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技術 N−アセチル−β−ヘキソサミニド誘導体の製造方法

出願人 株式会社明治
発明者 鯵坂勝美松尾一郎山本裕一
出願日 2000年3月3日 (20年0ヶ月経過) 出願番号 2000-058966
公開日 2001年9月11日 (18年6ヶ月経過) 公開番号 2001-247588
状態 特許登録済
技術分野 糖類化合物 触媒を使用する低分子有機合成反応
主要キーワード ヘキソピラノシド グルコピラノシド誘導体 グリコシル受容体 普遍性 弱酸性陽イオン交換樹脂 オキサゾリン誘導体 グリコシル供与体 オルガノ社
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この項目の情報は公開日時点(2001年9月11日)のものです。
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課題

良好な収率および高いβ選択性で且つ大量調製に対応した容易なN-アセチル-β-ヘキソミニ誘導体、特に2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシド誘導体合成方法を提供する。

解決手段

酸またはイオン交換樹脂触媒による、一般式(1)で表されるオキサゾリン化合物糖供与体としたN−アセチルヘキソサミニド誘導体の製造方法。(式中R1及びR4は基OH又はOXを示し、R2及びR3は一方が水素の時他方は基OH又はOXを示す。)

概要

背景

一般にオリゴ糖を合成するためのグリコシド結合形成反応は、グリコシル供与体のC-1位を活性化すると同時に、受容体ヒドロキシル基と反応せしめることによって行われる。しかしながら、多くの方法は活性化剤として高価な、また毒性の高い重金属、または再使用が困難な酸触媒を使用しながら、低い収率や乏しい立体選択性しか得られないという不都合な点を有しているため、産業的な規模での合成が困難であった(K. Toshima, Chem. Rev., 93, 1503 (1993))。特に、N-アセチル-β-ヘキソミニ誘導体の合成において、1位に活性基を有するN-アセチルヘキソサミン誘導体を糖供与体として用いると、グリコシド結合形成反応時に、C-2位のアセトアミド基とC-1位との間でオキサゾリン環が形成され、収率の低下および反応性が低い糖の水酸基とは反応しないこと等が知られている。この問題を解決するためにN-アセチル-β-ヘキソサミニド誘導体を合成する反応では、C-2位のアセトアミド基を他の置換基、例えばフタルイミド基アジド基等に置換したN-アセチルヘキソサミン供与体が使用されている(J. Banoub, Chem. Rev., 92, 1167 (1992))。しかし、これらの誘導体の合成には多段階にわたる合成工程が必要である。効率の良い合成を大規模に行うためには、出発物質の調製が容易であることが重要である。

グリコシド結合形成反応時に、副生成物として生じるオキサゾリン誘導体を積極的にグリコシル化反応に利用する試みもなされている。しかしながら、木曽らの方法(Carbohydr. Res., 136, 309 (1985))は反応性の高い金属を使用しており大量の工業生産には適さない。またR. L. Thomas らの方法(Carbohydr. Res., 183, 163 (1988))は、再使用が困難な酸触媒を使用しており、これは工業生産の際にはコストが高くなる。これらの反応においては、受容体としてアルコール類を用いた場合はグリコシド結合を与えるが、糖を受容体とした場合は厳密に保護された、限られた糖受容体のみグリコシド結合が得られることが知られており普遍性欠ける。さらにこれらの反応は、反対に関与しない糖水酸基保護基を導入する必要があり、多くの工程数が必要となるために大量合成には向かない方法である。

N-アセチルヘキソサミンのオキサゾリン酵素基質として利用し、グリコシド形成反応を行った例が報告されている(S. Kobayashi, J. Am. Chem. Soc., 118, 13113 (1996))。この場合、オキサゾリンおよび糖受容体の保護基は必要なく、実践的な方法である。しかし、この反応における糖受容体は、酵素の基質特異性により厳密に規制され、全ての糖類およびアルコール類等に適用できる方法であるとはいえない。

概要

良好な収率および高いβ選択性で且つ大量調製に対応した容易なN-アセチル-β-ヘキソサミニド誘導体、特に2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシド誘導体合成方法を提供する。

