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技術 ガス分散板を設けた易重合性物質含有ガス用熱交換器およびその使用方法

出願人 株式会社日本触媒
発明者 光元哲治西村武坂元一彦岩戸博夫
出願日 2000年2月25日 (20年1ヶ月経過) 出願番号 2000-049339
公開日 2001年9月7日 (18年6ヶ月経過) 公開番号 2001-241883
状態 拒絶査定
技術分野 ラジエータ、流路群をもつ熱交換装置 一般的な熱交換又は熱伝達装置の細部(3) 有機低分子化合物及びその製造
主要キーワード つり金具 ふた板 配管ピッチ 固定形式 仕切室 深冷器 スプレー溶 熱交換用ガス
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重要な関連分野

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図面 (9)

課題

熱交換用ガス導入口と熱交換部との間にガス分散板を有する易重合性物質含有ガス熱交換器を提供する。

解決手段

熱交換用ガス導入口および熱交換用ガス導出口とを有するシェルと、該ガス導入口と該ガス導出口の間に該シェル外から導入した流体循環させる熱交換部を有する熱交換器において、該ガス導入口と該熱交換部との間にガス分散板を設けたことを特徴とする。該ガス分散板の横断面積が、該ガス導入口断面積の1.0〜10.0倍であることを特徴とする。構造物に易重合性物質含有ガスが接触すると、該接触面で該ガス凝縮しこれによって重合物が発生するが、本発明の熱交換器によれば、熱交換部にガスを均一に分散することで熱を均一に分散でき、これによって該ガスの凝縮を抑制し、易重合性物質の重合を防止することができる。

概要

背景

広く高温低温の2流体間で熱の伝授を行わせる熱交換器は、化学工業で広く使用される化学機械の一つである。熱交換器の基本は、伝熱面を介して高温流体低温流体とが熱交換するものである。

一般に熱交換器は、冷却や加熱などの熱交換を目的とする流体を該装置内の熱交換部に導入して熱交換を行うが、該熱交換部としては多管式管束を胴に挿入した形式の多管式、波状リブまたは半球状の突起を作った伝熱プレートを、フィルタプレスのようにガスケットを介して重ね合わせて締め付け、各プレート間に薄い長方形断面状の流路を形成し、この流路を1枚おきに高温液体低温液体が交互に流れて熱交換するプレート式伝熱効果を高めるために伝熱管内外面にフィンを設けて伝熱面積を大きくするフィンチューブ式などがある。

このような熱交換器は使用上から一般に、(1)加熱器:流体を必要な温度まで加熱する目的で使用される熱交換器で、被加熱流体相変化が起こらないもの、(2)予熱器:流体をあらかじめ加熱して次ぎの操作での効率をよくするために用いられる熱交換器、(3)過熱器:流体を過熱状態になるまで加熱するために用いられる熱交換器、(4)蒸発器液体を加熱して、蒸発させるために用いられる熱交換器、(5)リボイラ:装置中において凝縮した液体を再び加熱し、蒸発させるために用いられる熱交換器、(6)冷却器:流体を必要温度まで冷却するために用いられる熱交換器、(7)深冷器:0℃以下の非常に低温まで冷却するために用いられる熱交換器、(8)凝縮器凝縮性気体を冷却し、凝縮液化させるために用いられる熱交換器、(9)全縮器:凝縮性気体の全部を凝縮化させる熱交換器、(10)分縮器:凝縮性気体の一部を凝縮液化させ、残りの部分を気体のままで放出させる熱交換器等と称され、多用されている。

ここに、ワンパス式の多管式熱交換器の1例を図1を用いて説明すると以下のようになる。但し、目的や必要に応じて、熱交換用ガスおよび/または流体の出入口は以下の説明とは逆方向から導入または導出させてもよく、また該ガス流体入口または流体出口から導入または導出させてもよく、同様に該流体を熱交換用ガス導入口または導出口から導入または導出させてもよい。加えて、熱交換器の設置方向は、垂直限定されず取り扱いガスや流体の種類、熱交換器の使用目的等に応じて選択できる。

まず、図1において、10はシェル、11は流体出口、12は流体入口、13は管板、14は伝熱管、15は邪魔板、16は緩衝板、20、21は仕切室、22は熱交換用ガス導入口、23は熱交換用ガス導出口を示す。図1では、シェル内の2枚の管板(13)に挟まれた部分が熱交換部(30)に該当する。

該熱交換器では、熱交換すべきガスは仕切室(20)に設けられたガス導入口(22)から供給され、次いで伝熱管(14)に導入されたのち仕切室(21)に設けられた熱交換用ガス導出口(23)から排出される。一方、伝熱管(14)は、シェル(10)に設けられた流体入口(12)からシェル(10)内に導入され、邪魔板(15)で流路を変更させながら効率的に伝熱管(14)内ガスと熱交換し、流体出口(11)から導出される。流体入口(12)と伝熱管(14)との間に緩衝板(16)を設ければ、流体が管束外面に直接当たり管表面にエロージョンが生ずるのを防ぐことができる。ここに、該ガス導入口の断面積は、管板面積で示される熱交換部入口部面積よりも小さいことが一般的である。ガス導入口の断面積を熱交換部入口部と同じにすると、ガス配管を大きくする必要がありコスト高になるからである。

