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技術 反射防止膜及び反射防止膜の形成方法並びに反射防止ガラス

出願人 日産化学株式会社
発明者 中田孝和元山賢一軍司里枝若林誠古性均袋裕善
出願日 2000年12月5日 (19年6ヶ月経過) 出願番号 2000-369438
公開日 2001年8月31日 (18年9ヶ月経過) 公開番号 2001-235604
状態 特許登録済
技術分野 塗料、除去剤 光学要素の表面処理
主要キーワード JIS規格 反射防止ガラス 本測定装置 発明記載 ポリシロキサン溶液 ベルト炉 低屈折率薄膜 トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン
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重要な関連分野

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課題

水接触角が小さく、反射防止性能に優れた反射防止膜低コストで、大量かつ大面積に処理可能な方法で提供すること。

解決手段

Si(OR)4 で示される珪素化合物(A)と、R1 Si(OR2 )3 で示される珪素化合物(B)と、R3 CH2 OHで示されるアルコール(C)と、蓚酸(D)とを特定比率に含有する反応混合物を水の不存在下に50〜180℃で加熱することによりポリシロキサン溶液を生成させ、当該溶液を含有する塗布液ガラス表面に塗布し、この塗布により得られた塗膜を480〜520℃で熱硬化させることを特徴とする反射防止膜の形成方法、該形成方法にて得られる1.33〜1.38の屈折率及び40°以下の水接触角を示す反射防止膜、及び該反射防止膜を有する反射防止ガラス

概要

背景

LCD、PDP、CRT、EL、タッチパネルに代表される画像表示装置に用いられる透明電極付きガラス基板などの透明性基材は、その片面でおよそ4%程度の反射光を発生しており、視認性や透過率低下要因となっている。そこで、基材からの反射光量を低減し、視認性や透過率を向上させる目的で、基材表面に低屈折率薄膜屈折率の異なる薄膜を積層した多層膜等の、いわゆる反射防止膜を形成する方法が用いられている。

一般的に、多層構造による反射防止膜では、広い波長域で有効な反射防止が実現されるが、各層の膜厚を高精度に制御する技術が要求されるため、量産性に劣るものであった。そこで、簡便に反射防止膜を形成する方法として、塗布法により形成される低屈折率薄膜がいくつか提案されている。

特開平6−157076号公報には、異なる分子量を有するアルコキシシラン加水分解縮合物の混合物塗布液に用いることにより、被膜表面微細凹凸を形成し、低屈折率の反射防止膜とすることが提案されているが、被膜形成時の相対湿度制御による被膜表面凹凸のコントロールや、異なる分子量を有する縮合物の製造が煩雑である等の問題があった。

特開平5−105424号公報には、MgF2微粒子を含有する塗布液を用いる方法が開示されているが、形成された被膜機械的強度、基材との密着性に乏しく、さらに反射防止性能に劣るという問題があった。

概要

水接触角が小さく、反射防止性能に優れた反射防止膜を低コストで、大量かつ大面積に処理可能な方法で提供すること。

Si(OR)4 で示される珪素化合物(A)と、R1 Si(OR2 )3 で示される珪素化合物(B)と、R3 CH2 OHで示されるアルコール(C)と、蓚酸(D)とを特定比率に含有する反応混合物を水の不存在下に50〜180℃で加熱することによりポリシロキサン溶液を生成させ、当該溶液を含有する塗布液をガラス表面に塗布し、この塗布により得られた塗膜を480〜520℃で熱硬化させることを特徴とする反射防止膜の形成方法、該形成方法にて得られる1.33〜1.38の屈折率及び40°以下の水接触角を示す反射防止膜、及び該反射防止膜を有する反射防止ガラス

目的

すなわち、本発明は、水接触角が小さく、反射防止性能に優れた反射防止膜を低コストで、大量かつ大面積に処理可能な方法で提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
6件

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請求項1

ガラス表面に密着して形成される反射防止膜形成方法において、下記一般式(1)

請求項

ID=000002HE=005 WI=023 LX=0485 LY=0500(式中、Rは1〜5個の炭素原子を有するアルキル基を表す。)で示される珪素化合物(A)と、下記一般式(2)

