に空気中に放出させた。放出された液は、空気中で球形の液滴となり、放物線を描いて約1秒間滞空する間に空中でゲル化した。落下地点には、水を張った熟成槽を置いておき、ここに落下せしめて熟成させた。

0137

熟成後、pHを6に調整し、さらに十分水洗して、シリカヒドロゲルを得た。得られたシリカヒドロゲル粒子は、粒子形状が球状であり、平均粒子径が6mmであった。このシリカヒドロゲ粒子中のSiO2 質量に対する水の質量比率は、4.38倍であり、シリカヒドロゲル粒子中の残存ナトリウムは、112ppmであった。

0138

上記シリカヒドロゲル粒子を、ダブルロールクラッシャーを用いて平均粒子径2.5mmに粗粉砕して、次工程の処理工程に用いた。

0139

容量5000mlのオートクレーブ(電気加熱式、アンカ−型攪拌羽根付き)に、系内の総SiO2 /Na2 Oモル比が11.0なるように、上記粒径2.5mmのシリカヒドロゲル(SiO2 18.6質量%)2688g及び水酸化ナトリウム水溶液(NaOH48.5質量%)126gを仕込み、これにイオン交換水1186gを加え、種晶0.5gを添加して、20rpmで攪拌しながら180℃で12時間水熱処理を行った。系内の総シリカ濃度は、SiO2 として12.5質量%であった。

0140

水熱処理後のスラリーは、濾布式竪型遠心分離機(東興機械社製、TU−18型)を用いて濾過水洗を行い、有姿含水率66.7質量%(固形分濃度33.3質量%)のシリカの湿ケーキを得た。

0141

次に上記湿ケーキに水を添加してリパルプし、SiO2 濃度7.0質量%のシリカのスラリーとした後、媒体流動層乾燥機(大川原製作所製、SFD−MINI型)を用いて、熱風温度300℃で乾燥し、408gの乾燥微粉末を得た。

0142

生成微粉末を粉末X線回折スペクトルにより生成相の同定を行ったところ、X線回折スペクトルとして、ASTMカード番号31−1233に該当する2θ=5.6゜、25.8°及び28.3゜の主ピークを特徴とするシリカ−Yの主ピーク以外にASTMカード番号35−63、25−1332に該当するピークが認められた。

0143

また、この微粉末の吸油量(JIS K 5101)を測定したところ、100ml/100gであった。

0144

生成粒子の形態を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、鱗片状の薄片1次粒子が互いに面間が平行的に配向し、複数枚重なって葉状シリカ2次粒子が形成されていることが観察された。

0145

一方、生成粒子の形態を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、上記1次粒子は識別できず、上記の葉状シリカ2次粒子が1次粒子であるかのごときに観察された。その葉状粒子の形状は、鱗片状であり、これが不規則に重なり合って多数の間隙(空隙またはポケット)を有する本発明におけるシリカ3次凝集体粒子が形成されていることが観察された。

0146

この走査型電子顕微鏡(SEM)で観察される葉状シリカ粒子(TEMでは、2次粒子に該当)の平均厚さ0.07μmに対し、当該厚さに対する板の平均最長長さは、6.0μmでそのアスペクト比は86、板の平均最小長さは1.8μmで、アスペクト比は26であった。

0147

また、この微粉末の平均粒子径をコールターカウンター(コールターエレクトロニクス社製、MAII型)を用いて測定したところ、6.5μmであった。

0148

さらに該微粉末の結晶型遊離ケイ酸量をX線回折分析法により測定したところ、検出限界以下(2%以下)であることがわかった。

0149

〔合成例3〕(合成例1の湿ケーキからスラリー状の本発明における葉状シリカ2次粒子の製造)

0150

合成例1に示した遠心分離機による濾過・水洗後の湿ケーキ1000g(固形分濃度:30.3質量%) に水1020gを加えてリパルプし、固形分15質量%のシリカスラリーを調製した。 このスラリーの状態では、コールターカウンターによる平均粒径は7.2μmであり、B型粘度計による粘度は、0.010Pa・sであった。

