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技術 アクリル系繊維の製造方法

出願人 三菱ケミカル株式会社
発明者 能村素郎細川宏
出願日 2000年2月23日 (21年10ヶ月経過) 出願番号 2000-045899
公開日 2001年8月31日 (20年4ヶ月経過) 公開番号 2001-234426
状態 特許登録済
技術分野 合成繊維
主要キーワード 原液用 ロダン酸塩 付着堆積物 付着物量 品質変動 低分子ポリマー 熱ピン 染色均一性
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この項目の情報は公開日時点(2001年8月31日)のものです。
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課題

凝固液中低分子ポリマー重合残渣物等のノズル孔あるいは浴中ガイドへの付着を防止して、均質アクリル系繊維を長期間安定に製造する方法を開発する。

解決手段

アクリロニトリル系重合体からなる紡糸原液を、イオン交換樹脂で処理した凝固液を用いて紡糸することによる均質なアクリル系繊維を長期間安定に製造する方法。かかるイオン交換樹脂として、弱塩基性陰イオン交換樹脂が適しており、中でも、−CH2NH(CH2CH2NH)nH基をイオン交換基として有する弱塩基性陰イオン交換樹脂が最も優れている。

概要

背景

アクリロニトリル系重合体紡糸方法としては、乾式紡糸法湿式紡糸法と共にノズルからの紡出糸を一旦空気中を経たのち紡糸浴中に導く乾湿式紡糸法が知られている。湿式紡糸法、乾湿式紡糸法において使用される凝固液は、一般に経済面及び環境面の問題より循環して繰り返し用いられている。しかし、この凝固液中には、その繰り返し使用により低分子量ポリマー重合残渣物等が徐々に溶解してくることが知られており、これらの凝固液中に溶解した低分子量ポリマー、重合残査物等が凝固浴中に浸漬されているノズル孔あるいは浴中ガイドの表面に堆積物として付着するため、糸切れ等の工程通過性および品質面で種々の問題を引き起こす原因となっている。

そこで、本発明者らは、先に乾湿式紡糸法において凝固浴中で糸条走行方向を変更する浴中ガイドの下方より超音波振動を連続的または間欠的に与えることにより凝固糸との摩擦抵抗を減少させ、毛羽繊度斑の少ないアクリル系繊維を得る技術を開発した(特開昭62−141111号公報、特開平10−219516号公報参照)。しかしながらこの方法でも、一時的な付着物の除去は可能であるが、脱落した低分子量ポリマーが再び凝固液中に溶解して蓄積され、再度析出してしまうため、上記問題点が根本的に解決されるまでには至っていない。

従って現状では、高品質のアクリル系繊維を長期間安定して得るという目的と凝固液の繰り返し使用という要請答えるためには、ノズルあるいは浴中ガイドの交換が必要であり、工業生産上改善すべき大きな課題となっている。

概要

凝固液中の低分子ポリマー、重合残渣物等のノズル孔あるいは浴中ガイドへの付着を防止して、均質なアクリル系繊維を長期間安定に製造する方法を開発する。

アクリロニトリル系重合体からなる紡糸原液を、イオン交換樹脂で処理した凝固液を用いて紡糸することによる均質なアクリル系繊維を長期間安定に製造する方法。かかるイオン交換樹脂として、弱塩基性陰イオン交換樹脂が適しており、中でも、−CH2NH(CH2CH2NH)nH基をイオン交換基として有する弱塩基性陰イオン交換樹脂が最も優れている。

目的

本発明の目的は、紡糸性・品質に悪影響を与える低分子量ポリマー、重合残渣物等を除去してノズル孔あるいは浴中ガイドへの付着物を減少せしめることによって、上記従来の問題を解決し、均質なアクリル系繊維を長期間安定に製造する方法を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

アクリロニトリル系重合体を含む紡糸原液凝固液を用いて紡糸することによってアクリル系繊維を製造する方法において、イオン交換樹脂で処理した凝固液を使用することを特徴とするアクリル系繊維の製造方法。

請求項2

イオン交換樹脂が、弱塩基性陰イオン交換樹脂であることを特徴とする請求項1記載のアクリル系繊維の製造方法。

請求項3

イオン交換樹脂が、交換基として−CH2NH(CH2CH2NH)nH基を有する弱塩基性陰イオン交換樹脂であることを特徴とする請求項1記載のアクリル系繊維の製造方法。

請求項4

アクリル系繊維が、フィラメントであることを特徴とする請求項1記載のアクリル系繊維の製造方法。

請求項5

紡糸方法が、乾湿式紡糸法であることを特徴とする請求項1記載のアクリル系繊維の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、アクリル系繊維を製造する際、凝固液としてイオン交換樹脂で処理した凝固液を用いて紡糸することにより、品質良好なアクリル系繊維を長期間安定に製造する方法に関する。

