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技術 動画像符号化および復号化装置

出願人 日本電気株式会社
発明者 遠藤幸男
出願日 2000年2月15日 (20年10ヶ月経過) 出願番号 2000-036687
公開日 2001年8月24日 (19年4ヶ月経過) 公開番号 2001-231045
状態 拒絶査定
技術分野 映像信号回路 カラーテレビジョン方式 TV信号の圧縮,符号化方式 TV信号の圧縮,符号化方式
主要キーワード バイナリツリー 最適ゲイン 高速探索 ゲイン補償器 蛍光灯照明下 コサイン関数 木探索 零ベクトル
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

動きベクトルにもかかわらず大きなフレーム間差分が生じても効率的な動画像伝送を可能とする動画像符号化および復号化装置を提供する。

解決手段

分割された小ブロックごとに、動画像入力データ10とフレームメモリ13に蓄積された前フレーム局所復号動画像データ14とからME11において動きベクトル15を検出し、GE60において動画像入力データ10との差分絶対値和が最小となる前フレームの局所復号動画像データ14の各輝度信号画素乗算する係数である輝度ゲイン63を検出する。検出した動きベクトル15が零ベクトルのとき、MC16で動き補償した動き補償動画像データ17に対して輝度ゲイン63でゲイ補償したゲイン補償動画像データ64を生成し、これを基準にフレーム間差分データ65を生成して時間的冗長を削除し、この輝度ゲイン63を動きベクトル15とともに可変長符号化器61で統計的情報圧縮を行って動画像復号化装置通知する。

概要

背景

近年、デジタルデータ伝送の提供を可能とする総合サービスデジタル通信網(Integrated Services Digital Network:以下、ISDNと略す。)回線パケット化されたデータを伝送するIP(Internet Protocol)ネットワークの普及により、情報処理技術の高度化および高速化とあいまって、ビデオコミュニケーション遠隔画像監視といった動画像データの伝送を行うシステムの利用が急速に拡大している。この伝送される動画像データは符号化装置で情報量を圧縮するために符号化することで、低ビットレートのネットワークであっても良好な画像品質を実現することができる。この動画像データの符号化技術としては、例えば国際電気通信連合電気通信標準化部門(International Telecommunication Union-Telecommunication Standardization Sector:以下、ITU−Tと略す。)勧告H.261やH.263で採用されている技術がある。

ITU−T勧告H.261やH.263は、主にテレビ会議テレビ電話といったカラー映像信号デジタル符号化を規定する。すなわち、動き補償フレーム間予測技術と離散コサイン変換(Discrete Cosine Transform:以下、DCTと略す。)技術とにより、画像信号を高能率で符号化し、比較的低い伝送速度で良好な画像品質と、短時間の符号化および復号化処理両立する。

図4は、従来の動画像データの符号化を行う動画像符号化装置の構成の概要を表わしたものである。この動画像符号化装置において、伝送すべき動画像が所定の小ブロック単位に分割された動画像入力データ10は、動きベクトル検出器(Motion Estimation:以下、MEと略す。)11と、差分器12とに入力される。ME11は、動画像入力データ10と、フレームメモリ13に蓄積された前フレーム局所復号動画像データ14とから、動きベクトル15を検出する。動きベクトルは、現フレームと前フレームとの間の画素値の空間的なずれを2次元動き情報であって、あるフレーム内の画像が次のフレーム内のどの位置に移動したかを示す。前フレームの局所復号動画像データ14と動きベクトル15とは、動き補償器(Motion Compensation:以下、MCと略す。)16に入力される。MC16は、前フレームの局所復号動画像データ14を動きベクトル15で補償し、動き補償動画像データ17として出力する。動き補償動画像データ17は、差分器12と、加算器18とに入力される。

差分器12は、動画像入力データ10と、動き補償動画像データ17との差分を算出し、フレーム間差分データ19としてDCT回路20に供給する。DCT回路20は、フレーム間差分データ19に対して直行変換としてのDCTを行う。これにより、フレーム間差分データ19から各周波数成分コサイン関数係数として変換されたDCTデータ21が得られる。自然画像では、画素ごとに近い周波数成分を有していることが知られており、このDCTによって得られた係数は、DC成分といったある特定の周波数成分の係数周辺部に集中する。したがって、このDCTデータ21は、量子化器22で量子化されると、この集中した係数周辺部のみが残る。量子化器22で量子化された量子化データ23は、逆量子化器24と可変長符号化器25とに入力される。

逆量子化器24は、量子化器22で行った量子化とは逆の逆量子化を行ってDCTデータ21に相当する逆量子化データ26を生成し、逆DCT回路27に供給する。逆DCT回路27は、DCT回路20で行ったDCTに対応する逆DCTを行って、逆DCTデータ28を生成する。逆DCTデータ28は、加算器18に入力される。加算器18は、逆DCTデータ28と動き補償動画像データ17とを加算して、局所復号動画像データ29を生成する。局所復号動画像データ29は、フレームメモリ13に入力され、次のフレームタイミングで、前フレームの局所復号動画像データ14として出力される。

可変長符号化器25は、量子化データ23と動きベクトル15とから、統計的情報圧縮を行って、符号化出力データ30を出力する。

このような構成の動画像符号化装置は、動画像入力データ10と前フレームの局所復号化データ14における各フレーム内の同一画像位置関係を示すME11で動きベクトル15を検出し、まず動き補償器16で動き補償動画像データ17と動画像入力データ10との間のフレーム間差分データ19を生成する。すなわち、前フレームの局所復号動画像データ14から動きベクトル15に基づいた予測画像データである動き補償動画像データ17を基準に、その差分だけを求める。これにより、伝送すべき情報の時間軸方向冗長を低減する。

さらに動画像符号化装置は、フレーム間差分データ19に対してDCT回路20によりDCTを行って、変換された各周波数成分のコサイン関数同士が互いに関連性があるという画像データの特性を利用し、量子化器22で量子化することによって、復号化しても画質に影響を与えないコサイン関数の周波数成分を除去することによって、伝送すべきDCTデータ21の量をさらに削除する。そして、可変長符号化器25で、これと動きベクトル15とを統計的情報圧縮を行って伝送する。これにより、伝送すべき情報の空間軸方向の冗長を低減する。