酸またはイオン交換樹脂触媒による、一般式(1)で表されるオキサゾリン化合物を糖供与体としたN−アセチルヘキソサミニド誘導体の製造方法。(式中R1及びR4は基OH又はOXを示し、R2及びR3は一方が水素の時他方は基OH又はOXを示す。)

目的

従って、本発明の目的は、糖類、アルコール類、フェノール類等、多くのグリコシド受容体に対して、良好な収率および高いβ選択性で且つ大量調製に対応した容易なN-アセチル-β-ヘキソサミニド誘導体、ずなわち2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシド誘導体および2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-ガラクトピラノシド誘導体の製造方法を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

酸またはイオン交換樹脂触媒による一般式(1)で表されるオキサゾリン化合物糖供与体としたN-アセチルヘキソミニ誘導体の製造方法。

請求項

ID=000003HE=075 WI=069 LX=0255 LY=0550(式中、R1、R2、R3およびR4は表1に示した置換基を表す。)

請求項

ID=000004HE=045 WI=059 LX=0305 LY=1450

請求項2

イオン交換樹脂が陽イオン交換樹脂である請求項1に記載のN-アセチルヘキソサミニド誘導体の製造方法。

請求項3

イオン交換樹脂がアンバーリスト15Eである請求項1または2に記載のN-アセチルヘキソサミニド誘導体の製造方法。

--

0001

本発明は、N-アセチル-β-ヘキソミニ誘導体、特に2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-ヘキソピラノシドを有するオリゴ糖の特異的製造方法に関する。N-アセチルヘキソサミンオキサゾリングリコシル受容体とを反応せしめ、N-アセチル-β-ヘキソサミニド誘導体を製造するに当たり、酸触媒、特にリサイクル使用が可能なイオン交換樹脂を使用する事を特徴とする。

背景技術

0002

一般にオリゴ糖を合成するためのグリコシド結合形成反応は、グリコシル供与体のC-1位を活性化すると同時に、受容体ヒドロキシル基と反応せしめることによって行われる。しかしながら、多くの方法は活性化剤として高価な、また毒性の高い重金属、または再使用が困難な酸触媒を使用しながら、低い収率や乏しい立体選択性しか得られないという不都合な点を有しているため、産業的な規模での合成が困難であった(K. Toshima, Chem. Rev., 93, 1503 (1993))。特に、N-アセチル-β-ヘキソサミニド誘導体の合成において、1位に活性基を有するN-アセチルヘキソサミン誘導体を糖供与体として用いると、グリコシド結合形成反応時に、C-2位のアセトアミド基とC-1位との間でオキサゾリン環が形成され、収率の低下および反応性が低い糖の水酸基とは反応しないこと等が知られている。この問題を解決するためにN-アセチル-β-ヘキソサミニド誘導体を合成する反応では、C-2位のアセトアミド基を他の置換基、例えばフタルイミド基アジド基等に置換したN-アセチルヘキソサミン供与体が使用されている(J. Banoub, Chem. Rev., 92, 1167 (1992))。しかし、これらの誘導体の合成には多段階にわたる合成工程が必要である。効率の良い合成を大規模に行うためには、出発物質の調製が容易であることが重要である。

0003

グリコシド結合形成反応時に、副生成物として生じるオキサゾリン誘導体を積極的にグリコシル化反応に利用する試みもなされている。しかしながら、木曽らの方法(Carbohydr. Res., 136, 309 (1985))は反応性の高い金属を使用しており大量の工業生産には適さない。またR. L. Thomas らの方法(Carbohydr. Res., 183, 163 (1988))は、再使用が困難な酸触媒を使用しており、これは工業生産の際にはコストが高くなる。これらの反応においては、受容体としてアルコール類を用いた場合はグリコシド結合を与えるが、糖を受容体とした場合は厳密に保護された、限られた糖受容体のみグリコシド結合が得られることが知られており普遍性欠ける。さらにこれらの反応は、反対に関与しない糖水酸基保護基を導入する必要があり、多くの工程数が必要となるために大量合成には向かない方法である。