請求項

ID=000003HE=005 WI=023 LX=0485 LY=0750(式中、R1 は炭素数1〜18の有機基を表し、R2 は1〜5個の炭素原子を有するアルキル基を表す。)で示される珪素化合物(B)と、下記一般式(3)

請求項

ID=000004HE=005 WI=023 LX=0485 LY=1000(式中、R3 は、水素原子または1〜12個の炭素原子を有する非置換のもしくは置換基を有するアルキル基を表す。)で示されるアルコール(C)と、蓚酸(D)とを、珪素化合物(A)1モルに対して珪素化合物(B)0.05〜4.5モルの比率に、珪素化合物(A)と珪素化合物(B)に含まれる全アルコキシ基1モルに対してアルコール(C)0.5〜100モルの比率に、そして珪素化合物(A)と珪素化合物(B)に含まれる全アルコキシ基1モルに対して蓚酸(D)0.2〜2モルの比率に含有する反応混合物を形成させ、そしてこの反応混合物を、その中の珪素原子から換算された0.5〜10重量%のSiO2 濃度に維持すると共に水の不存在を維持しながら、当該反応混合物中の珪素化合物(A)及び珪素化合物(B)の全残存量が5モル%以下となるまで、50〜180℃で加熱して得られたポリシロキサン溶液をガラス表面に塗布し、この塗布により得られた塗膜を480〜520℃で熱硬化させることを特徴とする反射防止膜の形成方法。

請求項2

前記一般式(2)において、R1 で表される有機基がフッ素原子を含む珪素化合物(B)であることを特徴とする請求項1に記載の反射防止膜の形成方法。

請求項3

前記一般式(2)が、下記一般式(4)

請求項

ID=000005HE=005 WI=039 LX=0405 LY=2250(式中、nは0〜12の整数を表し、R4 は1〜5個の炭素原子を有するアルキル基を表す。)で表される珪素化合物(B)であることを特徴とする請求項1に記載の反射防止膜の形成方法。

請求項4

ガラス表面に密着して形成される反射防止膜において、下記一般式(1)

請求項

ID=000006HE=005 WI=023 LX=0485 LY=2650(式中、Rは1〜5個の炭素原子を有するアルキル基を表す。)で示される珪素化合物(A)と、下記一般式(2)

請求項

ID=000007HE=005 WI=023 LX=1385 LY=0400(式中、R1 は炭素数1〜18の有機基を表し、R2 は1〜5個の炭素原子を有するアルキル基を表す。)で示される珪素化合物(B)と、下記一般式(3)

請求項

ID=000008HE=005 WI=023 LX=1385 LY=0650(式中、R3 は、水素原子または1〜12個の炭素原子を有する非置換のもしくは置換基を有するアルキル基を表す。)で示されるアルコール(C)と、蓚酸(D)とを、珪素化合物(A)1モルに対して珪素化合物(B)0.05〜4.5モルの比率に、珪素化合物(A)と珪素化合物(B)に含まれる全アルコキシ基1モルに対してアルコール(C)0.5〜100モルの比率に、そして珪素化合物(A)と珪素化合物(B)に含まれる全アルコキシ基1モルに対して蓚酸(D)0.2〜2モルの比率に含有する反応混合物を形成させ、そしてこの反応混合物を、その中の珪素原子から換算された0.5〜10重量%のSiO2 濃度に維持すると共に水の不存在を維持しながら、当該反応混合物中の珪素化合物(A)及び珪素化合物(B)の全残存量が5モル%以下となるまで、50〜180℃で加熱して得られたポリシロキサン溶液をガラス表面に塗布し、この塗布により得られた塗膜を480〜520℃の温度で熱硬化して得られる、1.33〜1.38の屈折率と40°以下の水接触角を示すことを特徴とする反射防止膜。

請求項5

前記一般式(2)において、R1 で表される有機基がフッ素原子を含む珪素化合物(B)であることを特徴とする請求項4に記載の反射防止膜。

請求項6

前記一般式(2)が、下記一般式(4)

請求項

ID=000009HE=005 WI=039 LX=1305 LY=1900(式中、nは0〜12の整数を表し、R4 は1〜5個の炭素原子を有するアルキル基を表す。)で示される珪素化合物(B)であることを特徴とする請求項4に記載の反射防止膜。