このように符号化された符号化出力データ30は、例えばISDN回線IPネットワークを介して伝送され、動画像復号化装置で受信される。動画像復号化装置では、動画像符号化装置と逆の手順で、可変長復号化、逆量子化、逆DCT、動き補償を経て、受信した動画像の復号化を行う。

このような動画像符号化および復号化装置については、種々提案されている。例えば特開平5−95545号公報「画像信号の高能率符号化および復号化装置」には、MPEG(Moving Picture Experts Group)の画像による高能率符号化において、動きの少ない画像と動きの多い画像が混在した動画像であっても、各ブロックを2分割して一方から他方を動き予測可能とする第1のモードと、2分割しない第2のモードとを適応的に切り替えることで、効率良く動画像を符号化する技術が開示されている。

また、特開平7−30896号公報「動きベクトル符号化および復号化方法」には、ブロックごとに検出した動きベクトルと1フレーム前の同じブロックの動きベクトルとの差分である差分動きベクトルを検出することによって、差分動きベクトルの大小に応じて符号化を変更し、高能率符号化を実現する技術が開示されている。

概要

動きベクトルがにもかかわらず大きなフレーム間差分が生じても効率的な動画像伝送を可能とする動画像符号化および復号化装置を提供する。

分割された小ブロックごとに、動画像入力データ10とフレームメモリ13に蓄積された前フレームの局所復号動画像データ14とからME11において動きベクトル15を検出し、GE60において動画像入力データ10との差分絶対値和が最小となる前フレームの局所復号動画像データ14の各輝度信号画素に乗算する係数である輝度ゲイン63を検出する。検出した動きベクトル15が零ベクトルのとき、MC16で動き補償した動き補償動画像データ17に対して輝度ゲイン63でゲイン補償したゲイン補償動画像データ64を生成し、これを基準にフレーム間差分データ65を生成して時間的冗長を削除し、この輝度ゲイン63を動きベクトル15とともに可変長符号化器61で統計的情報圧縮を行って動画像復号化装置に通知する。

目的

そこで本発明の目的は、動きベクトルが零にもかかわらず大きなフレーム間差分が生じても効率的な動画像伝送を可能とする動画像符号化および復号化装置を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
5件

この技術が所属する分野

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請求項1

フレーム前の動画像データを蓄積するフレームメモリと、入力された動画像データとこのフレームメモリに蓄積された前記1フレーム前の動画像データとから各フレーム間の画素値の空間的なずれを示す動きベクトルを検出する動きベクトル検出手段と、前記入力された動画像データと前記1フレーム前の動画像データの各フレーム間の各画素輝度変化が最小となるように前記1フレーム前の動画像データの補償すべきゲインを検出するゲイン検出手段と、前記動きベクトル検出手段によって検出された前記動きベクトルが零ベクトルのとき前記ゲイン検出手段によって検出された前記ゲインに基づいて前記1フレーム前の動画像データをゲイン補償するゲイン補償手段と、前記入力された動画像データと前記ゲイン補償手段によってゲイン補償された画像データとの差分であるフレーム間差分データを生成するフレーム間差分データ生成手段と、このフレーム間差分データ生成手段によって生成された前記フレーム間差分データと前記動きベクトルと前記ゲインとを符号化して送信する送信手段とを具備することを特徴とする動画像符号化装置

請求項2

1フレーム前の動画像データを蓄積するフレームメモリと、入力された動画像データとこのフレームメモリに蓄積された前記1フレーム前の動画像データとから各フレーム間の画素値の空間的なずれを示す動きベクトルを検出する動きベクトル検出手段と、前記入力された動画像データと前記1フレーム前の動画像データの各フレーム間の各画素の輝度変化が最小となるように前記1フレーム前の動画像データの補償すべきゲインを検出するゲイン検出手段と、前記動きベクトル検出手段によって検出された前記動きベクトルに基づいて前記1フレーム前の動画像データを動き補償する動き補償手段と、前記ゲイン検出手段によって検出された前記ゲインに基づいてこの動き補償手段によって動き補償された動画像データをゲイン補償するゲイン補償手段と、前記入力された動画像データとこのゲイン補償手段によってゲイン補償された画像データとの差分であるフレーム間差分データを生成するフレーム間差分データ生成手段と、このフレーム間差分データ生成手段によって生成された前記フレーム間差分データと前記動きベクトルと前記ゲインとを符号化して送信する送信手段とを具備することを特徴とする動画像符号化装置。

請求項3

前記フレーム間差分データを直交変換する直交変換手段と、この直交変換手段の変換データ量子化する量子化手段とを備え、前記送信手段は前記量子化手段で量子化された量子化データと前記動きベクトルと前記ゲインとから各発生頻度に応じて符号化して送信することを特徴とする請求項2記載の動画像符号化装置。

請求項4

1フレーム前の動画像データを蓄積するフレームメモリと、入力された符号化データから符号動画像データと、前記1フレーム前の動画像データとの間の画素値の空間的なずれを示す動きベクトルと、前記1フレーム前の動画像データとの間の各画素の輝度変化が最小となる前記1フレーム前の動画像データの補償すべきゲインとを抽出する抽出手段と、この抽出手段によって抽出された前記動きベクトルが零ベクトルのとき前記1フレーム前の動画像データを前記ゲインに基づいてゲイン補償するゲイン補償手段と、このゲイン補償手段でゲイン補償された画像データと前記符号動画像データとから復号動画像データを生成する復号動画像データ生成手段とを具備することを特徴とする動画像復号化装置

請求項5

1フレーム前の動画像データを蓄積するフレームメモリと、入力された符号化データから符号動画像データと、前記1フレーム前の動画像データとの間の画素値の空間的なずれを示す動きベクトルと、前記1フレーム前の動画像データとの間の各画素の輝度変化が最小となる前記1フレーム前の動画像データの補償すべきゲインとを抽出する抽出手段と、この抽出手段によって抽出された前記動きベクトルに基づいて前記1フレーム前の動画像データを動き補償する動き補償手段と、この動き補償手段によって動き補償された画像データを前記ゲインに基づいてゲイン補償するゲイン補償手段と、このゲイン補償手段でゲイン補償された画像データと前記符号動画像データとから復号動画像データを生成する復号動画像データ生成手段とを具備することを特徴とする動画像復号化装置。