0151

次にこのスラリーを媒体攪拌ビーズミルシンマルエンタープライゼズ社製、ダイノーミルKDL−PILOT A型 (ベッセル容量1.4L、直径0.5mmジルコニアビーズ80%充填) )でシャフト回転数3400rpm、流量30L/hで1回通過させ、シリカ3次凝集体粒子の解砕・分散化を行った。

0152

解砕・分散化後のスラリー中の微粒子のコールターカウンターによる平均粒子径は、1.6μmであった。また、このスラリーの粘度を、B型粘度計で測定したところ、0.13Pa・sであった。

0153

次に、当該スラリー中の微粒子の微粒子の状態に近い乾燥された葉状シリカ2次粒子の物性を調べるため、以下の方法で乾燥粉末を得た。

0154

当該スラリーは、乾燥により極めて凝集しやすいという特異な性質を有しているため、単分散された乾燥粉末を得るには、極めて薄い濃度の水スラリーにして凝集を防ぎながら乾燥をする必要がある。

0155

当該スラリー(固形分濃度15質量%)に水を添加し、固形分濃度0.3質量%にスラリー濃度を調整した。

0156

当該スラリーを小型の噴霧乾燥機(スプレードライヤー)(ヤマト科学社製、GA32型)を用いて、スラリー供給量1.7ml/min、噴霧圧力0.3MPa (G)、熱風温度130℃で噴霧乾燥を行い乾燥微粉末を得た。得られた乾燥微粉末のコールターカウンターによる平均粒径は、1.9μmであった。

0157

この微粉末を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、シリカ3次凝集体粒子は、実質的に認められず、これは、本発明の葉状シリカ2次粒子から実質的になっていることが判明した。

0158

この微粉末を粉末X線回折スペクトルにより生成相の同定を行ったところ、X線回折スペクトルとして、ASTMカード番号16−0380に該当する2θ=4.9゜及び26.0゜の主ピークを特徴とするシリカ−Xの主ピーク以外にASTMカード番号31−1235、37−0386に該当するピークが認められた。

0159

また、2θが4.9°のピーク高さに対する、2θが26.0°のピーク高さの比は、2.5であった。

0160

生成粒子の形態を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、鱗片状の薄片1次粒子が互いに面間が平行的に配向し、複数枚重なって本発明の葉状シリカ2次粒子が形成されていることが観察された。

0161

また、この微粉末をエポキシ樹脂に埋包し、ウルトラミクロトーム超薄切片を作成して、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、1次粒子の厚みは、1〜10nmと極めて薄いことがわかった。

0162

当該微粉体のBET法細孔分布測定装置(日本ベル社製、ベルソープ28型)による細孔容積は、0.12ml/g、比表面積は、65m2 /gであり、細孔分布曲線では3.6nm付近にメソ細孔領域の鋭い大きなピークが認められた。

0163

また、当該微粉末の赤外吸収スペクトル(ニコレージパン社製、FT−IR510型)測定では、3600〜3700cm-1、3400〜3500cm-1にそれぞれひとつの吸収帯を持つシラノール基が認められた。

0164

また、シラノール基(SiOH)の量を、120℃・2時間での乾燥減量と1200℃・3時間での加熱減量との差(W質量%とする。)からシリカ単位質量当たりのシラノール基(SiOH)=W×1111.1(μmol/g)の計算式により求めると、3650μmol/gであり、BET法による比表面積当たりでは56.2μmol/m2 という大きな値を示した。

0165

耐熱性については、空気雰囲気下、500〜1000℃で、走査型電子顕微鏡での観察では特段の変化は認められなかった。

0166

酸水溶液及びアルカリ水溶液に対する20℃での飽和溶解度については、溶解SiO2 濃度は、10質量%、HCl水溶液に対しては、0.008質量%、イオン交換水に対しては、0.006質量%、5質量%NaOH水溶液に対しては、0.55質量%、10質量%NaOH水溶液に対しては、0.79質量%であった。特に対アルカリ水溶液に関しては、例えばシリカゲルに比較すると非常に小さな溶解度であった(シリカゲルの場合、3質量%NaOHに対しても溶解度は、6.5質量%である)。

