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技術 カレー風味のペースト状組成物

出願人 株式会社カネカ
発明者 藤村昌樹舟橋孝長井めぐみ膳啓造西山敏彦
出願日 2000年2月23日 (20年10ヶ月経過) 出願番号 2000-046003
公開日 2001年8月28日 (19年3ヶ月経過) 公開番号 2001-231517
状態 特許登録済
技術分野 ベイカリー製品及びその製造方法 種実、スープ、その他の食品
主要キーワード 耐剪断性 牛ミンチ肉 出来たて 冷凍加工食品 ピザ類 機械耐性 成形生地 カレーうどん
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

調理パンカレー饅頭ピザドーナツパイなどのベーカリー製品カレーうどんなどの麺類製品、およびその他の食品に有効に用いられ、高い冷凍耐性機械耐性耐熱性および耐老化性を有し、風味および食感に優れるカレー風味ペースト状組成物の提供。

解決手段

化工澱粉を含有してなることを特徴とするカレー風味のペースト状組成物。さらには、レトルト処理などにより化工澱粉が粒子状態を保って膨潤しているカレー風味のペースト状組成物。

概要

背景

カレー風味食品日本人好むものであり、カレーパンカレードーナツカレー饅頭(いわゆるカレー饅)、カレーを用いたピザパイなどのベーカリー製品は、一般に、カレー風味のペースト状組成物フィリング材として生地で包んだり、生地にトッピングした後に、焼成油揚げ、蒸し処理などを施すことにより製造されている。

近年、消費者高級化志向が各種食品においてますます強くなる傾向にあり、そのことはカレーパンなどのようなカレー風味の上記した種々のベーカリー製品においても例外ではない。特に、パン類や蒸し饅頭類においては、焼き立てまたは蒸し立ての美味しいパンや饅頭に対する消費者の要望が強く、冷凍流通技術の発達踏まえメーカー食感の向上に取り組むと同時に、製造時間の短縮、深夜業労働の削減等、少しでも効率の良い生産システムの実現などを目指して日々努力してきた。こうした実情から、パン類や蒸し饅頭などにおいては、焼成、油揚げまたは蒸す前の成形生地段階で冷凍しておき、それを店頭で焼成、油揚げまたは蒸して、出来たて商品を消費者に提供するといった冷凍生地製法が近年活発取り入れられるようになっている。また、カレー饅や肉饅などのような蒸し饅頭類では、冷凍状態流通販売し、消費者がそれを購入して各家庭で蒸したり、電子レンジにより加熱して食することも広く行われている。

しかしながら、上記の冷凍生地製法においては、冷凍処理によって、生地がダメージを受けて、ボリューム不足したり、ソフトな食感が失われたりするなどの品質の低下を生じ易い。しかも、生地のみならず、包あんされるフィリング材、トッピング材なども冷凍処理によって品質が大きく低下し易く、そのことは調理パンや蒸し饅頭などに使用されていた従来のカレー風味のペースト状組成物においても例外ではない。カレー風味のペースト状組成物は、通常、小麦粉コーンスターチ等の澱粉類主体とし、これにカレーの風味を与える香辛料などを混合して加熱調理することによって得られており、従来はそのようにして得られたカレー風味のペースト状組成物をそのままフィリング材として用いてパン生地饅頭生地で包んで冷凍したり、生地の上にトッピングして冷凍することが行われていた。しかしながら、その場合に、カレー風味のペースト状組成物は冷凍障害を起こして水の分離を生じたり、ぼそぼそした粉っぽい食感になり易く、焼成、油揚げ、蒸し処理などを行って得られるカレーパン、カレードーナツ、カレー饅頭、ピザ、パイなどのベーカリー製品は、食感および風味が大きく低下したものになり易いという問題があった。