請求項6

前記抽出手段によって抽出された前記符号動画像データを逆量子化する逆量子化手段と、この逆量子化手段によって逆量子化された逆量子化データ直交逆変換する直交逆変換手段とを備え、前記復号動画像データ生成手段は前記直交逆変換手段によって直交逆変換された画像データと前記ゲイン補償手段でゲイン補償された画像データとから復号動画像データを生成することを特徴とする請求項4または5記載の動画像復号化装置。

請求項7

前記送信手段は前記動きベクトルが零ベクトルのときのみ前記ゲインを符号化して送信するものであることを特徴とする請求項3記載の動画像符号化装置。

請求項8

前記送信手段は前記動きベクトルが零ベクトルのとき前記動きベクトルに代えて前記ゲインを符号化して送信するものであることを特徴とする請求項3記載の動画像符号化装置。

技術分野

0001

本発明は動画像信号伝送するための動画像符号化および復号化装置に係わり、詳細には前フレームの動画像信号との間で検出した動きベクトルに基づいて高能率で動画像信号を伝送するための動画像符号化および復号化装置に関する。

背景技術

0002

近年、デジタルデータ伝送の提供を可能とする総合サービスデジタル通信網(Integrated Services Digital Network:以下、ISDNと略す。)回線パケット化されたデータを伝送するIP(Internet Protocol)ネットワークの普及により、情報処理技術の高度化および高速化とあいまって、ビデオコミュニケーション遠隔画像監視といった動画像データの伝送を行うシステムの利用が急速に拡大している。この伝送される動画像データは符号化装置で情報量を圧縮するために符号化することで、低ビットレートのネットワークであっても良好な画像品質を実現することができる。この動画像データの符号化技術としては、例えば国際電気通信連合電気通信標準化部門(International Telecommunication Union-Telecommunication Standardization Sector:以下、ITU−Tと略す。)勧告H.261やH.263で採用されている技術がある。

0003

ITU−T勧告H.261やH.263は、主にテレビ会議テレビ電話といったカラー映像信号デジタル符号化を規定する。すなわち、動き補償フレーム間予測技術と離散コサイン変換(Discrete Cosine Transform:以下、DCTと略す。)技術とにより、画像信号を高能率で符号化し、比較的低い伝送速度で良好な画像品質と、短時間の符号化および復号化処理両立する。

0004

図4は、従来の動画像データの符号化を行う動画像符号化装置の構成の概要を表わしたものである。この動画像符号化装置において、伝送すべき動画像が所定の小ブロック単位に分割された動画像入力データ10は、動きベクトル検出器(Motion Estimation:以下、MEと略す。)11と、差分器12とに入力される。ME11は、動画像入力データ10と、フレームメモリ13に蓄積された前フレームの局所復号動画像データ14とから、動きベクトル15を検出する。動きベクトルは、現フレームと前フレームとの間の画素値の空間的なずれを2次元動き情報であって、あるフレーム内の画像が次のフレーム内のどの位置に移動したかを示す。前フレームの局所復号動画像データ14と動きベクトル15とは、動き補償器(Motion Compensation:以下、MCと略す。)16に入力される。MC16は、前フレームの局所復号動画像データ14を動きベクトル15で補償し、動き補償動画像データ17として出力する。動き補償動画像データ17は、差分器12と、加算器18とに入力される。

0005

差分器12は、動画像入力データ10と、動き補償動画像データ17との差分を算出し、フレーム間差分データ19としてDCT回路20に供給する。DCT回路20は、フレーム間差分データ19に対して直行変換としてのDCTを行う。これにより、フレーム間差分データ19から各周波数成分コサイン関数係数として変換されたDCTデータ21が得られる。自然画像では、画素ごとに近い周波数成分を有していることが知られており、このDCTによって得られた係数は、DC成分といったある特定の周波数成分の係数周辺部に集中する。したがって、このDCTデータ21は、量子化器22で量子化されると、この集中した係数周辺部のみが残る。量子化器22で量子化された量子化データ23は、逆量子化器24と可変長符号化器25とに入力される。

0006

逆量子化器24は、量子化器22で行った量子化とは逆の逆量子化を行ってDCTデータ21に相当する逆量子化データ26を生成し、逆DCT回路27に供給する。逆DCT回路27は、DCT回路20で行ったDCTに対応する逆DCTを行って、逆DCTデータ28を生成する。逆DCTデータ28は、加算器18に入力される。加算器18は、逆DCTデータ28と動き補償動画像データ17とを加算して、局所復号動画像データ29を生成する。局所復号動画像データ29は、フレームメモリ13に入力され、次のフレームタイミングで、前フレームの局所復号動画像データ14として出力される。

0007

可変長符号化器25は、量子化データ23と動きベクトル15とから、統計的情報圧縮を行って、符号化出力データ30を出力する。

0008

このような構成の動画像符号化装置は、動画像入力データ10と前フレームの局所復号化データ14における各フレーム内の同一画像位置関係を示すME11で動きベクトル15を検出し、まず動き補償器16で動き補償動画像データ17と動画像入力データ10との間のフレーム間差分データ19を生成する。すなわち、前フレームの局所復号動画像データ14から動きベクトル15に基づいた予測画像データである動き補償動画像データ17を基準に、その差分だけを求める。これにより、伝送すべき情報の時間軸方向冗長を低減する。

0009

さらに動画像符号化装置は、フレーム間差分データ19に対してDCT回路20によりDCTを行って、変換された各周波数成分のコサイン関数同士が互いに関連性があるという画像データの特性を利用し、量子化器22で量子化することによって、復号化しても画質に影響を与えないコサイン関数の周波数成分を除去することによって、伝送すべきDCTデータ21の量をさらに削除する。そして、可変長符号化器25で、これと動きベクトル15とを統計的情報圧縮を行って伝送する。これにより、伝送すべき情報の空間軸方向の冗長を低減する。