概要

熱交換用ガス導入口と熱交換部との間にガス分散板を有する易重合性物質含有ガス用熱交換器を提供する。

熱交換用ガス導入口および熱交換用ガス導出口とを有するシェルと、該ガス導入口と該ガス導出口の間に該シェル外から導入した流体を循環させる熱交換部を有する熱交換器において、該ガス導入口と該熱交換部との間にガス分散板を設けたことを特徴とする。該ガス分散板の横断面積が、該ガス導入口断面積の1.0〜10.0倍であることを特徴とする。構造物に易重合性物質含有ガスが接触すると、該接触面で該ガスが凝縮しこれによって重合物が発生するが、本発明の熱交換器によれば、熱交換部にガスを均一に分散することで熱を均一に分散でき、これによって該ガスの凝縮を抑制し、易重合性物質の重合を防止することができる。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
4件
牽制数
8件

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請求項1

熱交換用ガス導入口および熱交換用ガス導出口とを有するシェルと、該ガス導入口と該ガス導出口の間に該シェル外から導入した流体循環させる熱交換部を有する熱交換器において、該ガス導入口と該熱交換部との間にガス分散板を設けたことを特徴とする易重合性物質含有ガス用熱交換器。

請求項2

該ガス分散板の横断面積が、該ガス導入口断面積の1.0〜10.0倍であることを特徴とする、請求項1記載の熱交換器。

請求項3

該ガス導入口と該ガス分散板との距離が該ガス導入口の直径の0.5〜3.0倍であり、かつ、該ガス分散板と該熱交換部との距離が該ガス導入口と該ガス分散板との距離の1.0〜5.0倍である、請求項1または2記載の熱交換器。

請求項4

該ガス分散板が、開口率10〜60%の多孔板であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の熱交換器。

請求項5

該多孔板の一つの孔の開口部面積が、20〜1000mm2であることを特徴とする、請求項4記載の熱交換器。

請求項6

該ガス分散板が、該ガス導入口から該熱交換部に向かって突面をなし、かつ該突面が該ガス分散板中心と該ガス分散板外周部とのなす角が0.1〜20゜であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の熱交換器。

請求項7

請求項1〜6のいずれかに記載の熱交換器を凝縮器として使用する工程を含む、(メタアクリル酸の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、熱交換用ガス導入口と熱交換部との間にガス分散板を有する易重合性物質含有ガス熱交換器に関する。

背景技術

0002

広く高温低温の2流体間で熱の伝授を行わせる熱交換器は、化学工業で広く使用される化学機械の一つである。熱交換器の基本は、伝熱面を介して高温流体低温流体とが熱交換するものである。

0003

一般に熱交換器は、冷却や加熱などの熱交換を目的とする流体を該装置内の熱交換部に導入して熱交換を行うが、該熱交換部としては多管式管束を胴に挿入した形式の多管式、波状リブまたは半球状の突起を作った伝熱プレートを、フィルタプレスのようにガスケットを介して重ね合わせて締め付け、各プレート間に薄い長方形断面状の流路を形成し、この流路を1枚おきに高温液体低温液体が交互に流れて熱交換するプレート式伝熱効果を高めるために伝熱管内外面にフィンを設けて伝熱面積を大きくするフィンチューブ式などがある。

0004

このような熱交換器は使用上から一般に、(1)加熱器:流体を必要な温度まで加熱する目的で使用される熱交換器で、被加熱流体相変化が起こらないもの、(2)予熱器:流体をあらかじめ加熱して次ぎの操作での効率をよくするために用いられる熱交換器、(3)過熱器:流体を過熱状態になるまで加熱するために用いられる熱交換器、(4)蒸発器液体を加熱して、蒸発させるために用いられる熱交換器、(5)リボイラ:装置中において凝縮した液体を再び加熱し、蒸発させるために用いられる熱交換器、(6)冷却器:流体を必要温度まで冷却するために用いられる熱交換器、(7)深冷器:0℃以下の非常に低温まで冷却するために用いられる熱交換器、(8)凝縮器凝縮性気体を冷却し、凝縮液化させるために用いられる熱交換器、(9)全縮器:凝縮性気体の全部を凝縮化させる熱交換器、(10)分縮器:凝縮性気体の一部を凝縮液化させ、残りの部分を気体のままで放出させる熱交換器等と称され、多用されている。

0005

ここに、ワンパス式の多管式熱交換器の1例を図1を用いて説明すると以下のようになる。但し、目的や必要に応じて、熱交換用ガスおよび/または流体の出入口は以下の説明とは逆方向から導入または導出させてもよく、また該ガス流体入口または流体出口から導入または導出させてもよく、同様に該流体を熱交換用ガス導入口または導出口から導入または導出させてもよい。加えて、熱交換器の設置方向は、垂直限定されず取り扱いガスや流体の種類、熱交換器の使用目的等に応じて選択できる。

0006

まず、図1において、10はシェル、11は流体出口、12は流体入口、13は管板、14は伝熱管、15は邪魔板、16は緩衝板、20、21は仕切室、22は熱交換用ガス導入口、23は熱交換用ガス導出口を示す。図1では、シェル内の2枚の管板(13)に挟まれた部分が熱交換部(30)に該当する。