また、品質の安定した商品を効率的に生産性良く提供すべく、例えば一般的なカレードーナツに代表される包あん商品においては、包あん機を使用してフィリング材を生地で包むことが広く行われている。しかしながら、包あん機を使用してカレー風味のペースト状組成物を生地で包んだ場合は、生地だけでなく、フィリング材として用いられるカレー風味のペースト状組成物も包あん時の剪断力などによるストレスを受けて、水の分離を生じたり、出来上がったパン類や饅頭中に大きな空洞があいたりして、商品価値が低いものになり易いという問題があった。

上記したような問題は、ベーカリー製品以外の加工食品分野においても生じている。例えばカレーうどん冷凍商品では、うどんに添付されているカレールウ部分(カレー風味のペースト状組成物)が、長期間の冷凍保存や冷解凍の繰り返しによって変性を受けて、組織がぼそついたものになったり、風味が損なわれるなどの問題が生じ易い。かかる点から、ベーカリー以外の加工食品分野においても、冷凍耐性機械耐性に優れていて、風味や食感の低下の生じない、高品質のカレー風味のペースト状組成物が強く求められているが、未だ十分に満足のゆく製品が得られていないのが現状である。

概要

調理パン、カレー饅頭、ピザ、ドーナツ、パイなどのベーカリー製品、カレーうどんなどの麺類製品、およびその他の食品に有効に用いられ、高い冷凍耐性、機械耐性、耐熱性および耐老化性を有し、風味および食感に優れるカレー風味のペースト状組成物の提供。

化工澱粉を含有してなることを特徴とするカレー風味のペースト状組成物。さらには、レトルト処理などにより化工澱粉が粒子状態を保って膨潤しているカレー風味のペースト状組成物。

目的

本発明が解決しようとする課題は、上記したような現状に鑑み、ベーカリー分野における冷凍生地製法に十分に対応でき、さらには冷凍カレーうどんなどのような他の冷凍食品の分野でも長期の冷凍保存や冷解凍の繰り返しに十分に耐え得ることができ、冷凍しても良好な風味および食感を維持することのできる、冷凍耐性に優れるカレー風味のペースト状組成物を提供することである。さらに、本発明の目的は、包あん機などの機械による大量生産に用いた場合にも、機械によるストレスを受けず、良好な風味および食感を安定して保つことのできる、機械耐性に優れるカレー風味のペースト状組成物を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
4件

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請求項1

化工澱粉を含有してなることを特徴とするカレー風味ペースト状組成物

請求項2

ペースト状組成物100重量部に対して、化工澱粉を1〜15重量部の割合で含有する請求項1に記載のペースト状組成物。

請求項3

レトルト処理してなる請求項1または2に記載のペースト状組成物。

請求項4

化工澱粉が、粒子状態を保ちながら膨潤している請求項1〜3のいずれか1項に記載のペースト状組成物。

請求項5

冷凍して用いるか、または包あん機による包あん操作で用いるものである請求項1〜4のいずれか1項に記載のペースト状組成物。

技術分野

0001

本発明は、高い冷凍耐性機械耐性耐熱性および耐老化性を有し、且つ風味および食感に優れるカレー風味ペースト状組成物に関するものであり、本発明のカレー風味のペースト状組成物は、調理パンカレードーナツカレー饅頭ピザパイなどのベーカリー製品カレーうどんなどの麺類製品をはじめとして種々の食品用途に有効に用いることができる。

背景技術

0002

カレー風味の食品日本人好むものであり、カレーパン、カレードーナツ、カレー饅頭(いわゆるカレー饅)、カレーを用いたピザやパイなどのベーカリー製品は、一般に、カレー風味のペースト状組成物をフィリング材として生地で包んだり、生地にトッピングした後に、焼成油揚げ、蒸し処理などを施すことにより製造されている。