請求項7

ガラスの片面もしくは両面に請求項4〜6記載の反射防止膜が形成されてなることを特徴とする反射防止ガラス

技術分野

0001

本発明は、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、CRT、EL、タッチパネルなどの画像表示装置眼鏡レンズ等のガラス光学物品の透明性向上に有効な反射防止膜及びその反射防止ガラスに関する。特に、量産性に優れた反射防止ガラスの提供に関する。

背景技術

0002

LCD、PDP、CRT、EL、タッチパネルに代表される画像表示装置に用いられる透明電極付きガラス基板などの透明性基材は、その片面でおよそ4%程度の反射光を発生しており、視認性や透過率低下要因となっている。そこで、基材からの反射光量を低減し、視認性や透過率を向上させる目的で、基材表面に低屈折率薄膜屈折率の異なる薄膜を積層した多層膜等の、いわゆる反射防止膜を形成する方法が用いられている。

0003

一般的に、多層構造による反射防止膜では、広い波長域で有効な反射防止が実現されるが、各層の膜厚を高精度に制御する技術が要求されるため、量産性に劣るものであった。そこで、簡便に反射防止膜を形成する方法として、塗布法により形成される低屈折率薄膜がいくつか提案されている。

0004

特開平6−157076号公報には、異なる分子量を有するアルコキシシラン加水分解縮合物の混合物塗布液に用いることにより、被膜表面微細凹凸を形成し、低屈折率の反射防止膜とすることが提案されているが、被膜形成時の相対湿度制御による被膜表面凹凸のコントロールや、異なる分子量を有する縮合物の製造が煩雑である等の問題があった。

0005

特開平5−105424号公報には、MgF2微粒子を含有する塗布液を用いる方法が開示されているが、形成された被膜機械的強度、基材との密着性に乏しく、さらに反射防止性能に劣るという問題があった。

発明が解決しようとする課題

0006

本発明者らは、フルオロアルキルシランを用いたポリシロキサン溶液から得られる被膜を、80〜450℃で熱処理することにより、低屈折率かつ大きな水接触角を有する被膜が形成されることを見出した(特開平9−208898号公報)。この場合、表示装置表面に該被膜が形成された時は、大きな水接触角は付加機能として有用な特性であるが、高透明基材として装置内部に用いる場合には、被膜表面にさらに成膜が行われることが必須となり、大きな水接触角は、該被膜上への成膜において不都合なものであった。

0007

そこで、さらに鋭意検討した結果、熱処理温度を適正化することにより、水接触角が小さく、かつ低屈折率な被膜が得られることを見いだした。

0008

すなわち、本発明は、水接触角が小さく、反射防止性能に優れた反射防止膜を低コストで、大量かつ大面積に処理可能な方法で提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

一発明は、ガラス表面に密着して形成される反射防止膜の形成方法において、下記一般式(1)

0010

0011

(式中、Rは1〜5個の炭素原子を有するアルキル基を表す。)で示される珪素化合物(A)と、下記一般式(2)

0012

0013

(式中、R1 は炭素数1〜18の有機基を表し、R2 は1〜5個の炭素原子を有するアルキル基を表す。)で示される珪素化合物(B)と、下記一般式(3)

0014

0015

(式中、R3 は、水素原子または1〜12個の炭素原子を有する非置換のもしくは置換基を有するアルキル基を表す。)で示されるアルコール(C)と、蓚酸(D)とを、珪素化合物(A)1モルに対して珪素化合物(B)0.05〜4.5モルの比率に、珪素化合物(A)と珪素化合物(B)に含まれる全アルコキシ基1モルに対してアルコール(C)0.5〜100モルの比率に、そして珪素化合物(A)と珪素化合物(B)に含まれる全アルコキシ基1モルに対して蓚酸(D)0.2〜2モルの比率に含有する反応混合物を形成させ、そしてこの反応混合物を、その中の珪素原子から換算された0.5〜10重量%のSiO2 濃度に維持すると共に水の不存在を維持しながら、当該反応混合物中の珪素化合物(A)及び珪素化合物(B)の全残存量が5モル%以下となるまで、50〜180℃で加熱して得られたポリシロキサン溶液をガラス表面に塗布し、この塗布により得られた塗膜を480〜520℃の温度で熱硬化させることを特徴とする反射防止膜の形成方法である。