0007

該熱交換器では、熱交換すべきガスは仕切室(20)に設けられたガス導入口(22)から供給され、次いで伝熱管(14)に導入されたのち仕切室(21)に設けられた熱交換用ガス導出口(23)から排出される。一方、伝熱管(14)は、シェル(10)に設けられた流体入口(12)からシェル(10)内に導入され、邪魔板(15)で流路を変更させながら効率的に伝熱管(14)内ガスと熱交換し、流体出口(11)から導出される。流体入口(12)と伝熱管(14)との間に緩衝板(16)を設ければ、流体が管束外面に直接当たり管表面にエロージョンが生ずるのを防ぐことができる。ここに、該ガス導入口の断面積は、管板面積で示される熱交換部入口部面積よりも小さいことが一般的である。ガス導入口の断面積を熱交換部入口部と同じにすると、ガス配管を大きくする必要がありコスト高になるからである。

発明が解決しようとする課題

0008

しかしながら、ガス導入口と熱交換部の断面積とが異なると熱交換器の中央部には熱交換用ガスが多く供給されるが周辺部に供給されるガス量が少なくなり、熱交換率を低下させる原因となる。しかしながら、熱交換用ガスが導入される伝熱管については、ガスの供給を均一にするための工夫については一切なされていなかった。むしろ、伝熱管の肉厚、断面積、管配列、管配管ピッチ等の検討や、邪魔板の形状や配置方法についての検討が成されるのみであった。

0009

特に、熱交換用ガスが易重合性物質含有ガスの場合には、熱交換率が不均一であると、易重合性物質の凝縮による重合が発生し易くなるが、これらの対策は全くなされていない。例えば、蒸留塔塔頂からガス配管を導かれた多管式熱交換器は、蒸留塔の塔頂に昇る低沸点成分富む蒸気を伝熱管内で冷却・凝縮させるが、蒸留対象物アクリル酸等の易重合性化合物である場合では、熱交換器内で重合が生じやすい。本来、プロピレン等の接触気相酸化によって得られたアクリル酸ガスは、水、酢酸アクロレイン等の不純物を含み、アクリル酸の重合が極めて起こり易くなっているからである。このような重合は、フェノチアジンハイドロキノンメトキノンクレゾールフェノール、t−ブチルカテコールなどの種々の重合防止剤のプロセス中への添加によっても十分に防止できるものではない。これら重合防止剤は高沸点物質であるため、易重合性物質が気体となる温度条件ではこの気体中には十分に含有されないからである。従って、その組成自体が極めて重合し易い状態である上、重合防止剤もガス中で有効に機能せず、特に、細い伝熱管内で重合が生じ重合物が付着しやすいのである。

0010

このような熱交換器における熱交換率の均一性、熱交換用ガスの分散、易重合性物質の重合物発生の問題は、上記した多管式熱交換器に限られず、フィンチューブ式熱交換器プレート式熱交換器においても同様に生ずる問題である。

0011

しかしながら、熱交換用ガスの分散についての検討は全くなされておらず、特に易重合性ガスの熱交換を行う際には、ガスが不均一に供給されることによる熱効率の低下に加え、供給ガスの一極集中によって熱交換部の一部に重合物が発生し、装置全体の停止を余儀なくされ、また、伝熱面に重合物が付着することで伝熱効率が低下する等の問題が未解決のまま存在するのである。

課題を解決するための手段

0012

本発明者は、熱交換器の構造を詳細に検討した結果、熱交換部と熱交換用ガスの導入口との間にガス分散板を設けることで熱交換部に均一にガスを供給することができ、かつ該ガス分散板の配置によって重合物の発生を有効に抑制できることを見出し本発明を完成させた。

0013

すなわち本発明は、以下の(1)〜(7)を提供するものである。

0014

(1)熱交換用ガス導入口および熱交換用ガス導出口とを有するシェルと、該ガス導入口と該ガス導出口の間に該シェル外から導入した流体を循環させる熱交換部を有する熱交換器において、該ガス導入口と該熱交換部との間にガス分散板を設けたことを特徴とする易重合性物質含有ガス用熱交換器。

0015

(2) 該ガス分散板の横断面積が、該ガス導入口断面積の1.0〜10.0倍であることを特徴とする、上記(1)記載の熱交換器。

0016

(3) 該ガス導入口と該ガス分散板との距離が該ガス導入口の直径の0.5〜3.0倍であり、かつ、該ガス分散板と該熱交換部との距離が該ガス導入口と該ガス分散板との距離の1.0〜5.0倍である、上記(1)または(2)記載の熱交換器。

0017

(4) 該ガス分散板が、開口率10〜60%の多孔板であることを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の熱交換器。

0018

(5) 該多孔板の一つの孔の開口部面積が、20〜1000mm2であることを特徴とする、上記(4)記載の熱交換器。

0019

(6) 該ガス分散板が、該ガス導入口から該熱交換部に向かって突面をなし、かつ該突面が該ガス分散板中心と該ガス分散板外周部とのなす角が0.1〜20゜であることを特徴とする、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の熱交換器。

0020

(7) 上記(1)〜(6)のいずれかに記載の熱交換器を凝縮器として使用する工程を含む、(メタ)アクリル酸の製造方法。

発明を実施するための最良の形態

0021

本発明は、熱交換用ガス導入口および熱交換用ガス導出口とを有するシェルと、該ガス導入口と該ガス導出口の間に該シェル外から導入した流体を循環させる熱交換部を有する熱交換器において、該ガス導入口と該熱交換部との間にガス分散板を設けたことを特徴とする易重合性物質含有ガス用熱交換器である。以下に、多管式熱交換器にガス分散板を設けた本発明の好ましい態様を図2を用いて説明する。