0167

〔合成例4〕(合成例2の湿ケーキからスラリー状の本発明における葉状シリカ2次粒子の製造)

0168

合成例2に示した遠心分離機による濾過・水洗後の湿ケーキを用いて合成例3と同様に、媒体攪拌ビーズミル(シンマルエンタープライゼズ社製、ダイノーミルKDL−PILOT A型 (ベッセル容量1.4L、直径0.5mmジルコニアビーズ80%充填) )でシャフト回転数3400rpm、流量30L/hrで1回通過させ、シリカ3次凝集体粒子の解砕・分散化を行ない、固形分濃度15質量%の葉状シリカ2次粒子の水スラリーを得た。

0169

解砕・分散化後のスラリー中の微粒子のコールターカウンターによる平均粒子径は1.7μmであった。また、このスラリーの粘度を、B型粘度計で測定したところ、0.11Pa・sであった。

0170

〔実施例1〕(合成例3のシリカ単独塗膜の上にシリコン樹脂系市販塗料市販塗料(水系エマルション)を上塗りした二重構造塗膜)
合成例3の媒体攪拌ビーズミルで処理した固形分濃度15質量%スラリー(平均粒子径1.6μm)を、50mlビーカーに入れ、スターラーで十分攪拌混合した。次に、JIS K 5400に準拠したガラス板ソーダライムガラス、70mm×150mm×2mm厚)を用意し、バーコーター塗り法(JIS K5400)で、#100バーコーター(江器械社製)を使ってガラス板に当該スラリーを塗布し、室温で乾燥し下塗り(第一層)塗膜の試験片とした。塗布量は固形分換算で20g/m2 であった。

0171

次いで、250mlプラスチック瓶に、オーデフレッシュSi−100(シリコン樹脂系の水性エマルション、固形分濃度54質量%:日本ペイント社製)を25.0g採取し、 全体が均一になるまで当該瓶を振とう機(イワキ社製、V−5型)で振とうした。

0172

次いで、上記のシリカ単独下塗り塗膜試験片を用意し、バーコーター塗り法(JIS K 5400)で、#100バーコーター(江藤器械社製)を用いて塗膜の上に該塗料を塗布し、室温で乾燥して二層構造塗膜の試験片とした。

0173

第二層の塗布量は、固形分換算で、20g/m2 であった。塗膜の外観は、平滑であり、ヒビ割れなどは、認められなかった。

0174

塗膜の評価としては、JIS K 5400に準拠して、耐アルカリ性(室温下、5質量%炭酸ナトリウム水溶液中、24hr浸漬試験)、促進耐候性(スガ試験機社製サンシャインウェザーメーターWEL−SUN−HC−B型、13kWカーボンアーク灯300時間照射(以下、実施例2〜4、7も同じ))を測定し、結果を表1に示した。

0175

〔実施例2〕(合成例3のシリカ単独塗膜の上にアクリルウレタン系市販塗料(水系エマルション)を上塗りした二層構造塗膜)

0176

合成例3の媒体攪拌ビーズミルで処理した固形分濃度15重量%スラリー(平均粒子径1.6μm)を、50mlビーカーに入れ、スターラーで十分攪拌混合した。次に、JIS K 5400に準拠したガラス板(ソーダライムガラス、70mm×150mm×2mm厚)を用意し、バーコーター塗り法(JIS K5400)で、#100バーコーター(江藤器械社製)を使ってガラス板に当該スラリーを塗布し、室温で乾燥し下塗り(第一層)塗膜の試験片とした。塗布量は、固形分換算で20g/m2 であった。

0177

次いで、250mlプラスチック瓶に、水性ウレタンW#100(アクリルウレタン系樹脂の水性エマルション、固形分濃度51質量%:旭硝子コートアンドレジン社製)を25.0g採取し、全体が均一になるまで当該瓶を振とう機(イワキ社製、V−5型) で振とうした。

0178

次いで、上記のシリカ単独下塗り塗膜試験片を用意し、バーコーター塗り法(JIS K 5400)で、#100バーコーター(江藤器械社製)を用いて塗膜の上に該塗料を塗布し、室温で乾燥して二層構造塗膜の試験片とした。