0003

近年、消費者高級化志向が各種食品においてますます強くなる傾向にあり、そのことはカレーパンなどのようなカレー風味の上記した種々のベーカリー製品においても例外ではない。特に、パン類や蒸し饅頭類においては、焼き立てまたは蒸し立ての美味しいパンや饅頭に対する消費者の要望が強く、冷凍流通技術の発達踏まえメーカーは食感の向上に取り組むと同時に、製造時間の短縮、深夜業労働の削減等、少しでも効率の良い生産システムの実現などを目指して日々努力してきた。こうした実情から、パン類や蒸し饅頭などにおいては、焼成、油揚げまたは蒸す前の成形生地段階で冷凍しておき、それを店頭で焼成、油揚げまたは蒸して、出来たて商品を消費者に提供するといった冷凍生地製法が近年活発取り入れられるようになっている。また、カレー饅や肉饅などのような蒸し饅頭類では、冷凍状態流通販売し、消費者がそれを購入して各家庭で蒸したり、電子レンジにより加熱して食することも広く行われている。

0004

しかしながら、上記の冷凍生地製法においては、冷凍処理によって、生地がダメージを受けて、ボリューム不足したり、ソフトな食感が失われたりするなどの品質の低下を生じ易い。しかも、生地のみならず、包あんされるフィリング材、トッピング材なども冷凍処理によって品質が大きく低下し易く、そのことは調理パンや蒸し饅頭などに使用されていた従来のカレー風味のペースト状組成物においても例外ではない。カレー風味のペースト状組成物は、通常、小麦粉コーンスターチ等の澱粉類主体とし、これにカレーの風味を与える香辛料などを混合して加熱調理することによって得られており、従来はそのようにして得られたカレー風味のペースト状組成物をそのままフィリング材として用いてパン生地饅頭生地で包んで冷凍したり、生地の上にトッピングして冷凍することが行われていた。しかしながら、その場合に、カレー風味のペースト状組成物は冷凍障害を起こして水の分離を生じたり、ぼそぼそした粉っぽい食感になり易く、焼成、油揚げ、蒸し処理などを行って得られるカレーパン、カレードーナツ、カレー饅頭、ピザ、パイなどのベーカリー製品は、食感および風味が大きく低下したものになり易いという問題があった。

0005

また、品質の安定した商品を効率的に生産性良く提供すべく、例えば一般的なカレードーナツに代表される包あん商品においては、包あん機を使用してフィリング材を生地で包むことが広く行われている。しかしながら、包あん機を使用してカレー風味のペースト状組成物を生地で包んだ場合は、生地だけでなく、フィリング材として用いられるカレー風味のペースト状組成物も包あん時の剪断力などによるストレスを受けて、水の分離を生じたり、出来上がったパン類や饅頭中に大きな空洞があいたりして、商品価値が低いものになり易いという問題があった。

0006

上記したような問題は、ベーカリー製品以外の加工食品分野においても生じている。例えばカレーうどんの冷凍商品では、うどんに添付されているカレールウ部分(カレー風味のペースト状組成物)が、長期間の冷凍保存や冷解凍の繰り返しによって変性を受けて、組織がぼそついたものになったり、風味が損なわれるなどの問題が生じ易い。かかる点から、ベーカリー以外の加工食品分野においても、冷凍耐性や機械耐性に優れていて、風味や食感の低下の生じない、高品質のカレー風味のペースト状組成物が強く求められているが、未だ十分に満足のゆく製品が得られていないのが現状である。