0022

まず、図2は、ワンパス形多管式熱交換器の流体用ガス導入口と熱交換部との関係を示す熱交換器を模式的に示す部分図である。図2において、10はシェル、13は管板、14は伝熱管、20は仕切室、22は熱交換用ガス導入口、30は熱交換部、40はガス分散板を示す。熱交換用ガス導入口(22)から熱交換器内に導入されたガスは、ガス分散板(40)を介して分散し、管板13のガス接触面上に均一に分散する。このため、該ガスは、管板13に嵌合する多数の伝熱管(1)に、均一に導入される。すなわち、本発明では、該ガス導入口と該熱交換部との間にガス分散板(40)を設けたことを特徴とするが、これによって熱交換用ガスを熱交換部に均一に分散させ熱交換率を向上でき、特に熱交換用ガスが易重合性物質含有ガスである場合には、均一な分散によって易重合性物質含有ガスの部分的な凝縮やこれに伴う重合物の発生、重合物の付着を防止することができる。一般に、ガス状の易重合性物質を精製する際には精製塔等に重合防止剤を添加するが、一般に高沸点物質が多い。このため、易重合性物質含有ガス中には重合防止剤が十分に含まれておらず、凝縮によって易重合性物質の重合物を発生し易い。このような凝縮と重合物の発生は熱交換率が均一でない場合にその一部において凝縮液が比較的長時間滞留するため、重合物が発生し易い。従って、導入ガスが易重合性物質の場合には、特に該ガスを均一に分散させた後に熱交換することは、熱交換率を向上させると共に、重合物の発生を防止することになる。しかしながら、従来は、構造物増設は易重合性ガスとの接触面を増し、部分的な凝縮と液の滞留を助長することを意味するものと考えられていた。しかしながら、本発明によれば、ガス導入口と熱交換部との間にガス分散板を設けることで極めて効果的に易重合性物質の重合の発生を防止できることが判明したのである。

0023

ここに、易重合性物質としては、熱交換器への導入時に気体であればよく、標準状態では気体、液体の別を問わない。例えば、アクリル酸、メタクリル酸マレイン酸又はこれらのエステル体スチレンアクリロニトリルが例示でき、これらに更に高沸点物質や溶媒昇華性物質、他の混合物を含んでもよい。易重合性物質としては、特に好ましくはアクリル酸、メタクリル酸またはこれらのエステル体であり、これに溶媒その他の混合物を含有したものが例示できる。例えば、アクリル酸およびアクリル酸エステルの場合には、アクリル酸を接触気相酸化反応で得る際に副生する酢酸、プロピオン酸、アクロレイン、マレイン酸、水、ホルマリン混合物を挙げることができる。また、例えば、メタクリル酸およびメタクリル酸エステルの場合には、メタクリル酸を接触気相酸化反応で得る際に副生するメタクロレイン、アクリル酸、酢酸混合物などを挙げることができる。

0024

本発明では、ガス導入口と熱交換部との間にガス分散板を設けるが、該ガス分散板(40)の横断面積は、ガス導入口断面積の1.0〜10.0倍、より好ましくは1.2〜8.0倍、特には1.5〜6.0倍であることが好ましい。ガス導入口はガス配管と接続するためにガス導入口横断面積は熱交換部断面積よりも小さいことが一般的であり、通常、ガス導入口断面積1に対する熱交換部断面積は、2〜100倍である。上記範囲としたのは、ガス分散板の横断面積がガス導入口断面積の1倍を下回るとガス分散板により分散されないガスが存在するため十分なガス分散が困難となり、その一方、10.0倍を越えると分散板で重合物が発生する場合があるからである。

0025

また、該ガス分散板には貫通する孔が無くてもよいが孔を設ければガスの分散がより均一となり、かつ該ガス分散板自体の重合防止にも効果がある。このような孔を有する多孔板としては、開口率10〜60%、より好ましくは20〜55%、特には40〜50%であることが好ましい。10%を下回ると、分散板を通過しないガスが多くなり孔を設けた割には均一に分散されず、また、該分散板での重合が生ずる。その一方、60%を越えると分散板を通過するガスが多くなって均一に分散されない場合が生ずるからである。なお、本願明細書では、上記ガス分散板の横断面積は開口部0%の場合の平面部表面積を意味するものとする。従って、図3に示すように多孔の開口部を有する場合には、実際の平面表面積は、横断面積×(100−開口率)/100となる。また、開口率は、開口部面積×100/ガス分散板横断面積とする。

0026

図3にガス分散板の好ましい態様を示す。図3では四角形の板に円形貫通孔を設けたものを示す。但し、本発明においてはガス分散板(40)の形状は板状であれば、円形、楕円形三角形、四角形などの多角形であってもよい。また、開口する多孔(41)の形状も円形、楕円形に限られず三角形、四角形などの多角形であってもよい。尚、多孔はガス分散板に均一に分散していることが好ましいが、各多孔の形状が同一形状である必要はない。また、図4に円形の板に直径の異なる円形の貫通孔を設けたガス分散板(40)を示す。本発明では、図4に示す様に異なるサイズの多孔が分散して配置してあってもよい。