0016

次に、第二発明は、第一発明記載の一般式(2)において、R1 で表される有機基がフッ素原子を含む珪素化合物(B)であることを特徴とする、反射防止膜の形成方法である。

0017

第三発明は、第一発明記載の一般式(2)が、下記一般式(4)

0018

0019

(式中、nは0〜12の整数を表し、R4 は1〜5個の炭素原子を有するアルキル基を表す。)で示される珪素化合物(B)であることを特徴とする反射防止膜の形成方法である。

0020

第四発明は、ガラス表面に密着して形成される反射防止膜において、下記一般式(1)

0021

0022

(式中、Rは1〜5個の炭素原子を有するアルキル基を表す。)で示される珪素化合物(A)と、下記一般式(2)

0023

0024

(式中、R1 は炭素数1〜18の有機基を表し、R2 は1〜5個の炭素原子を有するアルキル基を示す。)で示される珪素化合物(B)と、下記一般式(3)

0025

0026

(式中、R3 は、水素原子または1〜12個の炭素原子を有する非置換のもしくは置換基を有するアルキル基を表す。)で示されるアルコール(C)と、蓚酸(D)とを、珪素化合物(A)1モルに対して珪素化合物(B)0.05〜4.5モルの比率に、珪素化合物(A)と(B)に含まれる全アルコキシ基1モルに対して蓚酸(D)0.2〜2モルの比率に含有する反応混合物を形成させ、そしてこの反応混合物を、その中の珪素原子から換算された0.5〜10重量%のSiO2 濃度に維持すると共に水の不存在を維持しながら、当該反応混合物中の珪素化合物(A)及び珪素化合物(B)の全残存量が5モル%以下となるまで、50〜180℃で加熱して得られたポリシロキサン溶液をガラス表面に塗布し、この塗布により得られた塗膜を480〜520℃の温度で熱硬化して得られる、1.33〜1.38の屈折率及び40°以下の水接触角を示すことを特徴とする反射防止膜である。

0027

第五発明は、第四発明記載の一般式(2)において、R1 で表される有機基がフッ素原子を含んでいることを特徴とする反射防止膜である。

0028

第六発明は、第四発明記載の一般式(2)が、下記一般式(4)

0029

0030

(式中、nは0〜12の整数を表し、R4 は1〜5個の炭素原子を有するアルキル基を表す。)で示される珪素化合物(B)であることを特徴とする反射防止膜である。

0031

第七発明は、ガラスの片面もしくは両面に第四〜第六発明記載の反射防止膜が形成されてなることを特徴とする反射防止ガラスである。

発明を実施するための最良の形態

0032

次に、実施の形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。

0033

前記一般式(1)に含まれるアルキル基Rの例としては、メチルエチルプロピルブチルペンチルなどが挙げられ、好ましい珪素化合物(A)の例としては、テトラメトキシシランテトラエトキシシランテトラプロポキシシランテトラブトキシシランなどが挙げられる。これらの中でもテトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどが特に好ましい。

0034

前記一般式(2)に含まれるアルキル基R2 の例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルなどが挙げられ、好ましい珪素化合物(B)の例としては、メチルトリメトキシシランメチルトリエトキシシランエチルトリメトキシシランエチルトリエトキシシランプロピルトリメトキシシランプロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ペンチルトリメトキシシラン、ペンチルトリエトキシシラン、ヘプチルトリメトキシシラン、ヘプチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシランドデシルトリメトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシランオクタデシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシランフェニルトリエトキシシランビニルトリメトキシシランビニルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラントリフルオロプロピルトリエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシランヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシランヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシランなどが挙げられる。これらは、単独でまたは二種以上組み合わせて用いることができる。

0035

この好ましい珪素化合物(B)のうち、下記一般式(4)