発明が解決しようとする課題

0007

本発明が解決しようとする課題は、上記したような現状に鑑み、ベーカリー分野における冷凍生地製法に十分に対応でき、さらには冷凍カレーうどんなどのような他の冷凍食品の分野でも長期の冷凍保存や冷解凍の繰り返しに十分に耐え得ることができ、冷凍しても良好な風味および食感を維持することのできる、冷凍耐性に優れるカレー風味のペースト状組成物を提供することである。さらに、本発明の目的は、包あん機などの機械による大量生産に用いた場合にも、機械によるストレスを受けず、良好な風味および食感を安定して保つことのできる、機械耐性に優れるカレー風味のペースト状組成物を提供することである。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らは上記の目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、カレー風味のペースト状組成物中に化工澱粉を含有させると、冷凍耐性に優れていて、冷凍生地法によるパン類などの製造に用いても、また冷凍うどんなどの他の冷凍加工食品に用いても、冷凍保存、冷解凍の繰り返しなどによって、水分の分離、組織の変質、ぼそつきなどが生じず、良好なカレーの風味および食感を保ち得ることを見出した。さらに、本発明者らは、化工澱粉を含有する前記のカレー風味のペースト状組成物を包あん機を用いてパン生地や饅頭生地などで包んだ場合にも、耐剪断性に優れていて機械によるストレスを受けにくく、水分の分離、組織の変質、ぼそつきなどを生じず、カレーの風味および食感が良好に保たれることを見出した。また、本発明者らは、化工澱粉を含有させたカレー風味のペースト状組成物は、上記した良好な冷凍耐性、機械耐性に加えて、耐熱性、耐老化性などの特性にも優れていること、前記した特性は、カレー風味のペースト状組成物に含有させた化工澱粉が粒子状態を保ちながらペースト状組成物中で膨潤していると一層良好に維持されることを見出し、それらの種々の知見に基づいて本発明を完成した。

0009

すなわち、本発明は、
(1)化工澱粉を含有してなることを特徴とするカレー風味のペースト状組成物である。

0010

そして、本発明は、
(2)カレー風味のペースト状組成物100重量部に対して、化工澱粉を1〜15重量部の割合で含有する前記(1)のペースト状組成物;
(3)レトルト処理したものである前記(1)または(2)のペースト状組成物;
(4) 化工澱粉が、粒子状態を保って膨潤している前記(1)〜(3)のいずれかに記載のペースト状組成物;および、
(5)冷凍して用いるか、または包あん機による包あん操作で用いるものである前記(1)〜(4)のいずれかのペースト状組成物;
を好ましい態様として包含する。

0011

以下に本発明について詳細に説明する。本発明のカレー風味のペースト状組成物は、化工澱粉を必須成分として含有するものである。本発明で用いる化工澱粉とは、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチタピオカ澱粉馬鈴薯澱粉小麦澱粉米澱粉などのような天然澱粉を、エーテル化エステル化および/または架橋化して官能基を付与した澱粉誘導体を言う。エーテル化澱粉澱粉エーテル)としては、例えば、カルボキシメチルエーテル化澱粉、カルボキシエチルエーテル化澱粉、ヒドロキシプロピルエーテル澱粉ヒドロキシエチルエーテル化澱粉アリルエーテル化澱粉、メチルエーテル化澱粉、陽性澱粉(cationic starch)などを挙げることができる。エステル化澱粉澱粉エステル)としては、例えば、酢酸エステル化澱粉リン酸エステル化澱粉コハク酸エステル化澱粉、アジピン酸エステル化澱粉、硝酸エステル化澱粉、キサントゲン酸エステル化澱粉などを挙げることができる。また、架橋澱粉としては、例えば、ホルムアルデヒド架橋澱粉、リン酸架橋澱粉エピクロルヒドリン架橋澱粉、アクロレイン架橋澱粉などを挙げることができる。また、本発明では、前記した種々のエーテル化、エステル化および架橋処理のうちの2つ以上の処理を施してなる化工澱粉、例えば、エーテル化処理と架橋処理の両方を施してなる化工澱粉、エステル化処理と架橋処理の両方を施してなる化工澱粉、エーテル化処理とエステル化処理の両方を施してなる化工澱粉などを用いてもよく、具体例としては、ヒドロキシプロピルエーテル化処理、カルボキシメチルエーテル化処理、カルボキシエチルエーテル化処理、ヒドロキシエチルエーテル化処理、アリルエーテル化処理、メチルエーテル化処理などのエーテル化処理とリン酸架橋、ホルムアルデヒド架橋、エピクロルヒドリン架橋、アクロレイン架橋などの架橋処理の両方を行って得られたエーテル化・架橋処理化工澱粉などを挙げることができる。本発明では、前記した化工澱粉のうちの1種のみを用いてもまたは2種以上を併用してもよい。そのうちでも、本発明では、化工澱粉として、ヒドロキシプロピルエーテル化澱粉、リン酸架橋処理澱粉、およびヒドロキシプロピルエーテル化とリン酸架橋の両方を行った澱粉のうちの1種または2種以上が、カレー風味のペースト状組成物により良好な冷凍耐性、機械耐性、耐熱性、耐老化性などの特性を付与することができ、しかも少量で目的の効果が得られるために風味や食感などに対する悪影響がないことから好ましく用いられる。