0004

N-アセチルヘキソサミンのオキサゾリンを酵素基質として利用し、グリコシド形成反応を行った例が報告されている(S. Kobayashi, J. Am. Chem. Soc., 118, 13113 (1996))。この場合、オキサゾリンおよび糖受容体の保護基は必要なく、実践的な方法である。しかし、この反応における糖受容体は、酵素の基質特異性により厳密に規制され、全ての糖類およびアルコール類等に適用できる方法であるとはいえない。

発明が解決しようとする課題

0005

従って、本発明の目的は、糖類、アルコール類、フェノール類等、多くのグリコシド受容体に対して、良好な収率および高いβ選択性で且つ大量調製に対応した容易なN-アセチル-β-ヘキソサミニド誘導体、ずなわち2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシド誘導体および2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-ガラクトピラノシド誘導体の製造方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0006

本発明者らは、上記課題を解決すべく種々検討した結果、保護基のないN-アセチルヘキソサミンのオキサゾリン化合物を供与体として、陽イオン交換樹脂触媒として糖類、アルコール類、フェノール類に対するN-アセチル-β-ヘキソサミニド誘導体を合成できることを見い出し本発明を完成した。以下本発明を詳細に説明する。すなわち、本発明は、(1)酸またはイオン交換樹脂の触媒による一般式(1)で表されるオキサゾリン化合物を糖供与体としたN-アセチルヘキソサミニド誘導体の製造方法。、(2)イオン交換樹脂が陽イオン交換樹脂である請求項(1)に記載のβ-グリコシド結合N-アセチルヘキソサミン誘導体の製造方法、(3)イオン交換樹脂がアンバーリスト15Eである請求項(1)または請求項(2)に記載のN-アセチルヘキソサミニド誘導体の製造方法、に関する。

発明を実施するための最良の形態

0007

N-アセチル-β-ヘキソサミニド誘導体を有するオリゴ糖の合成について述べる。オキサゾリン化合物と糖受容体を非プロトン性極性溶媒に溶解する。非プロトン性溶媒とは、ジメチルスルホキシドジメチルホルムアミドヘキサメチルホスホルアミドトリエチルホスファイト等の有機溶媒を指す。オキサゾリン化合物と糖受容体との量比は1/100量から100当量であるが、糖受容体の濃度を高めると反応効率は向上する。オキサゾリン環を活性化してグリコシド形成反応を開始するための触媒としては、パラトルエンスルホン酸カンファースルホン酸などの有機酸類塩酸硫酸等の鉱酸あるいは、陽イオン交換樹脂等、酸であれば何ら差し支えないが、操作性やコストの面から再生可能なイオン交換樹脂が有効である。イオン交換樹脂としては、強酸性及び弱酸性陽イオン交換樹脂、たとえば、アンバーリスト15、アンバーリスト15E、アンバーリスト15WET、アンバーリスト16WET、アンバーリスト31、アンバーリスト35WET、アンバーリストA26、アンバーリストA21が使用できる。

0008

N-アセチルヘキソサミンにアルコールがβグリコシド結合したN-アセチル-β-ヘキソサミニド誘導体の合成は、オキサゾリン化合物を結合させるアルコールに溶解した後に、イオン交換樹脂でグリコシド形成反応を行うことによりほぼ定量的に進行する。また、高融点のアルコールを基質として用いる場合は、オリゴ糖合成と同様に、非プロトン性の極性溶媒に溶解する。オキサゾリン化合物とアルコール受容体との量比は触媒量から100当量であるが、アルコール受容体の濃度を高めると反応効率は向上する。以下、本発明の実施例を示し、さらに詳しく説明するが本発明はこれらの実施例に限定されない。