0036

0037

(式中、nは0〜12の整数を表し、R4 は1〜5個の炭素原子を有するアルキル基を表す。)で示される、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン(n=0)、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン(n=0)、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン(n=5)、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン(n=5)、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン(n=7)、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン(n=7)などの含フッ素シランが特に好ましい。

0038

前記一般式(3)に含まれる非置換のアルキル基R3 の例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、へプチル、オクチルなどが挙げられ、置換基を有するアルキル基R3 の例としては、ヒドロキシメチルメトキシメチルエトキシメチルヒドロキシエチルメトキシエチルエトキシエチルなどが挙げられる。

0039

好ましいアルコール(C)の例としては、メタノールエタノールプロパノールn-ブタノールエチレングリコールモノメチルエーテルエチレングリコールモノエチルエーテルジエチレングリコールモノメチルエーテルジエチレングリコールモノエチルエーテルプロピレングリコールモノエチルエーテルなどが挙げられ、これらは単独でまたは二種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも特にエタノールが好ましい。

0040

珪素化合物(B)の含有量は、珪素化合物(A)1モルに対して、0.05〜4.5モルが好ましい。含有量を0.05モル以下とした場合、1.40以下の屈折率を有する被膜が形成されず、4.5モル以上とした使用した場合には、均一な溶液が得られない。

0041

アルコール(C)の含有量は、珪素化合物(A)と珪素化合物(B)に含まれる全アルコキシ基の1モルに対して、0.05〜100モル、特に好ましくは1〜50モルであり、0.5モルより少ない場合、ポリシロキサンを生成させるのに長時間を要し、そして得られたポリシロキサン含有液からは、硬度の高い被膜が生成しない。100モルより多い場合は、得られたポリシロキサン含有液のSiO2濃度が不足し、塗布前に濃縮を必要とし効率的でない。

0042

蓚酸(D)の含有量は、珪素化合物(A)と珪素化合物(B)に含まれる全アルコキシ基の1モルに対して、0.2〜2モル、特に好ましくは0.25〜1モルであり、0.2モルより少ない場合は、得られた溶液からは硬度の高い被膜が形成されず、2モルより多い場合は、相対的に多量の蓚酸(D)を含有し、目的とする性能の被膜が得られない。

0043

上記珪素化合物(A)、珪素化合物(B)、アルコール(C)及び蓚酸(D)を含有する反応混合物は、これらを混合することにより形成させることができる。この反応混合物は、溶液状の反応混合物として加熱するのが好ましく、例えば、あらかじめアルコール(C)に蓚酸(D)を加えて蓚酸のアルコール溶液とした後、当該溶液と珪素化合物(A)、珪素化合物(B)を混合することにより得られる溶液状の反応混合物として加熱するのが好ましい。この加熱は、液温50〜180℃で行うことができ、好ましくは、液の蒸発揮散などが起こらないように、例えば、密閉容器中または還流下で行われる。

0044

ポリシロキサン溶液を形成する際の液温が50℃以下であると、溶液に濁りを生じたり、不溶解物を含有したりするなど、不均一な溶液となりやすいため、液温は50℃以上が望ましく、高温であるほど短時間に終了させることができる。

0045

しかしながら、180℃より高温での加熱は、付加的利益をもたらさず非効率的である。加熱時間には特に制限はなく、例えば50℃では約8時間、78℃の還流下では約3時間で十分であり、通常、珪素化合物(A)及び珪素化合物(B)の全量に対して、これら珪素化合物の残存量が5モル%以下となった時点で加熱は停止される。残存量が5モル%よりも多い場合、この溶液を基材表面に塗布し、さらに熱硬化させたとき、得られた被膜にピンホールが生じたり、あるいは十分な硬度を有する被膜が得られない。

0046

上記加熱により得られたポリシロキサン溶液は、所望に応じ、濃縮または希釈して使用することができる。この時のポリシロキサン溶液中のSiO2固形分換算濃度は、0.5〜15重量%が好ましく、SiO2 濃度が0.5重量%より低いと、一回の塗布で所望の膜厚を得ることが難しく、15重量%より高いと、溶液のポットライフが不足し易い。