0179

第二層の塗布量は、固形分換算で、20g/m2 であった。塗膜の外観は、平滑であり、ヒビ割れなどは、認められなかった。

0180

塗膜の評価としては、JIS K 5400に準拠して耐アルカリ性、促進耐候性を測定し、結果を表1に示した。

0181

〔実施例3〕(合成例3のシリカ単独塗膜の上にフッ素樹脂系市販塗料(水系エマルション)を上塗りした二層構造塗膜)

0182

合成例3の媒体攪拌ビーズミルで処理した固形分濃度15質量%スラリー(平均粒子径1.6μm)を、50mlビーカーに入れ、スターラーで十分攪拌混合した。次に、JIS K 5400に準拠したガラス板(ソーダライムガラス、70mm×150mm×2mm厚)を用意し、バーコーター塗り法(JIS K5400)で、#100バーコーター(江藤器械社製)を使ってガラス板に当該スラリーを塗布し、室温で乾燥し下塗り(第一層)塗膜の試験片とした。塗布量は固形分換算で20g/m2 であった。

0183

次いで、250mlプラスチック瓶に、フッ素樹脂塗料ボンフロンW#1500(フッ素系樹脂の水性エマルション、固形分濃度51質量%:旭硝子コートアンドレジン社社製)を25.0g採取し、全体が均一になるまで当該瓶を振とう機(イワキ社製、V−5型)で振とうした。

0184

次いで、上記のシリカ単独下塗り塗膜試験片を用意し、バーコーター塗り法(JIS K 5400)で、#100バーコーター(江藤器械社製)を用いて塗膜の上に該塗料を塗布し、室温で乾燥して二層構造塗膜の試験片とした。

0185

第二層の塗布量は、固形分換算で、20g/m2 であった。塗膜の外観は、平滑であり、ヒビ割れなどは、認められなかった。

0186

塗膜の評価としては、JIS K 5400に準拠して耐アルカリ性、促進耐候性を測定し、結果を表1に示した。

0187

〔実施例4〕(合成例3のシリカ単独塗膜の上にフッ素樹脂塗料(非水系溶媒使用)を上塗りした二層構造塗膜)

0188

合成例3の媒体攪拌ビーズミルで処理した固形分濃度15質量%スラリー(平均粒子径1.6μm)を、50mlビーカーに入れ、スターラーで十分攪拌混合した。次に、JIS K 5400に準拠したガラス板(ソーダライムガラス、70mm×150mm×2mm厚)を用意し、バーコーター塗り法(JIS K5400)で、#100バーコーター(江藤器械社製)を使ってガラス板に当該スラリーを塗布し、室温で乾燥し下塗り(第一層)塗膜の試験片とした。塗布量は固形分換算で20g/m2 であった。

0189

次いで、250mlプラスチック瓶に、フッ素樹脂塗料(旭硝子社製、商品名ルミフロンLF−200、固形分濃度固形分濃度60質量%)を25.0g、硬化剤デュラネートTPA−100)を2.5g、キシレン8gを採取し、全体が均一になるまで当該瓶を振とう機(イワキ社製、V−5型)で振とうした。これをターブラーシェーカーミキサー(シンマルエンタープライゼズ社製、T2C型)に入れて、30分間混合・分散させた。

0190

次いで、上記のシリカ単独下塗り塗膜試験片を用意し、バーコーター塗り法(JIS K 5400)で、#100バーコーター(江藤器械社製)を用いて塗膜の上に該塗料を塗布し、室温で乾燥して二層構造塗膜の試験片とした。

0191

第二層の塗布量は、固形分換算で、20g/m2 であった。塗膜の外観は、平滑であり、ヒビ割れなどは、認められなかった。

0192

塗膜の評価としては、JIS K 5400に準拠して耐アルカリ性及び促進耐候性を測定し、結果を表1に示した。

0193

〔実施例5〕(フッ素樹脂系市販塗料(水系エマルション)からなる塗膜の上に合成例3のシリカスラリーを上塗りした二層構造塗膜塗膜)