背景技術

0002

アクリロニトリル系重合体紡糸方法としては、乾式紡糸法湿式紡糸法と共にノズルからの紡出糸を一旦空気中を経たのち紡糸浴中に導く乾湿式紡糸法が知られている。湿式紡糸法、乾湿式紡糸法において使用される凝固液は、一般に経済面及び環境面の問題より循環して繰り返し用いられている。しかし、この凝固液中には、その繰り返し使用により低分子量ポリマー重合残渣物等が徐々に溶解してくることが知られており、これらの凝固液中に溶解した低分子量ポリマー、重合残査物等が凝固浴中に浸漬されているノズル孔あるいは浴中ガイドの表面に堆積物として付着するため、糸切れ等の工程通過性および品質面で種々の問題を引き起こす原因となっている。

0003

そこで、本発明者らは、先に乾湿式紡糸法において凝固浴中で糸条走行方向を変更する浴中ガイドの下方より超音波振動を連続的または間欠的に与えることにより凝固糸との摩擦抵抗を減少させ、毛羽繊度斑の少ないアクリル系繊維を得る技術を開発した(特開昭62−141111号公報、特開平10−219516号公報参照)。しかしながらこの方法でも、一時的な付着物の除去は可能であるが、脱落した低分子量ポリマーが再び凝固液中に溶解して蓄積され、再度析出してしまうため、上記問題点が根本的に解決されるまでには至っていない。

0004

従って現状では、高品質のアクリル系繊維を長期間安定して得るという目的と凝固液の繰り返し使用という要請答えるためには、ノズルあるいは浴中ガイドの交換が必要であり、工業生産上改善すべき大きな課題となっている。

発明が解決しようとする課題

0005

本発明の目的は、紡糸性・品質に悪影響を与える低分子量ポリマー、重合残渣物等を除去してノズル孔あるいは浴中ガイドへの付着物を減少せしめることによって、上記従来の問題を解決し、均質なアクリル系繊維を長期間安定に製造する方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0006

本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究を行った結果、凝固液としてイオン交換樹脂で処理した凝固液を用いて紡糸することによって、低分子量ポリマー、重合残渣物等の付着による影響が低減され、均質なアクリル系繊維を長期間安定に製造する方法を見出した。すなわち、本発明は、アクリロニトリル系重合体を含む紡糸原液を凝固液を用いて紡糸することによってアクリル系繊維を製造する方法において、凝固液としてイオン交換樹脂で処理した凝固液を使用することを特徴とするアクリル系繊維の製造方法を提供するものである。

発明を実施するための最良の形態

0007

(イオン交換樹脂)本発明に用いるイオン交換樹脂は、凝固液中に溶出した低分子量ポリマーまたは重合残渣物等に対する捕捉性能を有しており、これらの溶出物捕捉により凝固液の品質維持効果を奏するものであれば特に限定されるものではない。かかるイオン交換樹脂として、特に1〜3級アミノ基を交換基とする弱塩基性陰イオン交換樹脂が好ましく、更に好ましくは−CH2NH(CH2CH2NH)nH基(n:自然数)を交換基とする弱塩基性陰イオン交換樹脂である。上記イオン交換樹脂の使用量は、イオン交換樹脂の捕捉能力、アクリロニトリル系重合体の組成、凝固液の種類、凝固液の濃度、凝固液の使用量等により適宜決定される。

0008

(アクリロニトリル系重合体)本発明の製造方法が適用されるアクリロニトリル系重合体としては、特に限定されないが、好適な重合体として、アクリロニトリルを100〜50重量%含有し、これと共重合可能不飽和単量体0〜50重量%とからなるアクリル系重合体が例示される。アクリロニトリル系重合体中のアクリロニトリル量が50重量%以下の場合は、アクリル繊維の特徴である染色鮮明性発色性が低下すると共に、熱特性をはじめとする他の物性も低下し好ましくない。共重合可能な不飽和単量体としてはアクリル酸メタクリル酸、及びそれらの誘導体酢酸ビニルアクリルアミドメタクリルアミド塩化ビニル塩化ビニリデン、さらに目的によってはビニルベンゼンスルホン酸ソーダメタリルスルホン酸ソーダアクリルアミドメチルプロパンスルホン酸ソーダ等のイオン性不飽和単量体を用いることができる。

0009

上記アクリロニトリル系重合体の製造方法としては、懸濁重合溶液重合等の公知の重合法が適用可能であり、特に限定されない。また、アクリロニトリル系重合体の分子量は通常アクリル繊維の製造に用いられる範囲の分子量であればよく、特に限定しないが、分子量が10万〜100万の範囲にあることが好ましい。