0047

調製された溶液は、通常用いられる塗布法により、塗布、熱硬化することで所望の被膜を得ることができる。この際、基材(ガラス)上に形成された塗膜は、そのまま熱硬化させても良いが、これに先立ち室温〜120℃、好ましくは50〜100℃で乾燥させた後、480〜520℃の温度で加熱される。加熱温度が480℃以下になると水接触角が40°を越えて大きくなり、好ましくない。一方、520℃より高くなると屈折率が1.38を越えて大きくなる傾向にあり、反射防止性能に劣る被膜となる。従って、水接触角が40°以下と小さく、かつ屈折率が1.33〜1.38であり反射防止性能に優れた被膜を形成するためには、上記温度が適正である。

0048

この加熱の時間としては、特に限定されないが、5〜60分で十分である。加熱は、通常公知の方法、例えば、ホットプレートオーブンベルト炉などを用いることができる。

0049

前記塗布法としては、通常公知の方法、例えば、スピンコート法ディップコート法ロールコート法フレキソ印刷法などを用いることができる。

0050

以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。

0051

実施例1
還流管備え付けた四つ口反応フラスコにエタノール70.8gを投入し、攪拌下に蓚酸12.0gを少量づつ添加することにより、蓚酸のエタノール溶液を調製した。

0052

次いで、この溶液をその還流温度まで加熱し、還流下にテトラエトキシシラン11.0gとトリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン6.2gの混合液滴下した。

0053

滴下終了後、還流下に加熱を5時間行った後、冷却することによりSiO2固形分換算濃度で4重量%のポリシロキサン溶液(L1)を調製した。

0054

この溶液をガスクロマトグラフィー分析したところ、アルコキシドモノマーは検出されなかった。

0055

実施例2
還流管を備え付けた四つ口反応フラスコにエタノール72.4gを投入し、攪拌下に蓚酸12.0gを少量づつ添加することにより、蓚酸のエタノール溶液を調製した。

0056

次いで、この溶液をその還流温度まで加熱し、還流下にテトラエトキシシラン12.5gとトリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン3.1gの混合液を滴下した。

0057

滴下終了後、還流下に加熱を5時間行った後、冷却することによりりSiO2固形分換算濃度で4重量%のポリシロキサン溶液(L2)を調製した。

0058

この溶液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、アルコキシドモノマーは検出されなかった。

0059

実施例3
還流管を備え付けた四つ口反応フラスコにエタノール70.6gを投入し、攪拌下に蓚酸12.0gを少量づつ添加することにより、蓚酸のエタノール溶液を調製した。

0060

次いで、この溶液をその還流温度まで加熱し、還流下にテトラエトキシシラン9.4gとトリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン6.2gとγ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1.2gとγ-アミノプロピルトリエトキシシラン0.6gの混合液を滴下した。滴下終了後、還流下に加熱を5時間行った後、冷却することによりSiO2固形分換算濃度で4重量%のポリシロキサン溶液(L3)を調製した。

0061

この溶液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、アルコキシドモノマーは検出されなかった。

0062

実施例4
還流管を備え付けた四つ口反応フラスコにエタノール73.9gを投入し、攪拌下に蓚酸12.0gを少量づつ添加することにより、蓚酸のエタノール溶液を調製した。

0063

次いで、この溶液をその還流温度まで加熱し、還流下にテトラエトキシシラン9.4gとトリフルオロプロピルトリメトキシシラン2.9gとγ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1.2gとγ-アミノプロピルトリエトキシシラン0.6gの混合液を滴下した。滴下終了後、還流下に加熱を5時間行った後、冷却することによりりSiO2固形分換算濃度で4重量%のポリシロキサン溶液(L4)を調製した。

0064

この溶液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、アルコキシドモノマーは検出されなかった。

0065

実施例5
還流管を備え付けた四つ口反応フラスコにエタノール52.7gを投入し、攪拌下に蓚酸20.5gを少量づつ添加することにより、蓚酸のエタノール溶液を調製した。

0066

次いで、この溶液をその還流温度まで加熱し、還流下にテトラエトキシシラン21.9gとオクタデシルトリエトキシシラン4.9gの混合液を滴下した。滴下終了後、還流下に加熱を5時間行った後、冷却することによりりSiO2固形分換算濃度で7重量%のポリシロキサン溶液(L5)を調製した。