0012

本発明のカレー風味のペースト状組成物中における化工澱粉の含有量は、ペースト状組成物の組成、用途、使用形態などに応じて調節し得るが、一般には、カレー風味のペースト状組成物100重量部に対して、1〜15重量部であることが好ましく、2〜7重量部であることがより好ましい。カレー風味のペースト状組成物100重量部に対して、化工澱粉の含有量が1重量部よりも少ないと、冷凍耐性、機械耐性、耐熱性、耐老化性などの効果が十分に得られにくくなり、一方15重量部よりも多いと、ペースト状組成物が硬くなったり、食感がっぽくなったりして、取り扱い性、食感などが低下し易くなる。

0013

本発明のカレー風味のペースト状組成物は、100℃以下の比較的低温での熱処理によって加熱調理されていてもよいが、調理時または調理後に100℃を超える高温、好ましくは100〜130℃、より好ましくは110〜120℃でレトルト処理されていることが、冷凍耐性、機械耐性、耐熱性、耐老化性が一層良好になるので好ましい。そして、本発明のカレー風味のペースト状組成物、特にレトルト処理されたものにおいては、ペースト状組成物中に含有されている化工澱粉が粒子状態を維持しながら、膨潤した状態でペースト状組成物の本体(ボディ)を形成していることが、冷凍耐性、機械耐性、耐熱性、耐老化性などの特性がより一層良好に保たれるので好ましい。レトルト処理する場合に、その処理温度が高すぎると(特に130℃よりも高温であると)、また処理時間が長すぎると、化工澱粉の粒子崩壊して粒子状態を保ちにくくなるので注意を要する。なお、本明細書でいう「化工澱粉が粒子状態を保って膨潤している」とは、ペースト状組成物を採取してそれを光学顕微鏡を用いて観察したときに、ペースト状組成物中に含まれる化工澱粉粒子の大半(90%以上)が、崩壊しておらず、澱粉粒子の状態を維持しながら、膨潤して、元(ペースト状組成物中に加える前)の化工澱粉粒子よりも大きな粒子になっていることを意味する。

0014

本発明のカレー風味のペースト状組成物が、化工澱粉を含有することによって冷凍耐性、機械耐性、耐熱性、耐老化性などの特性に優れたものとなる理由は定かではないが、以下のように推測される。すなわち、カレー風味のペースト状組成物中において、化工澱粉はボディの主体を成しており、とりわけレトルト処理をしたものでは化工澱粉粒子が粒子状態を維持しながら高温での加熱により膨潤してボディを形成しており、そのような化工澱粉粒子が、高い保水性能を有し且つ老化しにくいために、長期間にわたる冷凍保存、冷解凍の繰り返し、包あん機などによる機械的なストレスなどに対して高い耐性ペースト組成物に付与するものと推測される。