0027

しかしながら、本発明で使用する分散板(40)では、孔(41)のサイズは、20〜1000mm2、より好ましくは50〜700mm2、特には100〜500mm2あることが好ましい。20mm2を下回ると孔が重合物により閉塞され、最終的に熱交換部への均一なガスの分散が成されず、熱交換部で重合物の発生が生じる場合がある。その一方1000mm2を越えるとガス分散板の経過時にガスが十分に分散されず、熱交換部で重合物が生じる場合がある。

0028

一般にガスの分散は、ガス分散板の配置場所によっても異なる。本発明で使用する分散板(40)の配置を図2を用いて説明する。本発明では、該ガス導入口と該ガス分散板との距離(Ln)が該ガス導入口相当直径の0.5〜3.0倍、より好ましくは0.6〜2.5倍、特には0.8〜2.0倍であり、かつ、該ガス分散板と該熱交換部との距離(Lt)が該ガス導入口と該ガス分散板との距離(Ln)の1.0〜5.0倍、より好ましくは1.1〜4.0倍、特には1.2〜3.0倍であることが好ましい。Lnが0.5倍を下回るとガス導入口からのガスがガス分散板の全面に分散されずにぶつかるためにガス分散板表面で重合物を生成し易く、その一方、3.0倍を越えるとガス分散板に接触するガス量が少ないためにガスの分散が不十分となるからである。更に、Ltが、Lnの1.0倍を下回ると、ガス分散板と最も近い熱交換部へのガスの分散が不十分となり、その一方、5.0倍を越えると、熱交換器の仕切室長をより長くする必要が生じて不利となるからである。なお、ガス導入口は円形に限られず、三角形、四角形等の多角形でもよい。しかしながら、易重合性物質含有ガスは、角部で該ガスが滞留するために、これによって重合物を発生する場合がある。従って、角の無い円形であれば易重合性物質の重合を防止できるために好ましい。ガス導入口が円形の場合には、該ガス導入口相当直径は該内径を意味するが、ガス導入口が円形で無い場合には、該ガス導入口と該ガス分散板との距離(Ln)の算出に際しては、4×ガス導入口断面積/ガス導入口内周長で算出される値を相当内径として使用する。また、ガス分散板(40)は、ガス分散板と最も近傍に位置する熱交換部のガス接触面と平行または略平行に配設されることが好ましい。なお、図2では、ガス分散板と最も近傍に位置する熱交換部のガス接触面は管板(13)が該当する。

0029

次に、図5に、ガス導入口から該熱交換部に向かって突面をなす分散板(40)を配置した熱交換器の一部を示す。このような突面であれば、熱交換部の外周部にまでガスが分散できるために好ましい。この突面は、該ガス分散板中心と該ガス分散板外周部とのなす角(θ)が0.1〜20゜、より好ましくは1〜15゜、特には3〜10゜であることが好ましい。0.1゜を下回るとガスが伝熱面外周部に分散しやすくなり、その一方20゜を越えると外周部への分散が不十分となるからである。ガス分散板が円形以外の場合には、ガス分散板の重心と重心から最も遠い外周部との角度とを上記範囲とする。なお、図5に示すように突面の場合には、該ガス導入口と該ガス分散板との距離(Ln)は、ガス導入口からガス分散板の最も突出している部分までの距離とし、該ガス分散板と該熱交換部との距離(Lt)は、該突面部から熱交換部に最も近い位置とする。

0030

本発明の熱交換器はガス分散板(40)を有するが、該分散板(40)を配設するには、図5に示すように、1ないし複数本のガス分散板支持体(42)でガス分散板を中吊りにすれば簡便に配設できる。なお、易重合性物質含有ガスの熱交換を目的とするには、本来、ガス導入口から熱交換部までの間に構造物を有しないことが好ましい。該構造物に易重合性物質含有ガスが接触すると、接触面で易重合性物質含有ガスが凝縮後滞留し、重合が発生し易くなるからである。しかしながら、導入ガスの分散をより均一にするために、該分散板を上記範囲内で複数設けることは可能である。複数のガス分散板の配設によってより分散が均一となる場合がある。

0031

このようなガス分散板やガス分散板支持体(42)の材料としては、鋼材を使用することが好ましく、溶接等し易さから、オーステナイト系鋼オーステナイトフェライト系鋼、フェライト系鋼などの公知の鋼材が好ましく使用できる。これらによれば易重合性物質と反応せず、易重合性物質に変性等を与えず、伝熱管自体の腐食を生ずることがないからである。

0032

更に、ガス分散板やガス分散板支持体の表面に突出部が存在すると凹部ができ、この凹部において易重合性物質含有ガスが凝縮滞留し、この結果重合物を発生し易い。従って、本発明では、ガス分散板の外表面がJIS B 0601(−1994)に記載のRyが12.5以下であることが好ましく、より好ましくは3.2以下である。このような表面粗度のガス分散板はその表面を処理することで達成できる。