0010

(紡糸原液)紡糸原液はアクリロニトリル系重合体を15重量%〜28重量%濃度となるように溶剤に溶解して調製するが、濃度が15重量%未満では、凝固時にノズル孔の形状と繊維断面の形状の差が著しく異なる傾向にあるため、目的の断面形状を得ることが困難となり好ましくない。一方濃度が28重量%を超えると紡糸原液の経時安定性が悪くなり紡糸性が低下するので好ましくない。溶剤としては、通常使われているアクリロニトリル系重合体用の溶剤、例えばジメチルホルムアミドジメチルアセトアミドジメチルスルホキシド等の有機溶剤硝酸ロダン酸塩水溶液塩化亜鉛水溶液等を用いることができる。

0011

(紡糸法)本発明の方法は、湿式紡糸法または乾湿式紡糸法のいずれにも適用することができる。上記の紡糸原液を直接(湿式紡糸法)あるいは空気層を経て(乾湿式紡糸法)、イオン交換樹脂で処理した原液用溶剤と水とを主組成とする紡糸凝固浴に導く。紡糸浴条件は特に限定されないが、例えば溶剤としてジメチルアセトアミドを用いた場合、紡糸浴温度0〜45℃、溶剤濃度10〜85%が好ましい。得られた凝固糸は、50〜100℃の温水中にて繊維中の溶剤分が1%以下になるまで洗浄処理され、80〜100℃の温水中にて2倍以上の湿熱延伸油剤賦与された後、120〜180℃の温度で乾燥処理されてアクリル系繊維となる。必要に応じて更に乾熱延伸処理、緩和等を行っても良く、これによりバランスのとれた力学特性が付与されたアクリル系繊維となる。

0012

以下、実施例により本発明を具体的に説明する。実施例中、凝固溶中に溶解している低分子量ポリマー等の含有量蒸発乾固物量として示す。蒸発乾固物量は凝固液を80℃、2.7kPaで24時間濃縮後、60℃、600Paで24時間減圧乾固して重量を測定し、算出した。一般にこの含有量が高い程、浴中ガイド等への付着物量が多いと解釈することができる。また、紡糸浴出張力は、浴中ガイドと紡糸浴出の引き取りロール間の凝固糸にかかる張力を示した。一般にこの張力が高いほど浴中ガイドと凝固糸間の摩擦抵抗が高いと解釈することができる。該蒸発乾固物量、張力の測定と共に得られた最終繊維の繊度斑の指標としてCV%、染色性の指標としてM率を示した。CV%の測定は、JISL−7.20A法に基づき、zellweger uster製 USTERTESTER 3/Cを使用し、測定速度50m/分、撚り数S撚り200T/mの条件にて測定した。またM率は、繊維糸にて作製した編地200gを公知の方法で精練した後、Astrazon.Blue FRR200 0.35重量%、染色温度95℃、染色時間60分の染色条件で得られる染色糸濃淡目視評価にて5段階(極淡色、淡色、中色、濃色、極濃色)に判別し、中色の割合を示したものである。

0013

実施例1−5、比較例1
イオン交換樹脂として、三菱化学(株)製、ダイヤイオンPK220、WK20、WA10、WA20、WA30(いずれも商品名)を使用した。イオン交換樹脂は、精製用イオン交換カラムに100L充填し、その樹脂ベッドの深さは約750mmとし、凝固液を150L/Hの速度で送液した。アクリル系繊維の製造量は、60kg/日とした。アクリロニトリル93%、酢酸ビニル6%、スチレンスルホン酸ナトリウム1%からなる平均分子量30万の共重合体をジメチルアセトアミドに溶解させて25%の紡糸原液を調製し、これをほぼ60℃に昇温した。一方60個の円形孔を有する紡糸口金凝固浴液面までの距離を15mmに設定し、上記昇温された紡糸原液を、当該紡糸口金から空気中に押し出し、この生成された原液の流れを直ちにジメチルアセトアミド75%と水25%からなる40℃の凝固浴に導き繊維を形成させた。次いで凝固浴を通過した糸条を速度が50m/分の引き取りローラーに導いて牽引した。水洗後、沸騰水中における3.0倍の1次延伸を施し、乾燥後、180℃の熱ピンにおいて2.0倍の2次延伸を施した。この後、更に該糸条を250℃の熱板上で7%緩和処理を施して、150dtexのアクリルフィラメントを得た。各実施例で得られた繊維の蒸発乾固物量、紡糸浴出張力、繊度斑(CV%)、M率の測定結果を表1に示す。

0014

0015

表1から明らかなように、本発明の製造方法を用いることにより、凝固液の洗浄、繊度斑及び染色均一性効果が向上する。そして、イオン交換樹脂として弱塩基性陰イオン交換樹脂を用いた場合、高い効果が認められ、特にイオン交換基として−CH2NH(CH2CH2NH)nH基を有する弱塩基性陰イオン交換樹脂を用いた場合、更に顕著な効果が認められた。

発明の効果

0016

本発明によれば、付着堆積物による経時的なノズル孔閉塞あるいは浴中ガイドの摩擦抵抗変化等がなく、繊度斑、染色性等の品質変動の小さい高品質なアクリル系繊維を長期間安定に製造することができる。

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