0015

本発明のカレー風味のペースト状組成物は、化工澱粉と共に、ペースト状組成物にカレー風味を付与するためのカレー粉などの香辛料を含有する。ペースト状組成物にカレー風味を付与するための香辛料の種類や量などは特に制限されず、従来のカレー風味のペースト状組成物におけるのと同様にすることができる。また、本発明のカレー風味のペースト状組成物は、化工澱粉およびカレー粉などの香辛料と共に、ペースト状組成物の用途や使用形態などに応じて、必要に応じて他の成分を含有することができる。本発明のカレー風味のペースト状組成物は、例えば、肉類魚介類野菜類などの各種の具材、ペースト状組成物に含有させた具材が、容器への充填時や、その他の取り扱い時、保存時などに沈降しないようにするために、またはレトルト処理などの加熱処理後のペースト状組成物を安定化させるために、小麦粉、天然澱粉類、デキストリン類、油脂と小麦粉とを焙焼したルウ、α化澱粉、パン粉キサンタンガムなどの増粘多糖類乳化剤類などの1種または2種以上を必要に応じて含有していることができる。さらに、本発明のカレー風味のペースト状組成物は、風味付けのための油脂類、肉類、乳製品、野菜類、果実類塩類香料エキス類調味料、糖類などを必要に応じて含有することができる。さらに、本発明のカレー風味のペースト状組成物は、植物性蛋白質着色料保存料酸化防止剤などの1種または2種以上を必要に応じて含有していてもよい。

0016

本発明のカレー風味のペースト状組成物の製造方法は特に制限されず、カレー風味のペースト状組成物の用途、使用形態などに応じて、従来から使用されていたカレー風味のペースト状組成物の製造法のいずれを採用して行ってもよく、例えば次のようにして製造することができる。まず、加熱した油脂中に肉類、野菜類等を加えて十分に炒めた後、化工澱粉、および必要に応じて小麦粉を加えて十分混合し、カレー粉および水、さらに必要に応じて調味料、糖類、コショウ唐辛子等の香辛料、食塩などを加えて、100℃以下の温度、好ましくは60℃〜80℃程度まで加熱して調理する。これをレトルトパウチに充填し、110〜120℃で、10〜30分間レトルト処理により加熱し、その後に冷却することによって、本発明のカレー風味のペースト状組成物を得ることができる。

0017

本発明のカレー風味のペースト状組成物の使用形態は特に制限されず、例えば、そのまま単独で冷凍してもよいし、フィリング材としてペースト状組成物をパン生地や饅頭生地などで包んだ後に冷凍してもよいし、パン生地、パイ生地ピザ生地頭などの上にトッピング材として塗った後に冷凍してもよいし、冷凍カレーうどん用としてうどんと共に冷凍してもよいし、常温または冷蔵温度でそのまま保存・流通してもよい。また、本発明のカレー風味のペースト状組成物は、ペースト状組成物の形態で包あん機などを使用してパン生地や饅頭生地などで包んだ後、それを常温、冷蔵温度または冷凍状態で保存・流通してもよい。そのうちでも、本発明のカレー風味のペースト状組成物は冷凍するか、または包あん機による包あん操作に用いるのが、その優れた冷凍耐性、機械耐性、耐熱性、耐老化性などの特性を一層活かすことができるので好ましい。