0010

このように符号化された符号化出力データ30は、例えばISDN回線IPネットワークを介して伝送され、動画像復号化装置で受信される。動画像復号化装置では、動画像符号化装置と逆の手順で、可変長復号化、逆量子化、逆DCT、動き補償を経て、受信した動画像の復号化を行う。

0011

このような動画像符号化および復号化装置については、種々提案されている。例えば特開平5−95545号公報「画像信号の高能率符号化および復号化装置」には、MPEG(Moving Picture Experts Group)の画像による高能率符号化において、動きの少ない画像と動きの多い画像が混在した動画像であっても、各ブロックを2分割して一方から他方を動き予測可能とする第1のモードと、2分割しない第2のモードとを適応的に切り替えることで、効率良く動画像を符号化する技術が開示されている。

0012

また、特開平7−30896号公報「動きベクトル符号化および復号化方法」には、ブロックごとに検出した動きベクトルと1フレーム前の同じブロックの動きベクトルとの差分である差分動きベクトルを検出することによって、差分動きベクトルの大小に応じて符号化を変更し、高能率符号化を実現する技術が開示されている。

発明が解決しようとする課題

0013

このように従来の動画像符号化装置では、動画像入力データと前フレームの局所復号動画像データから動きベクトルを求め、この動きベクトルで動き補償された前フレームの画像データとの間で差分を取るようにしたので、被写体が動いた場合であってもフレーム間差分を最小にし、伝送すべき情報量を大幅に低減することができる。

0014

しかしながら、例えばちらつき(flicker:以下、フリッカと略す。)のある蛍光灯による照明下カメラ動画像を符号化する場合、被写体の動きがなくても、時間的な輝度変化に伴うフレーム間差分信号が生じてしまうという問題がある。ここで、このフリッカによって生じる輝度変化について説明する。

0015

図5は、フリッカのある蛍光灯による照明下のカメラ動画像の一例を表わしたものである。カメラ動画像データ50は、所定のブロックごとに分割され、ここでは8×8ブロックに分割されている。カメラ動画像データ50内には三角形の図形である被写体51があり、ある時間におけるストライプ状のフリッカ52が発生している場合を示している。このとき、被写体51の一部に、ストライプ状のフリッカ52が重なっているため、正確な画像ではなくなっている。

0016

図6は、図5の前フレームにおけるフリッカのある蛍光灯による照明下のカメラ動画像の一例を表わしたものである。ここでは、ストライプ状のフリッカが時間的に上から下に移動しているため、前フレームの局所復号動画像データ55における被写体51の移動はないものの、ストライプ状のフリッカ56が発生する場所が異なる。すなわち、被写体51の一部にストライプ状のフリッカが重なる部分が異なっている。したがって、図5のカメラ動画像データ50と前フレームの局所復号動画像データ55における同一ブロック57に着目すると、被写体51の動きベクトルがであるにもかかわらず、大きな輝度変化が生じ、これにともなう大きなフレーム間差分信号が生じる。

0017

このように大きなフレーム間差分信号が生じることは、被写体の動きがないにもかかわらず動き補償による伝送情報圧縮の効果を期待できないことを意味し、効率的な動画像信号の伝送が不可能となる。

0018

そこで本発明の目的は、動きベクトルが零にもかかわらず大きなフレーム間差分が生じても効率的な動画像伝送を可能とする動画像符号化および復号化装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0019

請求項1記載の発明では、(イ)1フレーム前の動画像データを蓄積するフレームメモリと、(ロ)入力された動画像データとこのフレームメモリに蓄積された1フレーム前の動画像データとから各フレーム間の画素値の空間的なずれを示す動きベクトルを検出する動きベクトル検出手段と、(ハ)入力された動画像データと1フレーム前の動画像データの各フレーム間の各画素の輝度変化が最小となるように1フレーム前の動画像データの補償すべきゲインを検出するゲイン検出手段と、(ニ)動きベクトル検出手段によって検出された動きベクトルが零ベクトルのときゲイン検出手段によって検出されたゲインに基づいて1フレーム前の動画像データをゲイン補償するゲイン補償手段と、(ホ)入力された動画像データとゲイン補償手段によってゲイン補償された画像データとの差分であるフレーム間差分データを生成するフレーム間差分データ生成手段と、(ヘ)このフレーム間差分データ生成手段によって生成されたフレーム間差分データと動きベクトルとゲインとを符号化して送信する送信手段とを動画像符号化装置に具備させる。

0020

すなわち請求項1記載の発明では、ゲイン検出手段を設け、入力された動画像データとフレームメモリに蓄積された1フレーム前の動画像データの各フレーム間の各画素の輝度変化が最小となるように、1フレーム前の動画像データの補償すべきゲインを検出し、動きベクトル検出手段によって検出された動きベクトルが零ベクトルのときゲイン補償手段により、この検出されたゲインに基づいて1フレーム前の動画像データをゲイン補償させるようにした。そして、フレーム間差分データ生成手段により、入力された動画像データとゲイン補償手段によってゲイン補償された画像データとの差分であるフレーム間差分データを生成させ、これと動きベクトルとゲインとを符号化して復号化装置に対して送信させるようにした。

0021

請求項2記載の発明では、(イ)1フレーム前の動画像データを蓄積するフレームメモリと、(ロ)入力された動画像データとこのフレームメモリに蓄積された1フレーム前の動画像データとから各フレーム間の画素値の空間的なずれを示す動きベクトルを検出する動きベクトル検出手段と、(ハ)入力された動画像データと1フレーム前の動画像データの各フレーム間の各画素の輝度変化が最小となるように1フレーム前の動画像データの補償すべきゲインを検出するゲイン検出手段と、(ニ)動きベクトル検出手段によって検出された動きベクトルに基づいて1フレーム前の動画像データを動き補償する動き補償手段と、(ホ)ゲイン検出手段によって検出されたゲインに基づいてこの動き補償手段によって動き補償された動画像データをゲイン補償するゲイン補償手段と、(ヘ)入力された動画像データとこのゲイン補償手段によってゲイン補償された画像データとの差分であるフレーム間差分データを生成するフレーム間差分データ生成手段と、(ト)このフレーム間差分データ生成手段によって生成されたフレーム間差分データと動きベクトルとゲインとを符号化して送信する送信手段とを動画像符号化装置に具備させる。