0009

合成例 N-アセチルクルコサミンのオキサゾリンの合成
N-アセチルグルコサミン無水酢酸ピリジンにて反応することにより得られたパーアセチル化誘導体をルイス酸存在下反応することにより、オキサゾリンのアセチル誘導体(3)を得た(Stork, W. et al., J. Carbohydr. Chem. 2, 169-198 (1989))。得られたオキサゾリンのアセチル誘導体(3)113mgをメタノールに溶解し1NのNaOMe100μL加え、室温で3時間攪拌した。メタノールを減圧除去後得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィークロロホルム:メタノール=4:1, 0.1%トリエチルアミン)にて精製してオキサゾリン(4)69mgを得た(定量的)。(図1
実施例1:GlcNAcβ1-6Man及びGlcNAcβ1-3Manの合成
マンノース337mg(1.87mmol)と合成例で合成したオキサゾリン(4)38mg(0.18mmol)を0.6 mLの無水ジメチルスルホキシドに溶解し、これに300 mgのアンバーリスト15E(オルガノ社)を加え、室温で12時間撹拌した。イオン交換樹脂を濾別後、濾液を1 Lの水で希釈活性炭カラム(2cm X 20cm)に供し、10%のエタノール水溶液溶出することにより目的の2糖の混合物を 20 mg得た。HPLC(TSK、Amide-80カラム、21.5φx30cm、75%アセトニトリル、80℃、7ml/min)にて精製することによりGlcNAcβ1-6Man 9mg(0.023mmol)及びGlcNAcβ1-3Man 4mg(0.010mmol)を得た。(図2

0010

実施例2:GlcNAcβ1-6Galβ-OpNpの合成
パラニトロフェニル-β-D-ガラクトピラノシド(Galβ-O-pNp)124mg(0.41mmol)とオキサゾリン(4)42mg(0.21mmol)を1 mLの無水ジメチルホルムアミドに溶解し、これに100 mgのアンバーリスト15Eを加え、室温で1時間撹拌した。イオン交換樹脂を濾別後、濾液を減圧除去した。得られた残渣を、HPLC(ODSカラム10%アセトニトリル)を用いて精製する事により目的のGlcNAcβ1-6 Galβ-OpNpを2.5mg(0.024mmol)得た。(図3

0011

実施例3:GlcNAcβ1-OMe の合成
オキサゾリン(4)782mg(3.85mmol)を8mLのメチルアルコールに溶解し、これに300mgのアンバーリスト15Eを加え、室温で1時間撹拌した。イオン交換樹脂を濾別後、濾液を減圧除去した。得られた残渣を、イソプロピルアルコール/イソプロピルエーテルから再結晶をすることによりGlcNAcβ-OMe 320mg(1.36mmol)得た。(図4

0012

実施例4:GalNAcβ1-OMe の合成
N-アセチルガラクトサミン原料に合成例と同様の方法にて調整したオキサゾリン(5)500mg(3.85mmol)を30mLの無水メチルアルコールに溶解し、水酸化ナトリウム溶液(1M、200μl)を加えて室温で10分攪拌して脱アセチル化を行った。続いてアンバーリスト15Eを中性になるまで加え、室温で1時間攪拌した。イオン交換樹脂を濾別後、濾液を減圧濃縮生成物(298mg)を得た。得られた化合物の1H NMR別途合成したGalNAcβ1-OMeのものと一致した。(図5

発明の効果

0013

本発明の方法によって得られる化合物は、糖蛋白質糖鎖を構成するオリゴ糖やパラニトロフェニル-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グリコサミニド等のN-アセチル-β-ヘキソサミニド誘導体であり、抗体などのプローブとして、またDDSのキャリアーとして、酵素活性測定用の基質として、医薬品および合成原料、研究用試薬等として有用である。

図面の簡単な説明

0014

図1オキサゾリン誘導体の合成反応
図2オキサゾリン誘導体とマンノースとの反応の合成反応式(実施例1)。
図3オキサゾリン誘導体とパラニトラフニルガラクトピラノシドとの反応の合成反応式(実施例2)。
図4グルコオキサゾリン誘導体とメタノールとの反応の合成反応式(実施例3)。
図5ガラクトオキサゾリン誘導体とメタノールとの反応の合成反応式(実施例4)。

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