0194

250mlプラスチック瓶に、フッ素樹脂塗料ボンフロンW#1500(フッ素系樹脂の水性エマルション、固形分濃度51質量%:旭硝子コートアンドレジン社社製)を25.0g採取し、全体が均一になるまで当該瓶を振とう機(イワキ社製、V−5型)で振とうした。

0195

次に、JIS K 5400に準拠したガラス板(ソーダライムガラス、70mm×150mm×2mm厚)を用意し、バーコーター塗り法(JIS K 5400)で、#100バーコーター(江藤器械社製)を使ってガラス板に当該スラリーを塗布し、室温で乾燥し下塗り(第一層)塗膜の試験片とした。塗布量は固形分換算で20g/m2 であった。

0196

この試験片に、合成例3の媒体攪拌ビーズミルで処理後のスラリー(固形分濃度15質量%、平均粒子径1.6μm)を、バーコーター塗り法(JIS K5400)で、#100バーコーター(江藤器械社製)を用いて当該試験片上に当該スラリーを塗布し、室温で乾燥して二層構造塗膜の試験片とした。

0197

第二層の塗布量は、固形分換算で、20g/m2 であった。塗膜の外観は、平滑であり、ヒビ割れなどは、認められなかった。

0198

塗膜の評価としては、耐アルカリ性(室温下、pH10の水酸化ナトリウム水溶液中、24hr浸漬試験)を測定し、結果を表2に示した。

0199

〔実施例6〕(フッ素樹脂系市販塗料(非水系溶媒)からなる塗膜の上に合成例3のシリカスラリーを上塗りした二層構造塗膜)

0200

250mlプラスチック瓶に、フッ素樹脂塗料(旭硝子社製、商品名ルミフロンLF−200、固形分濃度60質量%)を25.0g、硬化剤(ドュラネートTPA−100)を2.5g、キシレン8gを採取し、全体が均一になるまで当該瓶を振とう機(イワキ社製、V−5型)で振とうした後、これをターブラーシェーカーミキサー(シンマルエンタープライズ社製、T2C型)に入れて、30分間混合・分散させた。

0201

次に、JIS K 5400に準拠したガラス板(ソーダライムガラス、70mm×150mm×2mm厚)を用意し、バーコーター塗り法(JIS K 5400)で、#100バーコーター(江藤器械社製)を使ってガラス板に当該スラリーを塗布し、室温で乾燥し下塗り(第一層)塗膜の試験片とした。塗布量は固形分換算で20g/m2 であった。

0202

次いでこの試験片に、合成例3の媒体攪拌ビーズミルで処理後のスラリー(固形分濃度15質量%、平均粒子径1.6μm)を、バーコーター塗り法(JISK5400)で、#100バーコーター(江藤器械社製)を用いて当該試験片上に当該スラリーを塗布し、室温で乾燥して二層構造塗膜の試験片とした。

0203

第二層の塗布量は、固形分換算で、20g/m2 であった。塗膜の外観は、平滑であり、ヒビ割れなどは、認められなかった。

0204

塗膜の評価としては、耐アルカリ性(室温下、pH10の水酸化ナトリウム水溶液中、24hr浸漬試験)を測定し、結果を表2に示した。

0205

〔実施例7〕(合成例4のシリカ単独塗膜の上にフッ素樹脂系市販塗料(水系エマルション)を上塗りした二層構造塗膜)

0206

合成例4の媒体攪拌ビーズミルで処理した固形分濃度15質量%スラリー(平均粒子径1.7μm)を、50mlビーカーに入れ、スターラーで十分攪拌混合した。次に、JIS K 5400に準拠したガラス板(ソーダライムガラス、70mm×150mm×2mm厚)を用意し、バーコーター塗り法(JIS K5400)で、#100バーコーター(江藤器械社製)を使ってガラス板に当該スラリーを塗布し、室温で乾燥し下塗り(第一層)塗膜の試験片とした。塗布量は固形分換算で20g/m2 であった。