0022

すなわち請求項2記載の発明では、入力された動画像データとフレームメモリに蓄積される1フレーム前の動画像データとに対して、動きベクトル検出手段により各フレーム間の画素値の空間的なずれを示す動きベクトルを検出させるとともに、ゲイン検出手段により各フレーム間の各画素の輝度変化が最小となるように1フレーム前の動画像データの補償すべきゲインを検出させるようにした。そして、1フレーム前の動画像データを検出された動きベクトルで動き補償し、これを検出されたゲインでゲイン補償し、フレーム間差分データ生成手段で入力される動画像データとの間のフレーム間差分データを生成させるようにした。そして、このフレーム間差分データと動きベクトルとゲインとを符号化して復号化装置に対して送信させるようにした。

0023

請求項3記載の発明では、請求項2記載の動画像符号化装置で、フレーム間差分データを直交変換する直交変換手段と、この直交変換手段の変換データを量子化する量子化手段とを備え、送信手段は量子化手段で量子化された量子化データと動きベクトルとゲインとから各発生頻度に応じて符号化して送信することを特徴としている。

0024

すなわち請求項3記載の発明では、直交変換手段によりフレーム間差分データを直交変換して、動画像データ特有の高い相関により、特定の変換係数に集中する。そして、これを量子化することで、丸め込みを行って空間的な冗長を除去し、さらにフレーム間差分データと動きベクトルとゲインとでその発生頻度に応じた符号化を行うことによって、さらに空間的な冗長を除去し、伝送すべき情報量を大幅に削減する。

0025

請求項4記載の発明では、(イ)1フレーム前の動画像データを蓄積するフレームメモリと、(ロ)入力された符号化データから符号動画像データと、1フレーム前の動画像データとの間の画素値の空間的なずれを示す動きベクトルと、1フレーム前の動画像データとの間の各画素の輝度変化が最小となる1フレーム前の動画像データの補償すべきゲインとを抽出する抽出手段と、(ハ)この抽出手段によって抽出された動きベクトルが零ベクトルのとき1フレーム前の動画像データをゲインに基づいてゲイン補償するゲイン補償手段と、(ニ)このゲイン補償手段でゲイン補償された画像データと符号動画像データとから復号動画像データを生成する復号動画像データ生成手段とを動画像復号化装置に具備させる。

0026

すなわち請求項4記載の発明では、抽出手段により、入力された符号化データから符号動画像データと、フレームメモリに蓄積された1フレーム前の動画像データとの間の画素値の空間的なずれを示す動きベクトルと、1フレーム前の動画像データとの間の各画素の輝度変化が最小となる1フレーム前の動画像データの補償すべきゲインとを抽出させるようにした。そして、この抽出手段によって抽出された動きベクトルが零ベクトルのとき1フレーム前の動画像データをゲインに基づいてゲイン補償し、これと符号動画像データとから復号動画像データを生成するようにした。

0027

請求項5記載の発明では、(イ)1フレーム前の動画像データを蓄積するフレームメモリと、(ロ)入力された符号化データから符号動画像データと、1フレーム前の動画像データとの間の画素値の空間的なずれを示す動きベクトルと、1フレーム前の動画像データとの間の各画素の輝度変化が最小となる1フレーム前の動画像データの補償すべきゲインとを抽出する抽出手段と、(ハ)この抽出手段によって抽出された動きベクトルに基づいて1フレーム前の動画像データを動き補償する動き補償手段と、(ニ)この動き補償手段によって動き補償された画像データをゲインに基づいてゲイン補償するゲイン補償手段と、(ホ)このゲイン補償手段でゲイン補償された画像データと符号動画像データとから復号動画像データを生成する復号動画像データ生成手段とを動画像復号化装置に具備させる。

0028

すなわち請求項5記載の発明では、抽出手段により、入力された符号化データから符号動画像データと、フレームメモリに蓄積された1フレーム前の動画像データとの間の画素値の空間的なずれを示す動きベクトルと、1フレーム前の動画像データとの間の各画素の輝度変化が最小となる1フレーム前の動画像データの補償すべきゲインとを抽出させるようにした。そして、この抽出手段によって抽出された動きベクトルに基づいて1フレーム前の動画像データを動き補償し、さらにこれを抽出手段によって抽出されたゲインに基づいてゲイン補償し、これと符号動画像データとから復号動画像データを生成するようにした。

0029

請求項6記載の発明では、請求項4または請求項5記載の動画像復号化装置で、抽出手段によって抽出された符号動画像データを逆量子化する逆量子化手段と、この逆量子化手段によって逆量子化された逆量子化データを直交逆変換する直交逆変換手段とを備え、復号動画像データ生成手段は直交逆変換手段によって直交逆変換された画像データとゲイン補償手段でゲイン補償された画像データとから復号動画像データを生成することを特徴としている。

0030

すなわち請求項6記載の発明では、直交逆変換手段により、直交変換および量子化されて情報圧縮が行われた符号動画像データの画素値に逆変換し、更に逆量子化を行うことで符号化されたフレーム間差分の動画像データを復元し、これとゲイン補償された動画像データとから復号動画像データを生成するようにした。

0031

請求項7記載の発明では、請求項3記載の動画像符号化装置で、送信手段は動きベクトルが零ベクトルのときのみゲインを符号化して送信するものであることを特徴としている。

0032

すなわち請求項7記載の発明では、動きベクトルが零ベクトルのときのみゲインを符号化して送信するようにしたので、さらに伝送すべき情報量を削減することができる。

0033

請求項8記載の発明では、請求項3記載の動画像符号化装置で、送信手段は動きベクトルが零ベクトルのとき動きベクトルに代えてゲインを符号化して送信するものであることを特徴としている。

0034

すなわち請求項8記載の発明では、動きベクトルが零ベクトルのとき動きベクトルに代えてゲインを符号化して送信するようにしたので、請求項7記載の発明に比べてさらに伝送すべき情報量の削減が可能となる。