0033

この様な表面処理としては、バフ研磨などの機械研磨電解研磨がある。バフ研磨は、主として平滑面または光沢面を得る場合に用いられる研磨法であるが、固定研磨剤による粗研磨半固体ないし遊離研磨剤による中研磨および仕上げ研磨を採用できる。バフ研磨剤は、や布などの柔軟性材料で研磨する他、トリポリケイ石酸化クロム炭化ケイ素溶融アルミナ焼成アルミナ、酸化クロムを研磨剤として含有する油脂性、非油脂性またはスプレー溶剤等を使用することができる。

0034

電解研磨は、金属表面を溶解させながら平滑化する方法であり、ガス分散板の材質鉄鋼である場合の電解研磨溶液としては、過塩素酸系、硫酸系、リン酸系、硫酸−リン酸系等を使用することができる。鉄鋼はその組成の相違のみならず、熱処理、加工の程度によりその組織の相違が大きいため、使用するガス分散板に応じて適宜選択することができる。従って、過塩素酸系の電解質に一般に添加される無水酢酸の量や電解温度電流密度電圧、電解時間等は、ガス分散板により適宜選択すればよい。なお、機械研磨を行い、更に電解研磨処理を行ってもよい。

0035

本発明では、ガス分散板(40)を設けることでガスの分散のみならず、易重合性物質による重合物の発生をも防止するものである。従って、熱交換器が多管式熱交換器の場合には、ガス導入口と熱交換部との間に上記ガス分散板を設けることができれば他の仕様については特に制限はなく、管内側管外側とも1パス形に限られず、それぞれ任意にパス数を選択できる。

0036

更に、本発明の熱交換器は、仕切り板の形式としてふた板分離形、ふた板一体形、管板一体形等のいずれでもよい。更に、管板とシェルの固定形式も、固定管板形、遊動頭グランド形、遊動頭割フランジ形、遊動頭引き抜き形等のいずれでもよく、更に、シェル内に配される伝熱管の外径、長さ等は使用する熱交換器のサイズや形状、使用目的等により適宜選択できる。更に、上記構成を有すれば、一般的な熱交換器が有する邪魔板、長手邪魔板、緩衝板、仕切室側シェルフランジ、胴ふた側シェルフランジ、シェル側ノズル、遊動頭ふた、固定棒およびスペーサー、ガス抜き座、ドレン抜き座、計器座、支持脚つり金具液面計座、伸縮継手熱膨張対策等を有していてもよい。

0037

本発明の熱交換器は、図8に示すように、シェル内に配置した管板で、少なくともその一端を拘持された伝熱管とその外周を循環する流体とからなる多管式熱交換器の他に、図6に示すように、シェル内に波状のリブまたは半球状の突起を作った伝熱プレートをフィルタプレスのようにガスケットを介して重ね合わせて締め付け、各プレート間に薄い長方形断面状の流路を形成し、この流路を1枚おきに高温液体と低温液体が交互に流れて熱交換するプレート式、更に、図7に示すように、伝熱管の内面および/または外面にフィンを設けたフィンチューブ式等がある。

0038

本発明の熱交換器は、(1)加熱器:流体を必要な温度まで加熱する目的で使用される熱交換器で、被加熱流体の相変化が起こらないもの、(2)予熱器:流体をあらかじめ加熱して次ぎの操作での効率をよくするために用いられる熱交換器、(3)過熱器:流体を過熱状態になるまで加熱するために用いられる熱交換器、(4)蒸発器:液体を加熱して、蒸発させるために用いられる熱交換器、(5)冷却器:流体を必要温度まで冷却するために用いられる熱交換器、(6)深冷器:0℃以下の非常に低温まで冷却するために用いられる熱交換器、(7)凝縮器:凝縮性気体を冷却し、凝縮液化させるために用いられる熱交換器、(8)全縮器:凝縮性気体の全部を凝縮化させる熱交換器、(9)分縮器:凝縮性気体の一部を凝縮液化させ、残りの部分を気体のままで放出させる熱交換器のいずれにも使用することができる。

0039

本発明の熱交換器は、更に、接触気相酸化反応の反応器として用いることもできる。接触気相酸化反応は、予め多管内に収納した接触気相酸化反応触媒にガス状で原料ガスを供給して目的物またはその中間体酸化する反応であり、一般に発熱反応である。従って、多管の外周に流体を循環させて熱交換をすることが一般的である。特に、接触気相酸化反応の中間体が易重合性物質含有ガスであり、これを接触気相酸化反応によって目的物とする場合には、従来公知の接触気相酸化反応器が、ガス導入部を有する点および熱交換部を有する点で多管式熱交換器と何ら変わるところがない。従って、該反応器の熱交換部とガス導入口との間にガス分散板を設けることで、各多管に供給する易重合性物質含有ガスの均一な分散を効果的に実施することができるのである。

0040

このような接触気相酸化反応としては、原料ガス、反応生成物、その中間体のいずれかが易重合性物質を含有し、かつ反応が発熱反応であれば特に好ましく使用できる。より具体的には、プロピレン、プロパンイソブチレン、メタクロレイン等の原料ガスを酸化触媒の存在下に分子状酸素含有ガスにより接触気相酸化して製造するアクリル酸、メタクリル酸、アクロレイン、メタクロレイン等が例示できる。

0041

また、本発明の熱交換器は、凝縮器として使用して(メタ)アクリル酸を製造することができる。本発明の熱交換器を凝縮器として使用する工程を含む(メタ)アクリル酸の製造方法を、説明する。