0018

以下に実施例などにより本発明を具体的に説明するが、本発明はそれらの例に何ら限定されるものではない。なお、以下の例において、部は特に断らない限り重量部を示す。

0019

《実施例1〜3および比較例1〜2》[カレー風味のペースト状組成物の製造]
以下の表1に示すペースト状組成物の配合を用いて、次のようにしてカレー風味のペースト状組成物を製造した。まず、精製ラード加熱溶融し、これに牛ミンチ肉馬鈴薯人参玉ねぎを加え十分に炒めた後、化工澱粉および小麦粉を加えて混合し、これにウスターソーストマトケチャップおよび/またはリンゴピューレと、水、カレー粉、唐辛子粉末、コショウ、上白糖、および食塩を加えて、60℃まで加熱して、同温度で10分間加熱調理した。次に、それをレトルトパウチに充填して、120℃で20分間レトルト加熱処理した後、冷却して、カレー風味のペースト状組成物をそれぞれ製造した。なお、比較例1および2では、下記の表1に示すように、化工澱粉を用いずに、小麦粉とコーンスターチを使用した。実施例1〜3および比較例1〜2で得られたカレー風味のペースト状組成物の一部を採取して光学顕微鏡(オリンパス社製)を使用して観察した。その結果、実施例1〜3で得られたカレー風味のペースト状組成物では、いずれも、ペースト状組成物中に添加した化工澱粉が粒子状を保ちながら膨潤状態をなしていたが、比較例1と2のカレー風味のペースト状組成物では澱粉粒子は観察されず、澱粉は非晶質(アモルファス)状態を呈し、凝集していた。

0020

0021

《使用例1》[成形冷凍カレードーナツの製造]
(1) 下記の表2に示す生地配合(70%中種法)を用いて、以下の工程にて、カレードーナツ用のパン生地を製造した。

0022

0023

[パン生地の製造工程]
(i)中種ミキシング:低速で2分および中速で2分混捏(捏上温度26℃)
(ii)中種発酵:28℃で3時間
(iii)本捏ミキシング:マーガリン以外の原料を混合して低速で2分、中速で2分および高速で3分混捏した後、マーガリンを投入して低速で2分、中速で2分および高速で2分混捏(捏上温度24℃)
(iv)フロアタイム:15分間
(v)パンチガス抜き):1分間

0024

(2) 実施例1〜3および比較例1〜2で製造したカレー風味のペースト状組成物を、包あん機[レオ自動機(株)製「CN−200型」]を使用して、生地50g当たりペースト状組成物30gの割合で包あん成型した後、−30℃にて2時間急速冷凍した後、冷凍庫(−20℃)にて3週間保存した。
(3) 上記(2)で得られた冷凍品を、室温で3時間解凍した後、ホイロに入れて40℃で50分間発酵させた後、大豆白絞油を用いて180℃にて3分間油揚げして、カレードーナツを製造した。
(4) 上記(3)で得られたカレードーナツのフィリング部分、即ちカレー風味のペースト状組成物の部分の品質を、下記の表3に示す評価基準にしたがって10名のパネラーにより点数評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表4に示すとおりであった。

0025

0026

0027

上記の表4の結果から、化工澱粉を含有する実施例1〜3のカレー風味のペースト状組成物を用いて得られた実験番号1〜3のカレードーナツでは、包あん機による包あん操作を受け且つ包あん後に冷凍したにも拘わらず、フィリング部をなすカレー風味のペースト状組成物において水分離が全く生じておらず、変質がなく、しかもカレー本来の良好な風味を保ち且つ滑らかで非常にジューシーとろけるような良好な食感を有していることがわかる。これに対して、化工澱粉を含有せず、小麦粉およびコーンスターチを用いて製造した比較例1および2のカレー風味のペースト状組成物を用いて得られた実験番号4および5のカレードーナツでは、フィリング部をなすカレー風味のペースト状組成物において水分離が生じていて変質しており、しかも風味および食感の低下が生じている。

0028

《使用例2》[焼成後冷凍カレーピザの製造]
(1) 市販のピザクラストチルド品)を使用し、これに実施例1〜3および比較例1〜2で製造したカレー風味のペースト状組成物を約3mmの厚さにトッピングした後、300℃のオーブンにて5分間焼成してカレーピザを製造した。
(2) 上記(1)で得られたカレービザを、−30℃にて2時間急速凍結した後、冷凍庫(−20℃)にて1ヶ月保存した。
(3) 上記(2)の冷凍ピザを電子レンジ(500W)にて3分間加熱し、得られたカレーピザのトッピング部分、即ちカレー風味のペースト状組成物の部分の品質を上記の表3に示した評価基準にしたがって10名のパネラーに評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表5に示すとおりであった。