0035

以下実施例につき本発明を詳細に説明する。

0037

図1は、本発明の一実施例における動画像符号化装置の構成の概要を表わしたものである。ただし、図4に示した従来の動画像符号化装置と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。本実施例における動画像符号化装置は、分割された小ブロック単位に、動画像入力データと前フレームの局所復号動画像データとから検出した動きベクトルに基づいて動き補償フレーム間符号化を行う際に、動きベクトルが零にもかかわらず大きなフレーム間差分信号を生じる小ブロックに対して、フレーム間差分信号が最小となる輝度ゲインを求め、この輝度ゲインで補償した前フレームの局所復号動画像データとの差分でフレーム間補償を行うとともに、求めた輝度ゲインを伝送することを特徴としている。以下、このような本実施例における動画像符号化装置について説明する。

0038

本実施例における動画像符号化装置では、伝送すべき動画像が所定の小ブロック単位に分割された動画像入力データ10は、ME11と、差分器12と、ゲイン検出器(Gain Estimation:以下、GEと略す。)60とに入力される。ME11は、動画像入力データ10と、フレームメモリ13に蓄積された前フレームの局所復号動画像データ14とから、動きベクトル15を検出する。検出された動きベクトル15は、MC16と、可変長符号化器61とに入力される。

0039

MC16は、前フレームの局所復号動画像データ14を動きベクトル15で補償し、動き補償動画像データ17として出力する。動き補償動画像データ17は、ゲイン補償器(Gain Compensation:以下、GCと略す。)62に入力される。

0040

GE60は、小ブロック化された局所復号動画像データ14の各輝度信号画素に対してある範囲の試行ゲインG(x)を乗算し、同様に小ブロック化された動画像入力データ10との間の評価値が最小となる試行ゲインを求めるとともに、このときの局所復号動画像データ14を補償すべき係数を輝度ゲイン63として検出する。この輝度ゲイン63は、GC62と、可変長符号化器61とに入力される。

0041

GC62は、ME11で検出された動きベクトル15が零ベクトルのとき、MC16で動き補償された動き補償動画像データ17に対してGE60より供給された輝度ゲイン63を用いてゲイン補償し、ゲイン補償動画像データ64として出力する。すなわち、GC62は、ME11によって検出された動きベクトル15が零ベクトルではないとき、MC16で動き補償された動き補償動画像データ16をゲイン補償動画像データ64としてそのまま出力し、動きベクトル15が零ベクトルのとき、MC16で動き補償された動き補償動画像データ16は前フレームの局所復号動画像データ14と同じものであることからこの前フレームの局所復号動画像データ14を輝度ゲイン63でゲイン補償した補償画像データをゲイン補償動画像データ64として出力する。このゲイン補償動画像データ64は、差分器12と、加算器18とに入力される。

0042

差分器12は、動画像入力データ10と、ゲイン補償動画像データ64との差分を算出し、フレーム間差分データ65としてDCT回路20に供給する。これにより、フレーム間差分データ65から各周波数成分のコサイン関数の係数として変換されたDCTデータ66が得られる。自然画像では、画素ごとに近い周波数成分を有していることが知られており、このDCTによって得られた係数は、DC成分といったある特定の周波数成分の係数周辺部に集中する。したがって、このDCTデータ66は、量子化器22で量子化されると、この集中した係数周辺部のみが残る。量子化器22で量子化された量子化データ67は、逆量子化器24と可変長符号化器61とに入力される。

0043

逆量子化器24は、量子化器22で行った量子化とは逆の逆量子化を行ってDCTデータ66に相当する逆量子化データ68を生成し、逆DCT回路27に供給する。逆DCT回路27は、DCT回路20で行ったDCTに対応する逆DCTを行って、逆DCTデータ69を生成する。逆DCTデータ69は、加算器18に入力される。加算器18は、逆DCTデータ69とゲイン動き補償動画像データ64とを加算して、局所復号動画像データ70を生成する。局所復号動画像データ70は、フレームメモリ13に入力され、次のフレームタイミングで、前フレームの局所復号動画像データ14として出力される。

0044

可変長符号化器61は、量子化データ67、動きベクトル15および輝度ゲイン63から、統計的情報圧縮を行って符号化出力データ71を出力する。

0045

このような構成の本実施例における動画像符号化装置において、ME11は、動画像入力データ10とフレームメモリ13に蓄積された前フレームの局所復号動画像データ14とを例えば16×16の小ブロックに分割し、この小ブロックごとに動きベクトル15を検出する。この動きベクトル15をMV(x,y)、小ブロックに分割された動画像入力データ10をA(i,j)、同様に小ブロックに分割された前フレームの局所復号動画像データ14をB(i,j)とすると、次の(1)式に示す差分絶対値和が最小となる(x,y)を算出することで求めることができる。

0046

MV(x,y)=min(Σ|A(i,j)−B(i+x,j+y)|)
…(1)

0047

ここで、(1)式に示す差分絶対値和の最小値が、MV(0,0)のとき、動きベクトル15が零となり小ブロック内における被写体の動きがないことを意味する。

0048

MC16は、フレームメモリ13に蓄積された前フレームの局所復号動画像データ14から、このようにして検出された動きベクトル15を用いて動き補償を行って予測画像データである動き補償動画像データ17を生成する。

0049

一方、GE60では、動画像入力データ10とフレームメモリ13に蓄積された前フレームの局所復号動画像データ14とを同様に分割された小ブロックごとに、輝度ゲイン63を検出する。例えば、小ブロック化された動画像入力データ10であるA(i,j)、小ブロック化された前フレームの局所復号動画像データ14であるB(i,j)について次の(2)式で示す評価関数を用い、この評価関数の評価値が最小となる試行ゲインを求めるとともに、このときの局所復号動画像データ14を補償すべき係数g(x)を輝度ゲイン63として検出する。

0050

G(x)=min(Σ|A(i,j)−g(x)・B(i,j)|)…(2)

0051

ここで、最適ゲインG(i)の探索は、±0.5、±0.25、・・・の木探索バイナリツリーサーチ)による高速探索を行う。また、g(x)は、次の範囲で探索するものとする。

0052

0.5≦g(x)≦2.0 …(3)

0053

GC62は、ME11で検出された動きベクトル15が零ベクトルのとき、このようにして検出された輝度ゲイン63を前フレームの局所復号動画像データ14と同じものである動き補償動画像データ17に乗算し、ゲイン補償動画像データ64を生成する。