0042

まず、本発明のアクリル酸の製造方法は、(メタ)アクリル酸含有ガスを得る工程、アクリル酸を捕集液中に捕集する工程、該捕集液から低沸点物質および高沸点物質を分離して(メタ)アクリル酸を精製する工程を含む。

0043

(メタ)アクリル酸含有ガスを得る工程としては、プロピレン、アクロレイン、イソブチレン、t−ブチルアルコール、メタクロレインなどを接触気相酸化反応によって(メタ)アクリル酸含有ガスを得ることができる。

0044

次いで、(メタ)アクリル酸を捕集液中に捕集する工程としては、従来公知の(メタ)アクリル酸捕集液を用いて、(メタ)アクリル酸を捕集する工程であり、同時に、少量の有機物を含むガスを排出してもよい。

0045

また、該捕集液から低沸点物質および高沸点物質を分離して(メタ)アクリル酸を精製する工程としては、捕集工程で得た(メタ)アクリル酸含有溶液から低沸点不純物高沸点不純物を蒸留手段で分離し、粗(メタ)アクリル酸を得る工程である。なお、粗(メタ)アクリル酸にアルデヒド処理剤を添加した後に蒸留し、アルデヒドを除去して高純度(メタ)アクリル酸を得る工程を加えてもよい。

0046

なお、前記有機物を含むガスを得た場合には、該ガスの全量または一部を(メタ)アクリル酸含有ガスを得る工程に循環し、残量を燃焼などにより処理し、または捕集工程から排出されるガスの全量を燃焼などの処理後に、ガスの全量または一部をアクリル酸含有ガスを得る工程に循環する工程を加えることもできる。

0047

本発明の熱交換器は、前記製造方法の(メタ)アクリル酸含有溶液を得る工程における、接触気相酸化反応器、該ガスを循環する工程における、循環配管に設置された熱交換器および/または排ガス処理装置内の熱交換器、および(メタ)アクリル酸を精製する工程における、蒸留塔に付属する凝縮器として使用することができる。

0048

本発明の熱交換器を凝縮器として使用する場合を、図8を用いて易重合性物質がアクリル酸である場合を例に説明する。まず、アクリル酸含有ガスは、ガス導入口(22)から導入されガス分散板(40)を介して分散される。次いで、該ガスは、管板(13)一面に均一に分散され、次いで伝熱管(14)内を移動し下部管板(13)から排出される。一方、伝熱管を冷却する流体としては水を使用することができ、流体入口(12)から熱交換部(30)に供給され、邪魔板(15)によって流路を変更しながら流体出口(11)から排出し、熱交換する。なお、図8では任意に接続可能な真空発生装置(50)を付属させた態様を示した。

0049

本発明の熱交換器にアクリル酸含有ガスを供給するには、一般に供給配管での線速が5〜60m/sであり、供給ガスは一般に40〜100℃である。

0050

一般に、熱交換器が付属される蒸留塔内には、重合防止剤が添加され、このうように使用できる重合防止剤としては、一般にアクリル酸等の易重合性物質の重合防止剤として公知のものを使用できる。これらのなかでも、ハイドロキノン、メトキノン、クレゾール、フェノール、t−ブチルカテコール、ジフェニルアミン、フェノチアジン、メチレンブルーから選ばれる1種以上、p−フェニレンジアミンなどのp−フェニレンジアミン類,4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシルなどのN−オキシル化合物、分子状酸素含有ガスなどを好適に用いることができる。上記の化合物は単独でも、あるいは2種類以上組み合わせて使用することもできる。特に好ましいのは、重合防止効果蒸留装置腐食性及び蒸留装置からでる廃液の処理のし易さの観点から、フェノチアジンおよび/またはN−オキシル化合物、分子状酸素含有ガスである。なお、使用される重合防止剤の量は特に限定はされないが、重合防止剤の総量が、アクリル酸の蒸発蒸気量に対して1〜1000ppm(重量基準)とすることが好ましい。

0051

このような熱交換器には、分子状酸素含有ガスを供給することができる。分子状酸素含有ガスによって易重合性ガスの重合を防止するためである。このような分子状酸素含有ガスは、バブリング等によりアクリル酸含有液中に直接混入させても、あるいは溶剤に溶解させて間接的に混入させてもよい。分子状酸素含有ガスは、通常、アクリル酸の蒸発蒸気量に対して0.1〜1容量%の割合で供給するのがよい。

0052

なお、メタクリル酸の場合には、上記のアクリル酸の場合と重複する点が多いが、下記の点において相違する。すなわち、メタクリル酸含有液を蒸留塔に導く前に、抽出工程に導きメタクリル酸含有液よりメタクリル酸を溶剤により抽出する点などが挙げられる。これらの場合でも、本願の示す条件を満たすことにより、後に続く多管式熱交換器の重合を防止することができる。

0053

以下、本発明の実施例により具体的に説明する。

0054

(実施例1)図8に示す多管式熱交換器を使用して、アクリル酸ガスの熱交換を行った。該熱交換器のシェル内径は900mm、伝熱管の外径は34mm、伝熱管長さは3000mm、伝熱管数は305本、アクリル酸ガス導入口の直径は200mmとした。これに直径300mmのガス分散板をアクリル酸ガス導入口から200mmでガス分散板と管板との距離が600mmの位置に、熱交換部と平行に設置した。該ガス分散板は、径12mmの開口部を複数設けた開口率20%の多孔板とした。