0029

0030

上記の表5の結果から、化工澱粉を含有する実施例1〜3のカレー風味のペースト状組成物を用いて得られた実験番号6〜8のカレーピザでは、カレー風味のペースト状組成物によりトッピングし焼成した後に冷凍したにも拘わらず、トッピング部分をなすカレー風味のペースト状組成物において水分離が全く生じていないか又は殆ど生じておらず、目減りがなく、しかもカレー本来の良好な風味を保ち且つ滑らかでジューシーなとろけるような良好な食感を有していることがわかる。これに対して、化工澱粉を含有せず、小麦粉およびコーンスターチを用いて製造した比較例1および2のカレー風味のペースト状組成物を用いて得られた実験番号9および10のカレーピザでは、トッピング部をなすカレー風味のペースト状組成物において水分離が生じていて変質しており、目減りが大きく、しかも風味および食感の低下が大きいことがわかる。

0031

《使用例3》[成型冷凍カレーパイの製造]
(1)包あん機用の冷凍練りパイ生地化学工業(株)製「HNP」]を冷蔵庫にて1晩おいて解凍したものを使用して、包あん機[レオン自動機(株)製「CN−200型」]により、実施例1〜3および比較例1〜2で製造したカレー風味のペースト状組成物15gをパイ生地30gで包あんして、円盤状に成型し、−30℃にて2時間急速凍結した後、冷凍庫(−20℃)にて1ヶ月保存した。
(2) 上記(1)で得られた冷凍カレーパイを、凍ったまま200℃のオーブンにて15分間焼成してカレーパイを得た。
(3) 上記(2)で得られたカレーパイのフィリング部分、即ちカレー風味のペースト状組成物の部分の品質を、上記の表3に示す評価基準にしたがって10名のパネラーにより点数評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表6に示すとおりであった。

0032

0033

上記の表6の結果から、化工澱粉を含有する実施例1〜3のカレー風味のペースト状組成物を用いて得られた実験番号11〜13のカレーパイでは、包あん機による包あん操作を受け且つ包あん後に冷凍したにも拘わらず、フィリング部をなすカレー風味のペースト状組成物において水分離が全く生じておらず、変質がなく、しかもカレー本来の良好な風味を保ち且つ滑らかで非常にジューシーでとろけるような良好な食感を有していることがわかる。これに対して、化工澱粉を含有せず、小麦粉およびコーンスターチを用いて製造した比較例1および2のカレー風味のペースト状組成物を用いて得られた実験番号14および15のカレーパイでは、フィリング部をなすカレー風味のペースト状組成物において水分離が生じていて変質しており、しかも風味および食感の低下が生じている。

発明の効果

0034

化工澱粉を含有する本発明のカレー風味のペースト状組成物は、冷凍耐性に優れていて、冷凍生地法によるパン類、饅頭類、ピザ類パイ類などのベーカリー製品の製造に用いても、また冷凍うどんなどの他の冷凍加工食品に用いても、冷凍保存、冷解凍の繰り返しなどによって、水分の分離、組織の変質、ぼそつき、目減りなどが生じず、カレー本来の良好な風味を有し、しかも非常に滑らかで、ジューシーで、とろけるような良好な食感を維持している。さらに、化工澱粉を含有する本発明のカレー風味のペースト状組成物は、包あん機などの機械による操作によって剪断力などを受けても、ストレスによる品質の低下がなく、水分の分離、組織の変質、ぼそつき、目減りなどを生じず、カレー本来の良好な風味を有し、非常に滑らかで、ジューシーで、とろけるような良好な食感を保っている。また、本発明のカレー風味のペースト状組成物は、耐熱性、耐老化性などの特性においても優れている。本発明のカレー風味のペースト状組成物は、上記した優れた特性を活かして、調理パン、カレードーナツ、カレー饅頭、ピザ、パイなどのベーカリー製品、カレーうどんなどの麺類製品をはじめとして、種々の食品分野に有効に用いることができる。

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