0054

そして、このゲイン補償動画像データ64を用いて差分器12により、動画像入力データ10との間でフレーム間差分を取ることで、ゲイン補償動画像データ64を基準として動画像信号レベルの変動の冗長分が除去されたフレーム間差分データ65が生成される。フレーム間差分データ65は、DCT回路20によるDCTと、量子化器22による量子化により、空間的冗長が除去される。このようにして生成された量子化データ67は、逆量子化器24および逆DCT回路27で逆量子化と直交逆変換である逆DCTが行われ、これとゲイン補償動画像データ64と加算されることで、局所復号動画像データ70が生成され、次のフレームの符号化用にフレームメモリ13に格納される。

0055

可変長符号化器61は、時間的および空間的冗長が除去された量子化データ67と、ME11によって検出された動きベクトル15と、GE60によって検出された輝度ゲイン63とを、統計的情報圧縮を行う。この統計的情報圧縮は、情報圧縮すべき各データパターンの発生頻度を統計的に解析し、発生頻度の多いデータには短い符号語を、発生頻度の少ないデータには長い符号語を、それぞれ割り当てる、例えばハフマン符号からなる符号語列を符号化出力データ71として出力する。

0056

このように符号化された符号化出力データ71は、例えばISDN回線やIPネットワークを介して伝送され、動画像復号化装置で受信される。

0057

図2は、図1に示した本実施例における動画像符号化装置によって符号化された情報を受信して復号化する動画像復号化装置の構成の概要を表わしたものである。本実施例における動画像復号化装置では、動画符号化装置によって符号化され送信された可変長符号化データ80は、可変長復号化器81に入力される。可変長復号化器81は、図1に示した可変長符号化器61による符号化処理に対応した復号化処理によって、入力された可変長符号化データ80から符号化動画像データ82と、動きベクトル83と、輝度ゲイン84とを復号化して分離する。分離された符号化動画像データ82は、逆量子化器85に入力される。分離された動きベクトル83は、MC86に入力される。分離された輝度ゲイン84は、GC87に入力される。

0058

逆量子化器85は、図1に示した動画像符号化装置の逆量子化器24と同様に、量子化器22による量子化処理に対応した逆量子化を行い、DCTによる各周波数成分のコサイン関数ごとの係数である逆量子化データ88に変換する。この逆量子化データ88は、逆DCT回路89に入力される。

0059

逆DCT回路89は、図1に示した動画像符号化装置の逆DCT回路27と同様に、DCT回路20によるDCTに対応した逆DCTを行い、各小ブロックごとの画像データである逆DCTデータ90に変換する。この逆DCTデータ90は、加算器91に入力される。

0060

一方、MC86は、フレームメモリ92に蓄積された前フレームの局所復号動画像データ93から、可変長復号化器81で分離された動きベクトル83を用いて動き補償を行って予測画像データである動き補償動画像データ94を生成する。この動き補償動画像データ94は、GC87に入力される。GC87は、可変長復号化器81で分離された輝度ゲイン84をこの動き補償動画像データ94に乗算してゲイン補償を行い、ゲイン補償画像データ95を生成し、加算器91に供給する。加算器91は、逆DCTデータ90とゲイン補償画像データ95とを加算して、復号動画像データ96を生成する。この復号動画像データ96は、図示しない画像処理装置に対して出力されるとともに、次のフレームの復号化用にフレームメモリ92に格納される。

0061

以上説明したように本実施例における動画像符号化装置では、分割された小ブロックごとに、動画像入力データ10とフレームメモリ13に蓄積された前フレームの局所復号動画像データ14とからME11において動きベクトル15を検出するとともに、GE60において動画像入力データ10との差分絶対値和が最小となる前フレームの局所復号動画像データ14の各輝度信号画素に乗算する係数である輝度ゲイン63を検出するようにした。そして、検出した動きベクトル15が零ベクトルのとき、MC16で動き補償した動き補償動画像データ17に対して輝度ゲイン63でゲイン補償したゲイン補償動画像データ64を生成し、これを基準にフレーム間差分データ65を生成して時間的冗長を削除するとともに、この輝度ゲイン63を動きベクトル15とともに可変長符号化器61で統計的情報圧縮を行って動画像復号化装置に通知するようにした。動画像復号化装置では、受信した可変長符号化データ80から動きベクトル83と輝度ゲイン84とを分離し、それぞれフレームメモリ92に蓄積された前フレームの局所復号動画像データ14から動きベクトル83で動き補償を行い、さらに輝度ゲイン84でゲイン補償を行って、逆量子化および逆DCTによる復号化処理された復号データに加算して復号動画像データ96を生成するようにした。これにより、フリッカのある蛍光灯照明下のカメラ動画像を符号化する場合、被写体の動きがないにもかかわらずフリッカによる輝度変化にともなう大きなフレーム間差分の発生を回避することができ、劣悪な環境下の動画像についても効率的な情報圧縮を行うことが可能となる。

0062

変形例

0063

本実施例における動画像符号化装置では、フレームメモリ13に蓄積された前フレームの局所画像符号化データ14に対して、検出した動きベクトル15による動き補償を行った後、検出した輝度ゲイン63によるゲイン補償を行ったゲイン補償動画像データ64を基準に、動画像入力データ10との間のフレーム間差分データ65を生成するようにしていたが、これに限定されるものではない。

0064

図3は、本変形例における動画像符号化装置の構成の概要を表わしたものである。ただし、図1に示す本実施例における動画像符号化装置と同一部分には同一符号を付し、説明を省略する。本変形例における動画像符号化装置が本実施例における動画像符号化装置と異なる点は、フレームメモリ13に蓄積された前フレームの局所画像符号化データ14に対して、検出した輝度ゲイン63によるゲイン補償を行った後、検出した動きベクトル15による動き補償を行った動き補償動画像データを基準に、動画像入力データ10との間のフレーム間差分データ65を生成するところである。