0207

次いで、250mlプラスチック瓶に、フッ素樹脂塗料ボンフロンW#1500(フッ素系樹脂の水性エマルション、固形分濃度51質量%:旭硝子コートアンドレジン社社製)を25.0g採取し、全体が均一になるまで当該瓶を振とう機(イワキ社製、V−5型)で振とうした。

0208

次いで、上記のシリカ単独下塗り塗膜試験片を用意し、バーコーター塗り法(JIS K 5400)で、#100バーコーター(江藤器械社製)を用いて塗膜の上に該塗料を塗布し、室温で乾燥して二層構造塗膜の試験片とした。

0209

第二層の塗布量は、固形分換算で、20g/m2 であった。塗膜の外観は、平滑であり、ヒビ割れなどは、認められなかった。

0210

塗膜の評価としては、JIS K 5400に準拠して耐アルカリ性及び促進耐候性を測定し、結果を表1に示した。

0211

〔実施例8〕(エポキシ樹脂系市販塗料(非水系溶媒)からなる塗膜の上に合成例3のシリカスラリーを上塗りした二層構造塗膜)

0212

250mlプラスチック瓶に、エポキシ樹脂リン酸亜鉛塗料( 旭硝子コートアンドレジン社製、塗料液(商品名ボンエポコート30HB、固形分濃度35質量%)を40g、硬化剤(ポリアミド樹脂溶液)を10.0g及びシンナー5gを上記プラスチック瓶に添加し、全体が均一になるまで混合し塗料液とした。次に、JIS K 5400に準拠した鉄板(70mm×150mm×2mm厚)を用意し、バーコーター塗り法(JIS K 5400)で、#80バーコーター(江藤器械社製)を使って当該鉄板に当該塗料液を塗布し、室温で乾燥し下塗り(第一層)塗膜の試験片とした。塗布量は、固形分換算で20g/m2 であった。

0213

次いで、上記の試験片に、合成例3の媒体攪拌ビーズミルで処理した固形分濃度15質量%スラリー(平均粒子径1.6μm)を、バーコーター塗り法(JIS K 5400)で、#100バーコーター(江藤器械社製)を使って試験片の上に当該スラリーを塗布し、室温で乾燥し二層構造塗膜の試験片とした。第二層の塗布量は、固形分換算で20g/m2 であった。

0214

塗膜の外観は、平滑であり、ヒビ割れなどは、認められなかった。塗膜の評価としては、耐アルカリ性(室温下、pH10の水酸化ナトリウム水溶液中、24hr浸漬試験)を測定し、結果を表2に示した。

0215

0216

0217

〔比較例1〕実施例1〜実施例3に記載した各水系エマルション塗料を、それぞれJISK5400 に準拠したガラス板(ソーダライムガラス、70mm×150mm×2mm厚)に、バーコーター塗り法(JIS K 5400)で、#100バーコーター(江藤器械社製)を使って塗布し、室温で乾燥し第一層のみの試験片を作成した。塗布量は、固形分換算で20g/m2 であった。

0218

塗膜の評価としては、JIS K 5400に準拠して、耐アルカリ性(室温下、5質量%炭酸ナトリウム水溶液中、24hr浸漬試験)を測定し、結果を表3に示した。

0219

発明の効果

0220

本発明は、シリカ薄片1次粒子が互いに面間が平行的に配向し複数枚重なって形成される葉状シリカ2次粒子から構成されるシリカ硬化塗膜と、有機高分子硬化塗膜とを重ねて基体上に形成させて二層構造の硬化塗膜とするもので、塗膜の耐アルカリ性及び耐候性に優れたものである。

図面の簡単な説明

0221

図1本発明における葉状シリカ2次粒子を示す走査型電子顕微鏡写真である。
図2本発明における葉状シリカ2次粒子を示す透過型電子顕微鏡写真である。
図3本発明におけるシリカ3次凝集体粒子を示す走査型電子顕微鏡写真である。
図4本発明における葉状シリカ2次粒子からなる塗膜断面の走査型電子顕微鏡写真である。
図5シリカ3次凝集体粒子からなる塗膜断面の走査型電子顕微鏡写真である。

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