0055

該熱交換器の伝熱流体として水を熱交換部に供給すると共に、該ガス導入口から伝熱管に向かって重合禁止剤としてフェノチアジン200重量ppm、空気1容量%を含有するアクリル酸ガスを流量700kg/hで導入した。該アクリル酸ガスの温度は、熱交換器の入口部において85℃であった。なお、伝熱流体流量を調整して、アクリル酸ガスを全量凝縮した後に40℃に冷却して該熱交換器から排出した。

0056

熱交換器および後流側に位置する真空発生装置には、6カ月間の稼動で重合は全くなかった。停止後、該熱交換器の内部を点検したが、重合物による伝熱管の閉塞も全く観察されなかった。ガス分散板支持体に微量の重合物の付着が見られたが、熱交換能が影響を及ぼす量ではなかった。

0057

(比較例1)実施例1で使用した多管式熱交換器において、ガス分散板を取り外した以外は実施例と同様にしてアクリル酸ガスの熱交換を行った。

0058

この結果、同一流量のアクリル酸ガスは約660kg/hしか凝縮することができず、後流側の真空発生装置にアクリル酸が流入し、真空発生能力の低下を起こし、かつ該真空発生装置において重合が発生し、稼働翌日に停止した。停止後、該熱交換器を点検したところ、熱交換部の伝熱管束外周近傍の伝熱管105本にアクリル酸重合物の付着と該付着による閉塞が観察された。

0059

(実施例2)実施例1で使用したガス分散板の代わりに同一の直径の開口部のない平板を用いた以外は、実施例1と同様にアクリル酸を冷却した。稼働初期は40℃まで冷却できていたが経時により温度が上昇し、1カ月後に凝縮後の冷却温度が55℃となった時点で装置を停止した。熱交換器内部を点検した結果、伝熱管束中心近傍の伝熱管31本にアクリル酸重合物による閉塞が見られたが、1カ月間の連続して稼働することができた。更に、該ガス分散板および分散板支持体の裏面に重合物が約3kg付着していた。このとき、真空発生装置では経時により負荷の上昇が見られたが、停止後の点検では重合物は見られなかった。

0060

(実施例3)実施例1で使用したガス分散板の位置をガス導入口から600mmの位置に設置した以外は実施例1と同様にアクリル酸を冷却した。2カ月後に装置を停止し、熱交換器内部を点検した結果、伝熱管のうち伝熱管束外周近傍で8本、伝熱管束中心近傍で3本にアクリル酸重合物による閉塞が見られたが、2カ月の連続安定稼働を実施することができた。このとき、真空発生装置には異常は見られなかった。なお、ガス分散板及びその支持体への重合物の付着量は実施例1と同等で、熱交換能力への影響はなかった。

0061

(実施例4)実施例1で使用したガス分散板の代わりに直径700mmで径12mmの開口部を複数設けた開口率20%の多孔板を用いた以外は、実施例1と同様にアクリル酸を冷却した。2カ月の安定稼働後に装置を停止し、熱交換器の内部を点検したが、伝熱管のアクリル酸重合物による閉塞は見られなかった。該ガス分散板の外周部に約1kgの重合物の付着が見られた。このとき、真空発生装置には異常は見られなかった。

発明の効果

0062

本発明によれば、熱交換器内の熱交換部における易重合性物質を含む熱交換用ガスを均一に分散する結果、熱交換部においてガスが不均一に供給される場合の重合物の発生を抑制することができる。ガスの分散が不均一の場合に、構造物に易重合性物質含有ガスが接触すると、該接触面で該ガスが凝縮後滞留しこれによって重合物が発生するが、本発明の熱交換器によれば、熱交換部にガスを均一に分散することで該ガスの凝縮後の滞留を抑制し、易重合性物質の重合を防止することができるのである。

図面の簡単な説明

0063

図1従来の多管式熱交換器の概略図である。
図2ガス分散板を設けた本発明の多管式交換器の一態様を示す部分図である。熱交換用ガスの流れを黒矢印で、流体の流れを白抜き矢印で示す。
図3本発明の熱交換器で使用する方形かつ円形の多孔を有するガス分散板の斜視図である。
図4本発明の熱交換器で使用する円形かつ大小異なる円形の多孔を有するガス分散板の平面図である。
図5ガス分散板が突面を有する、本発明の熱交換器の一態様を示す部分図である。
図6本発明のプレート式交換装置の一態様の概略を示す斜視図である。熱交換用ガスの流れを黒矢印で、流体の流れを白抜き矢印で示す。
図7本発明のフィンチューブ式熱交換器の一態様の概略を示す断面図である。熱交換用ガスの流れを黒矢印で、流体の流れを白抜き矢印で示す。
図8真空発生装置を付属した実施例で使用した熱交換器の概略を示す図である。

--

0064

10・・シェル
11・・・流体出口
12・・・流体入口
13・・・管板
14・・・伝熱管
15・・・邪魔板
16・・・緩衝板
20、21・・・仕切室
22・・・熱交換用ガス導入口
23・・・熱交換用ガス導出口
30・・・熱交換部
31・・・フィンチューブ
32・・・プレート
40・・・ガス分散板
41・・・孔
42・・・ガス分散板支持体
50・・・真空発生装置

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