0065

すなわちGC62は、ME11で検出された動きベクトル15が零ベクトルのとき、(2)式にしたがってGE60で検出された輝度ゲイン63を前フレームの局所復号動画像データ14に乗算し、ゲイン補償画像データ100を生成する。ゲイン補償画像データ100は、MC16に入力される。MC16は、ME11で検出された動きベクトル15を用いて動き補償を行って予測画像データである動き補償動画像データ101を生成する。この動き補償動画像データ101は、差分器12および加算器18に供給される。したがって、差分器12によりこの動き補償動画像データ101を基準に、動画像入力データ10との間でフレーム差分データ102が生成される。また、加算器18により、逆DCTデータ69と動き補償動画像データ101とを加算することにより、局所復号動画像データ103が生成され、次のフレームの符号化用にフレームメモリ13に格納される。

0066

また本変形例における動画像符号化装置によって送出される可変長符号化データを受信する動画像復号化装置についても、図示は省略するが、図2に示す本実施例における動画像復号化装置と異なり、フレームメモリ92に蓄積された前フレームの局所復号動画像データ93は、GC87で可変長復号化器81において復号され分離された輝度ゲイン84でゲイン補償された後、MC86で可変長復号化器81において復号され分離された動きベクトル83で動き補償される。そして、加算器91でこの動き補償された動き補償動画像データと、逆DCT回路89からの逆DCTデータ90とを加算することで、復号画像データが得られる。

0067

なお本実施例および本変形例における動画像符号化および復号化装置において、直交変換としてDCT、直交逆変換として逆DCTを行うものとして説明したが、これに限定されるものではない。例えば、他の直交変換であるフーリエ(Fourier)変換や、アダマール(Hadamard)変換あるいはウェーブレット(wavelet)変換と、これに対応する逆変換を行わせるようにしても良い。

0068

なおまた本実施例および本変形例における動画像符号化装置では、動きベクトルが零ベクトルではないときもGE60で検出された輝度ゲイン63を符号化して復号化装置に対して送信するものとして説明したが、これに限定されるものではない。例えば、動きベクトルが零ベクトルのときのみ輝度ゲイン63を符号化して復号化装置に対して送信し、動きベクトルが零ベクトルではないときは従来どおり動きベクトルと量子化データのみを復号化装置に対して送信するようにしても良い。このため、可変長符号化器61において、送信先である復号化装置で輝度ゲインを含めて符号化されているか否かが認識できるように、新たに設けたフラグをも含めて可変長符号化することで、動きベクトルが零ベクトルではないときの伝送すべき情報量をさらに大幅に削減することができる。あるいは、動きベクトルが零ベクトルのときは、動きベクトルの代わりに輝度ゲイン63を符号化して復号化装置に対して送信し、動きベクトルが零ベクトルではないときは従来どおり動きベクトルと量子化データのみを復号化装置に対して送信するようにしても良い。このため、可変長符号化器61において、送信先である復号化装置で動きベクトルが含まれているか否かが認識できるように、新たに設けたフラグをも含めて可変長符号化することで、伝送すべき情報量をさらに大幅に削減することができる。

0069

なおまた本実施例における動画像符号化装置のGC62では、動きベクトルが零ベクトルではないとき、MC16で動き補償された動き補償動画像データ17をゲイン補償動画像データ64としてそのまま出力するものとして説明したが、これに限定されるものではない。MC16で動き補償された動き補償動画像データ17をGE60で検出された輝度ゲインでゲイン補償したゲイン補償動画像データ64を出力するようにしても良い。この場合、輝度ゲイン63は、上述と異なり必ず復号化装置に対して送信する必要が生じる。

0070

以上説明したように本発明によれば、動きベクトルが零ベクトルであっても大きな輝度変化が生じるフリッカのある蛍光灯照明下のカメラ動画像を符号化するといった劣悪な環境下の動画像についても、動きベクトルにかかわらず画素の補償すべき係数を検出し、ゲイン補償するようにしたので、被写体の動きがないにもかかわらずフリッカによる輝度変化にともなう大きなフレーム間差分の発生を回避することができ、効率的な情報圧縮を行うことが可能となる。

発明の効果

0071

特に請求項3および請求項6記載の発明によれば、直交変換手段によりフレーム間差分データの直交変換により、動画像データ特有の高い相関を利用し、特定の変換係数に集中した各係数を量子化することで、丸め込みを行って空間的な冗長を除去するとともに、さらにフレーム間差分データと動きベクトルとゲインとでその発生頻度に応じた符号化を行うことによって、さらに空間的な冗長を除去し、伝送すべき情報量を大幅に削減する。

0072

さらに請求項7記載の発明によれば、動きベクトルが零ベクトルのときのみゲインを符号化して送信するようにしたので、さらに伝送すべき情報量を削減することができる。

0073

さらにまた請求項8記載の発明によれば、動きベクトルが零ベクトルのとき動きベクトルに代えてゲインを符号化して送信するようにしたので、請求項7記載の発明に比べてさらに伝送すべき情報量の削減が可能となる。

0074

図1本発明の一実施例における動画像符号化装置の構成の概要を示すブロック図である。
図2本実施例における動画像復号化装置の構成の概要を示すブロック図である。
図3本変形例における動画像符号化装置の構成の概要を示すブロック図である。
図4従来の動画像符号化装置の構成の概要を示すブロック図である。
図5フリッカのある蛍光灯による照明下のカメラ動画像の一例を示す説明図である。
図6図5の1フレーム前におけるフリッカのある蛍光灯による照明下のカメラ動画像の一例を示す説明図である。

図面の簡単な説明

0075

10動画像入力データ
11 ME
12差分器
13、92フレームメモリ
14、93 前フレームの局所復号動画像データ
15、83動きベクトル
16、86 MC
17、94動き補償動画像データ
18、91加算器
19、65フレーム間差分データ
20DCT回路
21、66DCTデータ
22量子化器
23、67量子化データ
24、85逆量子化器
25、61可変長符号化器
26、68、88逆量子化データ
27、89 逆DCT回路
28、69、90 逆DCTデータ
29、70 局所復号動画像データ
30、71符号化出力データ
60 GE
62、87GC
63、84輝度ゲイン
64、95ゲイン補償動画像データ
80可変長符号化データ
81可変長復号化器
82符号化動画像データ
96 復号動画像データ

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