0067

この溶液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、アルコキシドモノマーは検出されなかった。

0068

実施例6
還流管を備え付けた四つ口反応フラスコにエタノール50.7gを投入し、攪拌下に蓚酸21.6gを少量づつ添加することにより、蓚酸のエタノール溶液を調製した。

0069

次いで、この溶液をその還流温度まで加熱し、還流下にテトラエトキシシラン6.3gとメチルトリエトキシシラン21.4gの混合液を滴下した。滴下終了後、還流下に加熱を5時間行った後、冷却することによりりSiO2固形分換算濃度で9重量%のポリシロキサン溶液(L6)を調製した。

0070

この溶液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、アルコキシドモノマーは検出されなかった。

0071

実施例7
還流管を備え付けた四つ口反応フラスコにエタノール64.9gを投入し、攪拌下に蓚酸15.8gを少量づつ添加することにより、蓚酸のエタノール溶液を調製した。

0072

次いで、この溶液をその還流温度まで加熱し、還流下にテトラエトキシシラン10.4gとメチルトリエトキシシラン8.9gの混合液を滴下した。滴下終了後、還流下に加熱を5時間行った後、冷却することによりSiO2固形分換算濃度で6重量%のポリシロキサン溶液(L7)を調製した。

0073

この溶液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、アルコキシドモノマーは検出されなかった。

0074

比較例1
還流管を備え付けた四つ口反応フラスコにエタノール43.7gとテトラエトキシシラン16.6gとトリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン9.3gを投入して混合することによりエタノール溶液を調製した。次いでこの溶液をその還流温度まで加熱し、還流下にエタノール24.9gと水5.4gと硝酸0.1gの混合液を滴下した。

0075

滴下終了後、還流下に加熱を5時間行った後、冷却することによりSiO2固形分換算濃度で4重量%のポリシロキサン溶液(L8)を調製した。

0076

比較例2
還流管を備え付けた四つ口反応フラスコにエタノール70.8gを投入し、攪拌下に蓚酸12.0gを少量づつ添加することにより、蓚酸のエタノール溶液を調製した。

0077

次いで、この溶液をその還流温度まで加熱し、還流下にテトラエトキシシラン13.9gを滴下した。滴下終了後、還流下に加熱を5時間行った後、冷却することによりSiO2固形分換算濃度で4重量%のポリシロキサン溶液(L9)を調製した。

0078

この溶液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、アルコキシドモノマーは検出されなかった。

0079

上記(L1)〜(L9)の溶液をSiO2固形分換算で1重量%となるようにエタノールにて希釈した溶液を塗布液として、それぞれガラス上にディップコートして塗膜を形成させた後、この塗膜をオーブン中、100℃で10分乾燥し、次いで焼成炉中にて表1に示す温度(硬化温度)で加熱することにより、反射防止ガラスを得た。次いで得られた被膜(反射防止膜)について、下記に示す方法により、鉛筆硬度、屈折率、透過率、水接触角及び膜厚を測定した。

0080

尚、屈折率測定にはシリコン基板上に同一条件にて成膜したものを用いた。

0081

鉛筆硬度:JIS規格K5400に従い測定した。

0082

屈折率:溝化学(株)製のエリプソメーターDVA−36Lを使用して、波長633nmでの屈折率を測定した。

0083

透過率:(株)島津製作所製の分光光度計UV3100PCを用い、400〜800nmでの分光透過率を測定した。

0084

水接触角:協和界面科学(株)製の自動接触角計CA−Z型を用い、純水3マイクロリットルを滴下したときの接触角を測定した。(但し、本測定装置では、水接触角が10°未満では正確な計測値を得ることができなかった。)
膜厚:乾燥膜カッターで傷を付け、硬化後にランクテイラーホブソン社製タリテップを用い、段差を測定することで膜厚とした。

0085

これらの評価結果を表1に示す。

0086

発明の効果

0087

本発明により、反射防止性能に優れた反射防止膜を生産性に優れた方法で提供することができる。これにより得られる反射防止ガラスは、LCD、PDP、タッチパネルなどの各種ディスプレイの高透明化に有用なものである。

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